[新]ラジエーションハウスⅡ #01【新章始動!窪田正孝×本田翼×広瀬アリス】[字][解][デ]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

[新]ラジエーションハウスⅡ #01【新章始動!窪田正孝×本田翼×広瀬アリス】[字][解][デ]

帰ってきた天才放射線技師!消えた仲間たちの行方…新たな病院長が立ちはだかる!認知症疑いになった技師長も退職で、ラジハは解散寸前!?視えない病の真実を診つけ出せ!

番組内容
アメリカでのプロジェクトが一段落した五十嵐唯織(窪田正孝)は、日本に帰国し、甘春総合病院への復帰を望んでいた。だが、甘春総合病院は、院長だった大森渚(和久井映見)の後を引き継いだ新院長の灰島将人(髙嶋政宏)が病院の合理化を実施。「放射線科医はいらない」と言い出し、読影はすべて外部へ委託。それに伴い、ラジエーションハウスも規模を縮小。黒羽たまき(山口紗弥加)、軒下吾郎(浜野謙太)、
番組内容2
威能圭(丸山智己)、悠木倫(矢野聖人)は、病院を辞め、それぞれ別の病院などに転職していた。

そんなある日、ヴァイオリニストの宝生真凛がコンサート中に倒れるという事態が…。客席にいた灰島は、彼女を甘春総合病院へ救急搬送することに。

一方、ラジエーションハウスで田中福男(八嶋智人)と働く広瀬裕乃(広瀬アリス)は、最近様子が変だった小野寺俊夫(遠藤憲一)が認知症予備軍と診断されたことを知り、たまきや
番組内容3
軒下らに助けを求めるが…。同じ頃、唯織は、甘春杏(本田翼)の父親でもある前々院長の正一(佐戸井けん太)を訪ねていた。そこで唯織は、杏がすでに甘春総合病院にいないことを知る。

そんな折、仕事を終え帰路についた杏は、妊娠中の森迫由美(森カンナ)が腹痛に襲われ苦しそうにしているところに遭遇。由美は、かつて唯織たちがその命を救った世界的な写真家・菊島亨(イッセー尾形)の娘だった。そこに唯織が現れ…。
出演者
窪田正孝 
本田翼 

広瀬アリス 
浜野謙太 
丸山智己 
矢野聖人
 ・ 
山口紗弥加
 ・ 
遠藤憲一
 ・ 
鈴木伸之 
八嶋智人 
髙嶋政宏 
浅野和之
 ・ 
和久井映見 

スタッフ
【原作】
『ラジエーションハウス』
(原作:横幕智裕 漫画:モリタイシ GJ/集英社) 

【脚本】
大北はるか 

【音楽】
服部隆之 

【主題歌】
MAN WITH A MISSION『Remember Me』
(ソニー・ミュージックレコーズ) 

【企画】
中野利幸 

【プロデュース】
草ヶ谷大輔 

【演出】
鈴木雅之 

【制作著作】
フジテレビジョン
スタッフ2
※「隆」の字は、「生」の上に横棒が入る旧字体が正式表記

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  1. 裕乃
  2. 田中
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  4. 小野寺
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  14. 大丈夫
  15. 患者
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  17. 医師
  18. 真凛
  19. 菊島
  20. 失礼

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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ポニーキャニオン

[ここに 1枚の手紙がある]

[2年と108日]

[2年と108日
遠く離れていながら

たった1通だけ届いた
手紙である]

[たった1通だけ]

♬(演奏)

♬~

(ざわめき)

ちょっと すいません。
すいません。

あっ 医師です。
宝生さん 大丈夫ですか?

すぐに救急車を!
(ざわめき)

(唯織)「甘春先生 お元気ですか?」

「僕は先日 ピレス教授に
こんなことを言われました」

「愛は時を忘れさせ
時は愛を忘れさせる」

「どこかの国の
有名なことわざだそうです」

「甘春先生
あの約束を覚えていますか?」

「もし お互い
あの約束を果たした暁には

是非 一度 お食事に」

「お食事に行きましょう!」

甘春!
(杏)辻村先生!

あの…。
アメリカから戻ってきたって…。

さっき到着して
仮眠室で休んでるよ。

長旅で疲れたみたいで。
そうですか…。

あっ じゃあ。

あっ そういえば
1つ 驚いたことが。

(辻村)《実はさ
今日から この甘春病院に

医者として戻ってくるらしい》

医者として…。

あの ご無沙汰しております。
甘春です。

今日から ここに医者として
戻ってくると伺いました。

あの約束のことなら
気にしないでください。

実は 私も

あなたに お話ししなければ
ならないことが…。

≪いってててて…。
五十嵐さん!?

大森院長!?

五十嵐君じゃなくて
ごめんなさいね。

あなたの言うとおり

今日から循環器内科の医者として
ここに戻ってきたわ。

じゃあ…。

すいません。
アマカス診療所ってどこですか?

(女性)あっ 診療所はあっちです。
ありがとうございます。

(辻村)演奏中に倒れたんですか?
(灰島)ええ。

激しい頭痛と目まいを訴えてます。

ポータブル 準備できてます。
(田中)お願いします。

(救急隊員)あっ あの
こちら 患者さんの荷物です。

はい。

(灰島)そこの技師! モタモタしない。
(辻村)広瀬さん

CTとMRIの準備を。
(裕乃)はい 田中さん

急ぎましょう。
(田中)はい。

(田中)えっ…。
(真凛)とても大切な物なんです。

(田中)はい…。
(真凛)お願いします… 田中さん。

え… はい。

(灰島)モタモタしない!
(田中)すいません。

(灰島)はい! 行きましょう。
≪動きますね。

(田中)あっ 曲がります。

あの 向こうでの研究は
どうだったんですか?

目的の研究ができて
刺激的な毎日だったわ。

五十嵐君も ピレス教授のもとで
頑張っていたわよ。

そうですか。

それより なあに?
彼との約束って。

アハハ… いえ別に
大したことじゃありませんので。

相手も覚えてるかどうか
分かりませんし。

あら どうして?
だって…。

丸2年離れてて
届いた手紙 たったの1通ですよ?

1通!

ん~… 奇麗な海ですねぇ。

だろ?

美しい自然に触れながら

島の人 一人一人と
向き合った診療を行う。

昔からの夢でね。

余生は ここで送ろうと
決めていたんだよ。

すてきです。

(正一)ところで
君は どうして この島に?

その…。

お… お父さまの体の具合は
その後 いかがかなと思いまして。

以前 行った
ブラッドパッチ療法は

まれに合併症を
引き起こすことがあるので。

その… 心配で はい。

それを確かめるために
わざわざ この島まで?

ええ はい。

君… 優しいんだねぇ。

いえいえいえ…。

おかげさまで経過は順調だよ。
あっ よかったです。

おっ? おおっ!

きたきた おっ きた! きた!
おおっ! おっ おっ…!

おお…
これですか? これですか?

これだ。
はい はい はい…。

ちょっと待って…。
(正一)ちょちょちょ…。

う~っ!
はいはい… おっと!

お~!
(正一)お~ きた!

(裕乃・田中)1 2 3。

クッション入れますね。

あっ ごめんなさい。
大丈夫ですか?

はい…。
(裕乃)灰島院長 患者さんですが

顔面のしびれが見られます。
(灰島)だから何です?

技師が余計な口 挟むなって
何度言ったら分かるんですか?

あ… 申し訳ございません!

(渚)他のみんなは?
元気にしてる?

それが 大森先生が
ここを去られた後

父と長年 共に働いていた
灰島先生に

うちの経営を
一任することになったんです。

でも…。
でも?

(田中)技師長 代わります。

技師長。
(小野寺)えっ?

(田中)代わります。
(小野寺)ああ そうか。 悪いな。

サンキュー。

(田中)これ… アーチファクト。

(灰島)こっから先は
医師の仕事です。

技師の皆さんは
早く その画像を転送して

他の患者の検査に移ってください。
(田中)はい。

小野寺技師長。
(小野寺)はい。

検査の手際 悪いですよ。
もっと指導を徹底してください。

申し訳ありません。

その新しい院長ってのがさ
とにかく合理主義で上から目線。

技師をなめ腐ってるやつなわけよ。
(技師)ふ~ん 嫌ですね。

皆さん
そろそろ お昼にしましょう。

(一同)は~い。

あ~ ラーメン食べたい。

アウトソーシングっつうの?
急に「放射線科医は

院内に要らない」とか
言いだしてさ。

画像の読影は全部
そいつの息のかかった

外部の施設に
委託することになったんだよ。

(同僚)へ~ そうなんすね。

(威能)設備投資がかかる検査は
縮小されて

今や血管撮影室は ただの物置。
経費削減もいいとこですよ。

IVRすらできなくなって
技師のできることといえば

医者の指示どおりに写真を撮って
そのデータを転送するだけ。

ロボットかって話だよ。

それで皆さん 他の病院に。
(渚)そうだったの。

あっ すみません。

ごめんなさいね 散らかってて。
アハハ…。

(正一)さっ 食べたまえ。
いただきます。

うん! 絶品ですね。

新鮮な魚を釣り放題 食べ放題。

最高だろ?

(深呼吸)
空気もおいしいですし

すてきな場所ですね。

で 本当は何しに来たの?

(技師)今どき こんな胃に悪い仕事
やってられませんよ。

俺たち 写真より動画派なんです。
(技師)てことで

YouTuber目指すことにしました。
(裕乃)はい!?

そっか。
(裕乃)「そっか」じゃないですよ。

(技師たち)お疲れさまでした。
(小野寺)お疲れ~。

(技師)元放射線技師が踊って…。
(裕乃)あの…。

ちょっと技師長
どうして止めないんですか?

ほら 去る者は… 何だ?
何ちゃらって言うじゃねえかよ。

「追わず」ですか?
(小野寺)それ 「追わず」

そんなのんきなこと
言ってる場合じゃないですよ。

ちょっと売店 行ってくるわ。
(裕乃)あっ…。

大丈夫ですか?
(小野寺)年 食っちゃった。

あ~あ。

また私と田中さんだけに
なっちゃいましたね。

田中さんだけは
絶対に辞めないでくださいね。

(田中)はあ。

ハァ…。

あっ こんにちは。

その… もちろん
お父さまのことが心配で

お邪魔させて
もらってるんですけど。

あの 杏ちゃ…。
(せきばらい)

甘春先生って
どうされてるかなぁと。

杏?

実は ピレス教授との研究が
一段落いたしまして。

もし… もし また
雇ってもらえるようなら

また甘春病院に
戻りたいと思ってるんです。

それで その… あの…。

杏ちゃんって…。

(せきばらい)
すいません。 甘春先生は

今も お元気でしょうか?

あの… け… け… 結婚…。

結婚って あの…
されてないですよね?

ねっ? ねっ?
おと… お父さま?

ああ。

でもね 杏なら
今は甘春病院にはいないよ。

いない?
杏はね…。

遠隔画像診断センターで
働いています。

遠隔?

全国各地の病院から届いた画像の
読影を専門に行う施設です。

確かに効率は上がりましたが…。

(渚)放射線科医は
どこも人手不足。

実に合理的よね。
何か不服でも?

あった。
これ アメリカの七味唐辛子。

絶品なのよ。
はあ。

来週の当直表って
作ってくれました?

(小野寺)えっ? 何だっけ それ。

もう 頼んどいたじゃないですか。
(小野寺)頼まれたっけ そんなこと。

しっかりしてくださいよ。

ホント五十嵐さん
戻ってきてくれないかな。

誰? 五十嵐さんって。
(裕乃)えっ?

五十嵐さんですよ 五十嵐さん。
(小野寺)誰? 五十嵐さん。

(裕乃)
もう 冗談やめてくださいよ。

えぇ?
(小野寺)「えぇ?」じゃないよ。

(裕乃)失礼します。

技師長 今日は何月何日
何曜日でしたっけ?

知らねえよ
カレンダー見りゃいいじゃねえか。

んなことよ。
(田中)そうですよね。

あの 技師長は
お幾つになられましたか?

50… 五十幾つだよ。
(田中)そうですか。

あの 朝ご飯は
お食べになりましたか?

食うだろ 普通 お前よ。

何 バカなこと聞いてんだ
さっきから 軒下 お前。

ふざけんなよ お前。

三上さん お待たせしました。

失礼します。

(灰島)これは甘春先生。

あ…。
(灰島)今日は 何か?

ここにいる時間があったら
1つでも多くの読影

お願いしますよ。

(裕乃)えっ 認知症予備軍?

同じドリンクを何度も買ってきたり
人の名前を間違ったり。

今日なんて3度も僕のことを
「軒下」って呼びましたからね。

確かに さっきも
五十嵐さんのこと忘れてました。

(田中)はい。
終わった。 終わったな。

どうしよう…。

潮時だな こりゃ。

♬~

あの もしかして
菊島さんの娘さんの

由美さんですよね?
ご無沙汰しております。

甘春です。
ああ ご無沙汰してます。

以前
父が大変お世話になりました。

いえいえ。
あの もしかして…。

はい 来月生まれる予定です。
そうですか。

おめでとうございます。

きっと菊島さんも旦那さんも
喜ばれているでしょうね。

あの… これ。

実は これ 1つは夫のなんです。

サイズだけ直して…。

半年前
事故で亡くなってしまって。

そんな矢先
この子の妊娠が分かったんです。

絶対元気に産もうって
決めたんです。

夫が残してくれた
大切な命だから。

あっ すいません。

あしたも検査があるので
失礼します。

い… いった…。

大丈夫ですか!?
(由美)大丈夫です。

何か ちょっと
痛めちゃったみたいで。

失礼します。

(たまき)お待たせいたしました。
広瀬…。

裕乃さま…。
(裕乃)はい。

営業妨害なんだけど。
(裕乃)大変なんです。

技師長が認知症予備軍で…。

へっ!?

ちょ… つまんない冗談やめてよ。
(裕乃)ホントなんです。

最近 ミスばっかりで…。

今まで当たり前にできてたことが
どんどん できなくなってて。

昨日なんて五十嵐さんのことすら
忘れてたんですよ?

今後 技師長が今までどおり
仕事を続けていくためには

周りのサポートが
必要になると思うんです。

たまきさん
戻ってきてくれませんか?

無理ね。
(裕乃)えっ?

最近 マンション買っちゃってさ。

女一人でローン返すには

ここくらいの給料ないと
きついんだよね。

(裕乃)そんな…。
技師長とお金

どっちが大事なんですか?

お金。

無理だな。
(裕乃)えっ?

週3回 仕事終わりに
デートがある。

定時で上がれる職場じゃないと

ドタキャンする羽目になるだろ。
(裕乃)誰ですか?

無理ですね。
(裕乃)威能さんまで…。

私が目指しているのは
Aiのプロフェッショナルです。

いまさら普通の検査に

興味はありませんよ。
(裕乃)ハァ…。

無理 無理。
いまさら何もかも中途半端な

中堅病院に戻る意味ないでしょ。
(裕乃)そう言わずに… 悠木さん。

お前も
技師を続けていくつもりなら

キャリアアップについて
もっと真剣に考えた方がいいよ。

じゃ。
(裕乃)ハァ…。

こうなったら
私一人で技師長を支えてやる。

(裕乃)んっ?

(田中)「無理です」と。

(裕乃)「気分が優れないため
今夜の当直は無理です」!?

みんなして無理 無理って
もう何なの!?

あしたこそ…。
あしたこそ渡そ。

(真凛)原因が分からないって
どういうことですか?

(灰島)どの検査も
特に異常は見られませんでした。

(真凛)どんどん左手に
力が入らなくなってるんです。

このままじゃ もう二度と演奏
できなくなるんじゃないかって

不安で…。

(灰島)引き続き
全力で原因を探ってまいります。

(真凛)私には
バイオリンしかないんです。

お願いします。

(一同)お疲れさまです。
お疲れさまです。

(医師)帰らないんですか?
あっ はい。

(医師)患者を直接診るのは
今の先生の仕事じゃないですよ。

分かってます。
でも練習することはできますので。

たまには早く帰って
休んでくださいね。

お疲れさまです。
お疲れさまです。

♬~

んっ? あれ? 由美さん?

由美さん…。

♬~

♬~

う… あっ…。
由美さん?

由美さん!
由美さん 大丈夫ですか!?

由美さん!

キャーッ!

大丈夫ですか?

五十嵐さん…?

甘春先生 あの 救急車…。
あっ はい! はい!

(救急車のサイレン)

≪開けまーす。
フゥ…。

ポータブル準備できてます。
五十嵐さん!?

甘春先生!
えっ? ご無沙汰しております!

どうも。 ハァ ハァ…。

(鳥飼)大丈夫ですか?
失礼しますね。

赤ちゃんを…。
私はいいから

赤ちゃんを診てください。
そういえば 由美さんは 以前

右股関節に痛みがあるようでした。
股関節…。

(鳥飼)
切迫早産の危険性があります。

すぐに検査が必要です。
(裕乃)あっ はい。

菊島さん!
(菊島)五十嵐君!

あっ 甘春先生。
由美は!? 由美…。

甘春先生…。

あの えっと…。

先ほどは あの 驚かせてしまって
すいませんでした。

話し掛けるタイミング
伺ってたんですけど

あんなことになってしまって…。
五十嵐さん。

はい。 はい!

ごめんなさい。

えっ?

私は今 ここじゃない
別の施設で働いていて。

今の仕事は 毎日
画像を読影することだけなんです。

患者さんを治すどころか
直接 接する機会すらない状況で。

あなたとの約束を
果たせていないんです。

だから もう
あの約束のことは忘れてください。

それだけ伝えておきたくて…。

《約束です》

《はい》

失礼します。

杏ちゃん…。
いや あの 甘春先生…。

(ドアの閉まる音)

たぶん…。

甘春先生が一番悔しいと思います。
へっ?

実は他のみんなも
いなくなっちゃったんです。

♬~

≪(ノック)
(渚)はい どうぞ。

失礼します。
あら 五十嵐君 帰ってたのね。

先生 1つ お願いしたいことが。

あっ そうだ。

お久しぶり 灰島ちゃん。

お久しぶり。

(灰島)
いったい何なんですか? これは。

それはアメリカ土産の
七味唐辛子ですよ。

(灰島)いや そうではなくて。
これですよ。 これ。

(渚)今 当院では放射線技師の
深刻な人手不足に

悩まされていると伺いました。
そこで彼を採用したいと思います。

医師免許?
なぜ医師である彼を

技師として
雇う必要があるんですか?

それは…
彼のたっての希望でして。

彼のような人材がいると
責任の所在が曖昧になるのでは?

そうですねぇ。

(鏑木)血です。

血?
(鏑木)はい。

確か彼は 血が大の苦手でして。

気弱でコミュニケーションも苦手。

医師としては
まったく使い物になりませんよ。

ただ 写真を撮る腕だけは一流。

超一流なんですがねぇ。

私が研修医のときもね

血を見ただけで失神した
同期がいたわ。

でも彼は とても…。
(灰島のせきばらい)

(裕乃)次の方 お入りください。
(小野寺)どうもご苦労さまでした。

どうも ありがとうございました。
(小野寺)着替えて結構ですから。

どうも。
(男性)すいません。

(田中)このアーチファクトさえ
なければ…。

えっ…。 えっ えっ 本物?

あっ 五十嵐です。 初めまして。

あっ あ… 田中です。
軒下ではありません。

田中さん。
あ… はい。

はい。 これは誰の画像ですか?
いや これは まぁ あの…。

お気になさらないでください。
(ドアの開く音)

(裕乃)五十嵐さん!?
(小野寺)お~! 五十嵐!

五十嵐って
何だ 五十嵐のことか。

(裕乃)そうですよ!
(小野寺)ハハ! どうした? お前。

技師長 また こちらで
お世話になることになりました。

よろしくお願いします。
そうか…。

戻ってきたのか。 ハハ…。

ハハハ… そっかそっかそっか。

おいしょ…。

そっか 戻ってきたか。

(たまき)その男がさぁ
ホントいつも駄目駄目で。

妻子にも逃げられるような男で。

何で こんなことに
なっちゃったかな?

ホントまぬけ。

(軒下)平気で3日も
靴下 替えなかったりしてさ。

技師長としてもさ
人間としてもさ 終わってんの。

(店員)お待たせしました。
(軒下)どう思う? どう思う?

えっ?
(軒下)それで その感じで

仕事まで失ったら
孤独死まっしぐらじゃね?

ハハハ…。

(威能)馬にばかりお金を費やして
不摂生してるからですよ。

患者や部下のこと
心配してる暇があったら…。

うっ あぁ…。
自分のこと考えろって話ですよ。

(悠木)あの人
ただでさえ覚えるの遅いんだよ。

カテーテルの
用途の違いについて

説明したら…。
お待たせしました。

ありがと。
ありがとうございます。

覚えるのに丸2カ月かかってた。
それは大変ですねぇ。

(悠木)これから
どんどん忘れていったら

あの人の頭ん中… 空っぽだよ。

空っぽ 空っぽ。

あっ メールが来てますよ。

♬~

よいしょ。

おはようございます。
あっ おはようございます。

あの 技師長って
どうされたんですか?

あっ 実は 技師長
脳に萎縮が見られて

認知症予備軍かもしれなくて。

(菊島)由美 まだ病室で
横になってる方がいいよ。

(由美)大丈夫だって。
おなかの子のためには

私の場合
少し歩いた方がいいんだって。

でもさ…。
(裕乃)聞いてます?

大丈夫だから。

(辻村)おはよう 甘春。
おはようございます。

ハァ…。
はい。

これ 頼まれてた
新しいIVRの映像記録。

ホント勉強熱心だよな。
いつもありがとうございます。

そういえばさ 五十嵐さんが
また うちで働くことになったよ。

しかも放射線技師として。
えっ?

これで ようやく俺も
正々堂々 勝負ができるよ。

えっ?

はい。

えっ? 五十嵐さん?

分かりました すぐに向かいます。

どうかされたんですか?
切迫早産で入院中の

菊島さんの娘の由美さん
いるだろ。

五十嵐さんが彼女の股関節の
検査を検討してほしいって。

えっ?
じゃ 行ってくるよ また連絡する。

(由美)えっ 検査?

(辻村)はい。
右股関節が痛むんですよね?

念のため検査してみませんか?

いえ 大丈夫です。

それって骨のレントゲンを
撮るんですよね?

被ばくとか おなかの子に
害がありそうなことは

したくないんです。
(菊島)由美。

(由美)この子に何かあったら
彼に顔向けできません。

股関節の痛みなんて
ホント大したことないですから。

(辻村)ですが

妊娠中の股関節の痛みは
甘く見ない方が…。

この子が無事なら
それでいいんです!

(菊島)由美…。
いいわけがありません。

いいわけがありません!

おなかの子に
害があるんじゃないかと

検査を拒む妊婦さんは
少なくありません。

でも もし
骨にひびが入ってることに

気付かないまま放置をすれば
最悪の場合

障害が残ることだってあります。

(菊島)由美。
検査してもらおうよ。

由美さんが
赤ちゃんの無事を願うように

赤ちゃんだって

お母さんの無事を
願っているはずです。

お母さんの体を守ることが

生まれてくる赤ちゃんを守る
一番の近道です。

(一同)しーっ。

すいません。

技師が
医者に検査の進言をするなんて

聞いたことがありませんよ。
灰島院長にバレたら

どうするんです?
(裕乃)いいんです。

それが五十嵐さんですから。

MRIは
エックス線 使わないんで

赤ちゃんが
被ばくする心配はありません。

はい。

(田中)私は知りませんからね。

(通知音)
由美さん…。

♬~

(杏・唯織)右大腿骨頭から
大腿骨頸部にかけての

骨髄浮腫…。

また新しい技師を?

(医師)使い勝手のいい新人なら
まだしも…。

(医師)わざわざ雇う必要が
あるんですかねぇ。

まあ 気が強くて
上司にまで平気で牙をむく。

悔しいんですがねぇ
検査だけは正確で はや…。

ものすごくはやいんですね。
ただ 気が強過ぎますねぇ。

(渚)その同期の彼もね
気の強い女性が好みだったわ。

でも彼は とっても…。
(灰島のせきばらい)

(たまき)みんな分かってないのよね
このおいしさを。

おい。 たた… たまき
お前 どうした?

(店員)久しぶりね。
(たまき)久しぶり~。

またね~。
(小野寺)どうしたの?

あ~ 人目気にせず食べられるって
最高だよねぇ。

あっ そうだ。

はい。

じゃあ あしたから
よろしくお願いしま~す。

一過性大腿骨頭萎縮症という

いまだに
原因が分かっていない病気です。

妊娠後期に発症することが
多いといわれています。

どうすれば治るんだい?
無理をせず安静にしてれば

自然と良くなるはずです。

まさか由美さんが
TOHだったなんて…。

(辻村)あのまま無理をして
大腿骨を骨折していたら

産後の体に大きな負担に
なっていたかもしれない。

検査して気付けて
ホントに良かったよ。

じゃ。

甘春?

結局 また五十嵐さんに
助けられてしまって。

私は
手を出すことすらできなかった。

体に負担をかけないためにも
今は車椅子をお勧めします。

(由美)分かりました。
自分の体を守ること。

それが この子を守る
一番の近道ですもんね。

はい。
ありがとう お父さん。

えっ? ううん。

五十嵐君。
はい。

「ありがとう お父さん」だって。
フフ…。

約束なんてとんでもない。

ただ 彼との差が開いただけ。

まだ雇うおつもりですか。

(渚)
多いに越したことないでしょ?

(医師)
健診センターからの転職ですか。

定時で帰れるあちらとは違って
うちの方が はるかに重労働だ。

雇っても
どうせ すぐに辞めていきますよ。

彼の頭の中は

どうしたら女性にモテるかしか
考えてない。

フンッ どうしようもない男です。

よく あれで
脳のMRIだけは失敗…。

絶対に失敗しないんですよねぇ
これが。

その同期の彼もね
真面目で失敗しなかったわ。

だって彼は とても…。
(灰島のせきばらい)

(裕乃)まさか たまきさんが
戻ってきてくれるなんて~。

いいから仕事して。

延髄レベルに
フローアーチファクト…。

修整どうやんだっけな これ。

(軒下)
修整は もっと目を大きく。

顎のラインは削って。

軒下さん!
(小野寺)おお… どうした お前。

ここのスクラブ着た写真
アップしちゃってさ。

はっ?
(軒下)案外モテちゃって。

いまさら変えられない…。
お願いします。

顔面のしびれ…。

♬~

五十嵐!

おい 久しぶりだな。
俺だよ 俺。

顔面のしびれ…。
おいっ 無視かよ!

(田中)大丈夫ですか?

い… い… 1回 座りましょうか。
ゆっくり はい。

ああ よかった。

(真凛)田中さん。
(田中)ああ はい。

(真凛)先日は バイオリン
ありがとうございました。

いや…。 大切にされてるんですね。

(真凛)どんなときも
あのバイオリンと一緒に

乗り越えてきましたから。

あの 宝生 真凛さんですか?

えっ 五十嵐さん?
(真凛)あの… あなたは?

声…。
声が出にくいんですか?

(真凛)えっ?
(灰島)何してる?

宝生さんは 軽度の失調性歩行
顔面のしびれ

声のかすれる症状が出てます。
脳梗塞の一種かもしれません。

何言ってる?
MRIに そんな所見はなかったぞ。

いや ですが…。
彼女は私の患者です。

技師に余計な口 挟まれる筋合い
ありません。

さあ 参りましょう。
どうぞ。

足元 気を付けてください。

あっ 大丈夫ですか? はい。
(田中)失礼します。

いや ですが
ちょっと待ってください。

やめときましょう。
事を荒立てない方がいい。

どれだけ雇えば気が済むんですか。
(渚)彼はAiセンターにいた方です。

(医師)死亡時の画像診断か。

(医師)これまた
金にならない分野を…。

(鏑木)
彼の興味のあることといえば

死体の撮影と自分の前髪だけ。

あれで どうして
患者に好かれるのか

見当がつきませんよ。

彼目当てに来る患者も
いるんですからねぇ。

(渚)人気者といえば
その同期の彼も人気者だったわ。

彼は とても…。
(灰島)ん~…。

遅えよ!
(裕乃)申し訳ありません。

こちらへどうぞ。
(たまき)お待たせしました。

中へどうぞ。
(裕乃)まずい まずい…。

技師長。 技師長!

(小野寺)んっ?
(裕乃)あの こっちの患者さんが。

ああ。 じゃ 俺 行くよ。
どんなやつ?

しかし
素晴らしいリーゼントですねぇ。

後ろはダックテイル
前はポンパドール

実に美しい曲線です。
(男性)おっ 分かるか?

ええ。
(男性)俺のこだわりは

ポマードでなでつけたサイドと
この美しいIの字形のダックテイルよ。

(威能)なるほど。
(裕乃)威能さん!

生きてる人間は楽ですね。
しゃべるから。

お願いします。
(小野寺)はいよ。

(威能)
こんなに美しい曲線を見たのは

エルヴィス・プレスリー以来ですね。
(男性)分かってんな!

しゃべらないで。
(男性)あっ すいません。

(渚)彼は麗洋医大を辞めて
うちに来たいそうです。

あの麗洋医大を?
(医師)バカなんじゃないか?

そりゃ もう バカが付くほどの
パーツオタクでして

ガラクタばっかり集めて。
ただ 医療器具に関しては詳しい。

誰よりも詳しいんです。
ただのオタクですよ。

血が苦手で
気の強い女性が好みで

真面目で人気者で
ただの医学オタク。

でも彼は とても…。
(灰島)大森先生!

とても優秀な医者になったわ。

造影剤…。

サンキュー。 悠木!

何ですか この棚は。
カテーテルもコイルも全然揃ってない。

ひどいにも程がありますよ。

はい。
(小野寺)はいはい。

(軒下)何でお前らまで
戻ってくんだよ。

(悠木)軒下さん 太りました?
(軒下)太ってねえよ!

毛が増えた?
(軒下)えっ ホント?

(威能)背 縮みましたよね?
(たまき)何かやったよね?

(軒下)やってねえよ。

それでは検査 始めます。

(田中)五十嵐さん 聞いてますか?

(悠木)またやってるよ。
(威能)あちらも相変わらずですね。

まずいですよ。
余計なことするなって灰島院長に

怒られたばかりじゃありませんか。
適切な画像がなければ

正確な診断はできません。
脳外科の先生から

オーダーもらったんで。
そういうことは問題じゃなくて…。

(裕乃)
宝生 真凛さんの画像ですか?

ええ。
(悠木)左右方向に

規則的に並ぶ高信号。
(軒下)フローアーチファクトだな。

美しくないですね。
(たまき)静脈の流れが原因ね。

何なんですか あなたたちは…。

私は もう知りませんからね!

この年になってまで
怒られたくありませんから!

(小野寺)おい。

いいから いいから。
俺が責任取るからよ。

えっ?

(灰島)
どういうおつもりですか?

院長経験者が同じ病院に
医師として戻ってくるなんて

聞いたことありませんよ。

何か 特別な目的があるのでは?

だって 私
経営 向いてないんだもん。

はい?

灰島ちゃんが院長になってから
ここの業績が

うなぎ上りって聞いたわよ。
さすがね。

ですから
もう その呼び方やめてよ。

それから昔の話は…。
(渚)相変わらず真面目ね。

まだ気の強い女性が好きなの?

いや で… ですから…。
(渚)お邪魔しました。

いや…。

♬~

♬~

技師長 体の具合どうですか?

うん。
もう気付いてると思うけどさ

俺 何か認知症予備軍みたいでさ。

戻ってきてくれたみんなには
悪いんだけど

俺 もう ここ 辞めようと思う。

最後に
みんなの顔 見れてよかった。

ハハ。

技師長 すいません。

あの この指 よく見てください。

ここです。

これ…。

おはよう。
あっ おはようございます。

あっ そうそう。

技師の皆さんがね
甘春病院に戻ってきたわよ。

そうなんですか。

七味唐辛子って
さんしょうに麻の実

黒ごま シソ
陳皮 唐辛子 ケシの実。

全て揃わないと
おいしくないのよね。

じゃあね。

(田中)何やってんですか?
こんなに散らかして。

あっ お前も手伝え。

技師長のために
認知症の治療法 見つけ出して

ノーベル賞取るぞ。
(田中)えっ!?

それまで技師長には
頑張っていただかないと。

そんなの見つかるはずないじゃ
ありませんか。

おい お前 先輩の言うこと
聞けねえっつうのか?

そちらこそ出戻り組
今は私の方が先輩なんですけど?

何だと!
(田中)いやいや でも

そこは私の席なんですけど。

(たまき)そこの眼鏡2人!!
黙りなさい!

MRIお借りします。
技師長の頭部

造影剤を使って検査します。
造影剤?

♬~

どうかされたんですか?
(里美)甘春先生。

大変なんです。
森迫 由美さんが出血して…。

えっ!?
失礼します。

(鳥飼)
どうして こんなに出血が…。

(菊島)おい 由美。
由美 しっかりしろ。

ねぇ 何で造影剤?

認知症の検査で造影剤なんて
聞いたことがありません。

ホントに
もう余計なことはやめてください。

われわれは技師なんです!
いいんです。 技師長は…。

大変です! 由美さんが
腹腔内出血を起こしたそうです。

えっ!?

あっ…。 出血の原因は?

(鳥飼)以前 股関節が痛くて
つまずいた際に

おなかを強打したそうで。
外傷性仮性動脈瘤の破裂?

子宮以外の出血は
私の専門外ですので

赤ちゃんを取り出して
他の病院へ搬送します。

そんな…。

甘春先生 由美を助けてください。
お願いします。

(威能)ありました。
由美さんのエコー。

脾動脈瘤…。
(裕乃)でも動脈瘤の破裂なら

IVRで
止血できるってことですよね?

(裕乃)あ…。
(軒下)それに今

やれる医者が うちにはいねえよ。

あっ 鏑木先生は?

もう丸2年も
現場 離れてますからね。

それに今ごろ 講演会で千葉。

(田中)検査しかできない
われわれが悩んだって

どうしようもない話ですよ。

五十嵐さん
どうにかならないですか?

僕がやります。
(田中)はい!?

皆さん 準備をお願いします。
了解。 ほら 急ぐよ。

ちょちょ… 待ってくださいよ。
五十嵐さんは技師ですよね?

そんなことできるはず
ないじゃありませんか!

持ってんのよ 医師免許。
(田中)えっ…。

いや でも 技師として
雇われてるんですよね?

医療行為なんかしたら大問題に…。
今 そこに救える命があります。

何もせずにはいられません。

軒下さん 技師長の検査の準備
進めといてください。

(軒下)分かった
取りあえずオーダーだな。

(威能)
広瀬 MRの武田さんに連絡。

はい!
(悠木)さっ 片付けますか。

(田中)ちょ… 皆さん。

(菊島)大丈夫か?
≪今からオペ室 行きますからね。

(菊島)由美!
(小野寺)何だ どうした?

技師長。
(小野寺)んっ?

行きますよ。
(小野寺)どこに?

いいから。
(小野寺)どこに?

≪(たまき)段ボールは全部
ロッカールームね!

(裕乃)はい。 よいしょ。
由美さん所 行ってきます。

(威能)汚いにも程がありますよ。
(たまき)文句言わず手を動かす!

ちょっと待ってください。

誰がIVRを?

僕です。

《私…。
絶対に負けませんから》

私に やらせてください。

(田中)甘春先生まで
何をおっしゃってんですか。

由美さんと おなかの赤ちゃんを
助けたいんです。

どっちがやるわけ?

私に やらせてください。

よろしくお願いします。

(たまき)了解!
よし 急ぐよ。

由美さんのとこ行ってきます。

あっ。
(小野寺)どうした?

技師長。
何だ 急に呼び出して。 何すんの?

僕に
技師長の検査をさせてください。

(小野寺)ヤバいのか?
いえ。

造影剤を使って検査したいんです。

(鳥飼)赤ちゃん 取り出します。
(一同)はい。

(鳥飼)お願いします。
≪はい。

(心電計の警告音)
(看護師)頻脈です。

(鳥飼)輸血 持ってきて!
(看護師)はい。

(看護師)血圧も下がってます。
(鳥飼)点滴も全開。

すぐに血管撮影室に
運んでください。

われわれが止血します。
(鳥飼)分かりました。

ストレッチャー用意して。
(看護師)はい!

曲がります。

先生!
大丈夫です。

必ず由美さんは助けます。

軒下さん 頭部造影
プロトコールでお願いします。

了解。

どうせ無駄だと思いますけどね。

(軒下)
憎たらしいわ 眼鏡のくせして。

血管撮影室 準備できました。
ありがとうございます。

1 2 3。

(灰島)何やってんですか。
灰島院長!

こちら こんなこと
許可した覚えはありませんよ。

ですが由美さんは…。
(灰島)あなたは この2年

現場を離れて
読影だけ行ってたんですよね?

無謀にも程があります。
でも…。

(灰島)冷静になりなさい!
(悠木)僕は この2年

400件ものIVRを経験してきました。
(軒下)冷静になるのは

灰島院長の方じゃないですかね?
(灰島)何?

今 この場で
患者さんを救えるのは

放射線科医の
彼女だけではありませんか?

それとも あれ?

患者さん救うの やめときます?

始めましょう。

君だな。 彼らをたきつけたのは。
えっ?

いや 僕たち ただ
技師の仕事をしてるだけです。

甘春先生は放射線科医の仕事を。

≪(ドアの開く音)
≪(渚)灰島ちゃん。

あなたに何ができるの?
ここは彼らに任せましょう。

(軒下)おい どうだ?

乳頭体に一致する異常信号…。

これ…。

♬~

これより脾動脈瘤破裂に対する
塞栓術を行います。

よろしくお願いします。
(一同)お願いします。

穿刺します。

(小野寺)
ホントのこと言ってくれな。

はい 技師長。

ウェルニッケ脳症です。

ウェルニッケ脳症?

アルコールの取り過ぎで。
あと偏った食生活。

これが原因で
ビタミンB1が不足して

ウェルニッケ脳症に
なったんだと思います。

症状に出てた記憶力の低下
倦怠感 眼球の震え。

これが原因です。

それって治んのか?
はい。

ビタミンB1取れば
ちゃんと治ります。

フフッ また一緒に働けます。

フフ…。
フフフ…。

(裕乃)よかった~。

んだよ 人騒がせだなぁ。
(裕乃)ですねぇ。

まだまだ潮時は先みたいね。
(裕乃)フフフ。

嘘だろ…。
(裕乃)技師長。

何だよ その顔 大丈夫だよ。
ほら 仕事だろ 行け。

造影します。

(心電計の警告音)
(里美)血圧 60に下がってます。

輸液全開にしてください!
(医師)はい!

何があったんですか?
(威能)出血が多くて

止血方法を迷ってるようですね。

(悠木)甘春先生 どうしますか?
もう本幹を止血した方が…。

本幹を止血すれば
脾臓全体が梗塞を起こして

由美さんは 一生
免疫力の低下が避けられない。

(悠木)でも由美さんの状態が…。

おい 大丈夫かよ。
(裕乃)甘春先生…。

(医師)輸液 反応してます。
このままカテーテルを進めて

動脈瘤の中枢側と末梢側に
コイリングしましょう。

(悠木)はい。
6mmのコイル 準備してください。

(里美)はい。

♬~

(悠木)どうしました?
ワイヤが進まない…。

確認します。
(悠木)はい。

(軒下)血管が消えた…。
(裕乃)今度は何ですか?

スパズムだな。
(裕乃)スパズム?

血管が収縮して
造影剤が通らなくなったんです。

こんなときに…。

血管拡張剤を使えば
スパズムはおさまるが

脾動脈瘤からの出血は悪化する。
大量出血のリスクあるぞ。

だから言ったんです。
彼女には無理だって。

(悠木)
甘春先生 もう諦めましょう。

ここは本幹を。

《このままじゃ駄目だ》

(小野寺)おい 何だっけ あの…。
五十嵐! どうすんだよ これ。

甘春先生…。
血管拡張剤を下さい。

大量出血する前に
素早くコイルでふさぎます。

スパズムがおさまりしだい
すぐに再開します。

≪はい。

造影剤 入れます。
(悠木)はい。

戻った。
(悠木)スパズムおさまりました。

進めます。

(悠木)出血 止まりました。

(小野寺)よし もう大丈夫だな。

♬~

(渚)さんしょうに麻の実
黒ごま シソ

陳皮 唐辛子 ケシの実。

7種類のスパイスが全部揃うと
やっぱりおいしいのよね。

まんまとやられましたよ。
あなたには。

おーい みんな
そろそろ外来 来るよ。

はい 戻った戻った。
(裕乃)は~い。

(裕乃)技師長 ビタミンB1…。

由美。

赤ちゃんは?
(菊島)ハハハ… よく頑張ったな。

元気な男の子だよ。

(はなをすする音)
(由美)よかった…。

カワイイね。

♬~

♬~

五十嵐さん?

あの…。
(せきばらい)

先ほどのIVR…。

普通のドクターなら

止血することだけを優先して
考えたと思います。

でも… 甘春先生は違いました。

きっと この2年…。

誰よりも勉強されて
画像だけじゃなくて

画像の向こう側の
患者さんの未来を

見据えられていたんだと
感じました。

ありがとうございます。

あの約束 守ってくれて。

《待ってください!》

《あなたが
手出しできないくらい

優秀な放射線科医に
なってみせます》

《だから…》

《必ず 戻ってきてください》

《約束です》

《はい。 約束します》

僕なんか手出しできないくらい
素晴らしい手技でした。

はい。 では 失礼します。

♬~

(シャッター音)
(由美)ちっちゃいねぇ。

(シャッター音)

(シャッター音)

目に見える効率性ばかりが
優先される世の中だけど

患者と向き合うことでしか
救えない命がある。

それもまた事実なのよね。

(シャッター音)

(由美)ちょっと。
(渚)じゃあね。

(由美)私はいいから。

甘春先生。
あっ。

ご出産おめでとうございます。
ありがとうございます。

これで何度目ですかね?
えっ?

(由美)私たち家族が
先生たちに救われたのは。

由美さん…。
由美…。

皆さんがいる この病院があれば
この子も安心ですね。

甘春先生 ありがとう。

(シャッター音)
お願いします。

こちらで働かせてください。

(灰島)申し上げたはずです。

人手不足の中
放射線科医のあなたには

読影だけを行っていただく方が
合理的で

負担も少ないと。

それに 今回 たまたま
うまくいったからよかったものの

あなたのとった行動は
訴訟に発展してた恐れだって

あるんですよ。

それは…
申し訳ありませんでした。

でも 合理性よりも
大事にしたいものがあるんです。

はっ?

医師免許を持ちながら
技師として働く人がいるように

放射線科医でありながら
技師と共に

直接 患者さんと向き合う病院が

1つくらいあっても
いいんじゃないでしょうか。

お願いします。
こちらで働かせてください!

ハァ… 理想を語るのは簡単です。

ですが その理想に

当院の規律を
乱されるわけにはいきません。

お引き取りください。

(看護師)目まいが治まらず
立ち上がることも難しいみたいで。

(看護師)一日中 あそこに。

(灰島)MRIの所見にも
そんなのなかったぞ。

そうですか。

♬~

(田中)アーチファクトですよね。
でも どうしたらいいか…。

あれ?

見てください。
(田中)あっ はい。

前回は位相エンコードが
左右方向だったから

静脈の流れが原因で
フローアーチファクトが生じていました。

(田中)はい。
ですが 位相を前後に切り替えて

撮り直したら…。
アーチファクトが消えて

延髄外側に高信号を
見つけることができました。

それは つまり…。
真凛さんを苦しめてる病気は

おそらくワレンベルグ症候群です。

(ドアの開く音)
(鏑木)皆さん おかえりなさい。

副院…。
鏑木部長!

(鏑木)やあ
また会ってしまいましたねぇ。

今 副院長です。
副…。

鏑木副院長 副院長 はい。
あの 見ていただきたいものが…。

(記者)バイオリニストの宝生真凛さんが
今 姿を現しました。

(記者)
一時は引退まで噂されましたが

体調は
無事 回復されたんでしょうか?

心配されている
ファンの皆さんのためにも

声を お聞かせください。
(真凛)えーっと…。

(鏑木)あっ。

えー…。
(せきばらい)

私から お答えしましょう。

えー 宝生さんを
苦しめていた病ですが

ワレンベルグ症候群と
いいまして

延髄という場所に発症する
脳梗塞の一種です。

(鏑木)当初 アーチファクトという
画像ノイズの裏に隠れ

気付かれずにいましたが

患者と直接向き合うことで
異変に気付き

別のアプローチから
検査を行ったところ

進行中の脳梗塞を
見つけることができました。

これも ひとえに当院の画像診断に
尽力をしてくださる

灰島院長の手腕のたまものです。

(鏑木)
幸いにも梗塞の範囲は小さく

今後 適切な治療
リハビリを行うことで

宝生さんは また私たちに

素晴らしい音楽を
届けてくれることでしょう。

(拍手)
(記者たち)お~。

(記者)宝生さん
皆さん 楽しみにしてますよ。

♬~

おはようございます。
(小野寺)おはよう。

≪(受付)おはようございます。

おはよう。
(裕乃・軒下)おはようございます。

(一同)おはようございます。
(小野寺)おはよう。

おはよう。
(一同)おはようございます。

おはよう。
(一同)おはようございます。

(エレベーターの到着音)
(ドアの開く音)

(一同)おはようございます。

(軒下)にしても技師長
飲み過ぎが原因だったとはな。

情けない。
(裕乃)技師長

皆さんがいなくなって
さみしかったんですよねぇ。

(小野寺)なわけねえだろ。

あっ 田中さん
おはようございます。

(田中)おはようございます。
(悠木)あっ これから朝の点検

お願いしますよ。
(威能)勤務歴でいえば

田中さんが一番新人ですからね。
(たまき)しっかりやんないと

容赦しないから。
(軒下)手 抜くなよ!

頼むな 田中。

(田中)技師長 今 私の名前…。
そうです! 私 田中です!

名前ぐらいでうるせぇな。
(たまき)うるさいよ 田中。

軒下です!
(小野寺)いいから ほら。

(軒下)軒下!

(灰島)とんだたぬきが
紛れ込んでたものですね。

おかげで先ほどから
正確な画像診断を望み

診察を希望する患者からの
問い合わせが

後を絶たないそうです。

私は ただ副院長としての
仕事をしたまでです。

院内で読影を行えば

その分
病院の収益も上がりますから。

失礼します。

あっ 院長 おはようございます。

勘違いしないでください。

えっ?

あなたのようなやり方を
続けていては

いつか この病院は
立ち行かなくなります。

失礼します。

あっ 鏑木さん。
あ… 副院長 おはようございます。

また大変な日々が
やって来そうですね。

私の席なんですよ ここは。
(軒下)もともと ここは俺の席…。

いやいや
今は私の席なんですから!

俺の席…。
(田中)ベタベタ触んの

やめてもらっていいですか。
(たまき)うるさいんだよ!

うるせぇんだよ たまき!
お前がうるせぇんだよ ホントによ。

ほら 仕事! 9時だぞ!
(一同)はい。

おい 五十嵐。
(田中)早く行ってくださいよ。

(軒下)痛たたた…。
(田中)行ってくださいよ。

先輩なんでしょ。
≪(ドアの開く音)

あっ。

♬~

(裕乃)甘春先生。
(たまき)やっと お出まし?

待ちくたびれましたよ。

今日から また
よろしくお願いします。

おう。
(悠木)お手柔らかにお願いします。

上から目線は厳禁っすからね。

田中です。 軒下ではありません。
分かってますよ。

お… お… おお…。

おお… おか おか…
おかえりなさい!

それは こっちのせりふですよ。
えっ?

おかえりなさい 五十嵐さん。

はい。

♬~

[ここに 1枚の手紙がある]

[2年と108日]

[2年と108日
遠く離れていながら

たった1通だけ届いた
手紙である]

甘春先生。

「甘春先生
あの約束を覚えていますか?」

「もし お互い
あの約束を果たした暁には

是非 一度 お食事に」

「お食事に行きましょう!」

甘春先生。
はい。

(小野寺)おーい。

えっ!?
(たまき)お待たせ~。

えっ…。
(軒下)駅から遠過ぎなんだよ。

どうして?
(威能)広場で待ち合わせって

小学生ですか?
嘘…。

(悠木)
いいもん食わしてくださいよ。

あっ…。
(裕乃)もう おなかペコペコです。

あっ 広瀬さんまで…。
あんた 来れたんだ。

田中さんに
当直 代わってもらいました。

あ…
ちょっ ちょっと待ってください。

どうして皆さんが?

そりゃ お前
誘われちまったからだよ。

(田中)いちずな恋ですか。
いいですね。

≪私の名前も
足しておいていただけますか?

(田中)えっ…。

(辻村)勝負は これからですので。

どうされました?
用事 思い出したので失礼します。

えっ?
ちょちょちょ 何で? 何で?

っと… だっ!

(一同)あっ。
んっ?

え… 違います。

最っ低!

(小野寺)ハハハ
またフラれちゃったよ。

(悠木)ホント懲りませんね。
(たまき)帰ろっか。

(軒下)そうっすね。
(威能)広瀬は残るみたいですよ。

(裕乃)えっ?
あっ いや 帰りますよ。

(小野寺)大丈夫か?
(たまき)バイバーイ 広瀬。

(裕乃)いや だから帰りますって。

杏ちゃん…。

(里美)皆さん 急患です。

よーし 行くぞ。
(裕乃)はい。

[ここに 写真を武器に
命を救おうとする者たちがいる]

[そして ここに
7枚の手紙がある]