ドラマスペシャル 当確師[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

ドラマスペシャル 当確師[解][字]

香川照之主演!当選確率99%!!伝説の選挙コンサルタントが暗躍する前代未聞の選挙戦が幕を開ける!

◇番組内容
どんな選挙でも当選確率99%を誇ることから「当確師」の異名をもつ、選挙コンサルタントの聖達磨(香川照之)。莫大な報酬と引き換えに、日本一有名な市長と称される鏑木次郎(高橋克実)の次期当選を阻止するために当確師が擁立したのは、無名の新人候補・黒松幸子(檀れい)!圧倒的不利な市長選に挑む!
選挙戦の裏で繰り広げられるスリリングな駆け引きと痛快な人間ドラマ!奇跡の大逆転劇は起こるのか!?
◇出演者
香川照之、檀れい、奥貫薫、岡山天音、野間口徹、黒川智花、矢島健一、木場勝己、高橋克実
◇原作
真山仁『当確師』(中公文庫)
◇脚本
羽原大介
◇監督
常廣丈太(テレビ朝日)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】三輪祐見子(テレビ朝日)
【プロデューサー】中川慎子(テレビ朝日)、中沢晋(オフィスクレッシェンド)
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/toukakushi/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 市長
  2. 関口
  3. 鏑木
  4. 幸子
  5. 黒松幸子
  6. 本当
  7. 千香
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  13. 小早川グループ
  14. 和田
  15. 鏑木市長
  16. 碓氷
  17. 遺跡
  18. 立候補
  19. 高天市
  20. 仕事

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(ウグイス嬢)…立候補致しました。

「市民の友達 市民の友田」と

覚えてください。

(スタッフ)本日は
どうもありがとうございました。

(スタッフ)
お忙しいところ 失礼致します。

(電話)

(林)なんだよ…! 言ってる意味が
全然わかんないよ!

(林)あと10パーセントも
票が足りないって…。

投票日まで
あと4日しかないのに

あんた よくも そんな
のんきな事 言ってられるな!

(森)つまり 我が陣営は
敗色濃厚という事ですよね?

(机を叩く音)
何が当確師だ!

高い金を払ったのは

そうやって だんまりを
決め込んでもらうためじゃない!

(友田 泰)まあまあ…。
いや もうちょっと穏やかに…。

ですが このままでは…。

票の上積みがないのは
私の不徳の致すところ。

どうすれば挽回できるのかを…。

先生が甘いから
つけ上がるんですよ こいつは!

(聖 達磨)「こいつ」?

あなたは 一体
何票 集めたんです?

(林)何?
偉そうにおっしゃる後援会長は

一体 いくら票を集めてきたのかと
お尋ねしたんです。

(林)地元だけでも 1000票は堅い。

おい。

実際は…

248票。
(林)なんだと!?

選対本部の集計表を見りゃ
わかるんだよ。

(林)正しいという根拠は?

(関口健司)我々が調べた限り

何度やっても
この数字しか得られません。

(林)私の名簿が
信用できないっていうのかよ!

あなたが提出した名簿は
筆跡が…。 名簿だよ!

はい。
名簿だよ!

あなたが提出した名簿は
筆跡が同じものが多い。

世帯の代表者に 家族全員の名前を
書かせたところで

そんなものは
本当の支援者名簿じゃない。

それと この際
はっきり言っておきますが

俺が選挙参謀を務めているのは
あくまでボランティアで

報酬は びた一文もらっていない!

何がボランティアだ…。

こっちは
1000万以上のコンサル料を…!

政治活動支援費の事でしょうか?

あれは 告示前までの
アドバイスに対する報酬。

告示後に 選挙コンサルが
報酬を受け取れば

公職選挙法違反になる。

だから 今は
ただのボランティア!

任せてください。

種は まいてあります。

一発逆転の。

(山井)
いや~ 今日は楽しかったよ。

どうもありがとうございました。
さあさあ…。

あっ これを…。

(山井)悪いね。
いえいえ とんでもないです。

(山井)また ぜひ。
はい お疲れさまでございました。

(カメラのシャッター音)

(カメラのシャッター音)

ありがとう。
美味しかった。

いや 駄目だ 田舎の料亭は。

競合店がないから
平気で しなびた料理出しやがる。

ラーメンでも食って帰るか。

今の現場 写真に撮られてました。

今の現場?
敵陣営に賄賂を渡してるとこ…。

そのために
わざわざ老舗の料亭にした。

はあ?

おっ! 駅前に
油そばの店があるじゃん。

給油行こうぜ 給油。
よいしょ。

給油…。

ああ~ いや たまらんな
このギトギト感…。

どうするんです?
裏工作がバレたら

公職選挙法違反で
逮捕されるかも…。

うーん!
体中の血管に油が回っていく。

(安田一輝)ふざけるな!
俺を誰だと思ってんだ!

もう一度 聞く。

友田の選挙コンサルと
何を話した?

ただ 世間話をしただけで…。

金つかまされたんだろ?

(安田)はい。 はい。

(安田)これは なんだ!?

他にも裏切り者がいるのか? ん?

(安田)お前か? おい お前か?

いい加減にしてくれよ もう!

(友田)バンザーイ!
(一同)バンザーイ!

バンザーイ! バンザーイ!

(拍手)
(スタッフ)おめでとうございます!

(関口)一体
どんなからくりなんです?

俺は こっちに寝返れなんて
一言も言ってない。

でも 店の前で賄賂を渡して
買収工作してましたよね?

ハハハハ…。

何がおかしいんですか?

あれは ただのおみやだ。

接待じゃねえよ。
ちゃんと会費ももらってんだよ。

あれがあるから…。

ほら 領収書。

敵はな その写真を見て
疑心暗鬼になって

勝手に内部分裂を起こした。

つまり… わざと写真を撮らせた?

選挙は金とコネで動くという

選挙戦にありがちなイメージを
利用したまでだ。

聖さん!

ありがとう!
本当にありがとうございます!

まさに当選確実請負人!

あなたは間違いなく当確師だ!

はい…。

自分の仕事をしたまでです。

(林)ありがとうございました!

後援会長の言うとおり
大劣勢からの圧勝なんて

まさに奇跡ですね。

馬鹿! 4日前の票読みでは
すでに僅差で勝っていた。

えっ? いや でも
あの集計データでは…。

お前が勘定したのは
俺が操作した偽のデータ。

はあ? なんで そんな…。

友田候補は ただ勝つだけでなく
圧勝したいと言ってきた。

たとえ勝っても 圧勝でないと
市政はすぐに混乱する。

だから もっと強い風を吹かせる
必要があった。

そのために 一芝居打ったんだよ。

新入りの僕は

まんまと だまされた
って事ですか?

選挙は戦争。
勝つためなら手段は選ばん。

それが
当確師 聖達磨のやり方だ。

♬~

お待ちしてました。 どうぞ。

大國先生 ご無沙汰しております。

この前の私の選挙以来だね。
はい。

さあ どうぞ。

で 今回は どういった…?

来年の秋 高天市長選挙が
予定されている。

高天市長…
現職は 二期目の鏑木次郎。

その鏑木市長を倒してほしい。

鏑木を?

(大國の声)
7年前 元検事の鏑木次郎は

当時の市長の不正をただすと
宣言して出馬。

現職を僅差で破り 初当選した。

(大國の声)
そして 当選するやいなや

市の内部文書を洗い出し

前市長を贈収賄や背任容疑で告発。

まあ
悪代官を追い出したってわけだ。

そして
この最初のミッションを達成後

彼は 革新的な政策を
次々と実行し

高天市を急成長させた。

最近じゃ
日本一有名な市長なんて言われて

テレビにも度々出演し

全国に その名をとどろかす
カリスマ市長。

どうかと思うよ。
では… えー 次は?

(大國の声)3選目を狙って
出馬するのは

これはもう 決定的だ。

恐らく圧勝するだろう。

しかし これ以上
彼の暴政を許すわけにはいかん。

暴政…。

鏑木は 今や 高天市の独裁者だ。

周りにイエスマンをはべらせ
親族やお友達ばかり優遇している。

まあ そうなる事は
目に見えてましたけどね。

聖くん。

君は 7年前

鏑木の市長選を途中で降りた。

私のクライアントに
ふさわしくないと判断しました。

とりあえずの手付金だ。
金は いくらでも払う。

強力なスポンサーがいるんだ。

スポンサー?

(大國)条件は一つ。

この3人の中から
対立候補を選び

鏑木を 市長の座から
引きずり降ろしてくれ。

候補者選びからとなると…。

別途に料金を頂いても
よろしいですか?

いつもの口座に
お振り込みください。

名目は 「世論調査費」で。

♬~

(高月千香)出た。

(碓氷俊哉)やっぱり
いらっしゃいましたか。

こいつと俺はね 一心同体。
どこに行くにも 一緒なんだ。

はい この辺でいいかな?

そんな事 言うなよ お前。 なあ。

住めば都。
すぐ慣れるから。 ねっ。

聖さんの言葉
わかるんですか?

少なくとも お前よりは
理解してくれる。

さあ 始めよう。

(千香)
高天市の有権者数は138万人。

前々回の投票率は
87.4パーセントで

同市では戦後最高の投票率。

そのうち 鏑木候補は52万7000票

現職市長の今泉候補が
50万8000票と

鏑木は 前市長に
僅差で辛勝。

なんで前々回?
前回のデータが最新じゃないの?

関口。

前回は 無投票当選で
選挙してない。

鏑木は 戦わずして勝ったって事。

なんで前回は…?
関口!

すいません。
(碓氷)前回選挙では

ライバルと見られていた3人の
いずれもが

突然 出馬を断念したからです。
理由は?

(碓氷)噂では 鏑木が
水面下で反対派を取り込み

組織的な候補者潰しをしたと。

(千香)これは 前々回選挙の時の
年齢別得票数。

鏑木は 20代から40代までの世代で
6割以上を獲得。

でも それより年配層になると
前市長のほうが優勢だった。

だが 当選後 弱点だった
高齢者の支持率対策として

老人クラブの助成や

デイサービス施設の改革を
実現する事で

支持率を上げています。

その上 投票率の低い
若年層の支持者も

着実に増やしている。

つまり 現時点では
鏑木は当選確実。

これでも
仕事 受けるんですか?

いや… えっ
ちょっと待ってください。

まだ誰も出馬表明してない段階で
なんで そこまで…?

関口。

選挙は 出馬表明した時には
すでに票読みは終わってる。

当確師の仕事は
告示前までが勝負。

えっ?

高天市の有権者数 138万人の
投票率平均は60パーセント前後。

つまり 約82万票が
存在する事になります。

次回選挙の獲得予想は

与党の支持層が16万

リベラル党が12万

議会の与党会派3党
5万を合わせた

合計 約33万票も
鏑木支持で固まっています。

(千香)当確ラインは40万票。

つまり あと7万票取れば
鏑木は当確…。

ボス
やっぱり やめといたほうが…。

負け戦だと割り切って受ける
って事ですか?

俺は 勝てるから受けた。

なぜ勝てるんです?

鏑木の選挙戦略は単純明快。

争点を作らせない事だ。

争点を作らせない?

争点がないという事は
市民が 市政に対して

不平不満を抱いていない
という証し。

鏑木は それを熟知してる。

だが 裏を返せば

鏑木は 争点が生まれる事を
恐れている。

なるほど。
俺らの使命は

鏑木に任せておけば十分と
思い込んでいる有権者に対し

「それは違う」と言える
候補者を立てて

こちらの土俵に引きずり込む事。

(碓氷)大國先生の提示してきた
3人の候補者です。

右は 反鏑木派の大学教授。

真ん中は 鏑木の妻。

左は 保育園経営者。

こちらは
地元メディアで行われた

「市長にふさわしい人アンケート」の
結果です。

候補者の下調べと
身体検査の結果は?

まず 蓑田教授には

鏑木により不正を暴かれた
前市長と その残党が

バックについています。

敗残兵ばかりの烏合の衆は…

論外!

市長夫人の鏑木瑞穂は

高天市有数の財閥
小早川家の令嬢で

小早川グループの実質的なトップ。

現職市長の妻が 夫を裏切って
立候補するとは思えないし

仮に立候補しても
市民は受け入れません。

(碓氷)黒松幸子は 元々 孤児で

保育園を営む養母に育てられ
跡を継いだ。

他にも
ホームレスのための炊き出しや

市民合唱団の運営など
市民活動にも精力的で

知名度も そこそこ高い。

どうしても この3人の中から
選ばなきゃいけないんですか?

(碓氷)大國議員は なぜ
この3人を挙げたんですかね?

とにかく… まず 顔を見てみよう。

面構えは重要なポイントだ。

♬~(演奏)

♬~「Hallelujah! Hallelujah!」

♬~「Hallelujah! Hallelujah!
Hallelujah!」

♬~「Hallelujah! Hallelujah!」

真ん中 鏑木市長ですよね?

♬~「Hallelujah!」

♬~「For the Lord
God omnipotent reigneth」

敵陣営が私の悪評を
怪文書で流してる…?

フッ… それなら
こちらも やり返すまでだ。

候補者が 敵のスキャンダル探しを
始めたら まず負ける。

ほっときゃいいんですよ。
黙ってやられてろと?

俺は
ネガティブキャンペーンはやらん。

頭に血が上ると
相手を叩きにいってしまうのは

あんたの悪い癖だ。

じゃあ どうやって勝つつもりだ?

確実に当選できる
アイデアがあるのか?

俺は神様でも魔術師でもない。

だが 俺の言うとおりに戦うと
言ってくれなきゃ

当選確実は保証できない。

ふざけるな!
雇ってるのは私だ。

私の選挙の方針は 私が決める。

じゃあ 勝手にしろ。

(拍手)

♬~「ハッピーバースデー
トゥ ユー」

♬~「ハッピーバースデー
トゥ ユー」

♬~「ハッピーバースデー
ディア 鏑木市長」

♬~「ハッピーバースデー
トゥ ユー」

(拍手)

(2人)鏑木市長
お誕生日おめでとう。

ありがとう! ハハハハ…。

いや どうもありがとう。
ありがとう! ハハハハハ…。

ああ どうも。 ハハハハ…。

おーい!

(和田)
市長 おめでとうございます!

(拍手)

あの2人…。

(関口)対立候補の市長夫人と
保育園の園長…。

(関口)聖さん? ちょっと…。
出口…。

すいません。
出口… 出口 こっちですよ。

♬~

(和田)お客さんの数
すごかったですね。

ハハハハハ… いやあ ありがとう。

(桜井源治郎)
市長 市長! ワンダフル!

ハハハハハ…!
(桜井)素晴らしいコンサートでした。

いやいや ありがとう
ありがとう ありがとう。

私も 長年
副市長を務めて参りましたが

市長ほど多才な方は
いらっしゃいません。

(桜井)市長を辞めたら
歌で食っていけますね。

(一同の笑い声)

(関口)人気者ですね。
みんな 金魚のフンだ。

鏑木が この街のドンとして
君臨していられるのは

妻のおかげ。
妻?

鏑木瑞穂は 高天市随一の財閥
小早川グループのお嬢様。

小早川家は 瑞穂の父親の代から

市政に大きく介入してる。

ところで 市長。

今度 糠島に

金持ちばかりのリゾート地を
造るそうじゃないですか。

ハハ… そんな話 どこから?

開発工事の際は ぜひ
お手伝いをさせて頂ければ…。

まだ構想段階で…。

いや…
具体的になったら連絡しますよ。

水くさいなあ。
私は身内みたいなもんでしょ?

それなら…

身内として見守ってくださいよ。
ねっ。

ハハハハハ…!

(黒松幸子)瑞穂
今日は本当にありがとう。

今年も
コンサートが実現できたのは

瑞穂のおかげだって
合唱団のみんなも喜んでたわ。

親友の頼みだもの。

それより 例の件 考えてくれた?

やっぱり
私には荷が重すぎる気がして…。

(岩木)失礼ですが
小早川グループの関係の…?

関係者以外の方は
ご遠慮頂いております…。

市長! 市長!

いやあ 最高のコンサートでした。

なんで 君が…?

(瑞穂)どなた?

あっ わたくし

選挙コンサルタントの
聖と申します。

7年前の初出馬の際に
ご主人のお手伝いを…。

そうだったかしら?

覚えてないのは当然。
彼は お忙しい方で

3日で
お辞め頂いたんですよ。

クビになった覚えはない。

俺は自主的に選挙参謀を降りた。

元検事の立場を利用して
検察資料まで引っ張り出して

現職のスキャンダルを
怪文書でばらまこうとした

あなたのやり方に
嫌気が差して…。

君 ちょっと失礼じゃないか。
(和田)何を言い出すんですか…。

事実を申し上げたまでですよ。

まあまあ まあまあ…。

いやあ あの時 君の言う事を
聞かなくてよかった。

おかげで
多くの市民の支持を頂き

二期目も
務めさせてもらってる。

三期目はない。

来たる市長選で
必ずや あなたを

打ちのめしてご覧に入れます。

市長を打ちのめす?

あなたのやり方は よく…

わかっていますから。

今日は そのご挨拶に伺ったまで。

失礼。

一体 誰を
対抗馬に立てるつもりでしょう?

ご心配には及びません。
市長選は盤石です!

選挙に絶対はない。

(関口)あんな事 言っちゃって…。

まだ 誰を推すかも
決めてないのに…。

候補者は決まった。

(関口)えっ?
黒松幸子だ。

先生 さようなら。
はーい。

先生 さようなら。

園長先生 さようなら。
はーい また明日ね。

先生 さようなら。
あーっ! 気をつけて。

(女性)こんにちは。
こんにちは。

(男性)今日もお借りします。
こんにちは。

あっ! はい。

また明日ね。
先生 さようなら。

こんにちは!!

こん…。

♬~(ピアノ)

♬~「今 私の願いごとが
叶うならば」

♬~「翼がほしい」

騒がしくてすみません。

懐かしいなあ…。
広島の実家を思い出す。

ご実家?

ええ。 私も 実家が寺で

敷地内に
保育園があったんです。

クリスマスとか運動会の度に
駆り出されて

節分の時は鬼もやらされた。
ハハハハ…。

どうぞ。
ああ すいません。 失礼します。

にぎやかだったんですね ご実家。
ええ。

ここにも たくさんの方が
ひっきりなしに集まってくれて…。

園長先生は人気者なんですね。

いえ 寂しがり屋なんです。
一人でいる時より

大勢でいるほうが
落ち着くっていうか…。

ところで 市長夫人とは
こう… どういう…?

中学 高校の同級生です。

ああ コンサートの時に
親しそうにされていたのは

そういう事だったんですか。

驚きました。
急に市長にあんな事を…。

いやいや まあ
あれも仕事のうちで…。

あの… 選挙の専門家の方が
私に どのような…?

まあ… 単刀直入に申し上げます。

ぜひ 市長選に出馬して頂きたい。

…私が?

はい。

なんで 私が?
勝てるからです。

鏑木市長に?
はい。

冗談でしょ?
本気です。

あの… そもそも 選挙って

政治家になりたい人が

自分から立候補するものなんじゃ
ないんですか?

ある方から どうしても
現市長に続投させたくないという

依頼を受けまして…。

誰です?
それは言えません。

職務上の守秘義務が
ありますから。

無理です。
私は政治の経験もありませんし

人と争う事も嫌いですから…。

経験はないが
知識と関心はある。

コロンビア大学に留学されて
政治学を学ばれて

博士号を
取得していらっしゃいますよね。

専攻は政治哲学。
博士論文は『共同体主義の限界』。

調べたんですか?
あの論文を書いたのは…。

書いたのは?

ああ こんなものも見つけました。

この記事では
鏑木市政が批判されている。

名前こそ出していませんが
これ あなたの意見ですよね?

この記事は

たまたま 鏑木市政に批判的な
記者の取材を受けただけ…。

いやいや あなた
鏑木の事 大嫌いでしょ?

そんな…。
親友の旦那さんでもあるし…。

親友の旦那だから
嫌いだけど正直に言えない。

一つ聞いてもいいですか?
はい。

聖さんは
なぜ このようなお仕事を?

うん…。

まあ…。

選挙で この国を浄化するため…。

国を浄化?

政治家を志す人間は皆
高い志を抱いて

市民のために働きたいと思ってる。

だが 当選して 長期政権になると
その志が腐敗する。

鏑木市長に限らず
日本中のどんな自治体も同じ事。

だから

トップが 権力者 独裁者となった
政権は叩き潰して

新しい きれいな政治を
取り戻さなきゃならない!

…と言いたいところですが

選挙は金になる。

俺も 一つ聞いていいですか?

あなたには
結婚歴も離婚歴もない。

現在 お付き合いしている男性が
いらっしゃる?

いらっしゃるの?
いません。 なぜ そんな事を?

個人的な興味です。
はあ?

いやいや… 選挙戦に入って

不倫など暴かれたら
即座にアウト…。

私は まだ 立候補するとは…。
俺とあなたの利害は一致する。

立候補しても
あなたは あなたのままでいい。

あなたの嫌がる事は
絶対にさせません。

信じて任せてください。

必ず当選させてみせます。

♬~

まあ じゃあ 仮に… 仮にですよ

もしも あなたが市長になったら

まず最初に
何をしたいと思いますか?

♬~

まず…

市長が合唱団で歌う事を
禁止します。

同感です!

♬~

そんな
見せびらかすみたいにして…。

少し分けてあげたらどうです?

こいつは 生きてるものしか
餌として認識しない。

なっ。
そうなんですか?

残酷だなあ…。
しょうがないだろう。

それが こいつの
生きるための手段なんだから。

なっ。

大丈夫ですか?

あんな上品な
争わない主義の女性が

選挙で勝てますかね?

争わない女に争わせるから
勝てる。

本来なら争いたくないのに

やむにやまれぬ怒りと
使命感を持って出馬するから

選挙に争点が生まれるんだ。
ただ…。

ただ?

黒松幸子は…

出馬をオファーされる事を
知ってたんじゃないかな?

(関口)えっ?

彼女の目が そう言ってた?

言ってたねえ。

「あなたのような男性と出会うのを
待ってました」ってね。

なんすか? それ。

さてと…。

どうやって売り出すかな…。

はい。 熱いよ 気をつけて。

(女性)こんにちは。
お荷物 いっぱいね。

(女性)向こう 向こう。

(男性)さっちゃん 大盛りでね。
頼むよ。

はい。
おお 悪い 悪い…。 いいね。

はい 熱いから気をつけて。
熱っ 熱っ…! 箸もらうよ。

はーい。

(関口)聖さんの分も
もらってきました。 ハハハハ…。

豚汁を食いに来てんじゃ
ねえんだから。

ちゃんと撮れよ さっさと。

(関口)わかってますよ~。

(関口)すいません ちょっと これ
いったん置いてもいいですか?

ごめんなさい
あとで取りに来ます。

うまいねえ。
さっちゃんの豚汁 最高だよ。

ああ だしが利いてる。
豚肉も肉厚だ。

おふくろの味だよ
さっちゃんの豚汁は。

なあ。
元気出るよな。

さっちゃんには
なんでも相談できるし。

あんたも悩みがあったら
なんでも相談しな。 なっ。

はい そうします…。

おかわりできるかな?
(男性)まだあるよ。

はい 熱いから気をつけて。

美味しいよ~。

♬~

広報担当の山田です。

ネット配信の企画で

黒松さんのドキュメンタリーを
担当してる者です。

許可申請は出してあるんですが
同行してよろしいですか?

市内の母子寮が

全て取り壊されるというのは
本当ですか?

(土山)建物は老朽化していますし

現在
母子寮にお住まいの皆さんには

市営住宅を できるだけ安く
斡旋する方向で調整中で…。

取り壊される母子寮の中には

市立子ども病院に
隣接している寮もあります。

せめて
そこだけでも残せません?

(土山)しかし この件は
市長決裁も終わっていますし…。

母子寮取り壊し反対の署名…。

3000人分です。
(土山)3000人!?

実際は3万人分ありますが…。

「持参しきれなかったので

残りは
母子寮存続サイトを立ち上げ…」

素材の編集 終わったんで

プレビューを終えたら
アップします。

はい。

あれ?

「地方自治法規定の
直接請求権に基づく

有権者数50分の1以上の
署名数を満たしております」

「ご検討よろしくお願い致します」
失礼致します。

見て。 幸子に抜かれちゃった。

フッ…
俺の支持率もダウンしてる。

私が下がったっていうより

あなたの支持者が
幸子に移ったって感じ?

でも 大丈夫。

ネットの効果なんて
一過性のものよ。

黒松幸子とは
中学時代の親友だと言ってたな?

高校時代は
私が生徒会長で 彼女が副会長。

ちょっと頼みたい事がある。

♬~「願いごとが叶うならば」

♬~「翼がほしい」

バイバイ。
バイバイ! 気をつけて帰ってね。

はい バイバイ。

♬~「鳥のように」

♬~「白い翼つけて下さい」

(瑞穂)懐かしいね。

あっ 瑞穂。 いつ来たの?

覚えてる?
あの制服を 廃止か継続か

生徒会の選挙で
決める事になった時の事…。

うん 覚えてる。

私も 幸子の意見を聞くまでは
私服化に賛成だった。

おかしいって。
毎日私服って 週に6日もだよ。

みんなが お金持ちで

たくさん服を持ってるわけじゃ
ないんだし

毎日 違う服を着てこられる子
ばかりじゃないと思う。

(瑞穂の声)でも
あなたの意見を聞いて

目が覚めた。

(幸子の声)うちが貧乏だったから
自分の話をしただけ。

私だって 本当は

毎日 違う服を着て
登校したかったわよ。

ああ… 戻れるなら戻りたい。

高校時代に?

お肌ツルツル。
小じわもシミもなかったし。

私は嫌だな。 二度と戻りたくない。
今が一番楽しいから。

幸子は自由だもんね。

私も結婚なんかしなきゃよかった。

旦那は市長 家には家政婦さん。
何が不満なの?

幸子にはわかんないよ
私の苦労は。

多分 一生無理。

どうしたの?

こんな事 話すために わざわざ
来たわけじゃないでしょ?

福祉担当補佐官?
福祉に限らず

市政全体の相談相手

市長のブレーン的な存在に
なってほしいって…。

候補者潰しだ。
候補者潰し?

夫人は市長に頼まれて

あなたを
味方に取り込むために来た。

市長にふさわしい人アンケートで

第2位に躍り出た
あなたの出馬を未然に防ぐために

自分のブレーンに
抜擢しようとしてるんだよ。

そういう事なんですか?

国政でも よくあるでしょう?

総裁選に立候補させないために
大臣の椅子を用意するとか…。

だけど 親友の頼みを むげには…。

(千香)あり得ません。

もし 彼女が
福祉担当補佐官を引き受けたら

出馬どころじゃなくなります。

黒松幸子が
出馬できないとなると

また 一から
候補者探しになるし…。

だがな
本人が受けたいと言うのを

無理に止める事はできない。

辛くないんですか?

大丈夫。
じゃあ ほっときます。

お前に言ってんじゃねえんだよ。
(関口)えっ? あっ すいません…。

大丈夫。 ちゃんと手は打ってある。

あっ…。

(ウグイスの鳴き声)

そろそろか?

(関口)始まるところです。
「本日 高天市は

市民サービスの向上と活性化のため…」
すいません。

「アドバイザーとして
黒松幸子さんを

福祉担当補佐官に任命致しました」

「黒松さんは 保育園経営の傍ら…」

炊き出しや合唱団など
精力的な活動で

多くの市民に支持されています。

ぜひ わたくしの右腕と
なってくれれば幸いです。

なお この様子は いつものとおり
インターネットの生配信で

市民の皆さんに
お届けしています。

ご指名頂き 正直 驚きました。

また このような対談の機会を
設けてくださり

本当に感謝しております。

今日は なんでも聞いてください。
私も楽しみにしていたんです。

市民の一番の関心は

糠島ハイランド構想にあると
思います。

ああ… いいでしょう。

糠島ハイランド構想とは

外国人富裕層対象の
経済特区として

リゾート開発を進める事。

ホテルや
ショッピングモールができ

市民には 雇用先と

ショッピングを楽しむ機会が
与えられる。

経済は潤い
市民サービスは より豊かになる。

建設計画のために

住まいを移転せざるを得ない
人々を含め

生活困窮者は
市内の1カ所に集め

より充実した市民サービスを
実現していくつもりです。

それが
高天コンパクトシティ計画。

どちらも大事な政策です。

とてもいい政策だと思います。

高天コンパクトシティ計画は

決して余裕があるとはいえない
市の財政を有効活用するシステム。

本当に よくできていますが…。

一つだけ 問題があります。

ああ… どんな問題でしょう?

高天コンパクトシティは

年収に合わせ 居住地を
暗に限定する事になりませんか?

「そんなつもりはない…」
「生活拠点を移されると…」

通勤通学や買い物
生活は 今より不便になる。

これが
私が実際に触れた市民の声。

一番の問題は
市が市民の自主性を無視し

経済的弱者を

強制的に コンパクトシティに
移そうとしている事です。

いや そんな 強制的だなんて…。

糠島ハイランド構想に伴う
市民の移転計画も

確認させて頂きました。

この資料には

「いかに強制力をつけるべきか
検討すべし」と書いてあります。

いや それは…。
ここに

「強制」と
書いてあるじゃないですか。

政策実現のためなら

手段を選ばないというのは
大問題です。

ちょっと待ってください。
この資料は まだ検討段階で…。

単純に 市が豊かになればいいと
思っている市民も多いでしょう。

ですが この計画は

経済的弱者が隔離され
切り捨てられる市になってしまう

危険をはらんでいる事は
間違いありません。

(関口)見事に論破してる…。

でも どうやって
ここまで調べ上げたんでしょう?

「今の高天市は…」

市長が全て舵取りをなさってる。

ですが 市政の主人公は
ここで暮らす市民です。

市民が少しでも不安に思う政策は
もっと時間をかけて話し合って

いびつな行き違いは
一つ一つ 正していかないと…。

黒松さん
少し話がそれてしまったので

この議論は
また次の機会にしましょうか。

ねえ。

駄目だ。 中断させるな。

「今 申し上げた事を

もっともっと 市民の皆さんと
真剣に考えるために…」

配信を止めろ!
(和田)はい すいません。

「私 黒松幸子は

次の市長選挙に立候補する事を
決めました」

公開討論で出馬宣言…。

知ってたんですか?

最高にインパクトある出馬表明だ。

まさか… 全部 聖さんの筋書き?

出馬は本当ですか?

鏑木市政に
異を唱えるという事ですね?

市長選に出馬するつもりです。

詳しい事は 後日
また改めて機会を設けますので

その時に…。

現市長に
不満があるという事ですか?

パーフェクト!

(関口)市長派のダメージも
相当でしょうね。

関口 鏑木瑞穂から目を離すな。

はい?

申し訳ありません!

わざと足を引っ張ったのか?
(和田)まさか…。

立ってるだけなら
カカシでもできる。

あれじゃあ まるで
黒松劇場始まりの宣伝討論会だ!

(和田)ああ…
本当に申し訳ございません!

もういい! 出ていけ!

失礼します…。

♬~

(息子)パパ ママ おやすみ。
(娘)おやすみなさい。

はいよ。
(家政婦)さあ 行きましょう。

ハハハ…。

(ため息)

とんだ茶番に付き合わされた。

驚いた。 まさか あの幸子が…。

どんな女だった? 学生時代。

正直で嘘がつけない素直な子。

強いて短所を挙げるなら
素直すぎるって事ぐらいしか…。

(呼び出し音)

「岩木です」
黒松幸子のゴシップを探せ。

見つかるまで探せ。

何がなんでも あの女を潰す。

♬~

♬~

(カメラのシャッター音)

(エレベーターの到着音)
(ドアの開く音)

(カメラのシャッター音)

♬~

(碓氷)ホテルで密会?

(千香)えっ… 不倫って事?

スクープでしょ!
褒めて 褒めて。 もっと褒めて!

聖さん?

そういう事か。

♬~

(エレベーターの到着音)

お連れしました。

ごめんなさい
こんな所に お呼び立てして。

大事な話とおっしゃったから

人の目を気にせず お話しできる
場所のほうがいいと思って。

どうぞ。
失礼します。

お忙しいでしょうから
早速 本題に入ります。

今度の市長選で 私は

黒松幸子さんの選挙参謀を
務めます。

夫の選挙に
私の親友を巻き込むなんて

いい迷惑ですわ。

そこで あなたが代表を務める
この会社と

子会社 関連会社を含む

グループ全体の
全ての社員と その家族に

黒松幸子を支持するよう
働きかけて頂きたい。

ハハッ… 面白い方ね。

ああ お褒めにあずかり光栄です。

人生 笑いが大事です。

その申し出を
私が受けなきゃいけない根拠は?

鏑木市長を倒すよう
私に依頼されたからです

あなたが。

この男は…

大國先生の秘書。

(聖の声)
大國先生は 私に依頼する時

「金は いくらでもある」

「強力なスポンサーがいる」と
言いました。

そのスポンサーとは
小早川グループ。

そして そのトップは あなた。

だから?

黒松幸子擁立の
お膳立てをしたのも あなただ。

鏑木市長は 近年 巧妙に

市政から 小早川グループを
排そうとしている。

妻の実家に対する
経済依存をやめたい。

では それを知ったあなたは
どう思うか?

弱き者よ 汝の名は女。

あなたに
そのセリフは似合いません。

あなた 強すぎる。

私も市長になれたかしら?

残念ながら あなたでは勝てない。

夫を裏切って
政治の世界に入ろうとする女性を

市民は許さない。

それを全て
わかっていたからこそ

あなたは
黒松幸子に立候補させて

自分は ひそかに
後方支援しようとした。

私が幸子に約束したのは

日本一の選挙コンサルタントを
つける事。

それと
選挙資金を提供する事だけ。

そんな中途半端な支援をして
あなたは何をしたい?

試したいの。
試す?

(瑞穂)市長になってから
夫は だんだん変わった。

今の彼は
傲慢に暴走を続ける独裁者。

私は 鏑木に 以前のような

正義感のある真っすぐな人に
戻ってほしかった。

市長から引きずり降ろされ
目を覚ましてほしい…。

そう考えていた時 幸子が

「鏑木の糠島ハイランド構想は
危険。 高天市は

弱者を見捨てる街になる」と
言ってきた。

鏑木の暴政にノーを唱える
正義の女性候補。

彼女にぴったりの役回りでしょ?

やっぱり… そういう事か。

もちろん 幸子には勝ってほしい。

だったら 小早川グループの
組織票をこちらに渡して…。

(瑞穂)それができないから
あなたに依頼した。

そのための当確師でしょ?

頑張って
夫の票を奪い取ってください。

(関口)政治家の奥さんも
大変ですね。

なんだか かわいそうだなあ。

まだ裏がある。

裏?

バレちゃったわね。

私 どうしたらいい?

大丈夫 私に任せて。

私を信じて。

でも…。
今まで 一度でも

私が あなたのためにならない事を
した事があった?

♬~

あっ… 聖さん。

先ほど
瑞穂さんに会ってきました。

瑞穂と? なんの話で?
選挙用のフライヤーに

あなたの応援メッセージを
寄稿してほしいって

お願いしたんですが
断られました。 アハハッ…。

まあ 駄目元だったんですけど。

そうですか…。

だけど 彼女 あなたの事を
もう 心から信頼していましたよ。

さすが 中学からの親友同士!

瑞穂には いつも
助けてもらってましたから。

そうでしょうね。
それで 今日は?

ああ 現段階での得票予想をもとに
対策を練りたいんで

都合がよろしい時に
事務所のほうに来て頂けないかと。

わかりました。 日取りを決めて
ご連絡差し上げます。

お願い致します。

お疲れさまでした。
お留め立てして すみません。

(関口)どうして 鏑木瑞穂の話を
しなかったんです?

さっちゃんは

裏で瑞穂と繋がってた事を
我々に黙ってたって事でしょ?

俺の仕事は
黒松幸子を市長にする事。

それだけだ。

(千香)聖事務所の当確予想では

1位 鏑木次郎 65パーセント
2位 黒松幸子 28パーセント。

鏑木とは依然 大きな差がつき
今のままでは当選は不可能。

何より 基礎票が全く足りない。

元々 私は泡沫候補。

よく健闘していると見るべきか
全然駄目と落ち込むべきか…。

落ち込む事はない。

鏑木の組織票を
崩す手立てがあれば

まだ可能性はある。

(碓氷)ボス 大変です!

昨年
糠島ハイランド構想の予定地で

遺跡が発見されていました。
遺跡?

糠島では 古代帝が祭事を行った
という伝説が残っていて

その遺跡発掘調査が
行われていたようです。

ですが その発掘調査は

大型台風で大きなダメージを受け

その後 「何も出土しなかった」
という報告だけで

打ち切られているんです。
打ち切り?

(千香)普通は 復旧作業をして
発掘調査を再開しますよね?

鏑木が
ハイランド構想を進めるために

都合の悪い 遺跡発掘を
打ち切ったって事?

(碓氷)その可能性は十分あると。

(千香)聖さん どう思います?

♬~

(関口)
市長を待ち伏せするんですか?

いや 金魚のフンのほうだ。

えーっと

県会議員 市議会議長
もう一人…。

和田副市長。

その3人が 遺跡について
何か知ってるんですか?

この手の情報は 逃げ足が速そうな
奴に聞くのが一番だ。

(関口)逃げ足が速い?

おはようございます。
(和田)はい おはよう。

副市長!

聖に呼び出された?
(和田)ええ 今夜9時 料亭に。

私の前には 県議と市議会議長も
個別に呼ばれてます。

我々に寝返れ
っていうんではないでしょうか?

(岩木)部屋に
カメラを仕込んでおきます。

カメラ!? 盗撮ですか?
私は このように報告しており

市長を裏切るようなまねは
絶対に…!

もちろん 君の事は信じている。

「寄らば大樹の陰」
「長いものには巻かれろ」だけで

生き残ってきた男だからね。

(和田)ああ…。
いや 私は ただ

向こうの出方 やり口を
知りたいだけだ。

ハッ。

(ドアの閉まる音)

「ものすごいんですよ」

「もうね
非常に素晴らしい ここの庭」

「どうです? 今から
ご覧になりませんか?」

(市議会議長)「いや…」
「一見の価値ありますから」

「いや 本当に!
だまされたと思って」

「本当に素晴らしいですよ!」

いやあね 見た事ない庭です。

こっちでございます。
どうぞ どうぞ。

(市議会議長)「庭か…」

♬~

(市議会議長)確かに立派だ。
手入れも行き届いてる。

ねえ!
一見の価値があったでしょう。

ご存じですか? ここの庭。

「行きましょう。 本当 素晴らしい。
私は見た事がない」

「こちらです。 どうぞ どうぞ。
さあ どうぞ」

(岩木)ああ…っ!

(県議会議員)
これは 立派な鯉ですね。

アハハハッ。 これ1匹
いくらするんでしょうね?

(鼻をすする音)

(県議会議員)まあ 県議選挙の
1票の値段よりは高いでしょうね。

…となると 国政選挙の
1票分ぐらいですか?

(2人の笑い声)

お連れしますんで。
またね これね…。

「鯉が素晴らしいんですよ
ここの庭」

「ああ こちらです。
どうぞ どうぞ」

ああっ!

(和田)ここの先代は凝り性でね

この庭にも相当かかってるって
聞いてます。 ハッハッ。

副市長。

糠島の遺跡発掘について
何か ご存じではないですか?

さあ なんの話でしょう?

長年 鏑木市長の側近を
務めてきたのに

何も知らないと?

知っていたとしても
君に話すはずがない。

では 市長夫人の瑞穂さんが

鏑木降ろしの黒幕だと
あなたが知ったら?

…何?

市長夫人が市長を裏切れば
どうなるか?

鏑木支持のあなたの立場は
どうなるか?

アハハハッ! そんな馬鹿な…。

長年 私も
この世界で飯食ってます。

伊達や酔狂で
こんな事は言いません。

確固たる証拠を握った上で
お話しをしています。

証拠って?
それは企業秘密だ。

市長の前では
実直な副市長を演じていながら

裏じゃ 市長の事を
独裁者だ モラハラ大王だと

陰口を叩いてるそうですね。
私は そんな…。

どうしますか? このまま
鏑木市長と運命を共にするか

それとも 市長が代わっても

市政の現場で生き残っていくか
二つに一つ。

♬~

遺跡発掘の件

糠島ハイランド構想と
関係があるんですよね?

遺跡発掘が
台風で打ち切られたあと

発掘責任者の学芸員が
解雇されました。

その学芸員の方は 今 どこに?

(聖の声)
「本当に素晴らしいですよ!」

「こちらです。 こちらです。
いやあね 見た事ない庭です」

「こっちでございます。
どうぞ どうぞ」

(市議会議長の声)「庭か…」

「こちらです。 どうぞ どうぞ。
さあ どうぞ」

「ああ こちらです。
どうぞ どうぞ」

(ため息)

君たちは 奴と何を話した?

(県議会議員)いや 特に何も…。
ただ 庭の話を。

わざわざ庭に出て?

(県議会議員)私は 池の鯉の話を。

(市議会議長)私も
選挙絡みの事は一切…。

じゃあ 聖は なんのために
君たちを呼び出したんだ!?

副市長は?
はい。

庭で何を話した?

私も 断じて
市長を裏切るようなまねは…。

(雷鳴)

(雷鳴)

(篠原昌春)高天市長選挙の?

ええ。 鏑木市長の対立候補の
陣営の者です。

(篠原)私は もう
高天市には住民票も…。

ああ わかってます!
(お茶をすする音)

昨年秋に
市の学芸員を退職されるまで

発掘調査の責任者で
いらっしゃいましたよね?

その時の話を伺いたい。

大型台風で
遺跡が土砂崩れに遭って

そのまま発掘調査が打ち切られた
と聞いたんですが…。

あれは 人為的なものです。

人為的?

(篠原)台風のせいにして
何者かが破壊した。

同じ日に 国の専門機関での鑑定を
予定していた出土品が

保管場所から消えたんです。

台風のあとの記者会見で 市長は

糠島の遺跡にあった
文化的に価値のある出土品は

見当たらなかったと
発表しましたよね。

(篠原の声)出土品が消えた事に
してしまったんです。

貴重な遺跡があったと
わかったら

ハイランド構想が
進まなくなるからですよね?

だったら あなたが

マスコミにリークする
という手段もあったんじゃ…。

そうしようと
資料をまとめていた時

自宅や職場
しまいには妻のパート先にまで

脅迫電話がかかってきたんです。

直後に 上司から
自主退職を求められました。

私は その意味を悟り

妻の実家であるこの街に
越してきたんです。

(関口)ひどい…。

遺跡を持ち去ったのは
誰なんですか?

(作業員)
何 ダラダラやってんだよ!

早くしろ!
(作業員たち)はい!

(桜井)遺跡破壊?

元々 あなたは鏑木市長を通じて

市とか小早川グループから
様々な仕事を請け負っていた。

糠島遺跡の発掘調査の際も

この会社が
業務に関わっていますよね。

ハハハッ… 破壊だなんて
とんでもない。

あれは自然災害だよ 君。

当時の新聞にも
ちゃんと そう書いてある。

そうですか。

台風のどさくさに紛れて盗んだ
出土品を全て

買い戻しましょう。

出土品?

私が得た情報によれば 市長は

ハイランド構想の開発工事を
別の業者に依頼するそうですよ。

ハハッ… まさか そんな。

これを見てください。

♬~

(桜井)うちの名前がない…!

気の毒に…。

あんたは 汚れ仕事だけを
押し付けられたんだ。

どういう事だ…!?

(千香)聖さん ちょっと… 早く!

どうした?
(千香)これ…。

♬~

麻薬?

♬~

ハーイ ジョージ。
イッツ ミー ウスイ。

ハウ ハブ ユー ビーン?
ウェル…。

(関口)コーヒー入れます。
(千香)ありがとう。

そもそも なんで
アメリカ留学したんすかね?

(千香)決して 裕福ではない環境で
育ったはずなのにね。

(聖の声)
「コロンビア大学に留学されて

政治学を学ばれて

博士論文は『共同体主義の限界』。

調べたんですか?
あの論文を書いたのは…。

幸子のコロンビア大学時代の
論文を手に入れろ。

(碓氷)論文?

(関口)そんなもの
何に使うんですか?

いいから すぐに探せ!

♬~

(ドアの開く音)

(瑞穂)信じられない。
幸子が こんな事を…。

人は見かけによらないとは
言いますけどね。

まあ 身から出た錆。 自滅だな。

(和田)仮に出馬しても
落選は決定的。

鏑木市政は盤石。
再選 間違いありません!

♬~

(関口)裏口に
タクシーを待たせてあるので

それに乗って
事務所に行ってください。

関口さんは?

えっと… マスコミ対応。
僕が出たら 走ってください。

あの人たちは
引きつけておくので。

はい。

(関口)は~い 皆さ~ん!
どうしました?

(関口)はい。 えっ…?
(カメラのシャッター音)

黒松園長 いらっしゃいますか?
(関口)いや あの…。

学生時代のお話 伺えますか?

(関口)はい? えっ?

アメリカで逮捕されたのは
事実です。

でも それは ただ
友達の鞄を預かっていただけで。

その鞄の中に
麻薬が入っていたんですか?

つまり 誤認逮捕だと?

すぐに釈放されました。

記録を調べてもらえば
わかります。

よかった…。
そういう事だったんですか。

でも… こんな過去まで
ほじくり返されるなんて。

選挙は戦争です。
ライバル…。

ライバルからの誹謗中傷
プライバシーは さらされて

ありもしない汚名まで着せられる。

そんなリスクを全て はねのけて
票を獲得するのが選挙。

予約 取れました。
すぐチェックインできます。

関口。
すいません。

ほとぼりが冷めるまで
そのホテルにいてください。

(関口)行きましょう。
気をつけて。

ありがとうございました。
失礼します。

頼んだよ。
(関口)はい。

(千香)でも どこから

こんな アメリカ時代の情報が
流れたんでしょう?

論文 手に入れました。
こっちが原本。

こっちが和訳です。

あと これも
一緒に入ってたんですけど。

♬~

♬~

(ノック)

どうぞ。

(岩木)失礼します。

差出人不明のものがありますが
破棄しますか?

いや…。

(蝉の鳴き声)

(チャイム)

ああ 急に呼び出して
申し訳ない。

どういう 風の吹き回しだ?

これは?

副総理まで務めた大物政治家の
故 橋爪正義。

隣は 霧笛こども園の前園長
黒松洋子。

で 真ん中にいるのが黒松幸子。

文書には
黒松幸子は養女ではなく

洋子さんの実子だと書いてある。

フッ… 単なる怪文書の類いでは?

戸籍を調べてみたら そのとおり。

幸子は 黒松洋子の実子として
記載されている。

どういう事だ?

実子であるにもかかわらず
養女として育てた。

その理由は 黒松幸子が
故 橋爪正義の隠し子だったから。

隠し子?

その事実が絶対に漏れては
ならないと思った洋子さんは

生まれた時から
幸子を養女として育て

幸子自身も その事を知っていた。

幸子さんも?

自分の戸籍ぐらい
見てるでしょう。

留学もしてるし。 ハハッ。

で こちらは黒松幸子の経歴。

「親に捨てられた」と書いてある。

これは明らかに経歴詐称。

あなたも この道のプロなら
よくご存じでしょう。

このまま 市長選に出馬すれば
公職選挙法 第235条…。

公職選挙の候補者が
経歴を詐称した場合

禁錮二年以下の懲役。

あなたが今 「黒松幸子の出馬を
やめさせる」と言えば

この件は どこにも漏らしません。

だが もし
このまま出馬するというのなら

この事実は公表する。

法的な問題ではなく
モラルの問題にして

有権者の不信感を煽れば

黒松幸子の信用は
あっという間に地に落ちる。

モラルの問題になる以上
今から経歴を修正しても無駄。

こうなったら
出馬を取りやめるというのが

ベストな選択です。

それとも

たとえ 犯罪者になっても
最後まで戦います?

(千香)残念だけど 負けですね。

地元新聞がつかんでいる
予想得票数では

1位 鏑木次郎 60.3パーセント
2位 黒松幸子 34パーセント。

でも 私が推計した得票予想は

鏑木 約62万票
幸子 30万票。

つまり
ダブルスコアの差がついている。

予想投票率は?

(千香)65パーセントから
78パーセントの範囲。

さっちゃんブームで
投票率が上がっても無理。

幸子の基礎票は
23万票 確保したけど

鏑木は 優に35万票の基礎票を
固めている。

無党派層の動向は?
(千香)残念ながら

幸子支持は3割程度
鏑木は6割以上。

(関口)麻薬騒動の影響が

思った以上にでかかった
って事ですかね…。

(碓氷)黒松さんから市長夫人に
支持を表明してほしいと

説得してもらう事は
できないんですか?

固い友情で 支持表明はしないと
約束したんだろう。

(関口)おかしくないっすか?

夫を倒すために
ライバル候補を擁立しておいて

表向きは 夫を支持するなんて。

(千香)選挙を馬鹿にしてる。
っていうか どうかしてますよ。

(関口)ああ… せっかく

遺跡絡みのスキャンダルを
つかんで

希望が見えたと思ったら
今度は 隠し子ですか…。

鏑木の言うとおり

経歴詐称が表に出れば
一発アウト。

考える余地なし。 撤退です。

聖さん 今回ばかりは…。

不可能を可能にしてこそ 当確師。

(千香)勝てる根拠 材料
なんか あります?

種は まいてある…

一発逆転の!

これ たった2人で?

あとから
誰か来るんですか?

来ません。 食わなきゃ
ガッツ湧かないでしょ。

はい お酒。 どうぞ。

よくまあ こんな
油っこいものばっかり。

実家が寺だって言いましたよね。

もう ずっと精進料理みたいな
食事だったから

まあ その反動。

それにしても
踏んだり蹴ったり。

最悪の展開。

否定しないって事は
事実なんですね。

それなら 鏑木が
隠し子の情報をリークする前に

潔く事実を認めて…
会見を開きましょう。

会見!?

絶体絶命のピンチを
最大のチャンスに変えられる。

約束しましたよね?

私は私のままでいい。
私が嫌がる事は一切しないって。

本当の事 全て
ありのままを言えばいい。

嫌です。

このままのね 流れだと

単なる経歴詐称のスキャンダルで
負ける。

だが カミングアウトすれば
必ずプラスに作用する。

なんで?

自ら 真実を告白すれば
非難の声は同情に変わる。

有名な政治家の娘という事で

さらなる得票に
繋がるかもしれない。

仮に そうだとしても
選挙のために恥をさらせと?

勝てば官軍 手段は選ばない。
それが選挙!

はあ…!

私は 父の事が嫌いだった。

認知もしてくれず 私と母を
ほったらかしにした父を

軽蔑してた。

この論文を読めば わかる。

この中で あなたは

お父様が推奨する共同体主義は
絵に描いた餅だと批判してる。

そんなものも?

だから
勝つためなら なんでもする!

最低! 本当に
選挙の事しか頭にないのね。

さよなら!

父親の話をしましょう。

俺の親父は 頑固な坊さんでね。

行儀とか挨拶とか
しつけとかに厳しくて

子どもの頃は ずっと
親父の事が大っ嫌いだった。

そんな話もしないまま
親父は死んだ。

だけど 最近
鏡を見て ぞっとするんだよ。

鏡の中の自分が
あまりにも親父に似てきてて。

今となっては

生きてる間に もっと話しとけば
よかったって後悔してる。

たとえ 死に別れても
親は親だ。

だから この頃 よく思う。

こんな時 親父ならどうする?
何を言う? って。

消せないんだよ 血の繋がりは。

会えなくても 話さなくても
死に別れても 親子は親子。

あなたにも
父親と同じ血が流れてる。

政治家の血が。

なんと言われても…
会見はしません。

(和田)市長!
黒松が会見を開くそうです。

会見?
(岩木)恐らく

この記事が出たから。

(和田)さすが市長!

水面下で このような手を
打たれていたとは。 アハハッ…。

私じゃない。
(和田)はい?

この件は知ってた。
だが リークしたのは私じゃない。

(岩木)じゃあ 一体 誰が?

我々が知っているという事は

地球の裏側まで漏れてる
って事だろう。

フッ… まあいい。
これで手間が省けた。

とにかく これで黒松の出馬断念は
間違いありませんね。

(ため息)

遅いですね…。
本当に来るんですか?

(ドアの開く音)

すみません。

遅くなりました。
(マイクの電源が入る音)

(千香)定刻になりましたので
会見を始めさせて頂きます。

(ドアの開閉音)

(記者)黒松さん
経歴詐称は本当ですか?

実の父親が元副総理だった事は
いつから ご存じだったんです?

(記者)どうなんです?
(記者)答えてください。

(カメラのシャッター音)

本日は お忙しい中 お集まり頂き
ありがとうございます。

一部報道にあったとおり

私が経歴を詐称していた事は
事実です。

(記者)あっさり認めたよ…。

なぜ… なぜ 経歴詐称を?

選挙に勝つために
した事ではありません。

私は…

自分の出自を恥じ
隠そうとしました。

それが結果として

皆さんに嘘をつくという形に
なってしまいました。

本当に申し訳ありませんでした!

「(記者たちのざわめき)」

報道のとおり 私の父は

元国会議員で 副総理も務めた
橋爪正義です。

(記者たちのざわめき)
私は…

橋爪正義の婚外子として生まれ
育ちました。

(ざわめき)

子どもの頃 私は

会った事も話した事もない
父の事が大嫌いでした。

私は そんな父の事を

政治家としても
非現実的な理想主義

偽善者だと非難していました。

(幸子の声)だけど 変わったの。

何が?

母と私を捨てた

憎くて憎くてしょうがなかった
父に対する気持ちが。

なんで?

ある時 政界を引退した父が

ボストンで
政治学を勉強していると知り

私は すでに70を過ぎた父が
何を学んでいるのか知りたくて…。

アメリカに滞在していた父を訪ね
私が書いた論文を見せた。

(幸子の声)父を批判してやろうと
思ってた。

だけど 父は
論文を読み終えると…。

自分が長い間
政治家として過ごして

ようやくたどり着いた境地を

お前は二十歳でわかったんだね。
よく頑張った。

結局 自分は偽善者だ。

幸子にもお母さんにも
苦労をかけて申し訳なかった。

ごめん。

(幸子の声)
謝罪の言葉を口にしました。

(幸子の声)その言葉を聞いて
心が動いた。

それは 父の詭弁

言い訳かもしれないと思いながら
全てを許してあげようって。

単純だなあ。

♬~

私が想像していたのとは違う
優しい父を目の前にして

私は無知で未熟で
本当の父の気持ちも苦悩も…。

心境も知らないで罵った自分が
恥ずかしくて…

なんで
こんな事を言ったんだろうと

ただただ後悔しました。

それから私は 父の考え方を
もっと深く知りたいと思い

政治の事 経済の事も
勉強しました。

そして この度…。

経歴詐称をお涙ちょうだいで
許してもらおうって魂胆か…。

まずは この高天市で
成し遂げようと決意し

市長選挙に
立候補する事に致しました!

何!?

ご清聴ありがとうございました!

(拍手)

♬~

言ったとおりになっただろ?
(千香)すごい。

本当に 最悪のピンチを
最大のチャンスに変えましたね。

(関口)でも 鏑木サイドは

どうして 隠し子だって事を
知ったんでしょう?

まさか… 聖さんが?

そのあと
マスコミにリークしたのも俺だ。

告示前に膿を出し切れば

クリーンなイメージしか残らない。

じゃあ やっぱり…。

全ては ボスが書いた
筋書きだって事なんですね。

だが あの女が
市長になりたかったのには

別の動機がある。

(千香)別の動機?

♬~

瑞穂…。

(瑞穂)素晴らしかったわ。
本当に感動しちゃった。

ありがとう。

でも いいの?
こんな所に姿を見せて。

私が お呼びした。

これは…。

どこで これを?

出土品は 買い取らせて頂きました
高天工業から。

鏑木市長は
糠島ハイランド構想のために

遺跡の破壊と出土品の隠匿という
スキャンダルを犯した。

その不正が暴かれれば

市長夫人の実家
小早川グループにも傷がつく。

あなたは
小早川グループを守るため

不正が明るみに出る前に

鏑木を市長の座から降ろそうと
考えた。

それで 私を?

この事実が
マスコミに知られたくなければ

小早川グループの組織票を
こちらに渡して頂きたい!

何が いけないの?

私は ただ
自分の使命を全うしただけ。

使命?

長女として生まれ 幼い時から

小早川家を継ぐ事 守る事が
役目だと言われてきた。

進学した時 結婚する時も
自分の家を第一に考えてきた。

それなのに…。
鏑木次郎は

市長になった途端 変わった。

小早川家の後ろ盾なく
自分を評価してもらいたいと

考え始めるようになった。

(瑞穂)夫の気持ちもわかる。

私自身 市長夫人として
夫の夢を応援するか

小早川の家を第一に考えるか
悩んで揺れた。

だけど 私は
鏑木の妻である事よりも

小早川家の長女である事を
優先した。

夫が市長でなくなれば

疑惑を追及される事もなくなると
思った。

だから… 幸子に
市長になってもらいたかった。

瑞穂さん 改めてお願いします。

小早川グループの組織票を
渡してください。

そして 系列の市議も全部
動かして頂きたい。

♬~

今 七つ道具 受け取りました!

ありがとうございます!

選挙番号は1番です!

(拍手と歓声)

よし! ポスター貼り始めよう。
はい!

証紙のステッカー こちらです!
皆さん 一緒にお願いします!

(一同)はい!

♬~

おはようございます。

おはようございます。
お願いします。 どうぞ。

♬~

(関口)告示日なのに

選挙事務所に行かなくて
大丈夫ですか?

選挙違反対策。
告示後は法律上 介入しにくい。

でも なんか アドバイスとか。

選挙活動の心得は
全て事前に伝えてある。

(関口)例えば?
ああ?

シワひとつなく
特に上側を丁寧に貼る事。

雨で剥がれないように。

(関口)なるほど。

で まず両手を合わせて
お祈りする。

それから 「当選 当選」…。

(3人)当選! 当選!

…と2回唱える。

単なる
おまじないじゃないですか。

ああ~ また引っ越しだなあ。

市長!! 大変です! 奥様が…。

わたくし 鏑木瑞穂と
小早川グループは

黒松幸子候補を支持する事を
表明致します。

(市議会議長)奥様が寝返った今
市長は確実に負ける。

(県議会議員)いや しかし
今さら 市長を裏切る…。

「今さら」じゃない!!

小早川グループ組織票の
取りまとめを

告示日から始めたって

投票日までに
間に合うわけがない!

夫人は もっと前から準備してた!

フッ…。

市長の船は もはや泥船。

乗り換えるなら 今しかない。

(千香)出ました。

当選確実。

黒松幸子 60万票
鏑木次郎 38万票。

圧倒的勝利 確実です!
(拍手)

(碓氷)参ったなあ。 ボスが
こんな展開を予想してたとは。

当然だろ お前。
俺を誰だと思ってるんだよ。

(関口)あっ… さっちゃん!

「この度 高天市市長に
立候補させて頂きました

霧笛こども園
園長の黒松幸子でございます」

「(拍手)」

私たちの未来のための第一歩が
今日 始まりました!

頑張って!
ありがとうございます!

ご声援ありがとうございます!
ありがとうございます!

何を考えてるんだ お前は!

弱い男ね…
怒りに任せて妻を殴るなんて。

夫の選挙をぶち壊した妻は
どうなんだ?

誰のおかげで
市長になれたと思ってるの?

お前と小早川家のおかげだよ。

だがな 二期続けられたのは
俺自身の手柄だ!

だからといって

小早川家のブランドを汚すような
馬鹿なまねを!

たかが遺跡じゃないか。

「たかが」じゃない!
あなたは読みが甘すぎる!

どういう意味だ?

あの遺跡があれば
世界遺産も狙えたかもしれない。

世界遺産?

この街に もっと箔がついた!

なのに
小心者のあなたは功を焦って

世界遺産の夢を潰した。
愚かな男!

サインしてください。

もちろん 子どもの親権は
私が持ちます。

♬~

(拍手と歓声)

黒松幸子市長 バンザイ!

(一同)バンザイ! バンザイ!
バンザイ!

ありがとうございます!

(一同)バンザイ! バンザイ!

♬~

(幸子の声)ありがとう。

ここまで来られたのは
あなたのおかげ。

フッ… それが 俺の仕事だ。

だが これからが本当の闘い。
茨の道。

強く正しい政治家を目指し
この街の人々のために働きます。

小早川グループの後ろ盾を
うま~く利用しながら?

持ちつ持たれつ。

利用できるものは
最大限利用する。

親友を差し置いて?

親友?

誰の事?

私には 親友なんかいない。

本当は
瑞穂さんの事が大っ嫌いだった。

中学の頃から ずーっと!

まるで ペットを見るような目で
あなたを見て

恵まれない環境にいた
あなたに同情して 相談に乗って

アドバイスをするふりをしながら

全ては 瑞穂自身の自己満足。

優越感に浸るためだった…。

だけど 一番嫌だったのは

彼女に嫉妬し

うらやましいと思い続けた
私自身。

だから 市長になりたいと
思ったんですね。

彼女の上に立って
見下ろしてやりたかった。

でも もういい。

これからは
別の目標のために生きる。

別の目標?

あの頃の私のように

貧しさに悩み
親の愛情に飢えている人たちが

希望を持てるような街にしたい。

それから?

それだけ?

市長になる事は
ゴールじゃなくてスタート。

父がたどり着けなかった
高みを目指すための。

副総理がたどり着けなかった
高み…。

お返しします。

いつか

あんたを引きずり降ろしたい
という依頼が 俺に来るかもな。

だとしたら
俺は いい仕事をした。

そしたら 今度は敵同士。

楽しみにしています。

機会があったら お食事でも。
ああ 光栄です。

いつ?

♬~

聖さん!

♬~

〈TELASAでは

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特別配信!〉