【土曜時代ドラマ】立花登青春手控え2(6)「見張り」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜時代ドラマ】立花登青春手控え2(6)「見張り」[解][字]

藤沢周平原作。若き青年・登が、人間が持つ欲望や苦しみ・悲しみ、希望に向き合い、持ち前の正義感と柔術で事件を解決していく姿を、爽やかに描く「青春時代劇」の決定版。

番組内容
作次(黒田大輔)が牢(ろう)を出たばかりで殺された。出所前、作次は登に牢の中で押し込みの計画を盗み聞きしたと打ち明けた。仲間に誘われていた者の中に、酉蔵(浅野和之)という呑んだくれの男がいて、その妻、おとく(富田靖子)は玄庵の患者であった。登は心配になって酉蔵を探し、おとくの面倒をみろと叱り悪事には加担するなと諭す。だが酉蔵は苦労をかけたおとくに楽をさせようと、押し込みの見張りを引き受けてしまう…
出演者
【出演】溝端淳平,平祐奈,宮崎美子,マキタスポーツ,正名僕蔵,波岡一喜,鷲尾真知子,石黒賢,古谷一行,富田靖子,浅野和之
原作・脚本
【原作】藤沢周平,【脚本】古田求
音楽
【音楽】羽岡佳

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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♬~

<その日 登は

叔母の松江に押しつけられた
大きな荷物を担いで

道場に向かっていた>

<見覚えのある女に出会ったのは

浅草 蔵前通りに
さしかかった時である>

どうした?

酉蔵のかみさんじゃないか。

若先生。

どうした? 大丈夫か?

痛むのか?
ええ 時々。

今日も 急に痛くなって

お店を休ませてもらって
帰ってきたんです。

いつごろから そんなふうに?

去年の秋ごろからです。

酉蔵は… 亭主は
何と言ってる?

あの人には 言っても
しょうがないから…。

それに 半日も寝ていれば
治りますから。

いかんな おとしさん。
その顔色は普通じゃないよ。

叔父が家にいるはずだ。
行って すぐに診てもらいなさい。

どうした?

若先生のところには
随分 お支払いが…。

そんな事は 気にせんでいいよ。

私に途中で会ったからと
言えばいい。

叔父は 払いが
たまってるからといって

病人を
邪けんにするような人じゃない。

それは そうでしょうけど…。
行きなさい すぐに。

でも すぐには…。
一度 家に戻らないと。

そうか…。

後で 必ず行きますから。

若先生こそ どこかへ
お急ぎなんでしょう?

あっ いや… 私は
そう急ぐ訳でも。

大きな荷物。
あっ…。

(稽古をする声)

(稽古をする声)

(久坂)何ですか? そりゃあ。

綿入れ半纏ですか?

胴着だよ。 着物の下に着込むんだ。

ハッハッハッハッハ…。
まさか。

相撲取りじゃあるまいし。

おっ! せんべいですか?

駄目だ!
牢屋敷に持っていくやつだ。

早速のおすそ分け。

先ほど
立花様から頂いたばかりの

おせんべいです。

いや~ 園井様。 さすがに
行き届いた お心遣い。

頂きます。

まあ! これが そうね。
叔母上様が お仕立てになった。

あっ いや お恥ずかしい。

丁寧に縫い上げてあります。

しかし… これを
着物の下に着込むのは。

人前には とても。
人前に着て 出れなければ

部屋着にすれば
いいじゃありませんか。

夜は 暖かいですよ。

大切にされているんですね
叔母上様に。

叔母上が 私を大切に…?

終わったら 呼んで下さい。
ああ。

(作次)つまらねえ けんか沙汰で
牢屋に入るし

できもんは出来るし
ツイてねえなと思ってたんだよ。

人間 ツキが落ちる時もある。

牢から出されても 当分
気を付けた方がいいぞ。

もう 大丈夫だよ。 ヘヘッ。

先生よう
俺 面白え話を聞いたんだぜ。

押し込みの相談だ。

押し込みだと!?
しっ!

うそじゃねえよ。 フッ。

尻のできものが痛くって
眠れなかった時の事さ。

2人 夜中に すぐそばで
ひそひそ始めやがったんだ。

どこへ押し込もうというんだ?
そりゃ言えねえ 言えねえよ。

そこまで言ったら
俺は 殺されちまわあ。

その2人の名前は?
そいつも勘弁してくれ。

牢仲間の仁義っつうもんが
あるんだよ。

それに…

2人も もう
出ていっちまったしな。

いつ 牢を出たんだ?
そう カッカすんなよ。

2人して
昨日 出ていっちまったよ。

いい加減な事を言ってるんじゃ
あるまいな?

冗談じゃねえよ。
もしかしたら やつら

ここを出てく日が
分かってたから

まじで
相談ぶってたのかもしんねえぞ。

もう一人 仲間を誘おうって
言ってたな。

名前は 確か
「とりぞう」とか言ってたな。

とりぞう?

どこの
とりぞうだ?

元鳥越町のどことか言ってたな。

♬~

酉蔵のかみさんじゃないか。

若先生。

俺が しゃべったって事は
ないしょだぜ?

先生には世話になったから
ちょっと面白え話を

聞かせようと
思っただけなんだよ。 ヘヘッ。

(平塚)昨日 お解き放ちに
なったのは その2人だ。

一人は柳橋の料理茶屋の下働きで
名前は 蔵吉。

もう一人は 巳之助という男で
高利貸しの手伝い。

仲良く つるんで

門前の敲きの刑を受けて

出ていきましたよ。

蔵吉と巳之助…。

どうしたんです? 先生。
何か あったんですかい?

いや… ちょっと
気になる事がありましてね。

しかし まだ 不確かな話ですから。

(松江)あら 登さん
遅かったのね。

牢屋敷で ちと 小用がありまして。

登さん 胴着は
どうしました?

ああ… ありがとうございます。

道場のみんなも
大変 褒めてくれましたし

私も ゆうべは暖かくて
随分 助かりました。

まあ そんな…。

あっ ちえもね
手伝ってくれたんですよ。 ねっ?

ああ…。

登さん これからは

おつとめ明けには もう少し
早く帰るようにしなさい。

お昼をうちで食べれば

お小遣いだって残るでしょ?
はあ…。

(ちえ)台所の隅っこで
食べる事ないのよ。

みんなで一緒に食べましょ。
(松江)そうですよ。

まあ それは どっちでも…。
あっ 叔父上は?

けが人が駆け込んできて
今 手当てしてます。

そうですか… では。

お母様 私 行かない。
残る。

あら どうして?

だって… 登のお世話しないと。

痛えよ…。
先生 大丈夫か? これ。 はあ…。

うわっ! 痛っ!

ううっ!
我慢しろ。

安心しろ 焼酎だ。

叔父上。

あっ!

おお… 登か。
お手伝いしますか?

いや いい いい。
大したけが人じゃないんだ。

ああ… 何の用だ?

酉蔵の女房が来ませんでしたか?

酉蔵? ああ 傘張りのか。

酉蔵のかみさんが どうした?

昨日 道で
ばったり会ったんです。

かなり 具合が
悪そうだったんですが

来てませんか…。
来なかったな。

ああ…
もう治ったのではないのか?

いえ それは考えられません。

尋常な顔色じゃ
ありませんでした。

秋ごろからの腹病みだそうです。
秋ごろから?

…で そのあと ほかの医者にも
診せてないのか?

治療代が払えないらしくて。

チッ! ばか!

おう もういいぞ。

今日は いい薬を使ったから
百文だ。

払いなど 気にするやつがあるか。
…ったく。

おっ 百文だ。

先生 あの… 今 金が…。
ヘヘッ…。

ちょいと待ってもらえねえかと。
何!?

手当ての前に
なぜ それを言わん?

すんません。
フンッ しょうがないな。

あ~ 晦日には
ちゃんと持ってこい。

はい! 先生 ありがと。 ヘヘヘッ。

あんな手合いばかりだから

わしも なかなか
うまい酒が飲めんのだて。

酉蔵の女房ですが…。
ああ?

おう どうしたもんかな?

ひょっとしたら
寝込んでいるかもしれませんよ。

それだと
ほっとく訳にもいかんな。

困ったな。 わしは これから
2人ばかり 病人が来るし…。

ああ…。

きよさん。
はい。

晩飯は 今日は いらないから。

ちょっと 登!

どうして? どこ行くの?

往診に行くんだよ。
遅くなるかもしれないから

どこかで済ましてくる。

そんなの 嫌! 私が作ったのよ!

しかたがないじゃないか。
医者の娘なら分かるだろ?

じゃあ 私も食べない。

勝手にしろ。

んっ!

怒っちゃ駄目。 怒ったら
向こうも怒るでしょ?

だって…。
「だって」じゃありません。

先は長いんだから。

(小声で)
お母様も お望みなんですよ。

腹をお決めになったんです。

お父様は お酒ばかり飲んで
あんなふうだし

先行きを思えば… ねっ?

幸い 若先生は次男だし

「是非 お嬢様と」って。 フフッ。

嫌よ 私。 …嫌!

登なんか嫌いだもん。
大っ嫌いだもん!

<おとしの住まいは
元鳥越町の裏店である。

亭主の酉蔵が 酒飲みの怠け者で
仕事も ろくにしないので

おとしは 一膳飯屋で働いて
家計を支えていた>

おとしさん
お医者様が来てくれたよ。

あっ すみません 若先生。

ああ…。

具合は どうだ? おとしさん。

(おとし)ええ… やっぱり
起き上がれなくて。

ああ…。

まだ 腹が痛むのか?

はい。

失礼。

何も食べていないのか?

あっ! うっ…。

ああ… 胃ノ腑が荒れているな。

治るまでは ちょっと手間取るが
なに 怖い病気じゃない。

ほんとですか? 若先生。

私は 死に病に取りつかれてたかと
思ってたんですよ。

それは 大げさだよ おとしさん。
フフッ。

薬をあげよう。

はあ…。
しばらくは 店を休んで

体を休めなきゃいかんな。

酉蔵は どうした? 仕事か?

あの人は この2~3日
どこにいるんだか…。

長屋の人に 仕事場に
知らせに行ってもらったけど

いなかったって。
酒か。

酒だな。

いい加減にしろ! この野郎!

もう一滴も飲ませねえぞ。
銭 持ってこい! 銭を!

だからよ… なっ?
持ってくるから。

明日は持ってくるから もう一杯。

もう一杯だけ!
うるせえ!

駄目だったら 駄目だ!
おととい… 来い!

うわっ! ペッ!

ああ…
しょっぺえ この野郎 チクショウ。

覚えてやがれ! …ったく。

はあ…
長えつきあいだってのによ ヘッ。

薄情な野郎だ。 …ったく。

血も涙もねえ野郎だよ
まったく。

おっ あっ 危ねえ この野郎!

はあ… あ~ 痛え。

ああ… わあ…。

お月さ~ん。

はあ…。

捜したぞ 酉蔵。

あれ? 若先生?

どっかに病人でも出たんで?

とぼけた事を言うな!

あっ! かっ…
な… 何なんですかい!?

酔いがさめたか?
あっ… もう 勘弁…。

勘弁して… 勘弁して。 はあ。

ああ…。

ペッ。 ああ… はあ。

おとしさんは病だ。

えっ?

お前は 女房が
病に倒れているのも知らずに

飲み回っているのか!

そんで… そんで
かかあの具合は どうなんですか?

ほっとくと命取りになる。
へっ?

そ… そんなに?
そうだ。

死んでしまうかもしれん。

いずれにしても おとしさんは
当分 仕事はできん。

だから これからは
お前が面倒を見るんだ。

しっかりしろ! 酒なんか
飲んでる場合じゃないぞ!

へい… へい。

分かりやした。

よ~く分かりやした。

肝に銘じやす。

近頃 誰かに 悪い誘いを
受けたりはしていまいな?

何の事です?

巳之助という男を知っているか?
いいえ。

蔵吉という男は?
蔵吉?

ああ… 柳橋の。
知っているんだな!

料理茶屋の下働きでさ。
…遊び人ですがね。

でも 若先生が何で?

あ~ そうか。 やつは
女で しくじって

牢の中に入ってんだ。
蔵吉は 牢を出たよ。

へえ~。
まだ会ってはいないんだな?

そりゃあ だって…
牢を出ましたって

挨拶に来るほどの
仲じゃねえんだから。

酉蔵… その蔵吉という男が
近いうちに

お前に ちょっとした もうけ話を
持ち込んでくるかもしれないが

その話に乗っちゃいかんぞ。

何の事です?

私の言葉を覚えておけ。

それから おとしさんを
大切にしろ。 いいな?

そりゃあ… そりゃ もう!

(火をともす音)

♬~

おとし… 勘弁してくれ。

許してくれ おとし。

お酒臭~い。

俺は もう飲まねえ。
一生 飲まねえ。

なあ… だから 治ってくれよ。

なっ? 元気になってくれよ
おとし。

ありがとう お前さん。

死ぬんじゃねえぞ。

死んだら おめえ…
承知しねえぞ!

おめえが死んだら
俺も生きちゃいねえからな。

すぐに追っかけていくんだからな。

ばかだねえ。 死んだりするもんか。

勘弁してくれ。

駄目なやつだ…
駄目なやつだ 俺は。

勘弁してくれ。
おとし… おとし…。

どけどけ! 邪魔だ! どけ!

おっ 何だ 何だ?

仏さんを拝ませてもらおうか。

へい… おう。

分かりやした。

作次が いつ?

(藤吉)仏が見つかったのは
昨日の事で。

それに
あっしの縄張り内の事だから

ほっとけねえ。
調べてみると

牢から出たばかりだっていうんで
伺ったんです。

巳之助って名前 覚えてますかい?

巳之助?

いつか
先生がお聞きになったでしょう?

蔵吉って野郎と2人で 軽敲きの上
お解き放ちになったのを。

巳之助というのは
どういう男なんだ?

借金の取り立てを請け負って
飯を食ってるって話でしたがね

裏じゃ 何やってんだか。
殺される前の晩

作次が その巳之助と会ってるのを
見たってやつがいるんでさ。

先生 あん時のあれは
一体 何だったんです?

巳之助のねぐらは
まだ分かりやせんが

一緒に牢を出た
蔵吉ってやつの話は頂きでさ。

そっちの方から
少し 手繰ってみまさあ。

おう。

お邪魔さんでした。
分かった。

親分… 後で。

(桂順)
はあ… どうも驚きましたな。

牢を出て
すぐに命を落とすとは。

作次も 哀れな男だ。

いや… そうですね。

腫れ物が治ったと言って
大層 喜んでいたんですが。

親分 知っていてほしい事が
もう一つあるんだ。

何です?
やつらが

仲間に引き入れようとしている
男がいる。

これも 作次の言った事でな。

酉蔵といって 叔父の
古くからの患者だ。

えっ? 先生のお知り合い
って事ですかい?

まだ つなぎは
取ってこないようだし

本人も知らないから 私も
信じてはいなかったんだが

こんな事になると…。

酉蔵…。

どこで何をしてるお人なんで?

傘屋の職人だが
酒飲みの怠け者で

どうしようもない男だ。

そのうえ 臆病で 小心者で…。

しかし そんな亭主に
文句の一つ言わず

女房は一人で働いて
暮らしを支えている。

その女房は 病だ。

親分… 私は 酉蔵のせいで

その女房を これ以上
悲しい目に遭わせたくないんだ。

助けてやりたいんだ。

分かりやした。

できる限り
そのように致しやしょう。

♬~

おとしさん!

何をしてるんだ。
駄目じゃないか 勝手に。

あっ 若先生 すみません。

でも… 今日は 気分もいいし。

いかん いかん。
寝てなきゃ駄目だ。

さあ…。

はあ… 酉蔵は どうした?

傘屋… かな?

ええ そうなんですけど

張り上がった傘を届けに
昨日 出かけて まだ…。

何? 昨日から帰らんのか?

一晩たっても帰らんというのは
変じゃないか…。

あっ この前の飲み屋かな?
連れ戻してくる。

若先生。

いいんですよ 若先生。

もし 飲んでいたって いいんです。

おとしさん…。

あの人 あれから
一滴も飲まずに頑張ってくれて

優しくしてくれて

体がよくなってきたのも
本当に あの人のおかげです。

フッ…。

傘を納めて いくらか
お金も入ったんでしょう。

だから いいんですよ。
大好きなお酒だもの。

お薬代の方は 私が 床を離れたら
働いて すぐに…。

薬代の事なんか いいんだ。

酉蔵に話があるんだ。
大事な話だ。

♬~

このうちに 酉蔵の知り合いが
訪ねてきた事はないか?

蔵吉とか巳之助とかいうんだが。

あっ… いいえ。

そうか。

おとしさん 酉蔵は 悪いやつに
誘われるかもしれないんだ。

先頃 牢を出たばかりの
したたかな悪党だ。

そんな事になったら
おとしさんだって…。

若先生 私は

あの人は 悪い事はしないと
思います。

酔っ払いで 怠け者で
どうしようもない人だけど

本当は 優しくて 正直で
気の小さい人なんです。

悪い事はしません。
いえ できないんです。

それだけが あの人のとりえ。

悪い人たちの仲間になんて
そんな事…。

信じて下さい。

おやじさん。
おっ 若先生 何です?

ゆうべ 酉蔵は来なかったかい?

来たよ。

変わった様子はなかったか?

う~ん。 いつものようには
酒は進んでなかったですね。

2人連れ? 誰だ?

名前は知らねえよ。

隅っこの方で 長え事
しゃべってやがった。

銭は… ヘヘッ その2人の方が
払ってったよ。

あっ そうだ。 一人は
「蔵ちゃん」とか言ってたな。

もう一人は
まむしみたいな顔をした男だ。

何を見てるんだ?

ありがとう。

あの野郎 見覚えがあるぞ。

牢屋敷の医者じゃねえか。

かかあが診てもらってる
医者なんだ。

見つかると まずいんだ。

そうかい…
そうだったよな。

かかあが病じゃ
金が かかるよな。

だけど 10両もありゃ
御の字だ。

それも てめえは
何もしなくていいんだ。

ただ 見張りをしてりゃ
いいだけだからな。

へい。 ヘヘヘ…。

裏切ったら
承知しねえぞ。

覚えてろ。 てめえだけじゃねえ

かかあの命もねえんだ…。

ヘッヘッヘッヘッヘッヘ…。

まあ 飲みねえ。
いや ちょっと 酒は 今…。

そう遠慮せずに。
ほら 景気づけだ。

グッといきねえ。 はい。

あっ…。
ほれ。

あ~ いい飲みっぷりでえ!
ほらほら。

♬~

どこへ行くんだ?

どこへ行くんだ? 酉蔵。

こんな夜中に…
おとしさんを残して。

どうしたんだい? 若先生が
聞いてらっしゃるんだぜ。

お答えしろい。

あっ… 用があんだよ。

行かなきゃならねえんだ。

見逃してくれよ 若先生。

どんな用があるんだ?

何を見逃せってんだい?

だってよ… だって…

行かねえと殺されちまうんだよ。

俺だけじゃねえ…
かかあもなんだよ。

あの2人だな?
巳之助と蔵吉。

行って 何をするんだ?

み… 見張り。

何の見張りだ?

何の見張りだ?
言ってみろ!

だってよ… だって やつら

10両もくれるってんだ。

10両もありゃ
たまってる薬代も払えるし

かかあに もっと
うまいもん食わしてやれる。

そうすりゃ 病だって
よくなるかもしれねえじゃねえか。

ばか野郎! 10両なんて金を

そんなやつらが
すんなり出す訳がねえ!

仕事が終わったところで
口封じに グサリだ。

あっ…。

そうは 思わねえかい?

酉蔵…。

おとしさんはな
死ぬような病じゃない。

お前が心を入れ替えるように
少し大げさに言ったんだ。

すまなかった。

ほんとですかい?

若先生
それは… ほんとですかい?

よかった… よかった!

はあ… よかった。
(すすり泣き)

そこでだな 酉蔵。

お前に頼みたい事があるんだ。

♬~

おいっ。 ここで見張ってろ。
ああ。

行くぞ。

♬~

(酉蔵)うわっ! ううっ…。

んっ…。

ああっ…。

あっ くそ…。

神妙にしろい!
やかましい!

♬~

牢医者…
こそこそ嗅ぎ回りやがって!

作次から 全部 聞いていたんだ。

♬~

(藤吉)手間取らせやがって。

おとし…。

目が覚めたか?

へい。 ああ…。

悪かったな。
つい 力が入り過ぎてしまった。

だが これで やつらは
お前が裏切ったとは思うまい。

勘弁してくれ。

そんな… 謝って頂く事なんて…。

そうだ。
あの2人 どうなったんですか?

藤吉親分が
しょっぴいていったよ。

お前の事は 手伝ってくれた
仲間だと申し述べているはずだ。

お上から
褒美が頂けるかもしれないな。

ヘッ… そんな…。

さあ 帰ろう。
おとしさんが待ってるぞ。

へい。
立てるか?

あっ 痛っ…。
あっ 大丈夫か?

さあ…。
すいません…。

はあ… ああ…。

ハッハッハッハッハ…。
フフフ。

そうか そうか そりゃよかった。

いや そこまで
食べられるようになりゃ

もう一安心だ。
はい。 うん。

あっ…。
おっ 登。

おとしさん
薬代 持ってきてくれたってさ。

ええ。 ほんの少しで
恥ずかしいんですけど

百文だけ。
無理したお金じゃないだろうな?

それが うちの人 このごろ

人が変わったように
よく働くんです。

朝は早いし 夜も遅くまで
居残り仕事したりして。

それで晦日の手当も いつもより
多かったものですから。

そうか。 それは結構な事だ。

それにね どういう訳だか

前より ずっと
優しくなったんです。

先生は お薬を欠かさなければ
大丈夫って おっしゃってるのに

無理するなって
朝ごはんまで作ってくれたり。

へえ~。
ハハハハハハ…。

いい事だ。
大いにいい事だ。 うん。

いや わしも 最近は
焼酎ばかりでな

とんと うまい酒を飲んでおらん。

これは ありがたく…。

あっ。 もらっておくぞ~。
いや…。

早速…。

はあ~。

あっ… ハハッ。
あっ フフフフ。

え~?
叔父さんが倒れたんですよ!

あんなふうになったお父様を
初めて見たもの。

殺されかけたのは3人だが

牢を放免になったばかりの
連中なんだ。

今度 東の大牢から
ご放免になるのは誰ですか?

その者が襲われるかもしれない。
もう~ お父っつぁんったら!

おかつさんの家に行くのは
嫌かね?

でけえ家は嫌いなんだよ。

囲まれたか…。

♬~