相棒 season 20 #18[解][字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
相棒 season 20 #18[解][字]
第18話「詩集を売る女」
冠城亘、刺されるーーー
“起きていない事件”を追う特命係
詩集を売る女に隠された真実とは…!?◇番組内容
亘が飛び出す…そしてナイフを手にした女の前に立ち塞がった次の瞬間、胸を刺されて…!?36時間前。右京と亘は、踏切前でうつろな目をした女性・マキを見かける。気になった2人が尾行すると、『千里一歩(せんり・かずほ)』というペンネームで手作りした詩集の路上販売を始めた。そこにヤクザ者らしい男が近づき…。その後、血相を変えた彼女が手にしていた雑誌には、KAZHOというデザイナーの特集記事が掲載されていた。
◇出演者
水谷豊、反町隆史、森口瑤子、川原和久、山中崇史、山西惇、浅利陽介、小野了 ほか
【ゲスト】太田莉菜 ほか
◇スタッフ
【脚本】瀧本智行
【監督】権野元
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
☆最新情報はツイッターでも!
【番組HP】https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
【Twitter】https://twitter.com/aibouNow
【Instagram】https://www.instagram.com/aibougram_officialジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説
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キーワード出現数ベスト20
- マキ
- 戸籍
- 事件
- KAZHO
- 青木
- 彼女
- 伊丹
- 女性
- 澄江
- 名前
- AI
- 自分
- 千里一歩
- 本当
- KAZHO
- お願い
- お前
- 詩人
- 失礼
- 杉下
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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♬~
(冠城 亘)やめろ!
(刺す音)
うっ…!
♬~
あっ…。
(杉下右京)冠城くん!
♬~
(中園照生)
デジタル庁発足から半年
我が警視庁の改革も
待ったなしだ。
刑事の勘などという
昭和の遺物のような
古くさい こだわりは
もはや 時代遅れだ。
今後は AIを駆使した
情報分析による事件の早期解決
ひいては
事件そのものを未然に防ぐ事に
注力していく方針だ。
(あくび)
(芹沢慶二)やっと 一つ
事件が片付いたと思ったら
なんで こんな研修なんか…。
(ため息)
(伊丹憲一)
何が 事件を未然に防ぐだ。
AIに 「殺しは
いつ どこで起きる?」って
聞けっていうのかよ。
そうなったら楽でいいっすね。
夢の働き方改革だ。
馬鹿野郎。
デカは 靴底すり減らして
なんぼだろうが。
さすが 昭和のデカ。
悪いか?
いえ。
その… そのアカウントを
再度 AIの…。
あの原稿
青木が書いたらしいですよ。
さすがに青木 退屈極まりない。
ポイントが定まっていませんし
だらだらと無駄に長い。
まあ あいつのおしゃべり
そのものですね。
(くしゃみ)
(青木年男)どうやら
絶賛されているようだな。
(マキ)ただいま。
(大村澄江)
おかえり。 ご苦労さん。
(マキ)葉物
なかなか安くならないね。
お肉も お魚も
値上がりしちゃったし
おばちゃんも大変だね。
それ 皮むきすればいい?
いいから マキちゃん
あんたは自分の仕事しな。
ありがとう おばちゃん。
(澄江)早く!
(マキ)はい。
(物音)
♬~
いつか AIが事件を予測する日が
来るんですかね?
そもそも 犯罪は
合理性を無視した行動の結果です。
理性をなくした人間の動きは
予測不能。
そう簡単には
いかないでしょうねぇ。
(携帯電話の振動音)
あっ ちょっと すみません。
(踏切の警報音)
♬~
冠城くん!
はい。
(警笛)
「あたし」というのは
この詩集の題名ですか?
はい…。
千里一歩さん。
かずほ。
千里一歩です。
「かずほ」と読むんですか。
これは失礼。
「千里の道も一歩から」。
故事にちなんだ
ペンネームですねぇ。
大丈夫ですか?
元気がないようですが。
別に そんな事は…。
そうですか。
いつも ここで詩集を?
あたしが生きてる証しを
誰かに知ってもらいたくて。
詩というのは 本来
そういうものなんでしょうねぇ。
あっ おいくらですか?
いくらでも。
では これで。
最初のお客さん…。
それは光栄です。
では あなたの生きている証し
拝読させて頂きます。
♬~
買っちゃったんですね~。
なかなか素敵な装丁ですよ。
今では懐かしい ガリ版刷りです。
手作り感満載ですね。
で どうでした?
ひとまず
落ち着いているようです。
商売になるんですかね。
まあ こんなの買うの
余程の変人しか…。
詩人は商売じゃありません。
生き方そのものですよ 君。
あれ? お前 あの時の…。
まだ生きてたか。
こんな道端で…。
知り合いみたいですね。
そのようですね。
堅気ではなさそうですが。
(携帯電話の着信音)
ヘヘヘ… 頑張れよ。
はい。
おう ショウジ
お前 水くせえじゃねえか。
殺しちゃうよ? お前。
シャバに出てきたはいいけど
組は解散しちまったしよ。
でもよ 実は ちょっと
金づる見つけてよ。 ハハハ…!
やはり その筋の男。
出所して 間もないようですねぇ。
ああいう男と
繋がりがあるようには
見えませんがねぇ。
何を話していたのでしょう。
右京さん
警察は民事不介入ですよ。
ああっ!
あたしは
惨めな思いをしてきたのに…。
♬~
彼女が見てたのは
このページです。
「KAZHO」…。
彼女のペンネームと
同じ名前ですねぇ。
あの男に
この存在を教えられた?
そういう事になりますねぇ。
「あたしは
惨めな思いをしてきたのに」って
つぶやいてましたけど。
華やかな世界に住む
この女性の事を
恨んでいる
という事でしょうかねぇ。
♬~
(KAZHO)ここのラインを
もう少しシャープにしたい。
あと2センチ…。
あと1センチ。
わかりました。
すぐに取りかかって。
(2人)はい。
(村川陽子)KAZHO
この記事 評判いいわよ。
取材依頼が続々と来てる。
断ってください。
そんな事 言わないの。
新作で
それどころじゃありません。
その新作が売れなきゃ
どうにもならないでしょ。
この世界は デザイナー自身の
イメージが大切なの。
あなたは これから
世界に羽ばたいていくんだから。
ねっ お願い。
…わかりました。
12時間パック
1900円になります。
ここが 今晩の宿のようですね。
自宅には
戻らないつもりでしょうかねぇ。
まあ 腹も減りましたし
軽くいかがです?
ええ。
♬~
道連れにしてやるから…。
♬~
あら…。
あら?
あら?
(小出茉梨)フフフ…。
まあ 恥ずかしいところを
見られちゃいましたね。
泣いちゃうほど
素晴らしいって事ですか?
もう お読みになりました?
いや ポエムには
全く興味が湧かないので。
杉下さんは?
ざっと目を通しただけで。
この『名札のないあたし』
っていう詩 読んでたら
なんだか
切なくなってきちゃって。
「『名札のないあたし』」
「あたしはここにいるのに
あたしの席には
他の誰かが座っている」
「名札をなくしたあたしに
居場所はない」
「ただ立ち尽くすだけ」
子供の頃の記憶ですかね。
さあ…。 ただ この作者は
どうしようもないほどの孤独とか
絶望を味わった人じゃないかな。
少しわかるんですよね。
私も 若い頃は
いろいろありましたので。
あら! そっちの話は
興味が湧くんですけどねえ。
それは 今度 ゆっくりと。
はい。
もう一本 おつけしますか?
お願いします。
あの詩人の女性が 何か
事を起こすと考えてるんですか?
どうでしょうね。
中園参事官は 刑事の勘など
もはや 時代遅れだと
おっしゃっていましたが。
今後は
事件を未然に防ぐ方針だとも
おっしゃいましたよ。
AIの情報分析は
全くありませんけど…。
「雨に濡れていたあたしを
おばちゃんは
猫を拾うように拾ってくれた」
「かつて多くの朱鷺が飛来し
朱色の羽が土地を赤く染めた
という この町の
怒りも哀しみもない酒場と出会い
あたしは生まれ変わった」
「羽が土地を赤く染めた」…。
「怒りも哀しみもない」…。
♬~
(角田六郎)おい 暇か…
なんだよ お出かけか?
ああ 課長。 ちょうどよかった。
ここ数年で解散した
組の関係者で
最近 出所した男の事を
知りたいのですが。
雲をつかむような話だね。
年は40前後。 その男から
少々 話を聞きたいんですよ。
なんだよ マル暴絡みの事件でも
起きたのか?
いえ…
まだ起きていない事件なんです。
では よろしく。
えっ?
せっかくの非番に
なんの用だ? 冠城亘。
ちょっと 張り込み
手伝ってもらいたくてね。
はあ?
ん?
折り入って頼みがある
っていうから
わざわざ来てやったのに
なんで 僕が
そんな事しなくちゃならない。
帰らせてもらう。
まあ そう言わずに 頼むよ。
あっ 昨日の参事官の講義
杉下さんが いたく感動してたな。
杉下さんが?
うん。
あの原稿 青木が書いたんです
って言ったら
「さすがに青木くん
ポイントが的確 簡潔明瞭」って。
それで?
「これからは
青木くんが開発するAIが
捜査をリードする時代が
来るでしょう!」って。
やっと 杉下さんも
僕の真の実力に
気づいてくれたか。
まあまあ まあまあ
そういう事だね。
どうした?
連絡したら 車 回してね。
ちょっと待て。 おい。
僕に車の番をしろっていうのか
冠城亘!
(西山正人)あの… 何か?
このお店の方ですか?
ああ… いえ ここの大家。
女将が 昨日 死んじまってさ
後始末してたとこだよ。
亡くなった?
心筋梗塞だって。
突然だよねえ。
まあ 俺も ちょくちょく
飲みに来てたからさ
ショックでさ。
そうでしたか。
澄江さん なんか
身寄りもないらしくてさ
さっき 役所へ行って
相談してきたとこなんだよ。
まあ この2階に住んでたから
持ち物を 全て
こっちで処分しなきゃならなくて。
本当 参ったよ。
つかぬ事をお伺いしますが
千里一歩というペンネームの
詩人が
この店で
働いていませんでしたか?
マキちゃんの事かい?
マキちゃん?
おう。 どうやら
彼女が 救急車を
呼んだらしいんだけどね…。
(杉下の声)マキさんは
いつから こちらに?
(西山の声)2年ぐらいになるかな。
訳ありの子を預かったとか
言ってたけどさ。
(マキ)おばちゃん ごめんね…。
マキちゃん 澄江さん
どうしたんだ!? マキちゃん!
マキさんのフルネームは
ご存じですか?
いや 聞いた事ないね。
通報をしておいて
いなくなったのは
なぜなんでしょうね?
ほら 訳ありっていう
くらいだから
警察の厄介になった事が
あったりして。
あっ それで あんたも?
いえ そういうわけでは。
ふーん。
2階も拝見して
よろしいでしょうか。
♬~
携帯も持ってないって事ね…。
♬~
(電話)
もしもし ALISHです。
あの… KAZHOさん
いらっしゃいますか?
(アシスタント)
「あいにく 外出しておりますが」
帰り… 帰りは何時ですか?
(アシスタント)
「8時頃かと思われますが」
「失礼ですが
お名前ちょうだいしても…」
(電話を切る音)
♬~
あっ 失礼。
僕も よくやるんですよ。
手に書くのが一番ですよね。
だけど ナイフって
こんなにいっぱい あるんですね。
これだけあると
迷っちゃいますが…。
まあ 果物切るだけなんで
なんでもいいんですけどね。
うーん…。
おおっ これは…。
懐かしいねえ!
物持ちがいいっていうか。
ハハハハ…。
マキさんは
澄江さんから詩の手ほどきを?
ああ…
熱心に指導してたみたいですよ。
(澄江)マキちゃんは才能あるから
厳しくしてるの。
(マキ)いや 才能だなんて…。
あんたは 散々 苦労してきた。
うまい下手なんて関係ない。
あんたの詩に心震わせる人が
きっと いる。
うん。
(携帯電話の振動音)
ちょっと失礼。
彼女 さっき ナイフを買いました。
それと KAZHOさんの仕事場に
電話したようです。
どうやら 事を起こそうと
考えてるんじゃないですかね。
右京さんの勘が当たりました。
そっちは どうです?
彼女は 赤羽の小料理屋で
住み込みで働き
マキと名乗っていました。
店主の女性と 親子のように
親しくしていたようですが
その女性 昨日 心筋梗塞で
突然 亡くなったそうです。
だけど どうして
小料理屋で働いてるって
わかったんです?
詩集です。
彼女の人生を ひも解くヒントが
この中に詰まっていました。
(西山)刑事さん
ちょっと来てくれ!
僕は これから
KAZHOさんに会いに行きます。
マキさんから
目を離さないでください。
はい。
どうしました?
金庫の中から こんなものが…。
♬~
♬~頭痛にバファリン (高畑)頭痛い…
《バファリン ちゃんと効いてくれるよね》
♬~ 《でも 眠くなると困るな…》
それでは…!
≪眠くなると困るな…≫
あっ…!
《その時…》
(姪)おねーちゃん?
≪眠くなると困るな…≫
<バファリンAは
眠くなる成分が 無配合なんです>
あ! そうだった!
いたみは止める
わたしを止めない
♬~《ぴんぽん》
(カメラマン)はい。
(シャッター音)
すみません ちょっと…。
もっと 体を大きく使って。
はい…。
お願いします。
お願いします。
(カメラマン)はい じゃあ いくよ。
はい。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)はい。
(カメラのシャッター音)
(カメラマン)はい。
(カメラのシャッター音)
あっ すいません。
(アシスタント)はい。
休憩時間に
少し お話を伺いたいのですが…。
お待たせしました。
あまり時間は取れないんですが。
お仕事中 申し訳ありません。
実は あなたに恨みを抱いている
女性がいて
なんらかの危害を
加えようとしているという
情報を得ましてね。
私に恨み?
ええ。 何か心当たりは
ありませんか?
人に恨まれるような事なんて…。
昔の事かもしれません。
例えば 学生時代に誰かを傷つけた
というような事は…?
そんな事…!
絶対にありません。
それは失礼しました。
あっ…。
この若いほうの女性なんですがね
見覚えは?
全く。
そうですか…。
(陽子)恨みっていうより
ねたみじゃないですか?
ねたみ?
SNSで 私の成功を嫉妬して
悪く言う人が結構いるんです。
ねたみから妄想を膨らませて
勝手に恨むような人が
いるんでしょうね。
実際 脅迫めいた書き込み
された事もあります。
もう よろしいですか?
最後に ひとつだけ。
「かずほ」というのは本名ですか?
ええ。
もちろん アルファベットじゃ
ありませんけど。
名字は?
千里です。
「かずほ」は
「一歩」と書くんですか?
はい。
実は 先ほどの写真の女性
無名の詩人なんですが
あなたの名前と同じ
ペンネームを使っているんです。
それ ちょっと怖いな…。
ファンが
ストーカーに変わるって話
よく聞きますからね。
この間も 怪しそうな男が
近づいてきたでしょ?
だから 別に
あの人は そういうんじゃ…。
気にしすぎじゃないですか?
でも 大事な時期だから
気をつけるに越した事はない。
ええ。
ぜひ そうなさってください。
わかりました。
おばちゃん
すぐ そっち行くからね…。
でも その前に けじめつけなきゃ。
(携帯電話の振動音)
はい。
(青木)いつまで
僕に車の番をさせる気だ!?
監視対象者が
あちこちに動き回るものですから。
貴様の事情なんか
こっちには関係ない。
このまま置いていくからな。
切符 切られて 罰金払え!
ちょっ ちょっ…!
そういえば お前に
友情の証し 示さなきゃ
いけないかなと思ってね。
ふん! 何が友情だ。
冠城亘を友人なんて思った事は
一度もない!
そんな寂しい事 言うなよ。
あっ ほら お前 仕事一筋だろ?
だから なかなか いい人に
出会えないんじゃないかなってね。
まあ 俺は そっち方面に詳しいし。
そっち方面というと… つまり?
女性方面。
まあ…
全く気は進まない話ではあるが
貴様の顔を立てて 会ってやる事に
やぶさかではない。
回りくどい言い方しやがって…。
じゃあ よろしく頼むぞ。 なっ。
(携帯電話の振動音)
もしもし。
お前さんが言ってた奴
もしかしたら こいつじゃねえの
ってのが見つかったから
今から送るぞ。
(キーを打つ音)
捜しているのは
まさに この男です。
おおっ そうか!
こいつな 大倉則之っていう奴で
銀星会の下部組織に属していた。
ムショに入る前は
ホームレス相手の貧困ビジネスで
食ってたようだ。
貧困ビジネスですか…。
ああ。 生活保護を受けさせて
保護費をかすめ取ったり
戸籍を売らせたり…。
「まあ 弱者を食いものにした
ダニみてえな奴だ」
この男の現住所を調べるのは
難しいですか?
ハハッ! 俺を誰だと思ってんだ?
抜かりはねえぞ。
ちゃんと
保護司を調べ出して 聞いてある。
今からメールしてやるよ。
(伊丹)あっ! ちょっ ちょっと…。
(芹沢)フフフ…。
警部殿。
おや。 これは伊丹さん。
まだ起きていない事件を
調べてるそうですが
どういう事なんでしょうか?
さすが地獄耳ですねぇ。
(伊丹)お前 近いな もう!
ああっ…。
我々を出し抜こうなんて
お考えだとしたら
困ったもんだと思いましてね。
出し抜くなんて めっそうもない。
では
ついでと言ってはなんですが
ご協力をお願いしても
よろしいですか?
(カメラのシャッター音)
♬~
(陽子)KAZHO。
KAZHO。
もういいんじゃない?
すいません…。
もう少しお願いします。
お願いします!
(カメラマン)はい。
じゃあ いくよ。 はい。
♬~
よし。
あれ? 偶然ですね。
さっき ホームセンターで。
(マキ)ああ…。
詩集 売ってるんですか。
あっ 俺の知り合いに
詩人というのは商売じゃない
生き方そのものだって
言ってる人いるんですけど
本当に そういうものですか?
(マキ)ええ。 まあ…。
何か心配事でも?
さっきから 深刻な顔してるから。
あっ… あまり思い詰めないほうが
いいですよ。
どれほど絶望的に思える時でも
必ず 光は見えてくるもんです。
これ おいくらですか?
どうぞ。
ああ じゃあ 読ませてもらいます。
(車の走行音)
♬~
(KAZHO)あのさあ…。
(車の走行音)
(車のドアの開閉音)
(伊丹)奴は まだです?
ええ まだ。
ご依頼の件 調べてきましたよ。
靴底 すり減らしてね
駆けずり回って。
AIなんかには
負けていられませんからね。
ご協力 感謝します。
千里一歩
1988年 埼玉県浦和市生まれ。
幼少期に父親を亡くし
高1の時に母親が自殺して
高校を中退。
それを機に 引っ越しています。
兄弟はいません。
親戚とも疎遠だったようで
それ以降の消息は 今のところ…。
当時の関係者から
高校時代の写真 手に入れました。
(伊丹)どうです?
やはり
想像していたとおりでした。
♬~
大倉則之さんですね?
(大倉則之)なんすか?
俺 もう 堅気になったんすよ。
警察相手に話す事なんか
ありませんよ。
ゆうべ 路上で詩集を売る女性と
話をしていましたねぇ。
ああ…。
どういう話を
していたのでしょう?
大した話じゃないっすよ。
彼女とは
どういうご関係でしょう?
昔 ちょっと…。
「ちょっと」とは?
うぜえな…。
てめえに関係ねえだろうが!
(伊丹)まだ 話は終わってねえ。
あなたは 以前 貧困ビジネスを
しのぎにしていたそうですねぇ。
戸籍の売買にも
手を染めていたとか。
彼女の戸籍も
売ったんじゃありませんか?
千里一歩さんの戸籍を…。
ああ そうだよ!
あの馬鹿女… 男にだまされて
闇金の借金 かぶせられて
首が回んなくなったから
仲介してやったんだよ 俺が!
お前の戸籍 買った奴
知ってるか?
今 有名なデザイナーに
なってんだよ。
『Holy』って雑誌に出ててよ…。
えれえ差だな。 ああ?
アハハハハッ…!
しかし 最近 あなたは
その 戸籍を売った相手にも
会いに行ったそうですねぇ。
それをネタに
ゆすろうとしましたか?
実は ちょっと 金づる見つけてよ。
ハハハ…!
図星みたいだな。
(伊丹)警察で じっくり
話 聞かせてもらおうか。
うるせえ!
ああっ…!
(芹沢)オラ!
(大倉)いててて…! いてっ!
今度 出所してきたら
二度と 馬鹿な考えを
起こさないように。
いいですか?
はいはい!
(芹沢)ほら。
(大倉)痛っ!
(伊丹)立て。
(芹沢)よいしょ!
♬~
(電話)
ALISHでございます。
KAZHOさん お願いします。
(アシスタント)「失礼ですが
どちら様でしょうか?」
本当の千里一歩と言って頂ければ
本人にはわかると思います。
…少々お待ちください。
(電話の操作音)
KAZHOさん…。
♬~
(操作音)
もしもし。
あなたに戸籍を売った者です。
あなたも あの男とグル?
なんの話ですか?
いいわ。 いくら欲しいの?
お金なんか いりません。
会ってほしいだけです。
私は戸籍を買っただけよ。
あなたとは 一切 面識もないし
あなたを傷つけたわけでもない。
「もし
私を恨んでるんだとしたら…」
わかってる!
そんなの わかってんのよ!
でも あたしの名前で生きてる
あんたが許せないの!
どうしても許せないの!
(蹴る音)
(マキの荒い息遣い)
会うつもりがないなら
マスコミに全部バラすから。
♬~
近くの朝見公園で待ってる。
(受話器を置く音)
♬~
(車のクラクション)
冠城亘!
何時間 経ったと思ってるんだ!?
もう 12時間だぞ!
貴様! 俺の貴重な休日を…。
お前には 心から感謝してる。
必ず約束を果たすから…。
貴様の言う事など
一切 信用できない!
何が 友情の証しだ?
僕の事を都合良く利用するために
適当な話 並べただけだろ!
俺は 本当に お前の事を…。
ああーっ!!
うわっ! いてっ…!
ちょっと待て!
♬~
右京さん 彼女を見失いましたが
心当たりが…。
♬~
間に合った…。
(青木)あれか?
ああ…。
(青木)あっ もう一人 来たぞ。
本当に今から事件が起きるのか?
うっ…!
起こさせてたまるか!
ちょっと…!
♬~
やめろ!
♬~
(刺す音)
うっ…!
あっ…。
ああっ…。
ああぁぁーっ…!
冠城くん!
冠城亘…!
大丈夫ですか!?
(ナイフの落ちる音)
このおかげで
傷が浅くて済みました…。
あいてててて…!
(青木)もしもし?
こ… 公園に救急車1台。
えっ? 怪我です 怪我。
胸のとこ グサッて刺されてて…。
なんか 大丈夫っぽいけど
とりあえず 救急車!
…ん?
学校にも通えず
食事も 着るものも
満足に与えられず
幼い頃から ずっと
家の中で洋服の絵を描いてました。
それが
子供の頃の たった一つの楽しみ。
(母親)お願いだから
話を聞いて…!
もう あなたしかいないの!
ねえ~!
(泣き声)
(男性)「うるせえ ババア」
(不通音)
何 見てんだよ!
お前みたいなガキがいるから
男が みんな
逃げていっちゃうんだよ!
この寄生虫が!
♬~
(切る音)
(KAZHOの声)15歳の時に
母親が あっけなく死にました。
♬~
(KAZHOの声)私は
そのまま ほったらかしにして
家を出ました。
(KAZHOの声)やっと
地獄から抜け出せたんです。
♬~
それから?
(KAZHO)ある日
戸籍を売ってくれるところがある
って聞いて…。
私 どうしても
自分がデザインした洋服を
作りたかったんです。
だから 死に物狂いで働いて
お金ためて…。
本当は
もっと目立たない名前のほうが
都合良かったけど…。
私 今の名前が好きです。
ずっと
千里一歩のままでいたかった…。
君も 高1の時に
母親 亡くして
家を出たんだよね。
2人は まるで コインの表と裏。
あなたは
自分の人生を詩にしています。
初めて愛した男性にだまされ
全てを奪われ
最後には
戸籍を売る事まで強要…。
捨てられた。
あたしは 自分の名前が
大嫌いだったんです。
だから なんて事ないって…。
でも 身元が証明できないと
携帯も買えないし
安アパートも借りられない。
名前がないって
この世に存在してない
って事なんです。
だから 何度も
自殺する事を考えたんですね。
でも あなたは
澄江さんと出会った。
(雨音)
♬~
風邪 引くよ。
♬~
(澄江)あったまるだろ?
行くとこがないんだったら
しばらく ここで働きな。
2階で 私と一緒に住めばいい。
♬~
これは 澄江さんが
あなたに宛てて書いた遺言です。
以前から 自分の体の事を
案じていらしたようです。
その通帳も
あなたに託されています。
遺言には
自分が死んだあとも
あなたにお店を続けてほしいと
書かれていました。
詩を書く事も
あなたには
詩人の魂があるからと。
♬~
(杉下の声)「怒りも哀しみもない
酒場と出会い
あたしは生まれ変わった」
あなたの詩に救われる人が
どこかに 必ずいるはずです。
残念ながら まだ読んでないけど
君の詩に一番最初に救われたのは
俺かな。
「千里の道も一歩から」。
自分の名前に戻って
もう一度 一から
人生を始めてください。
♬~
♬~
(ドアの開閉音)
〈命を狙われた 政界の大物〉
本当に 事を起こそうと
しているのでしょうか?
目的は社美彌子。
〈クライマックスの衝撃は
ここから始まる…〉