監察医 朝顔 新春SP【なれ初め&妊娠&出産!家族幸せエピソードに笑いと涙】[字][デ]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
監察医 朝顔 新春SP【なれ初め&妊娠&出産!家族幸せエピソードに笑いと涙】[字][デ]
初めての方も楽しめる万木家の幸せエピソード満載!ちゃんと新作新春SP!朝顔の成長を追う…!新人法医から、妊娠&出産、そして朝顔と平の2人きり箱根旅行!
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番組内容
新春特別編!全編新撮にて、朝顔(上野樹里)と桑原(風間俊介)が初めて出会ってから恋人として付き合うまでのことや、朝顔がつぐみ(加藤柚凪)を身ごもってから生まれるまでのことなど、これまで描かれることのなかった朝顔、平(時任三郎)たちの宝物のような物語を、新春にふさわしい爽やかな涙とともにお送りする。
さらに、初めて執刀助手として解剖に臨んだ朝顔のエピソードも明かされる。
番組内容2
初めての執刀助手ということで緊張する朝顔たちのもとへ運ばれてきた遺体は、特殊造形の作家をしている男性で、第1発見者は小学2年生の男児だった。遺体は発見時、体中に砂糖がふりかけられているという異様な状況で、遺体の発見現場にあった砂糖ケースからは、なんと男児のものらしき指紋が検出されたという。この男児が一体、どう関わっているのか、刑事たちが測りかねている中、解剖の結果は…。
出演者
上野樹里、時任三郎、風間俊介、志田未来、中尾明慶、森本慎太郎(SixTONES)、藤原季節、斉藤陽一郎、坂ノ上茜、望月歩、宮本茉由、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、加藤柚凪 ・ 大竹しのぶ(特別出演) ・ 戸次重幸、平岩紙 ・ ともさかりえ、三宅弘城、杉本哲太、板尾創路、山口智子、柄本明 他
スタッフ
【原作】
原作:香川まさひと、漫画:木村直巳、監修:佐藤喜宣『監察医 朝顔』(実業之日本社)
【脚本】
根本ノンジ
【音楽】
得田真裕
【主題歌】
折坂悠太『朝顔』(Less+ Project.)
【法医学監修】
上村公一(東京医科歯科大学)
【法歯学取材】
斉藤久子(千葉大学)、勝村聖子(鶴見大学)
【医療監修】
髙田哲也、佐藤留美子(日吉メディカルクリニック)
スタッフ2
【プロデュース】
金城綾香
【演出】
平野眞
阿部雅和
三橋利行ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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キーワード出現数ベスト20
- 朝顔
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- 今日
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- 桑原君
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- 助産師
- 森本
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
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(4人)新年 明けまして
おめでとうございます。
本年も
よろしくお願いいたします。
今回の新春スペシャルは
少し過去のお話になっています。
私 平が
東北へ引っ越す前の話で。
僕 桑原も
長野に転勤する前のお話が
ベースとなっております。
それでは 皆さん
どうぞ お楽しみください。
今年も…。
(4人)
『監察医 朝顔』を よろしく!
(セミの鳴き声)
(平)今日は 豆腐がいいな。
(里子)ワカメです。
豆腐も入れてくれ。
(里子)お豆腐は 夜 使うの。
使うって?
(里子)
夜ご飯 マーボー豆腐だから。
え~ 食いたかったな。
知りません。
(朝顔)お母さん
何で 起こしてくれなかったの!?
今日 朝練なのに。
(里子)起こしたって。
もう 最悪。
うわ めっちゃ寝癖!
はい。
(朝顔)うわ もう こんな時間。
朝ご飯は 食ってけよ。
え~!
早く 早く。 はい。
はい お父さん。
(里子)もう ちょっと 朝顔!
もう… ハハハ。
ごちそうさまでした!
あっ 朝顔 朝顔。 お弁当。
待って 待って。 気を付けて。
いってきます!
気を付けて。
いってらっしゃい。
ハァ~。
あいつ 結婚したら
どんな奥さんになるんだか。
大丈夫よ。
だって あの子…。
(朝顔)うん。
OK。
(朝顔)あっ お父さん おはよう。
(平)おはよう。
今日の味噌汁は 何かな?
今日は 豆腐とワカメ。
それは 正解だな。
えっ? 何? 正解って。
教えない。
え~。
(桑原・つぐみ)おはよう。
(平・朝顔)おはよう。
(桑原)あっ 今日
変な夢 見たんだよ。
何? 変な夢って。
金縛りにあった。
金縛り?
(つぐみ)金縛りって何?
金縛りってね
お化けに 体つかまれて
動けなくなること。
(つぐみ)えっ? お化けいるの?
お化けは いません。
それ 夢じゃないじゃん。
金縛りにあう夢を見たの。
夢の中でも寝てたってこと?
そうなんですよ。
あっ これ夢だ~
起きなきゃって思うんですけど
体 ぴくりとも動かなくて
金縛りだって分かったんです。
(つぐみ)お化け 怖い。
も~ パパが余計なこと言うから。
大丈夫 お化けはいません。
つぐみ ごめん ごめん ごめん。
お化けね パパの
お布団のところにだけ来たから
もう帰っちゃった。
(つぐみ)えっ? どうやって?
そうだなぁ… 階段 下りてね
すーって
じいじのお部屋入ってった。
おい。
えっ…。
で? 金縛り どうなったの?
怖いな 怖いなって
思ってたんだけど
何か いい匂いするって思って。
あっ これ 朝顔の
お味噌汁の匂いだって思ったら
ぱって 金縛り解けた。
正解の味噌汁は すごいな。
何? さっきから。
こっちの話。
朝顔も母親になったなってこと。
意味 分かんない。
フフ。
つぐみ 食べな。
お化け いないから。 ねっ?
お父さん 昨日 夜 遅かったのに
ごめんね。
当番だからね。 それに
今日は ゆっくりだから大丈夫。
(平・朝顔)いただきます。
ん。
あっ サンキュー。 おっと はい。
あっ お父さん。
ん?
今日 晩ご飯 いらないから。
ふーん。
絵美先生のとこのお子さん
まだ小さいから
残業することになった。
ふーん。
ふーんって 何?
ふーんってこと。
感じ悪っ。
フフフ…。
晩ご飯ぐらい
たまには 誰かと外で食べてこい。
今日は さぶちゃんとこで
食べてくるつもりだよ。
1人で?
悪い?
ふーん。
何それ。
フフフ…。
解剖室の掃除 終わりました。
(藤堂)お疲れ。
(高橋・絵美)お疲れさま。
次 何やりますか?
(絵美)あ~…
デンタルチャートの予備
後で 倉庫から持ってきてくれる?
はい。
(高橋)あっ いいよ。 俺やるよ。
(藤堂)高橋 頼んだ資料 まだ?
ヤベッ 忘れてた…。
(藤堂)も~。
一ノ瀬さんは 早かったなぁ。
一ノ瀬さんって 前の技師さんの?
そう 定年で辞めちゃった。
一ノ瀬さんと比べんの違うでしょ。
あのう…。
(藤堂)仕方ないやろ。
ポンコツやねんから。
(高橋)言い過ぎでしょ。
ちょっと 撤回してください。
(桑原)あのう…。
(高橋)何!?
(桑原)あっ すいません。
お忙しいところ失礼いたします。
あっ…。
《あのう…》
《はい》
《大丈夫ですか?》
《あ… ごめんなさい》
《よかったら 使ってください》
《どうぞ》
《あ…》
どうも。
(絵美)お巡りさん また来たの?
昨日も来たやん。
(桑原)あ… 北野毛山交番の
桑原です。 本日 たまたま
この辺りを重点的に
警らしておりまして。
(高橋)昨日も重点的に
やってたよね?
(桑原)それはいいんですけど。
もし よかったら これ
実家から送ってきたんで 皆さんで。
ああ すいません。
(桑原)あっ 皆さんなんで。
ぜひ。
あ… ありがとうございます。
あのう これ 皮も薄くて
すっごいおいしいと思うんで。
あのう それでなんですけど
よかったら
今晩あたり 金華園の方も…。
あのう… 今晩は 残業なので。
そうですか。
はい。
フフフ…。
(桑原)失礼します。
失礼します。
(高橋)お疲れさまでーす。
(藤堂)おもろい兄ちゃんやな。
(絵美)めげずに よく誘うよね。
この間は カニだっけ。
一回くらい行ってあげれば?
確かに。 絶対 あのお巡りさん
悪い人じゃないと思うよ。
こうやって 皆さんに
いじられるのが嫌なんです。
そりゃそうだ。
☎
はい 興雲大学 法医学教室。
はい。 はい 分かりました。
解剖のご依頼 入りました。
(絵美)はい。
(藤堂)茶子先生は?
おととい ミラノで
学会を終えられてるので
間もなく戻られるかと。
ミラノ? じゃあ 戻ってこない。
そのまま ベネチア辺りまで行ってる。
えっ!?
しゃあないな。 朝顔先生
執刀助手 やってみるか。
いいんですか?
(藤堂)茶子先生から
許可は もろとる。
(絵美)初めてだね 執刀助手。
頑張って。
はい。
(伊東)お疲れさまです。
(一同)お疲れさまです。
(藤堂)伊東ちゃん。
今日 朝顔先生 助手につくから。
(伊東)おっ ついにデビュー?
リラックス リラックス。
よろしくお願いします。
(伊東)大丈夫 大丈夫。
最初はね みんな 失敗するから。
俺だって 最初の研修は
もう 見てらんなかったもん。
(絵美)縁起でもないこと言うな。
(伊東)えっ? ヘヘ…。
(藤堂)ほな 行くで。
はい。
(絵美)朝顔先生 あっち あっち。
カメラは 今日 私が やるからね。
あっ ありがとうございます。
(伊東)小林 周作さん 35歳。
職業は
特殊造形の作家さんです。
ご自身のアトリエで
亡くなっていました。
(藤堂)それでは 9時32分
N575番 解剖を開始します。
(藤堂)じゃあ 外表所見 いくで。
はい。
(藤堂)胸に皮膚変色。
皮下出血か?
測って。
はい。
縦15cm。
横2cmです。
(岡島)はい。
写真 お願いします。
(シャッター音)
藤堂先生。
(藤堂)ん?
これは…。
(藤堂)何や? これは。
髪の毛以外にも。
(伊東)それ 砂糖ですね。
(藤堂)砂糖?
(伊東)ええ。
現場では
体全体に かけられていて。
(岡島)ひどかったですよ。
アリが たかっちゃって。
(藤堂)砂糖以外の物質が
交じってないか 検査に回して。
はい。
(絵美)手伝う。
あっ すいません。
♬~
(絵美)何やってるの?
いや ちょっと
下顎骨が ずれてるんで…。
(絵美)駄目 駄目。
そのままの状態で調べないと。
あっ… そうでした。
(絵美)でも よく気付いたね。
すいません。
(絵美)ううん。
(藤堂)じゃあ 肋骨 外すで。
はい。
(藤堂)次 心臓 いくで。
はい。
(藤堂)押さえといて。
(藤堂)どう思う?
これは…。
心タンポナーデですか?
(藤堂)そうやな。
よう勉強しとるな。
写真。
(絵美・鑑識)はい。
全然 駄目でした。
助手の位置に立つと
段取り 忘れてしまって。
でも 褒められたんでしょ?
ドンマイ ドンマイ。
ありがとうございます。
(高橋)お疲れさまです。
(藤堂)お疲れ。
(絵美)お疲れさま。
胸に強い衝撃を受けとる。
それで 心タンポナーデを発症して
心停止を起こしたようやな。
(岡島)心タンポナーデって?
心臓を覆ってる内膜の間に
出血したり
心嚢液っていう
体液がたまったりして
心臓を圧迫して
心臓の動き自体を止めてしまう
恐ろしい症状や。
(伊東)それって
床に倒れただけで
なるんですか?
誰かに殴られた可能性は?
殴られたかどうかは
分からんけど
皮下出血の大きさから
15cmから20cmぐらいのもんが
当たったんかなぁ。
死亡推定時刻は
けさの6時から8時の間やろ。
顎のずれというのは?
下顎骨。 いわゆる下顎の位置が
微妙に ずれていました。
おそらく 死亡時は 口を
開いていた状態だったと思います。
それが 何者かによって
無理やり閉じられた。
無理やり?
(岡島)それって…
小学生でも できますか?
どういうことや?
第一発見者
小学2年生の男の子なんです。
小学生…。
(岡島)神野 幹人君 8歳。
しかも 現場にあった
砂糖の入れ物から
彼の指紋も検出されています。
じゃあ お砂糖かけたのは
その子ってこと?
それは まだ 何とも…。
でも 被害者の口を
無理に閉じたのも
その子なんじゃないかなぁ
と思って。
発見時間は?
通報が 午前7時35分ですので
その少し前かと。
そんな朝早くに
どうして そんな所に?
どうやら 毎朝 学校に行く前に
寄ってたみたいです。
死亡推定時刻から考えると
まだ 死後硬直は
完全に起こっとらん。
子供でも可能かもな。
その子は 何て言ってるんですか?
ずーっと だんまり。
(藤堂)分かった。 検査の結果が
分かりしだい 連絡するわ。
(岡島)お願いします。
(一同)お疲れさまです。
あ… 伊東さん。
(伊東)ん?
現場にあった
お砂糖の入れ物って
どこにあったんですか?
(伊東)あ~ 戸棚だね。
それって 小学2年生でも
届く位置ですか?
(伊東)
ああ 踏み台があれば届くかな。
そもそも その子は
どうやって部屋に入ったんですか?
ひょっとして…。
そんなに気になるなら
現場 行ってみるかい?
えっ でも…。
行ってきたらええやんか。
それも勉強や。
あなたは 行ったことないくせに。
俺は先入観を持たんようにやな。
はいはい
めんどくさいだけでしょ。
どうする? 朝顔ちゃん。
いや…。
(高橋)解剖台の掃除
俺 やっとくから行ってきな。
はい。 ありがとうございます。
(伊東)うん。
(伊東)ここが そのアトリエ。
幹人君 植木鉢の下に
鍵が隠してあるの知ってたみたい。
へぇ~。
ちょちょちょ…!
これ。
はい。
(伊東)よいしょ。
もう鑑識の作業は
終わってるんだけど
現場の物 勝手に触らないでね。
はい。
これ 全部
小林さんの作品ですか?
気持ち悪いよね。
ホラーとか特撮?
が多かったみたい。
へぇ~。
ご遺体が倒れてたのが ここ。
で この辺りに
工具が散乱してた。
はあ…。
砂糖は…。
ああ。 そこの棚から取り出してる。
鑑識 持ってっちゃったけど。
どうして 砂糖なんて
かけたんでしょう?
聞き込みだと 幹人君
ここに忍び込んでは
ゾンビのお面かぶって
通行人 驚かせたり
人形をバラバラにして
ゴミ捨て場に出して
死体かと思わせたり
色々やってたみたい。
たまにいるのよ。
人の気持ちとか
していいことと
しちゃいけないことの
区別がつかない人間が。
そんな…。
もしかしたら…。
あの子供が
遺体で遊んだのかもしれない。
ひょっとして
この死亡事件自体に
関わってるのかも。
っていうのは
まあ 深読みだけどね。
まあ 好きに見て。
♬~
♬~
小林さんの血液検査の結果
出ました。
(絵美)はい。
(高橋)はい。
ヘモグロビン値が
異常に低くないですか?
(高橋)それ気になりますよね。
この数値やったら重い貧血やな。
貧血で目まいを起こして
倒れたときに胸を打ったってこと?
でも それだけで 心タンポナーデを
引き起こすでしょうか?
これやと
ちょっと衝撃が足らんかな。
(絵美)そうだよね。
(高橋)じゃあ 何が
原因なんですかね。
あっ!
何?
(高橋)えっ?
どうした?
(高橋)何? 何? 何? 何?
すいません。
(藤堂)どこ行くねん。
どうしたの?
ああ… やっぱり。
えっ?
ここ 見てください。
ん?
ほこりの跡?
使用頻度の高い工具箱が
一番下の棚に置いてあるのに
違和感を覚えたんです。
解剖からも小林さんは
ヘルニアを患った
手術痕がありました。
かがんで
重たい物を持ち上げるのは
つらいはずです。
ほう ほう。
これ 動かしてもいいですか?
ああ いいよ。
よし。
ん…。 これ そこに
置いてもらっていいですか?
はい。
ぴったり。
おそらく 小林さんは不摂生で
貧血によって 目まいを起こし
工具箱を取ろうとしたときに
倒れ込んだ。
そこに…。
不幸なことに
金属性の重い工具箱が
心臓を強く打ったことによって
心膜に血液がたまり
心タンポナーデによって
心臓が止まった。
じゃあ この工具箱を片したのは
誰ですか?
おそらく
幹人君じゃないでしょうか?
彼の指紋が
検出されるかもしれません。
人が死んでるのに
平気で遺体を触って
顎を閉じて 砂糖をまいたって…。
とんでもない子供だな。
(三郎)それで?
朝顔も疑ってんの? その子。
そういうわけじゃないけど…。
俺は いないと思うけどな。
子供のころから
悪いやつになるために
生まれてきたやつなんて。
私も そう思いたいけど。
ていうかさ 朝顔
俺が言うのもなんだけどさ
せっかくの花金
しかも 世の中 給料日だよ。
俺の店じゃなくてもさ
もっと いい店でさ…。
(小野)ビール お待ち!
(小野)はい。
あっ 小野ちゃん。
ん?
金華園って知ってる?
えっ? 何でですか?
朝顔さんの口から
そんな高級店が出てくるなんて
珍しい。
えっ 高級なの?
高級も高級よ。
俺だったら 給料日でも
きついかなぁ。
へぇ~…。
(三郎)はい お待ち。
(小野)いつか
連れてってくださいよ。
ただいま。
おかえり。
お父さん お土産
持って帰ってきたよ。
えっ? 何?
お好み焼きの半分の半分。
食べ残しだろ。
いいでしょ。 あっためる?
お父さんは もんじゃ焼きの方が
好きだけどな。
もんじゃ 一人で
食べらんないからな。
まあな。 あっためて。
はーい。
あっ お父さん。
金華園って知ってる?
うん。 何?
お父さんは 大歓迎だぞ
誕生日でも父の日でも。
そういうことじゃないんだけど。
えっ? じゃあ どういうこと?
子供ね…。
ご遺体で遊んでも
まだ 子供だから
分かんなかったのかな?
どうだろう。
遊んだつもりはないのかも。
えっ?
大事な人が亡くなって
動揺して
よく分からない行動を
とってしまったのかもしれないな。
そうだね。
うん。
(学生たち)おはようございます。
おはようございます。
もしかして 神野 幹人君?
(幹人)そうだけど。
どうしたの?
(幹人)ここに コバちゃんの
死んだ体 あるんでしょ?
見せてよ。
(絵美)そうですか。
はい 分かりました。
(高橋)はい どうぞ。
保護者の方は?
共働きみたいで 仕事
どうしても抜けられないんだって。
これから 警察が迎えに来るって。
そうですか。
事情は 色々あるんだろうけど
何だかねぇ…。
ねえ 早く コバちゃんの
死んだ体 見せてよ。
そういうときは
ご遺体って言うの。
いいから 早く!
(絵美)幹人君。
何で ここに 小林さんの
ご遺体があるって分かったの?
コバちゃんが言ってた。
死んだら 体を
バラバラに切られるって。
うちの近所だと
ここで 毎日 やってるって。
仲良かったんだ 小林さんと。
うん。
なら 何で
あんないたずらしたんや?
小林さんの口 閉じたり
砂糖 かけたり。
(藤堂)ご遺体で遊んだら
あかんで。 うん?
藤堂先生。
こういうのはな
大人が ちゃんと
言うたらなあかんねん。
親に教われへんかったか?
人を傷つけるようなことしたら
あかん。
うるさい。
うるさい うるさい!
ちょっと待って!
幹人君!
幹人君!
幹人君!
幹人君。
あのう… 神野 幹人君を
迎えに来たんですが。
それが さっきまで
ここにいたんだけど
いなくなっちゃって。
(桑原)えっ?
今 朝顔先生たちが
捜してくれてて。
あ… 僕も。 僕も捜します!
(絵美)はい。
(警備員)いいえ 見てないですね。
分かりました。
ありがとうございます。
(警備員)はい。
幹人君。
もしもし。
(絵美)朝顔先生
幹人君 見つかったって。
えっ? どこにいました?
解剖室の近くで。
あの子 ホントに
何を考えてるんだか。
桑原君が さすがに
お母さん 呼んだって。
(紗奈)幹人!
あんなところに出入りして
しかも 死体で遊ぶなんて
あんた 何考えてんの!?
お母さん 落ち着いてください。
(紗奈)落ち着いてられませんよ。
近所からも 変な子だ 変な子だって
言われてきたけど
ホントに 信じられない!
お母さん。
皆さん お手数お掛けしました。
帰るよ。
幹人!
お母さん。
ちょっと待ってください。
幹人君。
幹人君は 変な子なんかじゃない。
優しい子だと思う。
幹人君は
ご遺体で遊んだわけじゃない。
弔ってあげようとしたんだよね。
これ。
幹人君のだよね。
中身 塩だった。
ホントは 小林さんのこと
塩で
お清めしようとしたんじゃない?
でも 間違えて
砂糖 かけちゃった。
それが恥ずかしかったから
ずっと黙ってたんじゃないかな。
うん。
どうして 塩なんか。
だって コバちゃんが…。
《それ なぁに?》
(小林)《俺の作品
死体とか お化けばっかりだろ》
《これで お清めしてるんだよ》
《へぇ~》
《そしたら こいつらに
悪いものが
取りついたりしないんだ》
口を閉じてあげたのは
苦しそうだったから?
うん。
《コバちゃん?》
《コバちゃん どうしたの?》
《大丈夫!? コバちゃん?》
♬~
♬~
♬~
♬~
お母さん。
幹人君のこと
抱き締めてあげてください。
幹人君 大事な人を亡くして…。
こんなに小さいのに
何とか
見送ってあげようとしたんです。
悲しい気持ち
どこに持っていったらいいか
分からないんだと思います。
《うわ~!》
《うおっ! お前…》
(幹人)《うおー! アハハハ》
(小林)《君が嫌なのは ここかな?
ここだろ?》
《コバちゃん どうしたの?
大丈夫!?》
♬~
幹人。
ごめんね。
(幹人の泣き声)
(幹人の泣き声)
お姉さん 何のお仕事してるの?
小林さんみたいに
亡くなってしまった人の
お体 調べて
いろんなことを
教えてもらうお仕事だよ。
お姉さん 死んだ人と話せるの?
う~ん…
直接は お話できないけど
お体を通して
教えてもらう感じかな。
そうなんだ。
僕 また
独りぼっちになっちゃった。
幹人…。
幹人君。
小林さん いなくなったって思う?
ううん。 全然 思わない。
まだ いる感じ。
だったら いるんだよ。
ちょっと難しいかな。
ううん 全然 難しくない。
そうだよね。
全然 難しくないよね。
この お塩だけど
ご遺体にかけるために
使うんじゃないんだよ。
だから 返すね。
僕…。
ちゃんと 謝りたかったな。
お姉ちゃんが
代わりに伝えておくね。
うん。
行こう。
♬~
♬~
遅いなぁ もう…。
♬~
塩と砂糖 間違えて ごめんなさい。
幹人君が そう言ってました。
小林さんのおかげで
真実が分かりました。
ありがとうございました。
(絵美)朝顔先生
講義用の資料 どこ?
あっ デスクの上に。
今 別の症例の資料
コピーしてます。
完璧~。
高橋 一瞬で抜かれたな。
藤堂先生も
危ないんじゃないの?
フフフ…。
(高橋)フフ。
失礼します。
(絵美)おっ また来た。
あれ? ご用件は?
はい。 幹人君 あれから学校で
元気にやってるそうです。
ご両親とホラー映画
見に行ったって喜んでました。
そうですか。 よかった。
朝顔先生のおかげです。
いや 私は 何も。
桑原さん あの後も
ケアされてたんですね。
いえ…
ケアというほどのことでは。
それ伝えに わざわざ来たんか?
はい。
(桑原)では お疲れさまでした。
(一同)お疲れさまです。
桑原さん。
あっ… どうしました?
私
高いお店 苦手なんです。
そうでしたか。
金華園とか
名前も知らなかったし
お高いカニも 別に…。
はい。
よく一人で 焼きそばとか
お好み焼きとか
食べてるんですけど
それで 全然 満足なんです。
そうですか。
だから…。
えっと…。
もんじゃで いいですか?
えっ?
一人で食べられないんで。
もんじゃ。
あ… そうですよね。
もんじゃは
一人じゃ 無理ですよね。
はい。 もんじゃなら。
僕 もんじゃ…。
大好きです!
よかった。
じゃあ ぜひ。
ありがとうございます。
めんたいも合うよね~。
俺 ベビースターも好きやなぁ。
チーズと餅かな。
ハァ…。
だから こうやって 皆さんに
いじられるのが嫌なんです!
ごめん ごめん。
☎
若いって ええよな。
(絵美)やめなさい。
はい 興雲大学 法医学教室。
はい。 はい 分かりました。
解剖のご依頼 入りました。
(藤堂)分かった。
朝顔先生 助手 よろしく。
はい。
(藤堂)11時43分 N578番
解剖を始めます。
教えてください。
お願いします。
(つぐみ)これ 何?
これね もんじゃ。
すっごい おいしいんだよ。
やっぱり もんじゃだよね~。
あっ でもね すっごい熱いから
絶対に触っちゃ駄目。
(森本)意外とシンプルな
なれ初めっすね。
お前が聞きたいって言うから
話したんじゃん。
(山倉)俺は ちょっと
苦手なんだけどな もんじゃ。
じゃあ 係長の分も いただきます。
(山倉)何言ってんだよ お前。
何言ってんだよは
こっちのせりふですよ。
係長 ちょっと
うち 来すぎじゃないですか?
朝顔先生から
許可は いただいている。
ほい。
(森本)朝顔先生は どこに?
旅行。
(森本)えっ? 旅行? 誰と?
あっ まさか…。
ていうか 人の嫁と
何やってるんすか?
≪(山倉)うまくいってんのか?
≪(桑原)いってますよ!
うちが うまくいってなかったら
全世界…。
(桑原)《お化け 階段 下りて
すーって
じいじのお部屋 入ってった》
≪(桑原)ていうか もんじゃと
ワインって どうなんですか?
≪(山倉)意外と合うよ。
≪(桑原)いや 初めて見ましたよ。
≪(山倉)やってみ。
≪(桑原)じゃあ…。
いや いいです。 おんなじ
グラスじゃなくていいです。
グラス 取ってきますって 今。
わっ!
(つぐみ)わーっ!
はい。
はい。
ハァ~。 う… よいしょ。
気付いた?
ん?
気付いたよね?
何が?
変えたの分かんない?
髪形? お父さん そういうの
よく分かんないから。
柔軟剤。
柔軟剤?
うん。 高いのに変えたんだよ。
(においを嗅ぐ音)
う~ん…。
もういい。
次から お父さんのは
柔軟剤 なし。
何で そうなる?
だって 変えたかいないもん。
≪(桑原)ただいま~。
(朝顔・平)おかえり。
(桑原)はい ただいま。
ああ 朝顔 洗濯なんてして
大丈夫?
大丈夫。
ちょっとぐらい
動いた方がいいから。
いいよ いいよ 俺 やるよ。
あれ?
ねえ 柔軟剤 変えた?
分かるよね!
うん すっごい いい匂い。
でしょ~。
はい はい。
あと 俺 やるよ。
あっ いいよ いいよ。
手 洗ってきて。
あっ 手 洗ってなかった。
あっ 当直 どうだった?
ああ…。
明け方さ 通報があったけど
行ったら
ただの夫婦ゲンカだった。
そう。
うん。 はい 朝顔 貸して。
もう終わったよ。
ん~。 あっ 段差 気を付けて。
はい はい。
よいしょ。
はい。 あっ ちょっと待ってね。
ありがとう。
はい はい はい…。
よいしょ。
調子 どう?
うん 今日は わりと楽。
そっか。
朝から おなか 蹴りまくってる。
ハハハ。
元気ですね~。
パパは 早く 会いたいですよ。
あとね
ママは
今日もカワイイですよ~。
もう いいから。
朝顔。
ああ ちょっと 今はいいかな。
ねえ 朝顔ってば。
だって 洗濯物 畳んでるからさ。
チュー…。
桑原君。
お父さん 山倉係長が
マンホール連続盗難事件の報告書
なる早で欲しいそうです。
俺の身にもなってくれ。
以後 気を付けます。
あっ お父さん。
この後 車 借りてもいい?
ああ 今日 あれか?
そうです。 あれです。
(講師)赤ちゃんが
びっくりしないように
足先から ゆっくりと
お湯に入れてあげてください。
利き手と反対の手で
赤ちゃんを支えて
体を洗ってあげてくださいね。
で ガーゼ…。
ぬらして
目がし… 目尻から。
目尻からだね。 うん。
耳の後ろを 親指と中指で
支えるといいですよ。
はい。 こうですか?
あっ お上手ですね。
(桑原)さすが 朝顔。
いや これ 難しいよ。
もし 分からないことがあったら
お母さまとか
先輩ママに聞くのが
一番ですよ。
はい 分かりました。
次 どこ?
(講師)
次 お父さん やってみましょう。
分かりました…。 はい。
難しいよ。
(桑原)はい。
これ 忘れてた。
これ かけるんですよね。
はい。 赤ちゃんに声を掛けながら
洗ってあげてくださいね。
声を掛けながら。
(講師)はい。
どうでちゅか~?
気持ちいいでちゅか?
今ね 目尻から 目頭に向かって
洗いまちゅからね。
≪(笑い声)
(桑原)どうでちゅか?
桑原君 ちょっと
声 おっきいよ。
何ででちゅか? ねえ?
≪ハハハハ…。
(歩実)ごめんなさい つい。
すいません。
いつも 仲いいですね。
すいません。
すいません 何か。
何で 赤ちゃん言葉になんのよ。
ねえ? いいでちゅよね?
よく会いますよね。
はい。
今 どれくらいですか?
もう32週目で。
じゃあ もうすぐですね。
でも 1人目なんで
色々と不安で。
うちも1人目だから分かります。
はい 朝顔 どうぞ。
ああ。 ありがとう。
これ 歩実さん もしよかったら。
(歩実)いいんですか?
常温なんで。
(歩実)ありがとうございます。
朝顔 大丈夫? 寒くない?
大丈夫。
いいな~ 優しい旦那さんで。
うちなんて 出張ばっかりで
全然 協力してくれなくて。
いや 僕も たまたま
今日 休みだっただけで。
(歩実)でも
あさって 結婚式なんですよ。
普通 出張 行きます?
(朝顔・桑原)結婚式!
おめでとうございます。
ありがとうございます。
いいな~。
でも 父が乗り気じゃなくて。
そうなんですか?
うちの父 結婚に反対みたいで
ずっと ぶすーっとしてて。
照れ隠しじゃないですか?
娘さん とられるのが
寂しいだけですよ。
そうですよ。
(歩実)だといいんですけどね。
いや でも 結婚式だって。
いいね。
写真だけは 撮ったんですけどね。
(歩実)ああ そうなんですか。
お父さん 買いすぎじゃない?
だって
欲しくなっちゃったんだもん。
ハァ…。
で 今日の授業は?
今日は 沐浴でした。
沐浴なら
俺に聞いてくれていいぞ。
どんなに忙しくても ほぼ毎日
俺が お風呂に入れてたからな。
県警の捜査会議 抜け出して
お風呂だけは
入れに帰ってたんでしょ。
もう100万回くらい聞いた。
いいアイデア いただきました。
熱いよ。
ハァ~ 今日は 色々
難しかったなぁ。
朝顔 上手だったよ。
沐浴だけじゃなくて 他にも色々。
分かんないこと多くて。
ハァ~ 私 ちゃんとできるかな。
大丈夫 大丈夫。
子供と一緒に親になるからさ。
あっ 朝顔 あの申請してくれた?
あっ。 まだだ。
何?
立ち会い出産したいと思って。
ああ 旦那も分娩室に
一緒に入るってやつな。
はい。
朝顔が生まれた病院じゃ
やってなかったな。
ああ そうですか。
桑原君 色々
無理しなくていいからね。
でも わが子の誕生の瞬間は
見たいじゃない。
気持ちは分かるけど。
赤ちゃんって 時間どおりに
生まれてこれるわけじゃないし
もし 桑原君が
仕事 休み取ってくれたとしても
ずれちゃう可能性もあるんだよ。
そうなったら
絶対 落ち込むでしょ。
まあ そうだけど。
朝顔のこと心配だし。
まあ そばにいてくれた方が
安心だけど。
でも この日って
決めておかない方がいいと思う。
そっか…。
じゃあ 俺が立ち会おうか?
絶対 嫌。
それは 僕も嫌です。
俺の娘だぞ。
僕の子供が生まれるわけですから。
俺の孫でもある。
そういう問題じゃないでしょう。
じゃあ どういう問題なんだよ?
あっ。
どうした?
何?
おなか 蹴った。
2人とも
ケンカしないでって言ってる。
いや…。
ケンカとか そういう…。
ケンカとかじゃないんだよ。
すっごい仲いいんだよ。
♬~
≪ああ! あっ… ハァ…。
♬~
ハァ…。
おはようございます。
(一同)おはよう。
茶子先生は 戻られました?
(絵美)まだ。 先週から
イスタンブールの学会 行ったっきり。
もう とっくに終わってるやろ。
この感じだと 今週末も
戻ってこられなそうですね。
挨拶したかったんですけど。
あっ そうや。 茶子先生から
これ 届いてたで。
何だろう?
(光子)ん~? 何これ?
何だろう。
よっ。
(光子)ん?
木の根っこ?
うわ すごいにおい。
「本場の高麗人参です」
「出産後 これで体力回復を。
健闘を祈る! 茶子」
生まれるまで
帰ってきへんつもりやぞ。
朝顔先生
来週から産休ですもんね。
うん。 皆さん 休みの間
ご迷惑お掛けします。
迷惑なんて言わないでください。
そうだよ 休むんじゃないよ。
出産は 戦いだから。
家でも甘えていいんだからね。
特に 旦那にはしてほしくないこと
言っといた方がいいよ。
してほしくないことですか?
してほしいことじゃなくて?
よかれと思って 夫が動くのよ。
でも 陣痛が どんどん
強くなってくるのに
自分の思いどおりに
動いてくれないストレスといったら。
藤堂先生 何したの?
ずっと さすってる場所が
微妙に ずれてんのよ。
離婚も考えたね。
何もしてくれない方がよかった。
あっ! 俺 出産後
面会謝絶にされたわ。
分かりました。
気を付けてもらいます。
朝顔先生 とにかく こっちのことは
心配しないでください。
留守は しっかり守りますんで。
おっ 光子 ようやく 法医
やる気になった?
あくまで
朝顔先生が産休の間です。
私 法医だけには
絶対 なりませんから。
何やるんだっけ?
美容専門の皮膚科です。
広告に ばんばん顔出して
テレビ出まくって
最終的には コメ…。
☎
…テーターになるつもりです!
タイミング 悪っ。
はい 興雲大学 法医学教室です。
えっ?
≪(岡島)平さん。
やっぱり 第一発見者は
特定できませんでした。
公衆電話からの通報で
名前を言わず
切ってしまったらしく。
そうか。
(森本)こちらです。
ありがとうございます。
(絵美)ありがとう。
朝顔。
(森本)お疲れさまです。
(伊東)ああ お疲れさまです。
(絵美・朝顔)お疲れさまです。
(伊東)てっきり 藤堂先生が
いらっしゃるのかと。
藤堂 講義なんですよ。
大丈夫か? 朝顔。
大丈夫 大丈夫。
ご遺体 見るだけだから。
(伊東)こちらです。
(岡島)大野 雄太さん 25歳。
広告代理店 勤務。
この200m先に
自宅のアパートがあります。
(伊東)財布や時計は無事だし
物取りじゃないと思うんですけど。
分かりました。
朝顔先生。
ああ。 すいません。
よっ。 すいません。
これ 何ですかね?
(伊東)何かの
汚れだと思うんですけど
科捜研に
分析をお願いしようかと。
首に擦過痕 ありますね。
ひょっとしたら
首を絞められたんじゃ?
それは 解剖してみないと
分からないですけど。
(伊東)ああ そうですか。
すいません あのう
上着 脱がしていただいても
いいですか?
(伊東)ああ 大丈夫ですけど。
このご遺体…。
誰かが動かした可能性があります。
現場で
ご遺体の上半身を調べました。
死斑は あお向けだったのに
背部側ではなく
腹部側の方が濃かったんです。
(藤堂)両側性死斑か。
警察もズボンとか靴の汚れから
引きずった可能性が高いって。
ほな 最初
うつぶせやったご遺体を
誰かが引きずって
あお向けにしたっちゅうことか。
はい。
(藤堂)ひき逃げの可能性は?
ひき逃げのときに残る
バンパー創や デコルマンは
残っていませんでした。
その可能性は 低いと思います。
解剖で
はっきりさせるしかないね。
分かった。
よろしくお願いします。
(藤堂)それでは 9時48分
N661番 解剖を始めます。
(女性)本郷さん 田中さん!
警察の方が話聞きたいって。
えっ?
(田中)警察?
(本郷)何で?
(桑原)お二人は
会社の食事会に参加した後
大野さんと
どちらに行かれましたか?
あの後 2軒ほど 居酒屋を
はしごして しめにラーメンを。
もう帰ろうって言ったのに
大野が最後にラーメン食べたいって。
そのとき 大野さんに
変わった様子は?
いや 特には。 なあ?
(田中)はい。
(桑原)で その後は?
あっ 別れて 家に帰りました。
そうですか。 念のため
行ったお店 教えていただいても?
はい。 えっと 1軒目が…。
こんなことになるなら
家まで送ってけばよかった…。
(藤堂)解剖の結果 死亡推定時刻は
午前0時から午前2時の間。
死因は 誤嚥による窒息死やな。
嘔吐したもんが
気道をふさいでた。
えっ?
首を絞められたんじゃなくて?
ちゃうな。
(伊東)えっ じゃあ この傷は?
(藤堂)呼吸困難になった際に
自分で かきむしったんやろな。
爪に 本人の皮膚片が残っとった。
じゃあ 他殺じゃなくて
事故死ですか?
藤堂先生 この後頸部の傷は?
これも本人がつけたようや。
首の後ろまで…。
よっぽど苦しかったんだね。
ただ
いくつか気になる点があった。
光子。
(光子)はい。
胃および食道を切開したところ
炎症を起こしていて
びらん状態になっていました。
びらんっていうと ただれてた?
熱いものか 刺激の強いものでも
食べたのかな?
被害者は 昨日
会社の食事会だったらしく
居酒屋 3軒をはしごして
最後は ラーメンを。
高橋さん 胃の内容物は?
今 解析中ですけど
ほとんど残ってなくて。
4軒も はしごしてるのに?
最後のラーメン屋で
吐いたらしくて
店員が トイレに長い時間
こもっていたと
証言しているそうです。
(藤堂)食べ過ぎて
気持ち悪なって
家の近所で また吐いたんか。
藤堂先生 これって
ストレッチマークじゃないですか?
(藤堂)そやな。
(岡島)何ですか? それ。
肉割れの線。
短期間で太ったときに
急激な体の変化に
皮膚が追い付かなくて
こう 表面が割れて できるの。
いわゆる妊娠線やな。
岡島さん 大野さんの一番新しい
健康診断の記録があったら
送っていただけますか?
分かりました。
お願いします。
最寄り駅の防犯カメラに
大野さんが写ってました。
それが 午前0時15分。
その15分後 途中のコンビニで
買い物してます。
(山倉)コンビニから現場までは?
約5分です。
(山倉)そうですか。
死亡推定時刻は
午前0時から2時でした。
やはり 現場近辺から
遺体を引きずったんですかね。
通報してきた人物は?
まだ不明です。
そうですか。
取りあえず
近辺の聞き込みを続けます。
大野さんの健康診断の結果
届きました。
(朝顔・絵美)はい。
(高橋)えーと はい。
藤堂先生。
ん?
ここ 見てください。
(藤堂)
3カ月で 20kgも増えとるな。
やっぱり 急激に太った
ストレッチマークだったんだ。
大野さん 3カ月前に
営業に異動してきたらしいですよ。
じゃあ ストレスか?
(藤堂)朝顔先生 これ。
こっちが頸部で
こっちが後頸部の傷。
形状が違うのが気になって
拡大してみたんやけど。
首の後ろの方は 何か かゆくて
かいたようにも見えますよね。
確かに。 かゆいと こう往復して
満遍なく かきむしりますけど
苦しいと 首元や胸元だけを
もがくように…。
やっぱり そう思うか。
(高橋)はい。
腕にも かいた傷があった。
服の上から かいたんか
うっすらやけど。
でも 健康診断に
皮膚疾患とか書いてないけど。
大野さん アレルギー疾患が
あったんじゃないですかね。
なるほど。
それで かゆくなって かいた。
高橋さん 血液をアレルギー検査に
回していただけますか?
分かりました。
ありがとうございました。
いえいえ。
(チャイム)
♬~
安西さん お留守ですよ。
ああ そうですか。
今日 結婚式なんです 娘さんの。
フフフ。 それじゃあ。
(絵美)はい タンポポコーヒー。
ありがとうございます。
おなかが ちょっとでも張ったら
休んでよ。
はい。
あれ? 俺のは?
ご自分で どうぞ。
(高橋)結果 出ました。
大野さん 甲殻類アレルギーが
あったようです。
(藤堂)甲殻類か。
でも そんなメジャーなアレルギーやのに
健康診断に
何も のってなかったな。
で こっちが胃の内容物の解析。
どうでした?
これで 甲殻類 出たら
死因 はっきりするで。
えーっと 小麦粉 ネギ 豚肉…。
まあ 最後に食べた
ラーメン屋さんの材料ぐらいで
あとは 嘔吐したみたいです。
詳しく調べてくれるか?
(高橋)分かりました。
あと 少量ですけど
ブート・ジョロキアって珍しい食材が
気道に張り付いてました。
それって どんな食材ですか?
インド産のトウガラシ。
えっ? 知らない?
ちょっと前に はやった
デスソースとかに使われるやつ。
(絵美)え~ 知らない。
(高橋)えっ? 知らない?
(藤堂)知らん。
えっ? 店のレシート?
うん。 大野さんが居酒屋で
何を食べたのか
正確に知りたいの。
(桑原)分かった 回ってみる。
うん お願い。
朝顔 体調は?
うん 大丈夫。
無理しないでよ。
うん。
じゃあ お願いします。
はい。
≪(江梨花)平さん。
(江梨花)大野 雄太さんの
顔に付着していた汚れ
判明したそうです。
何だった?
靴墨です。
靴墨。
(バイブレーターの音)
大野さんが食べた
店のレシートが届きました。
今 プリントアウトします。
(一同)はい。
(藤堂)1軒目が5人で
2軒目 3軒目が3人。
そんで そのまんま ラーメンか。
結構 食べてるけど
甲殻類は なさそうだね。
例の
デスソース使った料理もなさそう。
でも 量が異常ですね。
特に 2軒目と3軒目。
えっ? 焼きそば大盛り 5人前
ジャンボ餃子 5人前
チャーハン 3人前。
3人なのに。
3軒目なんか
親子丼 大盛り 5人前に
デザートに パンケーキ
3人前 食うとるで。
しめが
ラーメン 大盛り 全部のせ。
(光子)ただ今 戻りました~。
(絵美)光子 遅かったね。
山田弁護士 話 長いんですもん。
おっ! その ラーメン 五九郎って
おいしいですよね。
えっ 光子ちゃん
行ったことあんの?
大好きです。
スープが最高なんですよ。
今 その話は どうでもええねん。
(光子)本当に おいしいんですって。
確か スープに 桜エビと甘エビの
粉末が隠し味に入っていて。
それや!
(光子)えっ?
じゃあ 大野さん
そこのラーメンを食べて
アレルギー反応が出て
嘔吐したってこと?
うん。 もしかして…。
君たち 大野さんに 無理やり
食べさせたりしなかった?
しかも 食べ物に
辛いソースとかかけて。
あっ いや…。
(桑原)もし そうなら
これは 強要罪という
れっきとした犯罪です。
ハァ…。
詳しい話は 署で聞くから。
(藤堂)パワハラ?
先輩たち2人は
無理やり食べさせてたみたいです。
それが どんどん
エスカレートしていって
あの辛いソースや
ワサビを大量にかけて。
何で そんなことを。
冗談のつもり
だったんだろうけど…。
全然 笑えない。
でも 先輩たちは 大野さんの
アレルギーのことは知らなかったって。
絶対 嘘やろ。
それは 本当かもしれないです。
どうして?
大野さんの甲殻類アレルギーは
クラス6と かなり重い数値です。
検査を受けなくても
おそらく 苦手であることは
自ら認識していたと思います。
それなのに ラーメンだけは
自ら食べたいって言いだしたって。
じゃあ…。
うん。
先輩たちの前で
わざと 苦手な甲殻類を
食べたのかもしれない。
あくまで想像ですが
アレルギーを発症して
嘔吐すれば
このいじめを
やめてくれるんじゃないかって
期待したのかもしれない。
危険を承知で。
もう 大野さんのホントの気持ちを
知ることはできないですけど。
ご遺体を動かしたのも
その2人ですかね。
それは 否定してるみたい。
じゃあ 誰が そんなことを…。
≪お父さん
そろそろ 披露宴 始まるよ。
(安西)ああ。
やっぱり 反対なの?
(安西)いや 別に そんな…。
(歩実)でも 式の間
ずっと怖い顔してた。
うれしくないの?
(安西)そんなことはない。
もう 行きなさい。
安西 武志さんですね。
野毛山署です。
すみません。
確かに 私が通報しました。
でも 式が終わったら
警察に伺うつもりだったんです。
明け方 目が覚めてしまって
気を紛らわすために
靴を磨きながら
スピーチの練習をしていたんです。
(安西)
《ったく こんなとこで寝て…》
《ちょっと。 ちょっと!》
(安西)そしたら 家の前で
男の人が亡くなってた。
すぐに 警察に
知らせようと思いました。
でも 今日は 娘の結婚式です。
人生で一番の晴れの日なんです。
だから…。
だから 遺体を動かしたんですか?
すみません。
ただ あの子は
いつも 大事なときに
不幸なことが起きるんです。
中学の修学旅行のときは
インフルエンザになって
高校入試のときは 交通事故。
就職試験のときは 妻が倒れて。
だから…。
せめて 今日ぐらいは
不幸なことが起きないように。
そう思って…。
♬~
(安西)申し訳ありません。
(安西)私は ずっと仕事ばかりで
子育ては 妻に任せっきりで。
だから 今も 2人になると
何をしゃべっていいか…。
♬~
あの子の最高の晴れ舞台なのに
亡くなった方が
気になってしまって
素直に喜べないから…。
娘を怒らせてしまいました。
(係員)失礼いたします。
お父さま そろそろお時間です。
披露宴 行ってきてください。
われわれ 待ってますから。
でも…。
すいません
中身を読んでしまいました。
素晴らしいスピーチだと思います。
♬~
ありがとうございます。
さあ 急いで。
♬~
覚えてる?
覚えてるよ。
その新婦さんって
安西 歩実さんだったの?
そう。
式の後 1回だけ会った。
ホントは お父さんが
すごく結婚のこと
喜んでくれてたって
うれしそうに話してた。
もう5年も前か。
うん。
お父さん。
ん?
桑原君 今回のことがあったけど
刑事 続けたいって。
そうか。
うん。
つぐみ 大丈夫かなぁ。
大丈夫じゃない?
(妻)どうした?
(夫)早く帰ってきてください。
シャンプーしてたら 後ろに気配が…。
そういうときあるから。
≪(猫の鳴き声)ニャーオ!
何かいる! 早く帰ってきてください!
無理だよ メキシコだし。
いつ帰ってきますか?
あした? あした? あしたとか?
No te preocupes!
え? 何ですか?
<部屋があなたを守ります>
<セキュリティ賃貸住宅 「D-room」>
おかえりなさい。
ニャーオ!
ひぃ!
ふふっ。 ただいま。
(森本)ごめん ごめん ごめん…。
そんなに びっくりすると
思わなかったからさ。
(山倉)つぐみちゃん
おじちゃんと楽しいことしようか。
五目並べとか 花札とか。
おいちょかぶやる?
(森本)いや 古いっすね。
つぐみ もう いいでしょ?
ホントは 怒ってないんでしょ~?
(桑原)何? そのポーズ。
ねぇ~ 機嫌 直してよ~。
ねえ ねえ ねえ…。
(山倉)直して 直して。
機嫌 直してよ~。
(山倉)機嫌 直して。 ほら。
(つぐみの笑い声)
久しぶりだな 箱根。
うん。
お母さんと来たのが
大学のときだから
もう10年以上前か。
桑原君に感謝しないとな。
ちょっと ぶらぶらしようよ。
うん。
これ1つと
あと バラで2つ下さい。
はい。 1, 130円です。 どうぞ。
じゃあ こちら どうぞ。
ありがとうございます。
お父さん はい。
ありがとう。
ありがとうございました。
うまいな。
うん おいしい。
(受信音)
ん…。
あっ 桑原君だ。
(桑原)「つぐみ 絶賛 ふて寝中」
「からの復活」
(一同)♬「おまえのあたまは
どこにある」
♬「つのだせ やりだせ」
♬「あたまだせ」
(つぐみ)あー!
(笑い声)
(桑原)
すっかり元気になりました~。
え~。 ハハハ。
(仲居)ご案内いたします。
お願いします。
(仲居)お部屋で ゆっくりと
お食事を楽しむことが
できますよ。
そうですか。
うわ~!
おお すごい。
いいね。
いいね。
うわ~。
どうかな。
いい部屋だね。
いいね。
俺 こっち。
私 こっち。
高そうだな。
いいの いいの。
ご飯 部屋で食べられるんだって。
上げ膳据え膳だな。
おお ここ日本酒 色々あるな。
じゃあ 夜ご飯のとき頼もうよ。
うん。
よし じゃあ ひとっ風呂
先に浴びてくるかな。
うん どうぞ。
あ~…。
あちっ!
ハァ~…。
ハハハ。
ああ…。
あ~ フゥ…。
♬~
(桑原)はい 洗い物 終了。
ありがとう。
うん。 何読んでんの?
うん? 出産の本。
でも 本によって
書いてる内容が違うから
どれ参考にしていいか分かんない。
気晴らししようか。
何すんの?
う~ん カラオケとか。
カラオケ?
うん。 予定日 まだ先だし
気分転換に。
俺 非番だし。
じゃあ 行っちゃおっかな~。
うん 行こう 行こう。
久しぶりに聞かせちゃうよ。
何 歌うの?
ぜ~んぶ ラブバラード。
(バイブレーターの音)
朝顔に捧げ…。 あっ。 ん?
あっ お父さん 夕方には
帰ってこれるって。
へぇ~ 早いじゃん。
じゃあさ
それまでカラオケして
で お父さんと合流して
外で みんなで
ご飯 食べて帰ってこようか。
ねっ? 外食も久しぶりだからさ。
どうした?
きたかも。
何が?
分かんないけど 陣痛かも。
えっ? え… ホント!?
私だって分かんないよ。
あ… 痛い。 痛い 痛い。
いたたた…。
あっ あっ あっ…。
きた? きた? きた?
あっ… 先生に電話。
先生に電話するね!
あっ いつも お世話になってます。
あのう 桑原 朝顔の妻…。
あっ 妻じゃない。
お… 夫なんですけれども。
ご遺体は 間もなく
到着しますから。
あっ 平さん 朝顔先生が
産気づいてます!
えっ!? ほほほ… 本当ですか?
(山倉)ええ。
ここは 私が代わりますから。
(藤堂)えらいこっちゃ。
早 行ったらな。
すいません。
(山倉)ああ 平さん! エプロン エプロン。
エプ エプ…。
う~ん…。
(看護師)息むとき
ここ つかんでくださいね。
はい。
(桑原)朝顔。
お父さんには 連絡したからね。
ああ…。
(助産師)お父さん あっちね。
お父さん…。
朝顔 大丈夫?
うん 大丈夫 大丈夫。
腰 ちょっと さすって。
腰?
(助産師)
はい 大きく息を吸って。
はい お母さん 息んで!
うー!
(助産師)そうそうそうそう。
もっと力入れて。 はい。
うー!
(助産師)そうそう 上手ですよ。
(桑原)大丈夫? 朝顔…。
大丈夫 大丈夫…。
うー!
(助産師)そうそうそう…。
うー!
あっ すいません。
(看護師)はい。
桑原 朝顔の父ですけども 娘は?
(看護師)今 頑張ってますよ。
(助産師)じゃあ もう一度
大きく息を吸って。
はい 息んで!
うー!
(助産師)上手 上手。
力入れて。 そのままよ。
頭 見えてきますからね。
(桑原)朝顔 頑張って 頑張って。
(助産師)上手ですよ。 はい。
う~…。
(助産師)じゃあ 短い呼吸で。
ハッ ハッ ハッ…。
ハッ ハッ ハッ…。
(助産師)そうそうそう…。
はい じゃあ はい 力んで!
うー!
(助産師)そうそう…。
≪(赤ん坊の泣き声)
よっしゃー!
ハァ~…。
ハァ ハァ…。
(助産師)元気な女の子ですよ。
はい どうぞ。
女の子…。
朝顔… ホントにありがとう。
お疲れさま。
桑原君も ありがとう。
桑原君 大丈夫?
名前さ。
うん。
つぐみって どうかな?
つぐみ?
うん。
つぐみ。
つぐみ…。
すごくいいと思う。
こんにちは~。
つぐみ パパとママだよ。
こんにちは。
≪(戸の開く音)
朝顔。
お父さん。
よく頑張ったな。
お父さん
娘の名前が決まりました。
桑原つぐみです。
いい名前だな。
はい 抱いてあげて。
うん。
幸せになるんだぞ つぐみ。
♬~
笑った?
笑ってるよ。
(森本)上手。
(山倉)うまいね。
(森本)すごいね。
(山倉)上手 上手。 頑張れ 頑張れ。
頑張れ 頑張れ。
(森本)おいしそうな氷だよ。
(桑原)はーい。
(つぐみ)わ~ おいしそう!
じゃあ つぐみさん いただきます。
(森本)いただきます。
(山倉・森本)ん~!
(つぐみ)おいしい!
(桑原)そんな?
(山倉)おいしい!
わ~。
お~。
(朝顔・平)いただきます。
おいしそう。
うん。
おいしい!
お父さん この 小鉢 食べて。
これ?
うん。
うん うまい。
あっ やるよ。
ありがとう。
乾杯。
乾杯。
うん。
合うね~。
おいしいわ。
ハァ~ 気持ちいいなぁ。
お父さんと2人で
旅行 来るの 初めてだよね。
そうか?
だって お母さんと3人か
私とお母さんだけだったでしょ?
ああ。
そうだ…。
お父さん。
本当に お疲れさまでした。
やめようよ そういうの。
でも ちゃんと言わないと。
めでたくないし
それに すごい中途半端な時期に
辞めたから。
もっと続けたかった?
心残りがないって言ったら
嘘になるけど。
そっか。
でも
よく考えて決めたことだから。
これからは お父さんの
好きにしていいんだからね。
うん。
ちょっと待ってよ。
はい これ。
桑原君と私から退職祝い。
え~ ありがとう。
開けていい?
開けて 開けて。
何かな?
おっ キーケースだ。
どう?
ありがとう 大事にするよ。
うん。
あっという間だったな ここまで。
ついこの間
朝顔が生まれたかと思ったら
結婚して
つぐみが生まれちゃうんだもんな。
そうしたら つぐみが
あっという間に大人になって
結婚して ひ孫が生まれるよ。
ハハハ… 生きてるかな。
生きてるよ。
元気ならいいけど。
元気だよ。
これから いっぱい
いろんなことしよう。
離れて暮らすけど
たまには 旅行とかしてさ。
海外もいいよね。
つぐみの入学式と
卒業式は出てよね。
私の分は サボったんだから。
そうだな。
お父さん。
ん?
私 いいお母さんになれるか
ちょっと不安だったんだ。
つぐみが
つかまり立ちするころにね
私の顔が見えないと
すぐに泣くの。
桑原君も お父さんも
仕事に行っちゃってさ。
家で2人っきりになると
「ママ ママ」って
追い掛けてきてさ。
トイレも行けなかった。
それでも 洗濯物するとき
危ないから
縁側のところの窓閉めて
顔だけ見えるように
してたんだけど。
(つぐみの泣き声)
《つぐみ》
すっごく近くにいるのに
涙と鼻水で ぐちゃぐちゃでさ。
《もう… そんなに
泣かなくてもいいでしょ》
《つぐみ》
私 おかしくって。
(つぐみの泣き声)
でも 悲しいわけじゃないのに
何だか 泣けてきちゃってさ。
《つぐみ》
(つぐみの泣き声)
《はい はい はい。 よいしょ》
《ああ ゴツンしちゃった。
ゴツンしちゃった》
《はい 大丈夫 大丈夫》
この子が…。
つぐみが こんなにも必死で
私のことを必要としてくれて
生きようとしてて。
私が生きてるかぎり
この子のこと
大事にしようって思った。
いいお母さんになれるか
分かんないけど…。
この子のためなら
何でもしてあげたいって思った。
そっか。
お母さんも そんなふうに
思ってくれたかな。
思い出した。
お母さんが何て言ったかって
ずっと考えてたんだ。
「朝顔は
私とあなたの子だから大丈夫」
「絶対 いいお母さんになる」
「私が保証する」って。
何 その理由。
なあ?
フフフ。
ハハハ。
前向きで明るい人だからなぁ。
遺伝してるね。
私も?
うん。
じいじとママも
今ごろ 温泉 入ってるかな。
ねえ パパ。
(桑原)うん?
結婚って何?
(桑原)あ~ 結婚か。
結婚はね 大好きな人と
大好きな人が
もーっと大好きになって
ずーっと一緒にいること。
パパとママが 結婚したから
つぐみが生まれたの?
そうだよ。
(つぐみ)じゃあ パパとママ
もう一回 結婚して。
(桑原)えっ?
パパとママ
もう結婚してるよ。
じゃあ 何で 弟 来ないの?
それは…。
アハハハハ!
フッ… フフ…。
♬~
おじいちゃん おばあちゃん
久しぶり。
引っ越したら 当分
こっちには来れないな。
大丈夫。 お父さんが
向こうに行ってる間
桑原君と つぐみと
お墓参り来るから。
朝顔は いずれ
桑原家のお墓に入るんだから
こっちのことは
気にしなくていいよ。
まだ そこまで考えらんないな。
そっか。
お父さんは? どうすんの?
どうすっかね~。
♬~
♬~
♬~
じゃあ 行くから。
うん。
朝顔 体に気を付けてな。
うん。
そうだな。
うん。
じゃあ そろそろ切るね。
うん。 じゃあな 里子。
朝顔に よろしく。