終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」[解][字]

太平洋戦争末期、帝国大学の医師たちにより米兵捕虜への実験手術が行われた。己と向き合う医師がたどりつく本当の罪とは?人間の狂気と正気を描くヒューマンサスペンス!

番組内容
太平洋戦争末期、帝国大学医学部の医師たちによって捕虜への実験手術が行われ、8人の命が奪われた。命を救うはずの医師が犯した恐ろしい罪とその裏に隠された真実。死刑判決を受けて自分自身と向き合う医師と、その判決に異議を唱え、公正な裁きを求めて奔走する妻。それぞれの罪を背負った死刑囚たちとの出会い。深い苦悩の果てにたどりつく、ありのままの真実とは何なのか?人間の狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンス!
出演者
【出演】妻夫木聡,蒼井優,永山絢斗,鶴見辰吾,山西惇,辻萬長,中原丈雄,若村麻由美
原作・脚本
【作】古川健,【原案】熊野以素
音楽
【音楽】小林洋平

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. 手術
  2. 鳥居
  3. 英語
  4. 石田
  5. 通訳
  6. 和枝
  7. 捕虜
  8. お父さん
  9. 回想
  10. 義正
  11. 教授
  12. 命令
  13. 嘆願書
  14. 裁判
  15. 参加
  16. 事件
  17. 判決
  18. 房子
  19. 間違
  20. 自分

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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米軍捕虜2名 連行いたしました。
よろしい。

(ノック)

鳥居先生 間もなくです。
(太一)はい。

♬~

(進藤)
お国の役に立つ成果を期待しております。

存分に腕を振るって頂きたい。

教授 準備のできました。
(石田)うむ。

♬~

これは 無差別爆撃を行った
B29の搭乗員である。

(石田)弾丸が貫通した際に
肺に損傷を受けている可能性があるので

手術を行う。

麻酔は よく効いているか?
(中森)十分に効いております。

よし 始めよう。 メス。
(看護師)はい。

(中森)ガーゼ。
(看護師)はい。

(戸の開閉音)

ただいま。

(房子)おかえりなさいませ。

おとうさん?

なんかあったんですか?

おとうさん?

大学ば やめたいと思うた。

えっ?

助教授として
石田先生にお仕えすることはできん。

なんがあったとですか。

今日
大学で アメリカん捕虜の手術のあった。

先生から手伝えというご命令で…
もちろん 治療のためやと思っとった。

私は なんも知らんやった…。

回想 右肺を切除する。

ハサミ。
(看護師)はい。

(せきこみ)

(中森)ガーゼ。
(看護師)はい。

(小林)血圧低下 60。 脈拍 36。

(石田)代用血液注入。
はい。

(小林)血圧 80。 戻りました。 脈拍 60。

(石田)進藤大佐
これが海水から作った代用血液です。

このように 非常に効果があります。

なるほど。

(石田)摘出。

負傷しとった捕虜の片方の肺ば摘出した。

やけど 傷一つない きれいな肺やった。

どういうことです?

片方の肺で どんだけ生きられるんか
試したんかもしれん。

そんな…。

回想 見ろ。

人間は
片方の肺だけでも生きていられる。

よし 2人目だ。

(小林)血圧低下 40。 脈拍… ふれません。

心臓マッサージ!

(石田)鳥居 その必要はない!

(小林)心停止。

(小林)死亡しました。

(石田)次の手術を始める。

(石田)鳥居! なにをしている。

はい。

初めから生かす気はなかったんやろ…。

捕虜は そのまま死んだ。 2人目も。

あれは 実験手術たい。

(雷鳴と雨音)

おとうさん。

また手術はあるとですか?
分からん。

そんな手術には参加せんで下さい。

お願いです。
やけど 石田先生に逆らうわけには…。

おとうさん。

たとえ敵でも 捕虜を医学の実験に
使ったらいかんと思います。

そうやな…。

捕虜の手術には参加せんって
約束して下さい。

分かった。 約束するけん。

(英語)

<戦争が終わると 夫は 石田先生や
ほかの医師 軍人と共に

占領軍に逮捕されてしまいました>

(法務官の英語)

(通訳)アメリカ人飛行士への手術は
人体実験だったのではないですか?

<逮捕の数日後
事件の首謀者と目された石田教授は

自ら命を絶ちました>

(石田)「一切は軍の命令なり
責任は余にあり」。

<夫たちは
生体解剖を行った戦争犯罪人として

横浜軍事法廷で
裁かれることになりました。

医師が犯した残忍な事件は
厳しい非難にさらされました>

(通訳)医学界の重鎮である林田博士に
お尋ねします。

上司である教授に 患者の健康を
損なうような手術の参加を命じられた時

部下は どうするべきだと思いますか?

(林田)私が その立場なら
そんな手術には参加しない。

医学は治すものであって
殺すことでは断じてない。

(通訳)拒否したら 軍から罰せられると
思ってもですか?

(林田)
手術が もし軍の命令だったとしても

不当な命令には決して従わない。

(通訳の英語)

(判事の英語)

(通訳)西部帝国大学医学部教授 鳥居太一。

(判事の英語)

(通訳)
起訴された全ての罪において有罪。

判決 絞首刑。

(看守の英語)

(冬木)裁判 ご苦労さまでした。

僕は 冬木克太といいます。

ここでのことやったら
なんでも聞いて下さい。

鳥居太一です。

鳥居さん これ どうぞ。

看守が届けてくれたとです。

親切なアメさんでよかったですね。

本当は 死刑囚は
なんも持ち込めんですから。

なんで…。

なんで こげんことに…。

ごめんください 房子です。

(義正)お母さん!
(和枝)お母さん!

(恭子)房子さん ちょうどよかった。
お夕飯 食べてって。

すいません お義姉さん。
子どもたちば預かってもらって 夕飯まで。

(恭子)いや 気にせんで。 さぁ。

(道弘)房子 来とったか。 兄さん。
うむ。

(ラジオ)「皆さん こんばんは。
本日8月27日 横浜軍事法廷において

いわゆる 西部帝国大学生体解剖事件の
判決が宣告されました。

この生体解剖事件とは 昭和20年5月
西部帝国大学医学部の医師たちにより

アメリカ兵捕虜8名が
生きたまま 実験手術の犠牲になり

全員が死亡したとされるものです。

横浜地裁第一号法廷に居並んだ
被告11名に対し…」。

(ラジオの音声が乱れる音)

(ラジオ)「この生体解剖事件では
軍人だけでなく

手術を行った西部帝国大学医学部の
鳥居教授ほか 2名の民間人にも

絞首刑の判決が下されました」。

おとうさんが…。

(恭子)太一さん 教授にされとる。

間違っとる。

こんな判決は 間違っとります。

兄さん すぐに東京に行きます。

子どもたちは うちで預かるけんね。

ありがとうございます。

タイチ・トリイ。

(看守の英語)

おとうさん。

驚きました。

なんで こんな判決が。

なんがなんか分からん…。

後ろから 頭ぶん殴られたみたいで
なんも考えられん…。

助教授だったあなたが
首謀者の教授として死刑になるやら

間違っとります。

私は 首謀者じゃなか。

そうです。 石田教授が自殺なんかせんで

裁判で真実ば話しとったら
こんなことにはならんかったんです。

教授は 自ら責任ばとられたとぞ。

冗談じゃありません。

その責任ば あなたが代わりに
とらされようとしよるんですよ。

私は 死刑になるようなことはしとらん。

♬~

回想

鳥居です。

≪(石田)入れ。

ご来客中でしたか。 申し訳ありません。

(志村)もう用事は済んだところだよ。

それで? 用は なんだ?

また 先日のような手術ば
されるとですか?

ああ それがどうした?

あのような手術は
陸軍病院でするべきではなかでしょうか?

もし 手術に
うちが関係しとることが分かれば

後で大変なことになると思います。

鳥居。

では 教授 私はこれで。
ああ。 失礼します。

君は 私の命令に従えばいいんだ。

捕虜ば大学に連れてくるのを
やめるように

軍に おっしゃって下さい。

軍も 先生の言うことやったら
聞いてくれるて思います。

鳥居 よく考えろ。
これは 医学を発展させる好機なんだ。

好機ですか?
そうだ。

相手は
無差別爆撃を繰り返すB29の飛行士だ。

どうせ処刑される捕虜なんだぞ。

たくさんの日本人を殺したアメリカ兵を
日本人を救う医療の進歩に役立てる。

ただ処刑するより
はるかにいいことだと思わんか?

先生… それでも私には
これが正しいこととは思えんです。

軍に逆らったらどうなるか
分かるだろう。

手術は行う。 手伝え!

私には どげんすることもできんやった。

(英語)

鳥居君 お互い 災難だったな。

石田教授が無責任に自殺したせいで
我々が こんな目に遭ってるんだ。

≪Shut up!

こんなところで死んでたまるか。

進藤が話しかけてくるとは…。

君も 進藤大佐ば知っとると?

ええ 僕も西部軍の所属やったけんですね。

そうか。

あいつの命令で アメリカ兵を殺して

ここに入れられた人間が
何人もおりますよ。

命令に従っただけやのに。

≪Quiet!

(英語)

岡島閣下!
(岡島)冬木君

ちょっと お邪魔してもいいかな?
どうぞ お入り下さい。

(岡島)お邪魔するよ。

鳥居さん 陸軍の岡島中将です。

岡島孝輔です。

軍人は お嫌いですか?

いえ そげんことは…。

鳥居さん 岡島閣下のおかげで

死刑囚棟でも 互いに
訪問ができるようになったとですよ。

鳥居です。

(岡島)知っていますよ。

生体解剖事件の鳥居太一さん。

長い間の裁判 ご苦労でしたな。
さぞや お疲れでしょう。

いえ…。
鳥居さん ここでも人生はあります。

お互いに しっかりやりましょうや。

刑に処される その時まで
私らの人生は続くんです。

絶望せず 自棄にならず
しっかりと 歩んでいきましょう。

はい…。

ありがとうございます。

刺身が出ました。

それは…。

誰か やられます。

<刑の執行が決まった死刑囚が
連れ出されるのは 木曜日の夜。

皆 いつ自分の番が来るのかと
おびえながら

過ごさなければなりませんでした>

鳥居さんは 嘆願書 書かんとですか?

いや 私は…。

いつまで生きられるか
分からんけん。

僕は書きますよ。

できるだけのことは
やっとこうと思いまして。

≪(扉が開く音)

≪(足音)

≪(扉が開く音)

≪(読経)

(死刑囚)皆さん お世話になりました!

≪(読経)

<判決が出てから ひとつき後
私は また上京しました>

あの 三浦先生でいらっしゃいますか?

(三浦)そうです。 鳥居さん?
はい。

お手紙を差し上げました
福岡の鳥居でございます。

お手紙 拝読しました。 福岡から。

<この三浦先生は 極東軍事裁判に
弁護側の通訳として関わった方で

お力を借りるのに
うってつけだったのです>

夫は 石田教授と共に
手術の計画もしたことにされました。

でも 手術の直前まで 夫は田舎にいる
母の看病で休暇を取っていたんです。

だから 捕虜の手術のことは
その日まで知らんかったんです。

なのに…。

回想 鳥居は
3回目 4回目の実験手術にも

参加していましたか?

サマーズ弁護士の指示に従ったせいで
事件の首謀者にされてしまったとです。

回想 参加していたと思います。

(通訳の英語)

事情は よく分かりました。

なんとしても 間違った判決を
正したいんです。

どうか お力をお貸し下さい。

鳥居さん。

GHQに泣き落としは通用しません。

嘆願書のほとんどは
「夫は悪いことをしたかもしれませんが

悪い人ではないのです。
どうか命だけは助けて下さい」。

そういうものばかりです。

私は 泣き落としなんかする気は
ありません。

裁判で誤った証言がされたこと

重要な事実が隠されたことを
証明してみせます。

それができれば GHQ法務局は
必ず聞く耳を持ってくれます。

できる限りのことをやりましょう。

はい。

(ため息)

どうかしましたか?

一つ お尋ねしてもよかですか?

いいですよ。

捕虜処刑の事件で 岡島さんは

部下の犯した罪ん責任さえ
自分で引き受けたて聞きました。

なんで そうしたとですか?

私は 司令官だったからね。

部下が任務として行ったことが
罪に問われるなら

その罪は私の罪です。

ご自分が
直接 なんもしとらんでもですか?

なにもしなかった罪ということも
あるんじゃないだろうか…。

♬~

回想 軍に逆らったら どうなるか
分かるだろう。

手術は行う。 手伝え!

♬~

もう手術は終わった頃やろうか…。

(石田)遅いぞ 鳥居!

肝臓の左側を摘出する。

さっさと消毒して手伝え!

はい。

[ 回想 ]
(岡島)なにもしなかった罪ということも
あるんじゃないだろうか…。

(英語)

三浦先生が 嘆願書の
きちんとした英訳もして下さっとるし

GHQ法務局の担当者とも
話をしてくれます。

三浦先生が助けて下されば
きっと進展があります。

ありがたいことやな。

あっ 兄のおかげで
働き口も見つかりました。

中学校で理科ば教えるとです。

教員免許が 今頃 役に立つなんて
思ってもみませんでした。

苦労ばかけるな。

子どもたちは どげんしとる?

和枝が よく義正の面倒ば見てくれます。

2人とも いつも
とってもいい子にしとりますよ。

そうか。

あの甘えん坊の和枝が…。

おとうさん。

2人とも会いたがっとりますよ。

今度 連れてきてもよかですか?

どうですか?

いかん… こげん姿 見せられん。

そうですか…。

(ベルの音)

お先に失礼します。 さようなら。
さようなら。 さようなら。

<一度出た死刑判決を覆すことは難しい。
それは分かっていました。

それでも 私には間違った判決を
受け入れることはできなかったのです>

志村先生でいらっしゃいますか?
はい。 あなたは?

第一外科の鳥居の家内でございます。
鳥居助教授の…。

主人が 石田教授に捕虜の手術を
やめるように言った時のことを

お伺いしたいとです。
私に?

先生が 石田教授とご一緒だったと
聞きました。

[ 回想 ] では 教授 私はこれで。

主人が教授を止めようとしたことを
証言して頂けんでしょうか?

ああ… すいませんね 奥さん。

あの日 私は遠方におりましたので
事件のことは なにも知らなかったんです。

お願いします。
急いでますんで 失敬。

中ば見せろ!
やめて!

邪魔ばすんな!
なんばすっとね!

なんや きさん!
人殺しの子どもんくせに!

(子どもたち)お前の父ちゃん人殺し!
お前の父ちゃん人殺し!

なんしようと…。

なんしようと!
あっかんべーだ! おい 逃げろ 急げ!

♬~

けが なかった?
うん。

♬~

お姉ちゃんに 弟やったでしたね。

うちは 2人とも男ですよ。

かわいかですよね 子どもって。
うん。

僕も 寝ても覚めても
子どものことばかり考えとります。

どげんした?

僕が 殺したアメリカ兵にも
家族がおったんですよ。

僕は 西部軍が捕虜を処刑した事件で
捕まりました。

じゃあ 進藤大佐の命令で。
はい。

僕以外の人間は 命令で
やりたくもないのに やらされたとです。

君は…。

僕は 志願しました。

自分の意志で 捕虜4人を斬首した。

やけん 死刑になるのは しかたなか…。

母の敵討ちやったとです。
え?

福岡空襲で 母が焼け死んだ。

西部軍司令部で
捕虜の処刑をやるっていうけん

僕は この手で敵を討とうと思って
志願した。

でも… 僕が母の死を悲しんだように

あの捕虜にも 家族がおったんです。

夢ば見るとです。

いつも 同じ夢…。

僕が殺した男の夢です。

男が じ~っと 僕を見とる。

僕は 軍刀を振り上げたまま動けん…。

なんで…
なんで あんなことができたんやろう。

これが 人を殺すってことなんですね。

それでも 僕は子どもたちに会いたか。
そう思ってしまうとです。

♬~

回想 生体解剖の犠牲になった
B29の搭乗員たちの写真です。

アトキンス機長
皆さんの名前を教えて下さい。

写真の上段左から。

(アトキンスの英語)

(通訳)副操縦士のフランクス。

(英語)

(通訳)航法士のボトムズ。

(アトキンスの英語)

(通訳)爆撃手のマックブラン。

♬~

回想 これは 無差別爆撃を行った
B29の搭乗員である。

(石田)右肺を切除する。

(せきこみ)

マックブラン…。

≪(扉が開く音)

≪(足音)

≪(扉が開く音)
隣か。

回想 遅いぞ 鳥居!

さっさと消毒して手伝え!

はい。

なにもしなかった罪ということも
あるんじゃないだろうか…。

ほら これ見て下さい。

これ 義正が描いたとですよ。

そうね 義正が…。

随分上手に描けとるでしょう?

そうやね 上手んなった。

お父さんに見せるとって…。

房子。

はい。

ずっと考えとる。
なんで 私は ここにおるんか…。

え?

裁判の時 林田博士のおっしゃったこと
覚えとるよな?

はい…。

あん博士の言葉が忘れられん。

「私が その立場なら
そんな手術には参加しない。

医学は治すものであって
殺すことでは断じてない」。

全ては あん言葉に尽きる。

その場におらんかったら
なんとでも言えます。

私は あの場で どげんことしてでも
手術ば止めんといかんかった。

やけど… できんやった。

≪(足音)
(看守)フユキ。

あっ。

OK OK。
サンキュー。

これ 今の看守の恋文なんです。

日本人の娘に恋ばしたそうですよ。

なんとか思いを伝えたいって。

やけん 翻訳してあげることにしたとです。

恋の悩みは
日本もアメリカも変わらんですね。

冬木君。
はい。

紙 交換してくれんかな。

よかですよ。

やっと
嘆願書ば書く気になったとですか?

遺書ばね…。

え?

ちゃんと
家族に遺書ば書いとこうと思ってから。

「和枝 義正。 心寂しく悲しいこと
苦しいことがあったら

よく お母さんとお話ししなさい。

お母さんは
きっと元気をつけて下さいます」。

(2人)けんけんぱ! けんけんぱ…!

(和枝)お母さん!
ただいま。

「お母さんの言葉は
お父さんの言葉でもあるのです」。

おかえり。

「あなた方が お母さんと話している時
お父さんともお話ししているのですよ。

お父さんは
常に あなた方の胸の中にいます」。

(戸が開く音)
(一郎)房子さん おるとね?

お義父様? は~い。

すいません 散らかっとって。
あ~ よかよか。

和枝と義正は?
兄のところに行っとります。

ああ そうね。

相変わらず 太一のために
やってくれとるんやな。

夏休みやけん
また上京しようと思っとって。

房子さん
あんた しっかりした よか嫁たい。

もう十分やってくれたばい。

太一は もう…。

もう 助からん。

お義父様…。

もう太一のことは諦めてから

あんたと子どもたちんことば
一番に考えて生きてくれんね。

こんとおりたい。

それはできません。

日本は アメリカに負けたったい。

そのアメリカが 太一は死刑って
言っとっちゃけん。 どげんしようもなか。

和枝と義正のことば考えんね。 あ…?

ただでさえ 戦犯の子って言われとるとぞ。

あんたが そばにおってやらんで
どげんすると?

お義父様… 私は諦めることはできんです。

そげん聞き分けのなかことば
言わんでから。

しかたなかろうもん…。

間違った裁判で 夫が殺されるんを
認めるわけにはいかんとです。

お義父様 どうか分かって下さい。

自慢の息子やったとよ。 ああ。

太一が村に戻って開業する日ば
楽しみにしとったのに…。

大学やら 早う やめさせれば
よかったったい…。

≪鳥居さ~ん! 電報です。

は~い。 お義父様 ちょっとすいません。

鳥居房子さんですね。
はい。 電報です。

ありがとうございます。

「シキュウジョウキョウサレタシ
ミウラ」。

♬~

あなたに会ってもらいたい人が
いるんですって。

サマーズ弁護士…。

(三浦)座りましょう。

鳥居さんが出した証拠・証言は
裁判で取り上げられなかった。

なぜですか?

教授の命令には誰も逆らえなかったことに
する必要があった。

夫は 一人で教授を止めに行ったのに

ほかの人たちと一緒に行ったことに
されました。

あなたは 夫に
「仲間に迷惑をかけたくなければ

自分の話をしてはいけない」と
言ったそうですね。

(英語)

あなたは 夫に嘘の証言をするように
圧力を加えた。

2回の手術しか関わっとらんのに

4回の手術全てに参加したことに
されてしまいました。

それで夫は 石田教授と同じ
事件の首謀者にされてしまったとです。

全部 鳥居さんの言うとおりです。

ご主人が本当のことを書かなかったら
ダメだって。

必ず 真実を書いた嘆願書を
提出させます。

ですから ロバーツ検事も

あの裁判の おかしかったことを
分かってくれたんです。

あとは おとうさんが ご自分で

真実を明らかにした嘆願書ば
書いて下さい。

あのサマーズ弁護士も
全部 事実を認めたとです。

今度こそ 真実に基づいた裁きば
受けられるんです!

真実…。

そうです。 正しい裁きです。

フランクス。 ボトムズ。 マックブラン。
マックマスター…。

おとうさん?

クレプキ。 ウィラード。 ナトチェック。

ジョーンズ。 コールマン。 ガーランド。

この10人の飛行士ん中に
実験手術で殺された8人がおる。

最初ん一人。 あのきれいな肺の持ち主は
マックブラン…。

なにをおっしゃっとるんです?

マックブラン…。

そうたい 名前がある人間やった。

なんで こげん簡単なことに
気付けんかったんやろう…。

おとうさん。

あの解剖台の上で… 生きとった。

なんで 死に物狂いで
止めんかったんやろう…。

反対されたやなかですか。

止められんかった。
なんもできんかった…。

いや… なんもせんやった…。

それは その場におった
ほかの方も同じです。

私は 分かっとらんやった。

生きた人間が 目の前で殺されたんやぞ。

私は 見殺しにした。

生きた人間を モノのように
実験の材料にして…。

私は… 医者なのに。

手術をしたのは あなたじゃなかですよ。

私には 罪がある。

あなたは死ぬことで
ご自分の気持ちが済むんかもしれません。

けど 残された私たちは
どうなるとですか?

そのことば考えて下さい!

お願いです おとうさん。

嘆願書ば書いて下さい。

できん。

おとうさん!

♬~

≪(扉が開く音)

≪(足音)

≪(扉が開く音)

冬木君。

鳥居さん。

岡島閣下。

来なさんなや。

岡島閣下。

≪(読経)

来なさんなや…。

≪(足音)

(扉が開く音)

鳥居君 少し相談があるんだが。

私も 教誨師を通して
助命の嘆願書を出そうと考えているんだ。

なにをどう書けばいいのか
助言をもらえないか?

君の奥さんは 懸命に
減刑の嘆願をしているそうじゃないか。

よい知恵があるんじゃないか?

捕虜ば大学に連れてきたんは あなただ。

私は そんことば決して忘れん。

おい それは誤解だよ。

私だって 好きでしたことじゃない。

戦争だったんだぞ
しかたなかったじゃないか!

私は しかたなかったことにはできません。

お引き取り下さい。

鳥居君…。
もう金輪際 ここへは来んで頂きたい。

ジェラ!

(扉の開閉音)

和枝。

義正か。

大きくなったでしょう。

(義正)これが お母さん
これが お姉ちゃん で これが 僕。

本当に上手ん描けとる。

お父さんも描いちゃあけん。
ありがとう。

和枝…。

いつも手紙ば ありがとう。

お父さん 何度も何度も読み返しとるとぞ。

どんどん字も文章も うまくなっとるね。
ちゃんと勉強しとるんやな。

和枝。 お父さんと お話ばしたら?

和枝…。
房子 いいけん。

顔ば見られただけで…。

来てくれて ありがとうな。

(扉が開く音)

義正。

お父さんん代わりに
お母さんとお姉ちゃんば守ってくれよ。

うん。

和枝。

お母さんば頼むな。

元気でな。

和枝。

和枝…。

お父さん… お父さ~ん!

お父さん!

お父さん 行かんで!

(泣き声)

≪(和枝)お父さん 待って! 待って!

行かんで! お父さん…!

(泣き声)

♬~

<昭和24年9月。

夫は 嘆願書を書きました>

<事実をありのままに>

♬~

<昭和25年 別の戦争が始まりました>

お世話になりました。

こちらこそ。

いや… あさましいもんですね。
うん?

人の人生ば奪っとって 生き延びるんが
こんなにも うれしいとは…。

♬~

僕まで減刑されたとです。
鳥居さんも きっと すぐに。

どげんなろうが 私は大丈夫たい。

(法務官の英語)

<昭和25年10月2日。

巣鴨プリズンで 生体解剖事件の死刑囚
5人が呼び出されました>

(法務官の英語)

(通訳)進藤直満 西部軍司令部における
捕虜殺害については有罪。

西部帝国大学における
生体解剖については無罪とし

終身刑に減刑する。

(法務官の英語)

(通訳)鳥居太一 重労働10年に減刑する。

<夫 鳥居太一は 事件の首謀者では
なかったことが認められ

大幅に減刑されました>

♬~

ご苦労さまでした。
お世話になりました。

戻ったよ。

おかえりなさいませ。

♬~

起きたね?
ええ。

なにを見よるんです?

うん? ほら 瀬戸内海たい。

♬~

♬~

ありがとうございます。
はい どうも。 お大事に。

じゃあ こっちで待っとって下さいね。
はい。

♬~

おとうさん。
うん?

記者の方が見えてますよ。
うん。 今 行くけん。

♬~

今 参ります。
(記者)あっ はい。

♬~

(記者)こんにちは。

(記者)あの当時 日本の医学の世界には

「敵性外国人の人体実験は
許容される」という

恐るべき認識が
あったんじゃないでしょうか。

私が考えられるとは 私は間違っとった。
そんことだけです。

そうですか。

あの時 私は たとえ殺されたとしても
手術ば止めるべきやった。

ずっと そう思っとります。

しかし 個人の力では

どうにもならなかったところもあると
思いますよ。

戦争だったから しかたなかったという
側面は あるんじゃないでしょうか。

どうかなさいましたか?

それだけは 言うたらいかんのです。

人間の命に対して
しかたないは なかとです。

決して
しかたなかったと言うてはいかんのです。