【土曜ドラマ】きよしこ[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜ドラマ】きよしこ[解][字]

重松清原作の感動作をドラマ化!きつ音のため言いたいことを言えなくなってしまった少年が、様々な人との出会いを重ね、伝えることを諦めなくなるまでを描く。

番組内容
小説家の白石清(安田顕)の元に「きつ音なんかに負けるなと息子を励ましてほしい」と手紙が届いた。白石はきつ音を抱えていたのだ。特にカ行とタ行が苦手で自分の名前「きよし」さえつっかえてしまう。少年時代、自己紹介するたびに同級生から笑われ引っ込み思案になっていたきよし少年の心のよりどころは“きよしこ”。「きよし この夜」を「きよしこ の夜」と勘違いして想像した友達となら何でもスラスラ話せたのだ…。
出演者
【出演】安田顕,西田尚美,吹越満,菊池風磨,鳥越壮真,潤浩,横山歩,達磨,福地桃子,千原せいじ,貫地谷しほり,眞島秀和
原作・脚本
【原作】重松清,【脚本】いとう菜のは
音楽
【音楽】小山絵里奈

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  1. 言葉
  2. 子供
  3. 白石君
  4. 賢一
  5. 少年
  6. お話
  7. 自分
  8. 白石
  9. 曜子
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  14. 友達
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  17. シラ
  18. 一緒
  19. 個人的
  20. 今日

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(白石早織)
♬「きよし この夜 星は ひかり」

♬「すくいの フンフフフン」

(2人の笑い声)

(白石 清)♬「御母の胸に」

「御母」って 子供の頃
意味分かんなかったよね。

うん。 笑い声だと思ってた。
え? 笑い声?

フフッ 笑い声? どういうこと?
そうそう そんな感じの笑い声。

何それ うそだ。
(子供たちの はしゃぐ声)

♬~

き… き… き…。

きよしこ。

(野村)白石さん!

行ってらっしゃい。

野村さんは あの…
ク… クリスマスソングっていえば

何の曲 思い出します?
(野村)クリスマスソングですか。 ええ。

う~ん…。
マライア・キャリーとか… ですかね。

ああ あと 最近だと ほら
back numberとか。

ほう。

あっ 「ラスト・クリスマス」
「赤鼻のトナカイ」。

ハハハ…。 あの~
「きよしこの夜」ってあるでしょ?

はい。
「きよしこの夜」 定番ですよね。

僕 あの歌を
「きよし この夜」じゃなくて

「きよしこ の夜」って思ってたんです。

きよしこ?

♬「すくいのみ子は」は
すくい飲みをする子で

「御母」っていうのは笑い声だって。

ありますよね 子供独特の勘違い。

僕も ♬「うさぎ追いしかの山」って

うさぎっておいしいんだって
思ってました。 ハハハ。

野村さん あの…
次の作品なんですけど

あの 個人的なお話を
書かせてほしいんです。

私小説ってことですか?

いや あの… 個人的なお話です。

♬~

(室井)え? 白石 清の私小説?

(野村)いえ 「個人的なお話」です。

ああ 例の手紙かなあ。
え? 手紙?

うん? ほら
白石さんがテレビでしゃべる時

つっかえるのに気が付いたっていう。

ああ~ あの吃音の息子さんがいる
お母さんからの?

自分の子供がどもってしまうから
いつも友達にからかわれてるって。

白石さんも 同じ吃音じゃないですか。

だから…。

(室井)「吃音なんかに負けるな」って
励ましてやってほしい。

(野村)きっと 返事書いてあげたら
喜んでくれるだろうなと思ったんです。

だって 返信用の封筒まで入ってたし。

引っ込み思案になって
いじめとかになったらって

お母さんの気持ち 分かりますもん。

う~ん 野村。
はい?

その「個人的なお話」
しっかり担当させてもらえ。

はい。

(キーボードを打つ音)

「君は 自分の名前を
つっかえずに言えるかい?

少年は それが一番苦手だった。

カキクケコとタチツテトが
上手に言えない。

なのに名前は 『きよし』という」。

しらいし きき… きっ き…。

(松崎)き? プッ。
き き き…。

ききき~?

(子供たちの笑い声)

(教師)笑わない みんな!

(子供たちの笑い声)

「君に宛てる手紙の代わりに
短いお話をしよう。

この少年は
きっと 君にも似ているはずだ」。

♬~

(近藤)はい 口を大きく開けて。

「あ~」って言ってみて。

あ~。

はい いいよ。 うん。

きよし君 次は レントゲン撮るでね。
少し準備に時間がかかるので。

(曜子)はい お願いします。

そういえば

言葉がつっかえるようになった
最初の思い出って分かる?

おはよう!

おはよう!

おはよう。

(近藤)どうしたの?

よく頑張ったね。

あっ コロッケ買ってく?
頑張ったご褒美に。

ちょっと待ってて。

♬~(商店街のスピーカー「きよしこの夜」)

き… き… き…

きよしこ。

「きよしこって どういう意味?

少年は 母にそう聞きたかったけど
聞けなかった。

『き』で始まる言葉だったから」。

(松崎)「ホツキョクに」。

「ホッキョクに」。
「ホッキョクに」。

「少年は 声を出さずに読むのなら

クラスの誰よりも上手に読む
自信があった。

みんなのおしゃべりに
笑って相づちを打っていれば

意外とうまくやっていける。

でも 面白いことを思いついても
言えない。

ちょっと違うんだけどなぁと思っても
…言えない」。

(松崎)キキキキきよしキ~ック!
(田中)テテテテ転校生!

「自分の思っていることを
しゃべれないのは

言葉がつっかえて笑われるよりも
ずっと悔しくて 寂しい。

そんなこと
嫌というほど分かっていたんだ」。

「心の中でなら
いくらでも滑らかに話せるのに」。

(賢一)転校は 苦労かけてしもうたのう。

せめて新学期に合わせてあげたかった。

どっちにしても

ちゃんとしゃべれんようじゃと
一生 駄目になってしまうけん。

(なつみ)お人形!
(曜子)お人形ね。 きよしは?

ほれ クリスマスプレゼント。
どれがいい?

飛行船?

フフフ。 お父さんが
デパート行ってくれるって。

飛行船でいいのね?

「少年には分かっていた。

いつまでも 口を閉ざしてはいられない」。

ぎょ ぎ ぎ ぎょぎょぎょ…

ぎ ぎょぎょぎょ

ぎぎぎ ぎょ…。

飛行船。 飛行船。

ぎぎ ぎ ぎょぎょぎょ ぎ ぎょ…

魚雷戦。 ぎ ぎ ぎ

げ… ゲーム。

(拍手)

(康子)は~い じゃあ 次に
「きよしこの夜」を歌いましょう。

♬~

♬「きよし この夜」

あいつ 歌はつっかえんのだなあ。

♬「ひかり」

クリスマス。
(子供)ありがとう。

メリークリスマス。

(康子)では最後に 新しく
子供会に入ったお友達を紹介します。

ひょうひょうっ!
あそこあそこ!

はい 立ってくださ~い。

おいでおいで。

はい 拍手~。

(拍手)

これからよろしくね。

お母さん 自己紹介させな。

(田中)みんなに名前言やぁ。

(康子)どうしたの? お名前は?

(田中)早く!
(松崎)早くしやぁ!

(康子)今言うとこでしょう。

早く!

名前!
(康子)こら!

下の名前も言えよ!
ほら 早くしやぁ。

[ 心の声 ] きよしこ

助けて きよしこ。

♬~

(戸の開く音)
(賢一)お帰りんさい。

(曜子)きよし お帰り メリークリスマス!
子供会 どうだった?

お人形 かわいい!
おお! ハハッ。

ほれ きよし。
きよし きよしも開けてみい。

ハハハッ 欲しかったんじゃろ?

(曜子)なつみ ありがとうは?
(なつみ)ありがとう。 (賢一)おお。

(曜子)きよしも ありがとうは?

あ? なんかい。

きよし
お父さんに ありがとうは?

こら! おい きよし やめれって。

わあ~!
やめれ! やめれって言っちょろうが。

うう~!
(賢一)どうしたんじゃ。

うう~!
(賢一)きよし!

(泣き声)

が… ご… ご… ご ごごめん。

(きよしの泣き声)

(風の音)

(強風の音)

(きよしこ)フフ フフフ。

こんばんは。

こんばんは。 こんばんは。

きよしっていうんだ 僕。

(きよしこ)知ってるよ。

目を閉じてみて。

もういいよ。

♬~

うわっ!

君は駄目になんかなってないよ。
ちゃんとしゃべってる。

駄目になんかなってない。

きよしこ?

僕 ず~っと君に会いたかったんだ。

君の話を聞かせて。

いいの?
もちろん。

空飛ぶ円盤には
葉巻みたいな細長いのも

あと 灰皿の形をしたのもあるんだって。

そうなの? いろんな形があるんだ。

そう。 だから
このタンクの丸いのも ほんとはさ…。

円盤かもね。
(2人の笑い声)

そうだ。 面白いダジャレ教えてあげる。

みんなが言ってるやつより
面白いの思いついたんだ。

プレゼント配りに サンタはクロースる。

サンタクロース…。
(2人の笑い声)

僕 ほんとは
すっごくおしゃべりなんだ。

それも知ってる。

きよしこ。
ずっといてくれるんでしょ?

まだ帰らないんでしょ?

悲しかった思い出を教えて。

どうして?

心の中でおしゃべりする時は

楽しいことばかり話すのは
ルール違反なんだ。

今日 すごく悲しかった。

子供会でも おうちでも
嫌なことがいっぱいあったんだ。

言えなかった 魚雷戦の「ぎょ」。

今日のは 「悲しい」じゃなくて
「悔しい」だと思うんだけど。

どう違うの?

大人になったら分かるよ。

もっと悲しい思い出は?

おはよう!

おはよう!

おはよう。

(照子)おはよう きよし。
もう起きたんか。

(大吉)おはよう。

「お父さんとお母さんは どこ?」って
言葉が出なかった。

あの時 おなかに なつみがいたから
生まれるまで 少しの間

僕を おばあちゃんちに預けたんだって。

お父さんが迎えに来てくれて
うちに帰った。

でも お母さんと会った時

ただいまの「た」が出てこなかった。

言いたい言葉があるのに言えないって
すごく苦しくて。

いいこと教えてあげる。

駅のホームで
君は「ただいま」が言えなかった。

そのあとのことは覚えてないだろ?

ほら 見て。

(強風の音)

あっ お父さんだ。
あれは ちっちゃい時の僕?

見ててごらん。

(賢一)おお ハハッ。

(賢一)ハハハ ハハハ。

おお どれどれ。 よいしょ。

お帰り。 お帰り きよし。

(きよしこ)言葉の代わりに
君は お母さんに抱きついた。

(曜子)お帰り。

(きよしこ)言葉にできなくても
君の思いは届いてたんだ。

♬~

よいしょ。
(賢一)よし。 はいはい。

(きよしこ)目を閉じて聞いて。
もっといいこと教えてあげる。

誰かに何かを伝えたい時は

その人に抱きついてから
話せばいいんだよ。

抱き締めたら きっと
抱き締め返してくれるから。

あんなふうに。

抱きつくのが恥ずかしかったら
手をつなぐだけでもいい。

それが君の本当に伝えたいことだったら
伝わるよ きっと。

うん。

(きよしこ)
君は駄目になんかなってない。

独りぼっちじゃない。

抱き締めてくれる人も
手をつなぎ返してくれる人も

この世界に 絶対にいるんだ。

それを忘れないで。

≪(朝食の支度の音)

お母さん。

ゆうべ… ごめんなさい。

おお~。

何じゃ。

お前 本当は何が欲しかったんじゃ?

ぎ… ぎょ ぎゅ 魚雷戦
ぎ げ… ゲーム。

そうか。 誕生日に買うちゃる。

(曜子)朝ごはんですよ。

おい 朝からケーキか。

昨日 食べれなかったもん。 ねえ?

お兄ちゃん!
朝ごはん ケーキだって。

(賢一)ハハハハ。

(曜子)ジャン。 ああ~。
(なつみ)ああ~!

(賢一)ぐっちゃじゃのう。 ハハハ。
味は変わらんか。

♬~

「独りぼっちの人なんて

誰もいないんだ」。

♬~

はあ~ ああ
ごめん 洗ってもらっちゃって。

いいよ やっとくよ。

今出るとね
バスの乗り換えがちょうどいいの。

1本逃すと大変だから。
…っと ハンカチ ハンカチ。

さっきも入れてたよ。
え? ほんとだ 2枚入ってる。

まいっか 何枚あってもね。
え~っと。

あっ ごめ~ん
マグカップも出しっ放しだ~。

はいはい。 バス 乗り換えあるんでしょ?
遅れるよ。

やだ。 じゃ ごめんね お願いね。
行ってきま~す。

はい 行ってらっしゃい。
は~い。

♬~

(セミの声)

でね おしゃべりしてる間に
乗り過ごしちゃって

気付いたら 1つ先のバス停。
フフフフ。

俺はあれだよ? 小学3年生で
1人で ちゃんと乗り換えできたよ。

3年生で? すごっ。

いや 夏休みなのにさ
臨海学校も野球の練習も行けずに

吃音の子供のためのセミナーに
行ってたんだ。

言葉の教室みたいなとこ?
うん。

いろんな学校の吃音の子が集まって
まあ いわゆる吃音矯正ってやつだね。

うまくしゃべれない子供たちの授業は
とっても静かなんだ。

ほら ヒソヒソ話もしないし
間違えても 誰もバカにしない。

あそこで 世の中が

「言葉の つっかえる自分」と
「そうでない みんな」の

2種類だけじゃないことを知ったんだ。

ほら 俺は カ行とタ行だったけど
サ行が苦手な子とか

人それぞれ うまく言えないところが
違うんだなって。

仲よくなった子とか いたの?

うん。 最後まで名前を呼べなかった
友達ができたよ。 ん?

加藤 …達也君。

あっ。 カとタ。
そう。 苦手な音。

友達になりたいのに言えなかったんだね。

代わりに ちょっかい出して。
フフッ 私も そういうのあったな。

加藤君は 俺よりもっと全部
…言葉が駄目だったから。

でも あなたには
ちゃんと それが伝わったから

友達になれたんだね。

そうだね。

「笑顔が… 言葉のかわりになった」。

ねえ 室井さん。
うん?

僕も どっかで 「吃音なんかに負けるな」
って思ってました。

ああ 吃音セミナーに行った少年のお話?

悩みや苦しみを持ってることが
かわいそうだって思っちゃってたんです。

うん。

お話の中に出てくるんです。

すらすらしゃべる大人に限って
「吃音なんかにくじけるな」って

セミナーの子たちに言ってる感じ。

言葉がつっかえない側… から
目線が変わったか?

はい。 少年の気持ちに…
何て言うか もう…。

室井さんも ほんと 読んでください。

うん もう読んだよ。
はあ?

何で 僕より先に読み終わってんすか?

えっ だって 読んでくださいって
よこしたの お前だろ。

いや そうですけど。

「何度転校しても 相変わらず

しゃべるのも 友達をつくるのも
苦手だった少年は

新しい町で
おっちゃんに出会った」。

「ずんぐり太ったのが クヌギ。

細くとがってるのが シイ」。

(おっちゃん)これがシイや。

これ スダジイね。
これが アカガシや。

じゃあ これは?

♬~

「おっちゃんは少年と同じ『よそ者』で
『独りぼっち』だった」。

♬~

白石…

き… き… きき きき…。

何あれ。

きき… き…

き… きよしです。

(子供たちの笑い声)
みんな いろいろ教えてやってくれ。

はい 拍手。

(拍手)

≪お宮さんに もの投げたら 罰当たるど。

何年生や。

1人で野球してても つまらんやろ。

なあ。

ボールどこや。

持ってません。
持ってないんかい!

バットとグローブだけて お前
意味ないやんけ。

意~味ないやんけ!

ちょっと待っとき。 なっ。

これやったらな
デッドボール当たっても 痛ないやろ。

まだなんぼでも落ちとるしな。

どやろ。

ナイスバッチン!

うもなってるやないか ええ?
その調子や。

はあ ああ!

どんぐりも松ぼっくりもな
遠く遠くへ運んだらなあかんねん。

ああ…。 親の木ぃのそばやとな
春になって芽ぇ出しても育ちきらん。

そうなの?
うん。

親が邪魔してな
日ぃも当たらへんし

土に根ぇも よう張りきらん。

いくぞ!

あい! (バットに当たる音)
おしっ。 ナイス。

あい! (バットに当たる音)
ナイスバッチン!

お帰り。

なつみが いっぱい友達連れてきちゃって。

これ いっぱい作っちゃったから
きよしも 手ぇ洗って。

≪(なつみの友達の笑い声)

いい。 野球行くから。

そう。 こっちでも
レギュラー取れるといいね。

うん。

ボク どんぐり食うたんか?
え? 何で?

どどくるやろ?

何それ。
どもるいうことや。

おっちゃんらは
どどをくる いうとったけどな。

どんぐり食べたらな
どどくるようになんねん。

うそかホンマか知らんけどな。

お~った おった おった おい。

ほら。

ああ これ
ミノムシがぎょうさん出てきたら

秋もしまいやなあ。

うん。
寒い冬が来んねん。

はあ~。

でも ミノムシもアホやな。

あったかいミノ作っても これ
春が来るまで じ~っと独りぼっちや。

ボクは まだ友達と遊ばんのか?

おっ! 何すんねん!

かわいそうやろ お前。
下落ちたら 冬越されへんがな。

いいよ それで。
何や かわいそうやろ お前。

これ 戻したれ ほら。

あっこ。

おっ そうや。 な?

こうしといたら
また自分で 糸出して ぶら下がるわ。

ご… ご ごめんなさい。

ハハハ いやいや
謝らんでええよ。

おっちゃん。
うん?

今 謝った時
ど ど どもった?

ハハハハ。 いや
「どもった?」を どどくうてるで。

でも それがどないしたんや。
ボクは どどくる子ぉ。

そんなん もう…。

何ちゅうか ええやんけ!

ええやんけ?
ああ。

ええやんけえ ええやんけえ。
それで ええやんけえ~!

♬~

のお~!

♬~

はい! おいしゃ~。

これがな シイや。 シイ。

これ シイより ちょっとちっちゃい
これ スダジイね。 スダジイ。

ああ。 この おわんみたいな殻をかぶった
この横しまのな これがアカガシや。

♬~

きよし
学校で野球してたんじゃなかったの?

石川さんから聞いたのよ。

神社で あの人に付きまとわれている
男の子がいるって。

まさかと思ったら あんたなんだもん。

もう お母さん
心臓 止まりそうになっちゃったわよ。

あの人 仕事もろくにせずに

昼間っからお酒飲んで
フラフラしてるっていうじゃない。

石川さん 心配してくれて。
石川さんって 誰?

お母さんのお友達よ。

奥さんも子供も
何年か前に出ていったっていうし

こんなこと言いたくないけど
ああいう人はね 怖いのよ。

きよし
もう あの人と遊んじゃ駄目よ。

友達と野球すればいいじゃない ね?

ええやんけ。

♬「どんぐりころころ ドンブリコ」

♬「お池にはまって さあ大変」

♬「どじょうが出て来て 今日は」

この歌 おっちゃんとボクの歌みたいやな。

♬「坊ちゃん一緒に 遊びましょう」
さん はい!

♬「うう ど どどどんぐり
こころころ ドンブリコ」

ハハハ。
「どんぐり こころ」に聞こえるで。

どんぐりのこころいうて…
どんなこと思てんのかな どんぐりは。

ど どんぐりの こここころ?

ああ ああ~。

早よ遠くへ連れてってくれとか
思うてんねやろか。

あ…。 ボク
今度 海連れてったろか?

行けるの?
うん。

あの道 ま~っすぐ行ったら海や。

自転車で 2人乗りして行くか!

さん はい!

♬「どんぐりころころ ドンブリコ」
♬「どんぐりころころ よろこんで」

♬「お池にはまって さあ大変」

2番知らないの?

♬「どじょうが出て来て 今日は」

(2人)♬「坊ちゃん一緒に 遊びましょう」

(子供たち)えっ?

(西村)白石 野球うまかったか。

(藤井)野球の練習
入れたってもええでなぁ。

そうそう そうそう。
学校が終わったら

プールの横の辺に集まろうで。
なあ?

きょ きょ 今日?
(寺田)何か用事あるか?

ううん ない。
一緒にやろうで 野球 なあ?

やろう やろう。
期待しとんで。

♬~

おお!
よっしゃ!

白石やるわ。

♬~

(子供たち)じゃあな!
あ… あの~。

(藤井)明日もやろうで。

白石君がおったら
6年生にも勝てるで。

♬~

♬「どんぐりころころ ドンブリコ」

♬「お池にはまって さあ大変」

♬「どじょうが出て来て 今日は」

(賢一)ああ ゆっくりゆっくり。
もうちょいゆっくり行ってくれんか。

あいよ。 この辺でええじゃろ。
おお。

(2人)せ~の~ せ。

♬~

(曜子)きよし! 台所のもの運ぶの
一緒に手伝ってもらえる?

あっ ちょっと
ちょっと出かけてきていい?

あの 藤井君に 本返すの
取りに行くって言っちゃったから。

片づけがあるんじゃけえ
早う行ってこいよ。 うん!

♬~

おっちゃん…。

おっちゃ~ん!

おっちゃん おっちゃん!

ご… ご… ご… ごめん!

ごめん! ごめん!

「おっちゃんは 2番の歌詞を知っていて
歌わなかったのだろうか。

それとも ただの偶然なのだろうか」。

[ 回想 ]
(おっちゃん)どんぐりも松ぼっくりもな

遠く遠くへ運んだらなあかんねん。

親の木ぃのそばやとな
春になって芽ぇ出しても育ちきらん。

♬「どんぐりころころ よろこんで」

♬「しばらく一緒に 遊んだが」

♬「やっぱりお山が 恋しいと」

♬「泣いてはどじょうを 困らせた」

ねえ… ねえ! 来て~!
はい?

ちょっと 早く!
来ましたよ。 動けないの 助けて!

え え? 何で? 瓶にヒビが入って
これ 漏れるの押さえてんの。

え? で? ど ど どうすんの どうすんの。

この役代わってもらうか
ボウルと布巾取ってもらうか

どっちか お願いしたいです。
ああ うん。 ボボボ ボウルボウルボウル。

ボウル ボウル そこにあるから
ボウル そこに… そこに。

ああ あったったった。

いいの見つけちゃったねえ~。
ねえねえ。 うん?

ピクルスの瓶 買いに来たんだよね。
うん。

何で中身入り?
え? だって 見て。

ほら サイズといい デザインといい
気に入っちゃったんだもん。

気に入っちゃいましたか。
そう。 だから 手伝ってね

中身のキャンディー減らすの。
ええ~? 結構入ってるよ。

大丈夫。 一日ね15個ぐらい食べれば
すぐなくなるから。

私は グレープ味が好きだから
紫は担当しま~す。

フフ フフッ。

「言葉は キャンディーポットの中の
キャンディーに似ていると思う。

欲しい言葉は 確かに見えているのに

子供の頃は 取り出しやすい
別の言葉ばかり選んでいた」。

「でも だんだん気付いてきたんだ。

これからもずっと
一生 こうして生きていくのか? って」。

「出会いと別れを繰り返しながら
少年は成長した。

少年時代に
入り口と出口があるとすれば…」。

「手に入れたい
たった一つのキャンディーを見つけた時

出口は もう すぐそこだった」。

(村田)シラは楽勝そうやのう。
数学は まあまあ。

(新井)俺 自己採点するんやなかった。

俺も。 数学いけんわ。

(和歌子)白石君。

ワッチ。

シラ 彼女か!
お前 いつの間に。

いや そうじゃのうて…。
こんにちは。 白石君の同級生?

うん 村田と…。
あっ どうも 村田です。

新井です。
教育学部2年の相原和歌子です。

え? 大学生?
(新井)シラも教育志望じゃの。

じゃ じゃあ シラが国立合格したら
同じ…。 一緒に彼女と通うんか。

いやいやいや。
じゃあ 僕たちは ここで失礼します。

♬~

明日 詳しく聞くけんの。

ええん? お友達。

うん。 ワッチが来るまで
数学の自己採点しとっただけ。 ほう。

どうやった?
数学は か…。

簡単やった?
…うん。

おお~。 英語は?
ちょ… ちょ…。

長文読解が どうやったん?

できんかったんね。 まあ でも
白石君ができん問題やったら

ほかの子もできとらんけん
平気平気。

白石君やったら うちの教育は大丈夫。

あの~ 俺…

こ… ここ…。
コーヒー?

行こう。
うちも飲みたいと思っとったんよ。

ここ… こ… 国立は…。

うん?
ううん。

ご注文は?

こ…。
あっ コーヒー 2つ。

は~い。
お願いします。

苦手な言葉は
無理して言わんでもええんよ。

うちが全部 通訳してあげるけん。

あ うち 好きな人が何考えとるんか
分かりたいて思うとるけん 分かるんよ。

問題用紙 出して。
うん。

うん? どうしたん?
ううん… はい。

自分でやって ペケばっかりやと
ショック受けるけん。

ごゆっくりと どうぞ~。

やった 完璧。

白石君が後輩になるなんて
うそみたいやけど

4月からは もっとたくさん会えるね。

まだ分からんし…。
大丈夫よ。

あっ。 手話のボランティアの時間。
ごめん 先行くね。

国立 余裕の足きり突破やったね。
おめでと。 じゃあね。

(店員)500円ですね。
お願いします。

(店員)ありがとうございました。
(和歌子)ありがとうございます。

お帰り きよし。
た ただいま。

何見てるの?
あ これ?

フフッ 見てるだけでも楽しいじゃない。

ほら ここが きよしの部屋。
で こっちが なつみ。

この家なんてね
庭がこんなに広いのよ。

夢だなあ~ 庭に果物の木 植えるの。

社宅じゃ
壁に くぎの一本も打てないんだもん。

きよしも大学生になったら
ちゃんとした部屋 欲しいもんね。

うん。

あ~あ。 推薦決まったやつは
もう勉強せんでもええって

羨ましすぎるわ。
シラも国立合格ラインじゃろ?

う~ん でも…。
何かい?

ほかも受けるつもりなんか?
ぜいたくじゃのう シラは!

ちょっ… やめて。 ほんと 俺
1年の時から羨ましかったよ。

そうじゃ。 頭もええし野球もうまいし
女子大生の彼女まで!

だ… だから そうじゃのうて
ボランティアしとる人で…。 シッ。

うん?
シッ シッ。 後ろ 後ろ後ろ。

おお~。

でも 一番羨ましいんは
いろんな場所に行っとったことじゃのう。

そんなん 親の仕事でしかたなあ…。

俺が
ず~っと この町出られんのも そうよ。

大学だけは
好きなとこ受けてもええちゅうて

言うてくれたけど
卒業すりゃあ戻らにゃいけんし…。

親の仕事継ぎに。
新井は まだええで。

大学で どこでも行ってもいいゆうんが
羨ましいわ。

俺は 地元まわりしか受けさせてもらえん。

春んなったら みんな離れ離れか。

受かったらの。
おう。 頑張ろうで。

自分が行きたいところに
自分の力で行こうや。

(小声で)オ~。

♬~

と… と… とと と 東京。

と と 戸棚。

と トンボ。

時計。 と… と と と

東京。

♬~

駅まででええんか?

ええ?

今朝は また えろう早いんじゃのう。

うん。

乗りや。

なんか… 相談事でもあるんか。

早稲田に行きたい。

なしてや? 国立は?

受けん。

大阪や博多じゃいけんのか?

早稲田やったら 奨学金がもらえるし
アルバイトもする。

金のことはええ。
そがあな心配せんでええんじゃ。

先生に なりたい。

先生?

何かを つ… つ 伝える仕事がしたい。

そんなら
こっちの大学でもよかろうが。

何も知らん町で
1人でやってみたい。

みんなに守られたままじゃなくて

1人で。

ほいでも 学校の先生は
朝から晩までしゃべらんといけんので?

自分の思うとることを
ちゃんと言えんうちは

先生には絶対なれんと思うけどのう。

(深呼吸)

と! と… と… とと とと と と!

とと… 東京に! はあ~ 行きたい。 はあ。

はあ はあ はあ。

ハハハハハ。
えらい派手にどもったのう。 ハハハ。

東京行ったら お父ちゃんもお母ちゃんも
助けてやれんど?

今みたいにどもっても
誰も代わりに言うてくれん。

笑う者もおるし 誰もお前の話やら
聞いてくれんかもしれん。

分かっとる。

お母ちゃん 怒って泣くわい。

しばらく機嫌が悪いけん
気ぃ付けんといけんの。

♬~

受験勉強の合間に
発音の練習した方がいいんじゃない?

環境が変わると
たくさんつっかえるから。

お母ちゃんは
きよしのふるさとにいる。

帰ってくる家ってこと。

お父ちゃん 家買ってくれるみたいだから
きよしにも ふるさとができるってこと。

大学の夏休みやら 正月やら

何も知らん町だったら
うちに帰ってきた気がせんでしょう。

本当にきつかったら
いつでも帰ってくればいいから。

でも 東京へ行ってみたはいいけど
やっぱり うちが恋しいとか…。

お母ちゃん 怒るからね。

(ふすまが閉まる音)

♬~

うん。

白石君。

東京?
うん。

滑り止めと違うん?

何で?
何で東京行かんといけんの?

理由は… うまく言えん。

ハハッ。
春休みに遊びに行ったらええやん。

そんなんじゃない。

ご注文は?

コーヒー ふた…。
こ… こ ここ こ…

紅茶 俺。

レモンにしてください。

コーヒーとレモンティー
お一つずつね。

そんなん 指さしたら
うちが言うてあげるのに。

はあ~。

ホンマに東京行くん?

行く。

白石君みたいな田舎者が
東京行ってどうするん?

方言 笑われるよ。
みんな笑うよ 白石君のこと。

それでもええん?

アホや この子。

東京には うちみたいな子 おらんよ。

白石君のこと
何でも通訳してあげる子

絶対おらんよ。

白石君のこと…
こんなに好きな子…。

おるわけないよ。

が… が がが…。

謝らんでええよ。

聞きとうない。

これ あげるのやめようかと思ったけど

学問の神様やけん
先週 買うてきたんよ。

でも 言わんと あげんよ。

太宰府。

だ! だ だ だ… だだ…。

言うてみんさい。 だ ざ い ふ。

だ だだ だ…。

自分で言わんと
もう誰も助けてくれんのよ。

だっ だ… はあ はあ は~あ。

だ だだだ だ! だ。

だ だ だだ だだ

だだ 太宰府!

はあ はあ。

言える言える。

白石君 言えるやん。

大丈夫やん。

♬~

あっ いけん。
うち 本返すの 忘れとった。

ちょっと待っとって。

♬~

が 頑張るけん。

と と 東京

とっ 東京。 と と…。

♬~

(大谷)どちらまで?

と… はあ。

と…。

と と… と…。

はあ~。
どちらまで?

(風の音)

フフフ フフフ…。

フフフ フフフフッ。

♬~

♬~

「僕は 何かを伝えられただろうか。

励まそうなんて思ってないんだ。

このお話にできるのは
ただ そばにいるってことだけだから」。

「君が教えてくれた」。

いらっしゃいませ。

どうぞ。

ああ…。

この本は
どうしても直接 お届けしたかったので。

小学校から 中学校… 高校…。

新しい世界を知っていく少年のお話が
一冊の本になって

本当にうれしいです!

♬~

個人的なお話を書かせてくれて
ありがとう。

担当させていただいて
ありがとうございました!

♬~

室井さ~ん! お渡しできました!

いい装丁だな。
仮フランス装です!

うん しゃれてる。

白石さんが
この作品を書き始める前

吃音の息子を励ましてほしい
ってお手紙に

返事 書いてあげればいいのにって
思ってました。

そうだったな。

これ 僕… 手紙の封筒に見えます。

うん。

お待たせ。

お送りしたのね。
うん。

伝えたいことを お話にできるって
すてきだね。

あの… 個人的なお話を…
書いてみたかったんだ。

あなたは いつも伝えたいことを
一生懸命 伝えてくれる。

大事な言葉を 大事に話してくれる。

できてるかなあ。

プロポーズも そうだよね。
ん?

プロポーズ!

そうだっけ?
ハハッ!

覚えてるくせに!

苦手な言葉から逃げずに
頑張って 伝えてくれたじゃない。

ねえ もう一回 言ってみて。 ほら。

ほら~!

ほら。

はあ~。

「手をつないでもいい?
これからもずっと」。

はい。

♬~

「いつか…。

いつでもいい。

いつか 君の話を聞かせてくれないか?」。

「うつむいて
ぼそぼそとした声で 話せばいい」。

「人の顔を まっすぐに見て話すなんて

死ぬほど難しいことだと…

僕は知ってるから」。

「君が話したい相手の心の扉は

時々 閉まっているかもしれない。

でも 鍵はかかっていない。

鍵をかけられた心なんて どこにもない」。

(風の音)

「僕は きよしこから そう教わって

今も そう信じている」。

「それが
本当に 伝えたいことだったら…

伝わるよ きっと」。