土曜プレミアム・世にも奇妙な物語’21 秋の特別編【ストーリーテラー:タモリ】[字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

土曜プレミアム・世にも奇妙な物語’21 秋の特別編【ストーリーテラー:タモリ】[字]

完全新作!豪華珠玉4編!今宵“奇妙な世界”へ皆様をいざないます…「スキップ」赤楚衛二「優等生」森七菜「ふっかつのじゅもん」桐谷健太「金の卵」山口紗弥加

番組内容
おなじみのストーリーテラー・タモリと豪華キャストが視聴者を“奇妙な世界”へといざなう人気シリーズの最新版『世にも奇妙な物語’21秋の特別編』。1990年4月にレギュラードラマとして放送を開始し、その後は特別編という形で年に2度放送を続けるスタイルで、これまで各時代を代表するような作家や脚本家と豪華俳優を掛け合わせることによって奇妙な物語の世界観を作り出してきた本シリーズ。
番組内容2
今作では、各ドラマの主演に森七菜、赤楚衛二、桐谷健太、山口紗弥加が出演!豪華俳優陣でお送りする珠玉の短編ドラマ、お見逃しなく!
出演者
【ストーリーテラー】
タモリ 

【『優等生』】
森七菜、奥平大兼、倉悠貴、オーイシマサヨシ 他 

【『スキップ』】
赤楚衛二、堀未央奈、坂口涼太郎、時任勇気、柳俊太郎(※「柳」は正式には旧漢字) 他 

【『ふっかつのじゅもん』】
桐谷健太、野波麻帆、石田星空、笹木祐良 他 

【『金の卵』】
山口紗弥加、長谷川朝晴、小野莉奈 他
スタッフ
【編成企画】
渡辺恒也、狩野雄太 
【プロデュース】
中村亮太、関本純一 
【制作】
フジテレビ 
【制作著作】
共同テレビ 

【『優等生』】
〈脚本〉
坂本絵美 
〈演出〉
山内大典 

【『スキップ』】
〈脚本〉
井上テテ 
〈演出〉
松木創 

【『ふっかつのじゅもん』】
〈脚本〉
畠山隼一 
〈演出〉
石川淳一
スタッフ2
〈協力〉
株式会社スクウェア・エニックス
「ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々」
(C)1987 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX AllRights Reserved. 
(C)SUGIYAMA KOBO
スタッフ3
「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」
(C)1988 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. 
(C)SUGIYAMA KOBO 

【『金の卵』】
〈脚本〉
三輪江一 
〈演出〉
山内大典

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 良介
  2. 明日香
  3. 賢一
  4. 幹夫
  5. 祐樹
  6. 義彦
  7. 美紀
  8. 大丈夫
  9. 亜美
  10. 今日
  11. 昭雄
  12. 慶介
  13. 駄目
  14. パパ
  15. 弘子
  16. 彩花
  17. 夕子
  18. ケンチ
  19. ヤバ
  20. 世界

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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ポニーキャニオン

(幹夫)スキップできたらな。
俺の人生は 俺のもんだ!

(明日香)100点 取れますように。
(義彦)テストの結果が

現実になるってこと?
(明日香)やるしかないっしょ。

(美紀)あの子って 昔…。
(良介)あしたじゃ駄目なんだよ!

(賢一)嘘だったんだよ!

(亜美)
幸運の金の卵を狙ってんでしょ!?

♬~

皆さん こんばんは。

15世紀末
世界は大航海時代を迎え

多くの冒険家たちが

まだ見ぬ新しい世界へ
飛び出していきました。

かつて アメリカ大陸を発見した
コロンブスは

こう 言いました。

「生きて帰ることを前提とした
航海など あり得ない」と。

冒険をすることは

常に
命の危険と隣り合わせでした。

やがて 時代が変わり
テクノロジーの進化とともに

世界のどこに行くにも
旅は 安全で快適なものになり

冒険と呼ばれるものは
なくなりつつあります。

しかし 日常の ふとした瞬間に

危険な冒険への扉は
現れるものです。

現れたのは こよい
奇妙な世界に入り込んでしまった

4人の主人公たちです。

そこには 時に
命が危険にさらされるような

本物の冒険が
彼らを待っています。

果たして 彼らは 無事に
生き残ることができるでしょうか。

♬~

(ドアノブを回す音)

≪(幹夫の祖母)駄目だよ。

この中には 絶対 入ったら駄目よ。

この扉の中に入ったら
二度と出てこられなくなるからね。

≪ナイス 幹夫。
幹夫 いいぞ。 幹夫 いけ!

いけるぞ 幹夫。 いける いける。

(幹夫)痛っ。

(幹夫の せき)

(幹夫)あっ…。
(淳)幹夫! おい 大丈夫か?

西岡先輩 容赦ねえよな。
(幹夫)うん。

≪(西岡)おう。

土日の校内合宿
こんなもんじゃねえからな。

絶対 休むなよ。

(幹夫・淳)はい。

(淳)
土曜って もう あさってじゃん。

しかも 合宿 終わったら
すぐ テストだよ。

ハァ。 何かさ ネットの動画
スキップするみたいにさ

時間 飛ばしたいよな。

それな。
(淳)ハハ。

あ~!

≪(彩花)どこ行く?
≪(女性)どこ行こっか。

(女性)駅前にね 新しいカフェ…。
(彩花)え~! 行きた~い。

行こうよ。 ねっ。
(女性)何 飲もうかな~。

(彩花)私 ケーキ食べたい。

(女性)あっ いいね。
(女性)えっ?

彩花って ケーキ食べるの?
(彩花)えっ 食べるよ。

海外のサイトに
売っていたのです。

(男性)はい!
(幹夫)あ~。

あ~。

ホント スキップできたらな。

(男性)あ~ すごい!

すごい 寝れる 寝れる 寝れる。
気持ちいい!

よいしょ。

(和樹)幹夫。

(幹夫)兄ちゃん。

大学
楽しそうに やってるみてえだな。

いや 別に。

いいよな~ お前は。

フリーターの俺には
うらやましいかぎりだよ。

何 見てたんだよ?
(幹夫)えっ? あっ。

「藤野 彩花」

これ お前の大学の子だろ?
(幹夫)おい。

カワイイ。
(幹夫)おい!

何? 好きなの?

いや 別に すっ 好きとかじゃない。
(和樹)えっ?

おいおい おいおい…。 ハハ…。
(幹夫)やめろよ。

この女 ねたまれてるだろ。

いや そんな感じしないけど。

危険だな。

(和樹)ねたみの感情は
始まると止まらねえからな。

(和樹)止まらないといえばよ

一度 スイッチが入ると

見えていたはずのものが
違ったものに見えてくるよな。

このプロペラが 回りだしたら
ただの円に見えるように。

そして 電源が切れるまでは
元の形は思い出せない。

(和樹)お前も気を付けろよ。

♬~

(カレンダーをめくる音)

(幹夫)いってきます。
(幹夫の母)いってらっしゃ~い。

♬~

♬~

(救急救命士)せ~の 1 2 3。

(男性)飛び降りたんだって?

死んではいないみたいだけど
すごい音がしたのよ。

そうか。

♬~

♬~

ハァ。

♬~

(幹夫の祖母)《この中には
絶対 入ったら駄目よ》

《二度と
出てこられなくなるからね》

♬~

♬~

♬~

(斎藤)はい。
シャーデンフロイデというのは

他人を引きずり下ろす
快感のことです。

人をねたんで 引きずり下ろす。
そうすることで

人間の脳は 快楽を得るように
できてるんですね。

いっ 痛っ。

えっ?
(淳)おい 大丈夫か?

西岡先輩の肘
思いっ切り 入ってたもんな。

いや あんな合宿の次の日に
普通に授業とか 無理。

えっ? 合宿って あしたじゃ?

はっ?

俺も盛大に筋肉痛。

(幹夫)《ここを通ったから
3日後にスキップした?》

《もう一回 やってみるか》

《どうせなら
テストが終わった1週間後へ》

(幹夫)《ぴったり1週間後だ》

(斎藤)マジか おい…。

何やってきたんだよ~。

うし。

(彩花)幹夫君。

(彩花)じゃあ 行こっか。

えっ?

で あの 返事なんだけど。

(幹夫)うん。

だから この前 告白してくれた…。

こっ 告白?

(彩花)ごめんなさい。

あのとき ホントは
すぐにOKしたかったんだけど

びっくりしちゃって
すぐに返事できなくて。

えっ? てことは…。

私からも お願いします。
彼女にしてください。

えっ? あっ うん。

フフ… よかった。

あっ ごめん。
それは もうちょっと たってから。

あっ ごめん。
(彩花)うん。

そうだよね。
(彩花)フフフ。

(幹夫)これ 現実だよな?

うし。 もっかい 試してみっか。

(彩花)《ごめん。 それは
もうちょっと たってから》

1週間後ぐらいか?

(看護師)どうぞ。

どうぞ。

(幹夫)えっ?

西岡先輩?

来るな! やめろ!

悪かった… 俺が悪かったから
もう やめてくれ!

(看護師)どうしました?
(幹夫)あっ いや…。

(淳)お前 何 来てんだよ。

ちょっと出ろ。
(幹夫)えっ?

(淳)お前
よく 見舞いなんて来れたな。

あんなこと しておいて。
(幹夫)えっ?

(淳)いくら
先輩のやり方が ひどいからって

練習中に
いきなり 殴り掛かって

倒れた先輩相手に
馬乗りになって 殴り続けて。

お前 俺たちが止めなかったら

西岡先輩
殺してたかもしれないんだぞ。

≪(医師)それで 刑事さん

この患者さんの身元
まだ 分からないんですか?

(刑事)
まったく 手掛かりがなくて。

こんなこと
めったにないんですけど。

練習中の事故なんでしょ?
しょうがないよ。

(男性)あいつ…。

どうもっす。

えっ?
(彩花)誰?

さあ。

えっ?
(彩花)今日も うち 泊まってく?

どうしたの?
この前 あんな 強引だったのに。

あっ… あっ いや ごめん。

今日 ちょっと帰るわ。 ごめん。

(男性)おい!

はい?

(男性)てめえか! こいつらから

金 巻き上げてくれた
らしいじゃねえか。

人違いじゃないですか?
(男性)ざけんなよ。

(幹夫)痛っ。
(男性)てめえから

仕掛けてきたんじゃねえか!
(幹夫)いや ちょっ ちょっと…。

(男性)来い!
(幹夫)まっ 待ってください。

(幹夫)いっ…。
(男性)おい。 おら。

おい 見ろ。

これ
こいつらから取った10万だろうが。

僕 知りません!

(男性)
ちゃんと 写真 撮ってあんだよ。

これ… 兄ちゃんだ。

(男性)何 訳 分かんねえこと

言ってんだ!
(幹夫)あっ…。

何で 兄ちゃんと俺を…。

幹夫君? どうしたの!?

彩花ちゃん
俺と一緒に撮った写真 見せて。

何で?
(幹夫)いいから!

他には?

(幹夫)全部 兄ちゃんだ。

兄ちゃん? 幹夫君じゃん。

(淳)合宿中のお前の写真?
(幹夫)ああ。

(淳)何だよ? いきなり。

あっ これとか?

(幹夫)これ 俺に見えてるのか?

(淳)
はっ? どう見たって お前じゃん。

分かった。 もういい。

(アナウンス)おかけになった電話は
電源が入っていないため

かかりません。
(幹夫)チッ。

(幹夫の祖母)《この中には
絶対 入ったら駄目よ》

あのとき 兄ちゃんも一緒にいた。

♬~

♬~

♬~

《お兄ちゃん》

《学校 うまくいってないの?》

《高校生活なんか もういい》

《もっと もっと 先に》

(幹夫)これが兄ちゃんの顔だ。

何で間違えてたんだ?

(幹夫)
《兄ちゃんは 本当の兄ちゃんは

あのとき 運ばれていた
あの人だ》

《じゃあ
俺が見ていたアイツは 何だ?》

《見えていたはずのものが
違ったものに見えてくるよな》

《このプロペラが 回りだしたら
ただの円に見えるように》

《そして 元の形は思い出せない》

♬~

♬~

兄ちゃんなんだろ?

これ 兄ちゃんも使ってたのか?

(せき)

幹夫…。

駄目だ。

あの中には入るな…。

えっ?

(せき)

俺は
高校生活から逃げ出したくて

あの扉の中に入り
何度もスキップした。

最初は1週間

その次は1カ月

そして しまいには

もう
この世界そのものが嫌になって

10年後にスキップした。

(和樹)そして
あの扉から出たら ここにいた。

ここは10年後の世界だ。

(和樹)
でも 俺は だまされていたんだ。

だまされていた?

俺はスキップしたんじゃなかった。

時間を飛んだわけじゃなかった。

俺は その間の人生を

乗っ取られてたんだ。

アイツに。

あの日
俺は 家の前で お前に会った。

でも お前は

まったく
俺のことを覚えていなかった。

10年間 俺は ずっと アイツを

兄ちゃんだと思い込んでた
ってことか?

俺の人生は盗まれた。

だから… だから 俺は絶望して…。

飛び降りたのか?

(和樹)きっと 親父が死んだのも
アイツのせいに違いない。

(和樹)《親父? 親父!?》

《親父!》

おっ 親父も?

(和樹の せき)

あっ…。

幹夫…。

あの扉は 開けちゃ駄目だ。

(せき)

(和樹)うっ…。

兄ちゃん?

兄ちゃん! 兄ちゃん!

(少女)大坂さんと話した。

それは 世界を変える情熱だった。

(大坂)私は テニスプレイヤー。

でもそれは 私のすべてではない。

テニスは 私の情熱。

自分を表現できるし

テニスとともに生きていける私は 幸せだ。

でも テニスがすべてではない。

はっとした。

世界をよりよくすることにも
同じくらいの情熱がある。

幸せではない人や 不公平なことを見て

沈黙する人がいようと

私は黙っていることはできない。

私の情熱を スポーツを愛する人たちに

そして 世界中の人たちに届けたい。

きっと 理想は 現実になる。

世界を 元気に。 くらしを 理想に。

(幹夫)あっ…。

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~

(叫び声)

やめろ!
俺の人生は 俺のもんだ!

(アイツの叫び声)

(アイツの叫び声)

≪(彩花)あなた 大丈夫?

(幹夫)彩花ちゃん?

どうしたの?
ちゃん付けなんかして。

大学のころみたいで 懐かしい。

パパ 大丈夫?

パパ?

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~

あなたは
本当に あなた自身ですか?

≪(教師)
そこ いつまで立ってるんだ。

座りなさい。

では 始め。

学生時代
テストが苦手だった人も

多かったことでしょう。

解けない問題に
出合ってしまったとき

あなたは どうしました?

う~ん。
確かに これは 難しい問題です。

(チャイム)
(河本)お前ら 席 着け。

今日は みんなに
悲しいお知らせがある。

知ってのとおり わが校は
県内随一の偏差値の低さを誇り

大学進学率は 創立以来 一桁。

先生たちは 少しでも
学力の底上げをしようと

毎朝
簡単な小テストを実施してきた。

中学生… いや 一般常識レベルだ。

それなのに

とうとう このクラスから
0点が出てしまった。

0点とか どんだけ~。

(生徒たち)どんだけ~。

宮本 明日香! お前だ。

私?

(明日香)えっ 待って。

今日のラッキーナンバー 0なんですけど。
(義彦)お~ いいこと あんじゃね?

(河本)
ふざけるのも いいかげんにしろ!

ガチギレじゃん。
(河本)このままじゃ

お先 真っ暗だぞ。

真面目にやります…。

♬~

コインを投げるって おさい銭箱?

願いが かなうって
ガチエモじゃん。

♬~

♬~

(明日香)ヨッシー おは。
(義彦)おは~。

行くべ。
(明日香)行くべ。

今日も小テストか。 なえる~。
(義彦)なあ。

あれ?
こんなとこに 道 あったっけ?

(明日香)ホントだ…。

(義彦)よし!
(明日香)えっ やだ!

行くの?
(義彦)行くよ。

(義彦)はあ…。

画数 多くね?
(明日香)一文字も読めないね。

まっ いっか。 行こ。

(義彦)よし 行こう!

行くの?
(義彦)おう。

(明日香)えっ…。
(義彦)早く。

おう。

(明日香)待って ちょっと。

よいしょ。 お~!

せっかくだから 明日香が

小テストで
100点 取れますようにって

お願いしてこうぜ。
(明日香)別に いいよ もう。

先生 ぶちギレだったじゃん。
神頼みしとけって。 なっ?

(明日香)え~…。
(義彦)ほら。 よっしゃ。

♬~

朝の小テストで
100点 取れますように。

(義彦)ように。

やっぱ
神頼みとか無意味じゃ~ん。

(河本)宮本 静かにしろ。

さい銭分の御利益しか
くれないとか ケチな神様。

♬~

♬~

(義彦)あ~。
(明日香)やっと終わった~!

よし。 カラオケ行こう。

(義彦)えっ?
あっ 俺 金欠なんだよね。

明日香んちは?
(明日香)えっ?

外 寒いし。 お願い。

(内村)誕生!
「リセッシュ プロテクトガード」

新しい 「リセッシュ」は

消臭・除菌 さらに抗ウイルスまで!

だから! お仕事前に!

お出かけ前に!

着る前に! 「リセッシュ プロテクトガード」を
シュ! としておけば!

ほら こんなに違う!

12時間
ず~っと 抗ウイルス!

「リセッシュ プロテクトガード」!

(義彦)明日香んち 入るの
何げに 初だよな。

(明日香)うん…。

ただいま…。
(昭雄)やっぱり 男と

会ってたんだな!
(弘子)人のスマホ 勝手に

見ないでよ!
(昭雄)誰だ この 本田 浩二って!

家計を助けるために
パートで働くとか 言っといて

男をつくりに行ってたのか!
(弘子)そっちこそ

何で
こんな時間帯に うちにいるのよ!

嫌な予感がしたから
仕事を抜けてきた。

案の定だったな!
(弘子)そんなことしてるから

万年 リストラ候補で
家計が苦しいんでしょ!

(明日香)行こ。
(義彦)えっ… 入っていいの?

(昭雄)それ言っちゃ 駄目だよね?
それ言っちゃ 駄目だろ!?

(弘子)言ってみなさいよ!
携帯 返しなさいよ!

(昭雄・弘子の怒鳴り声)

何か 俺 タイミング悪かった?

いいの いつものことだから。

パパ
浄水器の販売してるんだけど

全然 売れなくて
いらいらして 家族に当たるし

ママ 不倫してるし。

そっか…。

あっ 隣の部屋は?

慶介。 双子のお兄ちゃん。

(明日香)高校受験 失敗してから
引きこもっちゃって。

それまでは 毎回 100点 取る
わが家 自慢の 優等生だったのに。

(義彦)
優等生? えっ 双子だよね?

出来が違うの。
慶介はね こんな点数 取らない。

(明日香)えっ? 嘘。
めちゃくちゃ適当に書いたのに。

プッ。 「ガチエモ」って。

(明日香・義彦の笑い声)

≪(壁をたたく音)

まっ ひどい点数には
変わりないんだけどね。

そっか…。

どうりで 家族の話
聞いたことないと思った。

黙ってて ごめんね 彼氏なのに。

(義彦)しゃっ!

コンビニで
肉まん 買ってきちゃる。

えっ? 金欠なんじゃないの?

明日香のためなら 俺の全財産
120円 くれてやらあ。

しゃっ!

あ~! もう そういうとこ 好き!

♬~

♬~

(呼び出し音)

もしもし ヨッシー?
まだ コンビニ?

(義彦)
ごめん。 俺 今 超忙しい。

日本の未来をどうするかで
頭の中 マックスだから。

えっ 肉まんは?
(通話の切れる音)

(通知音)

ヤバい?

速報です。

先ほど 首相が 突然 交代し
吉田内閣が誕生しました。

え~ 日本を
アゲていきたいと思いま~す!

え~!?

(生徒)うちのクラスから
首相 出ちゃったよ。

(生徒)えっ てか アメリカも
今 ヤバいことになってんじゃん。

(生徒)それな。
(生徒)マジで ヤバいよ。

(生徒)ねえ 明日香
大統領 行方不明だって。

(明日香)うん…。
(生徒)聞いてる?

≪(戸の開く音)
≪(河本)は~い 席 着け。

(明日香)先生 先生 先生 先生!

ヨッシーは?
(河本)あ~ 吉田首相は休みだ。

公務で忙しいらしい。

それより 宮本 すごいじゃないか。

そんなこと どうでも…。

(河本)この調子で 頑張れ。

なぜ…?

《朝の小テストで
100点 取れますように》

《ように》

いや まさか…。

(生徒)《大統領 行方不明だって》

(明日香)いや…
そんなわけないから。 ねっ。

♬~

♬~

(生徒)あっ
ヨッシーが また ヤバいって。

(生徒)何 何…?

(生徒)えっ マジで?
(生徒)首?

嘘でしょ…。

(明日香)
私のテストが100点になるように

世界の方が変わっちゃうんだ。

♬~

よかった~。

数学なら
変なことになんないよね。

(義彦)あ~…。

(明日香)ヨッシー!

明日香…
俺 1日で 首になっちったよ。

そんなの どうでもいいから。
はい 立って。

行くよ! 大変なんだから!

(義彦)つまり
明日香を100点にするために

テストの結果が
現実になるってこと?

すげえじゃん!
エスパー明日香じゃん。

(明日香)私の力じゃないよ。

あの 変な神社に
お願いしてからだもん。

(義彦)ねえねえ ねえねえ
その力って まだ 生きてんの?

ちょっと やってみてよ。
(明日香)えっ? 怖いんだけど。

じゃ できるだけ しょぼいやつね。
(義彦)うん。

(義彦)
ヤバい ヤバい ヤバい ヤバい…。

(明日香)
何? まだ 何もしてないよ?

スカイツリーが揺れてる!

ハハハ…。

(アナウンサー)緊急速報です。

構造上の欠陥が発覚し

スカイツリーが
倒壊の危機に見舞われています。

専門家によると
設計時の単純な計算ミスが

原因とみられており
復旧に向けた作業…。

計算ミス? あ~!

(義彦)あれ? どこ行くんだよ。

先生! 先生… 先生 先生!

けさの小テスト 採点した?

おう さっきな。
今回も100点だったぞ。

うわ~! これが100点パワー?
半端ね~!

ヨッシーも 解くの手伝ってよ!

(義彦)あ~…。
(明日香)先生 先生 お願い。

えっと 円のやつで 何だっけ?
あの パイの実的なやつ。

円周率な。 3.14。

(明日香)OK OK おけまる。

早く早く 早く早く…!
(明日香)分かんないよ~!

(義彦)もう…。
(明日香)待って。

1.4cm…。

(教師)あっ…。
(河本)おっ…。

(明日香)えっ!?
(義彦)あ~!

(明日香)ん~…。 えっと…。

あれは?
えっと 5 掛け 5 掛け…。

これで どうだ!

(正解音)
(教師)止まった?

あ~…。

助かった…。

あれ? ない。 何で?

あったよね? ここに。
(義彦)何ていう神社だっけ?

(明日香)
えっ… めちゃ 画数 多いやつ。

調べようがねえじゃん。
(明日香)え~?

もう これじゃ
お願い 取り消せないよ!

(義彦)もう
いっそ 全部 白紙で出すとか。

空欄は駄目。 ヤバいから。
(義彦)えっ?

もう どうすんの?

よし 分かった。

取りあえず 勉強しろ。

明日香の頭に
世界の命運が懸かってる。

世界 守るためだもん。
やるしかないっしょ。

大丈夫だよな? 勉強したんだろ?

頼むから 大ごとにならないで~。

(通知音)

出た ニュース速報。

何だって?

「世界各国のスーパーで
ドリンクの買い占め 殺到」だって。

それって テストに関係あんの?

ただいま~。

(昭雄)やったぞ 明日香!
リストラをまぬがれた~!

ハハハハ…!
(明日香)えっ?

いや 突然 深刻な
ミネラルウオーター不足になってな

みんな 水道水を飲むために
浄水器がバカ売れしてる!

ハハハハ…!
(明日香)ミネラルウオーター?

違ったのか~!

(昭雄)んっ?
(明日香)正解 調べなきゃ。

(昭雄)何? おっ おいおい…
明日香 明日香 明日香 明日香…。

今夜は
久しぶりに 寿司でも とるか。

(明日香)寿司?
(昭雄)おう。 早く 着替えてこい。

ママには内緒だぞ。

ハハハハ…。
(明日香)いや でも 世界が…。

うん。 うまっ。

あ~。

俺も こんなに うまい 発泡酒は
久しぶりだ。 ハハハハ…。

もう一本 いっちゃおう。
もう一本。 ハハハ…。

お父さんの会社も もうかるし
このままで いっか。

≪(ドアの開閉音)

(昭雄)お前の分は ないぞ。

てっきり 今夜も遅くなると
思ってたんでな。

どうせ
本田 浩二と 食ってきたんだろ。

(弘子)ハァ…。

明日香 お風呂は?
(明日香)沸いてない。

(昭雄)せっかくの寿司が台無しだ。

♬~

(アナウンサー)世界各地で
ミネラルウオーターを巡って

暴動が起きています。

全国のスーパーマーケット…。
(明日香)えっ…。

(ニュース速報の音)

(アナウンサー)
世界各地で起こっていた

ミネラルウオーターを巡る暴動が
収束しました。

繰り返し お伝えします。

世界各地で起こっていた
ミネラルウオーターを…。

この力 使えば
ママの問題も どうにかできる?

♬~

♬~

≪(弘子の泣き声)

(弘子)
私にもバイト先にも黙って

宇宙飛行士 やってたなんて…。
(アナウンサー)本田さんは

「本田 行きます」と…。

大気圏外に行っちゃうなんて
ひど過ぎる~。

今日は 豪勢だな。
何かあったのか?

(弘子)
パパのリストラが なくなった

お祝い
してなかったな~と思って。

色々 ごめんなさい。 やっと
パパのありがたさに気付いた。

(昭雄)んっ?

本田 浩二と 別れたらしいよ。

乾杯!
(弘子・明日香)乾杯~!

あ~ うまい。 ハハハハ…。

すごいな 今日の料理は。
(弘子)食べて 食べて。 でしょ?

ほら もっと飲んだら? パパ。
(昭雄)おう。 やっぱ あれだな。

飲んだら?
(昭雄)おっ… ありがとう。

次は ラスボスだ。

≪(物音)

≪(慶介)何すんだよ!

≪(昭雄)
「何すんだ」じゃないだろ!

人が挨拶してるのに
ドアを開けないからだ!

だからって 普通 鍵 壊すか?

「休日の朝は
家族と 顔を見て あいさつする」

国民の義務だろ!
(明日香)駄目だったか…。

(慶介)出てけよ。
(昭雄)慶介!

いったい いつまで
こんな生活を続ける気だ!

高校も行かず
一生 ここに閉じこもってるのか。

お前には 期待してたんだがな。

期待を裏切って 悪かったな!

親父の言う進学校も 受験したよ!

でも…。

たった一回
受験に失敗したぐらいで

バカバカしい。
(慶介)「たった」って 何だよ!

その たった一回で
人生 変わるんだよ!

そうだよ。 親父の言うとおり
バカバカし過ぎて

何もかも
どうでもよくなったんだよ。

慶介…。

甘えるな!

いつまでも
すねを かじらせるわけには

いかないんだぞ!

俺だって
また リストラ候補になったし…。

えっ?
(弘子)何ですって?

また?

チッ。 何回なれば 気が済むのよ!

おっ… お前だって
別の男と会ってるくせに。

もう一人 いたの?
(弘子)あなたが

綱渡りみたいな生活
させるからでしょ!?

お前も お前も
人のせいにするな~!

もう 知らん!

(弘子)何よ!

何にも うまくいってないじゃん。

テストの力で 表面だけ変えても
本人が変わんなきゃ 意味ない。

このドアは
自分の力で開けなきゃ。

≪(物音)

≪(ノック)

(明日香)
慶介 勉強 教えてくんない?

慶介 聞こえてる?
(ノック)

にゃろ~ 暇人のくせに。

まっ でも
向き合うって決めたもんね。

はい。 じゃあ まず 日本史から。

第1問。

「大航海時代に 種子島に漂着した
ポルトガル人から 伝来したものは」

ガラケー?

いや もっと古いやつか。

ねえ 慶介
大航海時代って いつかな?

大航海時代だよ?

慶介なら知ってるでしょ?
(ノック)

(義彦)だから ニューヨークで

株が大暴落しました。
(明日香)ヤバいじゃん…。

(明日香)今日 国語ね。

「夏目 漱石 芥川 龍之介」

「島崎 フジムラ」

えっ?
1 2 3 4… 4人じゃん。

「島崎 藤村」だろ バカ。

(明日香)今日は 数学。

(明日香)
私 一番 数学 苦手なんだよね。

「一辺が4cmの正方形ABCDの
周上を

点Pが 頂点Bから移動し…」

出た 移動する点P。
マジ こいつ 何なん?

おとなしくしといてくれよ。

駄目だ。 マジ 意味不だわ。
一回 飛ばそう。

(慶介)一次関数。

えっ?

えっ 何て?

一次関数。 中学で習ったろ。

(明日香)教えて お兄たま!

もう一回 よく 問題 見てみ?

はい。

(明日香)「一辺が4cmの
正方形ABCDの 周上を

点Pが 頂点Bから移動し
A D Cの 順に 毎秒1cm…」

♬~

解けた。

慶介 ねえ 解けた。

やった~! 大正解~!

解けたよ 慶介! ハハハ…。

(明日香)マスカラ よし。

ネイルも よし。 完璧。

(河本)始めて。

(明日香)やった やった。

慶介~
見て 見て 見て 100点だよ!

ずるしてないからね。 ガチだから。

私に 100点 取らせるなんて
神にしか できないからね。

さすが 慶介。

ねえ ありがとう。

あと…。

今まで 独りにして ごめんね。

ここ 開けて。

慶介にも 100点 見てほしい。

(昭雄)納豆 パンに付けて
食べるの うまいのか? それ。

(明日香)おいしいよ。

やってみてって言ってんじゃん 一回。
(昭雄)いいよ パパは。

(弘子)黙って食べなさいよ 早く。
時間ないわよ。

≪(ドアの開く音)

おはよ。

おはよ。

あっ おはよう。
(昭雄)おはよう。

(弘子)
朝ご飯 準備するから 座って。

(昭雄)一緒に食べるか? んっ?

フフ…。
一緒に食べよう ほら。 なっ?

(義彦)明日香 めっちゃ機嫌いいな。
(明日香)まあね~。

慶介に 全部 賢さ 持ってかれたと
思ってたけど

私も やれば できんじゃん。

じゃ 世界の平和は任した。

待って。 それは無理。
(義彦)だよな。

もう一回
あの神社に行けるといいんだけど。

まあ
取りあえず 周辺の神社 捜して…。

(通知音)

(義彦)んっ?

これ…。

(明日香・義彦)あった!

(明日香)ガ… ナギ?

(義彦)ガ…。
(明日香)チ?

ガチエモ神社だ!
(義彦)えっ? 読めんの?

(明日香)慶介に
漢字も教えてもらったから。

これで お願い 取り消せる!

(明日香)もう 不思議な
テストの力は いりません!

普通に戻してください!

(義彦)何も起こんないな。
(明日香)え~?

もう どうすれば キャンセルできるの!?
≪(チャイム)

ヤベッ。 ひとまず 学校 行こう。
(明日香)え~? でも…。

(明日香)あの神社 神出鬼没だから
早く 何とかしなきゃ。

(河本)はい 始めて。

♬~

(明日香)《コインを入れるって
おさい銭箱?》

分かった!
(河本)分かったんなら 座って解け。

(明日香)もう 全部 解きました!
(河本)宮本!

(戸の開閉音)

(明日香)やっぱり
あれ 取り除かないと 駄目なんだ。

(河本)はい そこまで。 回せ。

♬~

(昭雄)いい学校 行って
いい成績 取ってなんて

表面的な価値ばかり
求め過ぎていたんだな。

俺も 一度の失敗 引きずって
この世の終わりみたいに…。

バカだったよ。

(弘子)フフ…。

(明日香)んっ!

ん~…。

(明日香)入った。

♬~

明日香には 俺と同じ過ちを
犯してほしくないから

帰ってきたら 俺の人生の教訓
教えてやんないとな。

俺は 気付かなかった…。

表に見えてるものだけが
全てじゃない。

(明日香)いけ。

あっ やった!

テストには…。

裏があるって。

♬~

♬~

♬~

誰かの運命など

われわれに解けるような問題では
ありません。

これは いけませんね。

カンニングペーパー
ってやつでしょうか?

「べ ぴ べ む に か」

さっぱり
私には 意味が分かりません。

♬~

(賢一)
はいはい。 大丈夫 大丈夫。

うん。 もう やってるよ。

いや もう ケンカとかじゃないから
大丈夫だよ。

うん。 うん。
心配しないで大丈夫。 うん。

こっちは順調。 母さんは?

腰 少しは良くなった?

片付けろよ。

んっ?
だから 大丈夫だって。 うん。

はいはい。 お大事に。

(バイブレーターの音)

♬(音楽)

(祐樹)「ふっかつのじゅもん」?

♬(音楽)

♬~

(良介)取りあえず 武器屋に行って
新しい武器 見ようぜ。

(良介)次はね じゃあ 「たたかう」

(祐樹)OK。
(良介)「じゅもん」かな。

(祐樹)「じゅもん」かな これ。
(賢一)誰だ?

(良介)「ベホマ」 けんいち。
(祐樹)OK。 OK。

(賢一)祐樹 友達?

(祐樹)
うん。 さっき 友達になった。

(賢一)さっき?
(良介)おっ。

ケンチ 遅いよ。 もう
ケンチの番は 祐樹の後だからね。

えっ? ケンチ?

(祐樹)あれ?
これ どっち行ったらいいの?

(良介)そこは 左かな。
ロンダルキアへの洞窟は

敵 強いから 気を付けて。

(祐樹)うん。
(賢一)ごゆっくり。

(祐樹)あっ 落とし穴。
(良介)それ 落ちて 大丈夫。

(祐樹)OK OK…。
(良介)そうそう。 次はね 右かな。

OK。
(良介)右。 で そのまま真っすぐ。

お~。

こんなとこに あったのか。

(賢一)新聞?

(祐樹)ねえねえ。
おなか すいたんだけど。

(賢一)あれ? 友達は?

(祐樹)さっき
「用事がある」って言って 帰ったよ。

ふ~ん。

じゃあ そろそろ
晩ご飯でも買いに行くか。

(祐樹)うん。
(賢一)よし。

(賢一)
えっ? 知らない子だったの?

(祐樹)うん。 何か ゲーム始めたら
いつの間にか 横にいて

友達みたいに
話し掛けてきたんだよ。

(賢一)マジか。
(祐樹)パパも知らないの?

パパのこと あだ名で呼んでたから
知ってる子なんだと思ってた。

そうなんだよ。

あの子 ケンチって言ってたよな。

(祐樹)さっき ゲームやっててさ
最後の最後で シドー?

とかいう敵に やられて
死んじゃったんだよ。

僕も悔しかったけど
あの子 すっげえ悔しがっててさ。

まあ でも ゲームなんだから
あした また やれば いいじゃん。

(女性)子供が 川に落ちて
流されるのを 見た人がいてさ

みんなで 声 掛けて
捜してんだけど

何か 全然 見つからないらしいよ。
(女性)えっ 見つからないの?

やだ。 だから あそこに
あんなに いるのね。

(男性)
だから 何度も言ってるでしょ。

黄色の服を着た
男の子だったんですよ。

その子が あっちに流れていって…。
(賢一)黄色い服?

(男性)地域のニュースを
お伝えします。

今日 午後4時40分ごろ
清田郡 丹羽村の 丹羽川で

小学生ぐらいの子供が
溺れていると 近くに住む…。

(祐樹)これって やっぱり…。

まだ 見つかってないから
何とも言えないよ。

(男性)身長140cmぐらいで

黄色いTシャツを
着ていたとのことで…。

もう遅いから そろそろ寝な。

(祐樹)うん。 おやすみ。
(賢一)おやすみ。

♬~

(賢一)「34年前」

♬~

♬~

(賢一)《学校で撮られた写真に
あの子供がいた》

(賢一)《その隣には
小学生の自分が写っていた》

(賢一)《そして
同じクラスだった 妻の美紀も》

(賢一)《思い出してきた》

《良介は 学校でも人気者で
俺も 仲が良かった》

《何で
今まで 忘れてたんだろう?》

《今日 うちにいたのは
ホントに あの良介なのか?》

「ごめんなさい」

♬(音楽)

(賢一)ホントに これ 入力したら
良介が現れたんだな?

(祐樹)
嘘だと思うなら やってみなよ。

♬(音楽)

♬~

(良介)取りあえず 武器屋に行って
新しい武器 見ようぜ ケンチ。

(祐樹)ほらね。

(良介)何やってんだよ。

ケンチが 教えてくれって言うから
来たのに

今日こそ 絶対 クリアするんだろ?
やんないなら帰るぞ。

良介…。
(良介)んっ? 何だよ?

どうなってんだよ これ。

やめろよ 気持ち悪いな。
ホントに帰るから。

分かった。 分かったから。

そんな焦んなって。

えっ… 武器屋って どこだっけ?

(良介)ハァ。

下 行って…。

あっ 違う。 そっちじゃなくて。

そう。 右下の方だよ。

そのまま 真っすぐ行って。

《何で 良介が復活したのか

ゲームをクリアできたら
分かるかもしれない》

(良介)よし。 いける いける。
(賢一)ベホマ。 よし。

(良介)よし。 うわ ヤバい ヤバい。
(賢一)うわ~。

えっ…。

《何で 時間なんか
気にしてるんだろう?》

(良介)りょすけと みきが 死んだ。
(賢一)えっ? どうする?

「ちからのたて」で回復して。

(賢一)あっ。
(良介)ケンチ 何やってんだよ!

(賢一)
ハァ…。 もうちょっとだったのに。

(良介)くそ!

やられちまったじゃん!

いや ゲームなんだし
また あした やれば いいじゃん。

俺 用事できたから 帰るわ。

ちょっと待って。
ちょっと待って。 ちょっと待って。

(良介)何だよ。 離してよ。

(賢一)もしかして
これから 川 行こうとしてる?

何で知ってんだよ。
(賢一)もう 夕方だろ?

何で 川なんか
行こうとしてるんだよ。

(良介)別に。 何だっていいだろ。

(賢一)こんな時間に
川なんか行かない方がいいって。

俺 家まで送ってくからさ。
(良介)やめろよ!

今日 行かないと
駄目なんだって!

(祐樹)大丈夫?
(賢一)いって…。

(祐樹)ねえ あの パパ…。
(賢一)良介!

(祐樹)ねえ パパ!
(賢一)何?

(祐樹)手が 何か 変なんだけど!
(賢一)手? 何が?

(祐樹)さっき
パパと良介が話してたとき…。

(賢一)ちょっと ごめん。
後で話そうな。

(賢一)良介!

やめろ!

(良介)よし。

(賢一)良介 戻ってこい!

来るなよ! 帰れって!
(賢一)危ないんだって!

落ちて流されるぞ!
(良介)大丈夫だよ!

このぐらい平気だし。

おっ…。
(賢一)ちょっと 待てって。

このままだと また…。 よし。

(良介)何してんだよ ケンチ。
こっち来るなって。

(賢一)もう 跳ぶなよ。

今 行くからな。

駄目なんだよ!

ホントはさ 今日
ケンチの家で シドーを倒して

ゲーム クリアしてさ それで…。
(賢一)ゲームは

また あした やれば いいだろ。

あしたじゃ駄目なんだよ!
今日じゃなきゃ。

だから
代わりに おまじないしないと。

おまじないって… 何だよ? それ。

(良介)
ケンチが教えてくれたやつだよ。

俺が?
(良介)この前 言ってたじゃん。

この飛び石を渡って あそこの
お社で おまじないしたら

願いが かなったって。

いや それは…。

(良介)俺 美紀に 告白したいんだ。

あいつ
あした 引っ越しちゃうからさ

だから 「うん」って
言ってもらえるように

おまじないするんだ。

(祐樹)うわ! パパ!

(賢一)どうした? 祐樹。

(祐樹)何だ!? これ!
(賢一)祐樹。

あっ… 駄目だって!

良介 良介 良介 良介…。

(祐樹)パパ!

こっちは 大丈夫!

(賢一)《俺のせいなんだよな…》

(同僚男子)まじ 遠距離とか尊敬するわ。
(同僚女子)大丈夫なん?
♬~仕事もあるし

(遥)全然 大丈夫!
♬~友達とかもいるから

♬~ずっと離れていても

♬~慣れっこだから

♬~あなたは全部

♬~知ってるのかな

♬~いつものように

♬~聞いてくる

♬~大丈夫か 嗚呼
<ひとのときを、想う。 JT>

(祐樹)あれ?

えっ?

電気 ついてる。

美紀。
(美紀)ちょっと

どこ ほっつき歩いてたのよ?

(賢一)
お前こそ 何で 急に来たんだよ。

2人だったら いつまでたっても
終わんないと思って 来てみたら

片付け 全然 進んでないし…。

ちょっと待って。

びしょぬれじゃない。
どこ行ってたの?

ちょっと 色々あって。

(美紀)
祐樹 そこに いるんでしょ?

(祐樹)は~い。

(美紀)ちょっと来て。

ゲーム 1週間 禁止って
約束したよね? 何? これ。

(祐樹)それは 僕じゃないよ。

(美紀)あんたじゃなかったら
誰なのよ?

えっ? もしかして パパ?

いや 違う…。 なあ?
(祐樹)うん。

あ~ もう もう! 早く
片付けの続き やっちゃうよ。

もう…。
(賢一)これから?

(祐樹)え~。
(美紀)そうよ。 服 脱いで。

ほら。 ぬれたまま 上がらないで。

(美紀)2階の片付け 終わった?

(賢一)うん。 ほぼ完璧。

(美紀)
お~。 やれば できるじゃん。

いや 美紀のおかげだよ。

来てくれて ホント 助かった。

お母さんのためです。

祐樹は?

眠そうだったから 先に休ませた。

あいつも
今日は 頑張ってくれたもんな。

(美紀)じゃあ そろそろ
私も 寝よっかな。

なあ。 ちょっと
聞きたいことがあるんだけど。

(美紀)何?

良介って 覚えてる?

石村 良介。

小学校で 同級生だった。

運動神経も良くて 勉強もできて

明るくて 友達も多くて
目立ってたよね。

やっぱり
そういうイメージなんだ。

(美紀)
女子の中でも 人気あったから。

あっ でも あの子って 昔…。

(賢一)うん。
川に落ちて亡くなったんだよ。

(美紀)かわいそうにね。

どうした?

(美紀)あっ…。

実はさ 他の人には あんまり
言ってなかったんだけど…。

私 この町を引っ越す前日に
学校で 良介君に 声 掛けられて

引っ越す前に会えないかって
言われたの。

で 次の日の朝だったら大丈夫って
答えたら

じゃあ 朝 家まで行くから
待っててって言われて。

でも 彼 私と話した後
川に落ちて溺れたんだってね。

私は ずいぶん たってから
友達に聞いたんだけど。

そういうことだったのか。

♬~

(賢一)《あのとき
川で 良介を止めようとしたら

祐樹の体が
消えそうになっていた》

(祐樹)んっ…。

(賢一)《つまり 良介を救うと
未来が変わってしまい

俺と美紀が結婚することはなく

祐樹も生まれてこない
ということなのか》

♬~

(賢一)《あの川を
眺めていたときに 思い付いた

簡単な嘘のつもりだった》

《勉強も 運動も 美紀のことも

何一つ勝てない良介に
嫉妬して それで…》

(良介)
ケンチが教えてくれたやつだよ。

この飛び石を渡って あそこの
お社で おまじないしたら

願いが かなったって。

(賢一)《あのとき
俺は すごく後悔した》

《でも もう
二度と やり直すことはできない》

(賢一)
《だから 忘れようとした》

《このまま 忘れてしまった方が
いいのかもしれない》

(賢一)《でも 俺は

やっぱり もう一度 良介に会って
ホントのことを伝えたい》

《それが 心の奥底にしまっていた
俺の願いなんだから》

♬(音楽)

♬~

(良介)取りあえず 武器屋に行って
新しい武器 見ようぜ ケンチ。

ああ。
今度こそ 絶対 クリアしような。

おっ おう。

よし。
今日こそ シドー 倒そうぜ!

(賢一)おう。

よし…。

(賢一)左でしょ?
(良介)うん そうそう そうそう。

そのまま…。 うわ。
(賢一)うわ! うわ~ ヤベえ。

4匹もいる。
(良介)逃げて 逃げて 逃げて。

回りこまれた。
(良介)うわ。

(良介・賢一)うわ!
(賢一)あっ うわ ヤバい。

ヤバい。 もう 代われ 代われ。

(良介)これこれ これこれ。
ハーゴン めっちゃくちゃ強いから。

頑張って 頑張って。
いける いける。

あっ! 強い。
(良介)強過ぎる。

(賢一)よし! よし よし。
(良介)よっしゃ。 よしよしよし。

(良介・賢一)お~!

(良介)やった!
(賢一)よっしゃ。 やった。 よかった。

(良介)よっしゃ。
(賢一)よし。

(賢一・良介)「じゅもん」

(良介)で 「ベホイミ」
(賢一)え~っと 「ベホイミ」 え~っと…。

(良介)りょすけから。
(賢一)うわ~! ヤバい。

(良介)大丈夫。 回復して。

ここ 乗り切ったら
あとちょっとだよ。

(賢一)
《良介は シドーに負けたせいで

川に行って
おまじないをしようとしてた》

《だから ここで勝てば
こいつは 川に行かなくて済む》

どうした?

ここで…
ここで負けるわけにはいかない。

♬~

(賢一)よし! いけ!
(良介)よしよし… いける いける。

頑張って 頑張って。
(賢一)うわ… あっ。 いけ。

あっ!

やった…。 クリアできた。

(良介)やったな ケンチ。
よかったじゃん。

ケンチ?

(賢一)これで
心置きなく 美紀に告白できるな。

何で 知ってんだよ?

良介
今日は 真っすぐ 家に帰って

あしたの朝
美紀に会いに行くんだぞ。

でも 俺 やっぱ 自信ないよ。

何 言ってんだよ。 良介なら…。

あっ。
そういえば あの おまじない。

いや… それ 違うんだよ。

今なら まだ間に合うかも。
俺 行ってくる。

良介。 良介…。 あっ…。

良介!

(賢一)
《ゲームは クリアできたのに

何で 良介の行動は
変わらないんだ》

(賢一)
良介 やめろ! もう 跳ぶな!

大丈夫だよ。 こんなの平気だし。

(賢一)
良介… 良介… 嘘だったんだよ!

えっ?

(賢一)良介!

(賢一)《忘れてしまった方が
いいのかもしれない》

(祐樹)パパ!
(美紀)引っ越す前に会えないか

って言われたの。
(賢一)ゲームなんだし

また あした やれば いいじゃん。
(良介)あしたじゃ駄目なんだよ!

今日じゃなきゃ。

(良介)ケンチ。

(賢一)《俺のせいなんだよな…》

♬~

(賢一)大丈夫か?

(良介)うん。 ちょっと 寒いけど。

(良介の くしゃみ)

よかった。

(良介)
さっきの… 嘘って 何なの?

俺の おまじないの話。

あれ 嘘だったの?

(賢一)だって あのときの俺が
こんな川 渡れるわけないし

おまじないなんて
できっこないよ。

(良介)そっか。

俺さ

勉強も 運動も 遊びも

何でも 人よりできちゃう
良介が

すっげえ うらやましくて

それで
つい あんな嘘 ついちゃったんだ。

でも その後 すっごい後悔して
すっごい苦しくて…。

ごめん。

嘘ついちゃって ごめんなさい。

(良介)分かったよ。

分かったから
あした 駄菓子 おごれよな。

うん。 いいよ。

1個じゃ駄目だからな。
100円分ぐらいだよ。

分かった。

一緒に行こうな。

(良介)♬「指切りげんまん」

(賢一・良介)♬「嘘ついたら
ハリセンボン の~ます」

♬「指 切った」

♬~

(賢一)
《良介は死なずに済んだ》

《ということは 未来は
変わってしまったんだろうか?》

(賢一)《もし そうなら…》

どっか行ってたの?

(祐樹)
えっ? どうしたの? パパ?

≪(美紀)朝から 何やってんの?

(美紀)ちょっと… 何して…
えっ? どうしたの?

どうしたの?

♬~

♬~

フッ…。

卒アルなんて見て
何 にやにやしてんのよ?

どうせ 好きだった女の子 見て

今ごろ どうしてんのかな?
とかって 妄想してたんでしょ?

誰かな? まさみ? ようこかな?

あのさ 小学校のときさ
美紀が引っ越しする日

この良介に 告白されたでしょ?

何よ? 急に。

えっ どうなの?

告白なんて されてない。

そうなの?

確かに 引っ越す前に 良介君から
会いたいって言われたけど

でも 結局 来なかったのよ。

後から聞いたら
前の日に 川に落ちて…。

えっ?

ぬれちゃって
風邪ひいちゃったんだって。

あっ… そういうこと。

(美紀)フッ… 何よ。
いきなり 変な話 しないでよ。

(美紀)
うわ~。 あっ これ 懐かしい。

これ やったな~。

ねえ このゲームの話 したの
覚えてる?

(賢一)合コンのときでしょ?
(美紀)フフフ そうそう。

この話で盛り上がったのが
運の尽きだったな。

何だよ それ。
そんなこと言うなよ。

(賢一)
あ~ フ~した方がいいのに。

(美紀)懐かし~。

これ 買うとき めっちゃ並んでさ。

♬(音楽)

あなた 誰?

君は… 誰?

えっ?
(美紀)あっ…。

♬(音楽)

あ~…。

失敗しても
何度でも やり直せるのが

ゲームの いいとこですね。

死んでしまっても また
すぐ 復活できるわけですから。

≪(物音)

(ゲームの音声)

≪(物音)

やれやれ。

やだ。 どこで…。

もう
せっかく 安いとこ 回ったのに…。

んっ?

♬~

何? これ。

(リポーター)最近
幸運な出来事が続いていると

話題の主婦 田村 文江さんです。
(田村)きっかけは

ただ 卵を買っただけなのに
もう びっくり!

卵?
(克彰)んっ?

ママ どうかした?

(亜美)んっ? あっ ううん。 何も。

(夕子)もう また 宝くじ?

どうせ 外れるのに。
(亜美)いいの。

ママの唯一の趣味なんだから
ほっといて。

え~っと…。

(少年の声)6 5 7。

(亜美)何か言った?
(克彰)んっ? 何も。

どうしたの? 何か 変だよ 今日。
(亜美)ううん。

あっ ヤバッ 時間。
いってきま~す。

俺も。 いってきます。
(亜美)うん。 いってらっしゃ~い。

(田村)
まさに 幸運の金の卵ですよね。

(リポーター)すごいですね。
ここまで幸運が続くと

本当に 幸運の金の卵ということに
なりますよね。

(田村)そうですよね~。

《宝くじ 当たっちゃった》
(克彰・夕子)《えっ?》

《何? それ。
ママが 一番 ラッキーじゃん》

やっぱり…。

(アナウンサー)昨夜 午後10時ごろ
新宿区の路上で 乗用車が暴走し

5人の死傷者を出した事故の
続報です。

(亜美)えっ?

えっ?

(アナウンサー)続いてのニュースを
お伝えします。

昨日 午後4時ごろ

練馬区の住宅で
主婦の 田村 文江さん 49歳が

死亡しているのが
見つかりました。

現場の状況から 金の卵を狙った
強盗致死事件として

捜査しています。

あっ…。

(亜美)
キャッ! どっ… どうしたの?

≪(チャイム)

≪(ノック)

俺が見てくるよ。

(亜美)もしもし?

(少年の声)
来たんだ 僕が 奪われる日が。

奪いに?

(アナウンサー)田村さんですが
殺害される数日前から

不審者が 家の周りを
うろうろしていると 周囲に…。

(克彰)物騒だよな。
(アナウンサー)警視庁は 田村さんが

トラブルに巻き込まれていた
可能性があるとし…。

近隣住民への聞き込みを…。
(克彰)戸締まり 気を付けて。

いってきます。

(アナウンサー)続いてのニュースです。
(ドアの開閉音)

≪(鶏の鳴き声)

キャッ!
(鶏の声)返せ。

嫌よ。

これは もう 私のなんだから。

(鶏の鳴き声)

(鶏の鳴き声)
(亜美)あっ… うっ。

♬~

♬~

(亜美)卵は そこには ないわよ。

(夕子)いや 別に 卵なんて…。

あんたも
これを狙ってるんでしょ?

はっ?

てか 何? それ。
(克彰)何やってんだ?

こんな真夜中に。
(亜美)この子 私の卵を…。

(夕子)
ねえ 意味 分かんないんだけど。

ママ それ 何 持ってんだ?

しらじらしい。
(克彰)えっ?

(亜美)警官とグルになって
こそこそ嗅ぎ回ってたでしょ?

あんたも
この金の卵 幸運の金の卵を

狙ってんでしょ!?

幸運?

金の卵?
(亜美)とぼけてんじゃないわよ!

何が 幸運の金の卵だ。
バカバカしい。

確かに珍しい色だけど
ただの卵だよ。

幸運を呼ぶ力なんて
あるわけないだろ!

(夕子)
ちょっと やっ… やめてよ!

(亜美)う~!
(克彰)あ~!

(夕子)やめて!
(克彰)うっ…。

(夕子)パパ 大丈夫?

だまされない!

この卵は 絶対に渡さない!

(亜美)
大丈夫。 ママが守ってあげる。

(夕子)ねえ ママ。

(亜美)大丈夫。

ママが守ってあげる。

(克彰)おい 何だ これ!
(夕子)えっ?

(鶏の鳴き声)
(克彰)庭で見つけた。

お前 どうかしてるぞ。

信じらんない。

こっちに戻すから。

何 考えてんのよ!

ねえ。 そっ… そいつは…
この卵を奪いに来たのに!

(夕子)何 考えてんの? ママ。

キャ~!
(克彰)いいかげんにしろ!

あ~!

(亜美)大丈夫。
≪(ドアの開く音)

♬~

♬~

(鶏男の鳴き声)
(亜美)あっ! あ~!

うわ。 あっ あっ あっ…。

(鶏男の鳴き声)
(亜美)うわ! あっ…。

嫌… 嫌~! あっ…。

あ~!
(鶏男の鳴き声)

(階段を転げ落ちる音)

♬~

やだ… 来ないで…。

来ないで!

来ないで。 あっ…。

(ドアの開く音)
(警察官)やめなさい!

(亜美)何なのよ いったい。

それを渡しなさい。

これは もう…

私のなのよ~!

(卵の割れる音)

(亜美)んっ? えっ?
えっ… ちょ ちょ… 何?

えっ? えっ?
ちょ… ちょっと 放して! 何?

(夕子)私が呼んだの。
(亜美)えっ?

(亜美)あ~! あっ… あなた

昨日 おっ… 夫と一緒に あの…
卵 探りに来た…。

あれは ただの巡回連絡です。

えっ?

《最近 増えてるんです
バッグが奪われる被害》

(少年の声)
《僕が奪われる日が》

嘘よ!

みんな
これを狙ってるんでしょう?

これが 幸運の金の卵だから。

(夕子)そんなもの ない!

えっ?

(夕子)幸運を呼ぶ力なんて
あるわけないでしょ。

何よ…。

えっ?

えっ… えっ? えっ? だって…。

だって
確かに言ったの 金の卵が!

えっ? 「6 5 7」って。

あの あの… あの朝。

あの 宝くじに当たった
あの 「6 5 7」って あの…。

ママ それは…。

《6時57分。 6時57分》

《6 5 7…》

えっ? えっ… えっ?

たっ… えっ? 卵の… 卵の声?
えっ? たま…。

(物音)
(亜美)うわ!

♬~

♬~

《あっ… うわ~!》
《危ない! 危ない!》

《あ~…》
(克彰)《うわ! うわ!》

《あっ…》
(階段を転げ落ちる音)

(亜美)うわ~!

(夕子)こんな物のために…。

(夕子)んっ?

♬~

(警察官)
ケガはない? もう 大丈夫…。

(少年の声)大丈夫 大丈夫?

(夕子)大丈夫。 ママが守るわ。

いかがでしたか?

4人の主人公たちは
それぞれの冒険を経て

望んでいた宝物を
手に入れたようです。

さて そろそろ
私も ここを出たいのですが。

♬~

♬~

♬~

「べ ぴ べ む に か」

♬~

♬~

いや~
無事 抜け出すことができました。

皆さんも お気を付けください。

うっかりと 別の世界に
迷い込むことのないように。

いや もしかしたら
あなたの奇妙な冒険は

もう すでに
始まっているのかもしれません。

それでは
また お会いしましょう。