スペシャルドラマ エアガール[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

スペシャルドラマ エアガール[解][字]

空の仕事に憧れ、戦後初のキャビンアテンダントとなった佐野小鞠(広瀬すず)と日本の空を取り戻すために奮闘した熱い人々を描く大型スペシャルドラマ!!感動のテイクオフ!

◇番組内容
戦争で家族を失った小鞠(広瀬すず)は、叔母・千代(松雪泰子)が営む料亭で働いていた。ある日「日本の空を日本人の手に取り戻したい」という航空保安部長・松木(吉岡秀隆)の言葉を耳にする。終戦後、一切の航空活動を禁じられていたが松木は諦めていなかった。しかし、首相の側近・白洲(藤木直人)は海外に委ねた方がよいと考えていて…?また小鞠は松木の部下・三島(坂口健太郎)と出会い、戦後初の航空会社のエアガールを目指すが…
◇出演者
広瀬すず、坂口健太郎、藤木直人、山崎紘菜、藤野涼子、中田クルミ、伊原六花、田中哲司、鶴見辰吾、真飛聖、橋爪功、松雪泰子、吉岡秀隆
◇原案
中丸美繪『日本航空一期生』(中公文庫)
◇脚本
橋本裕志
◇監督
藤田明二(テレビ朝日)
◇音楽
沢田完
◇スタッフ
【エグゼクティブプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)、新井宏美(角川大映スタジオ)
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/airgirl/
☆Twitter
 https://twitter.com/airgirl2021
☆Instagram
 https://www.instagram.com/airgirl2021/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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♬~

(天野 翼)〈1928年 小鞠さんは

東京の下町で生まれました〉

〈町工場で飛行機部品を作る
父親の影響で

模型飛行機をおしゃぶり代わりに
育ったといいます〉

〈母親からは

ライト兄弟の偉人伝を
読み聞かされ…〉

(佐野大地)せーの…。

(佐野小鞠)いけー!

〈5歳にして
町内の紙飛行機競争で圧勝〉

(ラジオ)「幾多の苦難を乗り越えて

松本きく子さんが
日本人女性パイロット初の

海外飛行に
成功したのでありました」

(大地の声)
女のくせにパイロットか!

(小鞠の声)
なった人がいるんだもの。

私もなるの。

〈空への憧れは どんどん募り…〉

〈高等女学校に入るや

将来は パイロットになると宣言〉

(カメラのシャッター音)

(大地)では 行って参ります。

〈帝国海軍に入って
憧れの飛行機乗りになった兄は

神風特攻隊で戦死〉

(投下音)

(投下音)

(爆発音)

(人々の悲鳴)
(男性)逃げろー!

〈飛行機が大好きだった両親も

米軍飛行機による東京大空襲で
死亡〉

(セミの鳴き声)

〈天涯孤独の身となった
小鞠さんは

料亭を営む叔母に
引き取られました〉

おお おお おお おお
大丈夫か? おい。

はあ…。

そんな所で休んでるんじゃないよ。
ほら 早く片付けときな。

はい。

〈戦争で家族を失った叔母の
指導の下

朝から晩まで働き詰めの日々〉

(玉音放送)「堪え難きを堪え
忍び難きを忍び…」

〈そして 米軍機が原爆を落として
終戦を迎え…〉

(泣き声)

〈敗戦国 日本は
GHQに空を奪われました〉

(ラジオ)「東京飛行場は
ハネダ・アーミー・エアベースとなり

GHQの航空禁止令によって
日本人は

操縦 運航 設計 製造 研究も含む
一切の航空関係の活動を禁じられ

日本が所有する飛行機は
全て破壊されました」

(翼)〈なんとか 高等女学校は
出してもらえた小鞠さんでしたが

終戦後も 一日中 働き詰めで
どこにも行けない籠の鳥〉

(飛行機の飛行音)

♬~

♬~

決めたよ 小鞠!

えっ?

(千代)GHQ向けに洋食も扱おう。

だって あいつらが
一番 お金持ってるんだからさ。

(千代)わあ… いい感じじゃない?

でも 進駐軍が来たら
英語で対応するんですかね…?

まあ そのほうがいいわよね。

叔母さん 英語できるんですか?

ううん 私は無理よ。
あんたがやって。

えっ?

だって うちの店で
高等女学校出てるの 小鞠だけよ。

あっ… そうですよね…。

あれ? 間違ってる。

ウェルカム トゥ

ザ ジャパニーズレストラン
シンバシ…。

ウェルカム トゥ

ザ ジャパニーズレストラン
シンバシ。

ウェルカム トゥ

ザ ジャパニーズレストラン
シンバシ。

ディス イズ ゼンザイ。

ア ジャパニーズ
スイートデザート。

(翼)〈苦労のかいあって 店には

GHQの高官や政財界の要人も
訪れるようになり…〉

デリシャス。

サンキュー ベリーマッチ。

〈小鞠さんは 店の仕切りも
任されるようになったそうです〉

(松木静男)
日本の空は日本人のものです。

三木大臣 日本人の手で
航空事業を始めなければ

日本の空は 永遠に
外国に占拠されてしまいます。

私も 松木さんと同じ考えです。

ですから 今日は

日本商工会議所の藤原会頭にも
お越し頂いたのです。

まあ 航空事業となれば
資金集めも大変だが

どう 総理を取り込めるかだ。

何しろ
側近の白洲次郎が食わせ者だ。

海外の航空会社7社で
日本国内の航空事業を運営する

JDACという組織を
設立しようと

画策してるそうじゃないか。

日本の空を… 海外に
売り飛ばすというんですか?

(藤原)白洲くんは
海外資本と繋がってるからなあ。

欧米諸国との付き合いも
実に 心得たもんだ。

白洲さんの思惑どおりに進んだら

日本の航空業は
どうなってしまうか…。

(藤原)私も

経団連の会長と運輸大臣に
協力を仰いで…。

(三島優輝)何をしている?
あっ…。

なぜ 盗み聞きをしていたんです?

ごめんなさい。

飛行機の話が聞こえたもので
つい…。

好きなんです。
子供の頃から ずっと憧れてて

本気でパイロットになりたいって
思ってました。

君は何者だ?

あっ… ここの仲居です。

だったら
立場をわきまえてください。

あの部屋には
近寄らないで頂きたい。

申し訳ありませんでした。

(ラジオ)「緊張を増す
朝鮮半島の動きに対応するために

吉田茂総理は 逓信省航空保安部を
航空保安庁に格上げし

初代長官には
松木静男氏が任命されました」

「松木静男氏は
伊丹空港の設計を始め

戦前から飛行機一筋

日本で 最も
空への思いが強い人物であり

日本の空を取り戻したい
との思いを語りました」

〈松木さんの存在は

小鞠さんの胸にも 希望の光を
ともしてくれたそうです〉

(ラジオ)「海外の航空会社7社の
共同出資による

JDACが正式に設立され

国内線の運航を始める
手はずとなりました」

失礼します。

日銀の柳沢副総裁が
いらっしゃいました。

(柳沢誠二)フフッ…
それは昔の肩書だよ。

今は 公職追放の身ですから。

(松木)本日は
わざわざ申し訳ございません。

どうせ JDACの件で
カリカリきてるんだろう?

このままでは 日本の空が
完全に奪われてしまいます。

だが 向こうも
海外7社の寄せ集めだ。

利害調整で もめて
白洲くんも苦労しているらしい。

つけ入るなら 今だ。

では ご協力願えるんですね?

松木くんの仰せに従うさ。

新聞各社を徹底的に回って

日本人による航空事業設立の
機運を高めようじゃないか。

三島です。 お勘定お願いします。

はーい。 ありがとうございます。

あっ…。

あの時は
申し訳ありませんでした。

いや 僕のほうこそ
きつく言いすぎて すみません。

いえ…。 こちらでお願いします。

はい。

♬~

では 行って参ります。

お兄ちゃん これ。

これで 絶対大丈夫だから。

小鞠 ありがとう。

♬~

どうかしましたか?

あっ… すいません。

そのお守り

どなたかから譲り受けたものでは
ありませんか?

ええ。 海兵時代の同僚から
渡されたもので。

名前は覚えていますか?

佐野大地くんです。

兄をご存じなんですか?

君は 佐野大地くんの…?

妹の佐野小鞠と申します。

僕は 三島優輝といいます。

お兄さんとは同じ部隊にいました。

そうだったんですか。

戦争から戻ってすぐ
蒲田のご実家を訪ねてみたんです。

家は焼け跡で

ご家族も
亡くなられたと伺ったんですが

妹さんが生きてらしたとは…。

兄とは親しかったんですか?

はい。 素晴らしい青年でした。

(三島の声)佐野くんは

飛行機乗りを目指す妹がいる事を
楽しそうに話していました。

あなたも 飛行機に?
ええ。

いまだに憧れを引きずっていて
航空保安庁にいます。

私も ずっと憧れています。

でも 我々が
日本の空を取り戻さなければ

何も始まりません。

日本の空を…。

♬~

松木さん アーロン大佐が
迷惑だとおっしゃってますよ。

白洲さん…。

あなたとも ぜひ
話がしたいと思っておりました。

(白洲)時間の無駄です。

今の日本の国力で
航空事業など始めても

勝算はありません。

あんな金のかかる事は
海外企業に任せたほうがいい。

日本の力を卑下する考え方には
賛成できませんね。

そういう精神論では
何も動きません。

今は 効率良く
外貨を獲得すべき時です。

レッツ ゴー。

(翼)〈しかし
松木さんの懸命な働きかけで

翌年の夏には 日本の航空事業が
動き始めました〉

(ラジオ)「戦後初の日本の航空会社
日本民間航空が ついに発足し

会長には 藤原一郎氏
社長には 柳沢誠二氏

専務には 松木静男氏が
就任しました」

平川康夫です。

東京帝大 航空機体学科を経て

終戦まで 試作戦闘機の設計に
携わっておりました。

吉永周作です。

終戦までは パイロットとして
2000時間の飛行経験があります。

お二人は
高い技能をお持ちですが

営業権しかない日本民間航空では

残念ながら 今は
整備も操縦もできません。

しかし いつか

日本人が機体を整備し
操縦できる日のために

私は 技術を持つ方たちを
この会社に迎えたかった。

お考えは承知しております。

航空に関わっていれば

整備はできなくても
最新の機械を学ぶ事はできます。

私も その日が来るまでは
雑用でも掃除でも

なんでもやるつもりで
おりますから。

ありがとう。

君たちとなら
いい会社が作れそうです。

(2人)はい!

では 早速で申し訳ありませんが

女性社員の入社選考を
お手伝い願えますか?

(平川)もちろん
なんでもやらせて頂きますよ。

ありがとうございました。
失礼します。

三島さん。

小鞠さん。

とうとう できましたよ
日本の航空会社が。

私も なんだか そわそわして
見に来ちゃいました。

今は営業業務しかできませんが

いつか
日本人が操縦できる日のために

僕も頑張ります。

うらやましいです。

飛行機の仕事に関われるなんて。

君も飛行機が好きなら
関わる道はあります。

えっ… 女の私でも?

ちょっと待っていてくれますか?

ありました。

7月20日に 新聞各紙に

エアガールの募集広告を
出したんです。

エアガール?

これです。

エアガール…。

エアガール…?

(翼)〈その小さな募集広告は
小鞠さんの目には

キラキラと
輝いて見えたそうです〉

♬~

(老紳士)あっ ありました。

(翼)あっ…
ありがとうございます。

(翼)〈この募集広告を見た
小鞠さんは

翌朝には 履歴書を用意して
身長と体重を測ったそうです〉

156センチ…。

2センチ足りないか…。

まあ いいか…。

年齢よし 容姿端麗…。

う~ん… まあ よしって事で。

英会話も… まあ
できない事はないはず… うん。

えっ? あれ?

今日が締め切り?

(有村)雨ニモマケズ 風ニモマケズ

雪ニモ 夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク 決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニ ワラッテヰル

<東芝は 世界に立ちはだかる

さまざまな課題の解決のために

技術の力で 立ち向かっていきます>

世界を、止めるな。
<東芝>

(写真屋)では いきますよ。
(カメラのシャッター音)

(写真屋)はい 終わりましたよ。

よかった~。 これで
今日の締め切り 間に合うわ。

お客様 申し訳ありませんが
お写真が出来上がるまで

最低2~3日は
かかる事になるのですが…。

えっ?

(伊原雅美)そうですよね。

やっぱり
今日の提出には無理ですよね…。

ありがとうございました。

ひょっとして
あなたもエアガールに?

…はい。

諦めちゃ駄目。

(雅美)ええ…? ちょっと…。

写真は後日持参しますので
応募させて頂けませんか?

どうしても
エアガールになりたいんです。

(平川)わかりました。
熱意のある方は大歓迎ですから。

(吉永)伊原雅美さんは
聖心女学院ご卒業ですか。

どのようなご家庭で…。

父は 陸軍中将として
士官学校の校長をしておりました。

兄は 慶應義塾大学を卒業して
今は海外におります。

(吉永)ご立派な家柄ですね。
お預かりします。

(雅美)ありがとうございます。

私は…。
本日は ご苦労さまでした。

気をつけてお帰りください。
あっ ありがとうござ…。

雅美さん すごい学校出てるのね。
ご家族も立派だし。

やっぱり そういう人が
受けるものなんだね…。

エアガールは

大卒男子以上のお給料が
もらえるんですって。

タイの南太平洋航空の
エアガールが

サラリー3万円という記事を
私も見ました。

あっ 航空新聞によると

エアガールは
女性の憧れの職業らしいですよ。

航空新聞って?

航空の専門紙です。

飛行機が好きで
たまに読むんです。

専門紙?

ああ…。
ああ…。

吉永さん どうでしょう?

う~ん…
合格でいいんじゃない?

あとは ギリギリに来た
この2人か。

熱意があって
良かったんじゃありませんか?

いやあ 佐野小鞠さんは
厳しいんじゃないかな?

(雅美)すいません!

写真を持参しました。
(吉永)ああ ご苦労さまです。

お願いします。

(吉永)君には期待してますよ。

ありがとうございます。

あの時 一緒にいらした
佐野小鞠さんも

素晴らしい方ですよ。

英語ができて
航空紙を読むほどの飛行機好きで。

とてもエアガールに向いてると
思います。

(板長)最近は ちょいと 景気も
良くなってきたみたいだねえ。

(仲居)
その象徴がエアガールですよ。

(板長)うん?

(仲居)今や
女子の憧れの職業ですから。

何? 何? 日本民間航空では

12名の募集に対して
1300人の応募か!

そんなに応募してたんですか?

高嶺の花って事よねえ。

そうですよね…。

お嬢様の職業ですよねえ。

いやいや 小鞠ちゃんだって
女学校出てるわけだし

なかなかのお嬢様だよ。
(仲居)うん。

さあ 休憩時間おしまいだよ。

今日も忙しいんだから。
さあ 働いて 働いて。

はい はい~。
(仲居)はい はい。

(戸の開く音)
(郵便配達員)こんにちは。

はい。

これ 佐野小鞠さん宛てです。

あっ ご苦労さま。

♬~

ええ~? えっ…?

受かった。

(カメラのシャッター音)

お昼に団体様の予約が入ってます。
もっと急いでください。

(仲居)はい。

(板長)仕込みは
なんとか終わったぞ。

お疲れさまです。
あとは よろしくお願いします。

はい。

(戸の開閉音)

(シャッター音)

(女性)ありがとうございます。

伊原雅美です。
はい。

あっ… ごめんなさい…。

ああ… すいません。 すいません。

あっ…! ごめんなさい。

ちょっと あの…
私 焦っていたもので…。

(相原 翠)魚くさいわね。

♬~

フフッ…。
フフッ。

(美代子)一見 華やかですが
地上の仕事より おつらいですよ。

立ち通しで
乗客のお世話をしながら

安全と健康にも
気を配らなければなりません。

(川村陽子)はい。
スポーツや医学の知識を生かして

エアガールとして 乗客の安全を
守りたいと考えています。

航空事業で 日本の復興を
支えられればと考えております。

エアガールという職業を
気品に満ちた

格式あるものにできればと
考えております。

幼い頃 日本人女性初の
海外飛行の記事を見て以来

パイロットに憧れてきました。

飛行機が大好きなんです!

いつか 私も
操縦桿を握れる日が来ればと…。

(美代子)申し訳ありませんが

今は 操縦士ではなく
エアガールの採用面接ですよ。

ありがとうございました。
どうぞ お戻りください。

ありがとうございました。

完全に失敗しちゃいました…。

私は ここまでです。

そんな事ないわよ。

あなた以上に向いてる人
いないもの。

でも 本当に的外れな事を
言ってしまったし…。

大丈夫だって。 自信持って。

(柳沢)皆さん
本日は ご苦労さまでした。

今日 お越し頂きました
168名の中から

誠に勝手ながら 40名の方々を
選ばせて頂きました。

(吉永)よいしょ…。

(歓声)

…あっ。

あったわ! 私も小鞠さんも!

よかったですね! フフフフ…!

なお 三次試験では

一般教養試験を含む
適性検査を行う予定です。

今日は以上です。
ご苦労さまでした。

♬~

おめでとう。
ああ 三島さん…。

最後の40人に残るなんて
すごいじゃないか。

いや…。 でも 私

女学校時代から 仕事 仕事で
勉強する時間なかったから

教養試験が自信なくて…。

僕でよかったら 見てやろうか?

…えっ?

日曜は お店も休みだろ?
僕も時間が取れる。

本当に… いいんですか?

うん。

♬~

エアガールの試験?

ごめんなさい。

お店に迷惑かけると思って
言い出せなくて…。

私は反対だよ。

あんたの仕事は
ここにあるんだよ。

私が厳しく しつけてきたのは

死んだ主人の弟から預かった
あんたの事を

ちゃんと
一人前に育てるためなんだよ。

飛行機なんかに
乗せるためじゃないよ!

ごめんなさい…。

私… ずっと悩んでた。

受かるとは思ってないけど

でも もし 受かったら

お店の仕事は
やめなきゃならなくなるし…。

やめられたら困るんだよ!
少しは店の事も考えておくれよ。

叔母さんには
本当に感謝してる。

でも 私…

どうしても
空の仕事がしたいんです。

せめて 試験だけでも

最後まで
受けさせてもらえませんか?

駄目だって言ったら
諦めてくれるのかい?

どうなのよ!
ちゃんと答えなさいよ!

私は 絶対 反対だからね。

(有村)雨ニモマケズ 風ニモマケズ

雪ニモ 夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク 決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニ ワラッテヰル

<東芝は 世界に立ちはだかる

さまざまな課題の解決のために

技術の力で 立ち向かっていきます>

世界を、止めるな。
<東芝>

(妻)どうした?
(夫)早く帰ってきてください。

シャンプーしてたら 後ろに気配が…。

そういうときあるから。

≪(猫の鳴き声)ニャーオ!

何かいる! 早く帰ってきてください!

無理だよ メキシコだし。

いつ帰ってきますか?
あした? あした? あしたとか?

No te preocupes!

え? ねぇ ちょっと…。
<部屋があなたを守ります>

<セキュリティ賃貸住宅 「D-room」>
おかえりなさい。

ニャーオ!
ひぃ!

ふふっ。 ただいま。
<見学会やります>

(夫)
<妻が妊娠。 わが家は自給自足を決意した>

まずは井戸だ!

<水は出なかった。
しかし僕の心には火がついた>

<牛を飼い 稲を植え…>

<鶏を飼った>

自給自足 サイコー。
(妻)はぁ…。

<石を削り 布を織り 時は流れた>

<そして ある日 力尽きた>
これだけ…。

<というわけで わが家の自給自足は

電気だけ
ということになった>

<電気を自給自足する家。 大和ハウス>

(ため息)

どうしたんですか?

ああ すいません…。

あまり眠れていなくて…。

悩み事?

私が エアガールになって
いいのかなって…。

お兄さんが君の話をする時の
あの嬉しそうな顔は

今でも覚えています。

妹は 男勝りで
負けん気が強くて

パイロットになると言って
聞かないんだって。

フフッ… お兄ちゃん…。

♬~

本当は 僕が特攻隊員として
出撃するはずでした。

えっ…?

(三島の声)
ところが 高熱を発して

生死の境をさまよって…。

そんな僕を 君のお兄さんは
必死に励ましてくれて…。

このお守りを
握らせてくれたんです。

これを持って
絶対に生きて帰ってくれって。

そして 君のお兄さんは
僕の代わりに出撃を志願して…。

♬~

申し訳ありません。

本当は 君のお兄さんではなく

僕が死んでいたはずだった。

謝らないでください 三島さん。

兄も 空が好きで
望んで志願したんです。

兄の事を思ってくれるなら

兄のためにも
日本の空を取り戻してください。

もちろん 必ず取り戻します。

♬~

だから 君も 諦めないでほしい。

♬~

♬~

158センチ。 ギリギリ合格だね。

(検査員)はい それでは
立ってください。

はい。

(検査員)ふらふらしないで。
頑張って。

真っすぐ立ってください。

(検査員)ふらふらしないで
真っすぐ立ってください。

(陽子)はい!

名前を呼ばれた方は
一緒に来てください。

相原翠さん。

はい。

志田多美子さん。

はい!

川村陽子さん。

はい。

伊原雅美さん。

はい。

佐野小鞠さん。

はい…。

(陽子)ここは
日本民間航空の本社ですよね?

(多美子)また 面接でも
あるんでしょうかね?

中へ お入りください。

♬~

皆さん 本日は ご苦労さまでした。

専務の松木より
お話があります。

皆さんは

日本民間航空のエアガールとして
採用される事が決まりました。

受かったんですか? 私たち。

(松木)おめでとうございます。

これからは
世界が空で繋がる時代です。

私は そう信じています。

一緒に 日本の空を
切り開いていきましょう!

どうかなさいましたか?

嬉しいんです…。

ずっと奮闘してこられた
松木さんは

私にとって希望でした。

小さい頃から飛行機に憧れて

その仕事に 松木さんの下で
関わる事ができると思うと 私…。

持ち上げられるのは
慣れてないんで

照れくさいですね…。

(松木)あなたたちのような
素晴らしい仲間に出会えた事で

大きな勇気を頂きました。

では 今から エアガールの
制服用の採寸を致します。

(5人)はい。

(翼)たった1週間の訓練で
試験飛行ですか?

9月初旬には

国内飛行の営業飛行が
始まる予定でしたからね。

政財界のツテを頼って

英語に堪能なお嬢さん方に
集まってもらい

なんとか 15名の頭数を
そろえる事ができました。

エアガールとして
最も大切な使命はなんでしょう?

私は 乗客の命と安全を守る事だと
考えております。

私も同感です。

これから 様々な場面を
経験していくと思いますが

我々 医療現場の人間と
同じように

落ち着きと機転が重要だと
お考えください。

こちらのサンドイッチの中身は
なんですか?

ハムとチーズ 卵でございます。

ドリンクは
おかわりできますか?

何杯でも召し上がってください。

あっ お酌しますね。

コーヒーは お酌とは
言わないんじゃないですかね。

あっ… ごめんなさい。
つい あの 癖が…。

まもなく 当機は
着陸態勢に入ります。

揺れますので
シートベルトをお願いします。

揺れる事も予想されますので

シートベルトを
しっかりと お締めください。

ごめんなさい。
(翠)何度 間違えるの? 小鞠さん。

しっかりなさって。

(多美子)翠さん
仲良くいきましょうよ…。

私は エアガールの品位を
汚してほしくないんです。

じゃあ もう一度。
はい…。

毎日 朝早くて
クタクタね…。

もう 温泉でも入って
ホッとしたい気分だわ!

温泉じゃないけど

そこに銭湯があるのよ。
えっ!

いいわね!

ねえ みんなで行きましょうよ!
行きましょう~!

(翠)私は 遠慮しておきます。

翠さんって
お高くとまってるって感じよね。

お育ちが違うから
仕方ないわよ。

華族様の出らしいわよ。

でも 研修では
誰よりも真剣ですよね。

翠さんの事は もういいから
もっと楽しい話 しない?

じゃあ 男性の話は どう?
誰か気になる人いる?

そりゃ 断然 三島さんでしょ。

(陽子・多美子)ああ~!
フフフフ…。

奥さん
いらっしゃるのかしらね~?

いません。
…えっ?

あっ… いや… 多分。

えっ?
もしかして 小鞠さん…。

好きなのね~?

えっ?
ハハハハ…!

安心して。
私は ちゃんと身を引くから。

いやいや…
そんなんじゃありません!

8月中に試験飛行を?
GHQが そう言ったんですか?

9月上旬 運航開始予定なら
それが絶対条件だとさ。

できなければ
話は振り出しに戻るかもな。

しかし JDACから
飛行機を借り受ける契約も

まとまっていない中で
試験飛行など…。

いや やりましょう。

まず フィリピン国際航空から
1機 借り受けて

試験飛行を実現しましょう。

(吉永)よいしょ! はあ…。

すいません 吉永さん。

ベテランパイロットに
こんな事までさせてしまって…。

(吉永)いや 飛行機に関わるだけで
俺は ご機嫌だよ。

営業業務だろうがなんだろうが
やってやるさ。

平川くんも その気だよ。

やっと 飛行機を
飛ばせるところまで来たんです。

我々の思いがかなうまで
もうひと踏ん張りです。

はい。 いつか 我々の手で

日本の空に
日本の飛行機を飛ばしましょう。

♬~

♬~

(松木)操縦も整備もできない
今の我が社で

機内で
お客様と接する事ができるのは

エアガールだけです。

皆さんの振る舞いの
一つ一つが

日本民間航空のイメージを
作り上げます。

(美代子)失礼します。

皆さんの制服が
出来上がりましたよ!

(歓声)

♬~

(多美子)
素敵よ! お似合いですわ。

(美代子)残念ながら
靴は間に合いませんでしたので

皆さん ご自宅から

黒い革靴を履いてきてください。
(一同)はい!

♬~

(老紳士)
〈そして 1951年の8月27日

試験飛行当日〉

いよいよね。

サンキュー フォー
ユア カインドネス。

(リッジウェイ大将夫人)
イッツ ア タフ ジョブ。

バット アイ ウィッシュ ユー
グッドラック。

〈GHQの
リッジウェイ大将夫人が

エアガールを激励したあとに

日の丸をつけた
試験飛行機には…〉

〈関係官庁のお役人や
報道陣に交じって

身体適性検査も兼ねて

エアガールたちも
乗り込みました〉

〈全員 それが初めての
飛行体験でした〉

♬~

ああ… 緊張しますね。

♬~

〈試験飛行機は
日本人の空への夢を乗せて

はるか大空へと
飛び立っていきました〉

いいぞ!
(拍手)

♬~

ああ…。

私 飛んでる…。

♬~

♬~

♬~

体調は いかがですか?

酔いや めまいを感じた方は
おっしゃってくださいね。

(シートベルトを外す音)

(史恵)イエス。 ザッツ ライト。

(機体が揺れる音)
(陽子)あっ 大丈夫ですか?

(ドアの開く音)

翠さん 大丈夫ですか?

来ないで。 あっち 行ってよ!

(史恵)どうかなさいましたか?

あっ な… なんでもありません。

揺れた時に音がしたので
確かめに来たら ドアの音で…。

あっ… せっかくですので

トイレ 使ってみても
よろしいでしょうか…?

(史恵)フフッ…。
それも体験しておくべきですね。

ありがとうございます。

じゃあ 翠さんから お先に。

皆様のおかげで 試験飛行は
無事に成功致しました!

(拍手)

また 身体適性検査の結果

エアガールの皆さんは
全員が合格となりました!

(エアガールたち)わあ…!
(松木)乾杯致しましょう。

乾杯!
(一同)乾杯!

(多美子)乾杯。
よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

よかったですね。

恩着せがましいのね。

お医者さんを紹介したいの。

翠さん 訓練中も たまに
トイレに消えてたでしょ?

気づいてたの…?

うちの店にも
そういうお客さんがいらして

神経性の胃炎で。

常連のお医者さんのおかげで
すっかり良くなられてたから…。

(柳沢)えー 皆さん すいません。

あさっての
福岡行きの試験飛行では

招待客への機内サービスを
実施致します。

日本民間航空のイメージを
左右する

大事なフライトになりますので

よろしくお願いします!
(一同)はい!

佐野さん。

あっ…。

おめでとう。 夢がかなったね。

はい。

お兄さんも喜んでるよ。

今度は 三島さんが
夢をかなえる番ですね。

そうだな…。

この手で操縦桿が握れるように
僕も頑張るよ。

兄も応援してると思います。

うん。

♬~

(息を吐く音)

よーし…。

(千代)何やってんのよ。

みんな
いい加減にしてちょうだい。

注文ぐらい 間違えないで
ちゃんとやってよ。

お客さん 怒らせるために

あんたたちを
雇ってるんじゃないの!

女将さん
小鞠さんがいないからですよ。

あの子の話はしないで!
当てにしちゃ駄目!

(ため息)

叔母さん。

入りな。

ごめんね 叔母さん。

…何が?

私がいないせいで
迷惑かけて…。

仕方ないでしょ。

あんたが この店よりも
エアガールを選んだんだから。

♬~

これは…?

写真 見たら あんたの靴が
あんまりくたびれてるからさ。

写真?

♬~

いいから開けてみな。

えっ…。

えっ…。

ちゃんとしないと
親代わりの私が恥かくからさ。

ありがとう 叔母さん。

私の家族は
特攻隊と空襲で死んだの。

小鞠だって そうでしょう?

だから 飛行機なんて
冗談じゃないと思ってた。

小鞠まで空に奪われたらって…。

怖かったのよ 私。

でも あんたのお父さんが

飛行機 大好きだったって事を
思い出しちゃってね。

小鞠は 家族の夢を
立派にかなえてみせたんだね。

(翼の声)その時 小鞠さんは

いつか絶対パイロットになるって
決意したそうです。

失礼ですが
お聞きしてよろしいですか?

天野さんは
佐野小鞠さんのご親戚ですか?

(翼)あっ… ごめんなさい。
言ってませんでしたよね。

私は 小鞠さんの孫なんです。

やはり…
そういうご関係でしたか。

まもなく当機は
富士山上空へと差し掛かります。

おおっ! どれどれ?

いや いい眺めだねー!
ハハッ 絶景だよー!

お席にお戻りください。
重量バランスが崩れます。

重量バランス?

ああーっ! ハハハ…!
すいません すいません!

空の上でコーヒーが飲めるなんて
いいですね。

ええ。
これは無料なんでしょうか?

(陽子)
運賃の中に含まれております。

ごゆっくり おくつろぎください。
はい。

なんだか耳が痛むんですが。

気圧の変化で
誰にでも起こる現象でございます。

唾をのんだり
大きなあくびをする事を

お勧めしております。

(女性客)すみません。
(陽子)はい。

ちょっと寒いんですけど。

ただ今 毛布をお持ち致します。

旅のお供にと
ご用意しております

日本民間航空の
絵はがきセットでございます。

ねえ あそこに見える川は
何川かしら?

申し訳ございません。

私も 富士山より西へ
行った事がないんです。

なんせ飛行機に乗ったのも
2日前に わずか40分で

今日が二度目なものでして。

あら その割には
随分 慣れた感じですよ。

ありがとうございます。

(機体が揺れる音)
うわっ!

大丈夫?
大丈夫です。

申し訳ございません。

皆様もご安心ください。

この揺れは
積乱雲の中に入ったためであり

飛行に支障はございません。

ちょっと揺れが強いので

私も失礼して
席に着かせて頂きます。

(ジャスミン)レディース アンド
ジェントルメン。

えっ あの お客様…。
えっ?

おズボンのベルトではなく
こちらのシートベルトを…。

あっ あ… そうでしたね。

外すのではなく お締めください。

ハハッ…!
もう… あなた。

小鞠さん。

翠さん。

お礼を言いに来たの。

お礼?

あなたが紹介してくれた
お医者さんのおかげで

すっかり体の調子が
良くなったから。

よかったですね 翠さん。

これで安心して
エアガールやれますね。

どこまでも真っすぐなのね。
えっ?

私は ひどい事を言ってきたのに。

あなたの事が嫌いだったのよ。

一緒に働くって わかった時は
本気でがっかりした。

まあ…
なんとなくは感じてましたけど。

(ため息)

私は華族の出なんですけど

でも 戦争で何もかも失って

世間の同情が
嫌でたまらなかった。

働かなきゃ
生きていけなくなった事も

私は恥ずかしかった。

エアガールの仕事を知った時は
救われたわ。

みんなが憧れる仕事で

良家の子女しかいないなら
まあ いいかしらってね。

ごめんなさいね。
こんなのが交じってて。

でも わかったの。

みんな 戦争で
いろんな思いをしてきたのに

私だけ 過去のプライドに
しがみついて…。

それこそ恥ずかしいわよね。

あなたが気づかせてくれたのよ。

えっ… ひょっとして
私 褒められてます?

ええ だいぶね。

やった…。

あなたに出会えてよかったわ。
ありがとう。

そんな事 言われたの
私 初めてよ。

フフッ…。
ウフフッ…。

(雅美)経由地の大阪では

たった20分で お客様の乗り降りや
サンドイッチまで積み込んで。

私も必死だったわ。
つくづく体力勝負の仕事ですね。

(翠)次の札幌行きの試験飛行も
大変そうですね。

(陽子)でも 北海道に行けるなんて
もう本当に楽しみで…。

(多美子)大変!
大変 大変 大変! 大変よ!

9月1日の札幌行きの試験飛行が
中止ですって!

中止って?
どういう事ですか?

フィリピン国際航空と

飛行機の賃貸料で
もめているらしいのよ。

飛行機賃貸料の
大幅アップとなれば

運輸審議会も
やり直しになるぞ。

それじゃ 9月上旬開業に
間に合いませんよ。

賃貸料が上がれば
運賃も上げざるを得なくなり

乗客が集まらなくなる懸念も
生じます。

ずるずると開業が遅れれば

百数十名の社員への賃金も
経営を圧迫して

社の存続すら
危ぶまれる事態になる。

元凶は JDACを通してしか
交渉できないと定めた

航空事業令です。

私が絶対に改めさせます。

(松木)これ以上
日本の航空産業が

後れを取るわけには
いかないんです。

今や海外の航空企業は

ジェット機を導入しようと
している時代なんですよ!

松木さん 現実を見たほうがいい。

航空事業は
一筋縄ではいきません。

技術力で はるかに上を行く
欧米諸国に任せるのが

今の日本の賢い立ち回り方です。

それは
総理のお考えでもあります。

あなたが総理に

そう思わせたんじゃ
ありませんか?

空まで欧米に売り飛ばしたら
日本には何が残るんですか!

どこまで
日本を食い物にする気ですか!

(たたく音)
話にならない!

小さい頃から飛行機に憧れて

その仕事に 松木さんの下で
関わる事ができると思うと 私…。

(三島の声)我々が
日本の空を取り戻さなければ

何も始まりません。

♬~

話は
終わったんじゃないんですか?

♬~

お願いします。

航空事業令を改正してください。

羽田に整備場を持ち

我々にも理解を示す
セントラル航空との

単独契約ができれば

全ては前に進みます。

日本の産業を育成するのか
外国に売り渡すのか

政府の決断で

日本の航空産業の運命が
変わるんです!

松木さん
僕とあなたは意見が違う。

しかし
総理には伝えておきますよ。

それで無理だとわかったら
次は 潔く手を引く事です。

(老紳士)〈そこから
日本民間航空の運命は

一気に開けました〉

セントラル航空と
パイロットや整備も含めて

チャーター契約が
成立しましてね。

東京~大阪 東京~福岡
東京~札幌の

往復便ダイヤも決まりました。

新聞各社も
悪い噂を吹き飛ばすように

国内線の開業を
大々的に報じてくれましてね。

そこからの乗客集めが
また 大変だったそうですね。

何しろ 当時の飛行機は

お金持ちの乗り物という
イメージが

一般的でしたからね。 フフフッ。

(老紳士)
〈日本中が注目する第一便で

空席を作るわけにはいかないと
とにかく 客集めに必死でした〉

お客さん 集まってますか?

いや…。
全然。

私たちにできる事があれば
おっしゃってくださいね。

ありがとう。

あの… 12名の予約は
まだ入れられますか?

(吉永)えっ 12名も
予約が取れるんですか?

皆さんが
頑張ってらっしゃるのを見て

親戚に声をかけてみたら
随分 集まっちゃいまして。

(平川)ありがとう。
本当に助かります。

皆さん そのまま お聞きください。

10月25日からの営業では

お客様のチェックインは
ここで済ませ

バスで空港まで
ご案内する事になります。

お客様の旅は
ここ 本社から始まると考えて

できる限りの心配りを
お願い致します。

なお 記念すべき

日本民間航空 第一便
東京発 福岡行きに

搭乗するエアガールは
2名です。

相原翠さんと…。

佐野小鞠さん。

よろしくお願いします。

はい。

平川さん
整備は終わったんですか?

(平川)
多分 終わったんでしょう。

多分?

セントラル航空は
座席の取りつけ作業すら

立ち会わせて
くれませんでしたから。

これじゃ 日本人が整備するなんて
夢物語ですよ。

現実は厳しいな。

俺たちパイロットも
訓練すらさせてもらえない。

今が踏ん張り時です。

平川さんたちが
助手として整備に立ち会えるよう

松木専務が必死に交渉しています。

パイロットの我々にも
パーサーとして飛行機に乗って

最新の操縦技術を見る機会を
与えようとしています。

我々で日本の飛行機を飛ばす事を
僕は絶対に諦めない。

♬~

(老紳士)〈国内線開業当日の
日本民間航空本社には

まだ暗いうちから

第一便に乗るお客さんが
集まりました〉

エアガールは日本中の注目の的。
親戚として誇らしいわ。

(翠)はい。

(千代)小鞠。

あんたも なかなかだよ。
叔母さん。

うちの店の新しい目玉に

フグを下関から仕入れるルートを
作ろうと思ってね。

それに あんたの晴れ姿も
見せておきたかったからさ。

大地も喜んでるよ。

うん…。

ちゃんとやるよ。

(シェフ)お待たせ致しました。

ホテルトート自慢の
サンドイッチとコーヒーです。

ありがとうございます。

♬~

予定どおりです。
お客様をご案内してください。

(小鞠・翠)はい。

(老紳士)〈その日
日本民間航空の歴史が

幕を開けました〉

♬~

♬~

はあ… 松木くん 飛んだぞ。

…はい。

とうとう 日本の空を
取り戻したんですね。

しかしね
開業当初のお祭り騒ぎが過ぎると

乗客は 一流会社の社長や
進駐軍関係者などに

限られてくるようになりましてね。

出発が大幅に遅れたり

欠航になる事も増えたと
聞きました。

状況は悪くなる一方でした。

羽田では
油漏れでエンジンがかからずに

いったん
客に降りてもらってから

みんなでプロペラを回すという
醜態をさらしました。

日本人の手で
整備ができたらと思うと

本当にやるせないんです。

申し訳ないが それが占領下にある
敗戦国 日本の現実です。

もうしばらく耐え忍んでほしい。

いつまで耐えたらいいですか!?

悔しいのは みんな同じだよ。

我々だって 資金集めに
頭を下げ続ける日々だ。

ですが
日本のメカニックの猛者たちが

セントラル航空のアメリカ人に
馬鹿にされながら

夜遅くまで
雑用にこき使われています。

悪かった。

私の読みが甘かった。

その事は謝る。

しかし 出口は必ずあるはずだ。

松木専務には
それが見えてるんですか?

来年には 日本の独立を認める
条約が発効する。

それを機に
占領下の制約が解かれて

日本民間航空も
自由な活動が許されると

期待してる。

いや そうしなければいけない。

(老紳士)〈欠航による悪評で
利用客が激減する中

給料の遅配や減額が続いて

エアガールも
次々と辞めていき

残った人たちの負担が増して

また退職者が出る 悪循環〉

暗いうちから夜遅くまで
私たち 空ばかり飛んでるわね。

少しでも長く寝ていたいから
朝ご飯まで食べてないのよ。

ええっ!?
(多美子)もう本当…。

昨日なんて
お客さんの残り物を食べて

しのいじゃった。

私なんか お風呂も入らないで
寝ちゃう事も しょっちゅう。

ヒールで今日も足がパンパンね。
(ため息)

ねえ 銭湯 行かない?

いいわね!

少しは疲れが取れるかも。
うん。

翠さんも 一緒にどうですか?

ありがとう。

気持ちいい~…。

また 私たちだけに
なっちゃいましたね。

この5人は誰も辞めないわよね?

私は続けますよ。

いろんなお客様の
特別な時間と触れ合える

この仕事が気に入ってますし

大変だからって 辞めてたら
女がすたるじゃありませんか。

私は 国際線が飛ぶまでは
絶対 辞めらんないわ。

国際線か…。
世界が広がりますね。

海の向こうへ
私の操縦で飛んでいけたら

どんなに楽しいかしらね。

小鞠さんは
まだパイロットに憧れてるの?

いつか
そういうチャンスが来るって

信じてる。

だって 戦争中は
ひもじくて切ないだけで

こんな日が来るなんて
思ってもみなかったのに

今 私たちは空を飛べてるのよ?

諦めなければ 絶対 なれるわ。

あなたなら
実現できそうな気がするわ。

ありがとう。

(バッグを奪う音)

おい てめえ
調子に乗ってんじゃねえぞ!

吉永さん!
おい!

この野郎!
やめましょう! 吉永さん!

まずいですよ 今のは。
謝りに行きましょう。

いいよ…。 もう俺は
ずっと地上勤務でいいよ。

待ってください 吉永さん。

限界なんだよ!!

もう これ以上 続ける自信がない。

♬~

♬~

今の操縦技術を見るために

パーサーとして
乗り込んでるのに

操縦室には入れてもらえず
邪魔者扱いだよ。

機内サービスを手伝えば

いかつい男はごめんだと
乗客にまで邪険にされる始末。

本当に先が見えない。

先が見えないほうが
ワクワクしていいじゃないですか。

空と同じですよ。

えっ?

贅沢ですよ 三島さん。

だって 三島さんは
飛行機を操縦できる技術を

もう持ってるのよ。

諦めないで 頑張っていれば
いつか絶対に操縦できるの。

でも 私は
操縦桿すら握った事がないの。

フフッ…
先が見えないなんてもんじゃない。

それでも… 私は絶対 諦めない。

♬~

最新のメカニズムや操縦について
全て書かれてある。

なるんだろ? パイロットに。

すごい…。

えっ でも これ
大切なものじゃないんですか?

いいんだ。
僕は もう覚えたし。

ありがとう。

えっ?

励まされたよ。

君のお兄さんの事を思ったら

嘆いていたら バチが当たるよな。

なんか… フフッ… 嬉しいな。

えっ?

三島さんが笑ってくれたから。

♬~

(男性客)できれば

あちらのお嬢さんに
お願いしたいんだがね。

私で申し訳ありません。

のちほど
雑誌を届けさせますから。

失礼します。

(機体が揺れる音)
(乗客たちの叫び声)

大丈夫ですよ。
落ち着いてください。 お客様

大丈夫ですか? 大丈夫ですね。
落ち着いてください。

大丈夫ですか?
(倒れる音)

どうした?
おい 大丈夫か!?

おい 大丈夫か?
おい 佐野さん? 佐野さん!

しっかり! しっかりしろ!!

♬~

松木さん。

まだ眠っています。

脳には異常がないと聞いて
安心しました。

あのパイロットのせいですよ。

明らかに
飛行高度が不足していました。

前方の山並みに気づいて
慌てて高度を上げたんです。

それで あんな…。

日本の地形をよく知る僕らなら
あんな低空飛行はあり得なかった。

もし 僕が
操縦室に入れてもらえていたら

あらかじめ注意できたのに
彼らは それすら許してくれない。

やはり
アメリカ任せじゃ駄目なんです。

日本人も
操縦できるようにならないと。

整備だって
平川さんが危惧しています。

セントラル機優先で

後回しにされる
うちの飛行機は…

手を抜かれているかもしれないと。

これは…
乗客乗員の命にも関わる問題です。

(老紳士)〈そして 1952年〉

〈年が明けるのを
待っていたかのように

松木さんは
精力的に動き出しました〉

(松木)この度 日本民間航空は

最高水準の安全を確保するために

日本人操縦士の海外訓練派遣を
行うと同時に

整備会社の設立に向けて
動き出す事と致しました。

(カメラのシャッター音)

今後は
将来の国際線進出をも視野に入れ

さらなるサービス向上にも
努めて参りたいと考えております。

しかし 現状では 営業権しか
認められていない航空会社が

操縦や整備に投資するのは
勇み足ではありませんか?

日本の独立が認められる
条約発効で

占領下体制が終わるはずですから。

政府も 自由な活動を
認めてくれると信じております。

とうとう
光が見えてくるんですかね?

松木さんが ああ言ってるんです。
信じましょう。

(白洲)ちょっと よろしいですか?
松木さん。

白洲さん。

おっしゃる事は ご立派ですが
今のような自転車操業で

日本民間航空に
未来はあるんですか?

整備やパイロットの人件費は
アメリカ基準。

しかし 運賃は
発展途上の貧しい日本基準。

これでは採算が取れない。

日本人で全てを賄うべきです。

そもそも セントラル航空の
整備の遅れによる欠航が

今の窮状を招いているんです。

私には 言い訳にしか
聞こえないんですよ。

アメリカの傘の下にいたほうが
安全かと思いますがね。

日本民間航空は…
日本の航空会社です!

(老紳士)〈確かに

日本民間航空の経営は
逼迫していました〉

〈悪い噂が立つといけないからと

社員や家族を乗せて

たくさん利用客がいるように
見せかけたりもしたものです〉

叔母さん ありがとう。

それは こっちのセリフでしょう。

タダで乗せてもらって

みんなに おいしいフグ
食べてもらえるんだから

最高じゃない。
どうぞ。

♬~

〈その裏では 社員総出で
顧客や資金の獲得に奔走し…〉

「航空に金を出すのは

ドブに捨てるようなもんだ」とは
なんだ!

航空は 国の命運を左右する
国家的事業だぞ。

それが 日本のトップバンクの
頭取の言う事か!

日本民間航空に投資する事は

日本の未来に投資するのと
同じ事なんです!

〈日本民間航空は

自主運営への動きを
加速していきました〉

(松木)アメリカで

ぜひとも 大きな成果を
つかんできてください。

(吉永)
パイロット派遣の先発隊として

しっかり学んで参ります。

吉永さん
ついに ここまで来ましたね。

(吉永)ああ。

いつか お前の番も来る。

はい。
いつでも準備はできています。

松木さん。
一つ伺ってもいいですか?

飛行経験のないパイロットの
育成も始まりますか?

もちろん
いずれ始めるつもりでいる。

それは 女性でも可能ですか?

(松木)そうか…。

君は ずっと パイロットに
なりたかったんだよね。

はい。

素晴らしい夢だと思います。

ありがとうございます。

私からも 君たちに
よろしいですか?

空の安全を守るには
心の安らぎも大切です。

私は 家族を持つ事を
お勧めしますよ。

家族…?

大切な人がいれば

命を守りたい気持ちも
強くなります。

…はい。

(藤原)松木くん 大変だ。

どうしたんですか? 藤原会長。

オールアメリカン航空が
京阪神合同電鉄と提携して

日米共同航空株式会社を
設立するそうだ。

日米共同航空!?

我が社と競合する国内線で

東京~大阪間3500円という
破格の低運賃で乗り込んでくる。

冗談じゃない。
そんな事されたら うちは…。

存続すら危ぶまれる死活問題だ。

白洲次郎ですね。

彼が…
裏で糸を引いてるんですね。

(松木)日米共同航空とは
どういうおつもりですか?

失礼ながら 日本民間航空では
将来が心もとない。

だから 私は オールアメリカンと
日米共同航空を作る。

それだけの話です。

あなたには 日本企業の力を…

いや 日本人の力を信じようという
思いは ないんですか?

日本人の力を過信したからこその
戦争であり 敗戦ですよ。

オールアメリカンの企業力が
あるからこそ

低価格運賃も実現できる。

それが 日本の発展にも
寄与する事になります。

そんなに…。

そんなに 日本民間航空を
潰したいんですか?

放っておいても
いずれ潰れる会社でしょう?

思いだけで立ち向かっても
竹槍部隊と変わりませんよ。

フッ… フフフフ…。

思いがあるから
全てが始まるんです!

欧米に尻尾を振っているだけでは
何も生まれない。

私に言わせれば

あなたは
総理の側近という立場を利用して

日本の未来を
海外に売り飛ばすだけの…

ブローカーだ。

私が何者かを あなたに決められる
筋合いはありません。

今日で 我々の関係は
はっきりしました。

日本民間航空と
日米共同航空の全面対決…

という事で よろしいですね?

(襖の開く音)

(老紳士)〈そして

日米共同航空設立に
逆風が吹きつけました〉

〈世論とジャーナリズムは

権力の中枢にいた
白洲次郎よりも

日本民間航空に味方したのです〉

〈朝鮮戦争特需で
上昇機運をつかんだ日本人は

占領下からの解放と自立を
強く求めたのでした〉

〈それは 日本の航空産業の
必要性を説き続けた

日本民間航空社員の
努力の結実でもありました〉

〈白洲次郎の
日米共同航空株式会社は

頓挫したのです〉

〈そして その年の10月〉

〈日本民間航空に
新たな歴史が刻まれました〉

(松木)たくさんの皆さんの
大変な努力に支えられて

我が社は 自前の整備会社と
自前の飛行機で

念願の自主運航に
乗り出す事になりました。

安全な運航こそ
最大の使命であり 責任です。

そのために 日々

慎重すぎるほどの準備を
重ねていきましょう。

我々は 臆病者と言われる勇気を
持ちましょう。

乾杯!

(一同)乾杯!

(拍手)

おめでとう!

いや~ よかったですね。

(社員)おめでとうございます。

佐野さん。

おめでとうございます。
おめでとうございます。

白洲次郎さんですよね?

お入りにならないんですか?

松木に伝言があれば承ります。

「おめでとう」と
それだけ伝えてください。

祝福してくださるんですか?

この国の空の…
長い夜が明けたんですから。

まあ 私のような人間には
少々 窮屈な国ですがね。

♬~

あの時の小鞠さんは
空への思いがあふれていました。

小鞠さんとは
お親しかったんですか?

(翼)三島優輝さんですよね?

僕の名前… 知ってるんですか?

祖母が大切にしていました。

♬~

私は 勝手に

三島さんは
小鞠さんの初恋の人なのかなって

思ってました。

思いを寄せていたのは
僕のほうですよ。

♬~

とうとう 夢に近づきましたね。

そうだな。
待ちに待った操縦訓練だ。

私も いつか
絶対に行きますから。

ああ。

♬~

(老紳士)〈1953年になると

国際線乗り入れが決まり
経営も軌道に乗り始めました〉

(女性客)あの…
コーヒーのおかわりが欲しいの。

かしこまりました。
ただいま ご用意致します。

(男性客)俺にも ちょうだい。
かしこまりました。

(コーヒーがこぼれる音)

えっ…?

(ドアの閉まる音)

三島さん。

あれ?
今日はフライトがないはずじゃ…。

実は… お願いがあるんです。

お願い?

コックピットを見せてもらう事は
できますか?

うわ~っ…!

座ってみるかい?

えっ… いいんですか?
ああ。

おおーっ…。

ああ~…。

初めて 操縦桿 握りました。

気分は どう?
うーん…。

このまま 世界の果てまで
飛んでいきたい気分です。

(小鞠の声)海の向こうへ
私の操縦で飛んでいけたら

どんなに楽しいかしらね。

(千代の声)小鞠は 家族の夢を
立派にかなえてみせたんだね。

(小鞠の声)
諦めないで 頑張っていれば

いつか絶対に操縦できるの。

私は絶対 諦めない。

私も いつか
絶対に行きますから。

♬~

もう 思い残す事はありません。

…えっ?

私は 今日で… 退職します。

どういう事だよ?

どんどん
目が悪くなっちゃって…。

網膜剥離と診断されました。

これじゃ エアガールの仕事も
務まらないし…。

パイロットにもなれませんから。

それは…
あの時の機内での転倒が?

やめてどうするんだ?

三島さん。

私…。

♬~

私の分まで…
たくさん飛んでくださいね。

♬~

遠いどこかって…。

まだ 行き先は
決まってないのかい?

いろいろ…
自由に飛び回りたいなあって。

ずっと働き詰めだったんだから
ゆっくり 羽を伸ばしておいで。

叔母さん…。

わがままばかり ごめんね。

♬~

何言ってんの。

小鞠は どこにいたって
大切な家族よ。

ありがとう。

♬~

♬~

♬~

(老紳士)〈その後

彼女と会う機会は
二度とありませんでした〉

〈そして 1954年〉

〈日本民間航空 念願の
国際線が飛び立ちました〉

〈そこに
小鞠さんがいない事だけが…〉

それだけが心残りでした。

(老紳士)
でも あなたにお会いできて

本当に嬉しかった。

私こそ 三島さんにお会いできて
よかったです。

日本民間航空の先輩方の
ご苦労に報いられるように

私も頑張ります。

そうでしたか。
あなたも この会社に?

はい。

小鞠さんの夢を継いで
パイロット志望で入社しました。

そうだ…。
あなたに渡したいものがあります。

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~

(機長の英語)

ラジャー。 テイクオフ。

(機長の英語)

(機長の英語)

♬~

♬~

♬~

♬~