【土曜ドラマ】ノースライト(後編)「夢みた家」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜ドラマ】ノースライト(後編)「夢みた家」[解][字]

Y邸の依頼人・吉野(伊藤淳史)一家失踪の謎を追う建築士・青瀬(西島秀俊)は、この出来事に、ゆかり(宮沢りえ)が関わっていることに気づく…

番組内容
吉野(伊藤淳史)一家失踪の謎を追う建築士・青瀬(西島秀俊)は、この出来事の背景に、別れた妻・ゆかり(宮沢りえ)が関わっていると確信する。そして次第に解き明かされていく青瀬の少年時代に起こった悲しい事件の真実。一方、所長・岡嶋昭彦(北村一輝)には、公共事業にまつわる贈賄嫌疑がかかる。岡嶋の無実を信じる青瀬は、岡嶋の悲願である公共事業コンペへの挑戦を決意する。
出演者
【出演】西島秀俊,北村一輝,田中麗奈,林泰文,柄本時生,田中みな実,井之脇海,長澤樹,竹財輝之助,池田鉄洋,戸田昌宏,でんでん,徳永えり,勝矢,品川徹,山口果林,宇都宮太良,川口和空,関仁平ほか
原作・脚本
【原作】横山秀夫,【脚本】大森寿美男
音楽
【音楽】稲本響

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. 吉野
  2. 岡嶋
  3. 青瀬
  4. 椅子
  5. 伊左久
  6. 本当
  7. 九官鳥
  8. お前
  9. タウト
  10. 石巻
  11. Y邸
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  13. 一創君
  14. 所長
  15. ノースライト
  16. 一緒
  17. 家族
  18. 桐生
  19. 大丈夫
  20. お願い

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(青瀬)
<それは 初めから奇妙な依頼だった>

(吉野)青瀬さん
あなた自身が住みたい家を

建ててください。
私が?

(岡嶋)
くう~! これが自慢のノースライトか。

すばらしいですね。

<吉野さんは
気に入ってくれていたはずだ。

それなのに なぜ
あの家族はいなくなった?

ここに 椅子を一つだけ残して…>

背の高い奥さんと一緒でしたな。

ギプスの男が それに絡んでるのか…。

強盗かもしれんぞ お前 強盗殺人…。

もしもし… 吉野さんですか?

市が 建設を予定してる
藤宮春子メモワール。

本当か? コンペか?

ハハハ… そうだ。
コンペに参加するんだよ。

(繁田)市の門倉建設部長と
頻繁に飲んでらっしゃいますね。

あなたは その部長に飲み食いさせ
結果的に 指名業者の仲間入りを果たした。

岡嶋 俺には うそは言うな。

新聞 読んだのか?

ううっ… ああっ…。
(八栄子)あなた…!?

<俺は 今 どこに向かっているのか。

この先に 何が待っているのか>

俺は もう終わりだ…。

お前は 何にも終わってない!

ずっと逃げてるお前に言われるとはな。

また一緒に立て直そう。 な…。

<ただ霞のように だが はっきりと

あのノースライトだけが見えていた>

♬~

奥さん! どうですか?

(八栄子)
今 詳しい検査をしてるところです。

恐らく このまま
入院することになるだろうと。

入院ですか。
胃から出血してるみたいです。

ストレスか…。

あ…。

新聞のこと 私は今朝知りました。

あいつは 心配かけたくなくて
話さなかったんでしょう。

青瀬さん あの人は
青瀬さんだけが頼りなんです。

どうか力になってあげてください。
お願いします。

(石巻)青瀬さん!
(マユミ)所長は?

携帯が つながらないんです!
病院だ。 病院…。

このまま入院になるだろう。
病気ですか?

ストレスで 胃をやられたらしい。
どこの病院ですか?

第二病院だ。
(竹内)これは本当なんですか?

ほかの新聞社からも
じゃんじゃん電話がきてて…。

クライアントからの問い合わせは?
ありません まだ。

コンペは… コンペはどうなるんですか?

コンペは降りることになる。
そんな…。

所長が そう言ったんですか?
そうだ。

何だよ… それじゃ
事実と認めたってことじゃないですか!

石巻。

岡嶋が拾ってくれなかったら
お前は今頃どうなってた?

俺は のたれ死んでた。
それを思い出せ。

それは分かってます。

俺とお前は 所長と心中だ。

はい。

どこへ行く?
病院です。 まだ早い。

心配なんです。
奥さんがいる。

あの人は信用できません。

何を言ってる?

私だって 所長に拾われていなかったら
どうなっていたか分かりません。

所長の役に立ちたいんです。

やめておけ。
奥さんがいると言ってるだろ。

あの人は 所長を
ずっと裏切ってるんです!

どういうことだ?

いえ 何でもありません…。

♬~

失礼します。
おう。

どうぞ。
(一創)こんにちは。

こんにちは。 一創君 久しぶりだな。

正月に会って以来か。
ああ。

お父さん大丈夫か?
大丈夫だよ。

今さ こいつが 建築家になりたいって
言ってくれたんだよ。

え… 本当に?

まだ分からないよ。

僕は算数が あんまり得意じゃないから。

図工は好きだけど。

図工か… それなら大丈夫だ。

八栄子 今日は もういいよ。

一創も おなかすいてるだろ。
青瀬と少し話あるから。

あまり無理しないで。

分かってる。
無理はさせません。

よろしくお願いします。

事務所はどうだ?

どうってことはない。 大丈夫だ。

苦情やキャンセルは?

問い合わせは結構ある。
激励の電話もある。

キャンセルは 今のところ1件だけだ。
(ため息)

石巻 竹内 どうしてる?

落ち着いて 今は自分の仕事をしてるよ。

マユミは… あいつ 変なこと言ってたろ。

ん?
携帯に メールがあったんだ。

最後までは言ってないって。

最後までって何のことだ?

おい 大丈夫か?

バカ! 何考えてんだ!
いいから。 大丈夫なんだよ。

何が大丈夫だ! 胃潰瘍だろ!
入院するよう指示されたんだよ。

百条委に呼び出し食う前に入院しろって。

仮病なのか!?

いや… それが本当になっちまった。

だったら やめとけよ!

岡嶋!

サッカーのチケットは 誓って折半だ。

それは信じてくれ。

門倉建設部長と市長が サッカー馬鹿で
そこに食い込むしか ツテがなかった。

人気の試合のいい席 確保するだけで
十分に感謝されたよ。

それなら 賄賂とは言えない。

だが もう遅い。

遅くはない。 一創君だって信じてくれる。

一創は… 俺の子じゃないんだ。

いい子なんだよ…。

賢くて優しいしな…。

あの子が自分の子じゃないなんて
あんまりだと思った…。

世界が真っ暗になっちまったよ…。

いっそのこと 一創も八栄子も自分も
みんな殺そうかと思ったぐらいだ。

だけどな やっぱり かわいいんだよ…。

かわいくて かわいくて
しょうがないんだ…。

血じゃないんだよ。

過ごした時間なんだ。

だから… だから ただ無心に
こいつのために生きようって…。

こいつのために 何か遺そうって…。

それを力にして仕事をしてきた。

岡嶋…。

誰にも言わないでくれよ。

分かった。

お前も… 家族は大事にしろよ。

「埋めること 足りないものを埋めること

埋めても埋めても足りないものを

ただ ひたすら埋めること」。

藤宮春子の言葉か。

芸術も人生も同じだな 青瀬。

そうだな。

お前にとって
一番美しいものって何だ?

ノースライトだ。

♬~

はい もしもし。
(池園)青瀬さん 関東日報の池園です。

ああ 何ですか?

(池園)青瀬さん 実は仙台で

吉野さんの父親を知っているという方を
見つけたんですよ!

えっ? 本当ですか?

(池園)はい。
あ 勝手なことをしてすいません…。

私は 青瀬さんが調べている
タウトの椅子の由来が知りたくて…。

そのためにも 吉野陶太さんという方が
見つかることを願っています。

[ 回想 ] 名前が トウタでしょう。

逆から読んだら タウトですもんね。

(日向子)ママに 何度も
電話をかけてきた人も

吉野さんといったから。

もしかして君は… 吉野さんのことも
知ってるんじゃないのか?

(ゆかり)
住んでる人のことまで知らないわよ。

<それから数日後 仙台に向かった。

吉野さんの父親のことを
知る人物に会うためだ>

すいません わざわざ。

青瀬です。
ああ 山下です。

(鳥の鳴き声)

ジョウビタキですね。
ああ…。

俺は タウトさんがいた工芸指導所で
職人の見習い伝習生をしてたんだ。

ブルーノ・タウト氏は そこで
椅子の作り方も指導されていたんですか?

んだ。 タウトさんはね
仕事には 何だもねぐ厳しい人だった…。

こったら顔して。

(山下)ある日 伊左久は

勝手にやって来たんだ。

吉野伊左久と申します。

(山下)なじょしても
タウト先生から工芸を習いたいと

自作の椅子を持って見せに来たんだ。

それで タウトさんから
椅子の設計図をもらったんですか?

(山下)んだ。

それば持って 村さ帰ったんだけんども
二度と作業所には来ねがった。

どうしてですか?
一家離散したんだ。

離散?

伊左久のおやじさんは大酒飲みでさ。

酔っ払って 米ば盗んで歩いて
村八分にされたんだ。

ほんで 伊左久のことを
助けるもんもいねくて

ほれ 名前が伊左久だから
それを反対から読んで

「臭い 臭い」と
みんなから いじめられて…。

今は ここさ 墓だけが残ってる。

花ですね。

これは 最近誰か来たんです。
きっと 伊左久さんを参りに…。

あんたが捜してる 伊左久の息子が?

そうとしか思えません…。

<吉野さんは Y邸に

お父さんが作った
タウトの椅子を置いたんだ>

<そのことを お墓に報告しに来たに違いない>

いがったな 伊左久…。

<吉野さんは どうして ここに

伊左久さんの椅子だけを
残したのだろうか。

昔 伊左久さんが一家離散したことと
今 吉野さんが 姿を消していることは

何か関係があるのだろうか>

♬~

もしもし。

もしもし?

吉野… さんですか?

(八栄子)岡嶋です…。

ああ… どうしましたか?

主人が… 飛び降りました。

♬~

岡嶋 どうして…。

私が駆けつけた時には
まだ ほんの少しだけ息があったんですよ。

何か言いましたか?

何も…。

遺書は?

それもありません。

♬~

岡嶋さん。

<午後5時ごろに
薬を持ってきた看護師が

岡嶋の姿がなく
窓が開いているのを見つけた>

(悲鳴)

一創君は?

まだ知りません… 家に残してきました。

一創君にも… 遺書はなかったんですか?

主人から 何か聞いたんですね?

一創は… 俺の子じゃないんだ。

たった一人の友達なんだって
言ってましたから 青瀬さんのこと。

そうです。

私が死なせたんです…。

いや そんな…。

[ 回想 ]
だけどな やっぱり かわいいんだよ…。

だから ただ無心に
こいつのために生きようって…。

こいつのために 何か遺そうって…。

奥さん… ちょっと すみません。

<そうだ。

その光景は 俺だけが知っている>

♬~

≪何してるんですか?

岡嶋 たばこを持ってませんでしたか?
は?

落ちた時に… たばこを。

知りません。

♬~

あった!

うわっ…。

<自殺か事故か それは 子供にとって大問題だ>

<そんな重い苦しみを 岡嶋が 一創君に残すはずがない!>

よく言った。 よし 頑張れ。

(足音)

何しに来た!
(繁田)青瀬さん…。

この野郎… 現場の写真 撮りに来たのか!

警察で聞いて… すみませんでした。

思い上がるな!
お前の記事で死んだんじゃない!

あんな記事ぐらいで岡嶋が死ぬかよ!

これは事故だ。
ちゃんと調べて 本当のことを書け。

書け!

(能勢)この度は…。

後で 少し話せませんか?

(読経)

話は何だ?

岡嶋さんの事務所は どうなりますか?

余計な心配はしないでいい。 大丈夫だ。

うちに来ませんか?
は?

こんな時に なんですが

今度のコンペとは関係なく
考えてみてください。

青瀬さんなら うちは歓迎しますよ。

ここで そんな話はするな。

すいません。 よそに取られる前に
考えてほしかったんです。

帰ってくれ。

(鳥の鳴き声)

サギね。

アオサギでしょ?

違った?

よく分かったな。

誰のせいで そうなったと思ってるのよ。

明日は どうする?
明日?

日向子との面会日。
ああ…。

その前に 君に聞きたいことがある。

♬~

何?

吉野さんを捜してるんだ。

え?

やっぱり知ってるよね? 吉野さんを。

捜してるって どういうこと?

Y邸からいなくなったんだ。

いや Y邸には
引っ越してもいなかったみたいだ。

どうして…。
心当たりは?

ないわ。

それより どうして君は
吉野さんを知ってるんだ?

教えてくれ。

ごめんなさい。
口止めされてたのよ 吉野さんに。

どういう関係なんだ?

私のことは 興信所を通じて知ったみたい。

興信所? 探偵を雇って君を捜したのか?

私じゃない… あなたをよ。

あなたのことを知りたかったみたい。

どうして?

理由はよく分からない。
ただ 大きな恩があるんだって言ってた。

俺に?
そう。

あなたに
返しても返しきれない恩があるから

その返し方を教えてほしいって
そう言われたのよ。

どういうことか分かる?

いや 分からないよ さっぱり…。

私も分からないから 気味が悪いし
最初は断ってたのよ。

もう別れた人だし 関係ありませんって。

だけど 何度も電話があって
どうしてもって…。

恩返しって何のことだ…?

それも… あなたに知られずに
恩を返したいって言うの。

どういうことだ…。

初めは お金を受け取ってほしいと
言われたのよ。

3, 000万あるって…。

それを受け取ってもらえる方法は
ないかって言うの。

だから それは無理だって言ったのね。

理由も話さず あなたが
そんなお金を受け取るはずがないって。

当たり前だ。

それで 私も… つい考えてしまって。

あなたが住みたいと思う家を
建ててもらったらって…。

あなた自身が住みたい家を
建ててください。

本当に ごめんなさい。

あなたを だますことになってしまった。

申し訳ないと思ってます。

だけど 君の思惑は正しかったよ…。

俺は救われたんだ Y邸に…。

それなのに どうして
吉野さんは いなくなったんだ?

吉野さんは 誰かに
追われているのかもしれない。

指にギプスをした大きな男に
見覚えはないか?

さあ…。

そのせいで 家族とも
一緒にいられなくなったのかもしれない。

え…。
Y邸には 吉野さんのお父さん

伊左久さんの形見だけが残されていた。
形見…?

伊左久さんの墓がある仙台にも
吉野さんは行ってるみたいだ。

仙台?
吉野さんの故郷は桐生じゃないの?

桐生?
群馬県の。

吉野さんが そう言ったのか?
そう言ってた。

最後に一緒に おそばを食べた時。

桐生で生まれたのか…。

伊左久さんは 仙台の村を出たあと
桐生に行ったのか…。

桐生がどうかした?

桐生は おやじが事故で死んだ場所だ。

あ…。

桐生川ダムの飯場にいた時に

その飯場から
九官鳥が逃げてしまったらしい。

(鳴き声)

(年雄)九太郎!

<その九官鳥を追って おやじは 山に向かった>

おじいちゃんは それから3日間も
九官鳥を捜して 山を歩き回ったそうだ。

オ~イ アオセミノルク~ン!

オ~イ アオセミノルク~ン!

パパが悲しむからと
おばあちゃんに言い残して…。

そして おじいちゃんは
崖から足を踏み外して

転落してしまったんだ…。

パパが一緒にいれば
そんなことにはならなかった。

高校に通うために 街で暮らしてたんだ。

パパは 街で暮らしたくて
しょうがなかった。

おじいちゃんと一緒に
渡りの暮らしを続けていればよかった。

しばらくは そう後悔したよ…。

(日向子)パパのせいじゃないよ。

ねえ… 九太郎は見つかったのかな?
え?

九太郎を見つけたから おじいちゃんは
それを捕まえようとして…。

(鳴き声)
(年雄)九太郎!

九太郎~!

(日向子)九太郎が おじいちゃんを
連れてっちゃったのかな。

おじいちゃんも鳥になっていて…

パパは 今でも
それを探しているのかなって。

(年雄)お前は
独りぼっちなんかじゃねえぞ。

お天道様だって うちのお客さんだからな。

♬~

すみません 突然に。

どうぞ。

(鈴の音)

一創君は?

部屋にいます。 呼んできましょうか?

あ~… いいんです。
あの 東洋新聞は もう読まれましたか?

新聞は 何も読んでいません。

東洋新聞にだけ
事故の可能性が高いと書かれています。

かなり詳しく
その時の状況について書かれています。

これを 一創君に
見せてあげてほしいんです。

岡嶋は 自殺じゃなく事故です。

そのことは 一創君にとって
とても大事なことのように思います。

彼が悩んだ時でもいいんです。

その時は これを見せてください。

お願いします。

私は… 何があっても 一創に

岡嶋を悪く思わせるようなことは
絶対にしません。

信じてもらえないでしょうけど…

私は 岡嶋を愛していました。

あなたのせいじゃありません。

岡嶋は 最期に
まだ息があったと言いましたよね?

だけど 何も言わなかったと…。

もし死ぬつもりなら
何か言い残したんじゃありませんか?

何も言わなかったのは 本人が まだ
生きようとしてたからじゃありませんか?

違いますか?

一創君…。

おじさん これを見てください。

お父さんが 病室で描いてたんです。

これは… 藤宮春子メモワールの草案です。

お父さんが
コンペに出そうと考えていた建物だよ…。

あいつは まだ病室でも考えてたんだ…。

「埋めること…
足りないものを埋めること…

埋めても埋めても足りないものを」…。

「埋めても埋めても足りないものを
ただ ひたすら埋めること」。

♬~

死ぬわけないよね?

そんなに描いてた人が
自殺なんかするわけないよね?

おじさん…。

ああ 死ぬわけない…。

見てごらん このスケッチブック
薄くなってるだろ?

多分 何度も描き直したからだ。

それまで描いていたものを破り捨てて

また一から
アイデアを練り直していたからだよ…。

あいつは あの病室で終わる気なんて
さらさらなかった。

そうだろ? 岡嶋…。

おじさん… 僕も絶対 建築士になります。

よかったな 岡嶋…。

♬~

続行だ。

(石巻 竹内)え…?
こっちに来てくれ。 コンペを続行する。

そんな 何言ってるんですか!?
今更… だって もう辞退したんですよね?

まだ道はある。
どんな? 今から話す。

やめましょう 先生。

せっかく おとなしくなったのに
また マスコミが騒ぎだします。

所長の名誉を
これ以上 傷つけたくありません!

これを見ても そんなことが言えるのか?

これは…?
岡嶋のエスキースだ。

メモワールのですか?
そうだ。 あいつが病室で描いたものだ。

亡くなる前にですか?

死ぬまで描いてたんだ。

見てみろ。 モンマルトルの丘に
インスパイアーされたメモワールだ。

ここに窓がある。

この写真だ。

藤宮春子が 40年間 絵を描き続けた
パリのアパートの外壁と窓が

この記念館の塔で生き続けるんだ。
それと これだ。

床一面に 彼女の作品を飾るアイデアだ。

ノースライトが それを照らす。

床で絵を描き続けた
藤宮春子の人生そのものを

見事に表現した展示方法だ。

この岡嶋のプランで戦うんだ。

石巻。

図面に起こせ。 今すぐ描き始めろ。

そんな むちゃです!
このエスキースだけじゃ…。

できるさ お前なら。

ありったけの知識と想像力で
描かれてない部分を補え。

知ってたか? お前が本気を出したら
俺も岡嶋も かなわないんだ。

展示ホールは 俺が描く。

柱割りや階段をどうするとか
お前が みんな決めていい。

俺が合わせる。

はい 分かりました。

それと 津村さん。
はい。

君は今すぐ パリに飛んでくれ。
パリにですか?

写真じゃ分からないことがあるから
実際に見てきてほしいんだ。

藤宮春子が住んでいたアパート 街もだ。

どうして私が?

岡嶋の代わりに 君が行くんだ。

見て感じ取ったことを
思うまま言葉にして

パースに 岡嶋の命を吹き込んでほしい。

分かりました。 行かせてください。

キャンセル待ちでも何でもして
一番早い便で行ってくれ。 はい。

それから 竹内。
はい。

部材を厳選しろ。
坪単価を 150万以内に抑え込め。

え!?
驚いてる時間はないぞ。

ローコスト住宅のノウハウを
総動員して やれ。

だけど 元は坪200ですよね?

それじゃ勝てないんだ。
コンペに?

能勢事務所の鳩山にだ。

能勢の事務所に持ち込んで
鳩山のプランと プレコンペさせる。

プレコンペ? 能勢事務所に無理やり
そんなことをさせるんですか?

それしか道はない。
そこで鳩山さんに勝つ?

そうだ。
岡嶋のプランで 鳩山のプランを圧倒する。

中身でも コストでもだ。

だけど それじゃ あくまで向こうの…。

この事務所の名前は
残らないかもしれない。

だけど 岡嶋の作品は残る。

俺は どうしても これを残したいんだ。

だから 超特急でやる。

ギリギリで持ち込んだんじゃ
門前払いされるのがオチだからな。

ここだ… 3週間で仕上げて持ち込む。

いいな!

♬~

いや~ 参ったな
時間がなさすぎるよ…。

(竹内)あ~ 参ったな
予算がなさすぎるよ…。

あの 所長は病室で

ノースライトを メインホールに
取り入れようと ひらめいたんですよね。

うん そうだ。
ノースライトで 床一面の作品を照らす

このアイデアに興奮しただろうな。

♬~

うわ~ 青瀬さん
メインホールは円形ですか!

参ったな~… のこぎり屋根の形状と
もろにバッティングしますよ。

しないさ。
もう石巻さん

エントランスロビーや収蔵庫の広さ
早く計算 出してくださいよ。

いや ちょっと待てよ。
今 こっちの話 してんだから。

面積決まんないと見積もり出せないんで
部材選び 進まないんです!

そんなこと言ったって まだ
メインホールの方が流動的なんだからさ。

ねえ 青瀬さん そもそも
のこぎり屋根と円形のホールは

相性が悪いって言ってるんです。

採光は 北からの一方向しか
取れないんだから

円形全体をカバーするなんて
無理でしょう。

反射させればいい。

船の帆のような巨大なレフ板と
特殊塗料で。 とにかく円形でいく。

(石巻)こっちに合わせるって
言ったじゃないですか!

だから合わせてるんだ!
僕の話も聞いてください!

いや 待てって。 こっちを決めないと…。
部材も大事じゃないですか。

いや待てって まず こっちから…。

(三島)ごめんよ。

はい?
ここに 青瀬って建築士はいるか?

私ですが…。

これを吉野の墓に置いたんは あんたか?

あ…。

あんたも1杯ぐらいどうだ?
ああ いえ。

死ぬほど仕事が残ってるんで…。

(村田)堅気じゃねえや あれは。

指に ギプスしてたよ 3本も。

指を けがされてたんですよね?

あ? ああ…。

吉野さんとは 何があったんですか?

あいつは 俺の妹に復縁を迫りに来たんだ。
復縁?

別居して3年以上たつのに
あいつは 離婚に応じようとしねえ。

(村田)奥さんがいなくなってから
旦那が一人で住んでたみたいだよ。

それが 突然現れて
追分に家建てたから

また一緒に暮らしてえとか
ぬかしやがって。

今更ふざけんなよ…。

あいつは 下手な商売に手ぇ出して
家族を めちゃくちゃにしたんだ。

それも 父親の遺産が手に入ったから
家建てたと ほざきやがって

俺は カッとなったぜ!

そんな家を建てる金があるなら

それを売って 慰謝料でよこせって
俺は どなりつけてやったんだ。

おい 待て この野郎!

(三島)あの野郎 玄関の引き戸
思いっきり閉めやがってよ…。

いってぇ…!

本気で殺してやろうかと思ったぜ。

それで逃げてるんですか… 吉野さんは。

一応 傷害事件だからな。

警察にも 届け 出したし
俺も血眼になって捜してる。

信濃追分にも…?

ああ あの家にも行ったよ。

(三島)なかなか いい家じゃねえか。

土足で上がることはなかった。

ハハ… そりゃ悪かったな。

何ですか?
離婚届だ。

やつに会ったら ここに判を押して
出すように言ってくれねえか。

そしたら…
あの家は もう取り上げたりしねえから。

けど 私が会えるとは…。

会えたらでいいんだ。

こんなもんは いくらでも用意できる。

♬~

<俺にY邸を依頼した時

吉野さんのそばには もう
奥さんも子供たちもいなかったはずだ>

(香里江)ちょっと静かに。

<俺の会った あの家族は 一体…>

石巻さん エントランスの壁の部材
チェックお願いします。

はい。

<プレコンペに出すプランの タイムリミットが近づいていた>

(石巻)メモワール全体を
パレットの形にしてみたんですが…。

屋上の傾斜が
モンマルトルの丘ってことですよね。

そう。
いいな… いいじゃないか!

(竹内)いいじゃないですか。
(石巻)よし!

よし。

♬~

[ 回想 ] 俺が建てたんだって 息子に
胸を張って自慢したいんだ。

♬~

はあ…。

♬~

(吉野)「青瀬 稔様

この度は
ご迷惑をおかけしてすみません。

ゆかりさんからも
留守番電話にメッセージをもらい

最近になって ようやく
別れた妻の実家に連絡したところ

義兄が青瀬さんに会いに行ったと聞き
慌てて この手紙を書いている次第です」。

(吉野)
「本当に申し訳ございませんでした。

私の父 吉野伊左久は
16の時に 仙台の故郷を出て

桐生の機織り工場で働いていた姉を
頼りました」。

(吉野)「伊左久は
機織り工場の小間使いをしつつ

独学で 木工の技術を磨きました」。

あ~!

(吉野)「30半ばで独立し 遅い結婚をして
一男一女をもうけました。

その一男が私です」。

(吉野)「桐生市北部の山あいに
工房を構えていました。

後に 桐生川ダムが建設される所です。

父は 自分の仕事に一切の妥協を許さず
生活は貧しく

母は 私が中学生の時に
がんで亡くなりました」。

(陶太)起きれる?

(吉野)「妹は病弱で その日も
熱を出して床に伏せっていました」。

(戸が開く音)
(伊左久)お~い!

珍しいもん捕まえだで。
(香里江)鳥?

九官鳥だ こいづは。

九官鳥が
ここら辺の森にいるわけないよ。

誰かが捨てたのがもしゃねえな。

お母さんかも。
(陶太)え?

お母さんが帰ってきたんじゃない?

よし 鳥かごを作ってやっぺ。

はい。
ありがとな。

(吉野)「九官鳥は 妹の言葉をすぐに覚え
よくしゃべりました」。

「クーチャン カリエ ダ~イスキ」。

(吉野)「妹は 母を亡くしてから
初めて笑いました」。

(香里江)かわいい。

クーちゃん… クーちゃん おなかすいた?

あっ… いたいた! よかった~。

(吉野)「そして」。
ごめんください。

(吉野)
「青瀬さんのお父様が見えたのです」。

すんません あの九官鳥は
うちで飼ってたものなんです。

オ~イ アオセミノルク~ン。

「オ~イ アオセミノルク~ン」。

ね。 青瀬 稔っちゅうのが
うちのせがれなんです。

鳥 持ってこい。

あ…。

お兄ちゃん やだ…。

それじゃ すんません…。

(泣き声)

(陶太)香里江…。

さあ うちに帰ろうな。

お~い ちょっと待ってけろ~!

ああ。

この椅子は ブルーノ・タウトっていう
有名な建築家が設計して

俺が作ったもんなんだ。

なんぼになっか分かんねえげんども
これで その九官鳥を譲ってくんねえか?

悪いが この九官鳥は
せがれのもんなんだよ。

せがれが
家族みたいにかわいがってた九官鳥で

いなくなりゃ悲しむ。

この椅子も 本当に大事な椅子なんだ!

そう言われても…
椅子と命は代えられねえしな。

あ… じゃあ 頼む。
これで別の九官鳥を買ってあげてくれよ。

バカにすんな!
あっ…。

そうじゃねえ…
それなら これで その椅子を買うよ。

この椅子は あんだなんかが
座れるような椅子じゃねえんだ!

ああ? これが何なんだ?

この椅子は
俺の命が吹き込まれてるんだ!

気安ぐ触んな!

何すんだ… ああっ!
(鳴き声)

あっ…。
あっ!

♬~

(吉野)「3年前 父は脳卒中で倒れ
初めて そのことを打ち明けました。

父には 一家離散した過去があり

それで 事実を
死ぬ間際まで言えなかったのでしょう。

父は最期に 私と妹に償いを託して
亡くなりました」。

(吉野)「けれど 私は間違っていました。

まず青瀬さんに
父の語った話を全て伝えて 謝罪し

そこから
始めなければなりませんでした。

本当に申し訳ございませんでした」。

♬~

(鳥の鳴き声)

「オ~イ アオセミノルク~ン」。

♬~

頭を上げてください。

妹の香里江さんですよね。

逆から読んだら エリカさんだ。
タウトの伴侶と同じ。

陶太さんがタウトで
これで夫婦なら出来すぎです。

お父さん…
伊左久さんが名付けたんですよね?

はい… 自分は
逆さに呼ばれることを嫌っていたのに。

あのお子さんたちは?

私の子供です。
みんな元気にしております。

そうですか。 そりゃよかった。

本当に… 申し訳ございませんでした。

私は手紙を読んで
今でも 父は事故だったと思っています。

青瀬さん…。

それより…
これを お義兄さんから預かりました。

はい… すみませんでした。

あのY邸は どうされますか?

もともと あの家は どんな形にせよ

いずれは 青瀬さんに渡そうと
思っていたんです。

けど あの家を見て
私も 夢を見てしまいました…。

妻は 中学を卒業するまで
信濃追分で育ったんです。

だから いつか
あそこに家を建てて住もうと

夢を語り合った頃もあったんです。

あそこで また
家族と やり直すことができたら…。

だけど… それはもう諦めました。

青瀬さん あの家を
受け取ってもらえませんか?

それなら 私に売ってください。
え?

銀行で ローンを組みます。
それで吉野さんも やり直してください。

いえ それじゃ…。
そう決めて ここに来たんです。

お願いします。

それなら せめて… あの椅子を
受け取っていただけないでしょうか?

タウトの椅子を? いいんですか?

そうしてもらえたら きっと父も喜びます。

分かりました。 それでは あの椅子は
Y邸でお預かりしておきます。

いつでも会いに来てください。
伊左久さんに。

香里江さんも。

ありがとうございます…。

本当に 何と言っていいか…。

吉野さん… 私は 建築家のくせに

今まで 自分の住みたい家を 帰りたい家を
考えてきませんでした。

それを 吉野さんから教えてもらいました。

私ではありません。

それは どうか
ゆかりさんに伝えてください。

はい。

(吉野)
ゆかりさん 3時間もいたんですよ。

あの家に…。

♬~

これを見てくれ。

(能勢)床に並べた絵を
ノースライトが照らすわけですか…。

いや 面白い。

お前なら分かってくれると思ったよ。

あ~… 鳩山の度量を試してみるか…。

いや でも
これを こちらに渡す条件は何です?

ない。
え? 無償で渡す。

原案や協力のクレジットも不要だ。

ただ… 一つ お願いがある。
お願い?

もし仮に これが ここのプレコンペを通り
本選も通り

あの野っ原に
このメモワールが建ったら…。

ええ。

岡嶋の息子に

これは お父さんが建てたんだと
話すことを許してほしい。

それだけだ。

分かりました。

ありがとう。

♬~

それで 岡嶋設計事務所は続けていくの?

そのつもりだ。
岡嶋の息子に手渡すまでは。

そう決めたんだ… 頑張って。

ゆかり。
ん?

木の家のこと覚えてるか?
木の家?

昔 2人で家を建てようとして
君と意見が合わずに建てるのをやめた。

Y邸を見た時 すぐに思い出した。

あれが… 俺の
本当に建てたかった家だったんだ。

とても いい家だった。

変わったのね 鳥類の好みが。

ああ 君のおかげだ。

それは違う。
あなたのためにしたんじゃない。

それじゃ また第3土曜日に
日向子 お願いします。

ああ 分かった。

♬~

[ 回想 ] ドウシンバイ?

同じ心を抱く2つの体だ。

いるんだよ 世の中には。
色恋とは別の次元で

心がこう… シンクロする相手が。

結婚とか離婚とか関係なくな。

♬~

うわ~ すごい…。

おい 手伝え。

ママも 実際に
この家を見たら もっと気に入るよ。

そうか。
うん 絶対。

ママは 仕事があるから
今日は行けないって。

今日は?
そう… 「今日は」だって。

そうか… よし 行くぞ。
はい。

♬~

ねえ 新聞記者の人は いつ来るの?
椅子を見に。

午後に来る。
それまでに ピカピカにするぞ。

うん。

♬~