ドラマスペシャル 欠点だらけの刑事[解][字] …のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
ドラマスペシャル 欠点だらけの刑事[解][字]
前代未聞のミステリー最新作!!推理力は天才的!でも、非常識で傲慢で、人間嫌いで、神経質、自己中心的で、潔癖!?
そんな超変わり者刑事が、強盗殺人の謎に挑む!!!◇番組内容
百野冬美男(小日向文世)は欠点だらけの男だが刑事としては至極優秀。バディの万城目(森口瑤子)が昇進したため一ノ瀬(工藤阿須加)と捜査に当たるよう命じられるが、他人と行動を共にするのが苦手な百野にとっては苦痛でしかない。ある日、収納家・長谷川凛子(原沙知絵)の自宅兼仕事場で空き巣事件が発生。百野は床下収納の蓋が逆に閉まっていることが気になり我慢できず直そうとすると…膝を曲げて収納されている男の遺体を発見する
◇出演者
小日向文世、工藤阿須加、原沙知絵、安藤玉恵、西尾まり、大谷亮介、不破万作、池谷のぶえ、山谷花純、黒崎レイナ、林家正蔵、国広富之、森口瑤子
◇脚本
櫻井剛
◇監督
近藤一彦
◇音楽
松田純一
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】関拓也(テレビ朝日)
【プロデューサー】都築歩(テレビ朝日)、榎本美華(東映)
◇おしらせ
☆番組HP
https://www.tv-asahi.co.jp/kettendarake/ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
テキストマイニング結果
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キーワード出現数ベスト20
- 百野
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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私もナレーションできるように
頑張ります!
皆様 またお会いしましょう!
さようなら。
(万城目千鶴)〈百野冬美男〉
〈警視庁南葉署に勤務する
警部補である〉
〈その生態は 潔癖にして神経質〉
〈こだわりが強く 人嫌い〉
〈トラウマだらけの臆病者〉
〈そして 偏屈な変わり者〉
〈人は皆 彼を
「欠点だらけの刑事」と呼ぶ〉
♬~
♬~
♬~
♬~
(いびき)
(いびき)
(秒針の音)
(長谷川凛子)「引っ越したばかり
って困りますよね」
(凛子)「一体 何から手をつけて
収納したらいいか…」
「まずは
アイテムごとに分けて確認」
「そして 今一度 不要な物は
迷わず捨てましょう」
「収納すっきりで
あなたの人生すーいすい」
(橋本紗代)人生 そんな簡単に
すいすい いかないわよ。
(紗代)あっ 百野さん おはよう!
早いのね。
(百野冬美男)
7時47分に ここを出れば
一番効率良く 8時33分に
南葉署に着くとわかった。
ああ… そう。
引っ越しの荷物は片づけたの?
いえ 段ボールのままです。
なんで 前のタンス
捨てちゃったのよ?
部屋が変われば
壁のサイズも変わります。
どうしても
3センチ合わなかった。
(紗代)たった 3センチ…。
僕には無限の空間に感じる。
いってきます。
気ぃつけてな。
いってらっしゃい。
♬~
百野さん… 本当に
寮で大丈夫なんですか?
他人と
共同生活なんて
どう考えても 百野さんには
無理なんじゃないですか?
共同スペースは
なるべく使わないようにします。
自分の部屋だけで
生活を完結すれば
なんとかいけそうです。
副署長が紹介してくださった
物件も気に入らず…。
それは いいって…。
私も一緒に探した
10以上の物件 見ても
全部 ケチつけましたよね。
そのうちの4軒は トイレが内開き
2軒は 隣室の住人が犬を飼育
1軒は 下手くそなピアノが
鳴りっぱなし。
あんなのでは生活できない。
(電話)
ガサツな君とは違うんです。
はあ…?
万城目さん…。
えっ?
(九十九)電話が鳴ってますよ…。
(電話)
はい 刑事課。
百野さん… 万城目さんは
一応 刑事課長なんですから
「君」と呼ぶのは ちょっと…。
三鷹市飯尾町1の59の2で
強盗事件発生。
現場に急行してください。
(捜査員たち)はい。
百野さんも お願いします。
今日から刑事課に配属された
新人が
先に現場に向かってますから
合流してください。
合流? まさか…。
彼とパートナーを組んで頂きます。
無理だ!
他人と行動を共にするなどという
苦行は耐えられない。
元パートナーである君なら
わかってるはずです。
元パートナーだからこそ
言ってるんです!
百野さんと私のコンビで
なんだかんだ 様々な事件を
解決したじゃないですか!
事件を解決したのは僕です。
君は 大声で わめいていただけ。
はあ…?
パートナーなど必要ない。
僕一人の単独捜査で
事件解決には十分です。
(九十九)百野さん…。
事実を言ったまでです。
おかげで 君は 課長に出世できた。
さらには ところてん式に
九十九課長は
副署長に繰り上がった。
と と と… ところてん!?
はいはい
そのとおりで結構です!
でも 今は
私が百野さんの上司です。
命令には従って頂きます。
さあ 行きましょう!
♬~
(花形 誠)ご苦労さまです。
持ちます。
通報では
強盗との事だったんですが
家主が留守でして
早速 連絡を取って
先に入ってます。
(花形)あちらです。
♬~
空き巣ですね。
信じられない。
(花形)いや… 室内
かなり 土足で荒らされており
空き巣で間違いないかと…。
そうではありません。
玄関は バランスよく
合理的に収納されている。
恐らく ここも 同じように
よく整頓された場所だったに
違いない。
それを
ここまで乱してしまえるなんて
まともな人間の所業では
ありません。
(花形)
あっ そっちの意味ですか…。
危なっ…!
(一ノ瀬貴一)自分 本日より
南葉署刑事課に配属になりました
一ノ瀬貴一と申します!
聞こえませんでしたか?
小声で失礼しました。
改めて 自分 本日より…!
う… うるさいです!
聞こえてます。
あそこの窓から
犯人は侵入したと考えられます。
窓ガラスが
派手に割られております。
距離が近すぎます。
すいません!
自分 今日から
百野警部補のパートナーになると
万城目課長から…。
聞きました。
しかし 僕は
単独捜査を希望しており…。
えっ? なんですか?
ですから 僕は…。
とにかく!
2メートル以内に入らないように
注意してください。
ソーシャルディスタンスですね。
違う。 パーソナルスペースです。
(立花)百野さん 割られた窓は
鑑識保存のために
シートで覆ってあります。
(ガラスが割れる音)
ああーっ!
どうしました?
小学5年の春 給食当番だった僕が
給食のワゴンを押していた時
背後から 誰かが どついた。
驚いた僕が両手を離したせいで
ワゴンは 傾斜0.6度のスロープを
猛スピードで滑走。
突き当たりのガラス扉に突っ込み
ガラスが大破した。
(背中を押す音)
ああーっ!
(窓ガラスが割れる音)
ガラスの破片を浴びた
給食の無残さは
僕の中で 一生涯
深く心に刻まれる傷となった。
それ以来 割れたガラスの破片が
散乱している所に立ち入る事を
なるべく禁じています。
君…。
はい。
散らかっている本を
どかしてください。
はい…。
よいしょ…。
…何か?
本の下に ガラス片がない。
本当ですね! …という事は
本が散らかったあとに ガラスが
飛び散ったという事ですよね。
君は 馬鹿ですか?
それは すなわち
室内を物色したあとに
ガラスを割って侵入した
という事になってしまう。
あり得ない。
はい! 勉強になります!
♬~
(においを嗅ぐ音)
♬~
近い!
すいません。
この家 あの長谷川凛子の
自宅 兼 仕事場だそうで…。
長谷川凛子?
今 テレビやネットメディアで
話題の収納家です。
「収納すっきりで
あなたの人生すーいすい」
「人生すーいすい」…。
そうです。
いらない物は潔く捨てる。
よく テレビ ご覧になるんですね。
たまたまです。
テレビもパソコンも
部屋にはありません。
使用頻度によって
収納場所を工夫している。
小物の配置も完璧です。
♬~
そこ。
床下収納ですね。
ふたの木目が90度ずれてる。
そうですね。
はめ直します。
待ってください!
現場保存の原則に従い
みだりに手を加えるべきでは…。
そうやって遮られると
かゆくなります。
これだけ整った部屋で
たった1カ所
ふたが逆にはまるなんて
あり得ない。
あっ 待ってください!
では 自分が…。
うわっ…!
♬~
これ… ご遺体ですよね?
♬~
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)
♬~
長谷川です。
どうぞ。
♬~
長谷川凛子さんですね?
はい…。
鑑識作業 終わりました。
落ち着いてからで
大丈夫ですので。
(凛子)ああ…
もう 大丈夫です。
南葉署の一ノ瀬です。
あちらは 百野警部補。
あっ… よろしくお願いします。
通報を受けて
こちらを訪ねたところ
窓ガラスが割られており
事件性ありと判断して
ご連絡しました。
その後 床下収納から
ご遺体を発見した次第です。
どなたか
ご存じありませんか?
まさか…。
見当もつきません。
今日は
何時に外出しましたか?
11時前だったでしょうか…。
次に出す収納本の
ネタ出しをするのに
近所の公園に…。
歩くと アイデアが浮かぶんです。
そして 一人で考え事をして…。
13時半頃だったでしょうか?
警察から電話があったのは。
今日は ずっと お一人で?
(凛子)はい。
ネタ出しする時は
一人で集中したいので
今日は スタッフ2人にも
休んでもらってました。
何か盗まれたものは?
金庫に入ってた現金が
40万ほどと
寝室に置いてあった
アクセサリー。
まさか 自分に
こんな事が起きるなんて…。
♬~
百野さん?
♬~
床下収納には 元々
何か入っていたんでしょうか?
いえ 何も…。
そうですか。
…何か?
床下に何か収納してあったなら
死体を隠す際
それを外に出さなければならない。
しかし その形跡がない。
特に買い置きはしませんし
私の収納の基本は 不用品を
ため込まない事ですから。
(土屋あゆみ・鹿野秀美)先生!
(あゆみ)先生!
(秀美)先生!
(凛子)ごめんね 驚かせて…。
彼女たちが 先ほど お話しした
うちのスタッフです。
アシスタントの鹿野秀美です。
土屋あゆみです。
私はマネージャーですけど…。
空き巣だけど
人が死んでてって…。
先生 訳わからんって!
(凛子)ごめん!
私も気が動転してて
まだ 何がなんだかよ…。
あの スタッフのお二人は
今日は こちらには…?
今日は休みだったので
家にいました。
さっき 先生からの電話で
ともかく
駆けつけてきたんですけど…。
(あゆみ)私も 買い物の途中で…。
で 先生の電話あって
マジで びっくりで
急いで来たんです!
♬~
♬~
(凛子)あの… 何か?
いえ。
♬~
(立花)本日 8月19日 12時58分
強盗事件発生との通報。
急行したところ
床下収納にて遺体を発見。
家主は 収納家の長谷川凛子さん。
遺体の男性とは
面識はないとの事で
現在 身元不明です。
(花形)指紋による犯歴照合も
ヒットなしです。
死因は?
後頭部を鈍器のようなもので
2回 殴打された事による脳挫傷。
凶器は見つかっておりません。
死亡推定時刻は
午前11時から12時。
家主の長谷川凛子さんは
留守だったのよね?
はい。 11時前に外出したと
供述しています。
現場に残されたゲソ痕は
2種類で
そのうち一つは
遺体の靴と一致してます。
空き巣は二人組で 何かの事情で
一人が殺害されて 一人が逃走した
という見立てが成り立つ…。
百野さん?
百野さん 何してるんですか?
完璧な収納です。
長谷川凛子というのは
有名なんですか?
ちょっと 百野さん!
大声 出さないでください。
捜査会議の内容は耳に入ってます。
有名なんてもんじゃないですよ!
バイブルです。
長谷川凛子の収納は
潔いんですよ。
思い出に縛られるなんて
ナンセンス。
不用品は
思い出と共に さっさと捨てて
すいすい生きましょう!
この前向きなポリシーが
迷える私たちの背中を
こう グイグイグイって
押してくれるんですよ!
あきれます。
は? 何がですか?
物を捨てれば
思い出も捨てられるなんて
そんな簡単な話ではない。
僕は 長い間
忘れたくても忘れられない
数々の思い出に
苦しみながら生きてる。
どれだけの心の傷を抱え
どれだけ自分に禁じてる事が
たくさんあるか…。
(百野の声)小学5年の夏
セキセイインコのぴーちゃんの
危篤の知らせを受けながら
図書室での失態で遅れに遅れて
帰宅した僕が目にしたのは…。
ぴーちゃん!
ストーップ!
百野さん
思い出話は やめませんか?
人の話を遮った!
過去にとらわれるのは
ナンセンス。
百野さんも これを読んで
生まれ変わってくださいね!
さてと…
まずは 被害者の身元の洗い出し
そして 空き巣の共犯者捜し
そのための目撃者の割り出しを
急いでください。
(一同)はい!
♬~
うーん! おいしいです!
おいしい!
そりゃそうさ。 ちょっと前まで
俺たち 小料理屋やってたんだよ。
その2階に
百野さんは住んでたの。
あっ そうだったんですか?
…でもって 百野は 私の元旦那。
えっ… えっ!? 紗代さんの?
じゃあ 百野さん
元奥さんと 今のご主人が
管理人してる独身寮に
引っ越してきたって事ですか?
何 考えてるのかねえ?
ここに誘ったの この人だから。
えっ!?
仕方ねえんだよ。 なっ?
(2人)ね~っ!
(紗代)ハハハハ…!
いや あいつ
子供の頃から あの調子だろ?
引っ越し先も見つからなくて
住所不定になっちまうとこ
だったんだから。
子供の頃?
そう。 幼なじみ。
見捨てるわけにもいかねえだろ。
九十九くんは「他の人と一緒の寮で
やっていけるのか?」って
心配してたけどね。
九十九くんって
副署長の事ですか?
(紗代)そう。
前はね
百野さんの部下だったのよ。
万城目課長も部下だった。
へえ~!
どんどん
追い抜かれちまうんだよ。
一ノ瀬くんも
抜いちゃったりして…。
えっ 僕ですか?
いやいや いやいや
それは ないんじゃないですかね?
いけますかね?
わかんないわよ~!
いやあ どうかなあ?
ああ… おかえりなさい。
遅かったのね。
読み始めた本を 途中で
終えるわけにはいかなかった。
相変わらずねえ…。
夕飯 まだでしょ?
ええ。
(橋本)おい チン。
これでいいか?
えっ?
俺の手料理は 食わないんだよ。
それは正確ではありません。
僕は 誰の手料理も
基本的には 口にしない。
フッ… これだよ。
ねえ 新しいタンス
見つかったの?
いつまでも段ボールってわけに
いかないでしょ。
いや タンスに期待するのは
やめた。
これに ヒントがありそうだ。
ああ~! 長谷川凛子ね。
確かに あなたには合ってるわ。
私は 断然
亀田亜希恵派だけどね。
亀田?
うん。 長谷川凛子のライバル。
捨てる凛子に 捨てない亀田
って感じ?
おやすみなさい。
おやすみなさい!
(施錠音)
(いびき)
(ぶつかる音)
(いびき)
(いびき)
♬~
大丈夫ですか?
しっかり睡眠とらないと
夏バテしますよ。
行きましょう!
♬~
(凛子)突き詰めれば それは
人を変えるって事だと思うんです。
元々 私も
物を捨てるのが大の苦手でした。
意外ですよね。
片づけを始めるきっかけが
おありだったとか?
(凛子)はい。 学生の頃
ご高齢者のお宅を整理する
アルバイトをしてたんです。
もう その時 こだわりが強くて
とっても頑固な依頼者に
当たってしまって
困ったんですが
丁寧に聞き取りをして
不用品を処分していくと
その人が 人が変わったように
優しくなったんです。
作業が終わったあとは
特製のかき氷を
ごちそうしてくれたり。
物を捨てたあとには
空間だけじゃなくて
心にもスペースができるって
気がついたんです。
(拍手)
(凛子)刑事さん!?
感動しました。
今度 我々にも聞かせてください。
(秀美)あゆみちゃん
なんで部外者入れたの。
(あゆみ)すいません。
あの人の小学5年の時の
トラウマの話をしてるうちに
つい!
♬~
それ もしよろしければ
進呈しますよ。
結構です。
書かれている内容は
どの本も同じのようですから。
(秀美)そうでしょうか。
それぞれに違ったアプローチが
あると思うのですが。
アプローチは違っても
ゴールは同じです。
「捨てろ」 「処分しろ」
そして 「忘れろ」。
馬鹿の一つ覚え… ですよね。
でも それだけ
大切な事なんですよ。
刑事さん レッドカード!
♬~
何か?
いえ。
凛子先生 そろそろ出ないと
次の仕事に遅れちゃいます。
そうよね。
はい。
今日は なんのご用件でしょうか?
気になる事があります。
ここを見てください。
雑誌の束です。
床の上に置きっぱなしです。
おかげで
一番下のが濡れてしまっていた。
それが何か?
ほぼ全ての著書で
馬鹿の一つ覚えのように
「捨てろ」と主張してるあなたが
どうして こんな不用品を
置きっぱなしにしてるのか
疑問に思いました。
さっきも
インタビューでも言いましたけど
私にだって欠点はあります。
でも それを克服してきました。
収納の事も 本当言うと
完璧な人間なんかじゃありません。
それと僕が
あの部屋に入った際
まだ たかれたお香が香っていた。
あなたは2時間も前に
家を出たというのに。
ああ… 身支度する時に
たいたと思います。
香りがきついから
いつまでも消えないのかも。
百野さん
なんか 私の事 疑ってます?
いえ。
(凛子)あっ!
(西岡 太)ハハハッ 凛子
ライフメディア賞 おめでとう!
ありがとうございます。
西岡さんのおかげです。
今日は?
私もね
活動の取材 受けるところ。
ところで
災難だったそうじゃないか。
ええ。
(西岡)大丈夫かい?
凛子先生が この仕事をする
きっかけになった
片づけを代行する団体の
代表の西岡さん。
先生は恩人って言っとる。
かっこいいっしょ?
このヘンテコな刑事さんと違って。
ヘンテコって…。
じゃあ 授賞式 楽しみにしてるよ。
あっ!
♬~
気にしないでください。
百野さんはヘンテコですが
それなりにかっこいいです。
(秀美)んーっ!
(あゆみ)うわっ 秀美さん
肩 やわらかいですね。
(あゆみ)脱臼中の凛子先生には
できないっしょ。
(凛子)できない。
(あゆみ)痛いっ!
病院行ってから
もう2週間経つのにね。
(亀田亜希恵)あら 長谷川先生。
どうも。
ライフメディア賞 おめでとう。
私も今年こそはと
思ってたんだけど
先越されちゃった。
私なんか まだ
そんな器じゃないと思ってます。
あなたが
そんな器じゃないなら
受賞を逃した私なんて
話にならないって事?
別に そういう意味じゃ…。
誰ですか?
彼女が亀田亜希恵です。
同じ収納家で 長谷川凛子とは
ライバル関係だといわれています。
違うって。 あいつのほうが
一方的に凛子先生を
ライバル視してるだけやって。
今日は なんだか
付き人が多いじゃない。
あの2人は警察の方です。
ああ そうよね。
強盗の被害に
遭われたんですもんね。
気をつけてね。
空き巣。
あっ 殺人事件でしたかしら。
大事な時期なんだから
スキャンダルは禁物。
まあ 長谷川先生なら
お得意の収納術で
嫌な思い出も
ポイポイ
捨ててしまうんでしょうけど。
亀田先生 今日は これくらいで
勘弁してください。
キャッ!
(鳴き声)
(亜希恵)あら 猫はお嫌い?
うちのムギちゃん 10歳。
(鳴き声)
嫌いじゃないですけど
ただ…。
(くしゃみ)
ああ アレルギー。 お気の毒。
(くしゃみ)
あっ ちょっと!
飛沫…。
先生 秀美さん 早く!
すいません。
人気者も大変ね。
ムギちゃん!
ムギちゃんって言うの。
(鳴き声)
かわいいね。 かわいい。
あなたたち 警察なんですって?
南葉署の一ノ瀬です。
あちらは百野警部補。
長谷川さんとのご関係は?
同業者ってだけよ。
まあ 私の収納は
なんでも切り捨てるような
収納じゃないけど。
それは例えば?
思い出と共に生きる収納。
どんな物にも
思い出が詰まっている。
たとえ ボロボロのタオルでも
血の通った思い出は
あなたを癒やすわ。
散らかったって居心地良ければ
あなたのお城 っていう。
彼女とは真逆よ。
聞き捨てなりません。
ごめんなさい。 急いでるのよ。
確かに 長谷川さんのように
物を捨てれば思い出も捨てられる
というのは間違いです。
あなたに同意します。
しかし 大いなる矛盾には
異を唱えたい。
思い出と共に生きるとしても
物で散らかってる部屋で
くつろぐなんて不可能です。
物と思いは分けるべきだ。
その思いだけを胸に
不用品は
片っ端から処分すればいい。
極端な事 言う方ね。
小学5年の秋
その夏
亡くなったぴーちゃんをしのんで
捨てられずに外に放置していた
鳥かごに異変が起きた。
入り口が開けっぱなしだったため
他の鳥のつがいが
その中の巣を使い 卵を産んだ。
しかし 卵を放置したまま
親鳥は失踪。
鳥の育児放棄という悪夢は
一生涯
深く心に刻まれる傷となった。
以来 思い出のためだけに
物を取っておく事を
なるべく気にしています。
物は物 思い出は思い出として…。
一応 引き留めたんですけど
行ってしまいました。
(携帯電話の振動音)
すいません。
はい。 はい。
被害者の身元が?
はい。 急行します。
百野さんも一緒です。 はい。
ちょっと…!
(一ノ瀬の声)
被害者の身元が判明しました。
胃の内容物から 殺害される直前に
入ったカフェが割れて
使った電子マネーから
身元が判明したそうです。
名前は岸田貴志 32歳。
♬~
お疲れさまです。
(立花)おお。
うわっ 汚え…。
百野さん 何やってるんですか?
早く入ってください。
いや 入りません。
どんな生き方をしたら
ここまで部屋を汚せるんだ。
あの人が こんなゴミ部屋に
入るわけないだろう。
玄関先に立ってるだけで奇跡だ。
道は自分が作ります。
(三品)おい おい おい
おい おい おい!
やめろ! 現場保存だろ。
すいません。
♬~
百野さん?
百野さん 被害者宅の
双眼鏡を使ったリモート捜査は
もういいんですか?
今は空き巣の共犯に繋がる
証拠を…。
そんなものはない。
えっ?
やってしまいましたね。
何がですか?
やっぱり 空き巣は偽装です。
偽装? やっぱりとは?
現場では窓ガラスの破片が
荒らされた本の下になかった。
つまり 窓ガラスは
部屋を荒らしたあとに
割った様相があるという事です。
はい あの時も勉強になりました。
そして 現場で被害者が履いていた
スニーカーのひもの結び方と
今 彼の家で確認した結び方にも
違和感がある。
床下に収納されていた
遺体の靴ひもは
正しく均等に
蝶々結びされていたのに
玄関にあったスニーカーは
どれも縦結びされていた。
縦結び?
正しい手順で ひもを結ばないと
輪っかがゆがむ。
ゆがんだ靴ひもを見る度に
結び直したくなる。
でも どうして それが
空き巣の偽装に繋がるんです?
誰かが 彼に
スニーカーを履かせたんです。
となると その前は
靴を履いていなかった事になる。
ですが
現場では靴跡が残っている。
確かに。
もしかしたら
被害者は空き巣ではなく
他の目的で
現場に現れたのかもしれません。
勉強になります。
百野さん?
君に頼みがある。
はい。
正確に言うと
頼みを頼んでほしいという
頼みです。
はい!
(あゆみ)一ノ瀬っち ふざけるのも
いい加減にしてよ!
確かに凛子先生は
事件の解決のためなら協力する
って言ったけど
これって
事件と関係ないじゃんね!
どうなの? 一ノ瀬っち。
もういいから あゆみちゃん。
ごゆっくり どうぞ。
百野さん これで全部ですか?
全てです。
普段から その日 使う物を
曜日ごとに分けて
収納しています。
引っ越す際も その法則に倣って
箱に詰めたので
このままでも
日々の使用に支障はありません。
3センチの隙間ができるため
これまでのタンスは
捨ててしまいました。
今後は段ボール収納で
生きていく事を決めました。
これを機に
より良い収納のための
アドバイスを頂きたい。
それで出版社でお会いした時
あれこれ言ってきたんですね。
あなたの本は参考になります。
はい 協力しましょう。
あゆみちゃん あれ 買ってきて。
あっ 例のあれですね。
喜んで。
よし いってきまーす!
いってらっしゃい!
ちょっと どういう事?
百野さんが 突然 依頼して…。
長谷川凛子に?
正確には 僕に
依頼の依頼を依頼したから
僕は その依頼をマネージャーに。
(橋本)俺 ちょっと
サインもらってくるわ。
(紗代)ちょ ちょ ちょ ちょ…
ちょっと待ってよ!
ここは独身寮 女人禁制よ。
追い出すに決まってんでしょ!
ちょっと待ってください。
百野さんにも
何か考えがあるかもしれないんで。
じゃあ 九十九くんに言いつける!
副署長に!?
いや 待ってください!
チャーンス!
いやいや チャンスじゃない…。
♬~
曜日ごとじゃなくて
アイテムごとに分けて
動線に基づいた収納にすると
使いやすいです。
理解しました。
(凛子)物が動かなくなると
血の巡りが悪くなるでしょう?
血の巡り?
部屋を人だと思ってください。
持ってる物 全てを
使いやすいように収納して
血が巡るように使ってあげれば
部屋も活性化すると思いません?
逆に使わない物は老廃物と一緒。
捨てるべきです 思い出と共に。
人生 変わりますよ。
しかし 処分したからといって
本当に忘れるなんて
可能でしょうか?
確かに 人間
そう単純じゃありませんもんね。
あっ 一ノ瀬っち これ お願い。
えっ?
ほら!
ああ… はい。
あっ もらいます。
ああ はい どうも。
(あゆみ)
先生 肩使えないんやから。
百野さん どうですか?
完璧です。
(凛子)百野さん
事件のほう どうですか?
被害者の身元が判明しました。
どんな人ですか?
無職のチンピラのようです。
怖っ!
えっ 犯人のもう一人の空き巣
まだ捕まえられんの?
空き巣は偽装です。
(凛子・あゆみ)えっ?
百野さん!
それって どういう…?
あの家の鍵は
誰が持っていますか?
えっと 凛子先生の他は
私と秀美さんやけど。
えっ 何 ひどい!
えっ 私らスタッフ 疑ってるの?
いや これは
百野さんの勝手な想像 妄想
いや 推理みたいなもんなんで…。
こんなとこまで呼びつけた揚げ句
何 これ!
いや マジで週刊誌に
公私混同刑事って タレ込むよ!
ちょっと あゆみちゃん!
失礼します。
(あゆみ)いや もう…!
はい ご苦労さまでした~。
ひゃひゃひゃ… 百野さん!
長谷川凛子さんを家に呼んで
収納の指南をさせた上に
怒らせたって
マネージャーから もう…
文句 言われてるんですよ!
これ 100均グッズの請求書!
ちょっと 百野さん
長谷川凛子に
直接 収納してもらったって
本当ですか?
百野さんの人生が
すいすい いっちゃうなんて
私 想像できません!
そこじゃないでしょ
そこじゃない。
捜査の一環です。
確認したい事があっただけです。
また暴走が始まった。
問題になったら
どうするんです。
私の立場も考えてくださいよね。
百野さん 百野さん 百野…。
一ノ瀬くん!
はい!
課長 被害者宅付近の
ホームセンターの監視カメラに
物品を購入する
被害者の姿を確認しました。
事件前夜に
連れと2人で訪れています。
連れ?
簡単な日用品の他に
スパナを購入してます。
窓ガラスを割るためと考えると
その2人で長谷川凛子宅に
空き巣に入った可能性が高いかと。
って事は このスパナが
岸田貴志殺害の凶器かもしれない。
その連れの身元は?
(立花)あっ… それが
カメラが いま一つで
画像が不鮮明なんで
今 解析中です。
この連れが
犯人の可能性あります。
♬~
こんな不鮮明な画像では
何もわかりません。
目がチカチカする。
あっ!
(チャイム)
今度は なんですか?
あなたにではありません。
鹿野秀美さん 8月19日
遺体が発見された前日の夜22時頃
どちらにいらっしゃいましたか?
家にいました。
家で何を?
休みの前だから
家で一人飲みです。
酔っ払ったら そのまま
ベッドに横になってバタンキュー。
そのアリバイ 証明できますか?
できません。
ずっと家で一人だったって
言ったじゃないですか。
これは事件前夜の22時23分
被害者 岸田貴志さんを捉えた
防犯カメラ映像です。
隣にいる女性は あなたです。
これ 男の人でしょう?
服装から そうは見えますが
男性とは言い切れません。
あなた やってしまいましたね。
この動きは
あなたと同じ癖です。
長谷川さんの
インタビューの仕事のあと
あなたは
この動きをしていました。
そんなの 誰だってやるでしょ。
小学5年の体育の鉄棒の時
無理をして大車輪に挑もうと
準備体操で
この動きと同じ事を試みた。
結果 肩を脱臼し
激しい痛みで涙が止まらず
一生涯
深く心に刻まれる傷となった。
以来 このような動きをする事を
絶対に禁じています。
フフッ…。
フフフッ…。
ハハハハッ…!
ハハハッ…!
ハハハハッ…!
(秀美の笑い声)
鹿野秀美が空き巣の共犯?
(立花)百野さんの情報から
ホームセンター付近の防犯カメラを
さらに詳しくあたったところ
岸田と連れ立っていたのが
鹿野秀美と断定できそうです。
連絡を試みましたところ…。
すいません 逃げられました。
えっ!?
(立花)携帯も不通で
家にも仕事場にも姿がありません。
百野さん。
やってしまいましたね。
(三品)ええ。
友人に聞き込みをしたところ
彼女 プライベートでも
かなり派手に
遊び回っていたようで
借金もあったと。
岸田貴志との関係は?
(立花)ああ 恋人のようです。
金に困った2人が
秀美の手引きで
長谷川凛子宅に空き巣に
入ったのではないでしょうか。
そして 現場で内輪もめを起こし
秀美が岸田を殺害。
床下収納に遺体を隠した。
さらに捜査の手が
迫っていると知り 失踪…。
鹿野秀美を
重要参考人として捜索します。
うん。
行こう。
はあ…。
長谷川凛子さんのアシスタントが
殺人犯だなんて…。
あり得ません。
えっ?
そもそも空き巣は偽装です。
♬~
(三品)鹿野秀美の部屋から
凶器と思われるスパナが
見つかりました。
アシスタントの鹿野さん
殺人の容疑がかかってると
報道されましたが
そうなりますと
身内の裏切りって事ですが
凛子さん 今のお気持ちは?
「事件の真相を確認するまでは
彼女の事を信じたいって
気持ちもあって…」
わざとらしい女。
でも 彼女 被害者なんだろ?
そうかもしれないけど 実際は
はらわた煮えくり返ってるはずよ。
面倒に巻き込まれたんだから。
それを「信じたい」とか
言っちゃって。
「凛子さんやスタッフの方が
ご無事で何よりでした」
おっと もう一人
わざとらしい女 登場。
ライバルの亀田亜希恵。
腹の中じゃ 笑ってるくせに。
お~ 怖っ!
俺には お前が一番怖い。
♬~
(立花)
失踪した鹿野秀美の足取りは
依然 捜査中です。
携帯は電源が切られていて
追跡不能。
(花形)
室内にあったスパナに関しては
ルミノール反応は出ませんでした。
スパナは凶器じゃないって事か。
うーん…。
物証がないんだよねえ。
百野さん?
百野さん! 百野さん!
何してるんですか?
あっ…。
百野さん。
百野さん!
百野さん!
うわっ!? ああーっ!
触りましたね 今!
しかも近い!
すいません。
いや 聞こえてなかったから!
百野さん もう
何を聞いてるんですか?
長谷川凛子宅の空き巣を知らせる
通報音声です。
なんで 今さら そんなの…。
今は鹿野秀美の行方を
捜してるんですよ。
ちょっと出ます。
あっ ちょ… 百野さん!
んっ!
えっ?
ほら!
あっ はい!
(ため息)
ずっと気になってました。
通報は公衆電話からでした。
手元に電話がなかったとしても
今どき 見当たらない
公衆電話から通報するなんて
違和感があります。
はい 確かに。
しかも この公衆電話は
現場から834.3メートルも
離れている。 遠すぎる。
そして この音。
(工事の音)
道路の舗装工事で
騒音がひどく
それに反応した間抜けな番犬が
一日中 ほえたてている。
(犬のほえる声)
ここしかなかったんですかね?
いえ あります。
えっ? あっ…。
通報者は ガラスの割れる音を聞き
強盗だと通報した。
だが 名乗らずに
慌てたように電話を切っている。
急いで警察に電話するなら
この家から一番近い
あの公衆電話を使うはずです。
あっ!
一番最寄りの公衆電話は
ここです。
確かに
こっちのほうが近いですね。
(猫の鳴き声)
わあ~ かわいい!
かわいいね 猫ちゃん!
えっ どうしたの?
食べてるね。
おばあさん
いつも この時間帯に
お昼あげてるの?
そうそう お昼ご飯ね。
えっ この猫 飼ってるの?
ううん 違う 違う。
えっ?
おばあさん
野良猫に餌あげちゃ駄目だよ。
近所の迷惑にもなるし。
でも… かわいいね。
かわいいね ああ かわいいね。
抱っこしてくれ。
いいの? やあ~!
♬~
やってしまいましたね。
通報者は鹿野秀美です。
通報者が鹿野秀美なんて
絶対にあり得ません!
うるさっ…!
猫アレルギーに…。
(秀美)キャッ!
(猫の鳴き声)
(くしゃみ)
(猫の鳴き声)
紙の端を折る癖…。
何か?
通報者は
彼女で間違いありません。
だって
彼女は殺人の容疑者なんですよ?
自ら犯した殺人を
自ら通報する愚か者はいません。
犯人は別にいます。
じゃあ… どうして 彼女
現場にいたんですか?
それに 通報しただけだったら
そうやって
証言すればいいじゃないですか。
すいません。
それは?
鹿野秀美の自宅からの押収品です。
失踪のヒントが
隠れてるかもしれません。
母親です。
彼女は
小さい頃に父親を亡くして
母子家庭で育っています。
うっ…!
えっ?
どうしました?
赤い斑点… 吐き気がする。
また出た~。
見たくない!
ああ それは
遺品整理に携わっていた
NPO法人が
生前整理に活動の場を広げた
っていう話みたいです。
「生前整理中に心臓発作。
遺品整理に移行」…。
嘘みたいな話ですね。
♬~
ちょっと出ます。
ちょっと 百野さん!
百野さん!
何がわかったんですか?
説明してください 百野さん!
僕にも教えてくださいって…。
百野…。
何やってんの!
早く追いかけなさいよ。
(ドアの閉まる音)
もう ついていけないっす…。
あっちゃ~…。
一ノ瀬くん。
はい これ 私のお手製ケーキ。
こういう時はさ
甘いものが一番なの。
わかるよ あなたの気持ち。
突然始まる
小学5年のトラウマ話に
突然 思いついて
自分に押しつける無理難題。
収納のカリスマ
長谷川凛子さんに
無理やり 片づけ指南のお願いを
聞いてもらえば
マネージャーを怒らせて
自分が副署長に
大目玉食らう始末です。
百野さんに ぴったりついて
フォローしてきたつもりでした。
それなのに
ねぎらいの言葉 一つもなく
ちょっと近づこうものなら
ソーシャルディスタンス…。
もう ついていけません。
パーソナルスペースね。
わかる わかる!
世界で一番わかるのが
私だって言い切れる。
揚げ句の果てに
写真の赤い斑点で吐き気を催して
記事のコピー見て
飛び出しました。
自分には なんの説明もなく
自分の事 全く無視したままです!
わかる わかる!
そういう人なのよ。
私も 散々 振り回されたわ。
急に行き先を変えたかと思えば
私だけ
別の場所に行けって言われて
質問したら馬鹿にされて
半径2メートル以内には
近づくな…。
思い出してきた~
あの屈辱の日々…。
それは
相当なストレスだと感じます。
でしょ?
たださ… ここだけの話
私が こうやって
出世できたのは… ああ…。
3パーセントぐらいは
悔しいけど あの人のおかげなの。
いや 5パーセントくらいかな?
8パーセントぐらいかな…?
消費税の推移と似ております。
じゃあ 10パーセントで。
確かにさ 百野さんの推理力って
天才的だと思うの。
でも それ以外は
全部ヘンテコ。
非常識で 傲慢で 唐変木。
だからさ ほら
なんとかとハサミは使いよう
って言うじゃない。
それを うまく利用するの。
自分は そんな器用では…。
いやいや 不器用な君でも
これを使えば大丈夫。
題して 「必殺 5歳児作戦」!
5歳児作戦?
百野さんをさ
自分より大人で立派だって
期待するから腹が立つの。
5歳児だと思いましょう。
5歳児だと思えば
「口の利き方 知らないよね」
「でも 仕方ないか
5歳児だから」って
上から目線でいける。
確かに そうですね。
ねっ。
だから いちいち腹を立てずに
人生は すーいすい。
5歳児作戦でいきましょう。
わかりました。
ありがとうございます
万城目課長。
いってきます!
うん!
よっしゃあ!
いってらっしゃい!
(足音)
はあ…。
♬~
あれ? 百野さん!
振り向いたら君がいない。
忘れ物として取りに戻ってきた。
えっ?
体力だけが取りえの人間が
一緒じゃないと
困る捜査が発生しそうだ。
体力だけって…。
はい ご一緒します。
秀美ちゃんの行方
わかりましたか?
いえ。 自宅を捜索しましたが
手がかりになるものは何も…。
何か心当たりありませんか?
いえ 何も…。
そこに積んであった雑誌は?
ああ… あれは もう 捨てました。
鹿野秀美さんの部屋から
押収されました。
付箋の跡が一緒なので
そこにあった雑誌から
コピーしたはずです。
ご存じでしたか?
いえ。
ただ 彼女は勉強熱心でしたから
私の原点を知りたくて
コピーしたのかもしれません。
はい。 あなたの原点です。
あの素っ頓狂な
マネージャーによれば
この西岡太という男性を
あなたは
恩人と言っているらしい。
確かに 西岡さんは恩人です。
この業界に興味を持ったのも
西岡さんのおかげだし
繋いでもらった縁も
たくさんあるんで。
だったら
その雑誌は大切なんじゃ…?
あそこにあった香炉は?
ああ… あれは
普段 使わないんで捨てました。
なんか 縁起が悪い気がして。
あそこにあった かき氷器は?
フッ… よく覚えてますね。
刃がボロボロになったので
それも…。
来週の授賞式を境に
また新しい目標に
向かうつもりなんです。
過去は捨てて。
新しい目標とは?
海外進出です。
自分は
南葉署の一ノ瀬と申します。
あちらは百野警部補。
(西岡)ああ…。
さあ どうぞ おかけください。
西岡です…。 あれ?
どこかで
お目にかかりましたよね?
はい。 あの…。
いや 待って。
当てる。 ハハハ…。
トアール出版だ。 アハハハハ…!
凛子と一緒だったでしょう。
覚えていらっしゃいますか。
ええ。
人の顔はね 忘れないんですよ。
ハハハハハ…!
あっ まあ どうぞ。
結構です。
この記事を覚えてますか?
ああ… これ 懐かしいな。
NPOの活動を紹介する
雑誌ですよ。
何かの宣伝になるといいと思って
取材を受けたんですけどね。
失踪した鹿野秀美の自宅から
見つかりました。
何か心当たりある事は?
鹿野秀美って…。
収納家 長谷川凛子さんの
アシスタントです。
ああ…。
彼女と 何か ご関係は?
いや 特に…。
では 長谷川凛子さんとの関係を
教えてください。
凛子ですか? まあ どうぞ。
結構です。
いや… 凛子は
学生アルバイトで うちへ来たのが
最初じゃなかったかな?
もう10年も前の事です。
不器用な子でね…。
今とは だいぶ印象が違いますね。
すぐに辞めると
思ったんですけどね…。
いや 学生は みんな
就活の履歴書に箔つけるために
こういう所で 短期間
アルバイトするんですよ。
それが 彼女は
大学を卒業したあとも居座って
仕事を覚えて…。
アハハハ… 今や有名人だもん。
アハハハハ!
参っちゃいますよね。
アハハハハ…。
他人と行動を共にするなどという
苦行は耐えられない。
危なっ…!
そこ。
百野さん!
うわっ!? ああーっ!
触りましたね 今!
しかも近い!
♬~
そこに積んであった雑誌は?
あそこにあった香炉は?
あそこにあった かき氷器は?
よく覚えてますね。
そのアリバイ 証明できますか?
ハハハハッ…!
(前田安子)ねえ! ちょっ ちょっ
ちょっ ちょっ ちょっ…。
あんたらさ 刑事?
自分は
南葉署の一ノ瀬と申します。
あちらは百野警部補。
へえ~。 本物?
えっ なんの捜査?
近い…。
何よ? 人を汚いみたいに言って。
いえ… パーソナルスペースが
必要なだけです。
ああ そうですか。
あっ すいません。
こちらの職員さんですか?
前田さん?
うん。 もう20年 働いてんのよ。
はあ…。
あっ 知ってる? 長谷川凛子。
あの子と同じ現場に
出てた事もあるんだから。
話を聞かせてください。
ソーシャルディスタンスなんでしょ?
あんたには話さないわよ。
パーソナルスペースです。
そうそう。
パーソナルスペースなんですよね。
自分が話を聞いてきますんで
百野さんは 自分の取った
スペースにいてください。
♬~
どうぞ。
えー…。
で どんな印象でしたか?
長谷川凛子さんって。
うーん… 根暗。
ずっと一人でさ
ぐずぐず はっきりしなくて。
今の あの明るい感じとは大違い。
カリスマ収納家だなんて
驚いたわよ。 ほら なんだっけ?
あの… 人生… 人生…。
人生すーいすい。
(舌打ち)
ほら あんた 知ってるでしょ?
あっ ああ… 人生すーいすい。
そう 人生すーいすい。
だから 世話係が必要な感じで。
それで
なんとか働いてた感じだったね。
で 1年くらい
働いた頃だったかな?
ほら あの
例のじいさんの担当になって。
例の?
うん。
生前整理中に
依頼者の金持ちが死んだのよ。
風見鶏の金子さん。
風見鶏?
急にね。
心臓発作でね。
詳しい状況を
教えて頂けませんか?
風見鶏がある
小気取った家なんだけどさ
その金子さん
元々 心臓に持病があって
いつ死ぬかわからないって
生前整理を依頼してきたらしい。
ただ なかなかの曲者でさ
神経質で偏屈な上に
うたぐり深くて…。
あんたみたいな感じよ!
これが金子さんの家です。
今は誰も住んでいません。
周辺を見て回ってきて
様子を それで見せてください。
百野さんは?
歩きすぎて疲れました。
体力だけが取りえの
君の出番だ。
はいはい わかりました。
赤い斑点!
えっ?
吐き気がする。
あっ!
同じカーテンです!
南葉署の一ノ瀬です。
あちらは百野…。
(鹿野洋子)
警察には全部話しました!
(洋子)秀美の居場所は知りません。
ここにもいません。
もう何年も帰ってきてません!
すいません…!
あっ… 違います! 違うんです。
お隣の金子さんの話を
聞かせてください。
♬~
百野さん
吐き気 大丈夫ですか?
耐えてます。
(岡田)君は幅広というだけで選んでいる!
(女性)だから何? 気持ちいいわ!
…歯が泣くぞ! 君のはヘッドが
ぶ厚すぎて 奥まで届いていないんだっ!
ハァッ!
薄型の「システマ」なら
奥歯の奥まで届く!
《奥歯のプラークまで
「システマ」なら ごっそり≫
≪すご~い!≫
♬~ 「システマ」
≪薄型のワイド 極上プレミアム誕生!≫
金子さんは 奥さんを亡くしてから
特に偏屈になったんです。
それが 生前整理とかっていうのを
し始めて
そのスタッフが入って
人が変わったみたいに…。
百野さん この話…。
とっても頑固な依頼者に
当たってしまって
困ったんですが
丁寧に聞き取りをして
不用品を処分していくと
その方が 人が変わったように
優しくなったんです。
あの頃の金子さんは
本当 穏やかでした。
夏の暑い時期で
庭で かき氷を
振る舞っていました。
(金子武雄)
おい できたよ。 冷たいぞ。
(洋子の声)うちの子も
ごちそうになった事が
あったんですよ…。
そう長くは
続きませんでしたけど…。
何があったんですか?
そのスタッフの人が
捨てちゃったんですって
バスタオル。
バスタオル?
本当 ボロボロのやつ。
(洋子の声)生前 奥さんが
使ってた物らしくて。
でも あれじゃあ
ゴミと思われても
仕方ないと思うけど…。
弁償がどうとか
大騒ぎしてたけど
ボロボロのバスタオルじゃねえ…。
弁償? そういう事じゃない!
血の通った思い出なんだ!
血の通った思い出?
その すぐあとです。
金子さんが
心臓発作で亡くなったの。
そのバスタオルを捨てたのは
長谷川凛子さんじゃないですか?
長谷川凛子?
はい。 当時 スタッフとして
金子さんを担当していたのが
恐らく 長谷川凛子さんです。
ご存じありませんか?
いいえ…。
でも うちの子は もしかしたら
知ってたかもしれません。
かき氷を一緒に食べた
スタッフっていうのも…。
それで 長谷川さんの
アシスタントになるって言い張って
反対する私を押し切って
家を出て行ったのかも…。
(洋子の泣き声)
鹿野秀美と長谷川凛子に
10年前 接点があったなんて…。
ボロボロのタオルに
血の通った思い出…。
えっ?
どこかで聞きました
そのフレーズ。
当時の 遺品整理ウエストヒルの
スタッフ全員に当たって
長谷川凛子と その事故について
聞き出してきてください。
全員ですか?
当然です。 体力勝負の捜査です。
体力しか取りえがない君に
ぴったりだ。
おまけに いびきがうるさい。
えっ?
君のせいで 睡眠時間が
この一週間
一日 平均46分も減って
迷惑極まりない!
5歳児 5歳児 5歳児…。
♬~
あっ すいません。
ウエストヒルの方ですよね?
少し お話いいですか?
すいません 少しでいいんで。
少しでいいんで
お話 聞いてください。
お願いします。
3分… ねえ 2分…
いや 1分でもいいんで
お願いします!
すいません お願いします!
お願いします!
奥さんは 11月23日に死亡。
金子さんは 8月19日…。
♬~
事件のあった日と同じ日にちだ…。
♬~
使わない物は老廃物と一緒。
捨てるべきです 思い出と共に。
思い出と共に生きる収納。
どんな物にも
思い出が詰まっている。
血の通った思い出…。
皆さ~ん!
捜査に煮詰まって
カリカリしてる皆さんに
副署長から
かき氷の差し入れで~す!
(拍手)
私お手製の
梅シロップもありますからね。
みんな 暑いのに ご苦労さま。
百野さんも いかがですか?
僕は結構です。
ですよね~。
知ってて聞いてみました。
副署長 氷 受け取ります。
いやいや これ 僕がやりますから。
ああっ…!
(洋子の声)庭で かき氷を
振る舞っていました。
♬~
氷…。
♬~
マジっすか!?
ああ 間違いねえや。
本当ですか?
ああ 間違いねえ。
ハハハ…。
(ノック)
随分 遅かったですね。
お疲れさまとか
言えないんですか…。
体力捜査の収穫ありましたか?
ありました。
すごい事がわかりました。
百野さんは?
赤い斑点と風見鶏の謎が
解けました。
こちらへ どうぞ。
どうぞ。
前より すっきりしています。
いろいろ捨てましたから。
今日は どんなご用件ですか?
事件は もう解決したんじゃ…。
いえ まだ解決していません。
鹿野秀美が失踪したままです。
そうでした…。
早く出てきて
罪を償ってほしいです。
彼女は犯人じゃありません。
長谷川凛子さん
どうやら やってしまいましたね。
彼女は犯人じゃありません。
長谷川凛子さん
どうやら やってしまいましたね。
えっ?
あの日 床下に
岸田貴志さんの遺体を
収納したのは あなたです。
あの日 私は
ここにいなかったって
言ったじゃないですか。
あなたの主張するアリバイは
証明されていません。
岸田さんが履いていたスニーカー。
あれは
あなたが履かせたものです。
輪が きっちり3.5センチの
きれいな結び目。
あなたのスニーカーと一緒です。
測ったんですか?
僕の目測誤差は 0.1ミリです。
百野さんの目測は
正確かもしれません。
でも そんな事は
証拠にはなりません。
空き巣を偽装したのも
あなたです。
なんで 私が?
発端は 10年前の
あなたの生前整理の仕事でした。
あっ…。
(ため息)
その記事なら…
破れてても 内容は知ってます。
ご存じのとおり 私は その時の
生前整理のスタッフでした。
ええ。
そして 金子武雄さんの命日を
いまだに弔っている。
えっ…?
空き巣事件のあった日は
金子さんの命日です。
香炉で香をたいていたのは
弔いだったからです。
かき氷機が
キッチンにあったのは
金子さんの好物のかき氷を
お供えするためです。
それらの物は 元は
金子さんの記事の載った
あの雑誌の束と一緒に
床下に収納されていたんです。
当時の遺品整理ウエストヒルの
スタッフ全員に 話を聞きました。
あの日 あなたは
金子さんのところにいるはずだと
証言してくれた人がいました。
♬~
お前らの自己満足で捨てた物は
わしの大切な思い出なんだ!
死ぬ時はな あれを手にして
死ぬはずだった!
それなのに…。
あの日 何があったんですか?
金子さんは
あなたの目の前で 心臓発作を
起こしたんじゃないんですか?
(凛子)金子さん
思い出は大事です。
でも 物は ただの物です。
タオル捨てたって
奥さんの思い出は
ちゃんと残ってます。
何を偉そうに…!
依子の事を その口で言うな!
あのタオルはな…
タ… うっ… うう…。
(凛子)金子さん!
(金子)うっ… うう…!
でも あなたは 救急車も呼ばず
その場から逃げた。
置き去りにされた金子さんは
そのまま亡くなった。
金子さんを見殺しにした
この事実は
今 誰にも
知られたくなかったはずです。
ライフメディア賞も 海外進出も
あなたの輝かしい未来は
パーになる。
百野さんお得意の
妄想にしか過ぎません。
当時15歳だった
金子さんの隣人 鹿野秀美は
その事を知っていました。
あなたに傾倒した彼女は
誰にも その秘密を明かす事なく
あなたのアシスタントになった。
でも 10年後
彼女は あなたを裏切り
岸田貴志をそそのかして
あなたを脅迫した。
だから 私が殺したと?
いえ 彼を殺したのは
あなたではありません。
被害者は 身長184センチ。
後頭部に凶器を振り下ろすには
両腕を思いっきり
振り上げなくてはならない。
肩脱臼のあなたには不可能だ。
はあ…。
凶器は まだ見つかってないって
聞いてますけど。
凶器は解けてなくなりました。
遺体の腰付近が濡れていました。
鑑定結果は水です。
ダイニングの床の隅の
ごく小さな水たまり。
これも 鑑定結果は水です。
床に積まれていた雑誌は
一番下が濡れていました。
鑑定してませんが
水に間違いありません。
これらは 凶器のかけらです。
かけら。
…って わかりません。
君は馬鹿ですか?
かけらが解けて水になる。
すなわち…。
氷!
途中で遮らないでくれよ…。
かゆくなってきた。
(足音)
亀田亜希恵さん
やってしまいましたね。
岸田さんを殺害したのは
あなたです。
凶器は 金子さんへ かき氷を
お供えするために用意した氷。
恐らく 4キロ以上です。
2回の殴打で
脳挫傷を引き起こす威力を持つ。
すごい妄想だわ。
ボロボロのタオルでも
血の通った思い出は
あなたを癒やす。
出版社で あなたは
僕に そう言いました。
たとえ ボロボロのタオルでも
血の通った思い出は
あなたを癒やすわ。
10年前 金子さんの生前整理に
訪れたスタッフは
長谷川さんの他に
もう一人いたんですね。
それが 亀田さん あなたです。
(百野の声)ボロボロのタオルを
血の通った思い出と言ったのは
金子さんでした。
あなたは それを忘れずに
ずっと 心に残してきたんです。
あなたの収納法と一緒です。
8月19日 10年前の その日も
あなたは 長谷川さんと2人一緒に
金子さんの家にいました。
そのとおりよ。
素晴らしいわ。
凛子… あなたの収納と違って
もう隠せないわね。
百野さん 凛子は悪くないんです。
全て私のせい。
10年前
あのタオルを捨てたのは 私。
依子の事を その口で言うな!
あのタオルはな…
タ… うっ… うう…。
(亜希恵の声)そのせいで
金子さんは発作を起こした。
なのに 救急車を呼ぼうとした
凛子を止めたのも 私。
(亜希恵)凛子!
(凛子)救急車…。
奥さんの元に早く行きたいって
言ってた。
だから もう呼ばなくていい。
あのタオルを捨てられた事は
自分の命の火を消されたのと
同じだったんだよ。
だから もう…。
(金子)うっ うう…。
あの事で 私は変わったの。
血の通った思い出があるなら
簡単に物は捨てない。
そういう収納を目指した。
でも 凛子は逆。
ぐずぐずと捨てられない自分を
変えて
捨てていく収納を選んだ。
そうする事で
悪夢みたいな思い出を
捨てたかった。 でも…。
簡単には捨てられなかった。
(亜希恵)
金子さんの事を隠すために
収納家として
仲の悪いライバルを装いました。
年に一度 金子さんのご命日に
2人だけの時間を過ごして…。
百野さんの言うとおり
私たちは かき氷を作って
金子さんに お供えをして
弔いを続けました。
かき氷は 私たちと金子さんとの
いい思い出でした。
(凛子)これ 金子さんの。
♬~
(亜希恵)それなのに その事で
10年経って
凛子が脅されるなんて…。
(岸田貴志)300万でいいよ。
何 言ってるの。
(岸田)あんたの昔を知る
ある人から聞いた。
あんたら…
目の前で苦しんでる
お金持ちのおじいちゃん
ほったらかしに
しちゃったんだろ?
あーあ
助けてやればよかったのに。
そんで バレるの まずいから
2人の関係 隠して
ライバルぶって
世の中 だましてたんだって?
あんた 賞 取るらしいな。
安いっしょ! 300万なら。
いろいろバレたら
あんたの賞も 海外進出も…。
フッ… つうか
この仕事 続けんの 無理じゃね?
(岸田)やっぱ 安すぎるかな…
300万じゃ。
(殴る音)
ああーっ!
(殴る音)
(殴る音)
(凛子)亜希恵…!
♬~
息してないよ…。
どうしよう… 救急車? 警察?
私が なんとかする。
ああ…。
(亜希恵の泣き声)
(亜希恵)ううっ…。
(凛子)あっ…。
うっ…。
すぐに ここ出て
なんでもいいから
アリバイ作って。
ふう…。
♬~
(凛子の声)とっさに思い付いて
2人組の空き巣を仕立てました。
♬~
(ガラスが割れる音)
はあ はあ…。
ああっ…。
♬~
死んだ男の説明は
どうでもいいから
空き巣の通報をして
あとは 運を天に任せようと。
でも その直後
鹿野秀美は強盗の通報をした。
(凛子)そうです…。
百野さんが聞き込みに来たあと
秀美は脅迫者に豹変しました。
(凛子)
あの男と知り合いだったの?
聞いてました?
そうです。
あんたの過去も
亀田亜希恵との猿芝居も
彼に教えたのは 私です。
ずっと 外で見てました。
写真も撮ったし 動画も撮った。
強盗の通報したのも 私。
(猫の鳴き声)
♬~
なんで そんな…!
10年前の あの日と同じ。
私は 金子さんを置き去りにして
逃げるあんたたちを見たのよ!
♬~
(凛子)あなたが…?
でも その事は
忘れようって決めた。
あんたに憧れて
5年後 会いに行った時
覚えてもらえてなかったけど
アシスタントに選ばれて
嬉しかった。
あなた
金子さんの隣に住んでた…!?
(凛子)ねえ!
おいで。
♬~
そうよ。
その事は ずっと言わずに
あんたのそばで頑張った。
でも 結局 私に出番なんてない。
ストレス発散すれば
借金 抱えちゃうし…。
ふざけないで!
ふざけてんの そっちでしょ!
いいよ 私が 当分 罪かぶって
隠れてあげるから。
ほとぼり冷めるまで
ずっと 金 送ってちょうだい!
まずは 1000万!
今度は見殺しじゃなくて
本当の殺しだもんね。
どうすんの? 先生。
賞とか 海外とか
そういうレベルじゃないでしょ
もう!
鹿野秀美は 今 どこに…。
今 どこにいるんですか?
教えてください。
だから 遮らないでください!
また かゆくなってきた…。
収納家宅男性殺害事件の
重要参考人 鹿野秀美の居場所…。
(ため息)
「新宿区新大久保北7の21の5
210」という情報あり。
急行して確保して。
凛子… ごめんね。
いろんな事…
やっと 本当の意味で
捨てる事ができた。
重かったね 亜希恵。
♬~
百野さん やっと終わりましたね。
すいません!
パーソナルスペースですよね。
いえ 今回は
ソーシャルディスタンスで
構いません。
♬~
長谷川凛子さんを
脅迫したんですね?
思い出は 全部 捨てるって
言ってたくせに…。
なんで 10年前の事まで
告白するかなあ。
重荷を下ろしたって
言ってました。
フッ…。
馬鹿じゃないの。
もうちょっとで
大金が入るはずだったのに。
でも あなたは 通報してくれた。
♬~
お母さんが心配してましたよ。
あなたに帰ってきてほしいって。
あなたの部屋も昔のままでした。
♬~
もう 意地を張らなくていいわ。
あなたは やり直せる。
フッ…。
あの変な刑事さんは?
ああ そういえば…。
本来ならば 彼が取り調べをして
しかるべきなんですけど
よく知らない人と
狭い部屋で話をする事は
諸般の事情で
禁じている… との事です。
(くしゃみ)
みんなのおかげで 無事
難事件を解決する事ができました。
お疲れさま。
お茶ですまないけど 乾杯!
(一同)乾杯!
皆さん お祝いに
私 手作りケーキを
作ってきました。
はい どうぞ。
ありがとう。
ありがとうございます。
はい どうぞ。
はい どうぞ。
手作りかよ!
はい 百野さんも どうぞ。
僕は結構です。
ですよね。
わかってて聞きました。
お疲れさま。
はい どうぞ。
ありがとうございます。
チェック。 う~ん いい!
百野さん あの時 苦手な赤い斑点
よく我慢しましたね。
欠点を克服する姿に
感銘を受けました。
克服などしていません。
自分も欠点を克服します。
強い意志のもと
もう いびきは かきません。
寝不足の百野さんのために
プレゼントがあるんです。
受け取ってください。
うん! おいしい!
♬~
♬~
あーっ!
うーっ!
(いびき)
(いびき)
♬~
(2人)ハハハハハ…!
(いびき)
(2人の笑い声)
引っ越そう。