【土曜ドラマ】今ここにある危機とぼくの好感度について(3)[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜ドラマ】今ここにある危機とぼくの好感度について(3)[解][字]

名門国立大学を舞台に、思いがけず広報課で働くことになった青年が、大学が直面するさまざまな問題処理に振り回されながらも自分の生き方を見つけてゆくブラックコメディー

番組内容
帝都大百周年記念イベントのゲスト・浜田剛志(岡部たかし)の主張が思わぬことからネットで炎上。真(松坂桃李)ら広報課員は連日苦情電話の対応に追われる。爆破予告を機に須田理事(國村隼)たちはイベントの中止を、三芳総長(松重豊)に進言するが、浜田が外国特派員協会の記者会見で「言論の自由」を盾に大学への批判を表明したため、帝都大の立場を説明するべく、三芳も会見することになる。真は想定問答集の作成に燃える。
出演者
【出演】松坂桃李,鈴木杏,渡辺いっけい,高橋和也,池田成志,嶋田久作,温水洋一,斉木しげる,安藤玉恵,岩井勇気,坂東龍汰,吉川愛,若林拓也,坂西良太,國村隼,尾関伸次,円地晶子,羽鳥名美子ほか
原作・脚本
【作】渡辺あや
音楽
【音楽】清水靖晃

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

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  2. 大学
  3. 先生
  4. 意味
  5. 本当
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  16. 三芳
  17. 中身
  18. 拍手
  19. 理事
  20. お願い

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(真)みのりちゃん。
(みのり)ん?

俺 みのりちゃんと出会えて
本当よかったと思っててさ

同世代で こんな人もいるんだなって

こんなに ちゃんと
いろいろ考えてる人もいるんだなって

俺も頑張んなきゃなって… まあ
何を頑張ればいいか分かんないけど

とにかく… この人に会うのに
恥ずかしくないようにならなきゃなとか

こんなこと 同世代の
しかも 女の人に思うの初めてでさ。

そう。 木嶋みのりとの再会によって

神崎 真は変わった。

お願いします。
お願いします。 こちらへ。

…と 神崎 真は思っていた。

というわけで 神崎さん!
はい! そうなんです。

こちらが その我が校100周年記念の
プレイベント会場なんですね。

こちらは 彼ら学生たちによる企画で

4週間にわたって
こういった豪華ゲスト講師を招き

連続講座を行う予定なんです。

連続講座というのは?

はい 連続講座というのは
つまり 連続した講座ですね~。

(コウスケ)あの 僕たちが
今回考えたテーマは「多様性」で。

あっ はいはい ええ。

ダイバーシティーって
今 かなり はやっている言葉だけど

本当は 結構難しいことだと思うんです。
そうですよね うん。

僕らも ちゃんと
理解や実践ができてるかどうか

正直 疑問があって
だから今回 いろんな分野の先生方に

生の言葉で 直接教えていただけたらなと
考えております はい。

生の言葉でね。
もちろんです はい。

傍目には 何一つ変わっていないように
見える彼であるが

しかし それでも 己の話の中身のなさに
時々落ち込むようにはなった。

それは 小さからぬ変化であるといえよう。

♬~

(吉永教授)
ダーウィンの主張は むしろこうです。

「生き物が よりうまく環境に適応して
末長く存続するためには

多様性こそが重要なのである」。

皆さん 実は 働きアリも

そのうちの2割が
働いていないというのをご存じですか?

では彼らが ただの怠け者かというと
そうではないんです。

例えば 外敵が現れたり
巣が壊されそうになるなど

危機的状況で活躍するのが

ほかでもない
この働かないアリたちなんです。

(一同)かんぱ~い!

いや~ 吉永先生 よかったですね~!

(三木谷)やっぱり 第1回に
吉永先生持ってきたの

正解だったんじゃない?
正解でしたね。

(室田教授)おかげで イベントのテーマが
しっかり伝わった。 はい。

あとは もう結構 みんな自由にさ

多様な視点を持つための
イベントなわけだからさ…。

「第2回 本当の日本のサイズって?

メルカトル図法だけじゃない世界地図」。

(ユウナ)実は地図って 図法によって
国の大きさが まちまちらしいですよ。

「第3回 月は縮んでいる」。

何かさ 自分が毎日悩んでることとか
すごくちっさく思えてくるよね。

そう?
だって国のサイズが まちまちだったり

月が縮んでたりしてるわけでしょ?
俺が なかなか成長しなくたって

まあ しょうがないかって気に
なるじゃない?

そう… まあ そうかもね。

広報課としても このイベントは
大いに盛り上げたいところだからさ。

僕も記録係として密着するよ。
邪魔かもしんないけど。

(シュウジ)邪魔とかないっすよ。
本当? 俺 嫌われてない?

気にしないで! だって
ダイバーシティーって そういうことでしょ?

たとえ嫌いでも尊重し合わなきゃ ハハ…。

嫌われてんのか…。
いや

そういう意味じゃないんじゃないすかね。

うん ありがとう…。

(ネットニュースを受信する音)

えっ…。
え!

うわ…。
え~?

ええ~。
え? どしたの?

いや あの これ…。
え?

彼女は 超人気韓国アイドルグループ
BGSのメンバーで

名前はユナさん。

この写真は 先週 プライベートで
同じくメンバーのヘミちゃんと一緒に

日本に遊びに来た際に
SNSにあげたものですね。

ちなみに実物はこちら。

このポーズは 最近彼女たちが出した

「KO/OK」という
新曲のダンスに使われているポーズで

これがノックアウトのKO これがOK。

かわいいですよね。
このかわいいだけのはずの写真が

何で こんなに
炎上しちゃってるかっていうと

ユナちゃんの背景をよく見てください。

何か ポスターのようなものが
映ってますね。

実は このポスターが こちら。

(斎藤理事)
ああ この人か。 日本僻地論ね。

(三木谷)そうです。
ネットジャーナリストの浜田剛志先生の

新書のポスターでした。

つまり彼女たちは おそらく
たまたま このポスターの前で

たまたま
日本の衰退を憂いているおじさんと

同じポーズをとってしまった。
…がために

こういうネタが大好きな人たちによって
ここだけを切り取られ

「韓国アイドル 公然の日本dis」の写真に
されてしまったわけです。

ちなみに disというのは
disrespectの略で

軽蔑とか侮辱とかの意味ですね。
僕からは以上です。

(布川理事)で? この浜田さんが

うちのイベントに
参加することになってたわけ?

はい。
最終回のいわゆるメインイベントで

浜田先生が
いろんな外国人パネラーや学生たちと

ディスカッションする時間もとってます。

テーマは
「見下されてる日本に未来はあるのか?」。

攻めてますよね~。
(石田課長)それで あの

このユナさんの写真の
大炎上とともにですね

浜田先生と こちらの
「見下されてる国 日本」も また

ごうごうたるバッシングを
受けてるようでして

広報課の方にも 連日
「あんなやつを呼ぶな」といった趣旨の

講座中止を求める苦情電話やメールが
殺到している状態です。

(電話の録音)
「お宅のそのイベントだって

国の税金を使ってるわけでしょう?」。

(岡野)「あ いえ イベントは基本的に
寄付金で運営しておりまして…」。

「でも 国立大のスポンサーってのは
国でしょ?

なのに その国をおとしめるような人を
ゲストに呼ぶっておかしいでしょ!」。

恐れながら広報課としましてはですね

やはり これは 事態を重く見て
中止とした方がよろしいかと…。

いや 断じて屈するわけには
いかないですよ こんなことには!

だって このイベントのテーマは
「多様性」ですよ?

たかだか
ネットの炎上ごときに びびって

ゲストをあっさり排除しちゃって
どうするんですか!

♬~

(須田理事)
三芳総長は いかがお考えですか?

(三芳総長)へっ!?

そうですね… 難しいことですから

皆さんで決めていただければ。

いや ですが… 実際 広報課は

既に連日 苦情の応対に
追われているわけでして…。

まあ そのご苦労はお察ししますよ。

しかし 申し訳ないが
そこは我慢してください。

大学ってのはそういう場所なんです。

学問の府である大学において

言論の自由は
死守されねばならないものなんです!

まあそりゃ 爆破予告でも来りゃ
また考えますけどね。

くそ! あのお座敷犬野郎!

ぬくぬくした部屋ん中で
ほえたいように ほえやがって!

(岡野)課長! もう限界です!

毎日毎日 知らない人から
ひどいこと言われ続けて…。

もう私には受け止められません。

いやいや いやいやいや
だからさ 受け止めなくていいんだって。

この苦情は
君の責任でも何でもないんだから。

ほらほら…。

はい 帝都大学広報課です。
ちょっ… ちょっと見てみ。

☎どういうつもりなんだ!
ご意見ありがとうございます。

恐れ入ります はい…。 はい なるほど。

何一つ受け止めてないだろ?
ええ なるほど。

あんなの… 私には無理です…。
失礼いたします はい。

(谷山)か か か… 課長!
ん? 何?

爆破予告だ!
え!?

すぐに鬼頭理事に連絡しないと!
はい!

(種田)え ひどい…。
ほら だからやっぱり

世の中これだけ物騒ってことなんだよ。

(谷山)あ でも これ

差出人の番号 載っちゃってますよ!
え?

載ってるな。
もう焦らせないでよ…。

よかった~。
何だ こいつ。

翌日 あっけなく犯人は捕まってしまった。

76歳 無職の
おじいさんということであった。

以前から大学が
気に食わなかったそうです。

大学が?
ええ。

俺の納めた税金で
学生どもが祭りなんぞしやがってって

怒ってました。

しかし この一件を受けて
石田課長は がぜん勢いづいた。

嫌です。 絶対 中止にはしません。

こういう脅迫は
どうせ また来るんですよ!

何かあってからじゃ遅いんです!

でも まだ
何も起こってないじゃないですか!

あのね 必要以上に警戒して
やるべき議論もやらないっていう

その萎縮こそが むしろ危険なんですよ!

あの すいません! 神崎さん
この議論 撮影してもらっていいですか?

あ はい…。
(石田課長)はあ!? 何言ってんですか!

ダメに決まってんでしょ!
でも すごい大事な議論だし

公開する意味があるんじゃないですか?
冗談じゃないよ!

こんな内輪もめなんか公開したら
帝都大のイメージは だだ下がりですよ!

絶対撮るなよ 神崎!
はい。

は! イメージ?

あのさ 何で広報ってのは

そう表づらだけ
こぎれいに取り繕おうとするんすか!

浅はかなんだよ そもそも発想が!

はあ?
あんたに広報を語られたくないね!

お気楽な学者先生は
研究室で理想論ほえててくださいよ!

何だ その言い方!
あ~ ちょちょちょ…。

落ち着いてください!
まあまあまあ…。

(シャッター音と動画を撮影する音)
こら! 撮るなっつってんだろ!

しかし こんな議論もむなしく

結局は 同じ頃開かれていた
理事の会合で…。

ま 中止でしょう。
ですよね。

中止したらしたで
何かと批判もあるでしょうが

しない場合と比べて
実害も少ないでしょうから。

(鬼頭理事)え~ では 私の方から
総長には報告しておきますので。

お願いします。

既に 結論は出ていた。

(浜田)はあ? 何それ。

本当に申し訳ありません。

え~… 何? それ。

いや お宅ら ほんま それでええの?

いや そりゃ僕らも 心底悔しいっすよ…。

(室田教授)あの 僕らも本当に残念です。

しかし 理事たちが
結論を出してしまった以上

もはや どうしようもなく…。
えええ? ちょっと待ってや。

お宅ら 俺呼ぶのに
その程度の覚悟やったん?

納得でけへんのやったら 何で
その理事たちに反論しに行かへんの?

このご時世に そんな根性で

言論の自由なんか
ほんまに守れると思ってんのかいな!

先生 おっしゃるとおりではありますが…。

ねえ これさ
ユウナちゃんが行った方がいいよ。

え 私?
うん 絶対。

コウスケ君と代わって。 君が謝っといで。

え~…。
やってみたら?

重々承知です はい…。

(浜田)何を承知してんのか
もう一回はっきり言うてもらってええ?

しかしですね 大学において…。

あの 浜田先生

本当に申し訳ありません。

先生をお呼びしようと決めたのは
私たち学生で

大変責任を感じております。

すいません。

いや僕もね 別に
君らを責めてるわけじゃないんだよ。

ただ 何て言うかな…

こういうのって難しい問題だから… さ。

簡単にいかないのも当たり前でね。

はい。 私たちは まだまだ甘ったれで

考えも覚悟もぜんっぜん足りてないことが
よく分かりました。

いやいや そんな自分を責めないでよ。

君たち学生は学生の
僕はジャーナリストとしての

それぞれの戦い方を
見せればいいと思うの。

はい。
心配しないで。

僕にも考えがあるからさ。

まあ お互い頑張りましょう。

あの この度は…。

(コウスケ)え… 終わり!?

えっ すごい!
え… 神崎さん すごい!

え… あ~ いや

ごめん 実は今の微妙にセクハラだから
そんな感心しないで。

どゆこと?
いや え~っと… 実はあの人ね

昔 番組ゲストに
来てもらったことがあるんだけどさ

女の子に超弱いのよ。

あ~ そういうこと。
背に腹はかえらんないと思って。

ごめんね ユウナちゃん。

そんなこと どうだっていい!
ありがとう 神崎さん。

前から思ってたんだけどさ
おじさんって むしろ男性差別ひどくね?

イタリアでもそうだね。
へえ~。

スリランカでもそうだ。
だよね~。

「僕にも考えがある」って言ってたね…。

何か反撃してくるつもりですかね。

あの人のことだから
このままじゃ終わらない気がするな…。

浜田剛志です。 よろしくお願いします。

(通訳)

(浜田)「え~ 今回の
帝都大学の判断には失望しました。

そして同時に 危機感を覚えています」。

(通訳)

(浜田)「多様な視点から
議論を尽くせる環境を守ることは

大学の重要な責務です。

なぜなら 今 この日本において
それが望める場所は

大学ぐらいしかないと言っても
過言ではないからです。

批判や脅迫に屈して簡単に放棄すれば

それこそ 社会にとって
甚大な損失であることを

大学は自覚すべきです」。

(安藤秘書)で 今度は総長が
これに呼ばれてるんですか?

はい。 この会見が 外国人記者たちに
結構評判だったらしく

今度は是非
総長のご意見をお聞かせくださいと。

(水田理事)
ハハ… 国際的にバズってもうてるやん。

笑いよる場合じゃなかぞ!

理事たちは何て言いようと?

まあ そら無視するわけにいかんし

総長に出てもらうしかないでしょって
言うとったで。

あの人たちがやめようって言うけん
やめたっちゃない!

何で 後始末だけ俺になると!

会議サボったんは お前やないか。

やけん 言うたやん。
俺に総長げな無理って。

向いとらんって 学者に大学経営なんて…。

(水田理事)まあ でも そこは
お前のようなやつこそ ふんばらんと

大学なんぞ 寄ってたかって

すぐ政府と企業の専用研究所に
されてしまうしやな。

そう言うとったやないか お前かて。
え それってダメなことなんですか?

ダメダメ ダメダメ ダメダメ…。
あかんねや。

すいません…。
向いてない 向いてない。

総長! しっかりなさってください!

外国人記者は忖度なんてしてくれませんし
容赦ないですよ!

先生 広報課としても
できる限りのことはしますから。

総長と大学の好感度
きっちり守っていきましょう! ね!

無理!

たとえ 総長の器ではないとしても
三芳は よき教育者であった。

考古学の答えっていうのは

どこかに書いてあるようなものじゃ
ないんだよ。

例えば 君たちは ピラミッドは

王が奴隷に
造らせたものだと思ってるだろう?

(学生たち)はい。
でもね もともと古代エジプトに

奴隷制はなかったんだよ。
えっ。

農民の農閑期の労働力を

うまく利用したというのが
今の定説なんだよね。

いや~ でも 先生
僕は ピラミッドは やっぱ

当時のファラオが 単に三角好きで

自分の墓を三角にしたかっただけだ
って信じたいですね。

やっぱ濫用してこそ権力だって
僕なら思うな。

そういうのもいい。
仮説が多様であればあるほど

我々は真実に近づくことができるんだよ。

考古学を愛し 学生たちに
その楽しさを いつも懸命に伝えた。

思慮深く 心優しく 誠実な人間であった。

先生に恥をかかせるわけにはいかない。

神崎 真は珍しく使命感に燃えていた。

え~ お手元にお配りしたのは

来る28日の外国特派員協会における
三芳総長の会見原稿です。

広報課としては 基本的には
この原稿に沿って

会見をしていただくつもりです。

外国特派員協会の会見は 非常に手ごわく
忖度なんかしてくれません。

ビシビシ厳しい質問を投げてきます。

そこで 多角的な視点から検証すべく

皆様の率直な意見を
お聞かせ願えればと思います。

では 始めます。

(拍手)

え~ 帝都大総長の三芳です。

この度はお騒がせして
まことに申し訳ありませんでした。

いやいやいや はい。
あ はい。

そんなに すぐ
謝罪しない方がいいと思いますよ。

いや 別に浜田さんに
謝罪しているわけじゃないんですよ。

ただ世間に対して
とりあえず謝っといた方が

好感度を稼げるじゃないですか。
(2人)いやいや いやいや…。

非を認めたって思われるんで

そのあと記者たちに
バンバン突っ込まれますよ。

そうですか…。

では 変更します。

え~ 帝都大総長の三芳です。

この度は お招きありがとうございます。

は~い。
はい?

総長は英語でしゃべんないんですか?

世界大学ランキング100位以内
目指してるのに 日本語でいいんですか?

日本語の方が
たくさんしゃべらなくて済むんですよ。

会見は約1時間ですけど
通訳を入れれば 30分は稼げるんで。

え 何それ。
そんなにしゃべらせたくないんすか?

いや… しゃべらせたくないって言ったら
ちょっと言い方があれですけどね。

でも そういうことでしょ?
すげえ消極的戦略。

あのね 下手にしゃべって余計な言質を
取られるわけにはいかないんだよ。

言質取られたら
そこから崩しにかかられるんだからさ。

はあ? そんな中身のない会見
やる意味なくないですか?

あるんだよ!

会見に中身なんかいらないの!
ただ やることに意味があるの!

学生さんは黙っててくれるかな。

…ったく 何でこんな場に
学生連れてくるかな。

(室田教授)すいません。
あ はい。

それにしても 中身のなさが
ちょっと度を越してませんか? これ。

はぁ。
「質問その1

今回の浜田氏の講演中止について
総長のお考えをお聞かせください」。

「やはり 学生及び
来場者の安全を確保することが

大学の一番の責務だと考えております」。

「その2 言論の自由についてのお考えを」。

「大学の責務は 学生の安全を
確保することだと考えております」。

「その3 浜田氏にひと言」。

「先ほどから申し上げてますとおり

安全の確保を
大学は一番の責務だと考えております」。

安全の確保しか
言ってないじゃないですか!

ハハハハ… ウケる。

世界中にバカだと思われますよ?
うちの総長が!

いやいや そんなわけないじゃないですか。

え?
何を根拠に そんなわけないんですか?

バカでしょ!
バカでしかないですよ こんな受け答え!

バカだと思いま~す。
思いま~す。

思いま~す。
否定できませ~ん。

いや あなた方は まず
会見の意味を分かってない!

そもそも会見っていうのは
何のためにやるかっていうとですね

大学の姿勢を見せるためにやるんです!

(室田教授)だから 姿勢を見せるために
こんな会見じゃ…。

その時 神崎 真は こう思っていた。

なぜ みんな こんなにはっきりと
自分の意見を言えるのだろう。

これまで 自分の意見など
言えたためしはなかった。

何て言うか…

何も言えないですねぇ…。

人に好かれたいばかりに
いつも それを放棄してきた。

本当 権力持ってる人たちって
見下してる人間に対して想像力ないよね。

そうだよね。
好感度を犠牲にしてまで

戦うべきことなど何もない気がしていた。

しかし その神崎 真は
変わったはずであった。

好感度を犠牲にしても

言うべきことを言える人間に
なりつつあるはずであった。

あの… あの!

こ この… この原稿を書いたのは僕です。

で?
このねらいを申し上げますと

それは ずばり 総長の好感度維持です!

好感度って… あの
タレント好感度とかの?

はい! その好感度です!

ありがとう 神崎君。

その話はまたあとで 休憩の時に聞こっか。

とにかく 本イベントの趣旨は…。
いやいや すいません! 今!

すいません 今 聞いてください!

あの… あの ご説明いたします。

まず ご指摘いただいた
総長の回答内容ですが

確かに 中身はありません。

しかし そこにこそ
大きなねらいがあるんです!

確かに 外国人記者には
バカだと思われるかもしれません。

でも その もう一歩先を
想像してみてください。

中身がないってことは 記事として

大きく取り上げようがなくなる
ってことです!

はあ?
つまり 大して騒がれることなく

さら~っと しれ~っと
終われるかもしれないってことです!

あのさ 神崎君さ そんな

いいこと言ってるみたいな顔してるけど
君 相当ふざけてるよ?

しかし 残念ながら一理あります。

無理! 俺は無理!
認めない そんなインチキ!

重要なのは 結局 この会見の視聴者を
誰であると想定するかなんです!

帝都大総長の会見動画なんて
そんなに多くの外国人が見るでしょうか?

いいえ 視聴者は
圧倒的に日本人であるはず。

ならば
日本人向けの好感度戦略を練るべきです。

その鉄則は 1 清潔感 2 笑顔
そして 3…

意味のあることを言わない!

批判を呼び 誤解を受け 炎上を招く。

嫌われる原因は いつも意味です。

会見という公に向けた言葉には
意味を最小限に控えることこそ

日本における
正しいリスクマネージメントであると

広報課は考えます!

なるほどね。

いや そのとおり。

すばらしい。
いいですね。

(拍手)

実に不思議だと 神崎 真は思った。

好感度をかなぐり捨て
好感度の重要性を訴えたら

好感度が爆上がりしてしまった。

やっぱり アナウンサーっていうのは
そういうレクチャーでも受けるの?

いえ 私は全て独学で。
ほう~ お見事。

いや~ さすが総長のご推薦。

教え子がここまで真剣に支えてくれるとは
美しい師弟愛ですね。

彼のためにも 総長には是非
会見を成功させてもらわねばですね。

え? あぁ ええ…。

全くです。

先生!
うん?

あの… 何か僕 間違ってましたかね?

うん?
いや 何でも言ってください。

僕なりに一生懸命考えて

それで やっぱり 先生と大学の好感度を
守ることが一番だと思ったんですよ。

うん。

うん。 いや ありがとう。
お前の言うとおりだ。

俺ら学者は こういうことに疎いから
助かったよ。

頑張ってみる。

♬~

理事。 水田理事。

ああ。 あれ? 終わった?

はい。

はあ~ あかんわ この時間。

腹いっぱいやし 眠い眠い。

やっぱり 僕
総長の役に立ててないんすかね…。

何が?

よう頑張って書いてるやん これ。
ハハ…。

あの こないだ 僕
怒られたじゃないですか。

いつ?
ほら 何か理事が

「総長が頑張らないと
大学なんか すぐ

政府と企業の専用研究所になる」
って言われて

で 僕が
「何でダメなんですか?」って聞いたら

「ダメなんだよ!」って。
ハハ。

あれって 何でダメなんですか?

めんどいこと聞くなぁ。

要するに この世界というのは
人間の想像をはるかに超えて複雑であり

将来 どの研究が人間の役 立ったり
危機を救うかなんて 絶対予測でけへん。

けど 国も企業も そんなことより

もっとすぐ金になるような研究を
大学にさせたがるし

いつ役に立つか分からんような研究は
無駄無駄言われて どんどん消えていく。

ぶっちゃけ こら相当やばいことやとは
学者は み~んな内心思てんやが

世間が思てくれんもんで
あいつも なかなか苦労しとるわけや。

けど あいつ 顔怖いやろ。
はい?

ほんまは 中身も怖いねんで。
そうなんですか?

そうや。
え~ 怖いとこなんか
見たことないですけど。

猫かぶっとんや。
ええ人みたいな顔して

言いたいこと何も言わん
あいつが悪いんや。

まるで僕じゃないですか。
ハハハハ…。

せやから ええねん。 ほっといたら。

♬~

そして ついに その日がやって来た。

はい 片づけ片づけ~。

そろそろ始まるよ。

どうせ クソだよ。

(ノック)
はい。

そろそろ お時間です。

結構来てんな…。
ええ。

あの すいません 僕 ちょっと。

先生!

すみません 先生 あの…。
うん?

いや…。

先に行っております。

あの 先生。
うん?

やっぱ おっしゃりたいことを
おっしゃってください。

うん。

あの 僕 意見に意味なんかない方が
いいとか言っちゃいましたけど

でも 先生の意味なら
やっぱり意味があると思うんですよ。

たとえ炎上したって 意味のある意味が
先生の意味にはあると思うんですよ。

まあ ちょっと何言ってるか
分かんないですけど

だから先生 是非 先生の
本当におっしゃりたいことを言って…。

いや そんな簡単なもんじゃないんだよ!

すまん。

(拍手)

帝都大学総長の三芳でございます。

え~ 本日はお招きいただき
まことにありがとうございます。

(通訳)

「大学の責務といたしましては え~…

学生の安全を確保するということが
一番だと…」。

どうよ 何か面白くなってきた?

いや 全然。
マジで安全確保しか言わねえ。

だろうね ハハ…。

え~ 繰り返しになりますけれども
学生の安全 これが

我々大学の一番の責務という判断に
至ったということでございます。

(通訳)

では 次の質問を
最後とさせていただきたいと思います。

(小声で)
緩~い質問をお願いしたいですね。

手前がいいんじゃないか… 手前 来い!

では そちらの方。
来た!

(記者)あの ドクター 三芳が

安全確保を第一だとお考えであることは
十分 分かりました。

それ以外のお答えを
なさるつもりがないことも。

(笑い声)

(通訳)

けれども諦めずに
質問してみようと思います。

なぜなら こうした努力を続けることが

世界を少しでもよくしてゆくために
必要だと思うからです。

(拍手)

先生は
考古学がご専門でいらっしゃいます。

ということは 人類の歴史において

権力による独裁が どのように
行われてきたかも よくご存じのはずです。

言論の弾圧が 必ず
その過程に含まれてきたということも。

黒人解放の指導者であったキング牧師は
こんな言葉を残しています。

「問題に対して沈黙するようになった時
我々の命は終わりに向かい始める」。

そして
「最大の悲劇は悪人の暴挙ではなく

善人の沈黙である」。

ドクター 三芳
それでも お答えは「安全確保」ですか?

(記者)安全確保は確かに重要です。

ただ 私がとても残念に思うのは…

先生の その沈黙です。

♬~

Thank you.

(英語で)

ええっ!?
まじか!?

(拍手)

翌日 理事たちは

よく見ると 三芳総長の顔は
とても怖いことに気が付いた。

昨日の会見で述べたとおりです。

浜田氏の講演は 中止を撤回し
予定どおり実施いたします。

いや… いや しかし
安全上の問題は 依然残るわけで…。

警備を強化します!

いやいや 総長
そんな予算はどこにも…。

何を削ってもやります!

これは 金を理由に
断念してよいことではありませんので。

しかし 万が一の場合の責任は誰が…。

もちろん 私がとります!

まあ… では やりましょう。

なんとか知恵を絞って。

ありがとうございます。

それでは皆さん
その方向でお願いいたします。

改めて よろしくお願いします。

一方 イベントスタッフたちは…。

ああ… そう。

(コウスケ)はい!

あ~ そう。

はい。 ハハハ。

案外 浜田は
怖がりっぽいことに気が付いた。

会場の警備とかは
どんな感じになるんかな?

(コウスケ)警備ですか?
いや 別に… 怖いとかじゃないけどさ。

まあ一応
爆破予告とかあったわけでしょ?

(コウスケ)こちらの方で 荷物チェックの
ご協力をお願いいたします。

荷物チェックのご協力を
お願いいたします。

会場 突き当たりになりま~す。

♬~

やばいね。 すごい人じゃん!

いや すごいっすね~。
外の行列もすごかったし。

その総長Tシャツ 俺も買おっかな。

あ 是非!
何か欲しいって人 多いらしくて

また作るって コウスケ君言ってましたよ。

本当?
ええ。 いや いいことっすよね。

こうして 総長人気が高まってくって!
ああ。

(三木谷)それはどうかな。
え?

総長は それを望んでないのかも。

何で?
いや 今回の件で分かったと思うけど

本当は 帝都大における総長の決定って
絶対なんすよ。

実は 圧倒的な権限が
総長に与えられてんすよね。

でも 三芳さんが
それを一切行使せずにきたのは

そういう独裁的な体制を
作りたくなかったからじゃないのかな。

でも 三芳総長の独裁なら
俺 大歓迎だけどな。

いやいやいや いつかは総長を
次の人に譲ることになるわけで

そいつが 国とか財界に
忖度しがちなやつだったら

言われるがままに
運営されることになるよね。

あ~ そっか。

次期総長を狙ってる須田さんなんかは

そういう独裁的な体制を
強化したいんじゃないのかな。

そうすれば 自分が総長になった時に

国とか財界の求める大学改革を
進めていけるから。

そっか なるほどな。

皮肉にも
この多様性のためのイベントは

総長の独裁体制を
誕生させてしまったってことか。

そんなの全然分かってなかった。

だから俺は お気楽な理想主義者って
言われちゃうんだな…。

どうも 大学人というのは

大学を自分たちのものだと
勘違いしがちです。

先日も 田中大臣補佐官と
ゴルフをしたんですがね

その時にも やはり
国立大学というのは

大学人のものじゃなく国のものだって
くぎを刺されましたよ。

この熾烈なグローバル競争の中で

日本が勝ち残っていけるように
しっかり社会に貢献してほしいと。

まあ そのためにも 総長には

ますます強いリーダーシップを
発揮していただいてですな

より経営を強化していかねばですな…。

私も微力ながらお支えいたします。

(拍手)

おかげさまで
4週間に及んだこのイベントも

本日 無事
最終日を迎えることができました。

「多様性」をテーマに掲げた
このイベントには

ご存じのとおり 今日まで
いろいろなことがありました。

そこから 我々が学んだことは

我々は まだまだ学び続けなければ
いけないということです。

この世界は とてつもなく複雑であり

物事は 考えれば考えるほど

よく分からなくなってゆく
ということです。

え~ 何 その結論。 ハハハハ。

(室田教授)でも 本学の三芳総長は
以前 ある席でこう言っていました。

「社会は いつ どんな危機的状況に
陥るか分からない。

大学の社会的使命とは どんな時も
自分の頭で考えることのできる人間を

一人でも多く輩出することである」と。

それではご紹介いたしましょう。

ジャーナリストで作家の
浜田剛志先生です!

(拍手)

(浜田)
え~ ただいまご紹介にあずかりました…。

あの 帝都大の方ですか?
あ はい。

あの これを…

三芳先生に渡してください。
え…?

心配だったら
中身チェックしてもらって大丈夫。

ああ…。

じゃあ。

はい 神崎です。 お疲れさまです。

(安藤秘書)あ そうですか。
ええ… はい 分かりました。

ええ…
じゃあ 直接お伝えいただけます?

ええ。 はい。

総長… 総長!

総長!

大成功ですって。 よかったですね。

本当?

え 本当!? 問題なかった!?

うん… うん 満員!?

立ち見!? 大盛り上がり!? ハハッ…。

え~! ハハハハハハハ…。

本当! いや~ そうなんだ。
うん お疲れ お疲れ。 うん ありがとね。

世界は 悲しくなるほど
複雑に思える日もあれば…。

何それ やめてよ。
独裁体制なんて誕生してないよ。

ハハ ですよね。 やっぱ そうっすよね。

無理に決まってんじゃん 独裁なんて。

はい じゃあ…。 はい。
かんぱ~い!

はい 乾杯! お疲れさまです!
お疲れ。

難しいことなど何もないかのような
幸せな夜もある。

今回 試しに頑張ってみたけどさ
もう つらくて死にそうだったよ。

本当ですか~? いやいやいや
そんなふうに見えなかった 見えなかった。

ありがとう。

いやいや 謝らないでくれよ。
君の質問のおかげなんだから。

最初 気付かなかった。

だって 君が うちのゼミ生だったのなんて
もう20年以上前の話だろ?

でもね 君が
私の専門は考古学だって言った時に

はっとしたんだよ。 ハハハ…。

いや~ 手ごわい教え子たちを持って
私は幸せ者だ。 ハハハハ…。

そして
そんな幸せな夜のどこかで また…。

やっかいな足音が響き始めるものである。

(澤田教授)よ~う 久しぶり。

や~っと解けたよ 停職が!

♬~

最悪の場合 死ぬ。
え!

ハハハハ。
万が一 事実やったら大変なことですよ?

だから そういう事実は
ないって言ってるじゃないですか!

都合の悪い真実は 必ず隠される。

命が惜しけりゃ 俺についてこい!

2か月後に 次世代博を控えた
大事な時期なんです。

うちにとっても最重要イベントなんだ。

真実を知りたければ
自分で調べるしかないんだよ。

そんな…。
国の威信がかかってるんですよ!

はい ありがとうございました!

「有田Pおもてなす」。