【連続テレビ小説】エール 総集編(後編)[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【連続テレビ小説】エール 総集編(後編)[解][字]

戦争で大切な人たちを失った裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)は、仲間たちとともに平和を願い、新しい時代にエールを送る曲を生み出してく。

番組内容
日本が戦争に突入し、裕一(窪田正孝)は戦時歌謡でヒットを曲を作り、次第に戦争に巻き込まれていく。そして慰問に訪れたビルマで恩師藤堂先生(森山直太朗)に再会する。しかし、裕一の目の前で藤堂は戦死。戦争の真実の姿を目撃した裕一は作曲できなくなってしまう。戦後、音(二階堂ふみ)は再び歌手への夢を追い始める。劇作家の池田(北村有起哉)がどうしても裕一にラジオドラマの曲を作曲してほしいと依頼する。
出演者
【出演】窪田正孝,二階堂ふみ,中村蒼,山崎育三郎,森山直太朗,松井玲奈,佐久本宝,森七菜,仲里依紗,野間口徹,野田洋次郎,三浦貴大,中村ゆり,志田未来,北村有起哉,古田新太,菊池桃子,吉岡秀隆ほか
原作・脚本
【脚本】清水友佳子,嶋田うれ葉,吉田照幸
音楽
【音楽】瀬川英史

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  19. 五郎君
  20. 仕事

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(裕一)五郎君…。

彼は 裕一のもとに弟子入りに来た
作曲家志望の青年でした。

分かった。 君を弟子にする。

先生~!
おっとっと…。

(音)ちょっと待った!
おっ?

時を同じくして 文学賞を受賞した梅が

作家活動のため古山家にやって来ました。

(華)ありがとう 梅叔母さん。
(梅)おばさん?

年頃の2人が いきなり同居って
まずいよね~?

え~ 五郎君と?
梅。

ああっ! ない ない ない。
ないな。

もう一度 見て下さい。

木枯君の「酒は涙か溜息か」だね。

何でだろう?

音~ ただいま!
五郎君 着いたよ。

(五郎)うえっ!
あっ ちょっと! 駄目だ 吐いちゃう!

梅はさ
五郎のこと どう思ってるの?

えっ? 別に何も。

五郎は梅のこと好きだよ。 間違いない。

え~?
だって 梅の本 何回も読んでるもん。

(ノックとドアが開く音)

梅さん…。

僕は 駄目な人間です。

でも 梅さんは違う。

すばらしい小説を書く才能と
人を慈しむ心がある!

もっと… 自分を好きになって下さい。

(いびき)

(廿日市)…で どうなの? 君。

大先生の下で何か学んだのかって
聞いてんだよ。

それは…。
この世界 才能だからな。

はい…。

才能なかったら
飯なんか食っていけねえぞ。

五郎さん。

(五郎)梅さん…。

大丈夫。
五郎さん 駄目な人なんかじゃない。

駄目なだけの人 好きにならんもん。

えっ?

私… 五郎さんのことが…

好き。

先 帰る。

しかし 自分に才能がないことを悟った
五郎は…。

突然押しかけてきた僕を
受け入れてくれて…

ありがとうございました。

五郎さん?

五郎さ~ん!

(物音)

私は あなたを必要としています!

信じられません。

信じろ!

豊橋 私と行こう。

はい。

梅と婚約した五郎は 関内家で
馬具職人の修業を始めることに。

(岩城)削った面が波打っちゃっとるだら。

あっ…。

昭和12年 日中戦争が勃発。
≪ばんざ~い! ばんざ~い!

日本は戦時体制となっていきました。
ばんざ~い!

何してるの?

あの人がね
お国のために戦いに行くんだよ。

立派だね。

そんなある日のこと…。

えっ!? 何で?
いや… 新聞で見つけて

読んでたら
自然とメロディーが湧いてきたんです。

(杉山)いいと思います!
えっ? そう?

♬~

(久志)♬「勝って来るぞと 勇ましく」

♬「誓って故郷を 出たからは」

「露営の歌」は 出征する兵士の見送りに
歌われるようになり

爆発的な大ヒット。

この曲がきっかけとなり 裕一は

時代の波に
のみ込まれていくことになるのです。

(智彦)私の属する陸軍の馬政課で
この度 映画を作ることになったんです。

古山さんが
愛国歌謡の第一人者であることは

誰もが認めるところです。
そんな そんな…。

「暁に祈る」でも 是非
その手腕を発揮して頂きたく

お願いにあがりました!

(鉄男)映画の主題歌?
大将と久志と僕

福島三羽ガラスで やらしてくれるって!

えっ… 本当か!?
うん!

大将 久志は引き受けてくれたよ。
どうする?

もちろん やるに決まってんだろ!
あ~ よかった! 頑張ろうね!

ありがとな! よろしく頼む。
こっちこそ。

ところが…。

(武田)話になりませんな。

あなたは 根本が理解できていない。

軍馬への関心を高めることも
国民の戦意高揚の一つです。

(武田)もう結構です。
この仕事は別の作詞家に頼みます。

いや ちょっと待って下さい 武田さん。
あの…。

分かりました。

悪がったな。
大将…。

ちょっと 大将…。

大将も いろいろ悩んじゃってさ…。

6回も没になったら

自信なくしちゃうのも
無理ないと思うけど。

何かな~ きっかけがあればいいんだけど。

本当に世話になっていいのか?
もちろん。 好きなだけ泊まってって。

ただいま~! 大将 上がって。

(久志)どうぞ。
いや~ うれしい!

(まさ)歌手の方まで来てくれて
皆さん 大喜びよ。
う… うん…。

実物も いいお声だわ~!

(せきばらい)
ありがとうございます。

あっ…。

ねえ 何してんの? 何で?

僕だって 三羽ガラスの一員だからね。

仲間外れにしようったって
そうはいかない。

実は ちょくちょく
こっち戻ってきてんだ。

へえ…。 父さんも年取って あちこち
ガタが来てて心配でね。

≪(まさ)裕一 いらしたわよ。

えっ?

(藤堂)よう みんな。 元気そうだな。

(昌子)お久しぶり!
昌子さん お久しぶりです。

どうしてもね 藤堂先生に会いたくて

遊びに来て下さいって誘ったの!

出来た 出来た。
(昌子)フフフフ…。

憲太君 5歳ですか。 大きくなりましたね。

うそみたいよね~ 私たちが
親になってるなんて。 本当ですよ。

陸軍から受けた仕事で… 6回連続不採用。

あげくの果てにクビになりました。

そりゃ… しんどいな。

裕一は 諦めず 一緒にやろうって
言ってくれてますけど…。

愛馬精神とか戦意高揚って言われても

どうしても気持ち乗せらんなくて。

今度は… 俺のことを思って
書いてみてくれないか?

実は… 出征することになったんだ。

えっ?

出征? 先生が?

戦地に行かれるんですか?
恐らく そうだろうって。

だから あの人
今日をすごく楽しみにしてたの。

ありがとね 裕一君。
いや… いやいや。

歌って心の支えになるだろ?

誰にでも
自分にとって大切な曲があるもんだ。

村野と古山が作った曲と
共に行けたら

こんなに心強いことはない。

お母さん… お母さんの煮物 最高でした。

あのおだしの風味が
一流の料亭にも負けない品があります。

久志君って
子どもの時から こんなだったの?

ああ。 こんなだったね。
「こんなだったね」って何ですか。

あっ その つまり…
独自の世界を持ってたってことだ。

フフフ…。

古山は 気弱なとこもあるけど
根っこは頑固で 思い込んだら一直線。

村野は 学校一のガキ大将だった。
(昌子)分かる。 けんか強そう。

でも本当は すごく繊細でな…。

みんなとは 楽しい思い出ばっかりだ。

本当に幸せな教師生活だったよ。

先生には いろんなこと教えてもらった。

僕は… 歌う楽しさを教わった。

俺は 詩 諦めんなって
背中押してもらった。

僕は 得意なもんを見つけてもらった。

んん~!

あれ? 大将 おはよう。 早いね。

う~ん 邪魔! んん…。

なあ 裕一…。

もう一回 書いでもいいか?

えっ? えっ?

♬~

♬「あゝあの顔で あの声で」

♬「手柄頼むと」
行ってまいります!

♬「妻や子が」
ばんざ~い! (一同)ばんざ~い!

♬「ちぎれる程に 振った旗」

♬「遠い雲間に」

♬「また浮ぶ」

先生…。

どうかご無事で。

映画「暁に祈る」は大ヒット。

ついに
福島三羽ガラスが世に出たのでした。

(丸井)本日 マレー沖にて海軍航空隊が

英国東洋艦隊の戦艦
プリンス・オブ・ウェールズとレパルスを

撃沈したそうです!
すごいじゃないですか!

7時のニュース原稿です。 そのあとに
ニュース歌謡を流したいので

大至急 詞と曲をお願いします。
あと編曲も。

あと3時間… 分かりました。
お願いします。

太平洋戦争の開戦後

裕一は 戦果を伝える
ニュース歌謡の仕事も任され

多忙な日々を送っていました。

♬「蛙のなくねも」

音は 自宅で 子どもたちのための
音楽教室を開いていました。

しかし 戦争が激しくなるにつれ
そこにも変化が訪れます。

残念ですが 今日で節子ちゃんが
この教室をやめることになりました。

せっちゃん またいつでも遊びに来てね。

(節子)はい。
大丈夫だよ。 また一緒に歌えるよ。

音楽教室の方は? どう?

また一人 やめちゃった。

こんなご時勢だしね。

食べよう。 頂きます。

頂きます。
頂きます。

次。
(吟)音! お姉ちゃん。

(小声で)あんた…
また婦人会サボったでしょ。

あっ…。

うん… まあね。

うわさになっとるわよ。

婦人会に協力的じゃないお宅は
配給にも差をつけられるし

いろいろと不利益が出てくるの。
はい… はいはい。

これから 私が入っとる婦人会の
会合があるから

あんたも一緒に来りん。
えっ?

(克子)では 皆さん… 始めましょう!

一つ!

(一同)私共は日本婦人であります。

神を敬い 詔を畏み

皇国の御為に ご奉公いたしましょう。

一つ!

(一同)私共は日本婦人であります。

身を修め 家をととのえ
日本婦道の光輝を発揚いたしましょう!

(恵)熱心な人っているわよね。

私は なじめないかな…。

(保)し~っ。
外で そんなこと話したら駄目だって。

(恵)婦人会を敵に回したら怖いからね。

裕一さんも
ラジオの仕事で忙しいみたいだし

お国のためってことは
分かってるんですけどね。

まあ これでも食べて 一息入れてよ。

里芋のババロア。
里芋!?

今ね 代用品での
デザートの研究をしているの。

へえ~! 頂きます。

ふ~ん。

遅くなりました!
教練が長引いてしまって。

そんな急がなくてもよかったのに。

でも 音先生が心配するかと思って。

さあ やりましょう。

気を遣ってた?
ええ。

弘哉君 全員が教室をやめたら
私が悲しむと思って

忙しいのに
無理して通ってくれてたみたい。

うん… そっか。

だから これからは 気が向いた時に
来てくれればいいよって言っておいた。

まあ… 教練も忙しそうだし。
うん…。

優しいんだよね~ 弘哉君って。
そういうとこ好き。

えっ?

弘哉から お教室を閉じると聞いて
ご挨拶をと思いまして。

本当に お世話になりました。

これからは 弘哉君の都合のいい時に
遊びにいらして下さい。

うん… いつでも遊びに来て。
また一緒にハーモニカ吹こう。

はい。
よかったね。

♬~

音楽教室を閉めた音は
軍需工場や病院を慰問する

音楽挺身隊に加わりました。

♬「日本の 誇りなれ」

(拍手)

ご苦労さまでした。

久しぶりに楽しい気持ちになれました。
本当にありがとうございました。

(潔子)よかったね。
うん。 次も頑張ろうね。

うん!

ドイツ語だと難しいし…。

華 寝たよ。
あっ ごめんなさい。 ありがとう。

挺身隊の合唱の選曲を任されたんだけど
難しいね。

お茶いれようか。 一息ついたら?

≪ごめんください。

おお どうした?
悪いな こんな時間に。 ううん。

(木枯)久しぶり。
木枯君!

木枯さんの曲は名曲!
全部 名曲だから!

今は さっぱりだけどな。
全然書いてないし。

何で?
書いても通らないんだよ。

「お前の音楽は軟弱だ。 もっと
世の中の空気に合わせろ」だってさ。

木枯さんの個性
無理に曲げる必要なんてないんですよ。

うん そうだね!
その方がね 木枯君らしいよ。

ありがとう。

俺も正直 今の音楽業界には違和感ある。

戦意高揚 忠君愛国
そればっかしじゃ つまんねえし

やりがいもねえと思ってな…。

(木枯)裕一は大したもんだよ。
うん?

求められてる音楽を 質を落とすことなく
次々に生み出してる。

いや… 僕はね ただ お国のために
頑張ってる人を応援したいだけ。

それが今の僕にできる
たった一つのことだからね。

真面目だね。
(笑い声)

(いびき)

頑張れよ。

変わんないですね 裕一は。

まっすぐで純粋で。

利用されなきゃいいけど。
うん?

あっ いや… お邪魔しました。
あっ お気を付けて。

それじゃあ。

ご苦労さまでした。
今日は練習日と聞きましたが?

(蓮沼)慰問先の皆さんと合唱する案が
出まして 今 選曲しておりました。

合唱?

こちらが候補の曲でございます。

これは… どういう基準で
選んだのでしょうか?

私が選曲しました。

歌いやすくて 心豊かになれる曲を
と思って選びました。

何をなまぬるいことを!

いいですか? 我々の使命は
軍需産業に従事する者たちの士気を高め

日本の勝利に貢献することです。

戦争の役に立たない音楽など
要らないのです!

それが分からないのですか!?

よく分かりません。

その音楽を聴いて 誰が 何をどう思うかは
人それぞれで…。

あなたは
何のために ここに来たんですか?

歌を聴いてくれた人たちに
笑顔になって頂くためです。

話になりませんね。 お帰りなさい。

挺身隊に非国民は必要ありません。

≪ごめんください。

はい。

古山裕一さんですか?
…はい。

おめでとうございます。 召集令状です。

徴兵検査は丙種だったから 来るとは…。

何かの間違いだと思う。
ちょっと お姉ちゃんに聞いてくる。

本当に なんとかならん?
無理に決まっとるでしょう。

裕一さんが戦地に行ったら
誰が音楽作んの?

召集は名誉なことよ。

そんな中 裕一に ある依頼が。

≪(三隅)先生しか この映画の主題歌を
書ける人はおりません!

この映画は 海軍航空隊の予科練習生を
主題とした映画であります!

題名は「決戦の大空へ」。

光栄なんですけど… えっと…。

はい…。
(せきばらい)

あっ!

なるほど~。

あっ!
えっ?

音? 音?

軍からのお仕事
これで召集解除の理由にならん?

だから無理だって言っとるじゃん。

だよね… 分かっとるけど…。

私の夫は 戦地に行っとるのよ。

みんな 覚悟しとるの。

戦争なのよ。 音も現実を見つめりん。

苦しい… 苦しい。

私だって苦しいの。

裕一さん… えっ…。

音… いや これは
本当に しかたのないことだから。

違うの。

残しておきたくて。

裕一さんのことを待ってますから。

ありがとう。

≪(戸が開く音)
≪ごめんください!

東都映画の三隅です!

ちょっと… 個人的なツテがありまして
軍の方に確認してみたところ

先生は曲作りで
国に多大な貢献をして頂いてるため

即日召集解除にするとのことです。

これで映画の方に
全力投球 お願いしますね! ねっ!

「若鷲の歌」。

すばらしい詞です。
でしょ!?

いいですよね~! 特に 僕は その

「七つボタンは桜に錨」ってところが
何とも詩的で…。

彼らのような若者のおかげで…
今 この国はもってるんだ。

頑張らないと…。

裕一は 作曲のために

予科練の練習生たちの生活を
見学させてもらいました。

おっと…。
(笑い声)

こら!
いてて…。 これ… む… 難しいですね。

こんにちは。
あっ はい! こんにちは。

座って下さい。

今ね 頑張ってさ 曲作ってるんだけど
全然思い浮かばなくてさ。

話 聞かせてもらえないかな?

裕一が書き上げたのが この曲でした。

♬「若い血潮の予科練の」

♬「七つボタンは桜に錨」

つらさは いろいろあります。

一番つらかったのが洗濯です。

寒さで指先が切れ 痛くて痛くて…。

それを母は
僕のために ずっとしてくれていた。

予科練に入るまで 服がきれいなのは
当たり前だと思っていた

自分が情けなくて。

親に報いるためにも
私は立派な飛行兵になり

皇国の御為に戦います!

4か月後 映画「決戦の大空へ」は
全国一斉に封切られました。

「若鷲の歌」のレコードも同時に発売。

どちらも大ヒットを記録しました。

糸くず ついてる。
(華)
お父さん 梅ちゃんと五郎ちゃんが来た。

ありがとう。
(華)結婚したって!

五郎君! ハハハ…。
先生~!

おっとっとっと…。
あ~!

五郎君 本当におめでとうございます。

今 僕は幸せです。

フフッ… よかった。

ただ… 僕は馬具職人になります。

馬具のほとんどは 軍に納められます。

五郎君… 馬具は
人を殺すための道具じゃない。

人や馬の命を守るためにある。

はい… 岩城さんにも
そう言われますけど…。 うん。

時々… 胸が苦しくなります。

先生は なりませんか?

差し出がましいようですが

先生には 戦争に協力するような歌を
作ってほしくありません。

先生には 人を幸せにする音楽を
作ってほしいんです!

僕の曲は 人を幸せにしてないかな?

先生の歌を聴いて 軍に志願した若者が
たくさんいます。

五郎君…

国のために戦いたいと思う気持ちは
決して悪いことじゃないと思う。

戦わなければいいのです!
戦いがなければいいのです!

現実 日本は今 戦ってるんだ。

戦争に行く人が増えれば
無駄に死ぬ人が増えるだけです!

命を無駄と言うな!

裕一さんの大声 初めて聞いた。

裕一さんは 自分が召集されんことを
申し訳ないと思っとる。

みんな戦っとるのに
自分は何もしとらんって。

後ろめたい気持ちが どんどん どんどん
戦意高揚の歌に傾かせとる。

怖いの…。

久方ぶりに 弘哉がやって来ました。

すっかり大人っぽくなったよね。
うん!

僕 予科練に合格したんです。

「決戦の大空へ」を見て
心を動かされました。

私も仲間と共に
この国のために戦いたいと思ったんです。

それに 「若鷲の歌」を作った方が
こんなに身近にいる。

これが私の目指す道だと気付いたんです。

音楽教室 本当に楽しかったです。

ありがとうございました。

最後の一個。
♬「若い血潮の予科練の」

立派な飛行兵になって
たくさんの敵を倒してくるよ。

♬「七つボタンは」
では 失礼します。

♬「桜に錨」

♬「今日も飛ぶ飛ぶ」
弘哉君!

♬「霞ヶ浦にゃ」
元気でね。

♬「でかい希望の雲が湧く」

い… 慰問ですか?

(山崎)5日後 出発です。

緊急の場合もあるので
東京を離れないよう お願いします。

戦況… よくないんでしょ?

みんな 頑張ってる。
僕だけ逃げるわけにはいかない。

逃げてません。 曲を作ってるじゃない。

いっぱい作ってるじゃない!

音。

じゃあ… 行ってくる。

お父さん 帰ってくるよね?

うん! 鉄砲も撃てないお父さんたちが
呼ばれた場所だから

危険はないよ。 安心して。 ねっ 華。

うん。

あなたの音楽で
兵隊さんたちを勇気づけてきて下さい。

ありがとう。

では… 行ってまいります。

こうして 裕一は ビルマ
現在のミャンマーを慰問し

そこで 思わぬ情報を得ます。

先生は 福島の出ですよね?
はい。

藤堂清晴さんって ご存じですか?

し… 小学校の恩師です。

そうですか~。
はい。

藤堂さん… いえ 藤堂大尉は
ビルマにおられます。

ビルマに?

裕一は慰問を申し出て
藤堂先生のいる駐屯地に向かいました。

先生… 藤堂先生!

よく来てくれた。

コンサートをしたくて
手当たりしだいに 楽器を集めてきました。

あの… え… 演奏できる人は?

そんなことだろうと思って
もう集めてある。

先生…。

はるばる よく来てくれたな。
本当に来れてよかったです。

恐らく あと少しの辛抱だ。

みんな 生きて帰ろう。

(神田)はい。 (東)はい。
(岸本)はい。

それじゃあ はるばる来てくれた古山に
あれ歌うか。

(一同)はい!

♬「あゝあの顔で あの声で」

♬「手柄頼むと 妻や子が」

♬「ちぎれる程に」

古山。

俺が死んだら 渡してくれ。

こんなの受け取れません。

頼む。

絶対に生きて帰ってきて下さい。

ああ。

先生 これを!

あっ イギリス兵から
ぶんどったものです。 大変うまいです。

ありがとうございます。 じゃあ 本番前に
演奏だけ もう一度 練習しときますか。

何度でも!
しましょう。 (笑い声)

(銃声)

狙撃兵だ! 応戦しろ!
敵襲~!

敵襲だ! 銃を取れ~!

(銃撃音)
古山! こっちだ。

(銃撃音)

ここに隠れてろ。
(銃撃音)

あ~っ あっ… ああ~っ!

(銃声)
うっ!

ハァ… ハァ…。

先生… 先生!

(銃撃音)
あっ あっ…。

先生? 先生!

うっ…。 先生…。

すまん… 俺のせいで。

昌子と憲太…。
駄目…。 先生… 嫌だ 嫌だ 嫌だ…。

先生…。
頼む…。

嫌です! 先生… 先生…。

先生…?

うそ うそ うそ うそ うそ!

うそだ! 先生!

先生! 先生… 先生!

先生~!

先生が…。

僕… 僕… 何も知りませんでした。

何も知りませんでした… ごめんなさい…。

僕 何も知りませんでした…。

♬「故国まで届け」
ごめんなさい…。

♬「暁に」

♬「あげる興亜の この凱歌」

(藤堂)「君が
この手紙を読んでいるということは

もう 僕は
この世にはいないということだ。

君と憲太に もう会えないなんて
とても寂しい。

ありがとう 僕の人生に現れてくれて。

君に会いたい」。

もう一度… 会いたい。

(すすり泣き)

≪(戸が開く音)

お帰りなさい。
≪(戸が閉まる音)

はあ…
もう~ 帰ってきたら「ただいま」でしょ。

心配かけたね。

よかった… よかった。

ただいま。
お帰りなさい…。

(すすり泣き)

よかった…。

(空襲警報)

(光子)もう うち駄目だわ。 逃げよう!

待って 原稿!
梅! 梅!

おかみさん! あっ…!
俺が助けます!

あっ! あっ ああ ああ…。

(セミの声)

(玉音放送)
「堪え難きを堪え 忍び難きを忍び…」。

日本は敗戦しました。

これだけ… 帰ってきました…。

(すすり泣き)

ハァ… ハァ…。

ただいま。

裕一さん?

どうしたんです?

華…。

弘哉君が亡くなった。

僕のせいだ…。

あなたのせいじゃない。
あなたは自分の役目を果たしただけです。

役目?

音楽で… 人を戦争に駆り立てることが
僕の役目か?

若い人の命を奪うことが
僕の役目なのか?

音…。

僕は音楽が憎い。

この日以来
裕一は曲を書かなくなりました。

裕一君 そんなにまずいの?

音さんから いない間 様子見てって
言われたんですけど…。

おめえ… 何してんだ?

あっ… 平気だよ 本当に。 全然平気。

そんな裕一のもとに やって来たのが
この男でした。

ご用件を。

ラジオドラマやりませんか?

ほかを当たって下さい。

先生が もう書かないとか
書けないとかいう うわさは聞いてます。

しかし ただのうわさなので
私は来ました。

私は 先生の「愛国の花」が大好きです。

初めて聴いた時 心が震えました。

この先にある物語のためにも
先生が必要なんです。

お願いします どうか!

フフッ いい話。

やるよね?

音楽は もういいかな。

今のお父さん見たら
弘哉君 どう思うのかな?

お父さんの曲 聴きたいって
きっと思ってるよ。

うん… うん。

(ドアの開閉音)

♬~

岩城さん 音です。

聞こえますか?

(足音)
あっ… お帰り。

全部… なくなってしまったんだね。

命が助かっただけでも よかったわ。

それに… 私たちの思い出は

ここにある。

うん。
うん。

裕一さんと華は元気?

うん… 2人とも
大切な人を亡くしてしまって…。

華は それでも立ち直ろうとしとるけど
裕一さんは…。

ずっと曲が書けんの。
そう…。

よほど つらい経験したのね…。
うん…。

帰った方がいい。

そばにいてあげたら?

岩城さん ほっとけん。

私には何もできんし。

そばにいるだけでいいの。
ねっ? フフッ。

ありがとう。

お母さん お姉ちゃん これ見て。

馬具の技術で 選手が けがしない
もっともっといいグローブ作ります!

よし… 岩城さんに報告しよう。

ねっ? フフフ…。

(光子)岩城さん。 五郎ちゃんが
新しい商売を考えついてくれました。

あ~ どうも。

諦めが悪いもんで。

先生しか おらんのですよ!

戦争の責任を全て背負うおつもりか?

僕のしたことには… 責任があります。

戦時下だ。
しかたのないことだってある。

違います! 僕は…!

自分の歌に勇気づけられて
戦場に向かう若者に…

興奮していました。

これが許されることですか?

僕にはできません。 お引き取り下さい。

やっぱり 先生しかいません。

よかったら これ どうぞ。
主題歌の歌詞です。

俺が書きました。

(池田)痛みを知ったからこそ
表現できるものがあると俺は信じてます。

[ 回想 ] 作詞した西條…。
(銃撃音)

ああ ああ…。

[ 回想 ] 戦争で たんまり稼いで…。
くそ… くそ…。

[ 回想 ] 羨ましいわ。
んんっ! うっ…。

♬~

ハァ… ハァ… ハァ。

少しは食べないと。

書けない。

どうしても書けない。

裕一さん…。

裕一さん。

もう自分を許してあげて!

いいのかな…?

(すすり泣き)

♬「黄色いお窓は おいらの家よ」

(鐘の音)

ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」は
昭和22年7月5日から始まりました。

復員した青年が 戦争孤児のために
居場所をつくる奮闘の物語は

戦争で傷ついた人々の心を励まし
勇気づけました。

(ラジオ)♬「めえめえ子山羊も 啼いてます」
いらっしゃいませ。

♬「風がそよそよ」

♬「丘の家」

♬「黄色いお窓は おいらの家よ」

池田さんがね この本 題材にした
映画の主題歌を作らないかって。

「長崎の鐘」。

大丈夫?

戦争の恐怖が ぶり返すんじゃないかって。

だからこそ やってみたい。

もう一歩 前に進むためには
必要なことだと思うから。

裕一は 作者の永田医師に会うため

長崎へと向かいました。

(ユリカ)あっ… 古山さんですか?

ようこそ いらっしゃいました。
私 永田の妹のユリカです。

あっ どうも お世話になります。

兄は こちらで寝泊まりしながら
執筆活動をしとります。

この度は 訪問をお許し頂き
ありがとうございます。

私ん気持ちは
本につづりました。

だ… 題材が大きすぎて
どこから着想していいのか…。

何か きっかけが欲しいんです。

(永田)焦土と化した長崎 広島を見て

ある若者が 神は本当にいるのですかと

私に問うたとです。

こう 答えました。

どん底まで落ちろ。

その意味… あなたに分かりますか?

(ユリカ)
兄さん 厳しかこと言ったんでしょう。

古山さん
3日間 ず~っと籠もりっ放しです。

(永田)
自分を見つめても 見つからんのだがな…。

あそこに。

分かりました。

ここは?
原爆投下直後 兄が治療をした場所です。

消毒とガーゼ もっと持ってきてくれ!

はい!

あの時の兄の気迫は すさまじかったです。

その壁の裏をご覧下さい。

回想 私は… こう 答えました。

どん底まで落ちろ。

(鐘の音)

いくぞ~! せ~の 引っ張れ~!

(ユリカ)家も 愛する人も
何もかも失った人たちが

何かにすがるように
必死に鐘を掘り起こしました。

引っ張れ~!

(ユリカ)そして その年のクリスマスに

初めて鐘を鳴らしました。

焦土と化した長崎の町に

鐘の音が 再び響き渡ったとです。

鐘の音が…

私たちに 生きる勇気を与えてくれました。

ピンク。
青 ある? はい ピンク ピンク。

あっ ピンク ピンク。

うわ~ きれい。
はい どうぞ。

そっか…。

希望ですか?

神の存在を問うた若者のように

「なぜ?」「どうして?」と
自分の身を振り返っとるうちは

希望は持てません。

どん底まで落ちて 大地を踏み締め

共に頑張れる仲間がいて

初めて 真の希望は生まれるとです。

その希望こそ…
この国の未来をつくると

私は 信じています。

僕も その若者のように

自分のことになっていました。

あなたは 戦争中…

人々を応援しとった。

戦争が終わった今

あなたにできることは… 何ですか?

変わりません。
応援する歌を作り続けます。

♬~

(山藤)♬「こよなく晴れた 青空を」

♬「悲しと思う せつなさよ」

♬「うねりの波の 人の世に」

♬「はかなく生きる 野の花よ」

♬「なぐさめ はげまし 長崎の」

♬「あゝ 長崎の鐘が鳴る」

♬~

(大倉)新しい大会の歌を作ろう
という話になりまして

それを是非 古山先生に
お願いしたいんです!

ラジオから流れてくる「とんがり帽子」
「長崎の鐘」 心を打たれました!

ええ~っ!
(ふき出す音)

「長崎の鐘」!?

ご主人が作ったの?
…はい。

あなたも負けてられないわね!

「ラ・ボエーム」のオーディション
受けてみる気ある?

どう思う?
いいじゃない。 受けてみれば?

できるかしら?
休んでた期間も長かったし。

あれ? 音は やりたくないの?

やりたい。

だったら…。

そうね。
うん。

やってみます。
フフフ… よかった。

あっ 華 これから しばらく
レッスン長引いても大丈夫?

いいよ 別に。 大丈夫。

ありがとう。 よろしくね。
うん。

そんな中 裕一と鉄男は
この男と再会を果たします。

どちらさん?

えっ? いや…。

(藤丸)半年ぐらい前 闇市で
ばったり出会ったの。

戦争中は 福島で
慰問に回ったりしてたみたいだけど

お父さん亡くなってからは
歌も やめたみたい。

酒と博打で どうしようもない暮らしを
してるもんだから

時々 食事を差し入れたりしていたの。

私一人じゃ もう どうにもできなくて。

明日にでも 久志と話してみるから。

≪お前 最近 調子いいからな…。
≪勝ちっ放しじゃねえか。

すいません。

お… 終わってからでいいからさ
少しだけ時間…。

(犬井)何だ こら。

久志は 父の一周忌のため
福島へ帰っていました。

父さんは自分の利益なんて二の次で

いつも 人のこと
一番に考える人だったのに…。

僕が東京で音楽やりたいって言った時も
頑張れって送り出してくれた。

だから… デビューも
喜んでくれてるものだと思ってたから…。

気の毒にな…。 心労がたたったんだべ。

久志君のことでも何だかんだ言われで。

≪戦争の歌なんか歌って

あんたんとこの せがれは
戦犯みてえなもんだよって

随分 悪口言わっちだったんだわ。

僕が選んだ道が 父さん 苦しめた。

分からなくなったんだ
どうやって生きていったらいいか。

あっ… やあ 久志。

これ 見てほしい。

さっき 大会本部から
誰か歌手を推薦してほしいって言われた。

君の名前を伝えた。

何で勝手に そんなことしてんだよ。

僕は君に歌ってほしいから。

んっ。

歌わないってことですか?

ああ。
どうして?

(ため息)
同情されたくない。

歌手は ほかにも いっぱいいる。

それ… 大会本部の大倉さんも
同じこと言ってました。

≪(大倉)ほかにも 優れた歌唱力の方は
たくさんいます。

別の方で 心当たりはないですか?

それでも僕は
佐藤久志を推薦したいです。

≪叙情性のある彼の歌声は
この曲にぴったりなんです。

彼が もし 戦時歌謡の歌い手としか
捉えられていないのならば なおさらです。

どうか… どうか お願いします。
(大倉)いや… 先生 ちょっと あの…。

同情なんかじゃありません。

裕一さんは
久志さんの歌が好きなんです。

≪(戸の開閉音)
≪ただいま。

お帰りなさい。

久志? えっ… 来てくれたんだ。

これ… 楽譜… よ… 読んでくれた?

こんな希望にあふれた曲…
歌う自分が想像できない。

久志… 甲子園 行こう。

作詞した多田さんは 16歳の時
試合中の けがで足を切断して

甲子園の夢を失ったそうだ。

もう二度と野球ができないという
葛藤の日々を乗り越えて

多田さんは あの詞を書いた。

君も絶望を知ってる。

その原因を作ったのは… 僕だ。

戦時歌謡に 君を誘った。

久志…

苦しめてしまって…
本当に申し訳なかった。

でも…

どん底まで落ちた僕たちにしか
伝えられないものがあるって信じてる。

戦争が終わって…

また このグラウンドで
試合ができる時代になった!

僕たちも… 多田さんの思い 形にして

未来ある若者に 一緒に エール送ろうよ!

君なら歌える。

お前じゃなきゃ駄目なんだよ!

♬「雲は湧き」

♬「光あふれて」

♬「天高く」

♬「純白の球 今日ぞ飛ぶ」

(ラジオ)「ピッチャー 大きく振りかぶって
投げた!

打ちました!」。
(歓声)

(田中)すごか試合になっとうばい!

(ラジオ)「ランナー 三塁
千載一遇のチャンスの場面。

ランナー 走っています!」。

♬「空を切る 球のいのちに」
(ラジオ)「なおも続く攻撃…」。

♬「かようもの 美しく匂える健康」

♬「若人よ いざ」

♬「緑こき 櫚梠の葉かざす」

♬「感激をまぶたに描け」

♬「あゝ 栄冠は君に輝く」

♬~

音は 帝都劇場で行われるオペラ
「ラ・ボエーム」の

主役オーディションに挑みました。

古山 音です。 よろしくお願いします。

おめでとう! おめでとう!
本当におめでとう!

うん… 頑張る。 絶対に いい舞台にする。

できる… 絶対できる…。
おっ 華 お帰り!

しかし…。

♬~

古山さん どこ見てるんですか?
僕を見て下さい。 あっ…。

それから この先の話なんですけど
ハイツェー もう少し伸びませんか?

はい。
それと ここの歩き方なんですけど…。

(駒込)伊藤君 伊藤君。
そういうのは演出の仕事だから。 ねっ?

古山さん 大丈夫。

少し休憩して
もう一度 今のところから いきましょう。

すみません。 お願いします。

ただいま。
お帰り。

音が作ってってくれた煮物
ちょうど あったまったところ。

先に召し上がっていて下さい。
今日の復習しないと。

えっ ごはん食べてからでも
いいんじゃないの?

≪♬~(音の歌声)

♬~

古山さん 譜面どおりに歌えれば
それでいいって思ってませんか?

大切なのは そこから先でしょう。

あなた 本当に
ミミを演じる覚悟があるんですか!?

(駒込)伊藤君 伊藤君…。

千鶴子さん。

(千鶴子)二次審査まで通過できたのは
確実に あなたの実力よ。

ただ… 最後の審査の席で

常務の脇坂さんが…。

主役は…

古山 音さんで
いこう。

彼女 古山裕一さんの奥さんだそうだ。

話題になるだろう。

それ… ほかの方々は?

みんな 知ってる。

この舞台を降板させて下さい。

はっ? いや 何言って…。
えっ 冗談やめてよ。

今 ここで降りることが
どれだけ ご迷惑をかけるか…

無責任だと重々承知しています。

そうだよ そのとおりだよ。
えっ あんた 一体…。

ですが… 力不足の私が
このまま続けるのは

舞台にも お客様にも失礼なことだと
思い至りました。

この役は 本来やるべきだった方に
やって頂きたいです。

申し訳ありません。

音…。

本当に もう歌わないつもりなの?

(ため息)

もっと若い頃だったら
挑戦し続けようって思えたかもしれない。

でも残念だけど 大人になると
いろんなことが見えてきてしまう。

はあ…。

分かってしまったんです。

私は ここまでだって。

悔しいけど… どうにもならん。

裕一さん ごめんなさい。

裕一さんとの約束… 果たせなかった。

大きな舞台で歌う歌手には…

なれなかった。

ごめんなさい。

裕一は 落ち込む音を

教会の敷地にある孤児院に
連れてきました。

実はね こちらの教会で

慈善音楽会を
やらせてもらうことになった。

改めて思ったんだ。

これまで生き抜くことで精いっぱいだった
子どもたちに

世の中には楽しい文化が
たくさんあるんだってことを

伝えられたらなって。

音にも 歌ってもらいたいなと思って。

曲 作った。

♬「仰ぐは」

≪♬「まぶねのなかに」

≪♬「ねむりたもう」

♬「いとやすく」

はい。

音 子どもたちにさ 上手な声の出し方
教えてあげてくれない?

そして 慈善音楽会当日。

♬「きよしこのよる」

♬「リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ」

(拍手と歓声)

最後の曲は

作詞家の村野鉄男君と一緒に作りました。

歌うのは… 私の妻 古山 音です。

僕が… 僕が 音楽家として
続けてこられたのは

彼女のおかげです。

掛けがえのない 私の恩人です。

♬~

♬「仰ぐは 小春日 燦々と溢れ」

♬「スイセンのしずく」

♬「羽交わす つぐみたち」

♬「君よ いつか」

♬「たぎり落つ雨も上がれば」

♬「希望に胸はずませ」

♬「さあ 翔け」

♬「途切れた あの夢の続きへと」

♬「睦し日 幾重と胸に畳みて」

♬「どこまでも蒼き空へ」

♬~

(拍手)

♬~

「君の名は?」と尋ねし人あり。

我は答えず 七年たちぬ。

昭和27年に始まる「君の名は」。

伝説的ラジオドラマとして
語り継がれる作品です。

裕一は 500曲にも及ぶ曲で
このラブストーリーを彩りました。

(ラジオ)
「江戸一帯の名だたる大祭の一つ

日本三大祭り 神田祭の日であった」。
ああ…。

また擦れ違うの?
ちょっと待って 今いいところなんだから。

「君の名は」が終わっても
裕一は 多忙を極めていました。

あらゆるジャンルの音楽を手がけ

しかも この時期 生まれた曲は
どれも名曲ぞろい。

仕事では絶好調の裕一でしたが…。

(アキラ)このような機会を頂き
ありがとうございます。

霧島アキラです。 よろしくお願いします。

ようこそ。 どうぞ。

どうか 結婚を前提とした交際を
お許し下さい。

お引き取り下さい。
お父さん!

あなたに 娘は やれません。
どうして?

苦労させたくない。
勝手に私の苦労を決めないで!

今の収入で華を養えますか?

音楽で食えるようになってから
出直してきて下さい。

僕の歌を聴いて下さい。

今日のために作ってきたんです。
お願いします。

どうぞ。

♬「欲しいものは たったひとつ」

♬「君の笑顔 見せておくれ」

♬「I love you」

(笑い声)
えっ 何?

(華)気合い入り過ぎ!

あっ!
華 手当てしてきなさい。

はい。 来て。 上向いて 上向いて。

どう感じた?

本気 感じましたよ。

ねえ 裕一さん…。
うん?

アキラさんが普通の仕事をしていたら
おつきあい 許しましたか?

私たちも反対されました。

(三郎)おいおいおい!
駄目駄目 駄目駄目…。

いつの間にか
親になって

いつの間にか
昔の自分
棚に上げて

安心とか幸せって
言葉を隠れみのに

大切な何かを
見落としてたのかもしれない。

何かって?

自分の子どもを信じる気持ち。

2人とも ほら 座りなさい。

アキラさん 華を幸せにすると誓って!

あっ…。

私は
華さんを一生 幸せにすると誓います!

華! 私は アキラさんを
一生 幸せにすると誓います!

よし!

アキラ君… 華のこと よろしく頼みます。

はい!

(アキラ)それでは ここで華さんのお父さん
裕一さんに ひと言 頂きましょう。

父さんは 華が娘で幸せでした。

ありがとう 華。

おめでとう。

ありがとう。

アハハハ…。
アハハ。

おめでとう。
(拍手)

そして いよいよ
この曲の依頼が やって来たのです。

忘れ物?
お父さん お客さん。

(酒井)日本政府を代表して参りました。

先生に 東京オリンピックの
オープニング曲を書いて頂きたい。

えっ?

裕一さん…。

やります。

や… やらせて頂きます!

お茶 お持ちしました。
ありがとう。

しかし 裕一は 一向にオリンピックの曲を
書き始めませんでした。

多分 自分の中で
楽しんでるんじゃないかな?

日本の音楽家の中で
ただ一人の栄誉だから。

いい気分を終わらしちゃうの
もったいないって。

もしくは…
最後のピースを探してるのかもね。

どうぞ。
あっ ありがとうございます。

鉄男君のおでん 懐かしいな~。

みんなで集まって
愚痴ばっかり吐いてたね。

みんな それぞれ活躍してるなんて
本当に奇跡だよ。

ああ…。 その俺たちの集大成が
オリンピックだからな。

裕一 頼むぞ。

うん! フフフフ…。

♬「汽車の窓から ハンケチ振れば」
ラン ランラ ランランランラン。

♬「牧場の乙女が 花束なげる」
ジャン ジャンジャ…。

木枯君に相談したって?

心配だったんです。

僕さ…

日本で行われるからって
日本古来の音楽取り入れたり

復興を高らかに叫ぶマーチになんか
したくなかったんだ。

もっと普遍的な 世界中の人々が
心高鳴る音楽にしたかった。

そうやって心に決めたら

毎日 あふれんばかりの音が
僕の中に降ってきたけど

何かが足りなくてね… 書き出せなかった。

その「何か」は見つかりました?

うん 見つかったよ。 今さっき。

いつ会っても 出会った頃のように騒げる
仲間がいる。

これ以上の幸せってあるのかな?

何よりも尊いのはさ
人と人とのつながりだと思うんだ。

僕は それを曲に込めたい。

♬~

東京オリンピックは 秋晴れの中
1964年10月10日に開幕しました。

(まき子)楽しみだね。

(ラジオ)「オリンピックは
全世界の青年の胸に

平和と希望と前進の火をともして…」。

♬~

最高でした!

その後 15日間にわたって開かれた
東京オリンピックは

敗戦のどん底から復活した
日本のシンボルとなりました。

(猿橋)
亡くなられる3日前に書かれた手紙です。

「久しぶりだね。
活躍 いつも拝見していました。

ようやく 私は 分かったことがある。

私は音楽を愛していた。
君は音楽から愛されていた。

今 思えば それが悔しくて恐ろしくて
君を庶民の音楽に向かわせたのだろう。

愚かだった。

死の間際で
君のオリンピックマーチを聞いた。

音楽の深淵を知る曲だ。

期待に応えた君に 国民を代表して
最大の賛辞を贈りたい。

ありがとう」。

(猿橋)先生をお許し下さい。

小山田先生の本で
私は音楽を勉強してきました。

感謝しかありません。

本当に ありがとうございました。

♬~

寒くないかい?

裕一は 療養中の音と
静かな生活を送っていました。

♬「暮れゆく 暮れゆく」

♬「夕焼けの空」

裕一さん…。

うん。

海が見たい。

あなたと出会った頃のように。

歌を… 歌いたい。

分かった。

行こう。

♬~

♬「泣いて 生まれて
響く命」

♬「きっと嬉しくて 笑っているんだ」

♬「僕らはきっと 出逢うでしょう」

♬「手を引き 背を押し」

♬「出逢うでしょう」

♬「きっといつか今日の日も」

♬「意味を持って ほら」

♬「耳をすませば」

♬「星の見えない日々を 超えるたびに」

♬「互い照らすその意味を」

♬「知るのでしょう」

♬「愛する人よ」

♬「親愛なる友よ」

♬「遠くまで 響くはエール」

♬~

♬「時に私の後ろに光る星」

♬~

♬「伸びた影と寄り添って歩いてく」

♬「いつまでも エール」

音。
♬「朝も昼も夜もずっと そこにある」

会えてよかった。
♬「暗闇にほら響け 一番星」

音に会えなかったら 僕の音楽なかった。
♬「愛する人や」

♬「親友と呼べる人に」

出会ってくれて ありがとね。
♬「出逢エール」

♬「愛する人よ」

私も。
♬「親愛なる友よ」

あなたといられて幸せでした。
♬「星影に」

♬「響くはエール」

行く? ハハハ…。

よし…。
(笑い声)