【土曜ドラマ】風の向こうへ駆け抜けろ(前編)[解][字] …のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜ドラマ】風の向こうへ駆け抜けろ(前編)[解][字]

新人女性騎手、芦原瑞穂(平手友梨奈)は、中央の競馬学校に進み卒業、プロデビューするが成績は上がらずにいた。そんな瑞穂に地方競馬で再デビューしないかと誘いが来る。

番組内容
新人女性騎手、芦原瑞穂(平手友梨奈)は中央の競馬学校に進み卒業、プロデビューするが成績は上がらず苦しんでいた。そんな瑞穂を迎え入れたのは、やる気のない調教師の緑川光司(中村蒼)と頑固で融通の利かないベテラン厩(きゅう)務員たちがいる廃業寸前の厩舎だった。瑞穂は地方競馬で騎手として再デビューするものの成績は上がらずいた。そんな中、緑川厩舎は馬主と瑞穂のいさかいが原因で馬を引き上げられ廃業の危機に至る
出演者
【出演】平手友梨奈,中村蒼,板垣李光人,小沢仁志,大地康雄,石井正則,降谷建志,奥野壮,高橋侃,玉置玲央,新津ちせ,剛力彩芽,池内博之,玉山鉄二,奥田瑛二
原作・脚本
【原作】古内一絵,【脚本】大森寿美男
音楽
【音楽】中島ノブユキ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. シーギリア
  2. お前
  3. 馬主
  4. 瑞穂
  5. 徳永
  6. 騎手
  7. 中央
  8. 先生
  9. テキ
  10. ベルフォンティーヌ
  11. 競馬
  12. 地方競馬
  13. カニ爺
  14. 月柴
  15. 鈴田
  16. 芦原瑞穂
  17. 今日
  18. レース
  19. 蟹江
  20. 自分

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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(瑞穂)<毎年 桜が咲く頃

日本中央競馬の伝統ある
クラシックレースが 開幕を告げる>

(ファンファーレ)
(実況)阪神競馬場 芝1, 600m戦

3歳牝馬 18頭によって争われます。

<馬としては乙女の
3歳牝馬だけが戦うグレードⅠ競走

いわゆるGⅠ 桜花賞。

私もいつか そんな大舞台に立ちたいと
強く願っていた>

(実況)スタートしました。
18頭 きれいにそろいました。

さあ 満開の桜のもと
向正面 先頭争いに入っていきます。

<競馬学校騎手課程
その中で たった一人の女子だった>

(瑞穂)貴士!
栗東の厩舎は楽しかった?

(佐々本)えっ?
実習から戻ってきて だいぶ 馬と

コミュニケーションとれるように
なったじゃない。

ますますレースが楽しみになってきた。

お前さ 何か勘違いしてない?
えっ?

俺は 瑞穂をライバルと思ったことは
一度もないから。

<私たちの3年間を締めくくる
模擬レースが始まる>

♬~

<私は 絶対に勝つ!>

全身に 約210個あります。

全身の中に 頭骨 脊椎 肋骨 胸骨 骨盤
脚の骨と分かれております。

<女子の私は 男子に勝って初めて
騎手の卵になれる>

<馬術なら絶対に負けない>

<馬には 子供の頃から
自分の家族のように接してきた。

馬は 私の味方だ。

あとは 私が強くなるだけだ>

ちょっと貴士!
ちゃんと本気でやってよ!

<絶対に負けない>

危ない!

(いななき)
うっ!

あっ… ううっ…。

<あ… あの人は…>

回想 おお 瑞穂。 お帰り!
ただいま!

<子供の頃 父の牧場に来ていた人だ>

<どこかの金持ちだとしか
思っていなかったけど

父を亡くし
叔父の家に預けられていた私を

あの人が迎えに来た>

<そして
ふるさとの福島の山に連れていかれ

なぜか私は 一緒に桜の木を植えた>

回想 この桜の木が
大きく育って 花が咲く時

君たちの 未来という花も
きっと咲く。

花を咲かせるように
自分の夢を育ててほしい。

それが 君のお父さんの願いだ。

お父さんの?
ああ。

君が夢を持てば お父さんは ずっと
それを見守るように生き続ける。

何度 散っても
また よみがえる桜のように

ここで 君の帰りを待ってくれる。

♬~

<競馬学校を なんとか卒業した私は
騎手としてデビューした>

<だけど いまだに1勝もできぬまま
2年がたっていた>

(男性)おい 瑞穂ちゃんよ!

いつまで お嬢ちゃんの乗馬クラブに
いるつもりだ!

かわいいだけじゃ
もう 誰も馬券は買わねえぞ!

<私は ただ女であるというだけで
目立つだけの存在になっていた>

<同期を 本当にライバルとは
呼べない立場になった>

(テレビ・佐々本)そうですね。
今日の重賞初勝利までの道のりは

とても 長かったです。

これからも 馬主さんや ファンの皆さんの
信頼に応えられるよう

これからも努力し続けてまいります。

今日は 応援
本当にありがとうございました。

<騎手は最初

中央競馬のトレーニングセンターにある
厩舎に所属し

プロとしての腕を磨く。

だけど 馬主からの騎乗依頼がなければ
レースに出ることはできない。

3年目になっても未勝利の私には
その依頼がめっきり減っていた>

(ノック)

失礼します。

(稲葉)芦原瑞穂です。

鈴田競馬場の大泉さんと
そこで厩舎を構えている緑川先生だ。

鈴田競馬場 ですか?

(大泉)はじめまして 広報課の大泉です。

お会いできて光栄です。

芦原瑞穂です。

あの もしかして
交流戦に出してもらえるんですか?

(光司)フッ…。

(稲葉)まあ… 座れ。
はい。

交流戦じゃない。

まあ 何と言うか この緑川さんとは
昔からの知り合いでな。

それで 俺に頼んできたんだ。

お前を欲しいと言っている。
えっ?

つまり 地方競馬に移籍して
頑張ってみないかって話だ。

稲葉先生 ちょっと待ってください。

それは どういうことですか?
まあ 落ち着け。

中央競馬じゃ もう駄目ってことですか?

私は もうクビってことですか!?

(稲葉)それは
お前が 一番よく分かってるだろ。

このまま うちに所属してても

馬主がお前を信頼しなければ
馬に乗せてやることもできないんだ。

思い切って地方競馬に移って
そこで活躍すれば

また中央に戻る道だってある。

(稲葉)緑川さんの厩舎が

お前を引き受けたいと
言ってくださっている。

泣くほど悲しいか 地方競馬は。

いえ… すみません。

(大泉)鈴田にはいないけど
地方競馬には 女性騎手も何人もいてね

勝てなくとも 大変な人気なんですよ。

いや 失礼…。

芦原さんなら 確実に活躍できます。

もっと人気が出ると思います。

芦原さんの奮起を
みんなが応援してくれると思いますよ。

あの…

騎手免許は どうなりますか?

地方に移籍するとなれば
中央の免許は 一旦返上し

地方の免許を取り直すことになる。

その自信もなければ
騎手は続けられないと思え。

行ってあげると思われても困る。

自分で決めればいい。

相変わらずだな 君は。

それが人にものを頼む態度か。

稲葉さんは やっかい払い
したいだけじゃないんですか?

何? おい!

すみません!

ぜひ 考えてみてください。

競馬には 変わりありませんからね。

♬~

行ってやるよ。

(発車音)

(徳永)芦原の嬢ちゃん?

はい。
(ドアを閉める音)

(徳永)なんや
写真やテレビで見るより華奢やな。

当たり前か 騎手やもんな。

俺 厩務員の徳永。
トクちゃんと呼んでや。

あっ ちょっ ちょちょ…。

さあ 乗って。
テキが待っとる。

(小声で)え~…。
(徳永)早よ 乗ってや。

はい…。

<競馬場では 若い男はアンちゃん
若い女は嬢ちゃんと呼ばれる。

調教師はテキ
騎手の漢字を逆さに読んでそう呼ぶ。

そんな習慣が 地方競馬には
色濃く残っているのかもしれない>

あの… 所属の騎手は 何人いるんですか?

えっ うち? 1人もいてへん。
えっ?

ちっちゃい厩舎やからな。
厩務員も 俺入れて4人や。

馬は何頭いるんですか?

今… 16頭ぐらいやったかいな。

1人が4頭の面倒を見るんじゃ
忙しいですね。

ん~ 別に忙しくはない。

のんびりやったらええ。
心配なんかせんでええよ。

心配はしてません。

私は戦いに来ましたから。

(徳永)張り切ってんなあ!

デビューした時は アイドル並みに
大騒ぎやったもんな 嬢ちゃん。

え~。

おいおい…。

こんにちは…。

はじめまして。

ベルフォンティーヌ… わっ!

(いびき)

ツバキオトメか…。

(蟹江)こら 触るな!

勝手に入ってきちゃいかん!

あの 私は… うわっ。

ちょっ えっ… 何ですか!

ちょっと!

清めじゃ。
塩?

塩まくことないじゃないですか!

どないしたんや?

カニ爺 この人が
新しい乗り役の嬢ちゃんや。

女を勝手に入れんな!

(徳永)テキから話聞いてるやろ?

縁起でもねえ。

あの人も厩務員ですか?

カニ爺や。 何かあったんか?

いきなり 塩まかれたんです!

まあまあ
そういう人も まだおんねん。

相撲の土俵と一緒や。
(いびき)

こら クソおやじ!

早よ 起きんかい!

いつまで寝とんじゃ。
ほんま しょうもないわ。

山田のゲンさんや。

あの… 芦原瑞穂です。

馬房でお酒は よくないと思います。

(山田)誰だか知らねえが
生意気な口利くじゃねえか ああ?

近づかないでください。

お 来たか。

(徳永)テキ どこ行ってたんですか?
またパチンコですか。

ちょっとな。
(徳永)お連れしました。

地方の騎手免許は
一発で合格したんだな?

はい。 取り直しました。

ふ~ん 優秀なんだ。

いえ。

それで よく今まで勝てずにいられたな。

フッ。

母屋は向こうだ。 荷物持ってこい。

はい。

もう…!

よいしょ。

ここが一応 事務所だ。

あっ あの… 先生。

お前 勝負服のこと聞いてるか?

勝負服?

中央競馬では
馬主が用意することになっているが

地方競馬では ジョッキー自身が
負担することになってんだ。

だけど お前の勝負服は 今後一切
主催者が用意するそうだ。

本当ですか?

特別待遇で歓迎されてんだ。

多少のことは我慢しろよ。

我慢?

台所と大仲はそっちで
お前の部屋は2階だ。

はい。

あっ… ちょ ちょっと待ってください。

手伝ってよ。

先生! 私 女子ですけど

ちょっとくらい手伝ってくださいよ。

もう…。

えっ… ウソでしょ。

晩飯は
台所にあるものを適当に食ってくれ。

仕事は明日からでいい。

まっ のんびりやれよ。

あの 緑川先生。

どうした?

何か気に障ること言ったか?

私は 一から出直す覚悟でここに来ました。

今日から よろしくお願いします。

あっ そうだ これやるよ。

ありがとうございます。
じゃあ おやすみ。

おやすみなさい…。
(戸が閉まる音)

あっ… パチンコ?

回想 瑞穂 馬は昔からな

どれほど 人間に
力を貸してくれたことか。

人間は 進歩する中で

何か それを忘れちまった。

サラブレッドだけが 今でも人間に
希望を与え続けてくれてるんだ。

その馬を大事にしないでどうする。

人が馬を愛すれば
馬も人を愛してくれる。

お父さんは そう信じてる。

だから 瑞穂にも
そう信じてほしいな。

うん 分かった。

ハハハッ そうか。

ハァ…。

おはようございます。

ん?

騎手の芦原瑞穂です。

えっ? ちょっ…。

ここでも 塩対応か。

おはようございます!
えっ?

おはようございます!

≪(山田)うるせえな~。

オトメがびっくりしちゃうじゃねえか
お前。

朝まで そこで寝てたんですか?
んなわけねえだろ。

おっはようさ~ん。

まだいたのか。

(徳永)せやから ずっとおるって。

わしの馬に触るなって言ったろ!

どの馬ですか?
全部じゃ!

えっ!? もう…。

≪おはよう…。

今日の調教メニューだ。
これだけ頼む。

テキ わしらの馬に
こんな小娘を乗せる気か?

カニ爺 乗り役が入るって 話したろ。
女だとは聞いとらんかった!

(小声で)聞こえてへんかった
だけやと思いますよ。

ちゃんと聞こえとるわ!
もう デビュー戦も決まってるんだ。

えっ いつですか?

来週。
うちの開催日は水曜と木曜だが

来週の第2開催日の
第3レースと第5レースに出ろ。

木曜の第3と第5ですね。 はい!

第3は
カニ爺が担当しているルコウソウ。

第5は 誠のベルフォンティーヌだ。

何!?
よろしくお願いします。

分かったな 誠。

あの人も 私が嫌いみたいです。

あのアンちゃんはな
誰だって嫌いなんだよ。

えっ…?

15‐15 正確だな。

体内時計には自信があるんです。

木崎さん ベルフォンティーヌは 今日

何だか 不機嫌みたいな感じが
するんですけど…。

理由とかって分かりますか?

ん? 木崎さん!

もう あれじゃ やりにくいですよ!

あいつは声が出せないんだ。
えっ…。

失声症とかいうらしい。

セラピー牧場から来てるんだ。

早く言ってくださいよ。

けど 耳は聞こえるから問題ない。

何か言いたいことがある時は
紙に書いてよこすだろう。

だから 今のところ
馬に問題はないってことだ。

<やりにくい…。

でも あんなに美しく馬を引く人は
めったにいない>

これのどこがいいんですか!

そう? いいと思いますけどねえ。

(槙山)着替えてください。
ホームページ用の写真を撮りますから。

嫌です! 私は こんな勝負服
絶対に着たくありません。

これも話題作りですよ。

そんな話題には なりたくないんです。
気持ちは分かりますけど。

分からなくていいんです。
はっきり言います。

話題にならなければ
あなたに来てもらった意味がないんです。

中央の競馬と
同じつもりでいてもらっちゃ困りますよ。

あれ… 競馬に変わりはないって
言ったじゃないですか!

あなたも子供じゃありませんよね?
こっちへ…。

地方競馬は 小さな地方自治体が
主催している 独立した競馬場です。

(シャッター音)
はい もっと笑顔で。

(シャッター音)
もう…。

中央のネットで
地方競馬の馬券投票もしてくれたり

そういう支援を受けながら なんとか
やっていますが 原則は自助努力。

自分の身は
自分で助けていくしかないんです。

騎手も同じじゃないですか?

はい…。

(大泉)鈴田市の新しい市長は

ギャンブルがらみの借金を
死ぬほど処理してきた 元弁護士です。

累積赤字を抱えた
この鈴田競馬場を潰したがっています。

それに対抗して
あなたには走ってもらいたい!

まっ いいじゃねえか。
戦隊ヒーローみたいで。

我慢しろって このことだったんですか。

勝てば これもかっこよく見えるよ。

(大泉)そうです!
勝てば 少しもダサくありません。

ダサいって認めてるじゃないですか。

(男性)かわいい~!

(男性)瑞穂ちゃん かわいい!
こっち向いて~!

(男性)ちっせえ胸に でっかい花つけて
そこまでするか!

いいぞ もっとやれ~!
僕の瑞穂ちゃ~ん!

(場内アナウンス)注目の女性ジョッキー
芦原瑞穂騎手

このレース 4番のルコウソウに騎乗して
デビュー戦を迎えております。

(男性)結婚して~!
(男性)瑞穂ちゃ~ん!

また…!

(いななき)

(ファンファーレ)

(いななき)
(実況)スタートしました。

4コース ルコウソウ
立ち遅れてしまいました。

しかし 盛り返してまいります。

ルコウソウ 果敢に
前の方に上がっていきました。

ルコウソウ 先団グループに取りついて

内々 2番手のポジションを
取っております。

さあ 直線に向いて
先頭は 5番のオリオンスター。

オリオンスター 大きなリードで
独走態勢に入りました。

芦原瑞穂は ルコウソウ
果敢に先行しましたが

後方の馬群に沈んでいきます。
先頭は オリオンスター ゴールイン!

ルコウソウと芦原瑞穂
勝ち馬から大きく離された…。

<地方競馬のデビューも さんざんだった>

(池田)瑞穂ちゃんか。 よろしくね。

あっ 池田さん。
よろしくお願いします。

<池田騎手
鈴田のリーディングジョッキー>

まさか 地方競馬なら勝てると思って
来たわけじゃないよね?

えっ…?

まあ 鈴田のおっさんたちに
笑顔を振りまいて。

無理して張り切らなくていいから。

アイドルに けがでもされたら
困るからさ。

(実況)スタートしました。
3番のベルフォンティーヌ

注目の女性オーナーと
そして 女性ジョッキーのコンビ。

芦原瑞穂騎手鞍上のベルフォンティーヌ
現在 中団位置につけています。

そして ここは
リーディングジョッキーの

2番の池田 満ジョッキー鞍上の
ポアソンボス。

前の方に上がっていきました。
(奈保美)行け行け 行け行け…!

(実況)さあ
先頭は9番のロックマウンテン。

ロックマウンテン 先頭ですが

外から
2番のポアソンボスが伸びてくる。

ポアソンボスが伸びてくる。
そして ベルフォンティーヌは現在

後ろ5番手のポジション。
先頭は2番のポアソンボス ゴールイン!

(月柴)よ~し また勝った!
ああ~ ふざけんな あの駄目女!

どこが惜しいのよ!

だから 私は反対って言ったでしょう!
まあ まあ… ご祝儀 ご祝儀。

ん~ もう!
ハッハッハッハ…。

すみませんでした。

ご苦労さん。

悔しいです。

盛り塩を はたき落とすような
ジョッキーが勝てるかよ。

盛り塩って?

カニ爺の願かけだよ。

カニ爺なりに
お前の勝利を祈ってやったことだ。

カニ爺は?
とっくに帰った。

すみませんでした…。

まあ いいよ。
制限タイムは守ったんだ。

1着から3.5秒遅れなければ
出走手当は出る。

安心して 早く後検量 行ってこい。

安心してって どういう意味ですか?

はっ?
先生は 悔しくないんですか?

それとも 私をバカにしてるんですか?

おお おお
負けたくせに八つ当たりかよ。

さすが 中央のスター崩れは違うね。

何て言いました?
お~ こわ。

こんな元気あんなら レースに生かせよ。

まあ 明日は休みだ。 ゆっくり休め。

ゲンさん 飲みに行こう。

おっ おごりですか。

もちろん。
おっほっほ…。

おっ バラの騎士のご帰還や。

違う! 俺やないって。

派手に出とんで。

力入っとるな。
応援コメントもバンバン来とる。

最初のうちだけです。

勝たなきゃ 意味ないです。

そない落ち込むことないって。

勝つ言うても 馬によるし

うちにいる馬は Cランクばっかりや。

でも ベルフォンティーヌは いい馬です。

そりゃ うちにいる月柴さんの馬では
一番かもしれんへんけど。

馬主さんは 女性だと聞きましたけど。

うん。
正確には 月柴さんのコレの馬やな。

月柴さんは 鈴田じゃ 一番のスケベ…
いや 馬主さんや。

地元じゃ 大きな建設会社の
三代目社長やけどな。

Cランクの馬だけ うちに預けてるんや。

ベルフォンティーヌは もう少しで
Bランク上がれるとこやねんけど。

それじゃあ
緑川先生も勝ちたかったんですよね?

そりゃあ そうやろ。

そうは思えません。
勝ち負けなんて どうでもいいような…。

あのテキは 何を考えてるか
よう分からん人やからな。

まあ けど 駄目な人間を
見捨てるような人やない。 安心せえ。

そんなことで安心できません!

分かった 分かった。

まっ お疲れさん。
肩の力 抜いてえな。

ん?

何だ これ。

うわっ…。
(せきこみ)

(せきこみ)

あっ… えっ?

緑川先生…?

<どれも 中央の重賞レースだ…>

(テレビ・光司)シーギリアが
見事逃げきってくれました。

後半 スタミナ切れが
心配だったんですけども

なんとか持ちこたえました。

シーギリアが
最後まで頑張ってくれました。

本当にすばらしい馬です。

皆様 本当に応援ありがとうございました。

(テレビ・実況)今日も逃げるシーギリア

第4コーナーを回って
直線に向かいました。

さあ 緑川は追っている。
シーギリア 突き放した。

シーギリア ゴールイン!
左手が上がった緑川光司。

シーギリア 勝ちました。

シーギリア
今日は大きなリードを取った。

シーギリア 圧勝でゴールイン!

軽く右手が上がった緑川光司。
シーギリア 止まりません!

スタートしました。
シーギリア 好スタートを切りました。

芝生の上 先行争い。

シーギリア 後続を引き連れて
今日も先頭で2馬身のリード。

各馬が追っていきます。

向正面中間 逃げるシーギリア

緑川光司とのコンビ。

さあ 4コーナー カーブで
緑川 仕掛けていく 後続を離していく。

さあ 第4コーナーから
直線に向かいました。

シーギリア
先頭で大きなリードを取っている。

これを追って ヤマトモンスターと…。
行け 行け…!

(テレビ・実況)2頭が追っているが
栄光のゴールまで あと100m。

シーギリア 逃げる 逃げる。
シーギリア 逃げる。

なんと シーギリア
逃げきってゴールイン!

シーギリア 逃げきりました!
15番人気のシーギリア。

フェブラリーステークス 制覇!

デビュー3年目 緑川光司
GⅠ初制覇です!

シーギリア…。

(蟹江)ボンは 一度も鞭を入れんかった。

えっ…。

あっ カニ爺…。

人馬一体 これこそ本物の競馬だ。

アラブ種の馬で培った
先代譲りの乗り方じゃ。

先代って 緑川先生のお父さんですか?

昔 鈴田のスタージョッキーだった
先代のテキじゃ。

ボンは 小さい時から

この鈴田で 父親の競馬を見て育った。

そのころは 今のような
サラブレッド系の馬だけじゃない。

アラブ系の馬も走ってたんじゃ。

わしに言わせりゃあ アラブこそ

人間と馬が信頼し合う
競馬のあるべき姿よ。

(蟹江)ボンは この鈴田で生まれ育ち
中央を目指した。

そりゃあ 賞金の額が全然違うからな。

たった3年で GⅠを制したんですね。

シーギリアという馬で…。

結局…

あれが ボンの最高のレースだった。

あの どうして引退されたんですか?

あっ… けがをしたからですか?

いや それもあるが…
何も知らんのか?

はい。

つまらんことがあったんじゃ。

あれさえなきゃ…。

つまらないことって?

今となっちゃあ どうでもいい。

あっ カニ爺 今日は すいませんでした。
盛り塩のこと…。

勝てなくて すいません。
誰も 女のお前に期待はしとらん。

クソ爺。

(蟹江)聞こえとるぞ。

こわっ…。

何やってんだ お前。

先生 私に教えてください。

勝ち方を教えてください。

はっ?
先生は 12年前

22歳で引退したけど 中央の
すごいジョッキーだったんですよね。

なぜ 私を呼んだんですか?

私に 少しは期待を
してくれたからじゃないんですか?

勝てると思ってくれたからじゃ
ないんですか?

ちょ ちょ ちょ ちょっと…。

私は 勝ちたいんです!

私に勝ち方を教えてください!

くさっ…。

俺は 競馬には もう
何の興味もないんだ。

えっ…?

中央だろうと 地方だろうとな。

先生 しっかりしてください。

先生だなんて
無理に呼ばなくてもいいんだよ。

どうせ 最後まで調べたんだろ?

何で 俺が
たったの4年で騎手を辞めたのか。

ネットの記事は見ました。

不祥事があったようなことが
書いてありましたけど 詳しいことは…。

ある馬主から接待を受けてな
金を受け取ったんだよ。

そのあと その馬主の馬に負けた。
まっ たまたまだ。

けど それを誤解されて
八百長 収賄だと騒がれた。

だけど 誤解なら…。
だから もう 競馬界には

何の興味もないんだよ。

今 やってることは 全て茶番だ。

だったら
どうして調教師になったんですか?

ほかにやれることもないしな。

親父が死んで 俺が開業しなかったら
カニ爺の居場所がなくなるだろ。

そんな理由ですか?

うん。 そんな理由だ。

俺は ただ待ってるだけなんだよ。

この鈴田競馬場が滅びるのを…。

ただ じ~っと待ってるだけだ。

私は そんなの嫌です。

どうしても 勝ちたいんです!

勝たなきゃならないんです!

ここにいても お前は勝てないよ。

中央の稲葉先生にも
そう思われてたろうし

俺も そう思ってる。

お前は 騎手に向かない。

♬~

向いてないのは 俺だよな…。

(すすり泣き)

かわいそうに。
完全に終わったな あいつ。

おい…。

んだよ…。
マジで やめろ やめろ 何してんだよ!

おかしいだろ!

1人で戦ってるやつに向かって
かわいそうなんか言うんじゃねえよ!

よし… 1人で勝ってやる。

どうかしたんですか?

お前 追い切りの時 何か
歩様の異常 感じたか?

いえ… 別に何も。

悪い。 今回 うちのベルフォンティーヌ
除外で頼みます。

えっ 除外って どういうことですか?

競走除外だよ。

誠が 歩様がおかしいって言うんだから
しかたねえだろう。

え~…。

(場内アナウンス)鈴田競馬 第8競走の
競走除外について お知らせします。

この競走の 4番ベルフォンティーヌは…。
はっ!?

(場内アナウンス)馬体に 故障発生したため
この競走から除外いたします。

(奈保美)ちょっと 緑川さん!

競走除外って どういうこと!

あっ ちょっと
後ろ足の歩様に問題がありまして

これから 獣医のところへ診せに行きます。

馬主の私に 相談もなく決めたの?

ちょっと 時間がなかったもので…。

あんた 一体どんな乗り方したのよ!

調教の追い切りの時には 特に異常は…。
なかったっていうの?

たった今
緑川さんが見つけたっていうの?

見つけたのは 担当厩務員の木崎です。

この子? ねえ 大事なレースなの。

ちゃんと どういうことか説明しなさい。

ちょっと あんた!
私が説明しますんで。

ねえ あの人おかしいんじゃないの!?

馬主に向かって どういう態度?

今回は 大事を取って
休ませようじゃないか。

だから 私はベルフォンティーヌを
こんな人たちに預けたくなかったの。

中央進出だって
狙える馬じゃなかったの?

まあね。
それなら 何でこんな

下手くそな女を乗せるのよ!

行っていいよ。
すみません。

まったく ベルフォンティーヌも私も
時間を無駄にしたじゃない!

気にしなくていいよ。

すみません。

俺は 君に期待してるんだ。

よく鈴田に来てくれたよ。
そんな…。

(月柴)君は 鈴田の新しい風になる。

いや 本当に
競馬界の新しい風にならなきゃ…。

新人だろうと女だろうと関係なく
若い力をどんどん伸ばして

うらぶれたような地方競馬のイメージを
変えていきたいんだ。

そう思わないか?
はい。

今度 若い人たちと そういう勉強会を
開こうと思うんだけど

君も参加しない?

ぜひ 参加させてください。

(月柴)フフフフ…。

悪いね お待たせ。

あの 勉強会は ここで開かれるんですか?
(月柴)うん?

ああ ハハハ… 降ってきたな。
ハハハ。

あの ほかの人は…。

ねえ 俺を信じる?

えっ?

本当に俺を信じるか。

信じてくれたら 必ず君を勝たせてやるよ。

中央に 俺が戻してやる。

えっ… 中央に?

フフフ…。
俺は中央にも 馬主登録してるんだ。

絶対に 君を勝てる馬に乗せてやる。

あの 勉強会は…。

とりあえず 今日は 俺と君の2人きりだ。
ハハ…。

ああ…。 俺に任せろ。

先生と相談してきます。

あ~…。 勝ちたくないの?

だったら 勉強しなくっちゃ…。

んっ…。

俺に逆らったら
鈴田では 永遠に勝てないよ。

フゥ~ フッ…。

騎手として 生きていけないよ。

何があった? 何された?

今どこにいる?

とにかく そこを動くな。
待ってろ!

私は…

もう駄目だ…。

芦原! いるのか!

芦原。

すみません。

何があった?

ああっ!
うっ!

なめるな! これでも死に物狂いで
努力して騎手になったんだ!

騎手をなめるな!

馬主さんに… 暴力を振るいました。

それで… 相手は無事か?

分かりません。

いっててて…。

あっ ちょっと…
もっと優しくやってよ。

あっ いててて…!

ハハッ…。

ハハハッ…。

笑わないでください!

ああ すまん。

私は もう終わりです。

先生の望みどおりになりました。

もう笑ってください。

どっちだよ…。

それにしても お前は
めげないよな。

そんなにお前 競馬がやりたいか?

先生… あの ちょっと
私の部屋に来てもらえませんか?

うん。

どうぞ。

お父さんか?
はい。

父は 福島で養老牧場をやっていました。

引退して 繁殖馬でもなくなった
サラブレッドを引き取って

最後まで面倒を見る牧場です。

あ~… その前は
生産牧場で働いていました。

父は 競走馬が
最後に処分されてしまうのが悲しくて

そういう牧場を作ったそうです。

先生…。

この馬 分かりますか?

えっ…。

シーギリアです。

先生がデビューして3年目
初めてGⅠを制した時の馬です。

父の牧場にいたんです。

私は シーギリアに乗って
父から馬の乗り方を教わったんです。

先生とシーギリアの走りを見て
驚きました。

人馬一体。

私も あんなふうに走ってみたいです。

そうか…。

お父さんがシーギリアを…。

父は 震災もあったし

大きな借金を残して
心臓発作で亡くなってしまいました。

周りからは あんな牧場を
作るからだって バカにされて…。

だから 私が見返したいんです。

父が 私に本当に残してくれたものを
証明したいんです。

だからお前は 競馬を目指したのか?

牧場は もうなくなってしまったけど

父と約束したんです。

馬と一緒に生きるって…。

競馬は 私にとって希望なんです。

先生 私に走り方を教えてください。
お願いします!

瑞穂。

はい。

お前が勝てない理由は…

馬を怖がっているからだ。

えっ… そんなことはありません。

見てください。

私は子供の頃から
こうやって馬と暮らしてきたんですよ。

怖いはずがないじゃありませんか。
落馬の経験は?

落馬したことはないか?

あります。

(鞭を打つ音)
(いななき)

うっ…。

けがは?

肩を脱臼しただけです。

でも あれは 馬の状態を無視して
独り善がりに走った私の責任です。

落馬した恐怖心によるイップスだ。
えっ…?

お前は 無意識に馬を怖がっている。

だから いつも
馬を追い込みきれていないんだ。

そんなことは…。

馬に鞭を入れることを怖がっている。

認めろ。

自分の弱さを認めるんだ。

そこからしか何も始まらない。

俺にも経験がある。

えっ…?

俺は 不祥事で辞めたわけじゃないんだ。

汚名を払拭するためには

圧倒的な力を見せつけて
勝ち続けるしかないと思ってた。

あっ…!

それで この足になったんだ。

俺は 自分が勝つことばかりを考えて

馬が見えなくなっていた。

馬だけじゃない…。

あのころの俺は
生意気でどうしようもなかったんだ。

俺を乗せたくて 馬主が小遣いを出すのも
当たり前だと思ってた。

地方競馬の親父をバカにする

中央のエリートたちを見返したかった…。

それが 俺の弱さだ。

それに気付くのが遅すぎた…。

先生…。
≪(いななき)

≪(徳永)テキ どこや! テキ 大変や!

どこ行ったんや…。
テキ 見とらんか?

何事だ?

テキ!

月柴のおっさんの馬
みんな引き揚げんだとよ。

(藤村)ああ 光司。

悪いな あの人には逆らえなくてよ。

オトメだけになっちまった。

オトメ言うても 18歳のばあさんや!

レースでは 使いもんなんかならへん。
馬肉寸前の厩舎馬や。

(山田)おい! オトメに謝れ!
(いななき)

(徳永)唯一 勝てそうな
ベルフォンティーヌも

連れていかれましたわ!

(徳永)もう終わりや!

ベルフォンティーヌの脚は 結局

レントゲン検査の結果 何の異常も
見つからへんかったそうですね。

それで怒りを買ったんとちゃいますか?

おい。
アンちゃんが余計なことを言ったから

こんなことになったんだろうが。
いえ…。

アンちゃんを責める資格なんか
おっさんには あらへんやろ!

はあ?

オトメと一緒で
何もしてへん役立たずが。

もう一回言ってみろ お前 この野郎!
おい! 何だよ!

ゲンさん!
(蟹江)女を入れたからじゃ。

女を入れたから 馬の様子も
周りの人間もおかしくなったんじゃ!

そんな…。

それは違うよ カニ爺… 違うんだ。

瑞穂が女だからじゃない。

俺が 芦原瑞穂をなめていたからだ。

瑞穂は 一人の未熟な騎手だ。

女だから
さっさと競馬なんか諦めた方がいい。

その方が幸せだぐらいに思ってた。

俺は 自分から逃げていることを

無理やり
瑞穂にも押しつけようとしていたんだ。

俺が一番なめていたのは… 競馬だ。

テキ…。

だから こうなったんだ。

みんな… 許してくれ。

だけど 俺は もう諦めない。

いやいや 諦めない言われてもな…。

馬がいなくて どうするつもりだよ…。

あっ あの…
それは 私のせいなんです。

(山田)はっ?
(徳永)何でや?

私が 月柴さんに暴力を振るったからです。

暴力?
(徳永)う… 馬主を殴ったんかいな?

背負い投げで 一本決めたそうだ。

シーッ!
(徳永 山田)えっ?

急に抱きつかれたので… すみません。

本当か?

はい… だから こうなったんです。

やるじゃねえか。

はい…?
初めて お前を見直した。

そういうことだったら 面白いじゃねえか。
面白い?

見たかったな~ その瞬間!
気持ちよかったやろ?

今度は 俺も連れてけ。
今度なんて ありません!

(山田)おっ!
って そんなこと言ってる場合ですか?

それは もう気にするな。

そのせいで 馬がみんな
いなくなっちゃったんですよ!

いや オトメいるじゃねえか。

何があろうと わしは
月柴に頭を下げる気にはなれん。

月柴さんにとって 鈴田は二軍なんだ。

中央で駄目な馬は 全部ここに来る。

牧場に戻すより預託料が安いからだ。

中でも うちの厩舎は 三軍なんだ。

(徳永)うちの厩舎は 藻くずの漂流先って
言われてるんや。

藻くず…?

(徳永)馬も人も ほかでは使いもんに
ならへんやつらが流れつくってわけや。

だから 気にするな。

お前のせいで
落ち目になったわけじゃない。

だけど… 私は そんなの納得できません。

ここが三軍だなんて…
絶対に認めたくありません。

皆さんも諦めないでください。

こうなったら
三軍は三軍なりに馬を探す。

どうやって?

俺と誠で いい馬を見つける。
いいな 誠。

瑞穂もつきあえ。

お前が乗る馬を探すんだ。

はい。 あ… いや でも

私が騎手で大丈夫なんですか?

何だ お前は自信がないのか?
えっ…。

そやそや 言いだしっぺが諦めるんか?

それとも 俺たちとは できねえってか?

(蟹江)この厩舎は
もう終わりだと思うか?

いえ… 終わるも何も
まだ何も始まっていません!

よっしゃ~!
よっしゃ~!

ワンチーム! 円陣!
(蟹江)いつものか。

円陣だ。

じゃあ ここから
いい馬 見つけて 勝つぞ!

(一同)お~!

♬~

(谷)光司さん いらっしゃい。

谷さん お久しぶりです。

元気そうで よかった。

体形も あまり変わってないね。

谷さんは… 変わりましたね。

ハハッ すごいだろ。
ハハハッ。

これで まだ馬に乗ってるよ。

乗り役の芦原瑞穂です。

こっちは うちの木崎 誠。
よろしくお願いします。

(谷)あの有名な芦原瑞穂が まさか
光司さんのところにいるとはね。

まずは 馬見せてください。

おう。 ああ こっちだ。

ここにいるのが
どれも転売用の馬ですか?

まあ そうだね。

(いななき)

こんなもんか。

(谷)まあ 馬主が
手放したがってる馬だからね。

誠 どうだ?
気になる馬いるか?

ああ そこ 近づかない方がいい。

(いななき)
(衝突音)

あっ…。

(いななき)

すごい顔だな。
(いななき)

(谷)魚目の馬だ。

さめ?

魚の目のことだ。 似てるだろ。
そういう馬もいるんだ。

(いななき)
(谷)危ない! 下がって。

随分 気性が荒いな。

(谷)この馬は駄目だよ。

2歳の牝馬だけど
誰にも手がつけられない。

まだ子供…。
女馬か…。

誠 その馬が気になるのか?

人間が怖いのか?

傷ついてる?

(衝突音)

(谷)血統は悪くないんだけどね。

馬主は 生まれる前から約束して
買ったらしいんだけど

まあ この顔だからね。
すぐに諦めたみたいだ。

顔のせいですか?
ああ。

昔から 妙な面相な馬は走らないという
ジンクスがあるんだよ。

専ら 併せ馬専用に
使われてたらしいけど…。

<併せ馬とは 調教したい馬に併せて
走らせる馬のことだ>

この馬のことは考えずに

逃げ馬の追い切りに
使われていたのかもしれないな。

壊れてもいいと思って
無理に走らせていたんだろ。

そういう調教なら
私も見たことがあります。

とても嫌でした…。

(いななき)
回想 おい! おい!

おい! おい!
(蹴る音)

(口笛)

木崎さん!
誠!

一体 どうやったんだ?

(誠の口笛)
(谷)信じられないな…。

(誠の口笛)

嬢ちゃん。
はい。

一体 どんな馬が来んねん?

来たら分かりますよ。

おっ 来たかな~?
(いびき)

ちょっと ゲンさん 起きて。
…もう!

飯か?
飯じゃない!

おう。
連れてきたぞ。

開けるで~。
よし。

(光司 徳永)せ~の…。

よ~っし…。

何じゃこりゃ!
何ちゅう顔の馬や。

魚目の馬か。
そう。

おお すげえ顔しとるわ。

移動の間 誠がずっと馬さすって
落ち着かせてたんだ。

(いななき)

おお おお
大した じゃじゃ馬じゃねえか。

見込みがある。 勝つ馬ってのは
気性が激しいもんだ。

いやいや 激しすぎるわ!
ほんまかいな この馬。

なかなか いい馬だろ。

(蟹江)ああ いい馬だ。

(いななき)

俺が お前を勝たせる。

この馬で 必ず芦原瑞穂を勝たせてやる。

うん。

この緑川厩舎のためにもだ。

いいな?

はい。

よし。 瑞穂 魚目に乗ってみろ。

はい。

うっ…。

誠 しっかり押さえてろ。

大丈夫。 何もしないからね。

(瑞穂 光司)せ~の…。

乗れた…。

(いななき)

あっ…。

大丈夫か?

(蟹江)こいつは とんでもない馬だ。

アンちゃん 放したら駄目じゃねえか。

嬢ちゃん
ほんまに あの馬に乗れんのかいな?

しっかりしろ。 魚目の馬主が
お前を見に来てるぞ。

えっ 馬主さんが?

ほら あそこだ。

あの人が…?
そうだ。

あの人が あの馬の新しい馬主…

シーギリアの馬主でもあった人だ。

<あの人は 昔 父の牧場に来ていた人だ>

<そして 一緒に桜の木を植えた人>

[ 回想 ] この桜の木が大きく育って
花が咲く時

君たちの未来という花も
きっと咲く。

花を咲かせるように
自分の夢を育ててほしい。

それが お父さんの願いだ。

中央のGⅠを目指す。

桜花賞 狙います。

2人とも 何ちゅう夢 見てるんや!

テキの本能も 呼び覚まされたようだな。

それじゃあ 一生勝てません!

勝つことばかり考えていると
大事なものを見失いますよ。

馬は 人の心を頼りに動く。

お前は この馬を信じてるのか?