<オトナの土ドラ>・その女、ジルバ #04【姉の思いと弟の決意】[字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

<オトナの土ドラ>・その女、ジルバ #04【姉の思いと弟の決意】[字]

新(池脇千鶴)のもとに、福島の弟・光(金井浩人)から上京していると突如連絡が。内緒にしていた熟女バーのバイトがバレちゃう!?一方、職場のリストラ計画も進行中で…

番組内容
新(池脇千鶴)が「OLD JACK&ROSE」に誘ったことがきっかけで、職場仲間のスミレ(江口のりこ)、みか(真飛聖)と同い年の友情が芽生える。一方で、リストラ計画は人知れず進行していて…。店では、毎年ジルバママの命日に行われるパーティの準備が進んでいた。そんな中、新の携帯に弟・光(金井浩人)から連絡が入る。地元・会津の町おこしイベントで東京に来ていると聞き、新はあわてる。実家には、倉庫に出向に
番組内容2
なったこともバーでバイトしていることも一切知らせていなかったのだ…。
出演者
池脇千鶴 
江口のりこ 
真飛聖 
山崎樹範
 / 
中尾ミエ
 / 
久本雅美 
草村礼子 
中田喜子 
品川徹 
草笛光子
スタッフ
【企画】
市野直親(東海テレビ)

【原作】
有間しのぶ『その女、ジルバ』(小学館「ビッグコミックス」刊)

【脚本】
吉田紀子

【音楽】
吉川慶 
HAL

【主題歌】
「ドラマチックに乾杯」山本彩(ユニバーサルシグマ)

【監督】
根本和政

【プロデューサー】
遠山圭介(東海テレビ) 
松本圭右(東海テレビ) 
雫石瑞穂(テレパック) 
黒沢淳(テレパック)

【制作】
東海テレビ 
テレパック
ご案内
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【公式サイトURL】
https://www.tokai-tv.com/jitterbug/

【公式ツイッター】
@tokaitv_dodra

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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  14. ブラジル
  15. 田舎
  16. 大丈夫
  17. お父さん
  18. バイト
  19. 一人
  20. 元気

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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ポニーキャニオン

(新)きっと
いいこと 起こりますから。

[私は 笛吹 新。
40歳 独身]

あっ。

[秘密にしていた バイトが
バレてしまい…]

[でも そのことで
なぜか 仲良くなった 40の 3人]

これ 和風ミニハンバーグ。
どうぞ。

(みか)うれしい。 アララの これさ
冷めても おいしいよね。

私はさ バカの ひとつ覚え。
はい。 シジミの味噌汁。

寒い日には しみじみ うれしいよ。
(スミレ)シジミだけに?

[ただ一つ リストラが 水面下で
進んでいることを 除けば]

(前園)あっ。

(前園)あああ…。

(スミレ)ジルバママの命日?
うん。

(みか)ジルバさんってさ
例の ブラジル移民だった

初代ママだよね?
そう。

毎年 ゆかりの人が 集まって
パーティーするんだって。

それで…。 はい。
(みか・スミレ)うん? うん?

(みか)私たちにも?
っていうか 命日に パーティー?

(スミレ)普通 法事。

(新)ジルバママ流なんだって。

(みか)えっ? いいの? 行って。
うん。

若い人たちが来ると
華やぐからって。

(スミレ)若い人。
(みか)私たちのこと?

あそこではね。

(バイブレーターの音)

私…。
(バイブレーターの音)

光? どうした?
何か あった?

(光)何かって。
別に 何かは ないけどさ。

姉ちゃん。 店 変わった?
えっ!?

(光)姉ちゃんとこ
顔 出そうと思ったら いねえがら。

丸の内の 大東百貨店に
入ってるって 言ってねがった?

あ… あんた どこさ いんの?

(光)うん? 町おこし白虎隊の
手伝い 頼まれて

東京駅の近く。

あんた 東京さ いんの?

だから さっきから
そう 言ってっぺ。

何なの? いきなり。

いきなり 行った方が
面白いかと思って。

母ちゃんから持たされた
荷物もあるし。

荷物?

(光)えー。 米と 味噌だろ。

よもぎ団子と 煮物と 漬物と。
あっ。 それから いかにんじんも。

いかにんじん。

参ったなぁ。
どこさ 届ければいいの?

あっ。 今日の夜は どう?

あんたの泊まってる
ホテルに行く。

あっ。 久しぶりに ご飯でも。

(スミレ)ご飯。
(みか)ホテル。

今日は 駄目なんだ。

白虎隊の会長たちと
飲む約束 あって。

じゃあ あしたは?

仕事 終わって
少し 遅いなるけど いい?

(光)いいよ。
じゃあ 出る前 連絡する。

ああ。 しかし 東京 あったけえ…。
(通話の切れる音)

もう 考えなしなんだから。
お母さんも。

うわ。
(みか)誰?

(スミレ)地元の男?
急に なまってた。

いや。 弟だけど。

(みか)あっ。 そっか。 弟ね。
何?

(スミレ)いや。 別に。
(みか)なるほど。

いや。 彼氏が できたら
いの一番に 言うよ。

(きら子)あら。
あいつ 来るんだ。

(きら子)こういうときだけ
張り切るんだからね。

(幸吉)田舎から 弟?
はい。 上京してきてるので

今日は 早めに
上がらせてもらえないでしょうか。

(幸吉)ああ。 いいよ。

アララが いなくても
別に 困らんから。

えっ…。

(幸吉)冗談の
通じないやつだな。

せっかく 来てるんだ。
会ってやりな。

はい。
ねえ? アララ。

はい。
田舎 どこなの?

福島です。 福島の 会津。

(幸吉)えっ?

≪(ナマコ)♬「エイヤー」

(幸吉)福島づいてるな。
昨日から。

≪(ナマコ)♬「宝の山よ
笹に 黄金が エーマタ」

(ナマコ)面白かったよね。
昨日の お客さん。 会津の人たち。

会津?

(エリー)何 これ? 面白い。

アララ。 見てよ 見て。
アララも 食べる?

それ 福島名物の…。

(ナマコ)ちょっと。
私も ぷちっとしたいから

残しといてよ。 その 玉羊羹。

(ひなぎく)町おこしの
会長さんがね

昔 ここへ来たことを
思い出して

寄ってくださったの。
ジルバの話で 盛り上がって。

背中 ちょっと お願い。
はい。

(ナマコ)でも 偉いよね。
震災にも めげず

町おこししてさ。 ほら。
ジルバのルーツって 福島じゃん。

えっ!?
(ひなぎく)痛っ。

ごめんなさい ごめんなさい。

(ナマコ)言ってなかったっけ?
福島なのよ。

福島の どこですか?
(ナマコ)えっとね。 どこだっけな。

(ナマコ)ねえ ねえ。
海側の方だったよね?

(ナマコ)聞いてねえし。

じゃあ 浜通り。
(ひなぎく)確か そうよ。

(ひなぎく)ご両親が 戦前に
そこから ブラジルへ渡って

当時は 福島から ブラジルへ
移民する人が 多かったんだって。

(幸吉)明治に始まった
植民政策だ。

アララ。 レモン 取って。
あっ。 はい。

(エリー)あっ。 それ?

(エリー)町おこしの お兄さんが

お姉ちゃんの お土産に
持ってきたんだけど

悪くなると いけないから
冷蔵庫に 入れといてって言って

そのまま 置いてっちゃったの。

(ナマコ)それだけじゃなくて
荷物一式。

いかにんじん。

≪すみません。
こんにちは。

(エリー)あっ。 来た来た来た。
はーい。

≪(エリー)荷物ね。
はい はい はい。 ああー。

アララ。 ちょっと 手 貸して。
≪(光)ああ。 いいですよ。 俺が。

≪(エリー)はい。 はい こっちよ。
こっちね。 どうぞ どうぞ どうぞ。

姉ちゃん?

(一同)姉ちゃん!?

(光)何で?
店 変わったって…。 えっ!?

荷物 取りに行く手間 省けたね。

♬~

アララはね よく 働いてくれて
もう 助かってんの。

それに お店も 若返ったしね。
(ひなぎく)そうそう。

昼は 倉庫で働いてるでしょ。
だから 力持ちだし。

(光)倉庫?
(エリー)そうよ。

昼は 物流センターの倉庫。
夜は ここで バイト…。

(エリー)痛っ。
何すんの? アララ。

つねるときはね こうするのよ。
痛っ。

(荒木)こんばんは。
(一同)いらっしゃいませ。

(松坂)よっ。 アララ。
今日も ぴちぴちやん。

(荒木)何? アララの彼?
どうも。

(エリー)どうぞ どうぞ。
(ナマコ)どうぞ どうぞ。

(エリー)どうぞ
お座りください。

訳は 後で。 後で。

(光)出向? いつから?

3年前かな?
関連の 物流センターに。

うん。 やっぱ おいしい。
姉ちゃん これ 好きだわ。

(光)何で 言わねがった?
何となく?

でも あの お店 ジャック アンド ローズで
バイトして 働き始めて

それが 楽しくて。
(光)楽しいって。

あんた お店 来たじゃない。

だったら
どんなとこか 分かるでしょ。

(光)そりゃ。
めちゃくちゃ 面白かったけどさ。

(光)あの店の 初代ママさん。
ジルバさん。

亡くなったんだってな。
震災の前の年に。

震災の前の年?
ありがとう。

福島から ブラジルに

そんな 大勢の人が
移民してたなんて。

俺 初めて 知った。
私も。

いやいや。 何だか もう。

キツネに
つままれたみてえだな。

ジルバさんのことも。
姉ちゃんのことも 含めてだけど。

光。 このこと
お父さんと お母さんには…。

えっ?

バイトのこと。
あと 倉庫も。

こんなこと 知ったら あの人たち
卒倒するかもしれないから。

んだな。 卒倒すっか
怒り狂うか どっちかだな。

みんな 元気?
うん。 あっ。 写真 見る?

うん。

入学式。

最近 姉ちゃんから
あんまし 連絡ねえし

母ちゃんから 見てこいとも
言われてたんだ。

親の勘だな。
何かあるって 思ってたんだべ。

あっ。 それとさ これ 報告。
うん。

ジャーン。
何?

[それは 弟が
以前から 計画していた

カフェの写真だった]

蔵カフェ? あんた ホントに
カフェやるの? ホントに?

いい蔵が 見つかって
リノベーションしてっとこ。

ホントは 年内にと
思ってたんだけど

色々 手間取って。

でも 1月には
絶対 オープンすっから。

[福島の沿岸部の町で
会社員をしていた 弟は

2011年の 地震と 津波で
職場も 自宅も 失った]

[奇跡的に
命は 助かったが

その後 住んでいた町を離れ

会津の実家で
両親と共に 暮らすことを決めた]

あれがら もう 8年か。
そうだね。

あっという間のようで
長かった。

(女性)はい。
おはようございます。

今日の お天気
元気に お届けします。

では 東京の お天気を
お伝えします。

[あの日 2011年 3月11日]

[テレビのニュースで
地震と 津波の映像を 見たとき

体が震え
涙が 止まらなかった]

[震災の日から
心に しこりがある]

[同じように
余震に おびえていても

それでも 故郷より
安全な場所にいる]

[寒さもなく
のうのうと 暮らしている]

[私がしたことは わずかな募金と
ささやかな ボランティア]

《姉ちゃんにだって
何か 少しは 役に立てる…》

(光)《やめろって。 俺たちの
ホントの つらさなんか

分かんねえべ》

(みか)弟君とはさ 会えたの?

うーん。 会えたっていうか。
うん。 まあ 会った。

(みか)そう。
夜中まで 話し込んじゃってさ。

(みか)仲 いいんだね。
えっ?

(みか)私はさ 一人っ子だし
父も いないし。

何か ちょっと うらやましいな。
仲のいい きょうだい。

一人っ子なんだ。
みかちゃんって。

うん。 母もさ
5年前に 病気しちゃって。

そう。

(みか)でも 今は
だいぶ 元気になったんだけどね。

それは よかったね。
(みか)うん。

ここに 出向になったときさ

一瞬 田舎へ 帰ろうかなって
思ったんだけど。

でも 帰れなかった。
どうして?

(みか)うん?
うちの親 離婚してんのよ。

で 母は
女手一つで 娘をってやつ?

私に 思い切り
期待かけてたからさ

会社 辞めて 帰るなんて
言ったら ショックで

病気 悪化するんじゃないかとか
思っちゃって。

子供のころからさ これからは
女の子も 学歴つけて

経済的にも 自立しなきゃ
いけないとか 言われ続けてさ。

ずっと 勉強ばっかりしてきて。

おかげで 家事はしないで
済んだけど。

作れる料理は
シジミの味噌汁だけ。 フフッ。

みかちゃんって
田舎 どこだっけ?

(スミレ)シジミの 島根。
(みか)えっ? 何で?

(スミレ)部下のことは
把握してるから。

スミレちゃんって 田舎 どこ?
(スミレ)うん? 淡路島。

(みか)福島。 島根。 淡路島か。

って 私語してる場合じゃ
ないんだけど。 ちょっと来て。

(スミレ)ここだけの話だけど…。
あっ。 ショック 受けないで。

これ 聞いても。
うん。 たぶん 大丈夫。

(みか)ショックなら
受け続けて ここまで きたから。

(スミレ)来月早々 出向組に
希望退職 募るらしい。

希望退職!?
(スミレ)しっ。

そうなんだ。

[とはいえ それは
少なからず 衝撃的な事実だった]

(スミレ)けど 絶対 阻止するから。
2人を 辞めさせたりしない。

っていうか 本当は
一人も 辞めさせたくない。

(終業の合図)

(前園)あっ。 チームリーダー。
(スミレ)はい?

(前園)あら。 あら。
何か 皆さん 今日は とっても

決まってらっしゃいますね。
別に。 普段着ですけど。

ねえ。
(みか)ねえ。

(前園)どこかへ お出掛けですか?
(みか)はい。

(前園)ああ。 だったら
今日は いいです。

せっかくの お楽しみを
お邪魔しても あれなんで。

(スミレ)ちょっと待ってよ。 課長。
それ リストラのことですか?

はい。

何か 手放しで
楽しめないよね。

楽しむっていうか
追悼なんだけど。 ジルバママの。

(みか)だね。 今ごろ
リストラの話されてるのかと思うとね。

どうなるのかな? 私たち。

≪(真知)はいはい。
くよくよしても

始まんないわよ。 お嬢さんたち。
お入んなさい。

(真知)ジルバの関係者なんでしょ。
あなた 背中 丸いわね。

背中 はい。 伸ばして。

ひとたび ジャック アンド ローズに
足を 踏み入れれば

そこは 浮世を離れた 別世界よ。
カモン。

誰だっけ?
どっかで 見たことある。

(みか)あっ。 ほら。 あのう。
テレビに よく出てる。

直木賞作家の。
歯に 衣 着せぬ 論調で

世の男を ばっさばさ 斬る…。

(みか・新)大田原 真知。

テレビ以上の インパクト。
好きなんだよな 私。

チーママ?

♬~

♬~

(みか)うん? どうした?

私って つくづく
気が利かないなって。

今日 仕事 休んで
手伝えば よかった。

(エリー)いいのよ。
何 言ってんの。

今日はね 私たちが
皆さんを ご招待する日なの。

だから アララも
楽しんでってね。

(みか)ちょっ ちょっ。
あの人って?

(エリー)ああ。 チーママ?
昔 ここで 働いてたの。

えっ!?
(エリー)歴代ホステスの中の

出世頭ね。
≪(ドアの開く音)

(エリー)ああ。 浅山さん。
(浅山)エリー!

(エリー)ようこそ!

(ひなぎく)真知ちゃんはね 昔

「ばくれん お真知」って いわれた
有名な 不良娘だったの。

(みか)ばくれん?
って 何ですか?

(ひなぎく)今で言う
スケバンみたいなもんかな。

(みか)スケバンも
今は 言わないけど。

そこ ツッコまないの。 ここでは。
(みか)はい。

(ナマコ)チーママは あだ名。
新人なのにね

ママみたいに 態度 でかいから。

真知の反対で 「チマ」
「チーマ」 「チーママ」

あれ? スミレちゃんは?
(みか)まだ 仕事なんです。

ああ そう。 大変だね。
チームリーダーは。

どういうことか
意味 分かんないんですけど。

来月 出向社員に向けて
希望退職を募るって 聞きました。

(スミレ)それは
なくなったんですか?

(前園)それは あります。
それも 行う予定です。

ただ その前に 管理職である
チームリーダー 本人に

希望退職の打診を
するようにと。

だから 誰から?

上からの指示です。

もちろん 今すぐに 結論をと
いうわけでは ありません。

でも もしも 希望をされる場合は
えー 退職金は 通常よりも…。

マニュアルどおりに
言うんじゃないよ。

理由は 何ですか?
私を 首にする。

パワハラです。
(スミレ)えっ?

(前園)あなたの言動が パワハラに
当たるのではないかと。

そういう声が 出ています。

♬~

皆さま。 ようこそ。
オールド ジャック アンド ローズへ。

今日は ジルバが亡くなってから
9回目の命日。

あの日のことを 思うと
つらいですけど

でも ジルバは 「そんなことで
めそめそするんじゃない」って

私たち 言われてるような
気がします。

そのために 彼女は
この店を残し

私たちは これを
継いできました。

ですから こよいは…。
≪(ドアの開く音)

ジルバママと 一緒に
歌い 踊り 飲み

笑いましょ。
そして ジルバママが好きだった

ブラジルの お酒 ピンガを
お手に。 どうぞ。

では ジルバママに 献杯。
(一同)献杯。

(エリー)一同 愛を込めて。

(ナマコ)当店名物 ラインダンス。

(歓声)
♬(音楽)

♬~

♬~

(みか)嘘。
大田原 真知。 着物で センター。

(みか)すごいね。 この お店。

ラインダンス 初めてだっけ?
(みか)初めて。

おめでたい日には 必ず やるの。
まあ 追悼だけどね。

♬~

[チーママさんの
言うとおり

ひとたび 扉を開ければ
ここは 別世界]

[つらいことも 悲しいことも
大変なことも

全部 吹き飛ばして
笑顔になれる 不思議な お店]

[初めて 会った人も

長い お付き合いの人も
ここでは]

光。
今日 帰るんじゃなかったの?

(光)うん。 帰るよ。
最終の 新幹線で。

その前に ちょっとだけ

姉ちゃんの顔 見てごうかと。

♬~

(バイブレーターの音)

(滝口)スミレちゃん。
遅かったじゃないの。

(花山)おう。
まだ いるよ。 みんな。

(スミレ)あっ。 はい。

(滝口)スミレちゃん 到着です。
スミレちゃん。

(みか)お疲れさま。
どうだった? 前園の話。

大した話じゃなかった。
事務手続きのこと。

そう。

(スミレ)この先の 詳しいことは
まだ 決まってないみたい。

(みか)そうなんだ。
取りあえずは よかった。

今ね チーママさんが ジルバママのこと
話してくれてるの。

チーママ?

あっ。 大田原 真知。 何で?
(みか)早く 早く。

チーママさん。
(真知)うん?

私の 昼の勤め先の…。
友達です。

(スミレ)どうも。

(真知)じゃあ あなた
ここ 座んなさい。

あなた こっち 来て。
(石動)どうぞ。

あと これ 弟。

笛吹 光です。
初めまして。

(スミレ)こんばんは。
(石動)これ スミレさんの分…。

(真知)えーと。
どこまで 話したっけ?

(JUZO)ジルバさんが
ブラジルで

また 子供のころに
開拓途中の コーヒー農園で

お父さんを
亡くしたところまでです。

(真知)そう。 そのころの
日本人移民の 苦労は

想像を絶したの。

サンパウロから はるか 400km
離れた 奥地 マリリアを

機械なんて ほとんどない中
自分たちの手で 切り開いたのよ。

(マイカ)自分たちの手で?
(真知)そう。

夏は 焼け付くような 太陽。
雨期には スコール。

川の水なんて
飲めた代物じゃないわ。

そこへもってきて あなた。

マラリアで どれだけ 多くの
子供たちが 命を落としたことか。

(真知)ううん。
子供だけじゃない 大人も。

ちはまの父親も
例外じゃなかったわ。

ちはま?

ジルバの本名。 星ちはま。

星ちはま。

(真知)東北の 福島の
海沿いの寒村から

赤道を越えて 地球の真裏まで
船で 2カ月。

言葉も分かんない 未開の地に
いきなり 放り出されたの。

そこで ちはまは生まれ
兄と姉と 共に育った。

父の死後 ちはまは

家計を助けるために
街へ出て 働き始めた。

そこで 出会った
日本人移民の男性と 恋に落ち

結婚することに なったの。 えー。
1938年。 昭和13年のことだわね。

やがて
第2次世界大戦が 始まり

敵国となった ブラジル国内で
日本人の弾圧が 始まったのよ。

それを逃れるために
ちはまの夫は 決意するの。

妻と 生まれたばかりの娘を
連れて 日本に帰国することを。

(みか)ジルバさんは
ブラジルで 生まれて

ブラジルで 育ったんですよね?
(真知)そうよ。

そこを離れるのは
不安じゃなかったんですかね。

(真知)そりゃ もちろん
不安だったでしょうよ。

いくら 祖国っていったってさ
見たこともない国なんだから。

でも ちはまは
愛する人に ついていくと 決めた。

そして 乳飲み子を抱えて
帰国船に乗った。

その船上で。 日本まで
あと数日っていうときに

ちはまの 夫と 赤ん坊は

感染症にかかって
亡くなってしまうのよ。

(マイカ)そんな。 ひどい。

(真知)やがて 船は 神戸港へ。

見知らぬ土地に 一人
ちはまは 降り立った。

世界に たった一人。
ここは 本当に 祖国なのか?

それから 半年後。
今度 あなた 太平洋戦争よ。

ジルバは 日本で
戦渦に 巻き込まれることに。

あっ。 こっから先はね

くじらママと マスターの方が
詳しいのよ。

ねえ。 あれから この店
立ち上げるまで 何年?

うん? ああ。 忘れたわ。

(幸吉)9年だ。

9年。

しんきくさい話は やめようって
言ったじゃないの。

しんきくさくなんか ないわよ。
大事な話よ。

ジルバの歴史。 ねえ。

あら。 ちょっと この子
何だか ジルバに似てない?

えっ?
(真知)いやいやいや。 ちょっと。

雰囲気がさ。 ほら。

あっ。 それでか。
マスター。

どうも おかしいと 思ったのよ。

急に 若い子 いれるなんて。
まあ いいわ。

それから ジルバが 90で
亡くなるまでの 60年間

この店で どれだけの お客さま
どれだけの 女の子たちと

ジルバは 出会って
別れたことか。

ナマコなんて。
ナマコ。 ちょっと。

(ナマコ)はい。
(真知)このナマコなんてさ

ジルバに 娘のように
育てられてね。

ここから お嫁に
出してもらったんだから。

(スミレ)えっ? そうなんですか?
(ナマコ)そうなの。

私ね 捨て子だったの。
ジルバが 母親代わり。

じゃあ 本当の親の顔は…。
(ナマコ)うーん。 覚えてない。

最期は みんなで
みとったのよ。

ねえ? ナマコ。
(ナマコ)うん。

はぁ。
わが物顔で 言いたい放題。

あの時代のことは
何も知らないくせに。

(幸吉)職業病だな。

見てないことも
見てきたように 書く。

それが 小説家だ。

(JUZO)JUZO やって参りましたよ。

あの子ね 昔から
仕切りたがり屋なの。

(JUZO)へぇ。
(エリー)それが 持ち味。

きっと このこと
小説のねたに するつもりよ。

でもね ジルバは どんな子も
おおらかに 受け入れてた。

(幸吉)語り部も 必要さ。

でないと あのころのことは
どんどん 風化しちまう。

自分じゃ 言いたくないことも
あるだろ?

戦中。 いやぁ。
戦後の あの時代のことはさ。

姉ちゃん。
うん? 何?

俺 ジルバさんの話
聞き入っちゃって

最終電車 乗り遅れた。
はっ?

大丈夫か? この きょうだい。

(ひなぎく)やっぱり
アララの弟ね。

♬(音楽)
(エリー)あっ。 真知ねえ 踊って。

真知 踊りなさい。
トークタイムは おしまい。

(真知)え~。 私 もう 疲れた。

(ナマコ)そう 言わず。
踊ろう。

(みか)私も 踊っちゃおうかな。

スミレちゃん スミレちゃん。
(スミレ)ああ。

♬~

[そうして その夜は
みんなで 踊り明かした]

(ナマコ)ごめんね。
待たせちゃったな。

(スミレ)私もです。
(ナマコ)うん?

私も 親 いないんで。

[朝まで 飲み明かすなんて
いつ以来だろう]

[でも とても
すてきな時間だった]

ありがとう。 ジルバママ。

あんた 大丈夫?
新幹線 乗り過ごさないでよ。

気付いたら 盛岡まで
行ってそうだし。

姉ちゃんこそ 大丈夫が?
今日も 仕事なんだべ。

まあ 何とか なるでしょ。
まだ 若いし。

住んでだ町が
なぐなるって

何つうか こんな のんきな 俺でも
きつかった。

ジルバさん
こごがら 始めたんだな。

いや。 その前に 船の上で
家族 亡ぐして。

そのごど 思ったら
俺も 頑張らねばって

何か 勇気 もらった。

こごに寄って よかった。

[ジルバさんも 弟も

どれだけの苦しみを 笑顔の下に
抱えているのだろう]

[なのに 私は…]

姉ちゃん。
うん?

東京さ いんのが
きつくなったら

いつでも うちさ 帰ってきて
いいんだよ。

俺らが 住んでるがらって

姉ちゃんの居場所が
ねえわけじゃ ねえんだがら。

何 言ってんだか。

♬~

さすがに 完徹の後の労働は
しんどいね。

(みか)うん。 はじけ過ぎたね。
あっ。 弟君は?

うん。 朝一の新幹線で 帰った。

(みか)仲いいね。
お姉ちゃんのそばにさ

少しでも 長く
いたかったんじゃないの?

まさか。

東京が しんどくなったら

田舎 帰ってきてもいいよって
言われちゃった。

心配してるんだよね 仕事のこと。
たぶん。

情けないな。 弟は 前 向いて
頑張ってるのに。

(バイブレーターの音)
(みか)うん?

(みか)ああ。 そう。

(みか)ああ。 島根の母のね
病気が 良くなったって。

今日さ 5年目の
検診だったんだけど

何でもなかったって。

5年たって 大丈夫なら
もう 大丈夫だって いわれてたの。

よかったね。

あっ。 ごめん。
ちょっと 電話してくるよ。

うん。

(みか)ああ。
もしもし。 お母さん?

あんな うれしそうな
みかちゃん 初めて見た。

いいね。 家族が いるって。

(電話のベル)

(美也子)はいはい。 はいはい。
(電話のベル)

(美也子)ああ。 もしもし。
あっ。 お母さん?

新。 いかにんじん ありがとう。

(美也子)うん。 食べた?
どう? うめがった?

うん。 おいしかったよ。
やっぱ うちの味だなって。

光は? ちゃんと 着いた?
全然 連絡 来ないんだけど。

それがさ 帰ってきた途端
バタンキューで 寝て

起きたら 慌てて 用があるとか
言って

タッツーたち 連れて 出掛けた。

そっか。

(美也子)何だか 姉ちゃんと
夜中まで 話したって。

何 そんな 話すこと あんの?

フフッ。

(美也子)あんたは?
元気なの?

うん。 元気だよ。

だったら よがったげんじょ。

ほら。 最近 あんまし
連絡 よこさねぇがら

お父さんも…。 あれ?
今 ここさ いたのに。

お父さん? お父さん?

(美也子)お父さん?

お母さん あのね。

(美也子)うん?

あのね
私 会社の他に

夜 バイト 始めたんだ。

えっ? いや。 何の?

うん。
まあ だから…。

飲食店。

[やはり バーとは言えなかった]

(美也子)そう。

光も その お店に 来てね。

あっ。 蔵カフェのこと 聞いたよ。

光が 頼もしくなってて
びっくりした。

やっと 乗り越えられたのかな?

(美也子)うん。
まあ どうだがね。

まだまだ これがらでねぇが。

8年たって やっと 今が
スタート地点だべ。

(美也子)まあ だげんじょ
あんたが

変わりなくやってるって
聞いて ひと安心。

体にだけは 気ぃ付けんだよ。
もう 若くねえんだがら。

[あっ。 これが 私の家だと
そのとき 思った]

[母の おしゃべりも
田舎の のんきな空気も

何もかもが 懐かしく]

[でも ここからは
近くて 遠い 古里]

[そこには 今 満天の星が
きらめいているのだろうか?]

♬~

♬~