「DOCTORS~最強の名医~」2021新春スペシャル[解][字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
「DOCTORS~最強の名医~」2021新春スペシャル[解][字]
患者のためなら手段を選ばないスゴ腕の外科医・相良浩介(沢村一樹)が3年ぶりに帰ってくる!!
◇番組内容
堂上総合病院の創立100周年を翌年に控え森山院長(高嶋政伸)は記念式典の協議を進めていた。そんな森山に事務長の桃井(小野武彦)は渋い顔。案の定、銀行の融資課課長・花村(石田ひかり)からも、式典のための融資は断られてしまう。花村から根本的な“体質改善”が必要なのではと問われ、森山は経営改革に取り組むことに。しかし、的外れな方向にいく森山に相良(沢村一樹)や皆川(伊藤蘭)は面倒が起こりそうな予感を抱き…
◇出演者
沢村一樹、高嶋政伸、比嘉愛未、黒川智花、宮地雅子、正名僕蔵、滝沢沙織、浅利陽介、敦士、斉藤陽一郎、尾崎右宗、阿南敦子、小野武彦、松坂慶子、伊藤蘭、野際陽子
【ゲスト】石田ひかり、橋本じゅん、野間口徹、飯尾和樹、吉田鋼太郎
◇脚本
福田靖
◇監督
本橋圭太
◇音楽
林ゆうき
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】三輪祐見子(テレビ朝日)
【チーフプロデューサー】黒田徹也(テレビ朝日)
【プロデューサー】都築歩(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ)
◇おしらせ
☆番組HP
https://www.tv-asahi.co.jp/doctors/
☆Twitter
https://twitter.com/DOCTORS_tvasahiジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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(瀬戸 晃)
これ チクッとしますか?
(宮部佐知)いいえ。
(瀬戸)ここは どうですか?
大丈夫です。
千住先生 ピンプリックでの
麻酔レベル オーケーです。
(千住義郎)
もう 麻酔効いてますからね。
はい。
(相良浩介)準備は?
(瀬戸)できてます。
(千住)いつでもどうぞ。
このオペは 腰椎麻酔で行います。
痛みは全く感じないからね
宮部くん。
はい。
何も心配しないで
安心して僕に任せて。
よろしくお願いします
相良先生。
じゃあ 始めよう。
メス。
(看護師)はい。
♬~
(桃井正一)本日は 堂上総合病院
創立100周年記念式典に
ご列席頂きまして
誠にありがとうございます。
(拍手)
(森山 卓)ついに この日が…。
(桃井)まず初めに
院長より ご挨拶させて頂きます。
院長! どうぞ。
うん。
(拍手)
(拍手)
堂上総合病院 院長の
相良浩介です。
(拍手)
ありがとう。
えっ…。
(拍手)
千住先生 バイタルは?
(千住)問題ありません。
オペは順調に進んでるからね
宮部くん。
大丈夫だよ。
嬉しい。
ん?
相良先生が そんな優しい言葉を
かけてくださるなんて。
だって 君は
僕の大切な患者さんだもの。
メッツェン。
(看護師)はい。
森山前院長時代
この堂上は どん底にありました。
そのとおり!
んんんん…。
しかし 私が院長に就任し
皆様のお力添えもあり
V字回復!
堂上総合病院は 自他共に認める
一流病院となったのです。
(桃井)そのとおり!
(佐々井 圭)
さすが! さすが相良院長!
さすが!
(拍手)
ありがとうございます。
ありがとうございます!
んんんん…!
3-0。
(看護師)はい。
結紮してください。
(瀬戸)はい。
うん。
宮部くんの肝臓は
とてもきれいだ。
本当に?
うん。
僕のコレクションに
したいぐらいだよ。
相良先生に… 差し上げます。
クーパー。
(看護師)はい。
(相原亜美の声)
先輩… 先輩! 先輩!
今日は 創立100周年にふさわしい
サプライズを用意しました。
(どよめき)
森山前院長を
この堂上から追放します!
何!?
(桃井)うおーっ!
(歓声)
いやいやいや…
いやいや いやいや
いやいや… いやいや…!
(森山日美子の声)
卓ちゃん。 卓ちゃん。
いやいやいや…。
(日美子)卓ちゃん 卓ちゃん。
いやいやいや… 相良!
(日美子)卓ちゃーん!
何? 変な夢 見ちゃったのね
卓ちゃん。
怖かった…。
怖かった ママ… 怖かった。
怖かった 怖かった…!
(亜美)先輩 先輩!
はい!
(亜美)寝てたでしょ 今。
疲れてるんですか?
変な夢 見ちゃった…。
今日も頑張ろう。
♬~
院長 おはようございます。
相良先生。
はい。
まだ諦めてないのか。
はい?
俺が院長になって もう3年だぞ。
それなのに君は…。
堂上総合病院 院長の
相良浩介です。
まだ 良からぬ事を
たくらんでるのか?
えっと… なんの事でしょう?
君は ただの勤務医。 俺の部下だ。
黙って患者を診てりゃ
いいんだよ!
フッ… どうしたんだろう。
でも 僕は
あなたの部下じゃありませんよ。
♬~
(乾 丈太郎)堂上総合病院
創立100周年記念式典の
企画書です。 森山院長。
おおっ! さすが乾さん
仕事が早いね。
我々 広告会社は
スピードが命ですから。
桃井事務長も どうぞ。
ああ…。
いよいよ来年ですか。
(乾)創立100周年は
盛大にお祝いしましょう。
当然だ。
しかし 予算を考えると
盛大にしなくても…。
ん? 国会議員!
都知事も呼ぶのか。
そりゃ呼ばなきゃ。
うちなんかに
来てくれるんですか?
「うちなんか」ってなんだよ
事務長。
(乾)地域の医療を
ずっと支えてこられたんですから
堂上さんは。
100年間だぞ? 一世紀だぞ。
ねえ 伯母さん。
(乾)前の院長先生ですね。
今 ブータンで診療所やってるよ。
物好きだよな。
こういう政治家の方々には
どれぐらいのお礼を包めば…。
金の事は あと。
白毛和牛って何?
去年 テレビの漫才グランプリで
優勝した…。
お笑い芸人も呼ぶんですか?
有名なの? 白毛和牛。
(乾)もう大人気!
呼んでよし!
すみません 306の
木原幸子さんの看護記録
見せて頂けます?
はい。
宮部さん 皆川先生に。
わかりました。
あっ 亜美ちゃん
点滴交換 お願い。
今から行ってきます。
ごめんなさいね 忙しいのに。
大丈夫ですよ。
吉川さん
配薬の準備できてるわよね?
ばっちりです。
どうぞ 皆川先生。
ありがとう。
お疲れさまです。
師長 大村稔さんの尿量
確認したいんですが…。
はい。
(戸紀子)どうぞ。
ありがとうございます。
宮部くんの肝臓は
とてもきれいだ。
相良先生に… 差し上げます。
♬~
どうしたの? サッちゃん。
ごめんなさい…。
ラウンド行ってきます!
500か…。
はじめまして。 この度
融資課長に着任致しました
花村でございます。
堂上総合病院 院長の
森山でございます。
(玲子)頂戴致します。
まあ! 立派なお名刺。
前は 金箔でコーティングした
名刺だったんですが
大変な人気で
なくなってしまいまして。
(小岩井 実)
私は 以前 頂きました。
おおっ! それはラッキー。
堂上総合病院は 大正11年にできた
堂上診療所から始まりまして
昭和14年に堂上医院
平成3年には堂上総合病院に。
そして 来年で創立100周年。
盛大な記念式典にしたいと
考えております。
総額1400万…。
融資は難しいですね。
(森山・桃井)えっ?
1400万は出せません。
これは 堂上にとって
大事なイベントなんです。
私の晴れ舞台なんです。
堂上さんは 2期連続の赤字です。
経営状態が悪化したきっかけは
はっきりしてますよね。
2年前 森山院長は
周囲の反対を押し切って
温泉を掘られた。
でも 結局 温泉は…。
(桃井)出ませんでした。
(玲子)あれで
多額の損失を出したわけでしょう。
銀行からお金を借りて
白毛和牛を呼ぼうなんて
おっしゃってる場合でしょうか。
白毛和牛が問題なんですか?
(桃井)だから 売れっ子は
ギャラが高いって…。
白毛和牛が駄目なら
第2候補のたこ八丁とか
三色ペンギンでも…。
…そうじゃなくて
根本的な体質改善が
必要なのでは?
体質改善?
こう見えても 昔は
今より 20キロ太ってたんですよ
私は。
でも 食事制限や独自に開発した
フラフープダイエットで
今は この体形に。
院長。
そういう事を
医者の私におっしゃるのは
釈迦に説法。
私は この病院の経営状態を
問題にしてるんです。
(桃井)申し訳ございません。
じゃあ 私に どうしろと?
それは そちらで
お考えになる事でしょ?
なんだよ 体質改善って。
話を すり替えやがって。
(桃井)
花村課長がおっしゃってるのは
記念式典をやるなら
今の堂上の身の丈に合った…。
来年までに
赤字をなくせるわけないだろ!
(三田沢)
よく こんなもん出してきたな。
(玲子)森山院長には
病院の体質改善が必要だと
お伝えしました。
あの病院は駄目です。
今後の融資も慎重に考えたほうが
いいんじゃないですか 支店長。
その辺は 花村くんに任せる。
君の判断で動いてくれ。
(玲子)はい。
(キーボードを打つ音)
(瀬戸)相良先生。
小宮啓一さんの手術プラン
見て頂けないでしょうか?
もちろん いいよ。
ありがとうございます。
小宮さんって 胃がんの?
胃を全摘するんです。
あら… 結構 難しいオペ。
相良先生が やってみなさいって。
もう 一人前の外科医ね
瀬戸先生も。
いやあ~!
(佐々井)やれやれだよ。
今日の患者
失礼ですけど 佐々井先生は
キャリア何年ですか?
1年間の手術量は
どのくらいですか?
(高泉賢也)そんな事
聞いてきたんですか?
(佐々井)オペの説明してたら
いきなりだぜ。
(段原 保)マジで?
(千住)キャリア聞いて
どうすんだよ。
でも 患者さんにしてみたら
ドクターが どんな人物なのか
気になるでしょう。
そうよ。
自分のおなか切られるんだから。
面倒がらずに答えてあげなきゃ。
(瀬戸)はい。
なんだよ 「はい」って。
えっ…。
えっ? 相良先生と一緒になって
俺に説教する気?
いやいや いやいや…。
自分も反省しなきゃなって。
簡単に相良先生に同調するからな
瀬戸先生は。
別に悪い事じゃないでしょ。
相良先生のまねなんかしてたら
過労死しちゃうぞ。
今は 病院も
働き方改革ですもんね。
患者が大事っていう前に
自分を大事にしなきゃ。
そのとおり!
(佐々井)森山院長!
今の世の中
きれい事は通用しないぞ
瀬戸先生。
(瀬戸)はい!
相良先生も
ご自分の古臭い考えを
若いドクターに押しつけちゃ
駄目駄目!
僕は別に…。
古臭い考えじゃないでしょ。
(千住)院長!
(高泉)医局に来てくださるのは
久しぶりですよ!
下界に降りてきてやったよ。
嬉しいなあ!
(佐々井)瀬戸先生 院長にカフェ。
(瀬戸)あっ… はい!
ダンケシェーン。
あっ。
そういえば 森山院長。
創立100周年記念式典のあれ
どうなりました?
(和枝)そうだ
銀行に行ってらしたんですよね?
誰に聞いたんですか?
融資はしてもらえるんですか?
誰に聞いた?
(千住)事務長が。
(段原)僕も聞きました。
(高泉)僕も。
余計な事を… ったく。
あれ? お金
貸してもらえなかったんですか?
(和枝)銀行に断られたの?
こ… 断られてない。
ただ… 訳のわからない条件を
出してきやがった。
条件?
体質改善だって…。
(瀬戸)体質改善?
堂上を体質改善して
赤字を減らさなきゃ
100周年記念式典に金は出せない
って言うんだよ。
なるほど。
曖昧なんだよ
体質改善なんて言葉は。
堂上100周年が
盛大に盛り上がれば
うちの経営は
簡単にV字回復できるじゃないか。
ですよね!
(ため息)
V字回復…。
ああ~ 思い出したら
また腹立ってきた!
(瀬戸)コーヒーです。
いらない!
(瀬戸)えっ?
出前を頼め。 特上天丼だ!
俺のだけ院長室に届けさせろ!
(瀬戸)はい…。
なんだか
また面倒な事になりそう。
ですね。
(和枝のため息)
(桃井)ブータンは
そんなに いい所なんですか?
せめて100周年まで
あなたに院長でいてほしかった。
(ため息)
また ため息。
朝ご飯は ちゃんと食べて
卓ちゃん。
100周年の事で
頭がいっぱいなんだよ 僕は。
ああ 体質改善。
何すりゃいいんだか もう…。
ホームページ 変えてみたら?
ホームページ?
私 前から思ってたの。
この院長挨拶は
どうなのかしらって。
「古今東西名医と呼ばれる医者は
たくさんおりますが
名医名医と申しましても 世の中に
病気は たくさんあるわけで
例えば癌だけでも 胃癌 大腸癌
膵臓癌 肝臓癌と…」
何が悪いんだよ。
言いたい事が よくわからない。
はあ?
読んでると病気になりそう。
あのね ママ。
僕は ちゃんと考えて
これを書いてるの。
がんになった人の気持ちを
考えてごらんよ。
みんな 「胃癌 名医」「大腸癌 名医」
ってネットで検索するんだよ。
そしたら
このページにヒットするわけさ。
なんたって この院長挨拶には
「名医」って言葉が
15回出てくるんだから。
院長挨拶って そういうものなの?
もっと親近感みたいなものを
大事にしたほうが
いいんじゃないのかしら。
ママ…。
卓ちゃんの優しい人柄が
わかるような。
院長挨拶が体質改善と
なんの関係があるんだよ。
(乾)大いに関係ありますよ 院長!
ええ…?
院長は 病院の顔です。
院長のイメージを良くする事こそ
手っ取り早い体質改善。
お母様のおっしゃる事は
まさに正論!
でも 院長挨拶を変えるだけで
銀行が納得しますか?
しない。
これは パフォーマンスです。
(桃井)パフォーマンス?
堂上さんが 来年までに 赤字を
なくす事なんてできますか?
できない。
だったら。
体質改善しますからって
態度を示す事が大事なんです。
100周年記念式典
やりたいんでしょ? 院長。
当たり前だ!
やってもらわなきゃ
うちだって困ります。
院長挨拶を変えて
銀行にアピールしましょう。
変えるって どう…。
感動的な院長挨拶にするんです。
大事なのは物語。
物語のない挨拶に感動はない。
森山院長がドクターを志した
きっかけは?
おじさんとおばさんが
医者だったから…。
弱い!
きっかけとして弱すぎる!
2人に子供がいなかった…。
弱い!
医者は みんなが
先生って呼んでくれるから…。
(乾)最悪だ!
最悪です!
他に何があるってんだよ!
院長挨拶を変える?
(桃井)今 他に手の打ちようがない
という事に…。
(戸紀子)広告会社に
乗せられてるだけ
なんじゃないですか?
向こうにしてみりゃ とにかく
記念式典をやってくれりゃあ
お金が入ってくるんだから。
(和枝)大体 体質改善って
院長のイメージが
どうこうじゃなくて
病院の本質を変えろ
って事でしょ。
いやいや それは
私も そう思うんですが…。
まあ でも
院長自身が ドクターを目指した
理由を見つめ直す事は
意味があるかもしれませんよ。
うん…
意外といい話が出てくるかも!
フッ… そうかしら?
(戸紀子)全然 期待できない。
そんな事 言わないで。
(PHSの着信音)
あっ…。
(PHSの着信音)
はい 相良です。
(看護師)「相良先生
救急搬送の連絡が入りました」
わかりました。 すぐ行きます。
(サイレン)
花村課長!
(玲子)支店長に
連絡入れてちょうだい。
あとで私から電話しますって。
骨折ですか?
(玲子)とりあえず
今日の予定はキャンセル。
わかりました!
骨折…。
(玲子)くれぐれも
先方には謝っといてよ。
了解です。
(玲子)お願いね!
骨折されたんですか?
右足の腓骨に
ヒビが入っただけで済みました。
ヒビ?
はい。
ああ よかった…。
階段から転げ落ちたって
聞いたから…。
もし 頭を打っていたら
大変でしたよ 花村さん。
花村課長だ。
この方は 東京よつば銀行の…。
融資課長さん。 伺ってます。
手術は必要ありませんから
安心してください。
ただ 2~3日
入院して頂く事になりますけど。
2~3日?
はい。
花村課長に特別室を用意して。
特別室?
(玲子)そのような便宜は
必要ありません。
我が行のコンプライアンスに
反しますので。
そんな水臭い…。
普通の病室でお願いします。
できたら 個室がありがたいです。
(戸紀子)わかりました。
遠慮しなくていいのに。
僕とあなたの仲じゃないですか。
2日で退院させてください。
先生 仕事があるんです。
それは… 様子を見て。
今は うちで
ゆっくり休んでください。
花村課長。
ヒビが入っただけ?
(三田沢)怪我が軽くてよかった。
(岸 弘幸)じゃあ
すぐ戻ってこられるんですか…。
(三田沢)戻ってくれなきゃ
困るだろ。 この忙しい時に。
クソ…。
頭打ってりゃ よかったのに。
(岸)いやあ 一瞬 係長に
チャンスが回ってきたと
思ったんですけどね。
俺もだよ。
(みずき)「必ず
お嬢さんを助けます。 必ず!」
(亜美)「お母さんに
力強く約束して
手術室に入っていく
叔父と叔母」
「少年だった私の目から溢れる
大粒の涙」
(キーを打つ音)
「僕も絶対医者になる!」
「医者になって
たくさんの人の命を
助けるんだ 助けるんだ
助けるんだ……」
何? これ。
師長 ホームページの院長挨拶が!
(戸紀子)知ってます。
なんなんですか?
この気取った文章は。
しかも微妙な感動話。
本当に こんな事が…。
作り話に決まってるわ。
(一同)えっ?
失礼だな 君たち。
院長!
ディス イズ リアルストーリー。
これを読んだ人が
ああ 森山院長は
なんて素晴らしい人だ。
病気になったら
堂上総合病院に行こう。
早く怪我して行きたいな。
そう思ってくれたら
体質改善の第一歩。
(亜美)何 言ってるんですか?
(みずき)わかんない。
そんな事より。
花村玲子さんは
丁重に扱うように。
彼女はVIPだからね。
VIP?
(戸紀子)院長。 私たちにとっては
どの患者さんも…。
3つのP!
僕が前に訓示しただろう。
君は誰?
(みずき)はい?
名前だよ。
吉川です。
彼女は もう15年以上
ここで働いて…。
1つ目のPは?
Pride。
それは最後だ。 一番大事なPだが
1つ目じゃない。
Patient!
そう 患者。
誰?
相原です。
亜美ちゃんも
10年 ここで働いてます…。
2つ目のPは?
Priority。
意味は?
優先順位。
そういう事だよ。
はあ?
花村課長の優先順位が
高いって事さ。
(戸紀子)だから…。
「だから」はいい!
とにかく
花村課長の機嫌を損ねるな。
また院長がおかしくなった。
僕が医者を目指した
きっかけです。
素敵なお話ですね。
じゃあ
出して頂けますか? 1400万。
えっ?
堂上の体質は改善されました。
ご冗談を。
(ため息)
あいつは最初から
金を出すつもりなんかないんだ!
堂上100周年なんて
どうだっていいんだ あいつは!
(桃井)あいつ呼ばわりは駄目!
どうするんだよ 乾さん!
今 考えてます!
うちだって 何がなんでも
記念式典やってもらわなきゃ…。
あとは 堂上がどうなろうと…。
はあ?
今 なんつった?
いや… 今のは つまり その
100周年から先の堂上さんが
どうなるか楽しみだと。
本当に?
もういい!
俺だって とにかく100周年。
記念式典が俺の晴れ舞台なんだよ。
そのあとは どうでもいい!
いや
どうでもよくはないでしょう!
(ノック)
誰だ!
卓ちゃん。
(桃井)お母様!
ママ。
(乾)ママ?
いや ああ… 母さん。
どうしたんだよ いきなり。
(日美子)お買い物の途中に
つい寄っちゃったの。
どうしても
卓ちゃんの顔が見たくて。
卓ちゃん?
読んだわよ 院長挨拶。
もう ママ… 感動しちゃった。
…そう。
でも あんな事あったかしらね?
桃井さんは ご存じ?
いえ…。
あれは いつの事?
あっ!
お姉さんは覚えてるかしら。
今日 電話しちゃおう ブータンに。
駄目だよ ママ。 ああ…。
(せき払い)
母さん。
電話は駄目!
(日美子)どうして?
だって あれは…。
私が考えました。
(日美子)えっ?
乾さん!
(日美子)考えた?
それが広告会社の仕事ですから。
…嘘って事?
そう… とも言えるかな。
堂上さんのイメージアップを
狙った作戦です。
いいんです。 ノープロブレム!
(和枝)やっぱり あれは…。
作り話だったんですね。
(日美子)
院長挨拶を変えたほうがいい
って言ったのは 私なの。
卓ちゃんの優しい人柄を
ちゃんと紹介したほうがいいって。
優しい人柄…。
まあ 確かに
前の院長挨拶は変えたほうが
いいんじゃないかなと
僕も思ってはいましたけど…。
卓ちゃんは ただ
100周年記念式典がやりたいだけ。
銀行から お金を借りる事しか
考えてないのよ。
でも 僕は 100周年を祝う事は
悪い事じゃないと思っています。
むしろ ちゃんとやるべきです。
(和枝)堂上は 赤字なのに?
だって 地域に根付いた病院が
100年も続くなんて
すごい事ですよ。
その歴史の重みを
スタッフが
改めて感じてくれれば
堂上で働く事に
誇りが持てますし
モチベーションアップにも
繋がります。
歴史の重みは 大事です。
(和枝)確かに そうかも。
(日美子)でも 心配なの。
卓ちゃんが
広告会社の人に乗せられて
変な方向に
行っちゃうんじゃないかって…。
だったら 毎日 病院に
顔を出されてはいかがです?
(日美子)えっ?
例えば… そう
お弁当を作って それを口実に
様子を見に来るとか。
(和枝)お弁当?
でも 私が そんな事して
いいのかしら?
もちろんです。
どんどん来てください。
ねえ? 皆川先生。
えっ? あっ… ええ! ぜひ。
あっ じゃあ 私 毎日 顔出すわ。
はい。
ありがとうございます!
相良先生 皆川先生。
お待ちしています。
(ため息)
どうして あんな事?
お母様の言う事は
聞くじゃないですか 院長。
少しは暴走を止められるかも。
ふーん… 明紗ちゃんっていうの?
何年生?
(花村明紗)5年生です。
そっか。 学校 終わってから
お母さんのお見舞いに
来てくれたのね。
はい。
いい子ですね 明紗ちゃん。
普段と全然違う。
いつもは
もう 本当 落ち着きなくて。
そんな事ないよ。
心配なのよね お母さんの事。
(玲子)大丈夫よ 明紗。
あっ 宿題 終わった?
うん。
気をつけて帰るのよ。
(明紗)うん。
晩ご飯は どうするんですか?
私は 普段から帰りが遅いから
シッターさんが。
シッターさん…。
(明紗)じゃあ 私 帰るね。
(玲子)うん。
母を よろしくお願いします。
あっ… はい。
(明紗)バイバイ。
(玲子)バイバイ。 ありがとう。
本当 いい子!
うちは 一人親家庭だから
子供は しっかりしちゃうのかも。
お子さん育てながら お仕事も
バリバリされてるんですね 花村さん。
すごいです!
負けず嫌いだからね 私。
でも 階段からコケちゃうなんて
本当 馬鹿。
ゆうべは眠れなかったなあ。
痛みでですか?
仕事の事 いろいろ考えちゃって。
あさってには退院ですから。
怪我も すぐ治ります。
はい。
宮部さんも そうだけど
ここのナースの皆さん
感じのいい方ばっかりね。
あっ… ありがとうございます。
相良先生も
雰囲気はいいし
説明も わかりやすいし。
私たちスタッフには
厳しいですけどね。
そういえば
結婚指輪してなかったわ…。
独身なの? 相良先生。
あっ… はい。
どうして?
みんな ほっとかないでしょ。
宮部さんだって。
えっ? いや…
冗談は やめてくださいよ…。
アイタタタ…。
花村さん?
痛い…。
痛みますか?
イタタタタ…。
相良先生 お願いします。
急いで!
ここは?
(玲子)痛いです。
じゃあ ここは?
大丈夫です。
大丈夫ですか。
階段から落ちた時に
背中 打たれました?
うーん…
ちょっと わからないですけど
でも 痛みは 時々…。
以前から?
(玲子)はい。
ちょっと
お顔を拝見させてください。
(相良の声)右足腓骨の怪我で
入院されている
花村玲子さんなんですが
今日 背中の痛みを訴えられたので
診察したところ
眼球結膜が
やや黄色みを帯びていました。
何!?
(和枝)黄色みを帯びていた…?
これは 胆道の閉塞や
肝炎が疑われる所見です。
しかし CTを撮ってみると…。
(キーを打つ音)
(段原)あっ…。
(佐々井)膵頭部に腫瘍がある。
えっ…?
(瀬戸)本当だ。
膵頭部がん…。
そうなんです。
ちょちょちょ… ちょっと待て!
よりによって…。
(千住)どこまで進行してるんだ?
この写真では 判断できません。
花村さん…。
駄目だ! 花村課長を
死なせるわけにはいかない。
なんとしてでも助けろ!
(指を鳴らす音)
そうか…
これ ある意味 チャンスだ。
えっ?
(和枝)チャンス?
ここで恩を売っておけば
100周年記念式典ができる!
(和枝)ええっ?
できる…!
(高泉)そうか!
(段原)森山院長の晴れ舞台ですよ。
(瀬戸)チャンスって…。
がん…?
膵頭のがんは
ある程度 進行するまで
痛みなどの自覚症状がないので
早期発見が難しくて…。
でも 花村課長は 運が良かった。
怪我して うちに運ばれてきたから
発見できたんです。
治るんでしょうか?
正直に申し上げて 膵頭部がんは
治療の難しい病気です。
でも まだ早期ですよね?
ああ… これだけでは なんとも…。
がんが 他の臓器に
浸潤していなければ大丈夫。
手術で治ります。
手術…?
薬で なんとかなりませんか?
薬だけでは難しいと思います。
仕事を
休むわけにいかないんです!
しっかりと治す事を考えれば
手術すべきです。
切りましょう。
「切りましょう」って…。
明紗ちゃんがいるんですよ
花村さん!
お仕事の事は
今は考えないでください。
(ため息)
セカンドオピニオンを…。
セカンドオピニオン…?
セカンドオピニオンを
受けたいです。
(三田沢)休暇の延長?
(玲子)もう少し
休みを頂きたくて…。
なんだ? 退院が延びるのか?
いえ… 家庭の事情です。
申し訳ありません。
うん… わかった。
退院した!?
大学病院で セカンドオピニオンを
受けるんだとさ。
(段原)うちの診断が
信用できないですか。
(千住)いやいや どこだって
同じ事 言われますよ。
(高泉)あの検査結果 見たら
そうですよねえ。
(瀬戸)でも…。
(電話)
はい 医局。
セカンドオピニオンは
患者さんの権利じゃ…。
うちは 生体肝移植だって
成功させてるんだぞ!
民間病院トップのドクターが
最優先で治療するって言ってんだ。
まったく… 失礼な患者ですねえ!
恩を売るチャンスだったのに…。
院長!
東京よつば銀行の平賀って人が
花村さんの件でって…。
平賀?
融資課の人だそうです。
融資課?
(高泉)ええ。
東京よつば銀行 融資課の
平賀と申します。
そちらに入院中の
花村の事について
お尋ねしたい事が。
「失礼ですが…」
平賀さんは
融資課で どのようなお立場で?
係長を任されております。
係長…。 ナンバー2?
そう… ですね。
お尋ねになりたい事とは?
花村が
休暇の延長を願い出たもので
何かあったのかと…。
「いえ…」
実は もう うちには
いらっしゃらないんです。
(平賀)いない!?
(岸)えっ?
あの… どういう事ですか?
それは 患者さんの
プライバシーに関する事なので。
しかし 花村に何かあれば
私が代わって 融資課を
預かる事になりますから…。
は… はあ… そう…。
花村は 今 どこにいるんですか?
大学病院に転院されました。
それ以上は…。
わかりました。
ありがとうございます。
何か深刻な事が起こったに
違いない…。
(岸)係長…!
喜ぶのは まだ早いぞ。
平賀係長が 次の融資課長…。
(渋谷翔子)あっ…。
次の融資課長…。
お疲れさまです…。
待て。
はい。
なんで コソコソしてるんだ?
コソコソだなんて…。
森山先生は
院長でいらっしゃいますから
私のようなものが…。
エムアイ製薬の
シブタニくん。
エスアイ製薬の渋谷です。
君に頼みがある。
もう ぶっちゃけて申し上げます。
100周年記念式典を
ぜひ やらせてください。
国会議員も 都知事も 白毛和牛も
みんな呼んで。
(平賀)えっ…?
式典にかかる1400万を
東京よつば銀行さんに
融資して頂きたい。
融資の決定は 花村課長に…。
昨日 電話で
おっしゃったじゃないですか。
次の融資課長は 平賀さんだって。
(平賀)ああ…。
実は 花村課長は 式典への融資を
渋っておられるんです。
平賀さんが
融資課長になられた暁には ぜひ!
もちろん 相応の御礼は致します。
堂上総合病院
エグゼクティブ人間ドックを
一生無料サービス!
エグゼクティブ人間ドック?
(翔子)一生無料?
はい。
花村に何かあったんですか?
それは言えません。
事情がわからないのに
融資の約束など できませんよ。
教えてください 森山院長。
席を外して。
あっ… 私ですかね…?
君以外 誰がいるんだよ?
あっ… はい。
失礼致します。
(ふすまの開閉音)
うーん…。
医者は 患者の個人情報を
漏らしてはいけないんですが…。
ええ。
花村課長は… が…。
…アンです。
はあ?
アンです。
アンデス山脈…?
違う 違う…。
アン!
アン?
膵頭部のアン!
えっ ちょっと なんなんですか?
膵頭部がんです…!
がん!?
シーッ!
それは どの程度の?
深刻です。
進行している可能性が高いので
手術も難しいし
それが成功しても
再発する可能性が非常に高い。
平賀さん。
あなたは 早々に
融資課長になれますよ。
ええっ…!?
(携帯電話の着信音)
(長谷川則道)はい 長谷川です。
相良先生。
ご無沙汰しております
長谷川教授。
(長谷川)
「どうだい? 元気でやってる?」
はい。 僕は元気でやってます。
あっ あの…
先日 セカンドオピニオンを
求められた患者さんを
長谷川教授に
紹介させて頂いたんですが。
「ああ 花村さんね」
はい。
(長谷川)昨日 受診されたよ。
やっぱり 膵頭部がんだね。
本人に それを伝えたら
別の大学病院へ行くって…。
えっ…?
ドクターショッピングだな。
どの医者も信用できなくて
病院を転々とする
悪いパターンだよ。
そうですか…。
(電話を切る音)
♬~
(ため息)
(携帯電話の着信音)
お疲れさまです 支店長。
(三田沢)
「ああ… 平賀くんから聞いたよ」
大変な病気に
なってしまったそうだね。
どうして 平賀さんが…?
がんなのか?
いえ… それは まだ検査中で…。
大丈夫です 支店長!
仕事には復帰できますので。
治療に専念しなさい。
仕事の事は考えなくていい。
(電話が切れる音)
あっ…。
(不通音)
♬~
♬~
明紗ちゃんがいるんですよ
花村さん!
お仕事の事は
今は考えないでください。
セカンドオピニオンを…。
宮部くん。
はい。
永井リエさんの採血結果
確認させてもらっていいかな?
はい。
(キーボードを打つ音)
ありがとう。
大丈夫 あとは やるから。
自分の仕事 続けて。
はい。
相良先生…。
ん?
私… 花村玲子さんに…。
いえ… なんでもありません。
♬~
(マウスのクリック音)
(日美子)ジャーン!
(桃井)おおっ!
フフフ…。
桃井さんのも ありますよ~。
(桃井)えっ?
ママ…。
ありがとうございます!
いや… ああ… 母さん
どうして 急に弁当なんか?
出前ばかりじゃなくて
お昼も ちゃんと 栄養を考えた
お食事とらなきゃ駄目よ。
ほら 卓ちゃんの大好きな卵焼き!
それは 嬉しいけどさ…。
私も 卵焼き 大好きです。
でも これは お昼までお預け!
うーん… 残念! ハハッ。
せっかく来たんだから
もうしばらく ここにいてもいい?
卓ちゃんの仕事ぶりも見たいし。
「見たい」って…。
(桃井)どうぞ どうぞ!
(日美子)ウフフッ!
ああ そう… さっき
お姉さんから電話があったのよ。
ブータンは寒いけど
人の心は あったかいって。
あっ そうそう!
来年の堂上100周年
卓ちゃん ちゃんと
やってくれるかしらって
心配してたわ。
やるに決まってるだろ ママ。
あっ… いや… 母さん。
もう 「ママ」でいいですから。
銀行も援助してくれるし。
えっ…?
いや もう大丈夫になったんだよ。
どうして 大丈夫なんですか?
大丈夫だよ 大丈夫。
(ノック)
どうぞ!
おはようございます 院長。
本日は スタイリストを
連れて参りました。
スタイリスト?
(アンジェロ田中)チャオ~!
アンジェロ田中でございます!
「アンジェロ」?
(桃井)「チャオ」?
ハハッ! ミラノに到着。
いかがでしょう?
おお…!
本番は これでいきましょう。
病院の院長が
蝶ネクタイなんて…。
ちょっと軽すぎないかしら?
もうちょっと 威厳が欲しいな…。
ローマに到着。 こんな感じで!
おお~!
(乾)似合ってますよ 院長。
そうですか?
私は…。
で これを。
ほう! うーん…。
うーん… ねえ どう? ママ。
それで
堂上100周年記念式典に出るの?
チャップリンみたい。
全然違います!
ネッスン プロブレーマ!
イタリア語の
「ノープロブレム」です。
俺はいいと思うなあ。
(ノック)
誰?
失礼しま… ああ…。
あれ? 院長…。
どうだ? 相良先生。
(せき払い)
貫禄は出ただろう?
ええ… まあ…。
でも どうして
チャップリンのコスプレを?
(桃井)ほら!
(舌打ち)
なんの用だ?
院長に相談がありまして。
あとにしてくれ。
大事な相談なんです。
患者さんの事で。
相良先生の患者なら…。
(ステッキを突く音)
自分で判断してください!
あっ いや でも…。
忙しいんだ! 見りゃわかるだろ!
(キーボードを打つ音)
(キーを打つ音)
(日美子)あの子 本当に
堂上100周年の事しか
頭にないのよ。
頑張って! って
応援しちゃった私が悪いんです。
やっぱり
森山院長が聞く耳を持つのは
お母様の言葉だけだと思います。
(日美子)そんな…。
少しずつでいいですから
森山院長を まともに…。
いえ… 正しい道に
導いてあげてください。
だって あの子
もう 50過ぎてるのよ。
ああ… 今さら無理だわ~!
いやいや いやいや…!
できますって! お母様。
312の山城美恵さん
今日から普通食だよね?
はい 予定では。 大丈夫ですか?
うん 大丈夫。
この間 僕に何か言いかけたよね?
宮部くん。
えっ…?
花村さんの事で なんかあった?
あれは…。
すいませんでした。
余計な事 言って…。
余計な事?
先生方が
治療の説明されてる時に
私が お子さんの話を
出してしまって…。
あれで 花村さんは 他の病院に…。
ああ…。
私が 花村さんを
不安にさせてしまったんです。
花村さん…。
♬~
どこの病院でも
相良先生と同じ事を言われました。
(ため息)
私は 膵頭部がんで
手術するしかないって…。
でも 大丈夫です。
手術も含めて
僕が治療法を考えます。
花村さんの主治医になります。
私も一緒に考えますから。
看護は 私が。
もう 一人で思い悩む事は
ありませんよ 花村さん。
ああ…。
ありがとうございます。
うちで引き受けた!?
はい。 花村さんは 今日から
うちに検査入院されます。
待てよ!
堂上の診断が信用できなくて
大学病院に行ったんだろ?
そのまま あっちに入院すりゃ
いいじゃないか。
セカンドオピニオンを求める事を
まだ そんなふうに
思ってらっしゃるんですか?
(ため息)
駄目だ。 断ってください。
どうして!?
進行した膵頭部がんですよ。
そんな難しい病気
大学病院で治療を受けたほうが
絶対にいいんだから。
うちで治療できるかどうかは
詳しく検査してからでも
いいでしょう 院長。
相良先生!
花村さんを追い出せと
おっしゃるんですか?
それこそ 訴えられますよ!
検査結果が出ましたら 改めて
院長にご相談させて頂きます。
(和枝)どうして 院長は
あんなにムキになるの!?
花村さんは 絶対 助けろって
最初は言ってたのに。
なんかあったんでしょうね。
花村さんが他の病院に行った事を
根に持ってるだけだとしたら
ドクター失格だわ!
もう 本当 信じらんない!
まあ でも 今に始まった事じゃ
ないですけどね。
(翔子)相良先生。
お疲れさまです。
ああ 渋谷さん。
今日も営業ですか?
もちろん。
エスアイ製薬から
新薬が出ました。
おっ… 「潰瘍性大腸炎」。
臨床データも見てください。
おお~!
素晴らしいじゃないですか。
じゃあ
うちでも使ってみましょう。
ありがとうございます!
フフフッ。
ああ… 皆川先生と
喧嘩でもされたんですか?
えっ?
今 お二人で
いらっしゃったでしょ。
ちょっと
近寄りがたい雰囲気だったから。
ああ…。
いやいや 違います 違います。
あの… 院長の事で ちょっと。
院長?
うん…。 なんか
様子が おかしいんですよね。
何かを隠してるんだよなあ。
ああ…。
あれ? どうかしました?
あっ いえ 何も…。 失礼します。
渋谷さん。
はい!
何か知ってるでしょ?
知りません!
ハハハ…。 花村さんの事?
花村…?
知りません 本当に何も。
渋谷さん!
…はい。
これは お返しします。
わかりました! 言います。
やっぱり 追い出してやる
花村玲子。
訴えられたって その時は
もう あいつは融資課長じゃない。
フンッ…。
♬~
平賀係長…。
花村玲子さんが
職場復帰できなければ
平賀係長が融資課長になる。
あなたは それを期待して
1400万円の融資を取り付ける
密約を
平賀係長と交わした。
そんな事 誰に…?
花村さんの命よりも
堂上総合病院
創立100周年記念式典のほうが
大事なんですか? 院長。
ご自分の晴れ舞台のほうが
大事なんですか?
相良…。
もし 僕が
花村さんの病気を治して
彼女が元気に職場へ戻ったら
どうするんですか。
花村さんが
融資課長のままで
いる事になったら。
えっ?
平賀さんとの密約が
自分の首を絞める事に
なっちゃうなあ…。
ん… んんん…。
あなたは…。
堂上の院長では
いられなくなりますよ。
フンッ!
膵頭部がんだぞ。
うちで治せるわけがない!
フッ…。
どうして そんな事が
言いきれるんですか。
森山院長
あなたは この10年近く
僕の仕事を見てきたでしょう。
僕は 花村玲子さんを助けます。
♬~
んん…。
んんんんん…。
(携帯電話の着信音)
花村が堂上さんに
入院したそうですね。
どういう事ですか?
さ… 相良というドクターが
勝手に引き受けたんです。
僕の知らない間に。 本当です。
相良…
あの 腕がいいって評判の。
腕は 僕のほうがいいと思う…。
相良先生が手術するんですか?
花村を。
しません。
しない?
させません。
本当に?
もしかしたら
ちょっと やるかも…。
えっ するんですか?
手術したって無理です。
言ったでしょう。
がんの中でも 一番治療の難しい
膵頭部がんですよ!
じゃあ もう
花村は治らないんですね?
終わりなんですね?
そうです。
もう駄目です。
花村さんは… 終わりです。
はあっ…! 卓ちゃん…。
(玲子)明紗 大丈夫?
おじいちゃんと おばあちゃん
来てくれた?
「今 晩ご飯の買い物に行ってる」
そう。
ごめんね。 お母さん
しばらく帰れないんだけど。
「私は平気だよ」
(玲子)おじいちゃんたちの言う事
よく聞いてね。
「わかってるよ お母さん」
じゃあね。
「じゃあね」
(玲子)うん…。
花村さん
ご気分は いかがですか?
大丈夫です。
では 検温をお願いします。
はい。
はい。
入院されてる間 明紗ちゃんは?
岩手から 私の両親が来て
見てくれてます。
じゃあ 安心ですね。
(ため息)
(体温計の電子音)
頂きます。
はい。
37度3分。
宮部さん
言ってくださいましたよね
私の事。
子育ても仕事も頑張ってて
すごいって。
はい。
私ね… 本当に頑張ったんです。
男の人の3倍は働いた。
私をねたんでる男の人は
いっぱいいます。
ここで長期療養なんてなったら
私のポジションは
絶対に誰かに取られる。
はあ~… はあ…。
でも… そんな事
言ってられないんですよね。
娘のために 私は生きなきゃ。
明紗残して 死にたくない。
すいませんでした 花村さん。
私が感情的になって
明紗ちゃんの事 持ち出したから
私が 花村さんを
遠回りさせてしまったんです。
本当にごめんなさい。
宮部さんは何も悪くありません。
むしろ あの時 ああいうふうに
言ってくれなかったら
私は 今でも 現実を
受け入れようとしなかったわ。
でも 花村さんが
戻ってきてくださった時…
ホッとしたけど
胸が痛かったです。
つらい思いを
されたんだろうなって。
電話を頂いたの 相良先生から。
(携帯電話の着信音)
もしもし?
「堂上総合病院の相良です」
納得のいく診断をしてくださった
先生は
見つかりましたか?
ああ…。
花村さん 堂上に
戻ってきてくださいませんか?
僕に あなたを任せてください。
相良先生が…。
私は相良先生を信頼して
全て お任せしようと決めました。
(日美子)花村さん…。
ごめんなさい…。
ごめんなさいね。
あっ…。
(日美子)
私も あなたの味方になります。
花村さん!
誰?
(店員)いらっしゃいませ。
1人なんですが…。
お好きな席へ どうぞ。
はい。
相良先生。
ああ 宮部くん。
花村さんを不安にしたのは
私です。
ナースになって
もう18年ですよ 私。
どんな事があっても
冷静でいなきゃいけないのに…。
まあ 確かに
宮部くんの言葉がきっかけで
花村さん
いろいろ 迷ってしまったのかも
しれないけど。
でも 君が思い悩むほど
彼女は
気にしてなかったんでしょ?
花村さんが許してくださっても
私は 自分が許せません。
フフッ… そこが
君の駄目なところだと思うな。
えっ?
キャリア18年だって
感情的になったっていいじゃない。
だって いつもいつも
冷静でいたら
なんかロボットみたいだって
患者さんに思われちゃうよ。
むしろ
患者さんを心配する気持ちが
抑えられないナースのほうが
よっぽど信頼されると思うけど。
フッ… ハハハ…。
いやいや… なんか
昔と逆の事 言ってるなと思って。
逆の事?
うん。
9年前 僕が堂上に来た頃
君は 「仕事さえ ちゃんとしてれば
いいんでしょ」って言ってた。
えっ?
患者さんに笑顔見せない
ナースだったなあ。
確かに そうでした。
フッ… それが 今じゃ
感情的になりすぎるって
反省してるんだから。
ハハッ… 変わったね 宮部くん。
いい事なのかな…。
いい事だよ。 当たり前じゃない。
今の君のほうが ずっといい。
うん! うまいな これ。
相良先生。
ん?
ありがとうございます。
宮部くん 手が止まってるよ。
食べて。
先生…。
もういいから。
花村さんは
子育てしながら お仕事も
すごく頑張ってこられたんです。
もちろん 命が助かる事が
一番大事だけど
花村さんの今までの努力が
無駄になるのは
かわいそうです。
わかってるよ。
患者さんの人生を
取り戻させてあげるのも
僕たちの大事な仕事だ。
はい。
うん。
た・べ・て。
ああ… 食べます。
フッ… フフフ…。
フフ…。
よし。
今の君のほうが ずっといい。
頑張ろう。
さてと…。
あっ もしもし? 相良です。
渋谷さん
1つ お願いがあるんだけど。
(夫)いいとこだよな ここ。
<ここで新しい生活を始めるって あるかな
…と言ってみる>
(妻)<ないでしょ>
<と 反対されることは織り込み済み>
<無邪気なこと言うよね>
<実は止めてもらいたい自分もいる>
<リモートも苦手なくせに>
ジタバタしてみたいんだよ もうちょっと。
いいんじゃない。
あれ? 反対しないの。
(上戸) 薄いハブラシはライオン
ハブラシのヘッドを薄くすれば
奥歯の狭いところまで磨ける
それは分かっていました
しかし ヘッドが薄いと
ブラシの植毛がむずかしく
長年 実現できませんでした
≪ライオン ハブラシ 100年≫
≪技術の結晶が ここに≫
≪薄型のヘッド 分厚いハブラシより
奥まで届く≫
ハブラシは 薄さで選ぼう
≪日本歯科医師会推薦商品です≫
堂上総合病院の相良と申します。
東京よつば銀行の三田沢です。
エスアイ製薬の渋谷さんから
お聞きになってると思いますが
僕は 花村玲子さんの主治医です。
はい。
三田沢さんは 花村さんの上司で
いらっしゃるんですよね。
そうです。
花村から
膵頭部がんだと聞きました。
はい。
堂上で手術を受けられます。
でも… 駄目なんですよね?
膵頭部がんは。
えっ?
進行が早いので 手術をしても
5年後生存率は
20パーセントそこそこだと。
よく ご存じですね。
でも 長生きされる方も
いらっしゃいますよ。
実は…
今日 僕が三田沢さんにお会いして
お話ししたかったのは
その事なんです。
花村さんのオペについて
先生方のご意見を
お聞かせください。
僕は 2つの方法を考えています。
1つは がんを確実に取る事を…。
相良先生。
なんでしょう?
膵頭部がんは無理だ。
俺は オペには反対だ。
反対!?
いつも 「切らせろ 切らせろ」って
言ってるくせに。
僕は主治医として
オペがベストだと考えました。
これは 皆川先生と相談して
決めた事です。
院長だって
絶対 オペすべきだって
ご本人に
おっしゃったじゃないですか。
言ってない。
おっしゃいました!
なんだよ…。
続けます。
1つ目は
がんを確実に取る事を考えて
開腹によるオペです。
まあ 患部を直接見れば
がんの浸潤の程度も わかるしな。
触診もできますしね。
でも 患者へのダメージは
大きいですよ。
…っていうか
普通だよな 開腹手術は。
わざわざ 俺たちを集めて
意見を求める事じゃない。
はい 解散!
もう1つは
血管合併切除を伴う
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術です。
何?
えっ?
「腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術」!?
なんですか?
わかんない。
(段原)膵頭部がんを 腹腔鏡で
オペするっていうんですか?
ええ 患者さんの体への負担が
格段に小さくなりますから。
開腹手術だと うまくいっても
退院まで3週間以上かかります。
でも 腹腔鏡を使えば
1週間で退院できる。
(高泉)そうかもしれませんけど…。
それに なんといっても
このオペは
最先端のオペです。
大学病院ではできない。
えっ?
最先端なのに?
学会が推奨していないので
大学病院の倫理委員会を通すのが
難しいんです。
実際 このオペを実施しているのは
ほとんどが民間病院です。
腹腔鏡…。
(千住)でも うちで
それができるとは…。
(和枝)確か 厳しい条件を
クリアしなきゃいけないんじゃ…。
おっしゃるとおりです。
このオペを実施するには
3つの条件を
クリアしなければなりません。
まずは
膵臓手術を年間50例以上
施行している病院である事。
次に…。
膵頭十二指腸切除術を
年間20例以上
施行している病院である事。
そして 3つ目は
腹腔鏡下膵切除術を
20例以上 実施した
経験を有する医師が
常勤する病院である事。
堂上総合病院は この3つの条件を
全てクリアしていました。
ですから 厚生局に
認可を要請していたんです。
相良先生が?
はい。
どうして 俺に
相談しなかったんだよ?
いやいや…
相談しようとしましたよ。
でも 院長 ほら…
忙しいからって
取り合ってくれなかったじゃ
ないですか。
(和枝)それで
認可が下りたんですか?
今日 連絡が来ました。
(段原)でも それって
むちゃくちゃ難しいオペですよね。
もちろんです。
腹腔鏡を扱う 非常に高度な技術が
必要となります。
(高泉)院長!
院長の出番ですよ!
腹腔鏡のスペシャリストだもんな
院長は。
つまり このオペを実施するには
森山院長の参加が
必要不可欠なんです。
(段原)やってください 院長!
院長のオペが見たい!
院長も やりたいですよね?
やりたい… けど…。
最先端のオペですよ。
そうです!
うっ…。
花村さんを助けてあげて 院長!
お願いします!
んっ… んんん…。
嫌だ。
嫌だ!?
俺は やらない。
どうして!
やりたくない!
(和枝)だから どうして!
森山院長の名が
医学界にとどろきますね。
んんん…!
(机をたたく音)
俺は やらない!
俺は やらない やらない!
やらない! やらない!
やらない! やらない…!
なんなの!?
訳がわからない…。
(ドアの閉まる音)
仕方ないですね。
花村さんは 開腹でいきましょう。
相良の野郎
俺をそそのかしやがって…。
追い詰めやがって!
何もかも花村玲子のせいだ!
今度こそ追い出してやる!
花村課長!
シーッ! 今 眠ったとこ。
ママ…。
さっきまで おしゃべりしてたの。
玲子さんの仕事の事とか
お嬢さんの話。
ウフッ…
たくさん聞かせてもらっちゃった。
どうして ママがいるんだよ?
お友達になったから 私たち。
お友達?
こんな素敵な女性が
病気になるなんて…。
ちょ… ちょ… ちょっと待って。
状況が ちょっと
理解できないんだけど…。
えっ? ど ど… どう…
どうして…?
卓ちゃん 堂上100周年なんて
どうでもいいから
玲子さん 治してあげて!
え~…。
ママの一生のお願い!
一生のお願いって…。
玲子さん
私の息子が あなたを治します。
あなたを元気にして
明紗ちゃんの元に帰します。
いきなり そんな親友みたいに…。
まさか 玲子さん見捨てるなんて
そんな事しないわよね。
卓ちゃんは
そんな事 絶対しないわよね。
玲子さんが死んじゃったら
ママも死んじゃう!
ううううう…。
助けるよ…。
助けるに決まってるだろ。
助けるよ!
(高泉)あっ いた!
(段原)ああーっ!
なんで ママが…。
(佐々井)院長が やらないなら
僕たちも やりません!
相良先生の手術には
もう協力しませんから!
俺は やるーっ!
えっ!?
ちくしょう!
どの面 下げて 相良に…。
なんで こうなるんだよ…。
(携帯電話の着信音)
はい。
(平賀)
「東京よつば銀行の平賀です」
堂上さんへの融資
大丈夫ですよ 院長。
えっ?
上司を納得させる裏技を
考えました。
100周年記念式典
どうぞ 盛大にやってください。
「森山院長」
す… すいません 今 ちょっと
幽体離脱みたいな感じに
なってるんですけど…。
で あの…
花村は どうなりました?
ああ… 手術する事に…。
手術したって
助からないんですよね?
5年後生存率
10パーセントなんですよね?
…はい。
手術して 花村の職場復帰は
いつ頃になるんですか?
開腹でやるみたいですから
3週間以上は…。
じゃあ よかった。
先が短いとわかってる人間を
3週間も4週間も
待つ人じゃありませんよ
うちの支店長は。
もちろん 森山院長は
参加しないんでしょ?
そんな手術に。
参加するんですか?
しません。
するわけないじゃないですか。
よかった。
私も気持ち良く
融資したいですから… ねっ。
ですよね。
私が融資課長になりますから…。
2人でタッグを組みましょう。
アハハハハ…! ヘヘヘ…!
ええ… ねえ… はいはい。
ああ… あああ… あーっ…。
ああ… あああ…。
はあ はあ はあ…。
(千住)いた いた いた いた…!
(高泉)院長!
院長が やるとおっしゃるなら
僕たちも やります!
だって だって
血管合併切除を伴う
腹腔鏡下膵頭十二指腸…。
うるさい! うるさい うるさい。
俺は やらない!
どけ!
(高泉)うわあ!
(佐々井)あっ 高泉先生!
ナナちゃん…。
(ナナ)なあに? 卓ちゃん。
だから…
僕は どうすりゃいいの?
やらないって言ったんなら
やらなきゃいいじゃない。
でも ママに泣かれたんだぞ?
花村さんを助けてって。
じゃあ やれば?
でも 平賀係長に…。
やりたいの? やりたくないの?
血管なんとか手術。
やりたいさ!
大学病院でもできない
最先端のオペだぜ。
じゃあ やる。 決まり!
簡単に決めないでくれよ…。
ママや平賀係長よりも
大事なのは患者さんでしょ。
やめてよ ナナちゃん!
そんな相良みたいな きれい事。
もう…。
そうじゃなくて。
なんとかがんの生存率?
5年後は 20パーセントだっけ?
だから?
でも 3年後なら
もっと高いんでしょ?
1年後なら
もっともっと高いんでしょ?
1年後 花村さんが
元気だったらいいのよね。
だって 堂上100周年は
来年なんだから。
だったら 卓ちゃんが手術して
花村さんに恩を売っとけば
喜んで 100周年のお金
出してくれるんじゃない?
平賀係長なんて関係なーい。
そうか…。
来年まで
花村課長を持たせればいいだけだ。
俺が腹腔鏡でオペして
職場復帰させてやれば…。
なんの問題もなーい。
ナナちゃん…。
プロースト!
ああ 森山院長。
やってやる。
えっ?
血管合併切除を伴う
腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術だよ。
俺にやってほしいんだろ?
心の中で手を合わせて
懇願してたんだろ? 相良先生。
オペに
参加してくださるんですか?
完璧なオペをして 1週間で
花村課長を退院させてやる。
ありがとうございます 院長。
このオペの執刀医は俺。
君はサポートだぞ。
でも 花村さんの主治医は
僕ですが。
嫌なら やらなーい。
わかりました 院長。
よろしくお願い致します。
おお おお おお おお…
相良先生が頭下げてきちゃった。
わかった わかった。
やるから心配すんなって。
このオペを成功させて
来年の堂上100周年
俺の晴れ舞台に
花を添えましょう。
ハハハハハ…!
だから…
あなたのためのオペじゃ
ないんですって。
お母さん…。
大丈夫よ 明紗。 心配しないで。
おじいちゃんと おばあちゃんと
待っててね。
うん。
(花村かつ江)玲子…。
(花村 治)頑張るんだぞ。
うん。
じゃあ 行きましょうか。
はい。
ああーっ! 緊張する…。
がんは 門脈まで浸潤してると
思いますけど
問題は
どこまで広がってるかですね。
(瀬戸)緊張する…。
術前検査では 門脈への浸潤は
軽度だから 切除は可能だ。
俺の腹腔鏡で大掃除してやる。
緊張する…。
うるさいな 君は!
すいません!
大丈夫だよ 瀬戸先生。
森山院長の腹腔鏡の技術を
間近で見て
自分のものにしましょう。
はい。
お待たせしました。
(瀬戸)ふう…。
イッツ ショータイム!
(千住)麻酔準備できてます。
よろしくお願いしますね
花村さん。
よろしくお願いします。
早速 始めるぞ。
俺のエナジーデバイスをくれ。
(看護師)はい。
千住先生 バイタルは?
脈拍70 血圧110の90
問題ありません。
森山先生 よろしくお願いします。
よしよし いつでもいいぞ。
サポートをよろしくお願いします
瀬戸先生。
はい!
メス。
はい。
♬~
始まった。
(亜美)大丈夫かな? 院長。
大丈夫よ。
あんな人でも やる時はやるから。
続けましょう。
花村さんの術後ケアについて…。
♬~
お願いします。
オーケー。
メリーランド。
(看護師)はい。
腹膜播種は大丈夫か?
腫瘍はどこだ?
どこだ? どこだ? どこだ?
おい そこ もっとアップで見せろ。
(瀬戸)はい!
♬~
今日 花村課長 手術ですね。
融資課長交代への
カウントダウンが始まったな。
♬~
ここが患部だ。
これが がん…?
予想よりも浸潤してますね。
このくらいなら大丈夫。
腫瘍は全部取ってやる。
本当に取れるの? これ。
よっ! おお… どうだ?
お見事。
(瀬戸)スムーズなコッヘライズ。
次は胆管の処理だ。
リニアステープラー。
はい。
悪魔のように細心に
天使のように大胆に!
皆川先生!
オペは どうなってますか?
今から胆管切除です。
ここから先は
もう後戻りできません。
切断するぞ。
クロスカット。
はい。
次は 門脈合併切除ですね。
そのとおり。
任せとけ。
俺は腹腔鏡のスペシャリストだ。
(日美子)卓ちゃんを
助けてやってください。
お姉さんも
ブータンからパワーを送って!
♬~
うん?
(瀬戸)えっ?
あっ!
ここまで
浸潤がひどかったのか…。
これを全部取るとなると
門脈の切除部分が長くなる。
どういう事ですか?
(和枝)門脈を
できるだけ残したいんです。
切除部分が5センチまでなら
直接縫って繋げられますけど
5センチを超えると
血管グラフトが
必要になってきます。
血管グラフト…。
血管グラフトの処置は
腹腔鏡じゃできません。
クッソー! ここもか…。
もう少し切らなきゃいけませんね。
もっと?
血圧が安定しません!
千住先生
輸血を追加してください。
はい!
メッツェン!
はい!
門脈切除!
♬~
これは…。
7センチ…。
クッソ…。
開腹して 血管グラフトを
使うしかありません。
グラフトなしで繋げてみせる。
5センチ以上切除したのに?
貸せ!
(千住)無理は駄目です 院長!
テンションがかかりすぎて
血管壁が裂けてしまいますよ。
俺ならできる!
(荒い息)
本当に できるんですか?
(和枝)相良先生…。
♬~
わかりました。
血管グラフトを
使わずに済むのなら
やってください 院長。
♬~
トロッカー。
はい。
♬~
悪魔のように細心に…!
(和枝)それは もういいから。
やればできる。
できる子よ 卓ちゃん。
お願いします…。
お母さん…。
相良先生…。
慎重に…。
慎重に…。
門脈壁が脆弱になってますね。
大丈夫ですか?
黙っててくれ…!
院長…!
(和枝)落ち着いて。
♬~
あっ…!
(瀬戸)えっ!
テンションがかかりすぎて
血管壁が裂けそうだ。
裂けそう?
(和枝)まずい。
もう少しなのに…!
開腹に切り替えますか? 院長。
何!?
阻血時間が長くなると
腸管がうっ血して
血圧の維持も難しくなる。
そうなったら 命にも関わります。
ここまで腹腔鏡でやったんだぞ。
患者を早く職場復帰させるために
ダメージの少ないオペを
選んだんじゃないのか!?
でも 今は もう
状況が変わりつつあるんです。
開腹に切り替えるなら
今しかありません!
お前が頼んできたから 俺は…!
そんな事 言ってる場合じゃ
ないでしょう!
腹腔鏡は諦めて!
院長!
んん… んん…。
(心電図モニターの警告音)
(千住)血圧が低下してきました。
(瀬戸)えっ…。
今すぐに決断しないと
間に合わない!
んん… んん…。
院長!
んん…。
院長!
んん…。
開腹しろ。
ちくしょー…!
ありがとうございます。
(瀬戸)院長!
♬~
では ここからは
開腹手術に切り替えます。
了解。
メス。
はい。
コーピン。
(看護師)はい。
電メス。
(看護師)はい。
俺は何すりゃいいんだよ?
サポートをお願いします。
浜田さん 念のため
血液の検査をお願いします。
はい。
サ… サポートってなんだよ?
バイパスに使う 左内頸静脈の
確保をしてください。
ああ…。
こっちは僕がやるので
院長はグラフトの準備を。
えっ なんでお前が俺に…!
(瀬戸)お願いします。
♬~
偉い 院長。
大人になってくれた。
(相良の声)
がんになったからといって
その人が終わったわけでは
ありません。
再発率といっても それは
5年後10年後の問題であって
患者さんの今現在を否定し
希望を失わせる理由には
なりません。
相良先生は
花村を必ず元気にして帰すと?
手術が理想の形でうまくいけば
1週間で。
1週間…?
まあ 実際に患部を見てみなければ
わかりませんが
何が起こっても
臨機応変に完璧に処置すれば
3週間。
3週間で
仕事に復帰できるんですか?
はい。 その後も ずっと
僕が 花村さんの
かかりつけ医になって
万が一 再発したとしても
すぐに対処します。
花村さんは
堂上には体質改善が必要だと
おっしゃいました。
病院の根本的な問題を
指摘してくださった。
堂上総合病院に
メスを入れてくれたんです。
(相良の声)
東京よつば銀行さんにとって
必要不可欠な人材だと
僕は思います。
(浜田)血液検査の結果 出ました。
肝逸脱酵素の数値が異常に高い。
何!?
肝機能障害を起こしています。
(瀬戸)えっ…。
(千住)肝機能障害…。
サテンスキー。
(看護師)はい。
門脈血が
長時間 阻血されていたからだ。
腸管も うっ血しています。
どうするんだ?
(心電図モニターの警告音)
(千住)血圧が上がりません!
これ以上 長引くと
命に関わります!
相良先生…。
相良!
(心電図モニターの警告音)
門脈カテーテルバイパスを
行います。
浜田さん チューブを準備して。
はい!
一時的に 門脈血を
大腿静脈にバイパスして流します。
森山院長は グラフト採取を
できる限り急いでください。
わかった!
千住先生。
昇圧剤も開始して
花村さんを持たせてください。
はい!
メッツェン。
(看護師)はい。
バイパスルートは
腸間膜静脈を経由します。
瀬戸先生 この意味は?
えっ…
門脈再建の視野に カテーテルが
邪魔にならないように?
マーベラス!
瀬戸先生は 左大腿鼠径部の切開を
お願いします。
はい! クーパー。
(看護師)はい。
さあ 急ぎましょう。
チューブ。
はい。
♬~
お母さん…。
(かつ江)玲子…。
花村さん…。
(ドアの開く音)
手術は無事に終わりました。
患部の様子を見て 途中から
おなかを開く手術に
切り替えたんですけれども
がんは完全に取りきりました。
ありがとうございます 先生。
ありがとうございます。
いえ。
明紗ちゃん?
(明紗)そうです。
お母さんね 頑張ったよ。
退院は 予定よりも
少し延びてしまうけど
お母さんは元気になる。
ここにいるみんなで
支えてあげようね。
一緒に頑張ろうね。
ありがとうございます。
じゃあ 術後管理室へ。
はい。
明紗ちゃんも ご両親も どうぞ。
♬~
相良先生 お疲れさまでした。
いやあ 一時は
どうなる事かと思いましたよ。
森山院長が 賢明な判断を
してくださったおかげです。
何が賢明な判断だ。
お前は
最初からわかってたんだろ?
えっ?
このオペは
途中から開腹に切り替わるって。
いや そんなわけ…。 最後まで
院長にやって頂きたかったに
決まってるじゃないですか。
嘘つけ!
主役は俺だと思わせといて
おいしいとこは自分が持っていく
計画だったんだ。
なんで そうやって
すぐ ひがむんですか。
腹腔鏡手術のほうが良かったに
決まってるじゃないですか。
患者さんにとっては 一番
ダメージが少ないんですからねえ。
うん そうですよ。
もういい もういい!
どうでもいい。
このオペに 俺は
一切関わってない事にするからな。
えっ? どうしてですか?
お前は 銀行という組織の
恐ろしさをわかってないんだよ。
開腹手術にしたせいで
花村課長の職場復帰は
どんなに早くても3週間後だ。
そんなにかかったら
もう銀行に居場所はない。
平賀係長が融資課長になるんだ。
だから 俺が
このオペに関わった事を
平賀係長に知られるわけには
いかないんだよ!
フフッ… あの…
その事だったら大丈夫です。
三田沢支店長が
約束してくれましたから。
支店長?
はい。
入院が長引いても
花村さんは課長のままだって。
何?
あっ そうなの?
はい。
それじゃあ 問題ナッシング。
ええ。
平賀係長は 当分
課長にはなれないと思いますよ。
それどころか…。
あっ… 失礼します。
(桃井)
いやあ よかった よかった!
ええっ…!?
ああ そうですか。
はい。
順調にいけば 来月上旬には
花村さんは職場復帰できます。
相良先生
本当に ありがとうございました。
いえ こちらこそ
三田沢さんには感謝してます。
本当に ありがとうございました。
こんなに素晴らしい
相良先生がいらっしゃるのに
堂上さんは どうして
2期連続で赤字なんでしょうね。
すみません。
でも 堂上は必ず復活します。
実は 先生には黙ってた事が
ありまして…。
先月 妻が
膵頭部がんだと宣告されました。
主治医からは 手術をしても無駄だ
と言われまして
だから うちの花村も
もう駄目なんじゃないかと…。
そういったご事情が
おありだったんですね。
相良先生
妻を診てやってもらえませんか?
もちろんです。
すぐに堂上にいらしてください。
僕が担当医になります。
ありがとうございます。
どういう事ですか? 森山院長…!
どういう事とは?
三田沢支店長は 花村の異動はない
って言ってるんですよ。
堂上総合病院のドクターから
説明を受けてたからって…!
あー そうなんだ。
「あー そうなんだ」って…
約束が違うでしょう!
私が課長になって
2人でタッグを組もうって!
それは
あなたがおっしゃっただけです。
私に 100周年記念の金を
出してくれって!
私は言ってない。
エグゼクティブ人間ドック
一生無料サービスって。
言ってない。
森山院長!
我々ドクターが
約束を交わす相手は
患者さんです。
患者を救うために
私は全力を尽くす。
それ以外の約束など
存在しない!
えっ…。
(日美子)卓ちゃん!
そもそも 出世したいが故に
人の不幸を願う人間と
関わりを持つなど
私の美学に反してる。
卓ちゃ~ん!
そして 課長になれない
あなたに用はない!
うっ… うう… うう…。
「もう やだー!」
ヘヘヘヘヘ…! 泣いちゃった。
ハハハハハ…!
ママは安心した。
(拍手)
あなたは やっぱり
素晴らしい院長よ!
フフフフ…。
当たり前じゃないか ママ!
卓ちゃ~ん!
(2人の笑い声)
えっ 融資してくださるんですか?
上限は700万です。
この中で収まる100周年記念式典を
企画してください。
1400万が700万…?
700万でいいです。
ありがとうございます!
院長も お礼言って。
…ありがとうございます。
どうして
気が変わられたんですか?
前は融資しないって。
それは…
命を助けて頂いたんですから
私は。
じゃあ 1400万…。
相良先生には 返しきれないほどの
ご恩があります。
うん…?
(桃井)相良先生…?
もちろん 個人的な感情だけで
融資を決めたわけでは
ありませんよ。
中長期的に見て
堂上総合病院の体質改善は
絶対に必要だと思います。
体質改善…。
その言葉は もう聞きたくない。
嫌!
でも 私も反省しています。
やっぱり 企業は 人なんですね。
人…?
相良先生がいらっしゃる
堂上さんには 希望があります。
(桃井)院長。
相良先生に
どうぞよろしくお伝えください。
んん… んん…。
森山院長!
本当は 僕も あなたのオペを…。
(玲子)はい?
途中まで…。
途中まで?
その話は やめましょう 院長。
意味がありません。
どういう事ですか?
「途中まで」って
おっしゃいました?
(桃井)いえ なんでも…。
相良先生は
どうして 森山院長を
花村さんのオペチームに
入れる事にこだわったの?
院長は やる気ゼロだったのに。
そうですよ。
最初から 相良先生だけで
やればよかったのに。
いや それは やっぱり
森山院長の腹腔鏡技術が
素晴らしいからですよ。
まあ 結局
開腹手術になっちゃいましたけど。
あれでね 何もトラブルなしで
うまくいってたら…。
絶対 あの人は
調子に乗ってたと思う。
乗ってました。
ハハッ…。
でも ほら
ちゃんと患者さんの事を考えて
腹腔鏡を諦めてくれましたよ。
素晴らしかったじゃないですか
あの時の森山院長は。
まあ あれは良かったけど。
ねえ。
これで ドクターとしての自覚が
芽生えてくれたんじゃないかな。
まさか…。
まだ諦めてないんですか?
相良先生は。
諦める?
まあ 僕は ただの勤務医ですけど
この堂上が いい病院に
なってくれたらなと思ってます。
ただの勤務医ね~。
じゃあ 私 内科カンファレンスが
ありますから。
宮部くんも そう思うでしょ?
まあ そりゃ…。
じゃあ 僕も患者さんの様子
見てこようかな。
♬~
電話を頂いたの 相良先生から。
(相良の声)キャリア18年だって
感情的になったっていいじゃない。
(玲子)独身なの? 相良先生。
あっ… はい。
みんな ほっとかないでしょ。
宮部さんだって。
相良先生!
何?
私… 私…!
宮部くんの肝臓は
とてもきれいだ。
相良先生に… 差し上げます。
どうしたの?
あっ… なんでもありません。
失礼します。
どうかしてた! 馬鹿!
♬~
〈TELASAでは
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