岸辺露伴は動かない(4)「ザ・ラン」[解][字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
岸辺露伴は動かない(4)「ザ・ラン」[解][字]
「ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした荒木飛呂彦の同名漫画の映像化第2弾!高橋一生演じる漫画家の岸辺露伴が、遭遇する奇妙な事件にヘブンズ・ドアーを使って挑む
番組内容
露伴は会員制のスポーツジムで橋本陽馬という若い男と出会う。陽馬は駆け出しのモデルで、事務所の社長から「体を作れ」と指示されてジムに通う、無気力でつかみどころのない青年だった。だがこの日を境に陽馬はランニングにのめり込むようになり、走りに対する執着は次第に常軌を逸していく。ある日、久しぶりに露伴の前に姿を見せた陽馬は見違えるほど自信に満ちあふれていた。そして陽馬は、露伴にある勝負を提案する…
出演者
【出演】高橋一生,飯豊まりえ,笠松将,真凛,中村まこと,増田朋弥,小水たいが,濱正悟,春木生
原作・脚本
【原作】荒木飛呂彦,【脚本】小林靖子
音楽
【音楽】菊地成孔ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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- 邪魔
- km
- 呼吸音
- 失礼
- 漫画家
- 舌打
- 陽馬
- ジム
- デザイン
- マシン
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
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(不動産屋B)うおお~ッ!
(不動産屋A)どうだ すごい屋敷だろ。
(不動産屋B)エグいっすね…。
漫画家って もうかるんだぁ。
(不動産屋A)あったり前だ。 日本の漫画は
世界中で読まれてっからな
そりゃもう スゲーもんだよ。 ハァ…。
特に ここの先生は
超が付くくらい有名でな
聞いたことあるだろ 「岸田ゴハン」って。
(不動産屋B)
いや… グルメ漫画か なんかっすか?
(不動産屋A)ハハッ… それは知らん。
とにかく
偉い先生だから 失礼のないようにな。
ただ… 引きこもって仕事してる分
世間知らずなのは間違いない。
不動産の相場なんて さっぱりだろう。
いいか こっちのペースでいくぞ。
丁寧に 強気にだ。
うぃす。
(岸辺露伴)手首の角度は 直角90°を保つ。
各指は曲げずに 真っ直ぐを保つ。
ふううう~。
ふう~。
手のひらを前へ…。
一本ずつ 指を折る。
1 2
3…。
≪(不動産屋A)ごめんくださ~い!
4 5。 ≪(不動産屋A)お忙しいところを
失礼します。
木皿不動産の者ですが。
再び 一本ずつ指を開く。
1 2…。
≪(不動産屋A)岸田ゴハン先生
いらっしゃいますでしょうか。
(不動産屋A)
本当に… 失礼いたしましたッ!
世界的に有名な 岸辺露伴先生のお名前を
間違えてしまうなんて
ホントにもう…
誠に申し訳ございませんッ!
岸辺露伴なら
知ってるっつ~の…。 謝れ!
別にいいよ。 僕が読んでほしいのは
漫画であって 名前じゃあない。
ですよね。
(不動産屋A)
あの… 出直してまいりましょうか。
お仕事中のようですし。
いや サインの練習をしておこうと
思ってね。 「岸田ゴハン」の。
(不動産屋A)
も… 申し訳ございませんッ!
誠に 申し訳ございませんでしたーッ!
ホントに すいませんッ! すいませんッ!
はい はい はい。
お前 ちゃんと謝るんだよ。
グッと。
それで?
(不動産屋A)あ あの…
じ… 地主さんと話ができまして
先生の希望どおりの範囲で
土地を売買可能なんですが
前々から リゾート開発会社が
しつこく取り引きを迫っていたそうで
先生も 実は転売するんではないかと
それを心配なされていてですね…。
僕が 転売?
あっ いやいや!
あ いや… まさか岸辺露伴先生が
そんなことをするはずがないというのは
分かっているんですが
何しろ 漫画家の先生が
どうして そんなに土地が必要なのかと
まあ そこが…。
漫画のためだよ。
は?
は?
漫画を描くために買うんだ。
は… はぁ…。
えっ? いや しかし…
とんでもない金額ですが
それだけのため… ですか?
ああ。
いやいやいやいや… そんなバカな。
いや もう こんな家に住んでて
で 超有名なんですよ。
今更 そこまでして漫画描かなくても
もう 人生 大成功じゃないですか!
この岸辺露伴が…。
金や ちやほやされるために
マンガを描いてると思っていたのかァーッ!!
僕は 読者に「読んでもらうため」に
マンガを描いている!
「読んでもらう」 ただそれだけのためだ。
単純な ただひとつの理由だが
それ以外は どうでもいい!
そして 僕は 「読んでもらうため」
毎日毎日 「リアリティ」のある題材を
探してるんだ!
そのためなら たとえ全財産を使っても
惜しくないねッ!
あ…
お… おっしゃるとおりですッ!
謝れ 謝れ 謝れッ!
すいませんでした…ッ。
先生 私たち出直してまいります。
(小声で)向こうのペースになってるだろ。
行くぞッ!
失礼いたしました…。 早くッ。
ヘブンズ・ドアー。
(不動産屋A)おうっ!
今 心の扉は開かれる。
なんだ…?
な… んだ これ…。
(ページがめくれる音)
♬~
悪いな。
これは 僕に備わった「能力」だ。
人の心や記憶を
「本」にして読むことができる。
♬~
人間の体には 今まで生きてきた
全てが記憶されている。
たとえ 本人が忘れていても
消せない記憶が…。
それは インタビューなどでは
決して得られない 100%の「リアル」!
その「リアリティ」こそが
作品に命を吹き込むエネルギー
極上のエンターテインメントとなる。
♬~
書き込まれた命令には
絶対に逆らうことはできない。
「露伴と正直に取り引きする」。
♬~
天からの「ギフト」と
言うしかないが
重要なのは 「能力」じゃあない。
♬~
それを漫画に生かす
この岸辺露伴の「才能」だ。
♬~
マジ? マジ?
え スゲー!
え?
ちょっと見えねぇんだけど。
≪(ウエイター)
いらっしゃいませ。 お一人様ですか?
(泉 京香)
あっ 待ち合わせで。 後から1人…。
あれっ?
先生 お疲れさまでェ~す。
早いですね。
(ウエイター)失礼いたします。
カフェオレ お願いします。
かしこまりました。
何 読んでるんですか?
「ド・スタール」。
ああ~ 小説家の? 罪とか罰とか?
罪とか罰とか
他にもあるような言い方をするな。
「罪と罰」 この2つだけだ。
そして
その作家なら ドストエフスキーだ。
あ~ そうそうそう…。
じゃあ 最近の小説家ですか?
興味深いな…。
編集者の君には
これが小説に見えるのか?
100メートル先の薄暗い所から眺めても
画集にしか見えないと思うが。
ああ~…。
画家だよ。
1955年没 既に亡くなってるけどね。
「ド・スタール」が描く絵は…
抽象画でありながら
同時に風景画でもあって
そのギリギリの せめぎ合いを
テーマに描いている。
こんな簡単な絵なのに
光と奥行きと哀愁があって 泣ける。
つまり
「絵画」で 心の究極に挑戦しているんだ。
へぇ…?
失礼いたします。
カフェオレでございます。
ありがとうございま~す。
今 何時だ?
2時54分です。
泉くん… 仕事の打ち合わせに遅れるのは
社会人として もちろんNGなんだが
漫画家のところに
「6分」も早く着くなんて
編集者として
礼儀知らずってもんじゃあないのかッ?
えぇ? 初めて聞きましたよ。
早いのもダメですか…。
常識だ。
失礼しました。
僕だから 良かったな。
スイません 岸辺露伴先生ですか?
僕 「ピンクダークの少年」の大ファンで。
あの… サイン いいですか?
あ~ ごめんね サインはちょっと。
今 露伴先生 お仕事中だから…。
(描き込む音)
また今度でもいいかな? ごめんね。
もう描いたよ。
えっ?
サインくらい
SPECIAL THANX! だ。
うわ~! ありがとうございますッ!
ああ はい どうもね~。
スッゲーッ!
ヤバくね?
オレの オレの。
意外ッ!
先生が読者サービスするなんて。
失礼だな。 僕は いつだって
読者を大事にしているよ。
それより 打ち合わせの前に
少しナマナマしい話をしてもいいかい?
「ナマナマしい」?
ズバリ言うと カネの話だよ。
集明社に
前借り頼めないかな…? え?
どうしたんですか? 急に。
つい最近 「破産」した。
はい? 借金まではしていないんだが…
家も売ってしまった。
え!
引き渡しは 1か月後だが
まあ いわゆるモン無しってヤツだよ。
えっ ちょ ちょ
ちょっと待ってください。 家も?
残った財産は 君のまったく興味のない
ド・スタールの画集 これ一冊だけだ。
いやいやいやいや そんな まさか。
とにかく 何で破産するんですか?
当然 ネタのためだよ。
ネタ!?
君 声 大きいよ。
山を買ったんだ。
ただの山じゃあない。
妖怪伝説のある山だ。
叫ぶな。
つまり
古い妖怪伝説が残っている山があって
取材するために 全財産 はたいて
買い占めたってことですか?
え~!?
悪いか?
だって 買う必要ないじゃないですか
取材すればいいんですし。
週刊連載のうえに 合併号の特別編
カラー原稿に
新刊描き下ろしの合間を縫ってか。
いや~ まあ
それは こっちのせいですけどォ
終わってからでも 行けますよ。
リゾート計画があって
地上げが始まってたんだよ。
立ち入り禁止になるだろうし
誰かに先を越されたら終わりだ。
でも 伝説がホントじゃなかったら
それこそ終わりですよ。
あ~ まさか 先生の
あのお家がなくなっちゃうなんて~。
家より ネタだッ。
でもォ~…。
確かに 不思議なことはあるかも
しれませんけど さすがに妖怪は…。
「妖怪」というのは
人間が勝手に付けた名前だよ。
訳の分からないことに対して
「妖怪」と言ったり 「鬼」と言ったり
あるいは… 「神」と言ったり。
その正体は 不明だ。
でも そういうものは確かにいる。
ふぅ~ん 信じてるんですね。
信じる 信じないの話じゃあない
いるんだッ。
先生 もしかして 見たんですか?
僕じゃあないが…
信頼できる人間の話だ。
その男 仮に
「男A」としておくが…。
彼は 会員制のジムに
ほぼ毎日 通っていたんだが…。
毎日? スポーツ選手か何かですか?
いや… どんな職業でも
鍛えておくことは重要だからな。
とにかく
そのジムで 「男A」は 「それ」と出会った。
(橋本陽馬)あ…
いや… すいません。
その… 前から すごくうまく
ボディーメークしてるなと思ってて…。
なんか
作りすぎてない感じがいいですよね…。
誰に 「デザイン」してもらってるんです?
「誰に」? おもしろい言い方するなぁ。
確かに 「ボディーデザイン」とは言うが
そういう捉え方はしていなかったよ。
それで言うなら
この「デザイン」をしたのは 僕だ。
まあ 職業的にも当然だが。
デザイナーなんですか?
漫画家だ。
へぇ~…。 何て漫画 描いてるんです?
うおっ さすがに うまいなぁ…。
多分 オレが目指すのも
こっち系なんだろうな…。
同業者には見えないが。
あ~…。
オレ 駆け出しのモデルっていうか…
まあ 役者っていうか。
橋本陽馬っていうんですけど
まあ 知らないですよね。
事務所の社長に 身体作れって言われて
通ってるんですけど
なんか
こういう筋トレって よく分かんなくて。
トレーナーをつければいいだろ。
ああ オレ デイ会員だから
別料金になっちゃうんですよね。
会費だけでも 結構高くて…。
まあ でも
マシンが いいの そろってるから
朝と夜は ランニングすればいいかなって。
走るのは 前から好きなんで…。
(操作音)
(機械音)
≪(ジム会員1)おにいさん おにいさん!
ごめんね。
ちょっと そこ どいてもらっていい?
オレら いつも ここ使ってんだよね。
(操作音)
ありがとう。 おにいさん イケメン!
(ジム会員2)ハハハハ…。
(ジム会員1)ハハハ…。
(ジム会員2)ぜってェ負けねェー。
(ジム会員1)ハハッ 強気だね。
お前 じゃあ 16kmな。
(ジム会員2)うぅ~!
(ジム会員1)用意…。
(ジム会員たち)スタート。
ハハッ。
あ~ 楽勝楽勝。
ハハ 無理無理無理!
もう無理だ! ウイィィィー!
フゥー! フフフーィ! 勝った~!
クッソッ!
おまえ 速ェよ。 バカヤロ。
うわ~ 速ェよ! ハハハ!
いや キツッ!
ヤバぁ。
フッフッ フッフッ…。
[ 心の声 ]
あいつら フォームめちゃくちゃすぎ。
しかも たった16kmとか。
[ 心の声 ]
あんなヤツらに邪魔されるなんて…。
(舌打ち)
[ 心の声 ] クッソ…。
(舌打ち)
フッフッ フッフッ
フッフッ フッフッ…。
フッフーッ… フッフーッ…。
フッフッ フッフッ フッフッ…。
フッフッ…。
フッフッ フッフッ
フッフッ フッフッ…。
フッフッ フッフッ
フッフッ フッフッ…。
≪(早村ミカ)陽馬~?
おかえり~。
また走ってたんだ。
先 シャワー浴びる?
うん…。
(ミカ)ねえ ちょっと!
ねえ また なんか
雰囲気 変わったんじゃなぁい? そう?
うん! フフッ。 なんか いい感じ。
次のオーディション 絶対受かるね。
陽馬 顔は完璧なんだし…。
ね~! んうぅぅ~…。
ウフフフフフ…。 フフッ。
(鼻歌)
ああっ…。 フゥ。
はぁ…
フゥ…。
確かに。
フゥ フゥ フゥゥー。
フゥゥーゥゥゥ。
フゥー フゥー
フゥー フゥー…。
フゥ フゥー。
♬~
(ミカ)陽馬? まだぁ?
ごはん できたよ~ん。
(ミカ)えっ…?
何やってんの? まだ入ってないの?
ハァ ハァ…。
ミカちゃん。
ん~?
オレ 「デザイン」決めた。
デザイン?
うん。
何の?
ボディーメークのだよ。
オレ 走る筋肉に特化するのが
向いてると思うんだよね。
そうなの?
そう。
ああ… 食事も気をつけないと。
うん… やっぱり こういうのはダメだ。
(せきばらい)
ミカちゃん これからは
タンパク質中心の食事にしてくれる?
いいけど…。
ああ… よし。
ん? どこ行くの?
今 食べた分 消費してくる。
適当に帰ってていいよ。
(ドアが開く音)
ここ 私のマンションだよ。
(ドアが閉まる音)
フッフッ フッフッ フッフッ フッフッ…。
フッフッ フッフッ
フッフッ フッフッ フッフッ…。
フッフッ フッフッ。
邪魔だなぁ…。
(蹴る音)
ああ… よし。
フッフッ フッフッ フッフッ…。
フッフッ フッフッ…。
[ 心の声 ] 深く吸って… スゥー…。
深く吐く… スゥー…。
深く吸って… スゥー…。
深く吐く…。
フッフッ フッフッ フッフッ フッフッ…。
(規則正しい呼吸音)
≪(物音)
ええッ!? え… ちょっと
何 これェ~?
ねえ 何で家の中で…。
痛ぁぁッ!
ねえ 片づけてよォォ~。
ミカちゃん
走るのに必要な筋肉って知ってる?
え~ もう 何~!?
脚?
全部だよ。 無駄な筋肉なんて 一つもない。
でも… 中でも 「腸腰筋」が重要なんだ。
簡単に言うと 太ももを上げる筋肉。
これを もっと鍛えないと…。
それ 食事のメニュー。
オレが食べるのは 筋肉が喜ぶ
タンパク質だけだから それ守って。
ねえ おカネ減ってんだけど…。
ああ…。
ジムで プロテイン安売りしててさあ
2万借りた…。 え~っ!
友達と 買い物行くのにィ!
オーディション受かったら 返すよ…。
んもォォ~!
(インターフォン)
(インターフォン)
≪(ミカ)陽馬 出て!
(舌打ち)
(インターフォン)
おいッ! 3回も インターフォン
鳴らすなんて どういうつもりだ。
え あっ でも…。
大事なトレーニングの
時間なんだ。 朝の配達はやめろッ!
今度 そんなマネしたら…。
ちょっと やめてよ!
あたしが時間指定したの。
(舌打ち)
(配達員)すいません…。
ハァ…。
あの… ハンコかサインを。
(ミカ)すみません ほんとに…。
ねえ! ちょっと ヒくんだけど…。
何が。
今の!
あんな言い方しなくてもいいでしょ!
ハァ…。
トレーニングの邪魔されたくないんだよ。
…走ってくる。
陽馬!
(舌打ち)
邪魔だな…。
≪(踏切警報音)
フゥー フゥー フゥー。
フゥー フゥー
フゥー フゥー…。
君… どことなく変わった気がするな。
オレも「デザイン」してるんです
「走る身体」に。
じゃあ 主に
「腸腰筋」とかか。
さすが…。
「坂道」とか かなり走り込んでます。
おかげで オーディション1つ
受かったんですけど
ランニングの時間と かぶってたんで
断っちゃいました。
ああ ジムの人に聞きましたよ。
スゲー有名な漫画家なんですね。
「岸辺露伴」っていう…。
でも すばらしいなぁ。
とても漫画家とは思えない。
「体力が必要ない」なんて言う漫画家は
ニセモノだね。
じゃあ… 勝負しませんか?
漫画家に必要な体力って どの程度か
見せてくださいよ。
この間の2人が やっていた あれか。
あれは ちょっとヌルかったんで
少しアレンジしました。
この「トレッドミル」
走るスピードに合わせて
時速が上がる設定がありますよね。
早く 目標時速に到達した方が
リモコンを取って「停止ボタン」を押せる…
っていうのは どうです?
目標時速は?
う~ん…。
あのウサイン・ボルトの
平均時速が 37.6km。
まあ さすがに
それは無理ですから
マラソントップランナーの
平均時速の20…
22kmにしましょう。
そうだな。
持続するのは無理でも 瞬間トップスピードなら
それぐらいは出せるはずだ。
(操作音)
じゃあ いきますよ。
用意… スタート。
(操作音)
ハッ ハッ ハッ ハッ…
ハッハッ ハッハッ ハッハッ ハッハッ…。
(2人の呼吸音)
だあっ! ああ…。
大丈夫か?
フッフッ フッフッ フッフッ フッフッ…。
フッフッ フッフッ フッフッ フッフッ…。
(規則正しい呼吸音)
≪(足音)
(ミカ)陽馬 いる? ねえ あたしの…。
何 やってんの?
ああ… ボルダリングだけど。
(ミカ)は…?
ここ 賃貸だよ。
何なの…?
意味分かんない。
ねえ陽馬 あたしの
キャッシュカード 使ったでしょ!
勝手に引き出したよねえ 27万ッ!
ああ… 夜も ジム使いたいからさぁ
会員ランク アップした。
なによ それッ!
アアッ…。
(舌打ち)
どうやって 暗証番号を知ったの?
誕生日だろ…? アアッ… 元カレの。
アアッ…。 おかしい…
あなた おかしいよ…。
アアッ…。
もう無理。 限界。
出てってよ 今すぐッ!
あたしのマンションから
出てって!
出てけェーッ!
あああ…。
(舌打ち)
邪魔だなぁ…。
(ジム会員2)あそこ シブいっしょ。
(ジム会員1)
バカ おまえ それがいいんじゃねえか。
(ジム会員2)え~?
(ジム会員1)よっし やるぞ。
(ジム会員2)おお リベンジ?
じゃあ この間と同じね。 時速16。
ハハハ!
ハハッ いいよ。
(操作音)
OK。 じゃあ 用意… スタート!
(マシンの停止音)
ん?
おいおいおいおい
何だよ~?
どいてもらえますか。
…邪魔なんで。 はァ?
珍しいな この時間に。
露伴先生。
こんばんは。
あれ… まさか 忘れてませんよね。
オレですよ 橋本陽馬です。
覚えてるよ。
君 ホントに変わったな。
そうですか?
デイ会員だったよな。
ランクアップしたのか。 ええ。
ねえ 露伴先生。
この間の勝負 台にワザと手を当てて
リモコンを倒しましたよね。
だあっ!
さあな… ただのゲームだよ。
そう オレはゲームに負けただけです。
走ることで負けたわけじゃない。
だから もう一度 ちゃんとやりましょう。
…「公正」に。
その脇腹のところ…
「前鋸筋」か?
そんなところまで…。
露伴先生
勝ち負けには 「公正さ」が必要です。
再戦なら なおさら「公正」に
ちゃんと決めなきゃ駄目だ…。
ルールは同じ。
でも… 時速は「25km」にしましょう。
露伴先生なら いけますよ。
何で… マシンの向きが反対なんだ?
今に分かりますよ。
♬~
露伴先生 今更 逃げませんよね?
[ 心の声 ] ヤバイ…
この男 何かがヤバイッ。
[ 心の声 ] だから…。
絶対に おもしろい…。
♬~
じゃあ いきますよ。
用意… スタート。
(機械音)
♬~
[ 心の声 ]
このマシン 時速20kmまでは規則的に
そこからは 走るスピードに合わせて
速度が上がる。
つまり 最初からトップスピードを
出しても 意味はないが…。
≪(ジム会員の男)
えっ? 今日 休みだっけ?
≪(ジム会員の女)
サイアクぅ~!
(息をのむ音)
[ 心の声 ] なぜ 気づかなかった。
客はともかく
トレーナーまでいないのは おかしい。
ん?
よそ見してるヒマありませんよ 露伴先生。
ちょっと待て。
ストップだ。 一旦…。
ぐ… うっ! うあっ!
ぐ… うっ! あ あ… あっ!
うっ! ううっ…。
25kmって言ったでしょ。
んっ…!
まだ20kmにも
なってませんでしたよ。
う…。
ちゃんと やってくださいよ。
うう…。
オレが「デザイン」した 「走る身体」
完璧だって
確かめたいんで。 はっ…。
う… うっ!
あ…。
ボタンを押せる指は残したから
大丈夫ですよね。 あっ あ…。
ハァ ハァ…。
ちゃんとやらないなら先生も…
ただの「邪魔者」ってことに。
何だ…?
読ませてもらうよ…。
ヘブンズ・ドアー。
(ページがめくれる音)
ハァ…。
ハァー… さてと…。
ハァー…。
「オーディション不合格」。
「オーディション不合格」。
「社長に身体を作れと言われ ジムへ」。
「ダンベルとか意味不明。 走る方がいい」。
「腕の角度 足の上げ方 呼吸
きっちりしていて わかりやすい」。
なるほど。
確かに 基本に忠実な走りだ。
[ 心の声 ] ん? 何か変わった。
「身体が軽い。
足に羽が生えている気がする。
今に 飛べるように
走れるだろう。
いや―」。
(規則正しい呼吸音)
「オレはもう 到達してしまった」。
(規則正しい呼吸音)
はあっ!
何だ…?
ただの
ランニングジャンキーといえば そうだが
どこかが おかしい。
何かが…。
「いつも道をふさいでいた自転車。
ランニングの邪魔。 取り除いた」。
「そして トレーニングの邪魔も。
取り除いた」。
「取り除いた」。
「トレッドミルの邪魔
取り除いた」。
まさか…。
♬~
≪(ガラスが割れる音)
(風の音)
お前…
何をして…。
露伴先生 これからですよッ!
(ガラスを割る音)
勝負は もう再開してます。
♬~
[ 心の声 ]
まずいッ。 ここでNOと言えば
恐らく僕は こいつにとって
邪魔な存在に…。
露伴先生 どうしたんです?
♬~
「好奇心は猫を殺す」
そんな ことわざがあったな。
はい?
今… 少し反省している。
もちろん 本当に少しだが。
どうも僕は 越えてはならない「レッドライン」を
いつも越えてしまうらしい。
確かに。
「後悔先に立たず」ですね。
少し違うな。 これからすることを
「後悔」とは言わないだろう。
「反省」しているのは…
この状況でも まだ 君を
全部読もうとしている 僕の性格だ。
(風の音)
(規則正しい呼吸音)
(2人の呼吸音)
ハンデは これぐらいでいいですかね。
ハッ ハッ ハッ ハッ…。
フゥー。
ハッ ハッ ハッ。
(2人の呼吸音)
ううっ! あっ… うっ。
勝ったッ! 勝ったァーッ!
アハハハッ!
(マシンの停止音)
悪いな…。
念のため 書かせてもらった。
「リモコンは 露伴のマシンに向けて押す」。
なにッ…。 あっ…。
(吹っ飛ぶ音)
ハッ ハッ ハッ ハッ ハァ… ハッ ハッ。
ハァ! うっ… うぐっ!
ハァ ハァ ハァ ハァ。
≪露伴先生。
ああっ!
ハァー ハァー… ハァ ハァ ハァ。
終わりですか? 妖怪は?
聞いてなかったのかッ!
どう考えても
その「ランニング男」が おかしいだろう?
いや おかしいですけどォ…
なんか 肝心なとこが フワフワしてて。
その「男A」って人が どうやって
ランニング勝負に勝ったのかとか。
…足が速かったんだろ。
ええ~?
それ やっぱり ただの都市伝説ですよォ。
ほんとだったら大騒ぎになってますもん。
事件にはなってた。 ただ それぞれが
結び付いていないだけだ。
証拠もないしな。
それに 先生が買った山の妖怪伝説とは
関係ないですよね?
「場所」というのは 重要だ。
よく 幽霊は「人」に憑くというが
妖怪は「場所」に憑くというだろ。
それって どういう…
うわっ!
おお…。
「坂」というのは そういう「場所」の一つだ。
気をつけた方がいい。
とにかく 事情は そういうことだ。
前借りの件 編集長に通しておいてくれ。
ちょっと 露伴先生!
せっかく ここまで来たのにィ~。
ふぅん…。
あ~あ…。
ここが なくなっちゃうなんて…。
よしッ!
「橋本陽馬」が
あのあと どうなったのかは分からない。
≪露伴先生。
ああっ!
「あれ」は何だったのか?
だが 何だろうと
「橋本陽馬だったもの」が
「橋本陽馬」でなくなったのは間違いない。
恐らく…
あの「場所」で…。
ジムで 心臓まひで亡くなった人の
記事はあるけど
事件には なってないな…。
ん?
「行方不明になっていた女性
山林で発見」?
これ そうじゃないかな。
「場所」は…?
「六壁坂村」?
「六壁坂」。
フフフフ…。
間違いなく
「破産」したかいはある。
♬~