【土曜時代ドラマ】立花登青春手控え2(5)「みな殺し」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜時代ドラマ】立花登青春手控え2(5)「みな殺し」[解][字]

藤沢周平原作。若き青年・登が、人間が持つ欲望や苦しみ・悲しみ、希望に向き合い、持ち前の正義感と柔術で事件を解決していく姿を、爽やかに描く「青春時代劇」の決定版。

番組内容
盗みを働いた砥ぎ屋の芳平(六角慎司)は出所寸前に牢(ろう)で病死した。芳平の突然死に疑惑を抱く登(溝端淳平)。一方本所深川では、二か月に六件も殺しがあり盗賊のむささびの七蔵が関わっていることが判明する。藤吉(石黒賢)から芳平もその手下だったことを知らされた登は、芳平の死は仕組まれた殺しではないかと思い牢内のことを調べ始める。ひとまず同じ牢にいて既に出所した職人・市次郎(眞島秀和)を調べはじめるが…
出演者
【出演】溝端淳平,平祐奈,宮崎美子,マキタスポーツ,正名僕蔵,波岡一喜,鷲尾真知子,石黒賢,古谷一行,六角慎司,眞島秀和
原作・脚本
【原作】藤沢周平,【脚本】田村惠
音楽
【音楽】羽岡佳

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 芳平
  2. 市次郎
  3. 七蔵
  4. 先生
  5. 病死
  6. 三之助
  7. 野郎
  8. 庖丁
  9. 女房
  10. 相手
  11. 橋本町
  12. 手下
  13. 刃物
  14. 大丈夫
  15. 大牢
  16. 長蔵
  17. 藤吉
  18. 本当
  19. 名前
  20. 料理屋

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

全て無料!民放各局の動画視聴ができるTVer(ティーバー)!まずはココから → 民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

他にも、無料お試し期間のあるVODサービスが増えてますので、以下バナーから各社のラインナップを調べてみるのもいいかもしれませんね。





ABEMA



NHK
created by Rinker
¥1,320 (2021/07/26 02:48:04時点 Amazon調べ-詳細)

♬~

♬~

<最初の変死人は

小名木川に浮いているのを
発見された。

この一件を皮切りに

ほんの ふたつきばかりの間に

男の変死体が

本所深川の一帯で

6件も相次いだ>

うわわ…。
あああ…。

うう… ああっ うう…。

うう… ぐっ… ううっ!

ああ…。

<そんな さなか

刃物で腹をえぐられた男が

六間堀町の自身番に
這い込んできた>

おいっ 大丈夫か!?

(藤吉)助かりそうですかい?

名前は?

三之助…。

誰にやられた?

(三之助)し…。
(戸が風で揺れる音)

聞こえねえ。 何だって?

し…。

(戸が風で揺れる音)

♬~

♬~

(芳平)あっ 若先生!
ちょいと… ちょいと お話が。

(登)はあ~。

そりゃねえ…。 ちょっと そんな
つれない そぶりなすっちゃ…。

若先生!
(万平)いいんですか?

呼んでおりますが。
ああ…。

誰ですかな? 随分 親しそうだが。

研ぎ屋の芳平という者です。

盗みをはたらいて
捕まったらしいんですが

立花先生が通る度に
むやみに話しかけますもんで。

そりゃ ほかの囚人たちの手前
きまりが悪かろう。

盗っ人の知り合いが
おられるとは

先生も なかなか
お顔が広いですな。

あっ いえ…。
ハハッ。

話というのは何だ?

いや~ 女房のやつ 庖丁を
届けに伺いましたかね?

庖丁? 何の事だ?

お宅からお預かりした庖丁を
研ぎ上げたまんま

うちに置きっ放しにして
来ちまったもんで。

ああ…。

何でしたら
取りに行ってもらえませんか?

私が? 庖丁をか?
うん。

勘弁してくれ。
こっちは忙しいんだ。

えっ 先生!
庖丁ねえと困りますよ。

えっ!? 芳平さんが牢に?
でも 何で また?

仕事に行った先で
盗みをはたらいたそうです。

女中部屋に忍び込んで

かんざしと小金を
くすねたらしいのだ。

あ~らまあ…。

うちでは なくなったものは
ないでしょうね?
いえ。

あっ! 庖丁…。

盗まれたのですか?
いえ あの…

研ぎに出したままに。
ああ…。

登さん 今すぐ
取りに行って下さいな。

はっ!? 庖丁をですか?

決まってるじゃありませんか。

たくあん
あのまま かじるんですか?

(おとく)すいませんね
お待たせ致しまして。

いやいや。
こちらです。

はい。

これじゃ 頂き過ぎですよ。

いいんだ。 あんたも
大変だろうからって

叔母上がな。

まあ… なんて お優しい。

あたしゃね
奥様のお顔を拝見する度に

仏様のように おきれいだと

いつも思ってたんですよ。

まあ… 確かに 顔だけはな。
フフッ。

先生 うちの人は牢の中で
おとなしくしてますかね?

うん… まあ 敲きの刑を受けて

じきに牢を出されるはずだから
何も心配する事はないぞ。

何分 よろしくお願いします。

<その翌日の事である>

んん…。

どうしました?

東の大牢に死人が。
ああ… 誰が亡くなったのです?

芳平です。

よ… 芳平?

♬~

何か ありますか?

いえ。
うん。

終わりました!

♬~

どうですか?
うん。 これといって

不審なところはありません。
恐らく

夜中に 急な心ノ臓の発作にでも
襲われたものと見えます。

はあ… 病死でしたか。

≪(水野)先生。

はい。

♬~

立花先生 後は頼みますね。
はい。

おい 次は?
へい 市次郎です。

市次郎 これへ。

(市次郎)へい。

(市次郎)お願い致します。

どうかね? もう あまり
下らんと思うが。

へい。 おかげさんで
すっかり よくなりました。

今夜からは
普通の飯に戻していい。

では そのように申し次ぎを。

ちょっと 聞きたい事がある。
あっ…。

何でしょう?

昨夜 芳平に何があった?

同じ牢にいたんだ。
何か見なかったか?

あっしは
ぐっすり眠ってたもんで。

では 何か物音は?

いえ… 何も。

ああ… 先生
何かあったとしても

あっしらが しゃべる訳には
いきません。

名主さんに聞いてみたら
どうです?

終わりました。

♬「しょずがの婆さま
まだ起きね」

♬「とっくの二十日に起ぎ申した」

♬「鳥こと からすと申し上げね」

♬「とっくの二十日に起ぎ申した」
≪(泣き声)

≪(おとく)
どうして… どうして…!

♬~

何で… 何で…!

今日は
非番ではなかったのですか?

そうですが…。

もう八ツ半ですよ。
どこを うろついていたんです?

本日の御用の趣は
何ですか?

何を言ってるんです。
お客様ですよ。 私に?

あっ 親分。
お留守に お邪魔してやしたぜ。

だいぶ待たせたようだが
急用でも?

先生に お聞きしてえ事が
出来たもんでね。
何かな?

(ちえ)失礼致します。

あっ… すみませんね。
お嬢さん 御手ずから。

もったいねえ。
どういたしまして。

珍しい事もあるもんだな。

あの しわい叔母上が
落雁とは。

うっ!

登お兄様が
いつも お世話になっております。

叔母様といい
お嬢さんといい

さすが お医者様の家だけあって
おしとやかなもんだ。

ハハハハ…。
フンッ 猫っかぶりめ。

それで 私に何を聞きたいのだ?

芳平って囚人の事ですがね…。

今日 牢屋敷に行って
平塚の旦那に伺ったところ

芳平は病死したとおっしゃる。
本当ですかい?

ああ… まあ。

しかし 何だって 芳平の事を?

実は この
ふたつきばかりの間に

男の変死が
相次いでおりましてね

無論 うわべは どれも
殺しには見えねえんだが

どうにも腑に落ちねえ。

裏に 何かがある。
あっしは そう思って

ずっと調べていたんです。

すると
ちょうど20日前の晩のこったが

六間堀の自身番から使いが来て

瀕死のけが人が這い込んできた
と言うんでさ。

男の名は 三之助。

刃物で腹をえぐられていた。

どうにも 朝まで
もちそうになかったんで

すぐに 聞き取りに かかりやした。

(三之助)し…。
(戸が風で揺れる音)

聞こえねえ。 何だって?

むささびの… 七蔵…。

むささびの七蔵!? 盗賊の頭の?

あっしも そう聞いた時は
耳を疑いました。

しかし その三之助という男は
なぜ 七蔵に殺されたのだ?

むささび一味は 先月

本所元町の清水屋という
藍玉問屋に押し入って

3百両近え大金を
奪っておりやす。

その盗み金を 七の野郎は
独り占めするために

手下を みな殺しにしようと
してるらしいんで。

では 変死した男たち
というのは…。

三之助も含めて みんな
七の手下だったという訳で。

ああ…。

それで その話と芳平は
どう絡んでいるんだ?

決まってるじゃありませんか。
芳平も 七の手下だったんでさ。

まさか…。 あれは
うちにも来ていた研ぎ屋だよ。

いや でも あの時 三之助が
そう言い残したんだから

間違えありやせん。

手下の中で生き残ってんのは
芳平と常吉の2人だけだとね。

常吉というのは?

船宿で船頭をしていたんですが

捜し当てた時は もう
風を食らって逃げたあとでした。

いや ひょっとすると
もう この世には…。

芳平の方も
ねぐらを突き止めんのに

手間取っちまいましてね

牢に入ってると分かったのは
ゆんべの事です。

先生 芳平は
本当に病死だったんですかい?

疑うようで悪いが
こいつは大事な事なんでね。

もし 芳平が
殺されたんだとすると

その時 七の野郎が 牢に
入り込んでいたという事になる。

先生… どうなんです?

回想 これといって
不審なところはありません。

(水野)病死でしたか。

(玄庵)おい… どうした?

実は… 芳平の事で。

フンッ。 牢に入ってるそうだな。
芳平が どうかしたのか?

死にました。

どうして?

それが…
殺されたかもしれないんです。

うん?
それなのに 私は…

はあ… 確信が持てずに
病死と偽って 見て見ぬふりを。

ちょ ちょ… ちょっと待て。

芳平が殺されたというのは
確かなのか?

恐らく。 口の中に
紙の切れ端が挟まっていました。

どういう事だ?
つまり 芳平は

濡れ紙で 鼻と口を
塞がれたのではないかと。

その際 芳平は苦しさのあまり

濡れ紙を噛んで

それが 口の中に残った。

はあ…。 牢名主は 芳平の死を
何と届け出たんだ?

それは もちろん 病死と。

ならば たとえ
殺されたのであっても

目をつぶるのが
牢医者としては正しい。

ですが…。
牢内の仕置きは

牢名主に任せる
それが昔からの決まり事なんだ。

殺しだ何だと騒ぎ立ててみても

牢名主以下の囚人どもが
口をつぐんでしまえば

どうにもなるまい。

(久坂)私たちだけで
探りを入れる分には

誰にも迷惑は かかりません。

「私たち」?
立花さんと私には

七蔵と やり合った
因縁があります。

♬~

気を付けろ 久坂。
はい!

♬~

今度こそ… んっ!

しかし それには まず

どの男が 七蔵かを
突き止めねばなりませんが。

七蔵は 自ら 牢に入ってまで
殺しをするような男だ。

そう やすやすと
尻尾は見せまい。

いや 待てよ…。

何か いい考えでも?

三之助が 七蔵に襲われたのが
20日前。

それから
芳平が殺されるまでの間に

牢に入ったやつを調べれば
その中に 必ず 七蔵はいる。

すまんが 名主の仁兵衛を
呼んでくれんか?

へい。

♬~

むささびの七蔵は
まだ この中にいるのか?

(仁兵衛)
何の事か分かりませんぜ 先生。

かばうのか?

おっしゃる事が分からねえと
申し上げてるんで。

芳平が殺されるのを
黙って見逃したのは なぜだ?

待って下せえ。 あれは 先生方が
病死と見立てたんですぜ?

いいから答えろ。

金を握らされたのか?

それとも
脅されて 怖気づいたのか?

先生 もういいですかい?

♬~

<牢名主ですら 黙らせてしまう
むささびの七蔵。

やつは 必ず この中にいる。
登は そう確信した>

おはようございます。
ひとつ お願いしたい事が。

この間 芳平という男が死んだのを
覚えていますか?

(平塚)ああ…。
その時から遡って 20日の間に

東の大牢に入ってきた者の
名を知りたいのだが。

芳平の死に方に不審でも?

いや あれは病死という事で
決着している。

それならいいが…。

いいでしょう。 わけもない事だ。

「浅草福川町
無職 佐吉 四十二歳」。

どんな男です?
髪結いの亭主です。

年上の女房を働かして

てめえは 小遣いをもらって
ぶらぶらしてるような男でさ。

何で捕まったんです?

博奕です。
花がるただったかな?

「日本橋畳町

曲物職人
長蔵 三十五歳」。

そいつは 女房と間男を
ぶったたいて 罪になった。

冬のさなか 裸で縛り上げて
水をぶっかけたってんだから

尋常じゃねえな。

先生 何か
訳が おありのようですな。

あっ いやいや… 訳なんて何も。

そういえば…
もう一人いたような…。

もう一人?

そいつは 初め
無宿牢に入ってきたんだが

しばらくして まっとうな
職人という事が分かり

大牢に移された。
その男の名前は?

「市次郎」。

[ 回想 ]
(市次郎)何かあったとしても

あっしらが しゃべる訳には
いきません。

名主さんに聞いてみたら
どうです?

(久坂)この市次郎という男が
一番 怪しいですね。

無宿牢から大牢に移されたのも

芳平が殺される前の日の事だ。

「北本所荒井町 雪駄職人」ですか。
へい お待ち。

まずは 市次郎の親方に
当たってみよう。

その前に
こいつを片づけましょう。

(辰五郎)市次郎は もう2年がとこ
うちへ通ってるが

律儀だし 腕はいいし
文句のつけようがねえ。

牢から出されたら また うちで
働いてもらうつもりですよ。

市次郎が捕まったのは
行きずりのけんかで

相手を半殺しの目に
遭わせたせいだという事だが。

その言い方だと
市次郎の方が悪く聞こえるが

本当は そうじゃねえんだ。

肩が ぶつかったと
言いがかりをつけて

相手が刃物を抜いたもんだから
市次郎 おびえちまってよ。

棒切れつかんで 振り回したんだ。

そしたら 幸か不幸か

そいつが 相手の面に
まともに当たっちまった。

そうだよな? 丑松。

(丑松)へい。

(おさと)あの人はね 何言ったって
聞きゃあしないんだから

お上に お仕置きでも
して頂いた方がいいんですよ。

よっぽど
博奕好きだったらしいな。

そりゃ もう 嫌んなるぐらい。

ご亭主は 夜中に こっそり
出かけたりはしなかったかね?

裏口から しょっちゅう
出かけてましたよ。

博奕を打ちにね。
ないしょで
大金を隠し持ってたなんて事は?

うちの人がですか?
とんでもない!

人のへそくり持ち出しちゃ

いつも すってんてんに なって
帰ってくるんですからね!

いてっ!
あっ ごめん…。

また外れでしたね。
ああ…。

ほんとに あの人は… んっ!

あの女房の尻に敷かれてたんじゃ
むささびという柄ではないな。

次は 長蔵ですか。

女房と間男をぶったたいた男だ。

(おゆう)旦那
勘違いしてもらっちゃ困りますよ。

間男なんて
根も葉もない事なんですから。

しかし ご亭主は
冬のさなかに

あんたを裸にして
縛ったと聞いたが…。

うちの人 やきもち焼きだから
そんな事 しょっちゅうで。

だが ただのやきもちにしては
度が過ぎやせんか?

ええ… 確かにね。

あの時は うちの人も私も

つい 夢中に
なり過ぎちまったもんだから。

そうか… うん。

邪魔したな。 ごめん。

本当に お前は…。
すみません。

長蔵も外れのようですね。

これから どうします?
どうしたもんかな…。

先生。

芳平は 病死じゃなくて
殺されたんでござんしょう?

いや そんな事は…。
(直蔵)それじゃあ

今日一日 お二人で 何を
探っていらっしゃったんです?

先生のそぶりが
おかしいんで

ずっと 直蔵に
見張らせていたんです。 はあ…。

すまん。 悪気はなかったんだ。

これは 今日
先生方が回った所ですよね?

その3人のうちの誰かが
むささびの七蔵らしいのだがな。

一から 洗い直すんだ。
分かりやした。

急な事で びっくりしたろうが
気を落としてはいかんぞ。

(藤吉)おかみさん

こんな時に申し訳ねえが
2~3 聞きてえ事がある。

何でございましょう?
これまでに

市次郎とか 佐吉とかって
名前を聞いた事はねえかい?

いいえ。
じゃあ 長蔵って名は?

(藤吉)じゃあ
仕事の方のつきあいは?

さあ…?
橋本町の料理屋なんかには

かわいがってもらって 10日に
一度は 必ず 行ってましたけど。

その料理屋は 何てんだい?

名前までは… 知りませんけど。

そうかい。

何度聞かれても 同じこった。

市次郎は 少しも悪くねえ。

ただ ツイてなかっただけだ。

♬~

(丑松)行ってまいりやす。

♬~

おめえ 市次郎の事で
何か知ってんだろ?

野郎の評判がよすぎるんで
俺は かえって気に食わねえんだ。

しゃべっちまいな。

その… 実は…

親方が あんまり
市の野郎を褒めるもんで

黙ってたんですが…。

おい。

あっしは
あいつのけんかを見たんでさ。

けんかというと
例の行きずりの?

へい。

相手が刃物を抜いたのは

市次郎が
そう しむけたからなんで。

つまり わざと抜かせておいて

たたきのめしたという訳だな。

牢に入るためにやったんでさ。

しかも すぐ出られるように
相手を悪者にした。

間違えねえ。 市次郎の正体は
むささびの七蔵だ。

(からすの鳴き声)

市次郎はいるか?
へ~い。

ここに控えております。

その方 おかかり どなた様にて
幾日の入牢か?

南の御前様おかかりにて

如月九日の入牢にござります。

(水野)相違なし。

市次郎 出牢申し渡す。

ありがとうございます!

<市次郎は解き放ちとなった>

♬~

おい… これ 1本くれ。

はい。 ありがとうございます。

はい どうぞ。
はい。

あっ 旦那…。
あ~ いいんだ いいんだ。

ありがとうございます。

♬~

<その足で
市次郎が向かった先は

橋本町の
とある小料理屋であった>

野郎 あそこに入りやしたぜ。

芳平のかみさんが言ってた
料理屋だな。

おまちどおさま~。

おう。
はい。

どうぞ。

女が出てきやしたぜ。

あの店が
むささびの隠れ家という訳か。

踏み込みやすか?

まだだ。

おやじ。 へい。
もう一杯くんな。 はいよ!

何を待ってるんだ? 親分。

金だ。 やつは
必ず 取りに行く。

3百両のある所にな。

でも 金は
あそこに置いてあるのかも…。

悪党ってのはな 用心深えから
女を信用しねえものさ。

♬~

行ってらっしゃいませ。
うん。

<市次郎が外に出てきたのは 日が暮れてからであった>

♬~

(戸をたたく音)

どちら様でしょう?

私は 橋本町で料理屋をやっている
市次郎という者です。

あっ… そうでしたか。
あなた様が橋本町の。

芳平さんは
かわいそうな事をしたね。

お線香でも
上げさせてもらいましょうか。

あっ どうぞ。
汚い所ですけど。

失礼致します。

≪(物音)

(藤吉)市次郎… いや

むささびの七蔵 神妙にしやがれ!

♬~

おとくさん。

んっ!

♬~

七蔵 この野郎!

♬~

(殴る音)
うっ!

あっ… ああ…。

おい 七蔵!
うわっ!

ああっ! うう…。

この野郎!
うわ~! ああ… んんっ!

この野郎!
んん…。

んっ!
はっ! ゴホッ ゴホッ…。

大丈夫か?
はあ はあ…。

先生こそ 大丈夫ですかい?

血が出てますぜ。

あっ いや… 大した事はない。

んっ…。

んっ…。

はあ~。

はあ…
にらんだとおりだ。

(物音)

傷が洗えたら 次は膏薬。

大丈夫?

縫ってあげようか?
ばか!

雑巾を縫うのとは 訳が違うぞ。
あっそ。

うわっ!
我慢しなさい。

あっ… はあ…。

一体 誰に切られたの?

誰でもいい。
あっ 叔母上には ないしょだぞ。

分かってるわよ。

♬~

はい 終~わり!
うわっ!

いった~…。
ハハハハハ。 優しくしろ。

酉蔵のかみさんじゃないか。
痛むのか?

ええ 時々。
もう一杯だけ!

お前は 女房が病に倒れているのも
知らずに飲み回っているのか!

俺 面白え話を聞いたんだぜ。
押し込みの相談?

やつらが仲間に引き入れようと
している男がいる。

酒飲みの どうしようもない男だ。

酉蔵は どうした?
昨日 出かけて まだ…。

裏切ったら承知しねえぞ。

これ以上
悲しい目に遭わせたくないんだ。

助けてやりたいんだ。

♬~