科捜研の女 #14/マリコvs『臓器の記憶』を継いだ殺人犯!?ゲスト:橋本じゅん[解][字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
科捜研の女 #14/マリコvs『臓器の記憶』を継いだ殺人犯!?ゲスト:橋本じゅん[解][字]
移植を受け『臓器の記憶』も受け継いだと言う男が現れた!「ドナーは何者かに殺された」と証言…。やがて男は“復讐殺人”へと向かい…!?マリコが科学で記憶の神秘に挑む!
◇番組内容
脳科学者の賀茂井が境内の階段から転落死する。その一カ月後、賀茂井の息子・大翔(潤浩)の前に謎の男・笠城(橋本じゅん)が現れ、「お父さんの臓器を貰った時に記憶も貰った。お父さんは殺されたんだ」と語る。それを聞いたマリコらは、賀茂井の転落事件を調べ直す事に。賀茂井の助手・高平理香子(柳美稀)曰く、彼の研究内容は「細胞に宿る記憶」に関するものだった。さらに、賀茂井の衣服から背中を押された様な指紋が発見され…!?
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、斉藤暁、渡部秀、山本ひかる、石井一彰
【ゲスト】橋本じゅん、遊井亮子、柳美稀、潤浩(ゆんほ) ほか
◇脚本
戸田山雅司
◇監督
宗野賢一
◇音楽
川井憲次
◇主題歌
Tielle『花火』(TL RECORDS)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】関拓也(テレビ朝日)
【プロデューサー】藤崎絵三(テレビ朝日)、中尾亜由子(東映)、谷中寿成(東映)
◇おしらせ
☆番組HP
https://www.tv-asahi.co.jp/kasouken21/
☆Twitter
https://twitter.com/kasouken_womenジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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♬~
(賀茂井健治)うわーっ!
(転落する音)
(救急車のサイレン)
(医師)できる限りの処置は
尽くしましたが
頭部への損傷が激しく
先ほど 心停止が確認されました。
(賀茂井恵美)そ… そんな…!
(石崎依江)ご主人の事
お悔やみを申し上げます。
ご主人は 臓器提供意思表示カードを
お持ちでした。
臓器提供に関して
お話をさせて頂けませんか?
♬~
(日野和正)亡くなったお父さんが
帰ってきた?
(涌田亜美)何?
その季節外れの怪談。
(宇佐見裕也)えっ?
お父さんって 呂太くんの?
(橋口呂太)じゃなくて
うちの近所の4年生の大翔くん。
スケボーの師匠なんだけど
その子のお父さんの話。
(宇佐見)えっ? 小学生に
スケボー教わってるんだ?
うん。
(日野)頼むから
不審者と間違われたりしないでね。
(亜美)っていうか
どこから突っ込んでいいのか…。
(榊 マリコ)亡くなったお父さんが
帰ってきたって どういう事?
だから
亡くなったお父さんの記憶が
別の人に乗り移って現れたんだよ。
すごいでしょ?
記憶が 別の人に移る…?
(日野)マリコくん
食いつかないでいいから。
確かに 気になるわね。
見事に食いついちゃいました。
(日野)オーマイゴッド!
マリコさんなら
信じてくれるよね~?
もちろん
信じたわけじゃないけど
記憶のメカニズムは
科学的には
完全には解明されていないわ。
だったら 一緒に聞きに行って。
お願い…!
(亜美)呂太くんが
マリコビーム使ってる。
(日野)うわっ…。
あれが大翔くん?
(呂太)うん。
ひと月前に
お父さん 亡くなっちゃって
お母さんも仕事で忙しくて
いつも あそこで ああやって
スケボーやってるんだ。
(笠城覚士)すごいな ヒロ!
完璧なオーリーじゃないか!
イエーイ! タッチ タッチ!
イエーイ イエーイ! イエーイ!
ハハハハッ…!
(賀茂井大翔)
本当に お父さんなの?
♬~
(笠城)当たり前だろ。
ヒロの事なら
なんでも覚えてるぞ。
誕生日に自転車買ってあげただろ
補助輪付きのやつ。
乗れるようになるまで
ずーっと押してあげたじゃないか。
ヒロのお父さんは
ここにいるんだ。
それって イショクのせい?
ああ。
お父さんから
腎臓をもらった時に
一緒に
お父さんの記憶ももらった。
移植って… 臓器移植?
だったら
どうして 死んじゃったの?
実を言うと…
お父さんは殺されたんだ。
今の話 本当ですか?
♬~
えっ? あっ ちょっと待ってよ!
(亜美)あっ ちょっと!
(走っていく音)
大翔くんよね?
亡くなったお父さんが
臓器を提供したというのは本当?
うん。
よくわからないけど
お母さんが言ってた。
その時
臓器と一緒に記憶も移った…?
♬~
(日野)で その謎の男には
逃げられちゃったんだ。
私たち 刑事じゃないですし…。
角 曲がったら ドロンって
消えちゃってたんだもん…。
宇佐見さん 何か見つかった?
臓器移植で 記憶が移る現象は
世界でも何例か報告があります。
(呂太)へえ~ こんなにあるんだ!
移植を受けた相手
つまり レシピエントが
移植後に 食べ物の好みや性格が
変わったケースもあるのね。
(宇佐見)中には
ドナーが死亡した時の状況を
レシピエントが
夢で見たりする事もあるとか…。
(亜美)なんか SFか超常現象って
感じですけど…。
(日野)まだまだ
トンデモ科学の領域のようだね。
臓器を介して
記憶が移るかはともかく
セルメモリーという学説は
あります。
(亜美)セルメモリー?
一般的に 記憶は
脳内の神経ネットワークに
蓄えられるといわれているけど
これは 記憶は
生物の細胞そのものに蓄えられる
という研究みたいね。
細胞 つまり「セル」の「記憶」だから
セルメモリーなんだ。
(宇佐見)国内でも
研究している人がいるんだよ。
(亜美)へえ~! 京都中央大学でも
研究してるんだ。
あっ! あっ この人!
この准教授さん 大翔くんの
亡くなったお父さんだよ!
えっ!?
(蒲原勇樹)失礼します。
マリコさん 洛西署から
事故の報告書が届きました。
ありがとう。
また勝手に 蒲原刑事 動かして!
悪いな。
ああ いえ…。
「京都中央大学准教授
賀茂井健治さんが石段から転落」
「頭部を激しく損傷」
「救急搬送された洛西総合病院で
死亡が確認された」
事故が起きたのは
先月27日の午後9時頃。
賀茂井さんは
その日は仕事が休みで
市内に買い物に行った帰りでした。
現場は 人けのない公園で
目撃証言もなく
財布や免許証は
所持したままだった。
ご遺体に
争った痕跡などもなかったため
洛西署は
事故死だと断定したようです。
死因は脳挫傷で
内臓には損傷がなかったため
移植コーディネーターに
連絡が行って
移植が行われたのね。
心停止の場合でも
移植までの時間が短ければ
腎臓や膵臓 角膜などの移植が
可能な場合はありますけど…。
あっ 逃げたあの人も
腎臓もらったって言ってたよね!
まさか
その移植で記憶も移ったんだ?
(呂太)蒲原さん
信じてくれるよね~?
(土門 薫)ひと月前に
事故で亡くなった准教授が
研究していたのが
細胞に記憶が残るという
研究だったわけか。
その研究者の臓器を
移植された人が
自分には彼の記憶があると
言いだした…。
俺は
その手の超常現象は信じない。
ただ 刑事は疑うのが商売だ。
だから お前とは違う意味で
引っかかっている。
確かに。
お父さんは殺されたんだ。
あの言葉が本当だとしたら
賀茂井さんの死は
単なる事故じゃない。
殺人を見逃したという事に
なるわね。
うん…。
♬~
(高平理香子)打ち切りなんて
あんまりです!
(根本潤蔵)
賀茂井くんが亡くなった今
この研究を続ける意味は
ないだろ。
(理香子)それじゃ
賀茂井先生が浮かばれません!
(児玉慎也)高平さんも落ち着いて。
教授 私からもお願いです。
賀茂井先生のためにも
もう少しだけ…。
(根本)児玉くんの会社だって
無駄な研究に金を出し続ける
余裕なんかないはずだ。
いい潮時だろ…。
とにかく
打ち切りは もう決定事項なんだ。
♬~
お取り込み中 すみません。
京都府警の者です。
先月 亡くなった
賀茂井准教授に関して
少々 お話を…。
(理香子)ポスドクの高平です。
ずっと
賀茂井先生の下で研究を…。
彼は院生で 手伝ってくれてる…。
(中野彰一)中野といいます。
あの そちらは…?
(児玉)私 こういう者です。
洛南ベンチャーキャピタル?
はい。 先端技術の研究をされてる
皆さんに
研究費用を
出資させて頂いております。
その研究って
細胞に記憶が宿るという…。
もちろん セルメモリーですわ。
これこそ 人類の役に立つ
有益かつ有意義な研究でして。
ですよね? 高平さん。
(理香子)ええ。
例えば… これを見てください。
(理香子)交通事故に遭った人は
事故の時の記憶を失ったりします。
それ以外にも
災害などで記憶障害になる方は
結構な数いるんです。
それを セルメモリーで
補う事ができると…?
この研究が進めば
人が記憶を保つのに必要な
新たな物質が
見つかるかもしれません。
(蒲原)
それなのに 打ち切りですか?
あの… それより
警察の方が なんで…?
ひと月前の事故の事を
ちょっと調べていて…。
亡くなった賀茂井准教授は
誰かに恨みを買うような事は
ありませんでしたか?
先生に限って あり得ません。
学生にも優しいし 敵なんか
いないタイプでしたけど。
ああ… 先ほどの教授との仲は
どうです?
正直 根本教授は
賀茂井先生の研究には
否定的な立場でした。
けど 学者として
可能性の芽を摘んだらあかん
という方針で
認めてくださってたんですけど…。
賀茂井さんのご家族に関しては
何か…?
先生は 研究熱心で
毎日毎晩 研究に明け暮れて
家に帰られない事は
よくありましたけど…。
息子さんも 奥さん任せだって
よく言ってましたよね。
はい。
そうですか…。
最後に
一つ お伺いしたいんですが…。
はい。 何か…?
臓器を提供したドナーの記憶が
移植した相手
つまり レシピエントに宿る
という事は あり得ますか?
(蒲原)さすがに
臓器移植で記憶まで移るなんて
まだまだ
トンデモ科学の領域だって
言われちゃいましたね。
あっ…
ここが賀茂井准教授のご自宅ね。
ああ…。
夫の事故の事で 今さら 何か?
大翔くんから
何か聞いていませんか?
ううん。 あの子が どうかしたの?
それが 公園で
妙な男に会っているようで…。
(舌打ち)
また 塾 サボったのね。
駄目だって言ったのに…。
どうせ
スケボーやってたんでしょ?
そういう事じゃなくてですね…。
ちょっと 何やってんの!
日室製鋼の開示 出たでしょ?
伸びが予測以下だったら
さっさと売り抜く! いいわね!
奥さん…。
正体不明の男が 大翔くんに
声をかけてきたんですよ。
心配じゃないんですか?
大翔は もう4年生よ。
言えば わかる年でしょ?
帰ったら
ちゃんと 言って聞かせますから。
亡くなられた健治さんは
臓器を提供されましたか?
よくご存じね。
そうよ。
でも その話はしたくないの。
ですが 大翔くんに接触した男は
臓器提供を受けた際
健治さんの記憶も受け継いだと
言っているんです。
(蒲原)私たちも
その男が何者か調べています。
お母さんからも
大翔くんに 気をつけるように
言ってあげてください。
わかったわ。
ごめんなさいね。
大翔のために あの人の分まで
働かないとと思うと
つい イライラして…。
いえ…。
もう一つ お願いがあるんですが
事故に遭われた時
健治さんが身に着けていた服を
お借りできませんか?
♬~
(日野)指紋 採取できたよ。
亡くなった
賀茂井健治さんの指紋と
奥さんの恵美さんの指紋。
それとは別に
第三者の指紋も見つかった。
(亜美)肩の辺りですね。
恵美さんの話では
コートは 亡くなった日に
クリーニングから
戻ってきたばかりだったそうよ。
だとしたら 転落した当日に
付いた可能性は高いですね。
間違いないよ!
大翔くんのお父さん
誰かに背中突き飛ばされたんだ!
だから…。
お父さんは殺されたんだ。
所長
この指紋 前歴者データには?
いや ヒットしなかったよ。
でも 賀茂井さんが事故死じゃなく
殺されたんだとして
大翔くんに接触した あの男は
どうして
それを知ってたんでしょう?
だから
移植した臓器の記憶だってば!
決めつけないの。
一体 何が目的なのかしら…。
(二宮)この大きな洗剤 すぐなくなりません?
(主婦4人)すぐなくなるのよね~
「NANOX」なら これ1本で約2倍長く使えます
(主婦A)に・・・・2倍!?
♬~
《中身が濃いからながーーーく
使えちゃう》
「NANOX」 見た目じゃないのよ 洗剤は
♬~
(新垣)《いままでの柔軟剤は 着るときには
香りが変わってた》
<そうなんです>
《香り変わらず続くのは
ただひとつ?
<「アロマリッチ」だけ>
おんなじだ
≪「アロマリッチ」 白の「アロマリッチ」 生まれた≫
♬~頭痛にバファリン (高畑)頭痛い…
《バファリン ちゃんと効いてくれるよね》
♬~ 《でも 眠くなると困るな…》
それでは…!
≪眠くなると困るな…≫
あっ…!
《その時…》
(姪)おねーちゃん?
≪眠くなると困るな…≫
<バファリンAは
眠くなる成分が 無配合なんです>
あ! そうだった!
いたみは止める
わたしを止めない
♬~《ぴんぽん》
本当に お父さんなの?
(息を吹きかける音)
♬~
ヒロ…。
(刺す音)
(児玉)うわっ…!
ああっ…!
あっ… うぐっ…!
(蒲原)被害者は
昨日 俺たちが会った
洛南ベンチャーキャピタルの
児玉慎也さんです。
えっ…?
とにかく 検視を。
はい。
♬~
腹部に刺創…。
かなりの量の出血があるから
犯行現場は
この場所で間違いないわね。
この辺りだと…
防犯カメラはありませんね。
♬~
傷口周辺に なんか付いてるよ。
何かの粉みたいね。
持ち帰って 宇佐見さんに鑑定を。
了解!
洛北医大に搬送をお願い。
はい。
先生 首に発疹が見られます。
(風丘早月)
何かのかぶれじゃない?
すごく
気になってるみたいだけど…。
はい。 風丘先生と同じぐらい。
また 誘いにのってしまった…!
調べておきます。 念のため。
♬~
もし 仮に細胞に 生前の記憶が
蓄えられているとしたら…。
細胞から
ご遺体の声を聞く事ができる日も
来るんでしょうか?
なんの話?
なるほど。
臓器移植のドナーだった
お父さんの記憶を持った男が
その息子さんの前に
現れたってわけ。
科学的に
証明されてはいませんけど…。
なんか イメージできるような
できないような…。
ですから
例えば 私が何かの病気で
風丘先生から
臓器をもらったとします。
その場合…。
私の記憶や性格が
マリコさんに移るとしたら…。
まいど!
わあ!
はい 今日のお土産!
(呂太)やったー!
マリコさんには 解剖鑑定書。
念のため。
いやいや いやいやいや…
ないない ないない ないない…!
駄目!
♬~
♬~
♬~
えっ…?
(蒲原)亡くなった児玉慎也さんは
洛南ベンチャーキャピタルという
投資会社の営業担当でした。
賀茂井准教授の研究室にも
資金の援助をしていると
言っていたわね。
ええ。
児玉さんが自分で見つけてきて
乗り気じゃなかった社長を
説得して
援助を取り付けたそうです。
ただ 研究自体が
打ち切りになった事を
会社に報告してなかったのが
気になります。
自分で見つけて
会社を動かした研究だとしたら
失敗だったと
言えなかったのかもしれないね…。
死因は 出血性ショック死で
間違いありません。
凶器は わかった?
うん。
凶器は 刃渡り8センチ以上の
片刃のナイフだよ。
(宇佐見)その傷口周辺にあった
微物を鑑定した結果
成分は コーンスターチ。
ゴム手袋の着脱を楽にするための
パウダーでした。
恐らく この製品だと思われます。
賀茂井准教授の研究室にも
同じものがあったわ。
交通事故に遭った人は
事故の時の記憶を失ったりします。
被害者は
研究室にも出入りしていたから
付着したとしても
おかしくはないけど…。
現場からは 犯人のものと思われる
指紋は出なかった。
ただ それとは別に
被害者の指紋を照合した結果…。
えっ…?
賀茂井さんのコートに
付着していた指紋と一致!?
これって 転落した日に
付いたやつですよね?
ひょっとして
児玉さんが賀茂井准教授を
突き落としたって事でしょうか?
(賀茂井)うわーっ!
(転落する音)
わかっちゃった!
(日野)何? いきなり。
だって 大翔くんのお父さんを
殺した犯人が
児玉さんだったとしたら
児玉さんに殺された
っていう記憶が
臓器を通して あの男の人に
移っちゃったかもしれないでしょ。
まさか それが動機で
彼が児玉さんを…?
賀茂井さんの無念を晴らすため
移植した臓器が復讐したんだ!
なんか 本当に超常現象みたいに
なってきたかも…。
(ため息)
もう一度 大翔くんに会って
例の男の事を
詳しく聞く必要があるわね。
まさか マリコさんまで
記憶が移った男が復讐してる
なんて信じてないですよね?
どんなに突拍子もない仮説でも
あり得ないと
科学が証明しない限り
可能性を排除する事はできないわ。
大翔くん。
また 塾 サボったのか?
この前 お母さんに会ったわ。
心配してたわよ。
…なわけないよ。
お母さんは 仕事が忙しくて
僕に構う暇がないから
塾に行かせてるだけだもん。
行きたくなんかないのに…。
塾は嫌いなんだ?
ねえ この前 会っていた
男の人の事なんだけど…。
(恵美)大翔! 何やってるの!
塾から連絡あったわよ。
こんな所で遊んでる暇なんて
あるはずないでしょ!
(大翔)遊びじゃないってば!
(恵美)いいから 行くわよ!
待ってください。 少しでいいから
大翔くんと話をさせてください。
恵美さん!
臓器移植の話なんか
聞きたくないの!
あの人が亡くなってから
いろんな方から声かけられて
立派だとか
人の役に立っただとか…。
なかなかできる事じゃありません。
自分も そう思います。
このひと月 私も大翔も
その事が せめてもの救いだったと
言い聞かせてきました。
あの人は 生きた証しを
この世に残せたんだって…。
でも あの人は
知らない誰かに臓器は残しても
私たちには
何も残してくれなかった…。
大翔 行くわよ。
(携帯電話の振動音)
はい。
(呂太)「マリコさん?」
「謎の男の正体 わかったよ!」
えっ…?
(亜美)公園から逃げた男を
付近の防犯カメラで捜したんです。
そしたら
こんな映像が見つかったんだ。
間違いないわ。 この男ね。
顔認証で照合した結果
前歴があったよ。
「笠城覚士 50歳」
去年の10月まで
八幡刑務所に服役…?
仮釈放中なら 身元引受人に
居場所は連絡してるはずです。
すぐに確認を。
♬~
(ノック)
(笠城)はい。
(蒲原)京都府警です。
笠城覚士さんですね。
賀茂井健治さんの件に関して
ちょっと お話 伺えませんか?
あっ…。
どうして 大翔くんに
声をかけたりしたんです?
それは…。
私の中の臓器の声に従って…。
私の中には
賀茂井さんがいるんです。
それは つまり
賀茂井健治さんから
臓器移植を受けたために
記憶が宿ったという事ですか?
はい。 自分でも不思議で
しょうがないんですが
私の心の中に
賀茂井さんがいるみたいで…。
先生は信じますか?
信じる 信じないの前に
医者として すごく引っかかる。
えっ…?
移植医療において
個人情報の管理は
徹底されてるから
レシピエントが
ドナーの事を知るのは
不可能なはず。
(ノック)
はい。
失礼します。
解剖医の風丘です。
聴取に耐えられるか検査します。
シャツ 開けてください。
はい。 はい。
ああ…。
恐らく 虫垂炎。
要は 盲腸。
しかも 10年以上前。
間違っても
移植手術の痕じゃない。
つまり 移植や記憶の話は
全て嘘だった…。
なんの話だか 私には…。
(ドアの開く音)
笠城!
お前の服役の理由は 詐欺。
それも
流行りの特殊詐欺じゃなく
昔ながらの芝居がかった詐欺
それが お前の得意技らしいな。
なあ!
(ため息)
賀茂井さんが亡くなった夜の事
話してもらえますか?
はい…。
あの夜は 金もなくて
野宿できる場所を探して
安乃公園の辺りを
歩いていました。
(笠城)お… お… おい!
ど… どうした? 大丈夫か!?
えっ えっ… 何?
嘘… マジ!?
♬~
(笠城の声)今思えば
その時は 魔が差して
つい 金を盗んでしまって…。
(拍子木の音)
火の用心!
(拍子木の音)
誰か… 助けてくれ!
(男性)どうした?
あっ… おい 大変だ!
(男性)救急車…。
(女性)ど… どうしました!?
転落した直後 賀茂井さんは
なんて言ったんです?
だから…。
(笠城)えっ えっ… 何?
(賀茂井)突き落とされて…。
突き落とされたって…
やっぱり 事故じゃなかった。
で 救急車が来て 洛西総合病院に
搬送されるって聞いたから
救急搬入口から
こっそり 中に入ったら…。
(依江)臓器提供に関して
お話をさせて頂けませんか?
(早月)それで 賀茂井さんが
ドナーになった事を知った…。
(蒲原)だとしても なんだって
自分が移植を受けたなんて
嘘をついたんだ?
それは 亡くなった賀茂井さんを
ネットで調べた時…。
(笠城)「セルメモリー」?
(笠城の声)
細胞が記憶を覚えてるなら
移植で記憶が移る事が
あるかもって
思いついちゃって…。
それで 臓器を提供されて
父親の記憶が
乗り移ったふりをして
賀茂井さんの息子に
接触したのか?
そこはそれ
餅は餅屋っていいますか その…
詐欺師の悪い癖で…。
すいませんでした!
ヒロの事なら
なんでも覚えてるぞ。
誕生日に自転車買ってあげただろ
補助輪付きのやつ。
乗れるようになるまで
ずーっと押してあげたじゃないか。
(笠城の声)男の子なら
誰でも経験してそうな話を
それっぽく盛り込んでやると
大概 コロッと
信じてくれるもんで。
で お前は
子供をだしに 母親に近づき
金を引っ張るつもりだったわけか。
いや 違います。
確かに 最初は
うまくやれば 金になるかなとは
思ったんですけど…。
じゃあ どうして 大翔くんに…?
それは…
実は 俺にも息子がいて
偶然なんすけど
あの子と同じ 大翔って名前で…。
笠城には離婚歴があります。
息子もいますが
親権は 母親に取られたようです。
父親のふりをして
あの子と話してるうちに…。
(笠城)「大翔」って いい名前だろ?
なんてったって
大きく羽ばたくんだからな!
(拍手)
あんまり好きじゃない。
えっ… なんで?
クラスに 同じ「ヒロト」が
3人もいるし。
あっ そっか…。
付けた時は イケてるなって
思ったんだけどな…。
♬~
(笠城の声)
ついつい 本当の息子の事を
思い出しちまって…。
なんだか この子に
何かしてあげたくなって…。
どこかにしまい込んでいた親心が
よみがえったわけね。
だから まず どうにかして
返さなきゃって思って…。
返すって
抜き取った金をですか?
あっ いや… それも もちろん
返すつもりですけど…。
だったら 何を?
(亜美)児玉さんが殺害された時刻
笠城覚士は
ネットカフェから出ていません。
うーん… アリバイ確定だね。
笠城は 賀茂井さんから
金は盗んだけども
児玉さん殺害には関係ない
って事か…。
じゃあ 一体 誰が…。
(蒲原)失礼します。
ネットカフェのセーフティーボックスから
見つかりました。
笠城の所持品です。
笠城さんは
転落直後の賀茂井さんを
抱き起こしたと言っていたわ。
だとしたら 犯人に繋がる証拠が
何か残ってるかもしれないわね。
あっ… ブルゾンに
何か微物が付着してる。
♬~
宇佐見さんに鑑定してもらうわ。
♬~
(宇佐見)笠城覚士のブルゾンから
見つかった粉は
ゴム手袋用のパウダーでした。
これって 殺害された児玉さんの
傷口にあったものと
同じものだよね。
(宇佐見)ええ。 ですが
こちらには パウダー以外の成分も
検出されています。
(早月)まいど! ほら!
今日は 甘福堂のイチゴ大福!
(呂太)やったー!
(日野)いつも すいません。
やっぱり
この役目は 私じゃないとね!
あっ… でもって
マリコさんには 解剖鑑定書。
ありがとうございます。
念のため…。
発疹の原因はアレルギー…?
(亜美)
「アレルゲンは天然ゴム」…?
そういう事…。
(でんきやさん)《今から40年ほど前
父と母は電器店を始めました》
《決して売りっ放しにはしない》
《この街の皆さんに寄り添い続ける両親を
小さい頃から見ていました》
《今日のエアコンは
父が 20年近く前に付けたエアコン》
(お客様)彰平君がさ
今度は付けてくれるわけだからね。
《どんなに暮らしが変わっても
両親が大切に守ってきたことを変えずに
この街を支えていきたいです》
洛南ベンチャーキャピタルの
児玉さんと
賀茂井准教授を殺害した犯人が
わかりました。
じゃあ 賀茂井先生は やっぱり
事故じゃなかったんだ…。
これを見てください。
賀茂井さんが転落した直後に
彼を抱き起こした人物の
ブルゾンから
ゴム手袋用のパウダーが
検出されました。
状況から見て
賀茂井准教授のコートに
付着していたものが
移ったと推測されます。
(蒲原)成分から見て
シダテック社製のものでした。
この研究室でも使われてますよね。
(根本)いつも使ってたものなら
賀茂井くんの服に付いたとしても
問題はないだろ。
いや… 亡くなった日
賀茂井さんは 仕事は休みでした。
着ていた服も クリーニングから
戻ってきたばかりだと
奥さんから確認を取っています。
従って パウダーは
賀茂井さんを石段の上から
突き落とした犯人から
付着した可能性が高い。
なおかつ 同じパウダーが
刺殺された児玉さんの
傷口周辺からも
検出されています。
まさか
児玉さんが犯人だったとか…?
いいえ 児玉さんに
そんな事はできません。
刺殺された児玉さんの
ご遺体の首には 発疹が見られ
分析の結果 天然ゴムによる
アレルギー反応だと
判明しました。
(蒲原)この手のゴム製品に
触れるだけで
発疹が出る体質だったそうです。
天然ゴムにアレルギーを持つ
児玉さんには
この手袋で犯行を行う事は
不可能です。
だったら 誰が…?
私じゃない!
転落した賀茂井准教授を
抱き起こした人物のブルゾンに
付着していたパウダーからは
パウダー以外の成分も
検出されました。
鑑定した結果
爪を保護するための
ネイルオイルだと わかりました。
香料などから
こちらと同じ製品だと
わかりました。
高平理香子さん
あなたのものですよね?
府警本部で
お話 伺いましょうか。
児玉さんの会社からの研究費を
着服していた…?
(理香子)持ちかけてきたのは
児玉さんのほうでした。
(児玉)実は 私
ギャンブルで借金が少々…。
それを ちょっと
補填してもらうだけですし
この研究さえ成功したら
すぐに元は取れるやないですか。
高平さんにも
悪いようにはしませんから。
でも それって 犯罪なんじゃ…。
ポスドクの給料なんて
たかが知れてるでしょ?
仕事に見合う分をもろたと
思ったら…。
(児玉)お願いです!
(蒲原)それで 研究費を
自分たちの懐に入れたわけか…。
(理香子)でも 賀茂井准教授に
気づかれてしまったんです。
それで あの日…。
(児玉)先生 お話が…。
休みの日に待ち伏せですか?
無駄ですよ。 不正の件なら
根本教授と教授会に報告します。
(児玉)待ってください。
そんな事されたら…。
(賀茂井)自分のした事が
わかってるんですか?
若い高平くんまで巻き込んで…。
(理香子の声)准教授は
私が共犯だと気づいていると
その時 わかりました。
♬~
(賀茂井)うわーっ!
(転落する音)
なんて事を…。
何してるの? 逃げないと…。
ひょっとして 児玉慎也は
その事で
あなたを脅迫してきたのか?
自分から
着服を持ちかけてきたくせに
お金を出せなんて言うから…。
すんませんね
こんなとこまで来て頂いて。
♬~
(刺す音)
(児玉)うわっ…!
あなたも研究者の一人でしょ?
金のために
そんな犯罪を重ねるだなんて…。
お金が欲しくて 何が悪いの?
どんなに優れた研究でも
結果が出なきゃ
すぐに打ち切りになるし
そうなったら ポスドクなんて
簡単に切って捨てられるのよ。
せめて お金ぐらい
もらったっていいじゃない!
仕事柄 人を殺した人間に会うのは
珍しくない。
そういう人間に
一つだけ共通しているのは
なんだか わかるか?
何?
あんたが罪を犯した この手には
誰かの命を奪ったという記憶が
一生 ついて回るって事だ。
今日 来て頂いたのは
彼から お二人に
お返ししたいものがあるそうです。
ご主人から これを取った時に…
いや その… お金は
全部 使っちゃいまして…。
いや… もちろん
働いて お返し致します!
ただ… あの時 ご主人は 俺に…。
これを渡さないと…。
♬~
だから これだけは
絶対に届けなきゃと思って…。
♬~
(大翔)あっ… スケボーの
チャンピオンシップ大会。
行きたかったやつ…。
(恵美)あの人が これを…?
(蒲原)あの日 賀茂井さんは
仕事が久々の休みで
それを探して 市内のチケットショップを
回っていたようです。
どうしても
スケボーをやりたいんだよな?
うん。 プロになって
ワールドカップに出るんだ!
このチケット 3人分あるだろ?
お父さんは ヒロとお母さんと
見に行くつもりだったんだよ
きっと!
ヒロがお母さんと仲直りする
チャンス 作るために。
ただの遊びじゃなかったんだ…。
大翔… 今度 お母さんにも
スケボーの話 聞かせて。
うん!
(蒲原)もういいだろ。 戻るぞ。
♬~
(恵美)ありがとうございました。
(大翔)おじさん…。
(笠城)ん?
最初っから わかってたよ 僕。
イショクの話が嘘だって。
えっ 嘘… なんで?
だって 僕 最初っから
補助輪なしで 自転車乗れたもん。
ああ…。
子供に見破られるなんて
詐欺師は もう 廃業ですね。
次 出てくる時は
ちゃんと やり直すんだぞ。
そうすれば
息子さんの大翔くんにも
会えるかもしれません。
はい。
ちゃんと 胸張って
会えるように…。
頑張れよ おじさん!
♬~
おめえもな!
♬~
笠城の送検手続きが終わった。
仮釈放中だったし
実刑は免れないだろう。
でも 彼なら
必ず やり直せる気がするわ。
うん。 最後に
目的を果たせたわけだしな。
目的?
うん。
亡くなった賀茂井さんの記憶を
伝える事ができたんだ。
♬~
ねえ 記憶って 科学的に言えば
無数のシナプスの間を流れる
電気信号なんだって。
形があって
そこに とどまるものじゃなく
人と人の間を流れ続けるもの。
うん。
それが記憶だとしたら
たとえ 賀茂井さんは
いなくなっても
恵美さんや大翔くんが
思い出して 語り続ける限り
賀茂井さんの記憶もまた
2人の心の中で
ずっと生き続ける。
私は そう信じてる。
(亜美)災害救助犬のゾイと…。
ゾイが真実を証言してくれるかも。
(早月)
一口にワンワンっていっても
いろいろあるんだね。
ワンッ!
(呂太)名付けて サイバーゾイ!
このドローンカメラは
GPSと連動してるよ。
もしかして…。
これまでの『科捜研の女』を
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