【BS時代劇】赤ひげ3(2)「女医の誕生」赤ひげはつぐみに「医者になれ」と告げる。つぐみは反発するが…

出典:EPGの番組情報

【BS時代劇】赤ひげ3(2)「女医の誕生」[解][字]

赤ひげはつぐみに「医者になれ」と告げる。つぐみは反発するが、渋々見習いとして働き始め、結核の患者・正吉の面倒を見るが、実は正吉の命はもう長くはないのだった。

詳細情報
番組内容
赤ひげ(船越英一郎)はつぐみ(優希美青)に「医者になれ」と告げる。保本(中村蒼)、津川(前田公輝)らは驚くばかり。つぐみは反発するが、渋々見習いとして働き始め、患者・正吉(今井翼)の面倒を見ることになる。若い頃から悪事を重ねてきた正吉は養生所でも問題を起こすが、不思議とつぐみには心を許すようになる。自分を捨てた母親に会いたいという正吉。しかし正吉の命はもう長くないということを、つぐみは知っていた。
出演者
【出演】船越英一郎,中村蒼,優希美青,前田公輝,鈴木康介,山野海,久保田磨希,真凛,山崎裕太,奈緒,麿赤兒,今井翼
原作・脚本
【原作】山本周五郎,【脚本】尾崎将也
監督・演出
【演出】皆川智之

ジャンル : 
ドラマ – 時代劇
ドラマ – 国内ドラマ
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸

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キーワード出現数ベスト20

  1. 医者
  2. お前
  3. 正吉
  4. 長崎
  5. 仕事
  6. 手伝
  7. 先生
  8. 達吉
  9. 田山
  10. 父親
  11. 煙管
  12. 津川
  13. 野郎
  14. 労咳
  15. フッ
  16. 自慢
  17. 病人
  18. 養生所
  19. ガキ
  20. グレ

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(保本)<小石川養生所に
つぐみという娘がやって来た。

なぜか 赤ひげは
つぐみを預かるという。

つぐみは もめ事を起こすが

やがて父親から教え込まれた
医術の知識を持っていることが分かった>

(新出)医者になる気はないか。
(つぐみ)私が医者に?

さらしは多めにな。

<つぐみは
赤ひげに医者になれと言われたが

「うん」とは言わず
かといって行く当てもないので

しかたなしに 津川さんの手伝いを
やるようになっていた>

女の医者…。

(ざわつく声)

何で こんなになるまで放っておいたんだ。
へえ すいません。

全く。 膏薬を塗るぞ。

先生?
あっ…。

♬~

何で あの子が津川先生の手伝いなんか
やってるんだい。

去定先生が
あの子を医者にするらしいんだよ。

女が医者!?
女に医者は務まるのかい。

ねえ。

(達吉)おうおう 田山さんよ

なんでえ 医者っていうのは
なりてえっつったらなれるもんなんかい?

ただの手伝いだ。 父親が医者だったので
医術の心得が多少あるということだ。

それだけのことだ。
ほう…。 何で そんな怒ってんだよ。

思い切って抜いたのが よかったな。

塩水での うがいを
続けるように言っておけ。
はい。

やはり やめさせてください。

なぜだ。
皆が変な目で見ます。

そりゃあ見るだろう。
女の医者など初めてだからな。

私は そんなもの着るつもりは
ありませんから。

これがいいんだ。 私も最初は…。
聞いておりません!

やめたいのなら やめろ。

では そうします。

だが お前は父に負けたことになるぞ。
えっ?

それでもいいなら 去れ。

なぜ負けたことになるんですか。

多聞は お前を医者にしようと思い
教えを与えた。

それを無駄にするということは
負けるということだ。

先生は あの娘の父親と…。
お前には関わりのないことだ。

はあ…。

しかし あれで医者が務まりますか?

フッ お前も随分
てこずらせたではないか。

フッフッフッフッ。

父と勝負するつもりはありません。
気が変わったら すぐ出ていきます。

勝手にしろ。

<赤ひげの言うとおり 私も かつては
面倒をかけてばかりいた。

それにしても
女のつぐみを医者にしようなどと…

医者に男も女もないという
赤ひげの考えには恐れ入る>

何だ?

いえ 別に。

この 堀切町の久三というのは

胃腸を患っていた男だな。
はい。

喉 診るぞ 口開け。
へらを…。

♬~

赤くはないな。
ほかに どっか痛むとこないか?

あ~ そうだなあ…。

あっ 痛っ! 痛い痛い痛い!
胸が…! グッ…。

この べっぴんのねえちゃんに
診てもらおうかな。

(笑い声)

おうおう ねえちゃん そうだ
ついでに肩もんでくれや。 なあ。

いいよな 肩!
そりゃ いいや。

あ~ いてえなあ。
あ~ 肩が痛いなあ。

肩… おっ もんでくれんのかい。
お~ ありがて…

痛い痛い 痛い痛い!
痛い 痛い 痛い 痛いって!

痛い… 痛い!       いいぞ ねえちゃん。
痛いよ 痛い!

これでは 養生所の風儀が乱れます。

医者が若い娘なら
男の病人たちが色めき立つのは当然だ。

お前たちで きちんと締めろ。

きちんととは。
きちんととは きちんとだ。

いいな。

やれやれ やっかいなもんを
押しつけられたもんだ。

では 津川先生が
きちんと締めてください。

どうやって…。

はあ…。

(鈴の音)

♬~

(鈴の音)

♬~

おい。 そんなやり方があるか。
一つ一つ丁寧に仕上げるんだ。

こうした方が早いです。

手を抜くな。
手など抜いていません。

初めに全て混ぜてから分けても
同じことです。

何を!? あ…。

この人は 父上から
相当な教えを受けたようだ。

無理強いはしない方がいい。

無理強いなどしておりません。
教えなど受けていません。

あっ そうかね。

(お雪)あの子がお医者になったら…

やっぱり 先生って
呼ばなきゃいけないの?

あの子がお医者に
なれるのかしら。

医術の心得は大したもんらしいからね。

あの子が。

あの。 たらいにお湯を下さい。

(お雪)あっ はい。

いいお天気だね。
そうですか。

仕事 大変だね。

いえ。

ウフフ… どうぞ。
どうぞ。 ハハハッ。

はあ… 津川先生は
往診は楽だなどと言うが

そんなことはない
それなりの苦労はあるんだ。
(竹造)へえ。

今日だって あのご新造は
なぜ去定先生が来ないんだと

まるで私が医者として半人前だと
言わんばかりに。

ヘヘヘヘヘ…。

去定先生も 往診の行き帰りに こうやって
お前に愚痴を言っていたんだろうな。

へえ。 ヘヘヘヘ…。

待て こら~!

てめえ!

おりゃ!
うわっ!

おりゃ~!

♬~

おりゃ~!

お役人だ! お役人だ!

クッソ…。
大丈夫か?     イテッ…。

一体 何があったんだ。
別に。 愚にもつかねえことで。

養生所で手当てをしよう。
それから 番屋にも知らせないと。 行くぞ。

いいんだよ! ほっといてくれ。

(せきこみ)

おい 大丈夫か。
立て。

遊び人同士 肩がぶつかっただけと
言うのですが

ほかの者が逃げてしまっているので
確かめようもありません。

そうか。

しかし…。

何だ?

あの男のせき…。

(せきこみ)

労咳…。

はい。
もしや そうではないかと。

しばらく安静にさせて様子を見るか。
(津川)はい。

つぐみ 労咳の病人を診たことがあるか?

いえ。

よ~く見ておくんだ。

(笑い声)

(正吉)それでよ 俺は気付いたわけよ。

こいつら 俺を
イカサマに引っかけるつもりだなって。

(達吉)おう それでどうした。

俺は 引っかかったふりをしたね。
おう それで?

やつら 俺が引っかかってると
思ってるから油断もいいところよ。

俺は まんまと金を持って逃げたね。

引っかかったのは 向こうってわけよ。
お~! すげえよ!

(正吉)まあ そんなもんだよ。
何 騒いでんの。

静かにしてください 夕飯ですよ。
あ~ 飯 飯。

(正吉)すいませんね
俺が騒がしちゃって。

ここは居酒屋じゃないんですから。
酒持ってこい!

(お光)うるさい。
ここを出たら 俺は長崎に行くんだ。

あら? 長崎に いい人でもいるんですか。

まあな そんなところかい。

ああ だから 早く治してくれよ。

フフフッ。
何だよ。

どうだ? 医者の手伝いは。
別に。

俺も最初は…。
励まそうとお思いですか。

懸命に続けていれば報われるとか。

まあ… そうだ。
はい 分かりました。

先生 今日連れてきた けが人
やはり労咳でしょうか。

まだ分からん。 しかし…

労咳だとすると
生きて ここを出るのは難しいだろう。

医者というのは
必ず 人の死に立ち会うもんだ。

慣れることだ。
いや 慣れないということに慣れるんだ。

人の死など 父の所で
いくらでも見てきました。

ただ見るのと 医者として
きちんと向き合うのでは 別のものだ。

医者など 嫌な仕事です。

おい。

♬~

どうかしましたか?

俺もお前も 医者の家に生まれた。

はい。 それが?

そのことを どう思った?
えっ?

医者という仕事を どう思った。

さあ…。

人を救う いいお仕事だと。

うん…。

なぜ医者を そんなに嫌がる…。

この間 話したろう
養生所に来た つぐみという娘のことだ。

また あの子のことですか。

俺も最初は養生所を嫌がっていたが

医者という仕事を嫌だとは
一度も思ったことがない。

この間から 随分と

その つぐみさんのことを
気になさっていますね。

ああ…。

いや 別に そういうことでは…。
どういうことですか?

はあ…。

仕事で疲れて帰ってきたのに 何だ。

「大変ですね」ぐらい言えないのか。

私だって大変ですよ。
どこが?

お金のやりくりとか。

悪かったな 稼ぎが少なくて。

そのようなことは申しておりません!

何だ…。

♬「あさり むき身や」

≪♬「あさり 殻あさり」

はあ~。

<つぐみが来たせいで
とんだ とばっちりだ>

ない…。 ない ない ない!

ない ない ない!
ない ない ない ない!

お~い どうした。

俺の大切にしてた
銀の煙管がねえんだよ!

そんなもん持ってたのか。
ああ 勘当された…

いやいや 俺が自分から飛び出した時
おやじから くすねてきたんだよ。

いざとなったら
質に入れようと思ってたのによ!

どこに入れてあったんだい?

えっ? これの これの底に入ってたんだよ
ほら 穴開いてねえだろ。

盗まれたんじゃないのかい?
盗…

ってことは…
こん中の誰かが盗んだってえのか ええ!?

おめえか おめえか おめえか おめえか!
ええ!?

あんたが そんなもの持ってるなんて
知らなかったさ!

隠してあったんだろ? 俺たちが
そんなもん知るわけねえじゃねえかよ。

じゃあ 一体 どうして…。

かわいそうになあ…
おう もういっぺん捜してみろよ。

手伝ってやるよ。
悪いな。

♬~

おう。
寝てなきゃダメじゃないですか。

分かってるよ。 しょんべん しょんべん。

(せきこみ)

どうも せきが出るな…。
(せきこみ)

♬~

何だよ またかよ。

医者なら薬でも出してくれよ。

分かりました。
頼んだぜ。

つぐみによれば あの正吉という男
先程 血を吐いたそうです。

何?
初めてではないようです。

そうであったか…。
先生。

以前からとなると
もう 手の施しようがないだろうな…。

最期まで看取ってやれ。
はい。

つぐみ。

お前もだ。
えっ。

しかし この手伝い風情に…。

人の死など
いくらでも見てきたと言ったな。

最期まで看取るのは
さすがに この新米には

荷が重いのではありませんか?

この小娘に 人の死を受け止める力が
あるとは思えません。

やればいいんでしょ!

失礼します。

はあ… 意地になってるだけですよ。
やると言っているんだ。

それでいい。
しかし!

津川も つぐみが意地になることを
見越して あんなことを言ったんだろ。

えっ…。
いや 私は 別に。          フッ。

食えない男だ。

(鼻歌)

うん?

うん?

(達吉)あっ 女先生~。

これは せきに効く薬だそうです。
飲んでください。

おう ありがとよ。

あの~ これ。 達吉さんが ないないって
言ってたやつじゃないの?  ああ?

これだい! これだ これだ これだ…!

ありがてえ!
お~。

玄関の奥の棚の下にあったよ。
棚の下? 何で。

てめえで置いたんじゃねえか?
何だよ 人騒がせな男だぜ。

(達吉)…にしても
何で 棚の下なんだ? ええ?

いや 棚の下…。

(足音)

何で黙ってた。
えっ?

あんただろ? 煙管を返したの。

さっき見たんだろ
俺が盗んだって知ってて なぜ言わない。

どうでもいいことだから。
はっ? お前 盗みは悪いことなんだぞ?

私もやったことがあるから。

何?

お前が盗みを?
子供の頃。

ハッ 何だ ガキの頃の話か。

金に困ったか?
別に。 何か悪いことがしたくなっただけ。

何を盗んだんだよ。
まんじゅう。

ハッ まんじゅうとって
盗みの自慢かい。

ハハハッ。
自慢なんて。

俺はな ゆすり たかり 錠前破り
殺し以外のことは 一とおりやってんだ。

小娘のやったコソ泥と一緒にするな。

フフフフ…。

うん?

悪事の自慢をしてるのは
そっちじゃないの?

フッ それしか自慢がない男は哀れね。

何だと!?

俺はな ガキの頃 親と生き別れになった。

そのあとは親戚をたらい回しだ。

どこに行っても邪魔にされてよ。

そんな人間が グレずにいられるか。

悪いことをすると いい気分だった。

世の中を見返してやってるようでよ。

何とか言えよ。

グレるのを自分で選んだんだ。

何だと?

グレないこともできたのに。

きいたふうなこと ぬかすな。

♬~

あっ お帰りなさい。

今日は お早いですね。
ああ。

急いで夕げの支度をしますね。

うん。

今日は朝から里に行ってたんです。

母の具合がよくないというので。

そうか。 それで義母上は?

ええ ただの風邪のようです。

それはよかった。

あ~… 何だ…。

はい?

すまなかった。

私も言い過ぎました。

父に聞いたのです。

えっ 何を?

(源伯)何? 医者の仕事が
嫌になったことがあるか?

そうだのう…

医者は 人を救うこともあるが
救えないこともある。

悲しいことも… 苦しいことも人一倍多い。

だがのう

わしは生まれ変わったら
また医者を選ぶであろう。

…と 結局
はっきりとは答えてくれませんでした。

いや 分かった。

えっ?

ありがとう。

フフッ。

煮物がおいしく出来ましたよ~。

おっ。 お~ うまそうだな。
フフフフ…。

♬~

何か ご用ですか?

(信次)いや…。

王手。

待った!
待てねえよ。             だ~!

ああ~!
あ~。 あ~あ~。

よう。
どうした。

実は 俺 見たんだよ。
何を。

あの娘が…。

何だと!? あの小娘が何で!

さあね でも 見たんだからしょうがない。

どういうこったい。
(せきこみ)

さあ 療治するぞ。 片づけろ。
はい。

脈。
はい。

おい あんた。 この煙管に見覚えねえか。

別に。

何だ?
とぼけんな!

こいつが あんたが この煙管を持ってんの
見たって言ってんだ!

どうなんだ!

(田山)まさか お前…。

何の騒ぎ?
あん? こいつが泥棒なんだよ。

ええっ。
どうなんだ。 違うなら違うと言え。

どこの馬の骨とも分からねえ子なんだろ?

何で こんなのを入れたんですかい ええ!?

俺だ。

俺が その煙管を盗んだんだ。
(一同)えっ?

金めの物に見えたんでな。 ここを出たら
売り払うつもりだったんだ。

なっ でも こいつが見たって…。

この子は 俺が隠したのを見つけて
戻したのさ。

何で?
俺が知るかよ。

あっ でも… でも でも でも
あんたは…!

俺を信じたのがバカなのさ。

≪(達吉)表出ろ この野郎!

≪(正吉)上等じゃねえか この野郎。

この野郎! お前!

この野郎!
うわっ!

(お雪)キャ~!
(田山)おい やめろ!

(喧嘩する声)

(田山)2人とも…!

やめろ!

邪魔なんだよ!

大丈夫か。

あ…。 あっ…。

あっ… あっ!
てめえ この野郎!

おら~。
(お雪)ねえ やめてよ!

何をしてる!

病人のくせに どういうつもりだ!

おい しっかりしろ。

ゆっくり息をしろ。 津川!
はい。

お前に任せたはずだ。
申し訳ありません。

お常! 水を持ってこい。
はい!

この男は 別の部屋に移す。
(津川)はい!

(せきこみ)

すまねえな…。

あんたの言うとおりだ。

俺は自分で こんな成り行きに…。

≪(正吉)おふくろがいればな…。

えっ。
だって そうだろ。

普通 ガキに やっていいことと悪いことを
教えるのが おふくろだろ。

俺は おふくろの顔も覚えちゃいない…。

どうでもいい話だな。

(せきこみ)

私も母の顔を知らない。

≪(正吉)えっ?

母は私を捨てた ひどい女です。

私にも 母がいれば…。

いや あんたは まともじゃねえかよ。

フッ まともじゃない。

あんたの母ちゃん どこにいるんだ?

分からない。

そうか…。

俺は 居場所が分かってても
会えないんだ…。

どうして?

遠い長崎にいるんだ。

ほかの男の後添いになって
達者にしてるらしい。

会いたいって書いてある。

俺とおやじを捨てた女に今更…。

そう思ってたけどな…。

行けばいい。
えっ?

そんな… だって
俺が会いに行ったら迷惑なだけさ。

それに 長崎に行くには
3両はかかるんだぜ?

行けばいい。

♬~

つぐみ。

入れ。

なぜ 長崎に行けなどと言った。

今の我々の力では

あの男の病を治すことは できん。

もって せいぜい あとひとつきだ。

では あの人は 何の望みもないまま
死ななければならないのですか。

どうすれば!

嘘が あの男のためと思うのか?

なら…

それもいいだろう。

膏薬を出しておくから
2日に一度 湯で洗ってから塗るように。

はい…。

熱が高い。
入所させて 一晩 様子を見よう。

お願いします。
うん。 お雪!

はい!

(田山)案内してくれ。
(お雪)はい。

ありがとうございます。
(田山)次 伝吉!

(お常)伝吉っつぁん あんたの番だよ。
ほら立てるかい? よいしょ!

はい ゆっくりでいいよ。
はい はい。 はい 気を付けて。 はい。

(信次)よう 正吉。
お前…。

久しぶりだなあ。
どうして ここが…。

お前が ここの医者に連れてかれたって
聞いてなあ。

ハハハッ ざまあねえな。

実は いいもうけ話があんだ。

えっ?
河内屋の隠居の座敷に

たんまりと金がある。
頂かねえか。

押し込みか。
やろうぜ。

はあ… 俺は殺しは…。

きれいごと ぬかすな。
金が欲しくないのか。

安心しろ。 腕の立つやつが仲間にいる。

おめえが手を汚すことはねえ。
殺しは こっちで引き受ける。 なっ?

長いつきあいじゃねえか。

分け前は?

10両で どうだ。

♬~

(つぐみ)どこ行くの。

あんた…。

見逃してくれよ。

あんた 言ったろ 長崎に行けって。

金が要るんだよ。

あなたは労咳なの!

もう長くない。

そうじゃないかと思ったよ。

おんなじような せきをした じいさんが
同じ長屋にいたんだ。

たまに血を吐いてよ…。

あっけなく死んじまったよ。

だから俺は 死ぬ前に…!
無理よ!

その体で長崎へは行けない。

嘘だろ。

嘘だ!

♬~

来たな。       ああ。
行くぜ。

♬~

これだ。

♬~

(鍵が開く音)

♬~

御用だ!

御用だ!

♬~

お~! ひっ捕らえよ!

♬~

正吉 お前…。

裏切ったな~! おい!

正吉~!

てめえ~! あ~!

おい!

(間下)ご苦労であった。
よく知らせてくれた。

この男が 話をしてくれたおかげだ。

どうせ長くない命だ…。

だったら死ぬ前に…
一目おふくろに会いたい。

けど…

人をあやめて手にした金で
会ったところで…。

俺は…

俺は どんな顔して おふくろに会えば…。

♬~

俺は…。

お前は よいことをした。

もし お前が話してくれなければ
今頃 この家の者は殺されていただろう。

正吉 お前は 人の命を救ったんだ。

♬~

帰るぞ。
はい。

(せきこみ)

しっかりしろ!
わしの膝の上に乗せろ。

さらしを裂いて丸めろ。       はい。
吐き出せ。

<それから数日後>

入れ。

先生。

正吉が いよいよ。

そうか…。

面倒かけたな…。

はあはあ… 俺…

死ぬ前に 真人間になれた気がする。

(正吉)あんたのおかげだ。

ありがとよ。

私こそ ありがとう。

♬~

(すすり泣き)

ちゃんと看取ってやったな。

♬~

医者に…。

私を医者にしてください。

分かった。

♬~

<こうして
小石川養生所に新しい医者が誕生した>

では うみを拭き取りますので
動かないでください。     はい。

脈が ちょっと速いな。

押さえて。

臭い。
この病人は お前に任せる。 いいな。

酒びたりの父のせいで
母親は出ていってしまったのだろうか…。

それでも あの子には父親しかいない。

父ちゃん…。

父ちゃん…。
俺は… 小太郎の父親になれなかった…。

私の本当の父親は あなたなんですね?