【土曜ドラマ】今ここにある危機とぼくの好感度について(4)[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜ドラマ】今ここにある危機とぼくの好感度について(4)[解][字]

名門国立大学を舞台に、思いがけず広報課で働くことになった青年が、大学が直面するさまざまな問題処理に振り回されながらも自分の生き方を見つけてゆくブラックコメディー

番組内容
帝都大が命運を賭けた次世代科学技術博覧会が開かれようとしていた。その予定地で謎の虫刺され被害が続出し、真(松坂桃李)も指を刺され発熱する。会場近くには吸血昆虫を飼育する足立准教授(嶋田久作)らの研究室があり、帝都大のその研究施設が疑いの目を向けられるが、内部調査で異常はないと報告される。だが、三芳総長(松重豊)は調査結果に疑念を抱いていた。そんな中、澤田教授(池田成志)が真に衝撃の事実を伝える。
出演者
【出演】松坂桃李,渡辺いっけい,嶋田久作,池田成志,温水洋一,斉木しげる,安藤玉恵,岩井勇気,坂東龍汰,吉川愛,若林拓也,吉村卓也,岡本杏理,坂西良太,國村隼,尾関伸次,円地晶子,羽鳥名美子ほか
原作・脚本
【作】渡辺あや
音楽
【音楽】清水靖晃

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. 神崎
  2. 大丈夫
  3. 若林アナ
  4. 研究室
  5. 本当
  6. 検査
  7. 次世代博
  8. 場合
  9. 足立准教授
  10. 先輩
  11. 蚊アレルギー
  12. 結果
  13. 今日
  14. 先生
  15. 虫刺
  16. 調査
  17. 堀田教授
  18. 澤田教授
  19. 失礼
  20. 取材

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   ごあんない

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(真)みのりちゃん 元気ですか?

新しい研究室には慣れましたか?

僕は元気です。

…と言いたいところだけど
実は あんまり元気じゃありません。

何か 2週間前から
小指が腫れだしてきてさ

日に日にひどくなってきて

ついに キーボードが
打てなくなっちゃったんだよね。

それで こうやって
音声入力の練習をしているってわけです。

もしかしたら僕も
例の虫にやられちゃったのかな。

知ってる? 何か ネットでも
やたら騒ぎになってるやつ。

今日は これから その件で
関東中央テレビの取材が来ま…。

(クラクション)

(若林アナ)
あ 神崎先輩! ご無沙汰してます!

はい 久しぶり。
お忙しいところ無理言ってすいません。

今日はどうぞ
よろしくお願いいたします!

いや こちらこそ よろしくね。

あれ 山崎さんじゃないですか。
お久しぶりです。

(山崎)神崎ちゃ~ん 元気でやってんの?
ハハ おかげさまで。

あ ロケバスさ
ぐるっと回してもらっていい?

分かりました。
うん。 じゃあ後ほど。

はい。

♬~

そうして また今日も

神崎 真から木嶋みのりへのメールが
送信されることはなかった。

♬~

こんな感じなんですよ。

(若林アナ)うわ~ すごいっすね。

だろ?
でも腫れ方が やっぱ似てますよ。

みんな最初は
蚊に刺されたみたいに かゆくて

それが どんどん腫れて
痛くなってくるって。

こんな感じで。

う~わ~…。

高熱が出て
入院した人とかまでいるんですよ。

俺も熱出た。
え! 医者には見せました?

うん。 何か よく分かんないんだけど

季節外れの虫刺されですねって
解熱剤 出されてさ。

みんな そう言われるらしいんですよね。

でも 正体分かんないって
怖いじゃないですか。

それで 取材してほしいっていう
視聴者からの要望が結構あってですね

是非 帝都大の
昆虫分類学の第一人者であられる

足立准教授に取材させていただこうと!

いや~ 今日は本当
どうぞよろしくお願いいたします。

こちらこそ お願い…

お願いいたします。
先輩 大丈夫ですか?

あぁ 大丈夫 大丈夫。

かつて アナウンサー時代に

真から イケメン人気をかっさらった
この若林アナは

実は 真なぞ比べものにもならないほどの
切れ者でもあり…。

どうぞ!

今回の謎の虫刺され騒動も
かなり稼げるネタだと確信していた。

はい こちらで~す。
はい。

あ いいっすね~ これ。
このちょっと怪しい感じ。

うわ。 あっ ちょっと…

これ… これ撮っときましょう。

インターネット上に
一番最初に写真をあげたのは

40代の主婦である。

その約2週間後 市内の高校生が
やはり腫れた足の写真をあげていた。

何? これ。

しばらくは その2件だけであった。

で やっぱりこの症状は
何らかの虫によるものであることと

その虫が 何となく この辺りに

生息してるんじゃないかって場所が
限定されてきてます。

それが こちら。

なんと 関東国際展示場。

マジか。
え~。

そうなんです。 2か月後に開催される
次世代科学技術博覧会の会場なんですよ。

え~ この次世代博ってのは
ご存じのとおり

国の後援を受けた
地元挙げての一大イベントで

目玉となる国際シンポジウムのホストを
帝都大学が務め

最先端の科学技術 主には
バイオ AI ロボットなどの研究成果が

披露されることになってます。

で 2週間前
宣伝用のプレイベントとして

セレモニーが行われました。

出席者は文科省大臣や知事 内閣府高官
地元のお偉方 帝都大関係

加えて一般の客
総勢500人くらいが集まったんですが

そしたら なんとですね この日を境に

それまで2件だった虫刺され写真の投稿が
一気に急増したんですよ。

しかも そのほとんどが

このセレモニー参加者だったことも
分かってます。

で 更に興味深いのはですね

これが会場となる関東国際展示場。

で 一方こちら。

このオンボロ建物が 実は

帝都大の
稀少生物研究センターなんですよ。

稀少生物?
(山崎)なんで その犯人の虫は

ひょっとしたら ここから
逃げ出したやつじゃないかって

うわさも出てきてます。
えっ!?

え それ本当だったら
大問題じゃないですか。

(山崎)そうなんですよ。

え ちょっと待ってください。
あの 例えば そこに

怪しい虫博士みたいな人が
いたりしないですかね?

何かこう 見るからに怪しい研究室に
超怪しい虫を飼ってそうな…。

よし よし よし…。

あの もうちょっと
照明 明るくしてもらえないですかね?

何かこう 妙に怪しい感じに
映っちゃうと あれなんで。

ああ…
まあ 放送では調整するんで大丈夫っす。

いや だからあの…
何で そんな照明なんですか?

こう もっと普通に当ててもらって…。
(若林アナ)先輩 先輩。

今日は どうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが 今ネット上では
謎の虫刺されが話題となっています。

しかも その虫が生息しているのが
こちらの研究センターのお隣の

国際展示場じゃないかって
うわさがあるのはご存じでしょうか。

(足立准教授)ええ 聞いてます。

先生は あの虫の正体は
何だと思われますか。

そうですね まず冬の虫刺されといえば

真っ先に思い浮かぶのは チカイエカです。

あ…。

こいつは 地下鉄とか下水道などの
あたたかい場所で越冬する…

つまり冬眠しないやつですが
しかし あんな腫れ方はしないんですよ。

腫れ方としては ブユに似てるんですが
こいつは 冬にはいませんしね。

スズメバチや アシナガバチなら

刺された時に
気付かないってことはないし…。

あ 先生 写真は もう大丈夫です。

つまり 先生にも
まだ正体は分からないと?

まあ 夏であれば このマダニが

日本紅斑熱の病原体を
持っている場合に…。

ところで先生 こちらの研究室には

たくさんの虫たちが
飼われているようなんですが。

(足立准教授)ええ。

ずばり こういった危険な虫たちも

この研究室の中には
いるんでしょうか…?

ああ。

いますよ。

あ~! は~い ストップです!
は~い ストップで~す!

はい ありがとうございました。 はい。

死んでるけどね。 ハハハハハハ…。

困るって ああいう恣意的な見せ方はさ。

いやいや 先輩 そんな 誤解ですよ。
いや そうでしょ?

ここの虫が犯人ってふうに
見せようとしてるでしょ?

僕だって 業界に10年いたんだからさ
分かるから そんくらい。

いやいや そんなつもりないって…。

はい… あっ 了解です。

はい じゃあ
すぐ そちらに行きますんで。

はい はい 失礼します。

急遽 堀田教授に取材をお願いしたんで
行きましょう。

(若林アナ)堀田教授?
そう こっちは超最先端。

ワクチン蚊 知ってる? 刺されると
デング熱にかからなくなるっていう

もう まさにワクチンみたいな蚊。
すごいでしょ~?

この開発研究は 次世代博で

丸高製薬と組んで
発表する予定なんだけど

これが もう大注目のやつでさ…。

いや~ あの
すっごいありがたいんですけど

え~ どうしようかな…
うち的には もう十分撮れましたよね?

そうだね。
いや ダメダメ。 ダメだから。

いや 行きましょう 山崎さん…。
え~ ちょっと待ってよ もう。

え~ ちょっと…。
はい 行きますよ。 こちらです。

はい こちらになりますので。
はい… 分かった分かった。

OK OK OK…。
すごいですから。

(堀田教授)まあ それは
そう騒ぐほどのことじゃなくてね

同じ虫に刺されても 体質によって
症状が ひどく出やすい人っていうのが

ある程度いるわけですよ。

たまたま そういう人たちが
一斉にSNSにあげちゃって

それで 随分な騒ぎに
見えたんじゃないかな。

なるほど。

それにしても こちらは随分
最先端といった感じの研究室ですね。

まあ見た目だけね。

僕は もともと
アメリカのスタンフォードにいたのが

2年前に ここの布川理事から

どうしても戻ってほしいって
泣きつかれちゃって。

そうですか ハハハ…。

それで このオンボロ研究棟に
押し込められちゃってるわけですよ。

あちこち傷んじゃってるから
大学に修理を頼んでも

先生の研究費で直してください
なんて言われんですよ?

どう思います?
教授 それは…。

ありがとうございます。
ありがとうございます。

その研究室には
歴代の研究者たちから引き継いだという

蚊 マダニ アブ シラミといった

いわゆる吸血昆虫のコレクションが
ひしめき合っていました。

そして 現在
これらを管理しているのが…

この方! 名付けて ドラキュラ博士
足立准教授です!

えっ! ちょっ… 何これ!?

(若林アナ)
「この研究室には たくさんの虫たちが

飼われているようなんですが…」。

若林のやつ…!

(若林アナ)「こういった危険な虫たちも

この研究室の中には
いるんでしょうか…?」。

「いますよ。 ハハハハ…」。

(若林アナ)「ちなみに帝都大広報の
神崎さんも刺されていました」。

「以上 特集でした」。

えっ 終わり!?

ちょっ… 堀田教授は!?

ワクチン蚊は!? えっ…。

何が ドラキュラ博士だよ!
冗談じゃないよ!

おかげで苦情と問い合わせが
殺到しちゃってるよ!

まあ それだけ
注目度が高いネタってことですかね。

いや そういうことじゃないだろ?

恣意的な表現はやめてくれって言ったよね
ね? 言ったよね? 俺 お前に。

(若林アナ)あれ 先輩って…。
あ?

(若林アナ)な~んか
そんな ものの言い方する人でしたっけ?

何?
(若林アナ)やっぱ 帝都大行って

変わっちゃったんですかね。

え~ 俺の中で 先輩の好感度下がってくの
ショックっすわ。

いや 俺は…。

(若林アナ)は? あ… すみません。
ちょっと聞こえにくくて。

もういい。 今日はちょっと体調悪いから。
また かけるわ。

(布川理事)え~ 番組の放送後

うちに問い合わせが
殺到したこともありまして

念のため 本学の
稀少生物研究センターにおいて

昆虫や微生物の逃亡や
流出がなかったかどうか

内部調査いたしました。

結論から申し上げますと
そういった事例は確認できませんでした。

(鬼頭理事)しかし 困ったもんですな
テレビってのも。

(斎藤理事)いや 迷惑な話ですよ。

よっぽど ネタに困ってるんじゃないかな。

(笑い声)

(須田理事)
笑ってる場合ではありませんよ。

2か月後に次世代博を控えた
大事な時期なんです。

うちがお披露目する研究成果には
文科省だけでなく

内閣府 経産省 厚労省も
注目してるんです。

あんな妙な取り上げ方をされるようなら
正式な抗議も考えませんとね。

いや 全くです。

(鬼頭理事)
広報課にも よく言っておきましょう。

(三芳総長)その調査というのは

いつからいつまで行ったのですか?

そして その結果は
本当に確かなのですか?

は… はい もちろんです。

え~ 調査は
今週の月曜から3日間行いまして…

関係者への聞き取り調査 及び
現場への立ち入り調査を行い

実施した次第です。

(石田課長)とにかく 今後

次世代博がらみは気を付けてくれよ。

本当 こないだみたいな取材は
ありえないからな。

うちにとっても最重要イベントなんだ。

須田理事が 国とのパイプ使って
食い込んでくださったおかげで

国際シンポジウムの仕切りやら
研究発表やら

いろいろ やれることになってるんだ。

これ もしケチがついたら
須田理事のお立場に障るわけだしさ…。

はい…。

どうした?
はい?

熱でもあるんじゃないか? お前。

ああ… 実は昨日で
解熱剤 切れちゃったんですよね。

また上がってきたのかな。

でも虫刺されは もう2週間も前だろ?

それは風邪じゃないか?
ですかね~。

帰って休め。 ゆっくり治せ。

はい すみません…。

(澤田教授)ブッブ~!

それは 寝ても治らない!

(石田課長 真)へっ?
残念だったな。

ハハハハハハハ…。

澤田教授? 停職は? 解けたんですか!?

は! 人のこと心配してる場合か お前は。

もう一度言う。

それは 寝ても 治らない。

ハハハハ…。

おい 命が惜しけりゃ俺についてこい!

ヒア ウィ ゴー!

え 何…?

♬~

明らかに また熱が上がっていた。

指の腫れも引かず 頭がぼんやりとして
よく ものが考えられず…。

心配するな。 お前の命は俺が預かった。

よりによって なぜ自分は

この男に 命を預けるはめに
なっているのかと思うと

絶望的な気持ちになってきたので

彼は みのりについて考えることにした。

♬~

(澤田教授)おっ!
えっ いや…。

着いたぞ!

♬~

堀田教授!?

ああ 広報課の?
はい! 神崎です!

先日はありがとうございました。

あの 実は教授 何か僕
まだ指の腫れが引かなくてですね…。

ああ。
ちょっと熱も出てきちゃったりして。

何か 大丈夫なんですかね? 僕。

風邪じゃない?
はい…?

うちの研究室でも はやってるよ。

早めに医者に診てもらえば?

え…。

(澤田教授)おい 何飲む?

え~っと
ドクダミ茶か クマザサ茶か ハブ茶。

結構です…。 座ってもいいですか?

(澤田教授)
じゃあ俺 ドクダミ茶にしよう!

どうぞ。
すいません。

俺とそいつは かつて
小学生自由研究コンクールで

優勝を争ったことがあってさ。

俺は カビの研究で
そいつは カメムシの観察。

で 俺が勝った。 ははん!

横になってもいいですか。

(足立准教授)ああ いいよ。

どうも やっぱり蚊だな。

え?

蚊。

ええ?

この原因ですか!? 蚊?

あれから 国際展示場に何度か行って
調べてたら 下水道に蚊がいたんだ。

最初は 冬でも
地下なんかのあったかい所にいる

チカイエカだろうと思ったんだが
妙にでかくて獰猛なのが気になって

捕まえてきたんだ。

そしたら この
胸部背面の白色鱗片の模様が

日本では まず見ない形態だと気付いた。

チカイエカじゃないってことですか?

恐らく 外来種の蚊が日本の蚊と
交配してできた 新しい雑種だと思う。

念のため エツシくんにも
遺伝子を調べてもらった。

エツシくん?

俺 俺! 澤田悦史!

間違いないね。

明らかに 日本の蚊じゃない遺伝子が
混じってんな ありゃ。

分類学的には 外来種は

アフリカの砂漠地帯のごく一部に生息する
サハライエカであると考えられる。

乾燥と寒さにとても強い蚊で

多分こいつは サハライエカと
チカイエカのハイブリッドだね。

え じゃあ 僕らは
これに刺されたってことですか?

え… あの それは大丈夫なんですか?

今まで誰も見たこともない
未知の蚊だからな。

何とも言えない。 だが…。

だが…?

免疫のない蚊に刺された場合

人によっては 重度のアレルギー症状を
引き起こすことがある。

重度? その重度って
どのくらい深刻なんですか?

かなりだね。

でも 死んだりはしないですよね?

いや 死んだりもする。

最悪の場合
リンパ腫などのがんになって死ぬ。

し…。
…こともある。

それでも まだ彼は 半信半疑だった。

自らの生死に関わる宣告を
こんなふざけた男から

スルメをかじりながら聞かされるような

俺の人生は本当に
そんな残念なものだったのだろうか。

いやいや そんなわけはない。

また こいつの たちの悪いいたずらだ。

そうだ そうに決まっている。

しかし 彼は真顔で続けた。

だからさ まず検査を受けろ。

悪いこと言わないから。

もしもし 神崎? どうした?

先生 僕…。

何だ? どうした?

僕… へっ!? わ! わ!

蚊!? 蚊… あ~!

どうした 神崎!? おい!
神崎 おい! しっかりしろ!

蚊~!

ちなみに このサハライエカは

足立准教授の研究室には標本があるだけで
生きた個体はいません。

あの辺りで生きた個体がいるのは

世界中の蚊を集めて
ワクチン蚊の開発研究をされている

堀田教授の研究室だけだろう
とのことです。

あと これは
ネット上のうわさにすぎないんですが

どうも 知事にも同じ症状が
出ているんじゃないかという話も。

(山東理事)もしこれ… いや 万が一にも
そういうことはありませんがですよ

もし 足立准教授の言う
その外来種の蚊が

うちから逃げ出したりしたものであれば
これは かなり困ったことに…。

いや それはありえませんね。
(水田理事)しかし そんな

言い切れるもんでも
ないんじゃないですか。

いえ あってはならないことなんで。
ありえないですね。

(水田理事)いや…
あってはならんは ただの願望であって

ありえないの理由にはならへんでしょ。

(布川理事)いや まあ ちょっと
私が推測するにはですけどね。

ハハ… どうも その話は
足立准教授のでっちあげじゃないかと。

はあ?
(山東理事)でっちあげ?

(布川理事)
ええ 実は足立准教授ってのは

あの研究センターでも
まあ正直 お荷物といいますかね…。

あ そもそも昆虫分類学なんて
今どき 全く はやりませんでしょう?

それにしちゃ
たくさんの虫を飼ってるってんで

やっかい者扱いされてるわけですよ。

一方で堀田教授は アメリカで
最先端の免疫研究をされてきた期待の星。

まあ 時代遅れの万年准教授が
新進気鋭の若手研究者に

一杯食わせてやろう
っていうやつなんじゃないですか。

(山東理事)はあ~ なるほど…。

皆さん プライドがね。

まあ よくありますよね そういうの。

いや 何か今
微妙に話がずれたと思いますけど

で 結局 その蚊は逃げたんですか?
逃げてないんですか?

だから そういう事実はないって
言ってるじゃないですか。

何で そこで怒るんですか?

水田さん どうされたんです? 今日は。
(水田理事)はあ?

ねえ?
虫の居所でもよろしくないんですか? ね。

そんなことじゃないですよ。
いや だって さすがに これは…

これ ここで よく
真偽を確かめとかなあかんことでしょう。

これ 万が一 事実やったら
大変なことですよ?

ですから そういう事実はないんですよ!

既に調査で 問題なしという結果を
得てるわけですから。

調査ねぇ。

いいかげんな話で
次世代博に水をささないでいただきたい!

メインシンポジウムのホスト役を
取ってくるのに

どれだけ苦労したと思ってるんですか。

しかも これは うちだけの問題じゃない。

オールジャパンのイノベーションの粋を
集めたイベントなんです。

国の威信がかかってるんですよ!

まあ いずれにせよ
澤田教授たちの仮説でしょう。

神崎君のあれにしても
本当に 蚊アレルギーの症状だという

エビデンスが
あるわけじゃないんでしょう。

はあ それは まだございません。

なら うちにできることは何もないですよ。

ただ 国際展示場の地下に
蚊がいることだけは確かなようですから

それは 市に報告しておきましょう。

あくまでも 助言として。

騒ぎを受けて害虫駆除の方は
既に始まってるみたいですし

地下の方を重点的にするように
言っときます。

(須田理事)報告ご苦労さん。

ね… 熱があるならね ゆっくり休んで。

エビデンスを取る方法はありますか。

(斎藤理事)は? あ はあ…。

え~っと そうですね…

蚊アレルギーを起こしてるかどうかは
血液検査をすれば。

結果は何日で出ます?

え… まあ2日あれば。

じゃあ 神崎。
あ はい。

今すぐ 病院行って
検査を受けてきなさい。

は?
あ では 私の方から附属病院に

話を通しておきましょう。
よろしくお願いします。

行ってこい 神崎。

は… はい。
では お先に失礼いたします。

♬~

あの 私も このあと
用事がありますんで ちょっと…。

ああ そうですか。

お先に失礼します。

ちょっと!

いいかな?
はい?

いいかな 僕も。
え?

あ ちょっと こっち…。

カフスのボタンが留まらないんだよね。

やっぱ セレモニーでですか?

多分。

でも腫れだしたのは
ほんのおとといからなんだ。

ずっと何ともなかったんだけど…。

君は熱もあるの?

はい。 なかなか下がらなくて。

あ そう。 僕は熱はないな。

そうか。
症状としては僕の方が軽いってことだね。

おかしいね 君の方がずっと若いのにね。
ハハハ…。

高麗人参が効いてるのかな。

2年前から飲み始めたんだけど
調子いいんだよね。

行こうか。 行こう。
はい…。

失礼します。

あ 斎藤理事から聞いてますよ。
血液検査ですね。

お願いします。
はい。

どうぞ こちらへ。
ああ…。

ところが…

2日後に出た検査の結果は意外にも…。

問題ないですね。

大丈夫です。

本当ですか!?

え!?

失礼します。 お大事にどうぞ。
はい。

あ 鬼頭理事!
お疲れさまでございます…。

どうだった? 結果は。

おかげさまで大丈夫でした。

俺は 多分クロだ。
え?

昨日から急に熱が出てきた。

腹は壊すし 体の節々が痛い。

本当ですか。

君は 熱はどれくらいなの?

37度1分とか2分とか…。

俺は昨日の夜 8度2分まで上がったんだ。
えっ。

俺の方がひどいのかもしれない。

やっぱり年食ってる分
反応が遅かっただけなんだ。

がんになって死ぬこともあるんだろう?

いやまあ それは最悪の場合の話で…。

俺が最悪の場合じゃないとは
限らんじゃないか。

ああ… やっぱりあの
高い方の保険に入っとくんだった。

今からでも間に合うかな…。

いや そんな… とりあえず
検査結果が出てから悩まれた方が。 ね。

鬼頭さ~ん。
はい。 どうぞ。

あっ 理事 理事 かばん…。

どうぞ。

ありがとうございました!
どうも失礼します!

待っててくれたの!?
大丈夫だったんですね!?

シロ!
あ~ よかった~!

ハハハ… 多分この熱も ただの風邪だね。

もう すっかりアレルギーだと
思い込んじゃってたけどさ。

ハハハ 分かります 分かります!
そんなもんですよね。

あ~ よかった。 待っててくれたんだ。
当たり前じゃないですか。

総長に ご報告してきました!

ついでに 澤田教授に くれぐれも
こんなデタラメ言わないよう

厳重注意 お願いしますって
言っときましたよ。

何か生返事でしたけど
総長は甘いですからね。

何が こんな未知の蚊が誕生してるだよ。

そんなこと そう簡単に
起こるわけないですもんね。

いや それは分からん。
え…?

あのな これはまだ
総長も知らないことなんだが…。

え え?
ちょっ… ちょっと待ってください。

え えっと…
それは 僕が聞いていい話なんですか!?

分からん。

まだ 俺と布川理事と
斎藤理事しか知らない。

次世代博のことがあるから
おっかなくて須田理事にも言ってない。

でも 君には知っててほしい。

いや 何で僕が!?

だって怖かっただろ? 君も僕もさ。

この万が一の場合の恐ろしさを
身をもって体験したのは

今のところ 君と俺だけなんじゃないか。

いや でも
そんなの僕 受け止めたくないんで…。

いや 俺だって
そんなの一人で抱えたくないんだよ!

実は こないだやった調査の報告が
もうあがってるんだ。

堀田研究室の水道が壊れてて

誤ってサハライエカのボウフラを
数十匹流しちゃったって。

サハライエカの…。

例えば その中の何匹かが
在来種の蚊と交配したのかもしれない。

えええ…。

幸い 我々は蚊アレルギーじゃなかった。

だけど ほかに蚊アレルギーを
起こした人はいるかもしれないし

今後 そういう人が
ゾロゾロ出てくる可能性もないとは…。

あらまあ 虫刺され?
そうなんです。

まあ かわいそうに こんなに腫れて。
何に刺されたの?

それが よく分からなくて…。

蚊じゃないわよね。 何なんだろうね。

すごくかゆいみたいで
ご機嫌斜めで困ります。

あ~ そう。
おばあちゃんがね 魔法かけてやるよ。

ちちんぷいぷい
かゆいのかゆいの飛んでゆけ~。

立ち入り禁止になってますね。

市は必死だよ。
そりゃあ 次世代博には

相当な金と時間をつぎ込んで
準備してたんだもん。

たかが虫騒ぎで
おじゃんにされるわけにはいかんさ。

今から駆除始めたとして
間に合うんですかね…。

俺に聞かないでくれ。 考えたくない。

いやでも もし万が一…

あっ!

へ? え… いや ちょっ…。

(コウスケ)蚊 来た?
(ユウナ)来ないね~。

やっぱ蚊じゃないんじゃね?
(シュウジ)それか もう駆逐されたのかも。

おい!

おい! おい… 君たち何やってんの!?

神崎さん?
ダメじゃん!

ここ今 立ち入り禁止って見たでしょ!
例の虫の取材してんすよ。

うわさの虫に刺されてみたレポっす。

ダメでしょ そんなことしちゃ!
あっ ちょちょちょっ…。

いいから! いいから早く出て!

いや… 何でそんな怒ってんすか?

いいから早く出て! 早く!

あ… 分かりました。
え?

撤収! 撤収!
撤収?

早く! 早く!

行け! 行け! 先行って! 先行って!
行って 行って 行って… いいから!

いいから…。

早く!
(シュウジ)何 何 何 何?

早く! 早く早く!

早く! 早く!
何…。

はぁはぁ…。

はぁ…。
何なん? これ。

神崎さん… 何か知ってんすか?

勘弁して。

あの虫って 何か
そんな やばいやつなんすか?

いやもう マジで勘弁して…。

何知ってんすか? 教えてください…。

え!?

ちょっと来て! 早く!

神崎さん!? 大丈夫!?
神崎さん 大丈夫すか!?

神崎さん!?
ううっ…。

はぁはぁ はぁはぁ…。

(安藤秘書)あ。

おい。

(安藤秘書)大丈夫ですか?

はい。 だいぶ。

でも また解熱剤
切れちゃったみたいなんで のみます。

お水 要ります?
あ はい。 すみません。

どうぞ。
ありがとうございます。

安藤さん すみませんが
ちょっと外してもらえませんか。

あ… はい。 分かりました。

あのな。
はい。

やっぱり もう一回 検査を受けろ。

え…。
ほかの病院で 俺が紹介する。

何でですか?

総長として非常に言いづらいことだが

この組織を信用しない方がいい。

え… どういう意味ですか…。

都合の悪い真実は 必ず隠される。

残念なことだが ここでは それを前提に
物事を考えなくちゃいかん。

そういう持病のような体質によって
組織の健康は侵され続けてきた。

今はその末期だと 俺は思ってる。

いや… そんなこと どうでもいい。

今は お前の体のことだ。

今回も誰かが
何かを隠してるのかもしれない。

その恐ろしい未知の蚊は
増え続けてるのかもしれんし

お前のその熱は
アレルギー症状かもしれない。

誰かに聞いたところで
教えてくれないだろう。

真実を知りたければ
自分で調べるしかないんだよ。

そんな…。
すまん。 本当にすまん。

しかし お前に
もしものことがあったら…。

やめてくださいよ!
頼む。 もう一回検査を受けてくれ。

え~ いや… だって もし検査を受けて

蚊アレルギーを起こしてるって
結果が出たら

僕は その未知の蚊に
刺されたってことですよね。

…ってことは もしかしたら
僕は がんで死ぬかもしれないし

鬼頭理事も知事も ほかの刺された人も

みんな その可能性がある
ってことですよね。

え… そんな恐ろしい蚊が
もし… もし 例えば

駆除も間に合わないくらい
繁殖していたりしたら

次世代博だって
中止になっちゃうかもしれないし

それで… それで その原因が
もし うちだったりしたら…。

その時は… もちろん責任を取る。

ただ それ以前に 私の課題は

その原因たる外来種の蚊が
うちから出たものだということを

この組織の中で
突き止めることができるかどうかだ…。

いやいや…
お前は そんなこと考えなくていい。

とにかく もう一度検査を受けろ。 な。

(泣き声)

気が付けば 恋人が泣いていた。

しかし その理由が分からない。

ひょっとして
自分の体を心配してくれているのか?

大丈夫だよ。

(玲香)全然大丈夫じゃないもん。

まーくんには分かんないんだよ。

女だけの職場って
本当につらいんだからね。

どっこい ただの仕事の愚痴であった。

おつぼね様は怖いしさ…。

ごめん。

しかし 彼は その時
驚くべきことに気付いた。

小指が治っている。

気が付けば熱も下がり

もう解熱剤をのむ必要もなくなっていた。

この程度のことなのだ。

大騒ぎする必要などなく
全ては杞憂であったのだと

このあと 総長に
報告しに行くつもりだった。

おう。

ユウナが入院しました。

えっ…。

(コウスケ)首の後ろのここんとこが
すっげえ腫れてて

熱が 39度まで上がってるらしいです。

(コウスケ)あいつ もともと体弱いんすよ。

しかも 大学も奨学金で通ってるんすよね。

とりあえず 今は入院してるけど
そんな長くはいれないと思うんすよ。

あの…

俺 今回はもう絶対 記事にしないんで
約束するんで 教えてください。

どうしたらいいすか?

原因の虫とか それと帝都大が
関係あるかないかとか

もうそんなんは いいんで

神崎さんが言えることだけでいいんで
教えてください。

ユウナは退院しても大丈夫なんすか?

それとも 何かちゃんと
治療とか受けた方がいいんすかね?

大学とか バイトとか
普通に出て大丈夫なんすかね?

すいません。

俺が… 言いだしたんです。

試しに自分たちで刺されに行こうって。

俺の責任なんです。

だから 俺がなんとかしないと…。

ちょっと待って。

え?

分かった。 分かったから…
もうちょっとだけ待って。

神崎さん?
いや あの… ごめん。

今は 僕も何も言えない。

でも とにかく
確かめないといけないことがあって…

それを確かめたら話せる… と思う。 多分。

あの! 待ってたらいいんすか?
待ってたら教えてくれますか!?

そのサンドイッチ 食べていいよ。

あ 先生。 神崎です。

やっぱり あの… 病院紹介してください。

はい。 検査 受けようと思うんで…。

はい よろしくお願いします。

(三木谷)先輩。 ちょうどよかった。

あのさ… え 先輩?

え?

その時 彼はこう思っていた。

もう たくさんだ。

どうか もう誰も 自分に
真実を語らないでほしい。

見て見ぬふりをしていたい。

そして 最後まで逃げ通せるなら
どんなにいいだろう。

しかし その2日後

彼は 最も向き合いたくない真実と
向き合うことになった。

神崎 真さん…。

やっぱり 結果を見る限り

蚊のアレルギー反応が出ている
ということは間違いないと思います。

え でも… 別の病院の検査では
問題ないと言われたんですが。

え? はいはいはい…。

うん? この検査は
蚊アレルギーとは何の関係もないですね。

ほら 血液中の好酸球という

細胞の数を測っただけで。

何で この検査したのかな。

蚊アレルギーを調べてほしいって
言ったんですよね?

はい…。

♬~

次世代博については 最悪の場合

中止を
覚悟しなければならないかもしれません。

中止にはできません。

その人たちを
見殺しにするってことですよね。

そんなのは きれい事だ!

俺みたいな何の取り柄もないやつは
片っ端から忖度しまくって

こびへつらいまくって好感度上げるしか
生き残る方法なんかないんだから!

神崎!
ちょっ… 神崎君?

好感度なんてね
そんなものは どうでもいいんです。

「有田Pおもてなす」。