【BS時代劇】赤ひげ3(4)「女房の手」赤ひげ(船越英一郎)のもとで働くお常(山野海)の母親・おまつ(山口果林)が…

出典:EPGの番組情報

【BS時代劇】赤ひげ3(4)「女房の手」[解][字]

赤ひげのもとで働くお常の母親・おまつが亡くなる。夫の藤吉は悲しみを見せなかったが、一方で食事をとろうとせず、養生所に入所する。藤吉の頑なな心の奥にある思いとは。

詳細情報
番組内容
赤ひげ(船越英一郎)のもとで働くお常(山野海)の母親・おまつ(山口果林)が養生所で亡くなった。夫の藤吉(石橋蓮司)は不愛想な職人気質の男だが、ふとしたことから妻に嫌われていたと思い込んでいる。おまつが亡くなっても悲しみを見せない藤吉。一方で食事をとろうとせず、倒れて養生所に入所してくる。そこで藤吉は入所患者たちからおまつについての意外な話を聞かされる。藤吉の頑なな心の奥にある思いとは…。
出演者
【出演】船越英一郎,中村蒼,優希美青,前田公輝,鈴木康介,奈緒,山野海,久保田磨希,真凛,山崎裕太,河相我聞,山口果林,石橋蓮司
原作・脚本
【原作】山本周五郎,【脚本】川﨑いづみ
監督・演出
【演出】猪原達三

ジャンル :
ドラマ – 時代劇
ドラマ – 国内ドラマ
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸

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  1. 藤吉
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  3. 先生
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  6. 気持
  7. 苦労
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  9. フフッ
  10. 愛想
  11. 一緒
  12. 病人
  13. 父親
  14. お常
  15. お雪
  16. フフフフ
  17. ヘヘッ
  18. 一体
  19. 達吉
  20. 竹造

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(つぐみ)私は
父の子どもではないのですね?

(新出)何!?

私の本当の父親は…。

新出去定 あなたなんですね?

なっ…!
(お雪)えっ…。

≪けが人だ!

まさか…。 (お光)どうしたの。
えっ! えっ?

あ… あっ 掃除… ハハハッ。

ちゃんとして。
はい。 はい。

去定先生と… つぐみちゃんが…。

つぐみちゃんが どうかしたの?
えっ あっ あっ! えっ やだ 何でも。

そう? さっきから おかしいわね。
エッヘヘヘヘッ。

はあ~。

(田山)どうかしたのか?
あっ… 何でも。

俺でよければ 話を聞くぞ。

何でも… ないんですって…。

俺は こう見えて
めっぽう口が堅いんだ。

そうなんですか?

そうだ。

じゃあ…。

あの…。

実は…

いや やっぱり 何でもないです。

まさか… つぐみちゃんの父親は…
はあ~。

おい。 うん?
何だか 焦げ臭いぞ。

あっ! いっけない!

どうも ありがとう。

ああっ!
(津川)おい 急に変な声出すな。

そうか… お雪は 私に恋を…?
ああ?

だから あんなに ため息をついて…。

♬~

フフッ ご精が出ますね。
はい。

やはり。 フフフフ…。
気持ち悪い。

先生。
何だ。

病人の器が もう使えぬものばかりだと
台所から苦情が出ています。

まだ十分使える。

いや あれでは さすがに…。
そんな金が どこにある!

うん?

先生。 おまつの具合が…。

何!?

<そんな中 台所の要であるお常に

悲しい別れが迫っていた>

先生…?

会わせたい者がいるのなら
今のうちに会わせた方がいい。

じゃあ…。

今まで 本当に よく頑張った。

さすがは お前の母だ。 強い。

先生~。

(泣き声)

おっかさん。

どっか痛くないかい?
苦しくないかい?

お常… まだ なおらないのかい?

えっ?

赤ん坊の頃から 泣いて泣いて 泣き虫で

お前は 本当に困った子だったよ。

おっかさん…。

おっかさん 何か食べるかい?

おかゆが炊けたところだよ。

お常…。
うん?

うちに… 帰しておくれ…。

お願いだよ。

<こうして おまつは うちに帰ることになった>

待て~!

(竹造)ヘヘヘッ
どこへ行くんだい。

うら~! (子どもたち)うわ~!
ハハハハッ。

フフフフッ…。

先生 ここまで
おっかさんを おぶってくれて

ありがとうございました。
いや。

先生…。

私の… わがままを聞いてくれて…。

無理に話さなくていい。

おとっつぁん
おっかさんが帰ってきたんだよ。

おとっつぁん!
何してんだい おとっつぁん!

いいんだよ お常…。

おっかさん。

<それから数日後>

(荒い息遣い)

おっかさん!

♬~

おっかさん… うっ… おっかさん!

(お常の泣き声)

<私は この時 妻に先立たれた
藤吉のことが気になっていた。

その いかめしい顔の裏に
一体 どんな思いを抱えているのかと>

(鼻歌)

はいはいっと。 よいしょ よ~いしょっと。

あらっ ちょちょちょ…。

いい出来だね。
あんた 腕上げたんじゃないの?

ええ 本当に?
ハハハハッ。

あらっ あらあら ちょちょちょ…。

いや いい艶だよ。

さすが お光さんの煮物に限るねえ。
あ… はい。

(鼻歌)

お常さん 大丈夫かしらね。
そうねえ…。

(鼻歌)

(物音)

先生 何してんです?
雲行きが怪しい。 一雨来るかもしれん。

いや 先生に こんなこと…。

急ぐぞ。
あ… はい。

はい はい はい はい はい。

無理に明るくするな。

後で来るぞ。

先生?
うん?

おっかさん 幸せだったんでしょうか。

おとっつぁん
ここに見舞いにも来なかった。

おっかさんが うちに帰ってからも
片ときも ノミを放そうとしなかった。

お前の父親は 大名家にも品を納めている
腕のいい指物師だったな。

そんなの はるか昔の話です。

今は 年取っちまったせいで
すっかり落ちぶれちまって…。

それなのに いい時のことが忘れられずに
必死に仕事にしがみついて。

おっかさんは
職人かたぎのおとっつぁんに

いっつも気兼ねして暮らしてた。

おっかさんが かわいそうで
しかたないんです。

(雷鳴)

雷さんだ いよいよだ。
あ~ くわばらくわばら。

<藤吉の様子が気になった私は 往診の途中で 藤吉のうちに立ち寄った>

(戸をたたく音)
藤吉 いるか?

あっ おい。
ここのところ 藤吉見かけたか?

ふん 知らないよ
あの偏屈じじいのことなんか。

えっ?
はあ。 全く
同じ貧乏長屋に住んでるってのに

ろくに挨拶もしないで。
何様だと思ってんだい。

♬~

藤吉! 藤吉 大丈夫か。

<藤吉の体は ひどく弱っていた>

(竹造)空けてくれ。

あっ 病人だ 寝床を用意してくれ。

はい。

えっ おとっつぁん?

家で倒れていた。
しばらく食べていないようだ。

おとっつぁん!?

<体力が戻るまで 藤吉を養生所に入所させることになった>

食べねば よくなりませんよ。

いらねえよ。

それなら出ていってください。

何だと。

治すつもりがないなら
出ていってください。

ここで療治しなけりゃいけない病人は
あなたのほかに あまたいるんです。

先生! お~い 先生!

どうしました?

こいつを診てやってくれ!
はい。

≪(つぐみ)さあ 食べてください。

食べてください!
いらねえって言ってるだろ。

何やってんだよ おとっつぁん。

つぐみ
お前 また余計なこと言ったんだろ。

全く お前は 減らず口だからな。

フッ あなた程ではありません。

ああ?
おとっつぁん。

危ないとこ助けてもらって
こんなに よくしてもらって

一体 何が気に入らないってんだい!

誰も そんなこと頼んじゃいねえよ。

何だって?
あんたなんかね あんたなんかね!

(津川)おいおい まあ
今日は そんくらいにしてな。 うわっ

ああっ…。

こんなこと言いたかないけどね…

おっかさんじゃなくて
あんたが死ねば よかったんだ!

うん あれだな。
女ってのは ついカ~ッとなるもんで。

フッ 男も同じです。

≪何度言ったら分かるんだ!
うん?

体を休ませねばならんと言っただろ!

女房が大事じゃないのか。

お前は それでも亭主か!

≪すんません!

まあ そりゃ そうだけど…。

あいつの言うとおりだ。

えっ?

俺が先に死にゃあよかったんだ。

<それからも藤吉は かたくなに食事をとろうとしなかった>

♬~

つぐみ。
はい。

藤吉は まだ何も食わんのか。

はい。
う~ん…。

お常さんも言い過ぎたことを気にして
いろいろ こしらえているんですが…。

♬~

子に やっかいをかける親は
どこにでもいるんですね。

私の本当の父親は… あなたなんですね?

やっぱり。
何だ。

あっ いえ。 ハハッ いや 何でもないです。
フフフッ お代わり?

はい。
ウッフフフッ。

あの! お光さん!
う~ん 何?

ああ… いえ…。
いや 何もだえてんの もう。

何でもないです。
仕事して。

やはり。

今日は 佐平治長屋の甚六からだ。
(竹造)へい。

保本。
はい。

往診に出る前に 藤吉に会ってやれ。

はあ。
女房持ちには 女房持ちだ。

今から考えても
しかたのないことなのだが…。

私には 一緒になって3年の妻がいる。

何の話だ。

この先 共に年を重ねて

白髪になるまで添い遂げたいと
思っているが…。

私は 妻に看取られて逝きたい。

自分が妻を看取るなんて
耐えられそうもない。

そんなことを時折 考える。

全く 俺は 意気地のない男だな。

罰が当たったんだ。

女房を粗末にした罰だ。

だから女房を… おまつを…

俺が見送るはめになった。

年取って
すっかり落ちぶれちまったけど

俺は もう一度 お大名家に
納められるような品を作りたかった。

だから寝る間も惜しんで
ノミを握り続けた。

お茶が 入りましたよ。

(藤吉)そんな俺の気持ちを おまつは…

おまつだけは分かってくれていると
思っていた。

(藤吉)けど…。

冷めないうちに どうぞ。

俺に触られるのも嫌な程
おまつは 俺に愛想を尽かしていたんだ。

笑えよ。

えっ…。

おかしいだろ。
笑えよ 笑ったらいいじゃねえか!

<藤吉の凝り固まった心を解くのは そう たやすいことではなさそうだ>

あの… もし。

あなたが
おまつさんのご亭主ですか?

そうだが…。

ここに入所中 おまつさんに
本当にお世話になりました。

おまつに?
はい。

おまつさんは この子のために
自分の着物を仕立て直してくれたんです。

私には もう いらないからって。

旦那さんにお礼が言えてよかった。

本当に ありがとうございました。

博打がやめられねえで
借金を重ねた上に

病になって すっかりしょげてたらよ
おまつさんは…。

俺だってよ もっと
まともな親のもとに生まれてれば

もっと金持ちの家に生まれてれば…!

こうは ならなかったのによ。

フフッ フフフフ…

どこで生まれたって 同じじゃないの?

何だと!? 俺が
どんなに苦労したか知りもしないで。

知らないわ。 けど 苦労しない人なんて
一人もいないのよ。

えっ?

あの人も。 ほら あの人だって。

みんな 人には言えない苦労しょってるの。

ほ~ら 見てよ あの人。

この世の全ての苦労を
背負ったみたいな顔してるじゃない。

う~ん…。

あんな顔になりたいの?

それは… ごめんだな。

でしょう? フフフフ…。

(笑い声)

何が おかしいんだ。
さあ?

何だか 俺
病の方も だんだんよくなって…

明日には
ここを出られることになったんで。

おまつさんに 会えてよかった。

(達吉)よっ 色男。

何だ お前は。

あんた おまつさんの旦那なんだってね。

いや~ まいったよ おまつさんには。

うちの人の作る品物はね
10年たっても20年たっても変わらないの。

変わらないどころか
使うごとに どんどんよくなるの。

それはね うちの人が丹精込めて
丁寧な仕事をしているからなのよ。

へえ~ そうかい。 ハハッ。

(小声で)あれ これ昨日も聞いたよな。

あんたの話
何度も繰り返しされてよ。

でも そん時のおまつさん
何だか うれしそうで 楽しそうでよ。

若え娘に戻っちまったみてえで。

面倒くせえけど
かわいいなと思っちまったよ。

あんたが羨ましいよ。
女房に あそこまで ほれられるなんてよ。

嘘だ。
えっ?

そんな嘘…
俺をからかって どこが面白いんだ!

ちょっ 落ち着け落ち着け。 待てって!
ちょ… 待て待て 落ち着け落ち着けって。

あっ 痛っ。 痛っ。
おい やめろ やめろ。 やめろ。

おまつが
そんなこと言うわけねえや!

おまつは笑わねえ女だ
めったに口をきかねえ女だ!

見ず知らずのてめえなんかに
そんな話するわけねえ!

やめろって!
落ち着けって。

おまつはな
俺に愛想を尽かして死んでったんだ!

(達吉)イッテ。 チッ。

≪どう思う?

(まさを)いや…
どう と言われましても…。

藤吉の言うように おまつは
藤吉に愛想を尽かしたのだろうか。

それはありませんよ。
えっ?

そうならば
家に帰りたいとは言いませんよ。

おまつさんは
藤吉さんに見送られたいから

家に帰りたいと言ったのではないですか?

では なぜ 藤吉の手を
振り払ったりしたのだろうか。

う~ん…。

あっ。
何だ?

もし今
あなたが私の手に触れようとしたら

私も同じことをするかもしれません。

えっ…
私に愛想を尽かしたのか?

そうではありませんよ。
では なぜ?

もし そうだとしたら…
おかわいそうに…。

かわいそう?

藤吉さんは おまつさんのお気持ちを

分かって差し上げることが
できなかったのですね。

♬~

達吉の言うとおりだ。

おまつは お前に ほれていたんだ。

何 言ってんだ…。

じゃあ 何で 俺の手を振り払ったんだ。

俺に触れられるのも嫌だったからだ!

お前は おまつが亡くなった時
その手を握っていたな。

ええ?
その手は どうだった?

どうって…

荒れて… くたびれてたよ。

俺が 苦労かけて粗末にしたから…。

やはり そうか。

お前の手を振り払ったのはな…。

恥ずかしかったんだ。

荒れた手をお前に触られるのが。

どうしても嫌だったんだ。

くたびれた手をしていることを
お前に知られるのが。

男は愚かなものだな。

一番近くにいるのに 何で女房の気持ちに
気付いてやれないんだろう。

ヘッ… ヘヘッ ヘヘッ…。

藤吉?

そんなバカなことがあるか。

そんなバカな…
でたらめ言うんじゃねえや!

(お常)おとっつぁん。

これ 覚えがあんだろう?

これは おっかさんが死ぬ前にくれたんだ。

おっかさん これを帯の中に入れて
肌身離さず持ってたんだよ。

♬~

何度も貸してって言ったのに
おっかさん 一度も貸してくれなかった。

これは 一緒になったばっかりの頃

おとっつぁんが作ってくれた
宝物だからって。

おっかさん ずっと大切にしてたから
少しも傷んでないんだよ。

ほら 見てごらんよ。

おっかさんは
心底 おとっつぁんに ほれてたんだ。

ほれた おとっつぁんに
いい仕事してもらうために

文句も言わずに支え続けたんだよ。

ううっ…。

ううっ…。

おとっつぁん。
うう~。

(藤吉)ううっ… うっ…。

♬~

食べろ。

食べるんだ。

おまつに…

おまつに 会いてえ。

会って… 言ってやりてえ。

おめえは
俺には もったいねえ女房だったと。

本当のお前は 朗らかで 明るくて

周りの力になれる女だったんだな。

ず~っと一緒にいたのに…

あいつの何を見てきたんだ…。

もう遅い。

もう手遅れだ…。

(すすり泣き)
遅くはない。

まだ遅くはないぞ。

これは…

この手は

今まで 一生懸命働いてきた職人の手だ。

そして この手は まだ誰かのために
働くことのできる手なんじゃないのか。

お前の女房も
きっと それを望んでるはずだ。

しっかり生きて 生き抜いて
また女房に会えたら…。

その時 その時こそ

しっかりと その手を握り締めてやれ。

(泣き声)

♬~

おとっつぁん…。

♬~

<そして藤吉は 再び指物師として仕事を始めた>

おとっつぁん 出来たかい?
もう少しだ。

ああ じゃあ ちょっと待たしてもらうよ。
よいしょ。

おとっつぁんの作る品物は
使い勝手がいいって評判だよ。

そうかい。 ヘヘッ。
フフッ。

<藤吉は
大名家に納めるためのものではない

人々の暮らしに寄り添う品々を
作り始めた>

もう少し待っててくれよ おまつ。

<おまつのように 日々を懸命に生きる人々のためのものを>

(お雪)はい。
はい。 置いとくよ。

あれ?
どうしたんだい 随分いい器じゃねえか。

器だけじゃないよ 中身もいいよ。

本当かよ。
ったく もう…。

あっ…。

先生。
うん?

あの…

おっかさんは かわいそうな女だって
思ってました。

けど…

心底ほれた相手と一緒にいられたんだから
幸せだったんですよね。

そうだな。
フフッ はい。

はい! ごはんだよ。

はいはい はいはい お待ち遠さん。

はいよ。
おう 器替わっただけで やたらうめえな。

だから 中身も頑張ってんだから ねえ?
そうだよ。

うめえ うめえ。 なあ? うめえな。
おいしいかい?

(まさを)そうですか。
それは よかったですね。

お前のおかげだ。

えっ?

あら。

それは どういたしまして。
フフフッ。

お前は いいな。
えっ?

そうやって すぐに素直になれて。

私には なかなか難しい。

だから 藤吉のかたくなな気持ちも
分からなくもなかった。

そうですか。

でも… たまには こうやって
素直にならなくてはな。

あっ いや。 あの…。
うん?

私の手…

すっかり荒れてしまってますけど。

荒れてなどいない。

私を支えてくれてる
あたたかい手だ。

♬~

この手で
大勢の人の命を救っているのですね。

あたたかくて 誇らしい手です。

♬~

つっ…。 ハア~。

ハア。

おおっ 何だ。

うん?

あかぎれに効きます。
いらん。

迷惑です。
うん?

そんな手で病人を触るつもりですか。

チッ。 はあ~。

失礼します。

待て。

話がある。

何ですか これは。
その字に見覚えがあるだろう。

読んでみろ。

どこにしまったのか忘れていたが
ようやく見つかった。

(多聞)「我が子 生まれ申し候。

いつか この子に
会いてもらいたく存じより候。

つぐみと名付け申し候。

私によく似ておりし 女の子にて候」。

お前は 間違いなく多聞の娘だ。

はあ~ 勘違いか… もう。
気に病んで損した。

その文は お前が持っていろ。

えっ?

♬~

いりません!

どうしてだ。

父は私をしもべのように こき使い
母は私を捨てて出ていきました。

なぜですか?

あなたと 父と母との間に
何があったんですか!

♬~

えっ… つぐみちゃんのおとっつぁんと
去定先生に 何があったの?

お雪。
はい!?

お雪。
うん?

私なりに よく考えてみたんだが…。

あの… 何を?

ここは男らしく
お前の気持ちに応えたいと思う。

私の気持ち?
ああ。

しかし考えてみたら 私も前から
お前に ほれていた気がするんだ。

だから私は。
あの 何言ってるんですか。

恥ずかしがらなくてもよい。
お前は この私に ほれているのだろ?

えっ?
えっ?

いいえ 全く。 少しも。

♬~

<そして この男の勘違いは幕を閉じた>

<一方…>

[ 回想 ] 失礼します。

ご精が出ますね。 お茶を どうぞ。

かたじけない。

♬~

<この男の過去には 一体 何があるのだろうか>

うちの 婿になっていただきたい。
ええ!?

お前は 医者であることに
迷いを覚えていたんじゃないか。

俺の暮らしは何だろうって
近頃 思うんだよ。

津川先生も婿に行くお年頃だ。

恋煩いだ?
恋煩いです。

お優しいのですね。

本当に医者に未練はないんですか。

私はですね…。