【連続テレビ小説】おかえりモネ 総集編(前編)[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【連続テレビ小説】おかえりモネ 総集編(前編)[解][字]

連続テレビ小説「おかえりモネ」第1週から第9週までの前半の見どころをギュッとダイジェストで、振り返る。登米や気仙沼の豊かな映像、百音の成長が見られる決定版です。

番組内容
連続テレビ小説「おかえりモネ」第1週から第9週までの前半の見どころをギュッとダイジェストで振り返る。前半は、主人公の百音(清原果耶)が、故郷気仙沼を離れ、単身登米に行き、そこで様々(さまざま)な人に出会い、天気予報の可能性に目覚め、気象予報士の資格を取得、東京に旅立つまでを描く。
出演者
【出演】清原果耶,鈴木京香,坂口健太郎,永瀬廉,蒔田彩珠,恒松祐里,前田航基,髙田彪我,浜野謙太,でんでん,坂井真紀,浅野忠信,西島秀俊,藤竜也,夏木マリ,内野聖陽
原作・脚本
【作】安達奈緒子
音楽
【主題歌】BUMP OF CHICKEN

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. サヤカ
  2. 百音
  3. 耕治
  4. モネ
  5. 朝岡
  6. 駄目
  7. 永浦
  8. 新次
  9. 先生
  10. 亜哉子
  11. 頑張
  12. 仕事
  13. 美波
  14. お父さん
  15. 試験
  16. 大丈夫
  17. 漁師
  18. 自分
  19. 登米
  20. 本当

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

全て無料!民放各局の動画視聴ができるTVer(ティーバー)!まずはココから → 民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

他にも、無料お試し期間のある配信サービスがありますので、以下バナーなどからラインナップを調べてみるのもいいかもしれませんね。



イエイ イエイ イエイ!
イエイ! イエイ! うるさい。

「現在 台風12号の影響により

亀島行きの船は 全て欠航しています」。

(耕治)亜哉子~!

ああ どいて どいて どいて!

あっ 電話貸してくれ 電話!

(新次)もしもし。
☎(耕治)新次! 亜哉子が産気づいた!

亜哉子さん 産気づいた?
早く医者に連れてかねえと!

おばちゃん ついでんでねえのが?
(雅代)新ちゃん!

あっ おばちゃん。
新ちゃん! いんのか!?

どうしたの。
破水した。 もう島だど産ませらんねえ!

子供が死んでしまう!
☎(耕治)新次!

頼むぅ! 島がら出してやってくれぇ!

(テレビ)「波の高さは 5メートルから
8メートルの大時化となりますので

厳重に警戒してください」。

船出してやっから。
救急車 呼んどけ!

(サイレン)
どいてください! どいて!

島がら妊婦来んだって。

この時化じゃ無理だべ。

あっ あ~! 来た!

来たぞ! こっちだぁ!

(新次)耕治いるから。
来た?

耕治来たって。 大丈夫。

こっちだ!

新次!

大丈夫か? 亜哉子… 亜哉子 ほら。

亜哉子 大丈夫だ!
1 2 3…。

耕治! 早く!

早く!

昔も今も
人は天候に命運を左右されながら

それでも なんとかかんとか
生きてきました。

そして この子が あの嵐の海を渡って
生まれてきた 女の子です。

(サヤカ)モネ!
(百音)は~い。

モネというのは愛称で
本当の名前は 永浦百音。

海の町で育った百音は 今…

山にいます。

♬~

♬「闇雲にでも信じたよ」

♬「きちんと前に進んでいるって」

♬「よく晴れた朝には時々」

♬「一人ぼっちにされちゃうから」

♬「ヤジロベエみたいな正しさだ」

♬「今この景色の全てが」

♬「笑ってくれるわけじゃないけど」

♬「それでもいい これは僕の旅」

♬「昨夜の雨の事なんか
覚えていないようなお日様を」

♬「昨夜出来た水たまりが
映して キラキラ キラキラ」

♬「息をしている」

♬「高く遠く広すぎる空の下」

♬「おはよう 僕は昨日からやってきたよ」

♬「失くせない記憶は傘のように」

♬「鞄の中で出番を待つ」

♬「手探りで今日を歩く今日の僕が」

♬「あの日見た虹を探すこの道を」

♬「疑ってしまう時は 教えるよ」

♬「あの時の心の色」

♬「いつか また会うよ」

♬「戻れないあの日の 七色」

(サヤカ)仁に過ぎれば 弱くなる!

仁に過ぎれば 弱くなる!

百音は この春 就職して
この家に下宿させてもらっています。

この方は 新田サヤカさん。

百音のおじいちゃんの
古くからの知り合いです。

行ってきます。
はい 行っといで。

しっかり仕事覚えないと 島に帰すよ。
ねえ。

お試し期間なんだがらね!
もう それは言わないで。

行ってきます。
うん。

百音が今暮らしているのは

宮城県北部の登米という所です。

ふるさと 気仙沼の亀島から
内陸に およそ60キロ。

北上川の恵みを受けて 農業 林業 畜産と
いずれも出来は上々。

ひと言で言えば とにかく豊かな土地です。

かの有名な伊達政宗公と縁の深い

武家文化が花開いた
由緒ある町でもあります。

おはようございます。
おはようございます。

おはようございます 里乃さん。
(里乃)ああ おはよう モネちゃん。

そして ここが 百音が就職した

米麻町森林組合。

診療所や カフェまである

小さな子から お年寄りまで
誰でも いつでも来ていいよって

建てられた場所なんだそうです。

それを建てたのが このサヤカさん。

大山主であり 森林組合のボス的存在です。

登米能は! 伊達の殿様が守った
武家文化の象徴です!

(川久保)
それより 石森章太郎先生だべ!

モネちゃんは どっちに興味あんの?

どっちも あまり よく知らないんです。

(2人)くう~っ!

(耕治)よく知らない人間が勤めでだって
役に立だないでしょ。

とにかく使えながったら
すぐに戻してください!

百音は 海育ちで 山のごとなんか
な~んにも知らないですし。

声が でがいんだよ。

知らなぎゃ
勉強すればいいだげの話でしょ?

社会に出るって そういうもんでしょ。

そりゃあ そうですけど…。

え? サヤカさんに電話したんですか?

すみません こんな朝から。

あの それで… どうですか?

百音 ちゃんとやれてますでしょうか?

(龍己)ビシビシ鍛えでやってけらいよ!

あっ 今の龍己さん?
はい。 出ますか?

(龍己)いや いいでば いいでば。
(サヤカ)いがす いがす。

とにかく耕治さんには ごちゃごちゃ
言わないように 言っときますので。

百音のこと どうぞよろしくお願いします。

百音の祖父は カキの養殖家です。

ちなみに 私の夫です。

これが私。

ちょっと前に病気で死にました。

でも 実は…。

カキに生まれ変わっております。

あ~あ… やっぱ もっと話し合ってがら
行がせるべきだった。 なあ?

お父さんも いいかげん 子離れしたら?

就職して島出でぐなんて
当たり前のごどじゃん。

あ~あ… 娘2人の父親なんて
しんどいだげですわぁ。 ねえ。

あっ。 降ってきた…。

(テレビ・朝岡)
「午後は 急な雷雨の所がありますので…」。

モネ。

サヤカさん
今日 こっち来る日でしたっけ?

山に行ぐよ。
えっ?

ついできなさい。 木のごど教える。

はい。

すごい…。

(サヤカ)ヒバという木だよ。

ざっと樹齢300年がな。

300年…。

ヒバは 雨 風 雪に耐えながら

長~い時間かげで
ゆっくり成長すっから

私 ヒノキには なれながったって
もじもじしてる木だげどね

この子は もんのすごぐ いい木なのよ。

焦らなくてもいい。

ゆっくりでいいんだ。

(里乃)モネちゃん ごめん!

あれ 先生んとこ
持ってってもらってもいい?
ああ はい。

(ノック)

先生 あの… お昼 こっちで食べますか?

(菅波)ああ… わざわざすいません。
ありがとうございます。

こちらの菅波先生は
1週置きに 東京から来てくれています。

先生は どうしてお医者さんになろうと
思ったんですか?

ほとんど話もしたことない人から

いきなりされる内容じゃないと
思うんですが…。

そうですよね…。

すみません 失礼しました。

人の命を救いたいと思ったからです。

ありがとね。 いえいえ。
ごはん食べてって!

「週末は天気が崩れそうです」。

う~ん… 微妙だなや。

ああ…。 今週末でしたね 登米能。
そうなんです。

あ~あ… やっぱり 雨か…。

能舞台って 外にあるんですか?

あっ 永浦さん
行ったごどながったっけ?

はい。

ほんでさ この木はね…。

あっ。

(サヤカ)あの木は 切らせません。

殿様がら預がってる大事な木です。

(川久保)あの木は そろそろ寿命です。

弱って倒れでしまう前に
切って生がすべぎなんでねえっすか?

少し考えさせで。

来て 来て 来て。

あっ! テレビで見てた人!?

びっくりです。 山に有名人が来ました。

朝岡さんを
山に案内することになった百音は

初めて 気象予報の世界に触れます。

あと1時間は雨が降らないから

もう少し森の中を歩いていても
大丈夫とか。

1時間後のごどが分かるんですか?

10分後のことなら
もっと正確に分かります。

今の風向き それから 空に見えてる
雨雲の動きから判断して

私たちが事務所に帰り着く頃に

雨が降りだすと思います。

(翔洋)んで 急ぎましょうね。

ああ… 降ってきた。

(翔洋)やっぱり 登米能は中止だなや。

この雨だと
お客さん ぬれてしまいますもんね。

メンバーに中止の電話しねえど…。

みんなが肩を落とす中

うっすら空が明るくなっていると
気付いた百音は

朝岡さんに相談します。

はい。 なるほど… じゃあ 暖湿流は
それほど強くないんですね?

どうですか?

この地域に雨を降らせている雲は
温暖前線の雨雲なので

この雨は
午後4時には やむと予測します。

(歓声)

あらあら びっくり!

本当に雨がやみました。

すごい! やっぱり すごいです!

天気予報って 未来が分かんですね!

こうして登米能は
無事本番を迎えることができたのです。

♬「松こそめでたかりけれ」

翌朝。

すごい…。

(朝岡)北上川の移流霧は
とても幻想的だと聞いてたんですよ。

雲の中にいるみたい!

♬~

何で? 今すぐ うち出たいなんて…。

とにかく 私は…。

この島を離れたい…。

私の地元 気仙沼の海にも 冬になっと
けあらしっていう霧が出るんです。

そのけあらしを見るのが…
とても好きで。

海がら昇る朝日も… とても好きで。

でも あの日…。

私… 何もできなかった。

♬~

(朝岡)霧は…。

いつか晴れます。

(亮)あれ? みーちゃん?

りょーちん… さん。
りょーちんでいいよ。

この青年は モネの島の幼なじみです。

この春 水産高校を卒業しました。

ああ 俺 4月から漁師やってんだよね。

一進丸って船で。 明日 まだ海出っから。
ああ。

あの 気を付けで。

やっぱり 船危ないし…。

うん。 みーちゃんも気を付けで帰れよ。

じゃあ。

そのころ 登米では…。

父です。

百音が心配な耕治は
突然 登米を訪れたのです。

お父さんは 大学から ずっと
仙台だったんだよね?

ああ。 向こうで そのまま
就職しちゃったしな。

耕治は 銀行に勤めています。

どうして 漁師継がながったの?

うん…。

死ぬがらね 漁師は。

それより 科学とか 経済とかさ

そういうもんで
世の中よぐしていぐっていいなって。

海が嫌いとか 漁師が嫌とかじゃなくて?

嫌いなわげねえだろ。

俺は こっちだって思うもんが
ほかにあった。

それだげだよ。

この日は 地元の小学生が
林間学校で森林組合に来ていました。

組手什は
組み立て家具のパーツみたいなものです。

(サヤカ)家族に見せる顔とは違うでしょ。

どんなにかわいくても ずっと
手元に置いどぐのは違うど思いますよ。

分がってます。 でも…

あん時の百音の顔を思い出すと

何が何でも その手を
離しちゃいげながったんじゃないがって。

でも 違ったのがも。

お父さんも作ってだの?
うん。

よし。

(笛の音)
うわっ!

ん? え?

さてと 帰っかな。

お父さんが 俺は こっちだって
自分で決めたように

私も こっちだって自分で決めたい。
そういうものを見つけたい。

おばあちゃんの初盆には 帰ってこいよ。

翌日。 百音は 子供たちを案内するために
山へ向かいました。

その帰り道のこと…。

(雷鳴と悲鳴)

うそ…。

突然の雷雨。

百音は 足をけがしてしまった生徒と
2人っきりで

立往生してしまいました。

(翔洋)とにかぐ 木のそばは駄目。

あど 2人して固まんないで。

そうなの…?

圭輔君! 大丈夫?

(圭輔)痛い…。
駄目! 伏せちゃ駄目!

(雷鳴)

(朝岡)10分後のことなら
もっと正確に分かります。

はい もしもし。
先週 登米でお会いした 永浦です。

雷と大雨に遭って 動けなくなってます。

状況を教えてください。
永浦さん 一人ですか?

小学3年生の男の子が一緒です。

周りを見てください。
山の斜面に茂みのような

背の低い木が密集しているところ
ありませんか?

少し上がったどごにあります!

その茂みの中に入ってください。

(朝岡)永浦さん。
入りました!

このあと 風向きが変わります。
その間 そこは 一度 雷雲から外れます。

この間に移動してください。

でも いつ動けばいいのか…。

風の音を聞いて。

風向きが変われば
確実に音も変わりますから。

やってみます。

音が ちょっと変わりました。

空を見て。 一瞬明るくなりませんか?

明るいです。

風向きも変わったような気がします。
(朝岡)今です。

わあ!
あっ ごめん!

(川久保)まだ強ぐなってきた…。

もしもし。
あっ サヤカさん?

モネ? 避難小屋に着いだ?
着いた。

子供は? 大丈夫? あなたも?
大丈夫。

充電切れると困っから 切るね。
うん うん。

はあ…。

さっきより ひどくなってきたね。

誰?

もしもし。

菅波です。
先生。

9歳の男の子の全身状態を
確認させてください。

寝ちゃってます。

声かけして 返事をさせてください。

10歳以下の子供は
水にぬれると体温が下がりやすく

心停止するケースもあります。

非常に危険です。
えっ!? 圭輔君!

乾いたもので 体をくるんで
温めてください。

圭輔君!

圭輔君!

意識を回復さしてください!

圭輔君! 寒い…。
わっ あっ… 起きました!

でも すごい震えてます。
けいれんみたいです。

(菅波)震えが来たら もう心配ないです。
え?

あと寝ないように
話しかけてあげてください。

周りの人たちに助けられて 2人は無事
山を下りることができたのです。

あなたのおかげで助かりました。

駄目ですよ 真に受けちゃ。
えっ?

あなたのおかげで助かりましたっていう
あの言葉は 麻薬です。

え…。 それに 永浦さんは詰まるところ
何もしていませんからね。

知り合いの気象予報士と
知り合いの医者の

知識と判断に助けられただけです。

確かに…。

朝岡です。 夜分にすいません。

今日の宮城県の予報を
検証してるんですが

実際どうだったか
確認させてもらってもいいですか?

こんなふうに
後から確かめたりするんですね。

予測できなかった時こそ
検証しておかないと

次につながりませんから。

でも 外れてしまうってことも
あるんですよね…。

それは… あります。

怖くないですか?

怖いですよ 自然相手ですから
絶対はない。

でもまあ 単純に面白いです 気象は。

全部 空と水で つながっていて…。
水?

(朝岡)例えば 山は水を介して
空とつながっています。

海もそうです。 永浦さんは 海で育って
海のことを知っている人ですし

山のことも知ろうとしている。

なら 空のことも知るべきです。

よかったら勉強してみてください。

「命を守る仕事」…。

気象予報士の朝岡さんと出会ったことで

百音の人生は
大きく変わろうとしていました。

一般知識ってぐらいだから きっと分かる。

島を離れて 初めての夏。

百音は お盆休みに
帰省することにしました。

ああ おかえり。
ただいま。

すっごい荷物。
お土産。

(鈴の音)

ただいま おばあちゃん。

おかえり よく帰ってきたね。

目立つようにしとかなぎゃ。
(未知)えっ 多すぎない?

そうかな…。
多いよ 多い 多い。

(3人)こんばんは。
あっ。

スーちゃん りょーちん 悠人君も!

(明日美)久しぶり!
久しぶり。

迎え火やってんの? 私も交ぜて。

「ど~ごもいでどご ねえように」。

はい 次!
私? 私?

「ヘビ ムカデに かれねえように」…。
気を付けて。 あ… 危ねえ。

「ど~ごもいでどご ねえように」。
はい 次!

「ヘビ ムカデに かれねえように

ど~ごもいでどご ねえように」。
はい りょーちん!

「ヘビ ムカデに かれねえように

ど~ごもいでどご ねえように」。
はい みーちゃん!

「ヘビ ムカデに かれねえように
ど~ごもいでどご ねえように」。

みんな 立派になったねえ。

(読経)

あっ そうだ ヒデさん 三生君は?

こっち帰ってきてないんですか?
(せきこみ)

そうだよ 三生 今日 坊主デビューする
って言ってだじゃない。

知り合いの寺に修行に出すごどになって。

この夏は 帰れなぐなったんだよ。

ああ そうだったんですか。

(通知音)

(未知)えっ…。

三生!
(三生)よう。

ようじゃないよ… てか 何その頭。

俺 坊さんにはなんねえ!
(一同)え~っ!

やっぱ 音楽好きだなあって…。

う~わ… もう ほら いるわ こういう子。

モネは 楽器吹いたりしてないの?

吹いてないよ。 何で?
だって… あるから。

えっ 待って! や~!

え~ 懐かしい! てか みんな若っ!

これ いっちばん最初に
人前でやった時の!

(悠人)懐かしい!

♬~

(拍手)

この日は しばらくぶりに
みんなが うちに泊まりました。

(明日美)波の音 久々に聞く。

あのさあ…

モネは 何で音楽やめちゃったの?

(耕治)興味あったんだろ?

いいの?

耕治の影響で 小さい頃から
音楽が大好きだった百音は

音楽コースが有名な
仙台の高校を目指したのですが…。

(耕治)まっ しょうがない。

モネ 連絡ないね。
あ~ 駄目だったのかなあ…。

いや 絶対受かってると思うけどね。
え~。

何こご…。

いいがら。 この店 飯も うまいんだよ。

あの…。
みーちゃん 連絡あった?

駄目だったっぽいです。
え~… マジで…。

まっ 普通にしといてやろ。

じゃあ 行ぐが。
うん。

♬~

♬~ (拍手と歓声)

♬~

見てっていい?

♬~

あそごがら見えるみたいだ。 行こう。

すいません ごめんなさい。

♬~

島が…。

島に戻れたのは
それから数日後のことでした。

お父さん うぢ 見でくっから

先 避難所行ってろ。
分かった。

♬~

スーちゃん…。
モネ…。

(未知)お姉ちゃん…。

みーちゃん!

よかった…。

よかった みーちゃん。

お父さんも 島に戻ったよ。

お母さんは まだ町にいるけど無事だから。

♬~

(耕治)あのさ…。

どうだろう?

また 吹いてみないが?

音楽なんて 何の役にも立たないよ。

♬~

何 起きてんの。

うん。

そう…。

(三生)うわ~! やっぱり 最高だ 海!

(亮)亀完成? これ。

(明日美)ちょっと ちっちゃい!

あ~! やばい やばい やばい!

雲多いけど この分だと
今日は 一日 降らないかな。

何で雨降らないって分かんの?

漁師は 風向きと天気 必須だから。
うん…。

龍己さんも そうでしょ?

海も風も こんな朝日も

フフ… 大好きだったんだよね。

この夏休み
水産高校に通う みーちゃんは

カキの研究に没頭中。

随分 本格的だね。

自由研究って 何やってんの?

カキの地場採苗。

カキ 赤ちゃんから育てようと思って。

うちで 種ガキから作れたら
経費削減になるでしょ? うん…。

みーちゃんが迷っているのは

カキの赤ちゃんをくっつけて育てる原盤を
海に入れるタイミングです。

今日! 今日やる! 原盤入れる!

よし おい 三生 手伝え。
はい!

軽トラ回してくるから。
はい。

お天気には 今までだって
ずっと触れてきたはずなのに

急に目につくようになるから 不思議よね。

これ スギだ…。

クヌギ?

当だり。

耕治が家にいっと
うるせくて昼寝もでぎねえ。

これね このクヌギっていうのは

薪どしては
もう ナラの中では高級品だよ。

詳しいね。

そりゃ おめえ 漁師っていうのは
昔は みんな 木に詳しがったんだよ。

船は ほとんど木造だし

漁具も 木で作るこどが多がった。

だがらさ 昔 俺たち漁師は
いい木を持ってる山主を探して

大事にして 仲よぐしてきたんだよ。
ああ それで…。

ハハッ サヤカさん?
うん。 いささか苦手だよ あの人。

アハハハ そんな… そんなこと言う…。

ああ… 木の匂いだ…。

(龍己)その山の葉っぱさんたちが
海の栄養になんのっさ。

山は海とつながってるんだ。

何も関係ねえように見えるもんが

何がの役に立つっていうごどは
世の中に いっぺえあるんだよ。

うわ やっぱ 降ってきた。

(龍己)
原盤 なるったけ早く 揚げた方がいいぞ。

海の塩分濃度が変わったら
タネは 沖さ 流される。

2~3時間延ばしたどごで
数は変わんねえぞ。

もうちょっと粘りたい。

もう とにかく
明るいうぢに揚げるぞ 来い。 待ってよ!

これは 私の研究なの。
私が決める。

勝手にしろ!

待って おじいちゃん! 私も行く!

そっちで待ってろ!
でも! この雨では 危ねえ!

夜になって 天候が悪化。

龍己さんが 一人
原盤を引き揚げに向かいました。

(亜哉子)おじいちゃんね
未知が一生懸命 頑張ってるから

真剣につきあってくれてるよ。

でもね それで おじいちゃんが
けがしちゃったら 元も子もないの。

もういいですよ。
そんな怒ることねえべ。

あのね たかが高校生の 自由研究です。

たかが…。

地場採苗は 今 いろんな養殖地で
やり始めてるよ。

みーちゃんな
気仙沼は 水深が深いんだよ。

この辺にだって 浅瀬はあるよ。

支柱立てるぐらいのごどはできるよ!
誰が立でるんだよ! 設置費用は?

ちょいちょい ちょいちょい…
じいちゃん!

子供相手に 本気になんないでよ。
(未知)違う!

何で 高校生とか子供とか言うの!?

地場採苗は絶対に必要だし

不可能じゃないって言えるだけの
データだって集めてる。

本気で一緒にやってよ!

悪がった。 ごめんな。

でもな この3年 じいちゃん
なんとか立て直そうって頑張って

今 やっと 元に戻ってきて。

まだ ギリギリなんだよ。

申し訳ないけど
今 未知の夢にまでは手が回らない。

夢…。

だがら 今から本気で
うぢで地場採苗やんのは 無理なんだよ。

さすが銀行員だね。
ん?

お父さんって お金の話ばっかり。

お父さんにとって
お金で損するごどが一番の悪だもんね。

ちょっと未知。
返済が正義だもんね!

そうやって りょーちんのお父さんにも
船 諦めさせたもんね!

りょーちんのうち
あんなに大変だったのに!

いいかげんにしなさい!

(笛の音)

アハハハハ…
これ お父さんが登米の木で作ったの。

ひっどい音だよね。
モネ…。

そうだ おながすいたよね?
はっと汁 作ったげる!

(亜哉子)
そう言われてみれば おなかすいたわね。

耳たぶと手裏剣って…。

ごめんなさい。

いいって。

ほら こんなもんが?
何か 白玉みたいになっちゃったな。

(笑い声)
(耕治)ほら。

もう帰っちゃうのかぁ。
うん。 よし…。

何これ。
あっ 駄目! えっ 何 何?

お姉ちゃん 気象予報士とか目指すの?
ああ いやいや

面白そうと思って買ったけど 全然 駄目。
ちょ… みーちゃん 駄目 駄目 駄目!

どんなよ。 あっ コリオリの力。
分かるの…?

こご。

水の循環だよ 天気は。
それで 大体分かる。

でも 何でいきなり?

お姉ちゃん
天気に興味なんかあったっけ?

先のごどが分かれば
人助けができるかなって…。

あっ いやいやいや… 違う 違う!
本当 無理だから!

みーちゃんみたいに
まあ 頭がよければいいけど

私は 何か もう…
で… で… できないし もう…。

私のせい?
ん?

お姉ちゃんが そんなふうに思うのって。

お姉ちゃん 津波見てないもんね。

♬~

サヤカさんの山って こっから遠いよね?

どうして 登米に木を植えてたの?

登米の山にしみた水はな
北上川を下って

南さ 行ぐど 石巻に着ぐべ?

うぢのカキの生まれは どごだい。

あっ 石巻。

おじいちゃん!
ん?

もし… もしね
私が天気のごどを勉強したら

おじいちゃんの仕事や みーちゃんの
研究の役に立ったりするかな?

誰かの役に立てるかな?

漁業は ギャンブル。

俺が 一発勝負かける時は
あんたに相談する。

お盆休みを終えて
百音は 登米に戻りました。

蒸し上がりましたよ~!

モネちゃんちの殻付きカキ!
(歓声)

こごまで大きいのは 3年ものでしょ?

あれがらちゃんと育ってよがった。

はい。

山の人間も うかうかしてらんないよ!

今 広葉樹が使いみぢがなくて困ってんの。

何が商品を作って 利益を上げで。
仕事だよ。

ああ… 新事業なんて 考えつきません…。

あっ 薪はどうでしょう!

各家庭に 薪ストーブを
おすすめするとか!

広葉樹のクヌギは
薪としては貴重品なんですよね?

うん でも 薪ストーブなんか
一台設置すんのに 100万よ?

薪割りも今の人 そんなでぎねえしさあ…。
ですよねえ…。

そんな折 総合学習のため
百音は 地元の小学校に行きました。

はい 大事に使ってくださいね。

またね。 またね。
またね。

先生 土田君の机が ついに壊れました~!

(谷口)よさそうなやづど交換してきて。

まだ いたの?

それだ!

登米市の学童机は
もう30年も替えでなくて

近々 新しいものど
入れ替えようどしてるらしいんです。

サンプルだげでも作ってみっか?
わ~っ!

試行錯誤の末
なんとか作り上げることができました。

(熊谷)
へえ~ 脚だげ スチールにしたのが。

軽いし。

(木村)値段も安いですよ!
ハハ いいんでねえが? ハハハ。

よかった~。

市内の小学校 全校分 4, 200セット

来年の3月末までに… 大丈夫ですよね?

半年後…。 4, 200?
どうしました?

いや… この天板 手作業で
作んのに とても時間が かがんです。

ああ… 公共事業は
予算と納期は絶対なんで…。

このころ 仕事終わりで 菅波先生が

気象の勉強を
教えてくれるようになりました。

物事が うまくいかなくて
落ち込むような時

僕は 何かしら 新しい知識を
身につけるようにしています。

このタイミングで出すのは

我ながら
あざとさを感じて嫌なんですが…。

永浦さんは 使用してる本が
極端すぎるんです。

まずは 基本に立ち返りましょう。

ありがとうございます。

しかし 誕生日プレゼントに参考書って
子供なら泣くレベルの嫌がらせだな…。

「蒸発は 主に太陽エネルギーによって
起こります」。

蒸発… 太陽…。

サヤカさん!

何だか さっぱり分からないけど
どうやら勉強が役に立ちそうね。

学童机 最大の問題は
ナラの木の乾燥ですよね? ああ…。

太陽熱で乾燥させるんです。

百音は 農業用ハウスを利用して
木を乾燥させることを思いついたのです。

地元の職人さんたちにも協力を呼びかけ
学童机の製作が始まりました。

そして…。

おっ 来たど!
(歓声)

すごい!
おしゃれ~!

うわ これ気持ちいい。
よがったなあ。

こうして見でっと やっぱ いいですね。

レジェンドだぢ いい仕事するなあ!

アハハハハ。

お~い! またな~!
バイバ~イ!

またね~!

あの子だぢに
水ど空気を作ってやってんだ。

林業は 生ぎ残っていがなぎゃいげねえ。

≪ありがとう~!

(菅波)熱は 高温から低温に伝わり

接している物体と
均一な温度になろうとします。

だから 地面から空気に熱が移動して
下から空気も温まるんです。

おお~!

分かりましたか…。

では ついに
なぜ 雲が出来るのかですが…。

でも… あの… 接している物体は

何で 均一な温度に
なろうとするんでしょうね。

駄目だ…。

どんどんミクロの世界に突入していく…。

永浦さん。
はい。

それが 熱の伝導っていう現象ですが
一旦 忘れましょう。

説明するのが ややこしいので。
(サヤカ)あら簡単よ。

えっ?
(みよ子)もう いいどごなのにぃ!

そご 座る。

接してっと お互いの体温を感じっちゃ?

それが 熱の伝導。 フフフフフ。

はい お疲れさまでした お先に。

あっ!

先生。

私 やっぱり 受けてみたいです。
気象予報士試験。

私も 先生や こごの山の人たちのように

人の財産や 命と

きちんと向き合えるものを
身につけたいです。

誰かが悲しい思いをしないように
守ってあげてる。

そういう力を私も身につけたいです。

永浦さんが到達したい目標は 何ですか?

気象の知識を深めることですか?

それとも 気象予報士試験に
合格することですか?

気象予報士試験に合格するごどです。

そうとなれば 話は変わる。

いいですか? 知識を得るのと
試験に合格するのとでは

アプローチのしかたが全く違います。

直近の試験は いつですか?
来年の1月です。

1月の合格は 諦めましょう。
はい?

なるほど。 試験は 8月と1月。

学科は 一度受かれば
1年間免除になりますね。

ここを狙いましょう。

来年8月の試験で 学科を突破しましょう。

そのあと 半年 みっちり
実技に打ち込めば

うまくいけば 2016年の1月

今から1年3か月後の試験で
合格します。

やるんですか。

やります!

そうこうしているうちに ついに

初めて 気象予報士試験を受ける日が
やって来ました。

行ってきます。
うん。

(通知音)
おっ。

(菅波)「9時45分に
一般知識の試験が始まったら

まず 気象業務法に関する問題を
先に解いてください」。

何 何 何よ~ 励ましメール?

意外に 情に あづいんでないの?
違います ほら。

(菅波)
「30問を2時間かけて解くと考えると

余裕があるように思いがちですが

実際は 1問につき 5つの解答例から
正解を洗濯しなければなりません」。

「選択」が 洗濯物の「洗濯」になってるよ。
うん。

もう! ああ もう 行ってきます!

はい 頑張って! はい!
はい!

始めてください。

いろんな人が受けてるのねえ。

頑張れ モネ。

≪(足音)

あれ? 先生 何してるんですか?

ああ ちょっと コーヒーを頂いてました。
ああ。

どうでしたか?

意外とできた気がします。
もしかしたら 奇跡が…。

奇跡は 試験に起きません。
はい。

でも 頑張りました。

はあ…。

随分 晴れ晴れとした顔をしていますね。

学童机が 全部出来たんです。

それは よかったですね。
はい!

あっ 先生。 来ました 葉書。
予報士試験の…。

どうでしたか?

落ちました。

でしょうね。

このごろ 森林組合の仕事が
とっても忙しくなっていて

気象予報士試験の勉強は
ほとんど進んでいませんでした。

それでも 頑張らねばと
2度目の試験に挑んだのですが…。

(サヤカ)おかえり!
ただいま…。

試験 どうだった?

まあ いいじゃないの まだ受げれば。

社会人あるあるですね。

ふだんの仕事や生活が
充実してきてしまうと

途端に資格試験への情熱が薄らぐ。

耳が痛いです。

永浦さんは 資格に頼らずとも

自信を持って できることが
見つかったんでしょう ここで。

やめますか?

一度 ちゃんと考えます。

しかし 運命の相手というのは

こちらの心が揺らいでしまいそうになると
突然 現れたりするものです。

あっ! 朝岡さん!

お元気でしたか?
はい!

朝岡さんと共にやって来たのは
2人の若手気象予報士。

ウェザーエキスパーツの野坂です。
お世話になります。

あっ 同じく 内田です。

うわ~ 絶景!

百音は 気象情報を
さまざまなことに役立てようとする

2人の姿に刺激を受けます。

野坂さんって
木で洪水を防ごうとしてるんですか?

大雨を受け止めてるのって 一般的には
山の土って思われてますよね?

でも 木の保水力も すごいんです。

それを ちゃんと証明できれば

河川の氾濫を繰り返す流域に

保水力の高い木を植えるよう
提案できるんじゃないかなって。

野坂さんって 気象予報士ですよね?
はい。

ああ 私たち やってることが変ですか?
いや… いえいえ…。

朝岡さん。
はい。 これが 3Dでスキャンした

森の様子です。
この情報だけで

樹木の保水効果を
正確に割り出せるとは思えない。

はい 内田君は?
ちょっと まだです。

(朝岡)いつも言ってますよね?

私たちが売るのは 気象にまつわる
正確な数字 もしくは時間です。

リードタイムは 通常のビジネスでは
短い方が よいとされていますが

気象ビジネスにおける
リードタイムは 少し違います。

備えるための時間です。

昨日 野坂さんたちとお話しされてた
リードタイムって…。

よし 来た。
やっぱり 食いつきましたね。

私たちの頭の上で起きている気象現象は

数日前 南の海や 北の大陸で起きた現象に
必ず起因しますから。

だから それを分析すれば
未来に何が起きるかが分かります。

つまり 危険を予測し
回避する時間が得られる。

これが我々のリードタイムです。

数日後 登米に台風が近づいた夜。

百音は サヤカさんが
胸に秘めてきた思いを聞きます。

木は 家になるでしょう。

暖を取る燃料にもなる。

何もかも 失ってしまったどしても

そごに木があれば 人は それを使って
まだ生ぎようどするよ。

もしかして 300年のヒバは…。

あの木は 人々の暮らしを守る
最後のとりで。

そう教えられで 私は

この土地を守んのが役目だと思って
生ぎできたのよ。

案外 真面目でしょ?

知ってます。
おっ!

(サヤカ)みんな頑張ってくれたんですね。

じゃあ さほど大きな被害は…。

(朝岡)何もできなかったと思っているのは
あなただけでは ありません。

サヤカさんも もしかしたら 誰もが

自分は 何もできなかったという思いを

多少なりとも 抱えています。

でも 何もできなかったと思う人は

次は きっと 何かできるようになりたいと
強く思うでしょ?

その思いが 私たちを動かすエンジンです。

サヤカさんは
あのヒバの木を切る決断をしたのです。

能舞台だって
最初の床の張り替えすんのに 10年だろ?

柱なんか 50年先がも。

永浦さんなら 50年先も ほら 余裕だ。

ああ ああ…。

(翔洋)永浦さんなら 見届げでくれますよ。

(笑い声)

どうして 毎週戻るんですか?

東京って そんなに すごい所ですか?

気になってるのは
気象情報会社のことですよね。

誰かに話すことで 考えがまとまる
というのは 割と よくあります。

サヤカさんは 自分は
この土地のために生きるって決めてる。

今なら 一番近くで サヤカさんを
支えるごども できるかもしれない。

でも 出会ってしまって…。

ものすごぐ心引かれるものに。

自分も そんな仕事があるんだ
やってみたいって

気持ちが… 引っ張られるんです。

だったら 覚悟を決めるべきです。

東京は そう大して
魅力的な土地ではないです。

でも 本当にやりたい仕事が
そこでしか できないなら

行くべき場所だと 僕は思います。

♬~

ふう…。

いいじゃないの。

まだ一人でも… フフフ。

3度目の気象予報士試験まで あと2週間。

百音は お正月休みの間

亀島の実家で
勉強することにしたのですが…。

えっ!? 浮気!? お母さんが!?
しっ! しっ! しっ!

年末から 島中 その話ばっか。

確かめに行かない?
え?

いらっしゃいませ。
(亜哉子)すいません お待たせして。

いやいや… もう こっちが。 ああ…。

りょーちんのお父さん…。

よかった。
え?

顔 前と全然違います。

飲んでませんからね 一杯も。
うん 偉い 偉い。

男にそういう言い方 しない人でしょ。

ごめんなさい。

あいづだよ そういう言い方。

そう。 言い方が かわいいんですよね
美波さん。

そろそろ行きましょうか
どうせ待たされるだろうけど。

亜哉子さんは お酒を断つために
病院へ通う新次さんに

付き添っていたのでした。

島の漁師の及川新次さんと
奥さんの美波さんは

耕治の幼なじみです。

新次さんは
新しい船を造ることを決めており

その資金繰りの計画を
耕治が立ててあげていました。

(美波)でも 耕ちゃんが
亜哉子さん連れできた時は

島中の男が 二度見したもんね
こう… こう… こう… ねえ。

ねえ この人なんか 三度見したがらね。
(耕治)三度がよ。

そりゃすんだろ
すんげえ かわいがったもん。

もう また!

うちの母親 ああいう話 好きだからな。

みーちゃん ごめんね。
ううん。

でも私 りょーちんのお母さん 好きだよ。

みんなのごど すぐ仲よくさせちゃう。

うちのお母さんが 島になじめてるの

りょーちんのお母さんが
いてくれっからだよ。
そうか?

よ~し 歌っちゃおう!

やっぱ こごは歌っちゃおう!
もう まただよ…。

(美波)あんたたぢも こっちおいで!

♬~(「かもめはかもめ」)

(拍手と歓声)

♬「あきらめました あなたのことは」

♬「もう電話もかけない」

♬「青空を渡るよりも」

♬「見たい夢があるけれど」

モネ これ持ってってやれ。

おい 美波。 美波! 餅!
ああ はいはい。

はい そっちも!
よいしょ!

おやじ 真ん中いいよ じゃあ。 譲る 譲る。

(耕治)ほら いくぞ! 1 2の… 3!

(シャッター音)

(留守電・美波)
美波です。 亮は学校にいっから大丈夫。

おとうさん 船 沖に出せだ?
無理しないでね。

(すすり泣き)

(耕治)とにかぐ おめえは 船を買え。

買うために船乗って 金を稼げ。

おめえには 船が似合うよ。

共同経営者として 複数のノンバンクから
借り入れされてますね。

はい。

何で隠してだ。
大した額じゃねえがらよ。

お前…。
いやいや

利息の100万なんか 小遣い程度だし

俺が いっぺん海に出だら
1, 000万なんか 簡単に…。

金を何だと思ってる。

船 乗らせでくれよ。

自分の船でなぎゃ
何にも埋められねえんだよ。

駄目なのが。

すまん。

(龍己)おめえ もう
下手に手出すのやめろ。

億超える借金残して 新しい船流されで
あの時点で 新次は お手上げなんだよ。

じゃあ せめて 住むとごぐらい…。

こごに住まわせてもいいだろう。

新次と亮 2人ならこごで。

向ごうの部屋 使わせでもいいし。

おめえは 漁師ってものが
分がってねえな!

意地で生ぎでんだよ 漁師は。

そごまで 潰すな。

じゃあ 俺は…。

あと あいづに 何をしてやれんだよ。

何にも なぐしてねえ俺は…

何がでぎんだ。

お姉ちゃん。
どうしたの?

りょーちんのお父さんが
いなくなったって。

(耕治)しっかりしろ ほら…。

(新次)ああ モネちゃん みーちゃん…。

どこにいたの?

家のあったとこにね…

座ってた。

(留守電・美波)
美波です。 亮は学校にいっから大丈夫。

おとうさん 船 沖に出せだ?
無理しないでね。

ここんとご 酒もやめで
頑張ってだんじゃねえのが。

5年って 長いですか?
え?

(新次)お前 まだそんな状態かよって
あっちこっちで言われるんですよ。

でもね 何でか もう ず~っとどん底で
俺は 何にも変わらねえ。

(新次)いや そういう中でね
うれしいごどがあったんです。

船に乗ってる亮がら
メカジキ 50本揚げだって。

その声が もう 子供じゃながったのが

俺は ものすごぐ うれしくて…。

もしかしたら 俺に似で
筋がいいんじゃねえがなと思って…。

それを しゃべる相手が…。

話す相手がいないんだ。

(すすり泣き)

本当だったら 一杯飲みながら

一緒に親バガだなって言い合える
美波がいないから…。

それで気付いだら
家があったどご戻ってた。

本当に 毎回 迷惑かげてごめんな 耕治。

もう… 本当にごめんな もう…。

よっしゃ 一曲歌うが!
亮…。

耕治さん あれ まだありましたよね
カラオケ この辺か…。

おお まだあった。

亮 よせ。
いいじゃないですか!

おやじ!

母ちゃん よく歌ってたやつ
歌ってやんよ!

♬「あきらめました あなたのことは」

♬「もう電話も」

亮!

歌なんかやめろよ お前。

俺は立ぢ直らねえよ。

絶対に立ぢ直らねえ!

(すすり泣き)

この葉書が届くのも もう3度目。

で 何で僕なんですか。

で 一人で見るのが怖くて…。

いきますよ。

はい。
お…。

ああ…。

あ~! やった!

あっ… あっ…。

先生… 先生!
はい。

早く サヤカさんにも教えてあげましょう。
そうだ。

ただいま。
サヤカさん どこ行ってたんですか?

ん? 能舞台。
何かあったの? あの 私…。

サヤカさんの顔見たら
言えなくなっちゃったのは

どうしてなんだろうね。

そういえば 試験の方は どうだったの?

落ちました。
えっ!

アハハ… 結構 手応えあったんですけどね
駄目でした。

そんな簡単じゃないですね。

合格したことを
サヤカさんに言えないまま

ヒバの木を切る日がやって来ました。

始めますか。

お願いします。
モネ。

そっちは あなたが持って。
え?

引いて!

♬~

(サヤカ)ヒバは 雨 風 雪に耐えながら

長~い時間かげで
ゆっくり成長すっから

この子は もんのすごぐ いい木なのよ。

私は この土地を守んのが
自分の役目だって思って生ぎできたのよ。

(くさびを打ち込む音)

♬~

よぐやってくれだね ありがどね。
いえいえ。

だがら もう気を遣わないで。

気象予報士試験 合格したんでしょ?

朝岡さんのどごろに 行ぎだいのよね?

それなのに どうして うそなんかつぐの。

そ… それは…。

私に同情した?

いや…。
バガにしないでね。

もう勉強する必要は ないと思いますが。

永浦さんが
うそをついた気持ちは分かります。

多分 サヤカさんも分かってる。

でも…

一緒に喜びたかったと思いますよ。

あなたが 一生懸命 頑張って

やりたいと思う仕事をできる資格を
手に入れたんです。

たとえ それで
離れることになったとしても…。

サヤカさんなら
喜んで送り出してくれます。

分かってます。

自分の夢を追って
離れてしまっている間に

また… 大切な人が
何か… つらい目に遭ったらって。

それで 怖くなりました。

ちょうど明日ですね。

震災。

私 島にいなかったんです。

高校の合格発表の日で
父と仙台に行ってて。

そうでしたか。

妹に言われたんです。

「お姉ちゃん 津波見てないもんね」って。

そんなの しかたないですよね。

でも ずっと刺さってて。

♬~

サヤカさんと
話をしてみたらどうですか?

はい。

すみません うそついて…。

分がってるよ あんだの気持ぢは。

行ぎなさい。

自分の思う方へ。

やりたいことを見つけた百音は
気仙沼に戻ってきました。

私 東京に行きます。

天気に 気象に関わる仕事がしたいんです。

私 あの日 島にいなくて。

みんなが とても大変な思いをしている時
一緒にいられなかった。

あの数日間で 私と みんなは…。

見たものも 経験したごども
違ってしまって。

そのごどが
だんだん後ろめたさみたいになって

こごに たまってきて 苦しくなった。

あの時 何もできなかった
っていう思いが

島にいると その思いがら抜け出せなくて。

それで とにかく島を出たいって。

気象はね 未来が分かるんだよ。

この仕事で
誰かを守るごどができるんなら

私は 全力でやってみたい。

大切なものをなくして
傷つく人は もう見たくない。

分かりました。

♬~

本当にお世話になりました。

でも 先生とは 会おうと思えば
また東京で ばったり。

人口1, 300万人ですよ。

会いたい人に
そう簡単に ばったり会えるような

なまぬるい世界ではありません。
そうですか。

頑張ってください。

はい。 では。

うわ~! 最後まで それだげがよ!

えっ!
それ~!

本当に ありがとうございました!

はあ… 山の神様!

海の神様でも 空の神様でもいい。

どうか あの子に!

よい未来を。

たくさんの人に背中を押してもらって

百音は 気象の世界へと
踏み出していきました。

モネ 行ってらっしゃい!
頑張れ!