岸辺露伴は動かない [終](3)「D.N.A」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

岸辺露伴は動かない [終](3)「D.N.A」[解][字]

荒木飛呂彦・原作の大ヒット漫画「ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした短編を初映像化!高橋一生演じる漫画家・岸辺露伴の活躍を描くミステリードラマ!

番組内容
担当編集の京香(飯豊まりえ)から付き合っている写真家の平井太郎(中村倫也)の記憶喪失を“催眠術”で探って欲しいと頼まれた露伴(高橋一生)。写真家だった太郎は6年前に交通事故にあい、一命は取り留めたが、社会復帰できずにいた。京香に太郎を紹介され話しているところに娘を抱えた片平真依(瀧内公美)が通りかかる。すれ違い様、娘の手が太郎の袖をつかみ転倒させてしまう。露伴はその瞬間、娘に異変を感じていた。
出演者
【出演】高橋一生,飯豊まりえ,瀧内公美,森山未來,奥野瑛太,川上友里,北平妃璃愛,中村倫也,【声】櫻井孝宏
原作・脚本
【原作】荒木飛呂彦,【脚本】小林靖子
監督・演出
【演出】渡辺一貴
音楽
【音楽】菊地成孔

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. 真央
  2. 真依
  3. 事故
  4. 先生
  5. 太郎君
  6. 真央ッ
  7. 大丈夫
  8. 奇跡
  9. 普通
  10. ヤツ
  11. ハァ
  12. フフッ
  13. 催眠術
  14. 自分
  15. 写真
  16. 年前
  17. 片平
  18. 露伴先生
  19. ダメ
  20. ドノ

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(雨音)

(片平真依)あぁ…
また それやってる。

(片平 央)ん?

(真依)
困った時のクセ。
あ… ああ。

大学の時から ずっと…。

ああ…。

あれから もう7年になるかぁ。

(央)さっき買った缶コーヒー 無事だ…。

こんな時にさぁ…。

あっ 出た。 真依のクセ。

あ…。
アハッ… ハハハハ…。

飲めよ 甘いヤツだけど。

(真依)央の好きなヤツ…。

(央)司法試験にさぁ 合格してからって
勝手に遅らせたけど…

「結婚式」 やっておくべきだったなぁ…。

(真依)央…。

でも 大丈夫。 心配しないで。

何も恐がらなくていいんだ…。

大丈夫だから…。

君も 俺も…。

♬~
(雨音)

♬~

≪(サイレン)

(鼻をすする音)

(鼻をすする音)

真央。

真央。

(片平真央)ママ たいわかドノ。
たいわかドノ。

たいわかドノ…。
「ノドかわいた」。

♬~

(岸辺露伴)ゾロ目だ。
(泉 京香)ですね。 さっきも出ましたよ。

2回連続って すごくないですか?

すごい! 奇跡!

おいおい
奇跡のハードル 低すぎるだろう。

これは 千回に一回ぐらいの確率だ。

千回に一回なら 奇跡じゃないですかー。

「イカサマ」してません?
するかッ。

起きるはずがないから
奇跡と言うんだろう。
ですね。

じゃあ 起きた瞬間に
それはもう 奇跡じゃない。

え?

いや なんか それ ズルいし。

ていうか そんなにヒマなら
さっきの話 聞いてくださいよー。

それで来たんですからー。
ヒマじゃない。

短編のネタを考えてるんだ。

「本当に起きる奇跡」とは 何か。

それなら
私の話が使えるじゃないですかー。

君の
頭が ふんわりしちゃってる彼氏の話か?

失礼な言い方しないでください。
君が前に言ったんだ。

で なんで それがネタになるんだ?

だから 彼は 若手で注目されていた
写真家だったんですけど

6年前に交通事故に遭って…。

一時は 心肺停止の重傷を負い
リハビリに5年。

ようやく
普通に生活できるようにはなったが

記憶喪失があって
社会復帰には至っていない。 ボツだ。

えー。
記憶ネタなんて ありがちすぎる。

まあ 記憶喪失っていうのは
ちょっと違うんですけどー

彼の話にするんじゃなくてー
先生の話にするんです。

…はぁ?

ほら この前
十五先生にやった 催眠術。

回想 「くしゃがら」ぁああ!
何 隠してんだよッ!

知ってることを 俺に 「くしゃがら」
ってんじゃねえぞ この野郎ッ!

ううッ…。 離せ この野郎。
う…。

ヘブンズ・ドアーッ!

そんじゃ またな 露伴先生。

どういうことですか?
あんなに興奮してたのに。

何したんですか?

以前 簡単な催眠術のようなものを
習ったことがあってね

人を リラックスさせる効果がある。

簡単な催眠って
どういうのですか?

教えてくださいよー。
君ッ しつっこいぞッ!

催眠…?

催眠かぁ!

あれを 彼に
お願いしたかったんですよー。

催眠術で記憶を探る
まさに奇跡… じゃないですかッ。

いや~!

僕は医者じゃないし
自分をネタにする気もないッ!

ちょっと 露伴先生!

もォー!

よいしょ…。

はい 乗って。
はい。

はい。
ちょっと待って。 よし。

♬~

(ブレーキ音)

♬~

あ~あ。 催眠術って
ありだと思ったんだけどなぁ。

(平井太郎)ありがとう いつも いろいろ。
忙しいのに ごめんね。

全然。 露伴先生の担当は
ヒマで有名っていうか。 フフッ。

それに…
また 太郎君に写真撮ってほしいし。

やっぱり まだ
撮りたいって思えない?

どうかな…。

撮りたいような気もするけど
でも 何を撮りたいのかは あんまり。

そっかぁ。

でも 持ち歩くことにした。

泉ちゃん 言ってたでしょ。
「自分の足で」って。

ああ 露伴先生の受け売りね。

でも いいと思う。
元の感じをつかめるかもしれないし。

(セミの鳴き声)

真央 はい 出ておいで。

でも 残念だなー。
露伴先生に協力してもらえれば

ついでに 先生の怪しいところも
探れると思ったのに。

そんなに変な人?
うん 変。

あっ! 先生!
来てくれたんですねー。

ってことは やっぱり
やってくれるんですね 催眠術!

何のことだ。 僕は
いつもの店で ネタをまとめたいだけだ。

ちょっ… 先生 先生 待ってください。
彼なんですよ お話ししてたの。

せっかく会ったわけですし
ちょっとだけ お願いします 催眠術。

催眠術に ちょっととか あるか。
じゃあ 全部で。

それもない。 なんだ 全部って。

♬~

(真央)はちにんこ。

(真依)真央 ダメ!

♬~

(真依)すみません。
大丈夫ですか?
ああ…。

太郎君 大丈夫!?

すいません
子供が いたずらして…。

あの… すぐそこに病院ありますから。
あ いえいえ そこまででは…。

でも 頭の傷 恐いですし
後で何かあったら。

行きましょう。 立てますか?

ええ…。
じゃあ 行こうか…?

(真依)ご案内します。 よいしょ…。

すいません。
先生 また後で連絡します。

大丈夫?
(真依)すみません。

真央!

(アナウンス)
「ご来院の皆様に お知らせします。

最近 置き引き 盗難…」。

何でもないと いいんですけど…。

大したことないって
お医者さんも言ってましたから。

あの…
もう大丈夫ですよ。

いや でも…。
お子さんも退屈しちゃいますし。 ねっ。

女の子ですか?
あ ええ…。

あっ 先生!
来てくれたんですかー。 フフッ。

ということは やっぱり…?

この子は… 4歳? 5歳?

あっ… 5歳です。

ふぅ~ん。

ちょちょちょちょ…
先生 いきなり なんですか!

女の子なんですから デリカシー
持ってください。 やらしいな もう。

は? 僕は だっこひもするには
少し大きいと思っただけだ。

何歳でも だっこしていいじゃないですか。
悪いとは言ってない。

ママが大好きなんだよねー。
(真央の声)

あの… もしかして 片平真依さんですか?
インテリアコーディネーターの。

あっ… は はい。

あっ やっぱり!

あ すいません。
私 集明社に勤めてて。

片平さん 本 出されたじゃないですか。

拝見したことがあって。
ああ…。

ああ… あっ 集明社の。
はい。

その節は お世話になりました。
あ こちらこそ。

といっても あの
私 部署が違うんですけど

すてきな本だったから
自分でも買っちゃって。

お子さん
いらっしゃったんですね。 ウフッ。

ええ…。

あっ…
あ じゃあ こちらの方も集明社の?

あっ いえ あの…。

こちらは あのー…
カウンセラーの先生なんです 催眠療法の。

は?

(小声で)バレると サインとかアレなんで
うまく ごまかしときます。

全然 うまくないよ 君。

催眠療法。 あの それって…。

はい?

あ いえいえ 別に…。

太郎君。
お待たせして。

大丈夫? うん。 でも
もう少し検査するって。

えっ? やっぱり何か…。

あ いや 俺 ちょっとあるんで
念のために。 えっ?

太郎君 前にも
大きな手術 受けてるんです 事故で。

だから ホント念のためなんで
気にしないでください。

ね~。
(真央)はちにんこ。

あ ダメッ! ダメ ダメ…。

あっ… あ… あの それじゃ。

あ…
本当に すいませんでした…。

お大事に。

失礼します。
(真依)あ…。

♬~

(看護師)あ 平井さん ご案内いたします。
どうぞ こちらへ。

♬~

なんか すごく心配性な人でしたねー。

心配 というより
恐がっていた感じだった。

ん? 何をですか?

何かを だ。
えっ?

♬~

(真央)くいちっあ! くいちっあ!

(真央)くいちっあ! くいちっあ!

(真依)ダメ! あっちは行かないの。

よいしょ…。

真央 どうして
あの男の人に あんなことをしたの?

今まで そんなこと
しなかったのに。

あんなことしたら 危ないの。
もし もっと ひどい事故でもなったら…。

真央。

真央… 真央ッ!

真央! 真央ッ!

真央!

≪(急ブレーキの音)
≪(クラクション)

♬~

[ 心の声 ] なぜだ。

あの子は なぜ
二度も ふんわり彼氏に…。

(真央)はちにんこ。

ね~。

(真央)はちにんこ。

先生 これ どうぞ。

泉君 彼女
本を出したと言っていたな。

彼女って 片平さんですか?
はい。

インテリアの本なら 写真もあるはずだ。
撮ったのは ふんわり彼氏じゃあないか?

違いますよ。
どうして分かる?

私 学生の時から
太郎君の写真のファンですもん。

太郎君は 都会的なんですけど なんか
こういうふうなイメージなんですよねー。

女性のインテリアの写真とは
相性が悪いっていうか

ジャンルが違うんですよねー。

あっ… ていうか 片平さんの本は
太郎君が事故に遭ったあとですよ。

あのニュースは ショックでしたけど

去年
偶然 会社で会って もう ビックリで。

お疲れさまでーす。
ハァ また… また遅刻…。

あっ!

あ…。

すいません。

それまでのイメージと
全然 違っちゃってて。

で 前みたいな写真を撮ってほしくて
協力してるんですけどねー。

まあ 押し込み彼女みたいな?

それを言うなら
「押しかけ」だ。 ハハハッ。

集明社なら 彼女と
連絡 取れるよな。 まあ 担当に頼めば。

でも なんでですか?

ちょっと 興味がある。
「催眠カウンセラー」としてな。

えっ? ていうか
太郎君の時は断ったくせに。

大体 そんなことで
オッケーしてくれませんよォ?

担当には
僕の言うとおり 伝えさせればいいッ。

(アナウンス)「至急 院長室まで…」。

じゃ 次は こちらでお呼びしますので
お掛けになって 少々お待ちください。

(ため息)

(インターホン)

あっ…。 すいません 急に。

どういうことですか? 真央の
「あること」について 話したいって。

あっ えっと…。

それは これから分かる。
ちょっと失礼。

えっ?
えっ あの あの あの…。

ちょ ちょ…。
ちょっと ちょっと あの。 先生!

ちょっと… えっ? えっ…。
えっ 勝手に入らないで。

ちょっと 勝手に入らないで。

何してるんですか?

ああ そこか。

やめてッ… やめてください。

本当は 気になってたはずだ。
病院で 僕のことを聞いた時。

あっ… 催眠療法。 あの それって…。

何を恐がってる?

あの子自身か?
それとも あの子に起きている何かか?

非常に興味があるね。

もう 隠すのにも
無理が出てきているようだしな。

♬~

お願いします… あの子を…。

♬~

これは?

真央の… 部屋です。

自分で作って
散歩以外は ずっと ここに。

どうして…。
分かりません。

小さい時から
いつも 何かに潜り込んでしまって…。

なるほどね。

2人だけ? 父親は?

(真依)夫は 6年前… 車の事故で。

(真依)学生時代からの つきあいで
入籍して 2年目でした。

その時には
もう 真央が おなかの中にいて…。

6年前…。

彼の忘れ形見ですから そのことは
むしろ うれしかったんですけど

ただ…
真央は 生まれつき 目の色が違ってて

言葉も 逆さまにしか しゃべれません。

それに
物心つく頃から 布の中に潜り込んだり

あんなふうに 壁を作ったりして…。

確かに ちょっと変わってますね…。

いや それぐらいじゃあ
子供を恐がる理由にはならないね。

信じてもらえないかもしれませんが…

なぜか
真央といると 事故が多いんです。

さっきも そうですし 他にも何度も。

いや それは たまたまじゃ…。

じゃあ あなたは 近くで事故があったり
目撃したこと 何度あります?

え…。
普通は そんなにないでしょう?

なのに
こんなに何度もあるっていうのは

もしかして 真央が…

真央が 災いのもとに
なってるんじゃないかなって。

夫が亡くなった事故の時も
真央が おなかの中にいて…。

原因は… 遺伝だと思います。

遺伝?

実は 私の両親も
事故で亡くなってるんです。

こんなの
偶然で片づけられないですよね。

昔なら 呪いとか言うんでしょうけど
そんなんじゃなくて

こういう運命みたいなものも 親から子に
遺伝するんじゃないでしょうか。

見た目や性格みたいに。

は~… おもしろいなァ。

先生。

でも どっちにしろ
それは どうしようもなくて

ただ せめて あそこから出て
「普通」に暮らすようになれれば

他の子と同じように
外に出て 遊んだり しゃべったり…。

ねえ お願いします。
もう 私 どうしていいか分からなくて。

お願いします。
じゃあ 見てみるよ。

♬~

はちにんこ…。

君か。

子供を読むのは初めてだが

頼むから
泣かないでくれよ。 苦手なんだ。

ヘブンズ・ドアー。

(ページが めくれる音)

ふ~ん…。

真央? 真央… 真央。

真央…。

ハァ…。
どうでした?

治せそうですか?
いや ガッカリだ。

え?

何も異常はないね。
だから 「治す」必要もない。

いや そんなはずは…。
だって…。
本当だ。

まったく
拍子抜けだよ。

見た目は
それこそ 遺伝のなせるわざだし

逆さに しゃべったり
こうやって隠れたりするのは

この子の性格
つまり 個性だ。

個性って…。
こんなの 「普通」じゃない!

「普通」?
よく分からないな。

「普通」の基準は?
どこから どこまでが「普通」だ?

目の色が違って 言葉は逆さま
潜って暮らすのが好き。

それが あなたの子だ。
どこにも問題はない。

(真依)そんな…。

このままじゃ
真央は きっと イジめられます。

そうかもしれないな。
それが現実というものだ。

泉君 帰るよ。
えっ。 あ…。

待ってください。

こんな 「普通」じゃないこと
個性で片づけないでください。

このままじゃ 真央の人生は
ダメになってしまいます。

そんなの…。

もう一度 ちゃんと見てください。
真央 こっちへ来なさい。

や~!

真央! こっちへ来なさい。
おい よせ。

(真央)よだメダ よだメダ…!
片平さん。

(真依)痛っ! 痛っ…。

真央ちゃん。

真央ちゃん!?

なにッ?
(真依)真央? 真央は?

あの 今 急に消えて…。
そんな バカな。

真央! 真央ッ!

[ 心の声 ] 驚いたな。

僕と同じ
ギフトを持った人間がいるってことか…。

先生 今
消えましたよね? 真央ちゃん…。

まさか 透明人間?
そんなことは 物理的には不可能だ。

多分 僕たち全員 見えているのに
見えていないと錯覚させられてる。

なんですか それ。
それも不可能ですよ。

(真依)真央ッ!

真央…。

隠れてないで出てきなさい。 真央ッ!

真央!
真央ちゃん!

♬~

ひとつ 言えることがある。

真央ちゃんを こうさせているのは
あなただ。

真央ちゃんを 常に包んでいたのは
おもちゃや ショールじゃない。

真央ちゃんを隠したいという
母親の無意識だ。

♬~

あなたが
真央ちゃんの心を包み込んでいるんだ。

♬~

私… あの子を守ってるつもりで…。

♬~

≪(扉が開く音)

あ…!
外に出た。

真央ッ!

真央ッ! 真央ッ!

真央ちゃ~ん!
真央ッ!

どこ行っちゃったんだろう?
あんな ちっちゃい子 1人で…。

病院… かもしれない。
え?

平井さ~ん。 あれっ? 平井さん?

♬~

(アナウンス)「ご来院の皆様に…」。

ハァ… いない…。
あの男には 心当たりなしか。

真央が 自分から 人に近づいたのは
初めてなんです。

あの…
私 ちょっと気になってたんですけど

片平さんの旦那さんの事故
6年前って…。

ええ。

太郎君 6年前の事故の時

同じように 事故で亡くなった方から
臓器提供 受けてるんですよね。

なにィ?

ドナーの情報は
規則で まったく分からないんですけど

あまりにも偶然だなと思って…。

してます。

2人で 結婚した時に
意思表示カードには記入してて…。

だから 亡くなった時に
何人かの方に…。

え… じゃあ…。

へェ… もしかして そういう…。

あっ あの すいません
平井太郎の検査は…。

ああ ちょうどよかった!
あの… いらっしゃらなくてね。

はちにんこ。

ああ… さっきの。

はちにんこ。

「こんにちは」ってことか。
こんにちは。

あ… はちにんこ。

はちにんこ。
フフッ…。

はちにんこ。

真央… 真央…。

ハァ ハァ ハァ…。

待って!

真央。
≪(笑い声)

≪(笑い声)

(真央)アハハハ!
うわ~! アハハハハ! ウフフフ!

真央…。
(真央)フフフ!

太郎君が…
あんなに笑ってるところ 初めて見た。

真央も…。

おいで。
(真依)あの子…。

うお~! 今 速かったね。
(真依)あんなふうに外で…。

信じられない。

ママー!

すいません 勝手に遊んじゃって。
(真依)あ いえ…。

ほら お迎えだよ。 下りて。

おお~ ハハハハ!
(真央)ハハハハ!

こ~ら。

あ… えっと… お名前は。

真央… あ 真央です。

真央ちゃん ストップ。

(真央)フフフ… ウフフフッ。

♬~

(真依)真央… 真央ッ!

♬~

(真依)真央…。

まったく…
僕が 鍛えてる漫画家でよかったよ。

真央ちゃん。
(真依)真央…。

よかったですね。

ついでに ちょっと読ませてくれ。

ヘブンズ・ドアー。

(本が落ちる音)

泉君は関係ないが
めんどくさいからな。

ハァ…。

6年前というと… この辺りか。

「新しい写真集の撮影が長引き

集明社に
打ち合わせに 30分遅れると連絡する」。

あ もしもし。
今 終わったので 30分ぐらいかなぁと。

タクシー すぐ拾えたら
もうちょい早く着くと思うんですけど。

(クラクション)

(急ブレーキの音)

「緊急手術」。

妙だな。

意識がなくても
体に刻まれた記憶があるはずだ。

彼は 一度 心臓が止まってる…。

すると これは 「死」か?

色が 前と違う。

事故… それとも 臓器移植の影響…。

♬~

真央ちゃん 怪我なくてよかった。

すいませんでした。
俺が 目を離したばっかりに。

いえ…。

それより 病院の検査は…。

ああ…。 ハハッ。

いいんですよ 別に。

たいわかドノ。

たいわかドノ?

「ノドかわいた」。
フフッ。

あっ
いいですか? ジュース。

あっ…。
ちょっと待ってて。

はい どうぞ。
(真央)とがりあ。

フフッ。

あの… ホントに大した傷じゃないんで。
その…。

あっ… なんか…。

あ…。

う~ん 困ったな。

大丈夫。 心配しないで。

飲めよ
甘いヤツだけど。

これ よかったら。
ちょっと甘いヤツですけど。

あ… 苦手でした?

いえ…。

あっ いただきます…。
アハッ…。

あそこ座って 飲もうか。
うん。 フフッ。

♬~

央の好きなヤツ…。

(央)でも大丈夫。 心配しないで。

何も恐がらなくていいんだ…。

大丈夫だから…。

君も 俺も。

フフフッ… その子も。

きっといいヤツ。

♬~

きっと…。

♬~

きっと いいヤツ。

♬~

(真央)きっといいヤツ。

♬~

(笑い声)

♬~

なるほど…。

こういうことも ある… か。

♬~

結局 真央ちゃんの周りで
事故が続いてたのは

ただの偶然だったんですかねー。

そうなるな。

同じ人間が 何度も事故に遭う確率が
どれぐらいかは知らないが

絶対に ゼロじゃない。

ゼロじゃない以上 それは起こりうるんだ。

臓器移植された相手と 出会うこともな。

それは奇跡ですって。
ものすごい偶然ですよ。

だが 可能性はゼロじゃない。

じゃあ 真央ちゃんが
父親の臓器移植の相手が

太郎君だったって 気付いてたっぽいのは
どう説明するんですか?

それだよ。
そんなことが ありうると思うか?

う~ん 分かんないですけど…

でも 起きた以上は
奇跡じゃないんですよね。

遺伝 かもな。

えっ?

まあ 正確な言い方じゃないんだろうが

とにかく 臓器移植によって
入り込んだ遺伝子は

そこに 何を記憶していて
何を持ち込むか。

えー?
遺伝子が 記憶なんか持ってるんですか?

DNAは
いまだに解明されていない部分が多い。

もし… 魂というものが
記憶されていたとしたら…。

そして 真央ちゃんだけが 無意識にでも
それを感じ取っていたんだとすれば…。

(真央)はちにんこ。

ね~。

(真央)はちにんこ。

はちにんこ。
フフッ…。

はちにんこ。

(笑い声)

♬~

そうか…。

つまり 真央ちゃんが
亡くなった父親の魂に

お母さんを引き合わせたってことか。

あっ… ロマンチック!

君 失恋したわりに 元気だなァ。

ウフフッ。 いやー 太郎君が
ようやく 自分の居場所 見つけたの

ホントに よかったなーと思って。

写真は撮り始めたみたいなんですけどー

もう 私が好きだった写真とは
違うんですよねー。

なんか ほのぼのしちゃってて。

だから これでいいんです。

は~ぁ。

あ 忘れてたッ!
なんだッ。

真央ちゃんが消えた時のこと。

あの時 なんか
普通に解説してましたよね 先生。
いや。

いや… なんか 超能力があるのが
当たり前みたいな感じだったの…。

いいや あれは あの状況下で
僕たち全員が 錯覚を起こしたんだろ。

君 もういいから 帰れ。
僕は忙しいんだよ。

サイコロ振ってるだけじゃないですかー。
いいから帰れッ!

ううう… あっ。

もー! 露伴先生…。

また明日
来ますからね。 うるさいッ!

また明日
来ますからねー! ≪うるさいッ!

ふん! 絶対 来ますからね。

(セミの鳴き声)

[ 心の声 ]
世の中 「奇妙なこと」は 絶対ある。

特に 岸辺露伴の周りには。

♬~

手首の角度は 直角90°を保つ。

各指は曲げずに 真っ直ぐを保つ。

ふううう~… ふう~…。

手のひらを前に… ひじも真っ直ぐ。

手首の角度は保ったまま…
一本ずつ 折る。

1 2 3 4 5。

再び 一本ずつ
指を開く。

1 2 3 4 5。

ふううう~…。

♬~