【土曜ドラマ】今ここにある危機とぼくの好感度について [新](1)[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜ドラマ】今ここにある危機とぼくの好感度について [新](1)[解][字]

名門国立大学を舞台に、思いがけず広報課で働くことになった青年が、大学が直面するさまざまな問題処理に振り回されながらも自分の生き方を見つけてゆくブラックコメディー

番組内容
イケメンアナウンサー・真(松坂桃李)は当たり障りのない発言だけを心掛けて来たが人気が低迷。恩師・三芳(松重豊)の誘いで大学の広報マンに転身する。石田(渡辺いっけい)率いる広報課に着任早々、須田(國村隼)、鬼頭(岩松了)ら理事たちに呼び出された真は、スター教授・岸谷(辰巳琢郎)の論文不正を告発した非正規研究者・みのり(鈴木杏)に接触するよう命じられる。彼女は大学でほんの一時期付き合った元カノだった。
出演者
【出演】松坂桃李,鈴木杏,渡辺いっけい,高橋和也,国広富之,辰巳琢郎,温水洋一,斉木しげる,安藤玉恵,岩井勇気,坂東龍汰,吉川愛,若林拓也,岡本杏理,吉村卓也,坂西良太,國村隼,尾関伸次,円地晶子ほか
原作・脚本
【作】渡辺あや
音楽
【音楽】清水靖晃

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. 彼女
  2. 神崎君
  3. 大学
  4. 神崎
  5. 鬼頭理事
  6. ポスドク
  7. 研究
  8. 先生
  9. 木嶋
  10. 理事
  11. ミス
  12. 学生
  13. 岸谷教授
  14. 自分
  15. 須田理事
  16. 是非
  17. 正論
  18. 石田課長
  19. 本当
  20. お願い

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(真)すみません。
関東中央テレビの神崎と申します。

お話をお伺いしてもよろしいでしょうか。

うわあ…。

(スクリーン)「えっ… これは…。

いやいや いやいや いやいやいや…。

いや~… そうですか。

いや~ 本当に… 何だろう。

うわうわ うわうわ。

何て言うか…

何も言えないですねぇ…」。

(安藤秘書)
本当に何にも言わないわね この人。

(スクリーン)「そうですね やっぱり…

今回 いろいろなこと…
でも やっぱり地元の方々の 何て言うか

う~ん それは感じましたし
伝えていきたいなって思いましたよね

これからも。 うん」。

え 何を? 誰に?

え~ 神崎 真さん 34歳。

2009年に本校の文学部を卒業後
関東中央テレビに就職。

情報番組のレギュラーアナウンサーとして
現在7年目。

まあ 人気は そこそこあるようです。

特に女性からの支持が高く
イケメン おしゃれ 好感度高し。

ただし一方で 話がカラッポ 中身スカスカ
AIなんじゃないかといううわさ。

(須田理事)いいんじゃないですか。

(鬼頭理事)いや いいですよねぇ。
(布川理事)決まりでしょう。

ええっ!?
(三芳総長)ああ そうですか!?

(斎藤理事)さすが三芳総長のご推薦。

いや うれしいな。
実は彼 私の教え子なんですよ。

うちの広報に必要なのは
まさにこういう人材ですよ。

(山東理事)すばらしい。
(拍手)

(拍手)

実は既に打診してみたんですけども

本人も かなり
乗り気でいてくれてるんですよ。

すばらしい。
あ… ありがとうございます。

いや~ どうもありがとうございます。
すいません どうも。

どうも どうも。 ありがとうございます…。

かくして 神崎 真は

アナウンサーから
国立大学の広報専門員へと

さして華麗ともいえない転身を果たした。

(シャッター音)

気安いおじさんだとしか思っていなかった
かつての恩師が

最近 大学の総長に就任したのを
知った時にも 驚いたものだが

その半年後に 自分をその広報に
スカウトしてくれようとは

想像だにしなかった。

是非!

是非です! 先生!
えっ?

いや あの ま まず説明を…。

いや いいです! 説明なんか!

是非! 是非やらせてください!

というのも 彼は

今の仕事を
早く辞めたくてしかたなかった。

え~ そうすね 何て言うか こう…。

イケメンアナとしての人気は
とっくに若手に奪われており

まだ当分 このポジションにも
たどりつけそうにない。

身の振り方を悩んでいた彼にとって
願ってもない話に思われた。

いや~ 何だろう…。
お疲れさまでした!

(拍手)
お疲れさま。

ありがとうございました。
ありがとうございます。

現実的には5年の有期雇用なのだが

交際2か月目になる玲香も…。

いや どうしても来てほしいって
総長じきじきに頭下げられちゃってさ。

僕も迷ったんだけど
まあ 何と言っても帝都大だし

そう悪い話でもないかなって。

(玲香)帝都大なら安心なんじゃない?
おめでとう。

かんぱ~い。
かんぱ~い。

恋人が単純な女であることに
彼は改めて感謝した。

難しい説明を求められたところで
世の物事はあまりに複雑で

彼にもよく分からないからである。

♬~

おはようございます。
(石田課長)はい おはよう。

よろしく。 あっ…。
おはようさん。

おはようございます。 おはよう。
おはようございます。

課長の石田だ。
神崎です。 よろしくお願いいたします。

珍しく総長の推薦に
理事が満場一致で賛成したっていうから

どんなやつかと思って資料を見たよ。

ハハッ…。
いや 驚いたね。

やっぱり僕 スポーツっていうのは

体を動かすっていうことだと思うんです。

君は何も言わなかった。

意味のあることを 何一つ。

その戦略 その徹底…

見事だ。
ありがとうございます!

僕も外からの転職組でね 苦労してるよ。

君も まあ 大変だとは思うが

その調子で頼むよ。
はい!

あ 三芳総長はいらっしゃいますか?

AIじゃなかったの…。
は?

どうぞ。
あ 失礼いたします。

いや そりゃ僕だって
いろいろ思ってますよ。

えっ まだ道ガタガタじゃんとか
電柱ボキボキじゃんとか

え これしか直ってねぇ~とか
復興予算どうなってんのとか。

まあ でも そんなことを
ポロッと言っちゃったら最後。

どこに差し障って
どこからクレーム食らうか

分かんないすからね このご時世。

だから もう極力
意味のあることは言わない。

何か言ってるけど何も言ってないってのが
一番いいんです。

僕の好感度だって上がりゃしませんけど
落ちもしませんから。

なるほどねぇ。

やっぱり 理事たちが賛成してくれたのも
彼のこの危機管理能力のゆえかな。

歯に詰まりますね これ。

よろしく頼むよ。
はい。

実に残念なことだが 我が帝都大学は
今 困窮してる。

つまり金に困ってる。
いや うちだけじゃない。

少子化で学生の数が減り
国からの運営費交付金は年々減らされて

どこの大学も もう金策に四苦八苦だよ。

健全な運営や研究を続けていくためには
相当な努力が必要なんだよ。

分かります。
そのためにも広報は大事ですよね。

そういうことだ。
任せてください 先生。

何せ僕は 今日まで
好感度だけでやってきましたから。

絶対に上げられると思います 大学のも。

そう つまり
争奪戦をいかに勝ち抜くかなんだ。

国からの運営費交付金 優秀な学生
企業からの寄付金

何もかも限りあるパイだ。

ボケッとしてたら
ほかの大学にどんどん奪われる。

なりふり構わず
積極的に取りに行くしかない。

あるいは それ以外にも
まだ取れるところがあるかもしれない。

例えば それはどこだ?

あ~…。

ここだ。

いよいよ うちも
来年から授業料を値上げする。

問題は その理由をどう公表するかだ。

これが その草案。

正直悩んだよ。
まさか金に困ってるとも書けない。

まあ 岸谷教授辺りが
ノーベル賞でも取ってくれりゃ

より高度な研究のためにとか
書けるんだがな。

岸谷教授
アルツハイマーが治せるかもって

今年こそ候補に挙がりそうですよね。

(岸谷)大臣もご覧になりませんか?

(石田課長)
この草案を広報担当者会議で報告する。

とはいえ ごく形式的なものだ。

忙しい教職員たちは 皆
会議なんか大嫌いで

さっさと終わればいいと
思ってるからな。 ただ…。

(室田)はい!

(石田課長)室田教授がいると やっかいだ。

どうぞ。

あ~ あ~。

あの~ もういいかげん
こういうインチキやめません?

施設老朽化とグローバル化に伴うコスト?
…は ともかくとして

地球温暖化対策と被災地復興って

うちの授業料値上げと
何の関係もなくないすか?

いや そりゃ確かに
どっちも我が国喫緊の課題ですよ。

でも それを理由に授業料上げますって
いくら何でも無理が過ぎるでしょ?

大っ嫌いなんだ 俺は あいつが。

正しいことを言うんだ。
はあ。

豚も食わないような正論を。

こんだけ格差が広がって

奨学金返済に苦しむ若者が
多いっつってんのに

何で うちみたいな国立大まで
上げんですか?

教育者なら まず
この状況を重く受け止め

日本の大学教育が本来どうあるべきか
考えることが先ですよ。 そうでしょ!?

なるほど それはやっかいですね。

ふん。 そうでもないさ。
どうするんですか?

半目になるんだ。
半目?

座禅中の修行僧のように。

そして信じ続ける。

この場の全員が願っているのは
とっとと会議が終わることであり

今更 本質を語り合うなど
誰一人望んじゃいないということを。

そのうち室田は力尽きて座る。

ご意見ありがとうございました。

え~ それでは この草案でご賛同の方は
拍手をお願いします。

(拍手)
(鬼頭理事)ありがとうございました。

それでは
こちらで発表させていただきます。

はっ! 腐ってやがる!

(ガラスをたたく音)

お~! えっ…。

三木谷!?
(三木谷)先輩 めっちゃ久々じゃないすか。

久々。
え 本当にアナウンサー辞めて

うちの広報やってんすか。
そうなんだよ。

俺 今 情報学で准教授やってんすよ。
もちろん知ってるよ!

去年出してたあの本 超売れてたじゃん。

すごいね。 印税どんくらい?

ちょっと やめてくださいよ。 ただでさえ
学内のやっかみ すごいんすから。

ハハ… そうなんだ。

鬼頭理事だ! 何で?

俺 まだ挨拶しかしてないんだけど…。

はい もしもし 神崎でございます。

はい… 今ですか?

今は あの え~っと
学食でお昼を… はい。

はい いや… 大丈夫です。
はい… はい すぐ伺います。

はい はい はい 失礼いたします。 はい。

何か緊急事態っすか?

分かんないけど 何か
ランチ会に呼び出し食らったわ。

大変っすね 広報も。

俺 何か やらかした?

何もやってないよね?
やってないっすね。

何も言ってないよね?
言ってないっすよね。

言ってない。 俺は いつだって
何一つ言ってこなかった。

うん… 大丈夫。

♬~

お~ ご苦労さん。
お… お疲れさまです!

お~… 俺 ちょっと次あるから
すまんが あとよろしく!

え ちょっと… え?

(鬼頭理事)どうぞ。
あ…。

失礼いたします。

ああ ご苦労さん。 まあ 座って。

失礼いたします…。

あ~ まあ 神崎君 単刀直入にいこう。

木嶋みのりさんという女性を知ってるね?

はい?

え~っと… キジマ…?

みのりさん。

学生時代 交際してたことも
あるそうじゃないか。

え~っと…。

え? まさか忘れちゃった…。

え? あ~ いやいや いやいや…。

(水田理事)総長は覚えとったで。
ええ!?

(水田理事)彼女が 何や 君に怒って

ゼミに乗り込んできたことも
あるって言うとった。

さっき そこで。

はい…。
(鬼頭理事)思い出したかね。

はい! 確かに。 ハハハ。

いや~ 私としたことが
も… 申し訳ございません!

いやいや いやいや 我々は なにも
君を責めようっていうんじゃない。

ところで神崎君。 君は…。
はい!

非常に口が堅いように見えるんだが…
どうかな。

はい! それはもちろん 私はとにかく

何も言わないことに関してだけは
自信がございます! ハハハハ…。

内部告発…?

そう。 岸谷教授の研究室で

論文のデータが
改ざんされているというね。

岸谷教授がですか? まさか…。

いや もちろん そんなのは
ガセに決まってるよ もちろん。

そ… そうですよね。
岸谷教授に限ってね。

(鬼頭理事)ガセじゃなきゃ困るんだよ。

何せ彼は 押しも押されもせぬ
うちのスター教授。

広告塔であり稼ぎ頭でもある。

彼の名前で獲得している研究費は
莫大なものだからね。

まあ 国も期待している人ですよ。

(布川理事)ガセしかないですよね。
(斎藤理事)ガセしかないです。

(山東理事)ですよね。
(鬼頭理事)もし これが事実ならば

大学は正式に公表しなきゃならん。

あらゆる方面に謝罪をし
莫大な研究費を失うことにもなる。

いや もちろん そういう事態は
何としてでも避けたい。

できれば ただのガセ
さもなくば告発者の勘違い

少なくとも改ざんではなくミスだった。

この辺りに落ち着かせることができれば
公表する必要はないからね。

なるほど。

しかし ここで大きな懸念材料が残る。

それが 君の元カノ。

は?
木嶋みのりさん。

今 岸谷研究室のポスドク
つまり非正規雇用の研究員なんだがね。

え… つまり その
内部告発者というのが…?

そう 彼女だ。

(布川理事)ぶっちゃけ どのくらいなの?
は?

いや つきあってたの。

いや… そ そうですね
多分3か月くらい…。

3か月!
そりゃ十分深い関係だ。

(鬼頭理事)真剣だったんだね お互い。
少なくとも彼女はね。

向こうは まだ君に未練があるかもしれん。

決まってるよ。
片や活躍華々しいエリートイケメン

片や大学でくすぶってるポスドク。

いや… そ それはどうでしょうかね…。

神崎君 どうだろう

ちょっと久しぶりに
再会してみてはどうかな。

木嶋みのりさんと。

私が…?
(須田理事)そう 君が。

せっかく同じ職場になったんじゃないか。

ポスドクというのは
ストレスも多いんだ。

きっと いろいろと
悩み事があるんじゃないかな。

相談に乗ってあげたまえよ。

相談に。 ね。

(石田課長)須田理事が じきじきに
お前に そうおっしゃったのか。

はい。

え… 須田理事って
そんなにすごい方なんですか?

ここだけの話 うちの裏総長と呼ばれてる。

三芳総長は よくも悪くも
いささか浮世離れしたお方だが

その点 須田理事は徹底したリアリスト
決断と実行の方だ。

国や財界との太いパイプもお持ちだしな。
なるほど…。

とにかく 是非
木嶋みのりさんと再会するんだ。

はい…。

須田理事のおっしゃる
相談の意味は分かってるか?

あ あの… 彼女をなんとか取り込んで
丸め込み

やっかいな火種を消してくれたまえ
そういうことかと…。

よし その調子だ!

もう~…。

先生!
あっ!

え? え~ ちょっと… 先生! 先生!

すまん! すまん! 許してくれ!

いやいや 怒ってないですから!

教えてほしいんです!
マジで僕 思い出せないんですよ~!

はあ? 先輩の元カノ?

あ~ 俺が覚えてんのは…
え~っと 何か

どっかのミスコン3位か何かの
すっげえギャル?

あ~ 違う! 覚えてない?
あの 超地味で暗い感じの…

いや 年上の薬剤師じゃなくて
うちの大学の学生のさ

何か 文化祭の打ち上げで知り合って

ゼミに押しかけられたあと
別れたとこまでは分かったんだけどさ

その間に 俺は一体何をやらかしたのかが
全然思い出せないんだよ。

お前も絶対 会ったことがあるんだって。

そう いやいや うん… 眼鏡はかけてる。

お疲れさまです。
(岸谷)順調か。 うん。

あ… これさ ちょっと読んどいて。
(みのり)はい。

ここ置いとくよ。

君… これ。
はい。

これとこれ うまく整えといて。
はい 分かりました。

その時 彼はこう感じていた。

俺は今 神によって

これまでの人生のとがめを
受けているのだ。

昔から女性には不自由しなかった。

そして それに甘んじて
いいかげんなことばかりしてきた。

これはその報いなのだ。

土下座でもすれば許されるのだろうか。

それとも 切腹を命じられるのであろうか。

♬~

神崎君?

うん…。

久しぶり…。

覚えててくれたの? 俺のこと。

え? あ… うん。
だってほら 時々テレビで…。

ありがとう…。

こんな… こんな俺のこと。

え 何が?

あ~… ごめん ごめんね。

あの… 本当ありがとう。

え~っと 私 ウーロン茶と…
手羽先 頼んでいい?

おお もちろん!
手羽先 お願いします。

以上で。
はい。

しかし やっぱり忙しいんだね
岸谷研究室ともなると。

こんな遅くまで仕事なんてさ。

ああ まあね。
でも もう私 今期いっぱいだから。

辞めるの?
ん? クビ。

え 何で?
普通に雇い止めだよ。

今期で5年のプロジェクト
終わるからさ

そしたら うちら有期雇用のポスドクは
もうお払い箱。

次は どうするの?
まだ決まってない。

そっか… 大変じゃん。

神崎君ってさ… 相変わらず

何の苦労も知らずに生きてんだね。
え?

大学で働くなら知っといた方がいいよ。

今 ポスドクって 本当悲惨でさ

低賃金で
奴隷みたいに働かされたあげく

任期が切れたらあっさり解雇っていうのが
本当多いんだよ。

そうなの?

行き詰まって自殺しちゃう人も
結構いるんだよ。 え~。

まあ 私も 気持ち分からなくもないけど。

自分の将来とかさ… 不安しかないもんね。

あの 何か 俺でよかったらさ

相談とか聞くよ。

何それ。
いや何か その… 悩みとか。

あ… ありがとう。

まあ でも
自分の心配した方がいいと思うけど。

そうかな。

あ! ねえ こないだ
これ すっごい笑っちゃったんだよ。

え 何?
あの~ 神崎君が

番組卒業する時の動画が
ネットに上がってたんだけど。

あるかな… あったあった ほら。
何?

でもね ほら これ神崎君じゃなくて

ほとんど後ろのイケメンのアップなの。

ほら。 ハハハ…。

あ… ごめん。

いやいや いやいや…。
え… ごめん。

そんなにまともに傷つくって
思わなかった。

いやいや… 大丈夫 大丈夫 大丈夫。
そういう… 全然 あれだから。

手羽先 おまちどお。
あっ 来た。 あ! おいしそう!

お~ 本当だ。
ね。 おいしそう。

で そのあと結局3時ごろまで話して
また会おうってことになったんですけど。

ほう! さすがイケメン 女心つかむねぇ。

いや~ 何か でも もしかしたら 昔

振られたの
僕の方だったかもしれないです。

あの人が
俺を好きになる気がしないんすよね…。

ハハハハハ…。

は! お前は肝心なことを聞き逃している。

彼女は お前の卒業動画を見たって
言ったんだろ? はい。

お前の名前で
検索したってことじゃないか。 わざわざ。

あ そうか!
自信を持て。

はい! 頑張ります!

あ~ なるほど。

(上田教授)
え~ 岸谷研と うちとは隣同士で

まあ 今更
自己紹介というのもなんですが。

この度 予備調査を担当します
生命科学の上田です。

よろしくお願いします。
よろしくお願いします。

つまり こちらのデータに
本来 映っているはずのこの辺り

こちらでは
きれいに消えてしまっていますよね。

要するに 写真を明るくすることで

都合の悪いデータを
飛ばしてしまっているわけです。

それだけ?

いや あの ほかにも あの…

報告書13ページ辺りに
同じような事例が7か所ほど。

ま たまたま下の人間が
やっちゃったんでしょう。

それは つまり意図的にではなく?

そう。 だからミスでね。

ミスでね。 確かに よくあることですよ。

ありますよね どうしても。
ですよね。

じゃあ まあ ひとつ
ミスということでお願いできますか。

いや しかし
さすがに8か所ともなると…。

しかも 木嶋さんの方は

確かに岸谷教授が指示をしているところを
見たと証言しています。

これも あの 報告書の…。
まあ 聞き間違えたんでしょう。

(布川理事)
思い込みとかね。 いずれにせよ

教授が指示したっていう証拠は
持ってないんでしょ?

まあ 持ってない可能性は高い。
ですが…。

なら いけるでしょう ミスで。

いやいや… けど
そら 告発者の彼女が納得せんでしょう。

う~ん まあ ここは… 神崎君の出番かな。

は!?
(鬼頭理事)ねえ 神崎君。

というわけで 是非 君の方から
木嶋さんのメンタルケアをね。

え はっ え…!?

よろしく頼みますよ。

この予備調査でシロと出れば

世間に公表する必要も
なくなるわけですから。 ですよね。

じゃあ 神崎君 くれぐれもよろしくね。

よろしくです。
よろしく。 よろしく。

頑張ってな。

よろしく。

はっ。

(ドアが閉まる音)

はい。 神崎です。

えっ 学生新聞ですか?

ごめんごめん…。

買い占めようか。 とりあえず。
はい!

あ… やべ 足りないかもしれません。

(石田課長)それから
理学部講義棟の北側ずっと奥に

今は使ってないボロボロの天文台がある。
その地下が…。

(石田課長)帝都大学新聞部の部室だ。

(ノック)

♬~

すみません。

(シュウジ)はい。

失礼します…。

(シュウジ)何かご用ですか?
あ あの え~っと…。

(動画の撮影を開始する音)

えっ いや… ちょっと…。
撮影してるんで。

何ですか?
(ユウナ)それ うちの新聞ですよね?

ちゃんとお金払っていただいてます?
払ってないなら窃盗罪!

刑法第235条10年以下の懲役
または 50万円以下の罰金ですから!

いや えっと…。 払ってます?
払ってます! 払ってます!

窃盗罪になりますよ! いいんですか?
払ってます 払ってます…。

(コウスケ)
あの それ買い占めても意味ないすよ。

もうネットにあがっちゃってるんで。

これは ちゃんと
信頼できる筋から取材したものです。

僕らは事実だと確信して
記事を作っていますし

撤回するつもりはありません。

いや まあ それはその
こちらも そちらのお考えをですね

そういう意味では その
全く あれなんですが…。

いいや カメラ。

(動画の撮影を停止する音)

ありがとう。

いや~ やっぱ カメラって 何かね
どうしても意識しちゃうよね ハハ…。

僕らには必要な武器なんです。

最近 大学当局から
学生への言論弾圧がひどくて

この部も潰されかかってるんで。
はあ。

あの 神崎さんだって
アナウンサーされてたなら

今のこの国の言論の自由について

危機感を
持っていらっしゃるはずですよね?

いや まあ そう… そうね。 うん。

いや… よくないよね 確かに。 うん。

説得されてどうすんだよ…。
すいません。

マジで早く潰さないとだな あの新聞部は。

いや でも 話聞いてると
ちょっと正論かもなって気もしてきて…。

正論?

正論だと!?
え?

いいか 神崎!
は… はい!?

正論にだけは気を付けろ!

正しさなんぞ何の腹の足しになる?

そんなものは
隅田川のスナメリにでもくれてやれ!

誘惑に打ち勝つんだよ。 強い心を持て!

正論 ダメ 絶対! 分かったか!

は はい! はい。 はい…。

(記者)出てきた!
(記者たち)岸谷教授!

はいはい はいはい…。

はいはい はいはい はいはい…。
はい すみません!

ちょっと撮影ご遠慮ください!
こちら大学ですんで…。

あの 学生たちが映っちゃうと
困っちゃいますんで!

すみません 今回の不正論文疑惑について
ひと言 コメントいただけますか?

ないない そんなの。

はい 学生映さないでくださいね!

学生なんかいないじゃないですか!
取材の妨害しないでください!

危ない危ない…。
車通りますよ~ はい。

(メッセージの着信音)

いや どうすんだって…。

メンタルケアとか…。

びっくりした。

先生かよ もう…。

はい もしもし神崎です。

あ~ 今日すか?
ちょっと遅くなりますけど…。

あのな。
はい。

今日 理事たちが方針を固めたと
報告があった。

えっ… 何の方針すか?

こないだの話し合いでは

ポスドクの彼女の説得を
お前に任せるって話だったそうだな。

いや そうなんすよ~。
もうメンタルケアしろとか

言われてですね。
でも ぶっちゃけ そんなの

どうすればいいか
さっぱり分かんないんすよ。

だけど もうマスコミが
嗅ぎつけだしただろ。

だから理事たちも相当焦っててな

一足飛びに
具体的な交渉条件 出してきた。

もう それを お前が彼女に伝えて
交渉してほしいらしい。

交渉!?
つまり こういうことだ。

来年の4月に
若手研究者育成事業があって

助教のポストが新しく1つ出来るから
それを彼女に用意する。

そのかわり 今回のデータ不正は

彼女の勘違いだった
ということにさせてほしい。

もちろん告発者が誰かは 完全に守られる。

なるほど…。

いや~ いいんじゃないですかね!

それは かなり彼女にとっても
いい条件だと思いますね。

そうか!
いや それは僕の肩の荷も下りましたよ。

もう彼女に全部ぶっちゃけて
それを伝えればいいだけでしょ?

あ~ よかった~。

いや~ 何かごめんね。
いやもう そうっすよ。

先生が理事たちに
余計なこと吹き込むから。

いや~ ごめんね。

だってさ ゼミに乗り込んできた時の
彼女の顔 忘れらんなくてさ。

え?
こうだよ。

ガラガラ… 「神崎 真君いますか!」
「いないよ」っつったら

もう両目から涙がブワ~って…。
マジっすか。

うん。 あのあと彼女
ずっと大学残ってたじゃない。

俺 あの顔見るたんびに
思い出しちゃってさ バ~って…。

え~。
ねえねえ 彼氏いんの? 今 彼女 ねえ。

いや~ いやいやいや…
いないんじゃないすかね あの感じじゃ。

いや いないと思いますよ。

はい どしたの?

もしも~し 先輩?
俺 思い出したわ 木嶋みのりちゃん。

あの子 先輩に超ほれてたよね。

え そうなの?

(三木谷)
先輩 全然相手してなかったけどね。

マジで?
(三木谷)え 覚えてないの? ひど~。

いやいや いやいやいや… あ そう。
そっか~。

♬~

いらっしゃいませ。

ごめん 遅くなって。
いいえ。 どうぞ。

はい じゃあ お疲れ。

お疲れ。

何か すごい いいお店だね。

こないだ居酒屋だったから
そのつもりで来ちゃった。

ハハ。 今日はね
ちょっとゆっくり話がしたかったからさ。

うん?

あのね みのりちゃん
気を悪くしないで聞いてほしいんだけど。

何?

来年の4月以降の
みのりちゃんの就職先をさ

ちょっと紹介させてほしいんだよね。

どういうこと?

実は ちょうど4月に若手育成事業で
助教のポストが新しく出来るらしくてさ。

みのりちゃん どうかなって。

それ… 私を採用したいって
誰が言ってるの?

ん~… まあ 実は 今日
理事たちに呼ばれて 俺。

で みのりちゃんについて その…
初めていろいろと聞かされたっていうか

相談されちゃってさ。

いや 大学も苦しい立場だと思うんだよ。

もちろん あれは
あっちゃいけないことだよ?

でも 人間誰しも ミスはするしさ
彼は うちのスターでしょ。

だから やっぱりここは 彼を守ることが

彼の研究と
大学全体を守ることにもなるっていう

そりゃもう断腸の思いで 理事たち…。

ハハハ…。

何それ。 なめてんの?

ごめん じゃあ こう返しといて。

そんなクソダサい交換条件
私はのみません。

不正は事実ですから
私の心には死んでも納めません。

えっ。

みのりちゃん!?

いや…。
それから 神崎君さ

今日初めて聞いた? うそでしょ。

最初から そのつもりで
私に近づいたんでしょ?

いや その…。
バレないとでも思ってた?

お疲れ。
最初っから全部お見通しだから。

(ドアの開閉音)
ちょっと待って… みのりちゃん!

すいません お会計で!

みのりちゃ~ん!
みのりちゃん 待って~!

みのりちゃん 待って!

みのりちゃん!

みのりちゃん! みのりちゃん!

みのりちゃん 待って…。

みのりちゃん!
みのりちゃん ごめん 本当謝る!

このとおり! このとおりだから!

♬~

あのね!
はい…。

一介のポスドクがさ
上司のスター教授と大学っていう権力を

ぜ~んぶ敵に回すの分かってて
内部告発したんだよ。

うん。
そんな大それたこと

どれだけシミュレーションとか検証とか
徹底的にやり尽くした上で

事に及んでるのかって
ちょっと想像したら分かんないのかな。

本当 権力持ってる人たちって
見下してる人間に対して想像力ないよね。

そ… そうだよね。

君もね 見下すのは勝手だけど
見くびるのはやめた方がいいよ。

痛い目見るから。
す すいません。

私は… 日本の科学研究に
あるべき姿に戻ってほしいだけだよ。

資金資金資金って
お金のことばっかりに必死になって

あまりに いびつに ゆがんでしまって

もう絶対このままじゃダメだって
みんな分かってる。

だけど誰も止められない。

私だって こんなことして
それでどうなるのとも思うよ。

だけど やらないよりマシだから。

例えば 病気が重くて死にかけてるんなら
まず それを認めるしかないじゃん。

どんなに嫌でも 病名を知らなきゃ
治療だって始まらないじゃん。

私は…

昔から 好きな人に まともに
相手にされるような女じゃなかった。

でも 研究さえしてたら楽しくて
夢中になれた。

世界は私の相手をしてくれる。

本気で。 真剣に。 正直に。

だから 研究の喜びを取り戻したい。
自分と現場に。

それだけだよ。

そう言って彼女は 再び
自転車で夜の街に去っていったので…。

(録音・みのりの声)
「だから 研究の喜びを取り戻したい。

自分と現場に。 それだけだよ」。

せめて この結果が

彼自身の落ち度でないことを
証明するべく

ひそかに録音しておいた会話を
聞かせながら

彼は泣きたかった。

これって… 僕の落ち度になるんですかね。

ところが 驚いたことに。

(泣き声)

え。
(泣き声)

総長が泣いていた。

お茶 いれますね。

え…。

♬~

翌月 帝都大学は 定例会見で

岸谷研究室の論文不正疑惑に対する
本調査開始を発表した。

(記者)つまり データの改ざんが
あったということですか?

え~ まだ 本調査を開始する
という段階でございますので

え~ 文科省のガイドライン 及び
当大学の規程にのっとり

適切に対応したいと考えております。

(記者)内部告発をしたのは
ポスドクの女性だと

今日発売予定の帝都大学新聞の号外に

顔写真と実名が出てますが
これは事実ですか?

え~… それは こちらも
まだ未確認でございますので

え~ 文科省のガイドライン 及び
当大学の規程にのっとり

適切に調査したいと考えております。

一体 何がどうして
こんなことになってしまっているのかを

たまたま入った定食屋で
彼はやっと理解した。

(テレビ)「要するにですね 科学研究は今

必ず当たる宝くじのようなものだと
勘違いされているんです。

国も企業も すぐに成果が出て
金になりそうな研究に

巨額な投資をする。

そして例えば
5年で結果を出せなんて求めるでしょ。

しかし 研究というのはですね

本来 そう すぐに都合よく
結果が出るものじゃないんです。

そのプレッシャーは
研究者たちにとって

それはもう大変なものなんですよ!」。

複雑なことの嫌いな彼は

世界に単純であってほしかった。

簡単で シンプルで

自分にも やすやすと
分かるものであってほしかった。

(コウスケ)ごちそうさまでした。
あ ううん。 じゃあ 頑張って。

はい。 また連絡します。
はい。

しかし 残念ながら

世界は
そう単純であるはずもないのだった。

僕 やっぱ
無能だって思われてるんですか!?

ごめんなさい。
不正があったのか!? なかったのか!?

明言しようじゃないか!

ミスター・レッドカード。
ありとあらゆる店から

出禁を食らっているらしい。
フォ~!

みのりちゃんを あいつから
守らなきゃいけないような気がして。

許してくれ…。
そこら辺はもう君の責任だからね?

短い間でしたが大変お世話になりました。

いや まだ早い!