【BS時代劇】赤ひげ3(3)「親子の証」赤ひげの養生所に、酒で体を壊した良助が入所してきたが、酒のにおいが…
出典:EPGの番組情報
【BS時代劇】赤ひげ3(3)「親子の証」[解][字]
赤ひげの養生所に、酒で体を壊した良助が入所してきたが、酒のにおいが抜けない。息子・小太郎がこっそり酒を持ち込んでいるが分かるが、この親子にはある秘密があった。
詳細情報
番組内容
赤ひげ(船越英一郎)のもとでつぐみ(優希美青)が医師として働き始めた頃、酒の飲み過ぎで体を壊した良助(林泰文)が入所してきた。養生所に入ってからも良助からはなぜか酒のにおいがするが、こっそり酒を持ち込んでいるのは良助の息子・小太郎だと分かる。実は小太郎は良助の本当の息子ではなく、良助はそのことで思い悩み自暴自棄になっていたのだが、やがて小太郎はその事実を知り、どこかへ飛び出して行ってしまう。
出演者
【出演】船越英一郎,中村蒼,優希美青,前田公輝,鈴木康介,山野海,久保田磨希,真凛,山崎裕太,田中レイ,河相我聞,林泰文
原作・脚本
【原作】山本周五郎,【脚本】川﨑いづみ
監督・演出
【演出】皆川智之ジャンル :
ドラマ – 時代劇
ドラマ – 国内ドラマ
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
テキストマイニング結果
ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20
- 小太郎
- 医者
- 先生
- 良助
- お前
- 大丈夫
- 病人
- 父親
- 自分
- 親子
- 本当
- 女房
- 津川
- 養生所
- お代わり
- フフッ
- 辛抱
- 長屋
- 田山
- 梅毒
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
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(保本)<養生所に来たつぐみという娘は
父から教え込まれた
医術の知識を持っていた。
医者になれと言う赤ひげの言葉に反発し
しぶしぶ津川先生の手伝いをしていたが
労咳の正吉を看取ったことで…>
(つぐみ)私を医者にしてください。
<ようやく医者になる決意を固めた>
これで よし。
先生は 手際がいいね。
胸を開けて。
女の先生っていいね。
恥ずかしい思いをしなくて済んで
助かるよ。
(つぐみ)では ゆっくり息を吸って
吐いて。
<つぐみが医者になって はや1か月。
その働きぶりは
見習い中とは
思えぬものだった>
目やにはないですね。
まだ少し赤いけど
心配ありません。
ありがとうございます 先生。
ふんっ!
<その一方で…>
では 横になって腹を出して。
お前さんが 医者?
ここは金が かからねえったって
あんまりじゃねえか!
女に医者が務まるか! けっ!
(津川)はいはい
ちょっと ごめんなすってっと。
うん 診るぞ~。 ここか。
イテテテテテッ。
<女の医者を認めようとしない病人も 数多くいた>
≪(お光)先生! 先生!
どうしました?
喧嘩で けが人が出ちまったって。
はよ はよ!
(新出)しょうがない 運び込め。
はい! こっちです!
へえ!
ここを空けて けが人を通して!
空けてください。
(荒い息遣い)
♬~
きつく結んだか。
はい。
くわえろ。
いいか 縫うぞ。 しっかり押さえろよ。
(叫び声)
しっかり押さえろ!
はい!
おい 何してる! 早く来い!
はい!
腕じゃ駄目だ 体で押さえろ。
はい!
お前は いい! 女は下がってろ!
津川!
はい! 血を拭え。
はい。
気にするな。 田山は
お前の医者としての腕をひがんでる。
だから あんな物言いをした。
お前は
幼い頃から医者の手伝いをしていた。
医者も職人と同じ。
年季を積んだ方が ものを知ってるのは
当たり前だってのにな?
まあ あいつの気持ちも
分からんでもないけどな。
後から来た者に抜かれるってのは
そりゃ しゃくなもんだ。
あなたも しゃくですか?
うん?
あなたが一番の古株なのに
赤ひげが最も頼りにしているのは…。
おいおい 赤ひげって言うなよ。
あなたではなく 保本先生かと。
≪あの病人を どう思う?
私は 膿淋だと思います。
小便のあとに うみが出ていました。
うん やはり そうか。
はい。
フッ ほう~。
お前は さすがに見る目があるね。
恐れ入ったよ。 フフッ。
何だ?
やせ我慢が随分と うまいんですね。
こりゃあ 全く しゃくな女だねえ。
フフッ。
<そんな折 路上で倒れていた 大工の良助という男が運ばれてきた>
うっ うう…。
臭い。
うん? 酒臭い。
う~ん 肝臓が腫れてるな。
この男が弱ってるのは
恐らく酒のせいだ。
入所させて
すっかり酒を抜かねばならぬな。
無駄です。
何?
酒を抜いても
ここを出れば すぐに酒に走る。
酒飲みとは そういうものです。
そういう病人を大勢見てきました。
病人だけでなく…。
お前の父のことか。
あの人から
酒の臭いがしないことはなかった。
やるよ。
お前が縫え。
縫うよ。 これ持って我慢して。
つぐみ。
はい。
この病人は お前に任せる。
えっ?
いいな。
(戸が開く音)
先生。
手当ての用意ができました。
お願いします。
分かった。 傷口は洗ったか?
はい。
先生。
お前が縫え。
えっ。
わしが押さえる。
あ…。
案ずるな 今のお前ならできる。
はい!
痛むぞ。 辛抱しろ。
(叫び声)
よし 針の入れ方はいいぞ。
出す箇所に気を配れ。
はい。
近すぎず 遠すぎずだ。
そうだ。
よし 引け。
(叫び声)
よ~し。 そこは素早くだ。
はい。
おい。
女の医者は
酒浸りの相手でいいってことですね。
♬~
臭い。
(お雪)えっ。
ちょっと いけないよ そんな言い方。
酒臭い。
えっ?
(臭いを嗅ぐ音)
ん… 確かに そうね。
飲みましたね?
酒なんか どこにある。
検めます。
あなた 死にますよ?
(お雪)え… ちょ… ちょっと!
酒をやめないと。
あ…。
う~ん 何か…
もうちょっと
やわらかくなるといいんだけど。
(お常)ああ そんなら酒入れたらいいよ。
えっ! 酒は駄目です!
えっ?
えっ?
ハハハハハッ
何だい あの子のことかい。
何だか 物言いがね
取り付く島もないのよ。
とにかく
酒には気を付けた方がよさそうね。
えっ? ああ そうだ
あの病人に見つかったら大変だ。
どっかに隠さないと。 え~っと…。
(津川)ひょいっと。
あ… あ…。 ちょっと。
あっ。
よしよし。
ここなら安心だろう。
ちょっと あんたが飲むんじゃないよ。
あいにく俺は
酒がなくても 酔えるんでね。
はっ?
(鼻歌)
はっ?
無理してるわね。
(2人)うん?
足りぬ 足りぬ 足りぬ 足りぬ 足りぬ!
一体 どこ切り詰めりゃいいんだよ。
はあ…。
足りぬ足りぬ… あ~ もう!
これじゃ 赤ひげと同じじゃねえか。
全く こんな時に… 酒があればなあ。
確かに 無理してるわね。
<それからも 良助の体から 時折 酒の臭いが漂った>
(臭いを嗅ぐ音)
減ってるだろう。 おおっ。
いや 減ってないよ。
いや まあ… う~ん どっちだろう。
ええっ ちょ…。
(せきばらい)
(お光)減ってません。
(一同)お~。
<けれど 依然として 酒の出どころは分からなかった>
うっ…。
辛抱してください。
痛みは どうだ?
押されると痛いです。
ここか?
はい。
ここは どうだ?
そこも… あ~。
すいません。
うん?
(良助)ほっ。 フフフフフッ。
おう ありがとな。
あ~ ハハッ。
う~ん。 で どうだ!
(小太郎)えっ 父ちゃん
今度の家は 部屋が4つもあるの?
そうだぞ。
この部屋は 小太郎だけが使うんだ。
へえ~。 すごいね 父ちゃん。
この家 今までの中で 一番好きだよ。
えっ そうか! ハハハハハッ。
(小太郎)あっ なくなっちゃったね。
父ちゃん もっと持ってくる。
おう ありがとう。
行け。
えっ…。
良助は お前の病人だろ。
すみません。
ああ 今日は残り物はないよ。
帰んな 帰んな。
ちぇ。
ああ お前 また来たのかい。
ちょっと待ってな。
ほら 客の残りだよ。
ありがとう。
あっ。 何すんだよ。
それは 俺のだぞ。
この酒 父ちゃんに持っていくんだろ。
養生所に酒を持ってくるのは
決して許さないよ。
ちょ… 待て。
≪(つぐみ)待ちなさいよ!
つぐみ?
先生! その子 捕まえてください!
えっ? あ… ああ 分かった。
おい 待て!
おい 大丈夫か?
先生。
よし 起こそう。
♬~
うっ う~っ。
痛むか? 大事ない すぐによくなる。
痛…。
母ちゃんは?
知らない。
えっ。
母ちゃんは帰ってこない。
あの子の様子は
往診中に見に来ることにする。
それで よいな。
酒浸りの父のせいで
母親は出ていってしまったのだろうか…。
それでも
あの子には 父親しかいない。
だから ああして酒を持ってくる。
あ~。
(笑い声)
つぐみ。 お前も そうだったのか?
えっ?
そうやって 父親に酒を?
おい。
♬~
子どもが親を捨てられればいいのに。
<それから 小太郎の家に
時折 立ち寄るようになった私は
長屋の者から不穏なうわさを耳にした>
全く災難だよな 良助も。
女房が浮気して出来た子を
押しつけられてよ。
どういうもんかねえ。
自分の子でないものを わざわざ
育ててやんなきゃなんねえってのは。
(笑い声)
何の話をしている。
お嬢ちゃんには関係のない話だよ。
ハハハッ。
♬~
そうか…。
はい。
お前が聞いてきた話と同じだな 保本。
はい。
えっ。
小太郎の住む長屋で
同じ話を耳にした。
どこへ行く。
良助を診てきます。
いいんですか 先生。
ああ。
ですが…。
大丈夫だ。
つぐみは何も分からぬ娘ではない。
お前も聞いたんだろう。
あの男たちの言ってたとおりだ。
小太郎は 俺の子どもじゃねえ。
俺の女房は どうしようもない女だった…。
1年前 小太郎を置いて
うちを出ていった。
出てってやるよ 出てきゃいいんだろ!
こっちだってね あんたとの暮らしなんて
もう真っ平ごめんなんだよ!
はあ。
そうか… 分かったよ。
小太郎を放って
毎晩毎晩ほっつき歩いて。
そんな母親は 小太郎にはいらねえ。
だったら やってみなよ。
何をだ。
やってごらんよ 父親を。
やれるもんなら。
ああ。 小太郎は 俺一人で
立派に育ててやる。
だから 出ていけ!
じゃあ できるんだね あんた。
自分の子でもない せがれを育てることが。
できるんだね?
えっ…。
アハハッ まぬけだねえ
今まで分からなかったのかい。
あの子は どんどん育っていくよ。
あんたに似ないで育っていくよ。
それでも あんた やれんのかい?
父親ができんのかい?
♬~
く… ううっ…。
意気地なしが。
♬~
私も母に捨てられた。
自分の子でもないものを
捨てようとは思わなかったんですか?
小太郎は 赤ん坊の頃から
自分の子として育ててきた子だ。
けど… それから俺は…
酒を飲まなきゃ
いられなくなっちまった…。
小太郎は 何も知らねえ。
あいつには 何も言わないでくれ。
いいね このおうち。 父ちゃん。
はあ…!
回想 父ちゃん。
♬~
父ちゃん これが父ちゃんと住む家だね。
ああ。
ヘヘヘヘ…。
点々 点々…。
どうだ?
ヘヘヘッ。
(小太郎の泣き声)
どうした? 小太郎。
父ちゃん。 怖い夢見たよ。
そっち行っていい?
ああ いいぞ。 おいで。
父ちゃん あったかいね。
(小太郎の母)
あの子は どんどん育っていくよ。
あんたに似ないで育っていくよ。
父ちゃん。
父ちゃんと一緒に食べる飯は おいしいね。
父ちゃん?
♬~
父ちゃん… どうしたの 父ちゃん。
父ちゃん。
俺は 父ちゃんじゃない…
お前の父ちゃんじゃない…。
♬~
どうした。
私には無理です。
何?
私には 良助は治せません。
良助が 小太郎に
夢のような家の絵を描いてやっているな。
あれは 実の世から目を背けるためだ。
夢の中には 誰も立ち入ることができない。
そこでは 2人は本当の親子でいられる。
共に悩め。
えっ…。
それが 必ず 良助の病を治すことになる。
父ちゃん 待ってろよ 父ちゃん。
(せきこみ)
(達吉)あっ ああ。 よう。
あんたも大変だなあ。
そりゃ 酒に逃げたくもなるわな。
何の話だ。
聞いたぞ。 あの小太郎ってえの
あんたの子じゃねえんだってな。
そうなんだろう?
(せきこみ)
小太郎。
本当なの?
父ちゃんは
おいらの父ちゃんじゃないの?
(せきこみ)
父ちゃん…。
(せきこみ)
小太郎! あっ…!
おいおいおい 大丈夫か。
大丈夫ですか。
何があったんですか。
あの子を ここに連れてこい。
小太郎を?
早く。
なぜですか。
あの咳…
あれは 恐らく百日咳だ。
(せきこみ)
早く診ないと 手遅れになるかもしれん。
えっ。
そんな…。
あ… うっ くっ…。
ここにいてください。
小太郎!
小太郎!
♬~
小太郎!
小太郎!
小太郎!
小太郎!
長屋の近所を捜したんですけど
どこにも…。
はあ…。
先生。 良助がいません。
養生所の中を全て捜したんですが
どこにもいません。
あの体で どこに…。
逃げたのではないですか?
その小太郎という子は
自分の子ではない。
更に病など かかられてはたまらないと
逃げたということではありませんか。
何だ。
つぐみ。 つぐみ!
津川 田山。
あの親子を捜しに行け。
はい。
はい。
つぐみ お前は残れ。
医者が皆 出払ってはまずい。
行くぞ。
嘘をつかないでください。
私は あの2人の足手まといになる
そう思ったんですね!
あの2人に任せておけば十分だ。
医者になんて ならなければよかった。
はあ…。
♬~
≪先生! 先生!
(荒い息遣い)
小太郎を… 小太郎を助けてください。
お願いします!
分かりました。
おい しっかりしろ。
あ… あっ…。
いかん 体が冷えきってる。
温めるぞ 急げ。
はい。 よ~し。
♬~
やけどに気を配れよ。
はい。
よし。
うん… だいぶ落ち着いたな。
良助の様子を見てくる。
はい。
父ちゃん…。
父ちゃん… 父ちゃん… 父ちゃん…。
父ちゃんは 今 去定先生が診てる。
父ちゃん… 父ちゃん…。
大丈夫。 お前の父ちゃんは大丈夫。
大丈夫。
父ちゃん…。
<良助と小太郎の親子は
つぐみと去定先生の手当てで
快方に向かった>
痛みはないか。
こ… 小太郎は…。
あ~ 大丈夫だ。
あっ あっ あ…。
今は つぐみが診てる。
はあ~。
酒を… 恵んでもらおうとしてた…。
俺に飲ませようと
酒を…。
小太郎~!
小太郎~!
(せきこみ)
ありがとうございました~。
あんた 大丈夫かい?
しょうがないね 酒だろう?
ちょっと待ってな。
えっ…。
(せきこみ)
ほら 持っていきな。
ありがとう。
(せきこみ)
ありがと…。
(せきこみ)
さっさと帰んな。
小太郎…。
小太郎。
あ… 小太郎!
小太郎!
小太郎!
別れた女房の言うとおりになっちまった。
俺は…
小太郎を放って酒に逃げた。
ろくに仕事もせずに
小太郎を粗末にした…。
俺は
小太郎の父親になれなかった。
では なぜ 小太郎を捜した。
なぜ その体で小太郎を
ここに連れてくることができたんだ。
それは
小太郎が お前の大切な息子だからだ。
子を思う親なればこその
力が湧いたからだ。
お前は 確かに小太郎の父親だ。
♬~
(むせび泣き)
♬~
小太郎。
父ちゃん…。
うん。
父ちゃん…。
父ちゃんは
おいらの父ちゃんじゃないの?
父ちゃんは 父ちゃんじゃないの?
何言ってんだ。 父ちゃんは
お前の父ちゃんに決まってんだろう。
父ちゃん…。
うん?
おいら また 父ちゃんの酒持ってくるね。
小太郎 ごめんな。
父ちゃん もう酒は飲まねえ。
えっ…。
父ちゃん 真面目になってな
もっと働くから。
働いて 働いて
小太郎と住む大きな家建てるから。
いい。
えっ?
父ちゃんがいてくれればいい。
父ちゃんと いつも一緒に
ごはんが食べれるなら おいらは いい。
小太郎…。
小太郎…。
父ちゃん…。
<しばらくして 病が治った小太郎と良助は 共に養生所を後にした>
お世話になりました。
うむ。
小太郎を助けてくれて
ありがとうございました。
よかったね。
うん。
本当に ありがとうございました。
じゃあ 行こうか。
うん。
酒飲みは変わることができない。
嫌なことがあれば すぐに酒に逃げる。
ずっと そう思っていました。
けれど 変わることができる人もいる。
その手助けをすることができるのなら
医者とは…。
医者とは何だ。
何でもありません。
医者とは そう悪いもんでもない。
ねえ 父ちゃん。 うん?
肩車して。
ああ いいぞ。 フフッ。
うわ~ 高いね 父ちゃん。
そうか?
重たくない?
大丈夫 大丈夫。
(竹造)いい親子だな。
ああ そうだな。
あの親子も 全く人騒がせだったな。
全くです。
おい 田山。
はい。
何だか お前 肩に力入ってないか?
ハハハッ ガッチガチだ。
イテテテッ 痛い 痛い。
さっさと あいつを認めちまえば
楽になるよ。 えっ?
そうすりゃ お前も
さっさと いい医者になれる。
あと2~3日すれば ここを出られますよ。
そうですか。 よかった。
よく辛抱しましたね。
ありがとうございます。
随分 柔らかくなったんじゃないかい。
はい。
本当だ。
(笑い声)
それは よかった。
それなら退所も早いでしょう。
先生 ありがとう。
あの ちょっと。
梅毒のはずだが 私が診た梅毒の病人で
骨の痛みを訴えた者はいない。
梅毒のはじめで間違いありません。
そうか?
まれに
全身の節々の痛みを訴える者もいます。
そのような病人を診たことがあります。
おお そうか。
はい。
では。
あっ!
えっと… その…。
助かった。 これからも頼む。
さあ 手を出せ。
痛むか?
はい…。
♬~
お代わり。
えっ あ…。
はい。
お代わり。
はい。
はい。
おうおう ご両人威勢のいいこった。
じゃあ 俺も…
お代わり。
あっ…
もう おしまいです。
えっ…。
<どうやら 割を食うのは いつも この男のようで…>
おっ うまいな 今日のたくあんは。
いつもと違うな。
昨日とおんなじですよ。
そうかい。
フッ。
♬~
失礼します。
何だ。
療治を始める前に
少しお話ししたいことがあります。
入れ。
私に良助を診させたのは 父の心を
分かってやれということだったのですね。
はあ…。
おかげで分かりました。
なぜ父が
私に あのように接していたのか。
なぜ あのように酒に逃げたのか。
そうか。
私は 父の子どもではないのですね?
何!?
私の本当の父親は…。
新出去定 あなたなんですね?
なっ…!
♬~
おとっつぁん!?
家で倒れていた。
食べねば よくなりませんよ。
男は 愚かなものだな。
何で 女房の気持ちに
気付いてやれないんだろう。
罰が当たったんだ。
おまつはな
俺に愛想を尽かして死んでったんだ!
まだ遅くはないぞ。
しっかり生きて 生き抜いて
その時こそ その手を握り締めてやれ。