相棒 season 21 #6[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

相棒 season 21 #6[解][字]

第6話「笑う死体」
笑いながら死んだ男!?
元お笑い芸人の最期の瞬間とは…
特命係が笑う死体の謎に迫る!!

◇番組内容
特命係は、路上で泥酔していた人から財布を盗んだ中年男を逮捕。中年男は素性を隠すが、所持品から河川敷で遺体で見つかった伊藤の財布が出てきた。捜査担当の県警によると、ちょうど遺体の身元が分からず行き詰まっていたという。さらにその遺体はニヤッと笑っているように見えたとの情報を耳にする。越境捜査を開始すると、伊藤が夫婦漫才の元お笑い芸人と判明。しかし特命係に“縄張り”を荒らされた県警からストップがかかる。
◇出演者
水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西惇、小野了、片桐竜次 ほか
【ゲスト】阿南健治、池谷のぶえ ほか
◇スタッフ
【脚本】瀧本智行
【監督】権野元
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
☆最新情報はツイッターでも!
【番組HP】https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
【Twitter】https://twitter.com/aibouNow
【Instagram】https://www.instagram.com/aibou_official/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 伊藤
  2. 紗矢
  3. ネクラ
  4. 伊藤真琴
  5. 大谷
  6. 本当
  7. 今野
  8. 右京
  9. 真琴
  10. 水沢
  11. 河川敷
  12. 亀山
  13. 芸人
  14. 杉下
  15. 千葉県警
  16. 名前
  17. 颯太
  18. お前
  19. サヤ
  20. スピリッツ

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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お兄さん 大丈夫?

ねえ! んっ?

こんなとこで寝ちゃ駄目だよ
お兄さん。

♬~

じゃあ 風邪 引かないでね。

♬~

(男)3日間
何も食べてないんですよ。

見逃してもらえませんかね?
盗みなんて 初めてなんですよ。

(亀山 薫)その割には
随分 慣れた手つきだったよな?

(警察官)で 名前は?

(杉下右京)おやおや。
ここにも財布がありますねぇ。

あっ!

お金は入ってませんがね。

(警察官)あれも盗んだんだな?

いや あれは… 自分のです。

ほう。 ご自分の?

ええと… 「伊藤真琴」さん?

えっ? ああ… はい。

しかし 写真 全くの別人ですよ。
ですね。

あれ? おかしいな。

痩せちゃったからかな?

お前も苦労したんだな。

…って そんなわけねえだろ。
とぼけるのも いい加減にしろ!

亀山くん。
あっ… すいません つい。

嘱託だった。 どうぞ。

この財布は
いつ どこで盗んだの?

ええ… 1カ月ほど前
千葉の江戸川の河川敷で。

それも 相手は酔っ払い?

もう 観念して
洗いざらいしゃべったほうが

身のためだよ。

(ため息)

その人 死んでたんですよ。
頭から 血 流して。

財布が落ちてて
悪いとは思ったけど

もう 死んじゃってるし。

お前な もうちょっと
マシな嘘ついたら どうなんだよ。

いや 確か
先月 江戸川の河川敷で

他殺体が見つかってますね。
えっ!?

(男)だから 正真正銘
本当の話ですって!

あっ! あごの下に
ほくろが2つあった!

嘘だと思うなら 調べてください!

この写真では ほくろまでは
わかりませんがねぇ。

って事は こいつの言ってる事…。
本当かもしれません。

これ 財布の持ち主の名刺ですね。

「スイートドリーマー 伊藤真琴」

♬~

(角田六郎)瓢箪から駒か。

間抜けな置き引き犯が

殺しの被害者の身元判明に
繋がるなんてな。

ええ。 盗んだ財布を
手元に置いておくとは

妙な窃盗犯ですねぇ。

戦利品みたいに残しておく奴
たまにいるんだよ。

ああ 千葉県警が
事情聴取に来てるんだって?

ええ。 そろそろ
終わる頃じゃないでしょうかね。

この奥です。

我々のために
特別に作られた部屋でしてねえ。

どうぞ。 右京さん
千葉県警の方々が ごあいさつに。

おやおや。

どうも。 捜査一課の青田です。
堀川です。

こちら 私の上司 杉下警部。
杉下です。

こちらが… 以下省略。

改めて ご協力感謝します。

この1カ月 身元がつかめず

正直
捜査も行き詰まってましたから

コソ泥様々ですよ。

これで ようやく ガイシャを
名前で呼ぶ事ができます。

今まで 笑うセールスマン
って呼んでたんですよ。

笑うセールスマン?

(堀川の声)底がすり減った靴に
くたびれたスーツ。

いかにも さえないセールスマン
ってなりでしたから。

でも その 笑うセールスマンの
「笑う」のほうは?

本当に笑ってたんですよ。
遺体がニヤッて。

長年
殺しの現場を見てきましたけど

あんなホトケさん 初めてです。
なんだか 薄気味悪くて。

これまで 目撃情報だけが
頼りだったんですけど。

目撃情報?

不審な動きをする
金髪の青年がいたようなんです。

あのコソ泥も
犯行現場付近で見かけたと。

ほう… 金髪の青年?
ええ。

堀川 よそ様の前で
しゃべりすぎだぞ。

あっ… すいません。

では あとは
我々に お任せ頂いて。

お世話になりました。
ご苦労さまです。

おい。
はい。

遺体がニヤッと笑っていた…
ですか。

♬~

(ため息)

あっ! ここですね。
「スイートドリーマー」。

スイートな夢は
見られそうにないですけどね。

(岡山)てめえ 何 考えてんだ!
いい加減にしろ! コラッ!

(飯村)申し訳ありません!

(岡山)一件も契約取れねえって
どういう事だよ?

(飯村)本当に申し訳ありません!

(岡山)謝りゃ済むと思ってんの?
(飯村)いや…。

っていうか 今 謝ったつもりか?
この野郎。

本当の謝り方 教えてやろうか?

あの…。
頭 下げろや! 下げろ! コラッ!

大丈夫ですか?

ああ?
何 勝手に入ってきてんだよ。

警察 呼ぶぞ! この野郎!

その警察ね。

なんの用っすか?

ちょっと
聞かせてもらいたい事があってね。

こちらの社長さんは?
(岡山)俺ですけど…。

伊藤真琴さんという方ですがね

こちらで
働いてらっしゃいましたか?

ひと月ほど前に辞めましたけど
伊藤が何か?

先月 千葉の江戸川の河川敷で
殺されましてね。

殺された!?

まあ 立ち話もなんなんで
ちょっと 座って ゆっくりね。

ちょっと待ってください!
ちょ… ちょっと待ってください。

なんか
後ろめたい事でもあるのかな?

(青田)あんたら
何やってんだよ!

ああ… 先ほどは どうも。

ここ ガイシャの勤め先ですよ?
あなたたちに なんの用が?

いや あの…
窃盗事件の裏付け捜査をね。

そんなもん
あんたらに必要ないだろ!

うちの事件に
土足で踏み込んでくるとは

どういうつもりだ!?
はい はい はい。

退散しますよ。 右京さん。

この会社
少々 問題がありそうですよ。

はい 行きましょう。
はい。

(ロッカーをたたく音)

おお~ 怖っ!
さっきと態度が全然違いますよね。

あの怒鳴られていた男性
何か言いたげでしたね。

そうでしたか?

うわあ…!

お年寄り だまして

こんな 馬鹿高い布団
売りつけてるわけね。

いや… バックに
暴力団がついてるようで。

ねえ あんたさ
いい人そうなのに

なんで また あんなとこに?

年収1000万も可能って
求人広告に釣られて。

実際は ノルマが果たせなくて
食うのがやっとです。

伊藤さんの営業成績は
どうだったんですか?

いやあ… あの人は 私以上に
使い物になりませんでした。

いつも ぶすっとして

営業マンって柄じゃなかったし。

(岡山)全然
数字上げてねえじゃん。

そういうの タダ飯食らい
っつうんだよ 伊藤さんよ!

みんなの前で笑ってみろよ。

耳遠いの?

聞こえてますか?
笑えって言ったんだよ!

ほら 笑えよ。
みんなの前で笑えよ! ほら!

ほら 手伝ってやるからよ。

(飯村の声)元お笑い芸人が
愛想笑い一つできないなんて。

んっ? 伊藤さん
お笑い芸人だったの?

どうも そうらしくて。
一度 飲みに行った時…。

浅草に よく見に行ったよ。

最近 見かけねえと思ったら
何? 漫才やめたの?

(伊藤真琴)あんたには
関係ねえだろ。 あっち行けよ!

触れてほしくなさそうだったので
それ以上は何も。

なんだか やるせない話ですねえ。

伊藤さんが
会社をお辞めになった原因は

やはり パワハラですか?

辞めたっていうか…。

おや。 何かあったのですか?

先月 会社の金庫から
300万 盗まれたらしいんです。

社長が怒りまくって大変でした。

盗んだのは伊藤さん?

多分。

その翌日から
連絡が取れなくなりましたから。

あの人 社長が金庫を開ける時

よく チラチラ見てたんです。

だから きっと…。

(解錠音)

♬~

警察には?

(吸う音)

不正に稼いだ金だから
表沙汰にはできない。

そういう事だと思います。

伊藤さんも それを
承知だったのでしょうねぇ。

盗難があったのは いつ?

先月の25日です。

伊藤さんが殺されたのは
その翌日ですね。

ええ。

伊藤さんが盗んだ金は
一体 どこにあるのでしょう?

そりゃ 当然 殺した犯人が
持ち去ったんでしょ。

そうですかねぇ?
違うんですか?

それは どうでしょう?
禅問答じゃないんですから。

亀山くん。
はい。

伊藤さん 本当に
お笑い芸人だったようですよ。

えっ?

「日本の漫才コンビ マコサヤ」

「ツッコミのマコトにボケのサヤ」

「昭和の匂いのする夫婦漫才」

「2002年
お笑い新人コンテスト 準優勝」

「2005年 コンビ解散」

へえ~! 夫婦漫才。
賞まで取ってるんですね。

愛想笑い一つできない元芸人が
笑いながら死んだ。

なぜか?

気になりますねぇ。

♬~

(ドアの開く音)
やってる?

(和田紗矢)ああ! サトシちゃん。
久しぶり。 いらっしゃい。

ああっ! はじめまして。
伊東だよ。

伊東さん? どうも。
紗矢ママです。

よろしくお願いします。
何にします?

まず ビールかな。
ビール。

あと 焼きそばは? いつもの。
お願いしますよ!

うちのね 名物。
そうそう そうそう。

紅しょうが… あれでしょ?

大盛り!
(紗矢)うん。 大盛りね。

ここです。

ちょ… ちょっとすいません。
はい。

支配人さん
いらっしゃいますかね?

支配人?
ええ。 ちょっと用事…。

どうぞ。 どうぞ どうぞ。

僕がマコトで…。
私がサヤといいます。

マコトとサヤで
マコサヤといいます。

どうぞ よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。

(増本)これ 新人コンクールの時。

もう 20年になるねえ。

紗矢ちゃん おっちょこちょいな
とこがあってさ。

真琴が それを
よくネタにしてたんだよ。

解散したのは この3年後か。

夫婦漫才って事は 実際
2人は夫婦だったんですか?

ううん。 結婚はしてなかったが
一緒に暮らしてたよ。

どうして
解散しちゃったんですか?

紗矢ちゃん 真琴の芸には
心底 惚れてたけど

男と女の関係のほうがね…。

というと?

(従業員)支配人。
(増本)ああ! はいよ。

お願いします。
(増本)ありがとう。

腕は確かでも なかなか売れない。

真琴は だんだん やさぐれて

とうとう 紗矢ちゃんに
手 出すようになってね。

ああ… DVですか?

子供でもできてりゃ
続いたのかもしれねえけど。

解散してから 伊藤さんは
どうされたのでしょう?

別の相方と組んだけど
さっぱりで。

いつの間にか消えちまったよ。

(水沢)おはよう!
(今野)お疲れ!

(水沢)何?
みんなで 何 見てるのよ。

あれ!? 懐かしいね!
これ ネクラじゃないの。

(今野)なんだい これ。

今時分 こんな古いもの。

真琴の野郎
殺されちまったらしいんだ。

(水沢)殺されたって
誰に殺されたの?

それを 今 我々が調べてまして。

このお二人 刑事さん。

(今野)どうも お疲れさまです。

今 ネクラとおっしゃいましたね?

はい。 あの… この真琴のあだ名が
ネクラっていうんです。

お疲れさまでした。
お疲れさまでした。

(水沢の声)四六時中
仏頂面でネタ考えてさ

声かけたって
愛想笑い一つ返ってこないよ。

そのくせさ
つまらねえギャグ思いついたのか

ノートにメモしながら

ニヤニヤ ニヤニヤ
笑ってやがんの。

(今野の声)だから ネクラ。

プッ…!

伊藤さんには そういうところが
あったんですねぇ。

昔からね 芸人の死にざまは

野垂れ死にだっていわれてたのよ。

それがさ 殺されたんじゃ
しゃれにも なんにもなんないな。

ネクラらしいっちゃ
らしいけどね。

ほう。 ネクラらしいというのは
どういう事でしょう?

(今野)皮肉屋で
憎まれ口ばかりたたくから

もう 他の芸人さんからも
毛嫌いされてたのよ。

そうそう。
そういやさ トシ坊だって

借金 踏み倒された
って言ってたよな。

そうだっけ?
うん。

トシ坊というのは?

さっき話した
紗矢ちゃんの次に組んだ相方。

スピリッツって名前の
コンビだった。

すぐに解散したけどね。

スピリッツ…。

(2人)どうも
ありがとうございました!

(拍手)

(今野)お疲れさん お疲れさん。
(水沢)よかった ウケてたやんか。

ありがとうございます。
失礼します。

(水沢)ご苦労さん。

じゃあ 両師匠。
そうそう そうそう そう。

でもさ こんな話のあとに
漫才は やりにくいなあ…。

(水沢・今野)最低 最低。
申し訳ない。

とんでもない! それじゃ
頑張って参りますのでね。

それじゃ お先でございます。
いってらっしゃいませ。

(水沢)どうも~。
(今野)はい どうも。

(拍手)

(今野)きれいな方が
今日は 多いじゃないの!

悪いけど 私も
もう出なきゃいけねえんで。

お忙しいところ
ありがとうございました。

あの… 紗矢さんが
今 どちらにいらっしゃるか

ご存じだったりします?

さあ。 ふた昔前の事だからな。
どこで どうしてるやら…。

調べてみようか?
ああ! お願いします。

ありがとうございます。
いえいえ。 じゃあ。

いやあ~! お笑い芸人の世界も
なかなか厳しいんですね。

(携帯電話の振動音)
あっ…。

(携帯電話の振動音)

ああ… 君 出てもらえますか?
はっ?

えっ?

もしもし。
(中園照生)「馬鹿者!」

「杉下! お前 また…」

「もしもし。 あれ?
杉下! もしもし。 もしもし!」

(中園)千葉県警から
厳重な抗議がきた。

他県の捜査に
勝手に首を突っ込むのは

ご法度だという事ぐらい
常識だろうが!

長い間
南の国にいたもんですから

その辺の事情が
スポンと こう…。

余計な言い訳はするな!
はい はい。

杉下だけでも手に余るのに

輪をかけた問題児が
舞い戻ってくるとはな!

すいません。
舞い戻ってきちゃって…。

ヘラヘラするな!
はい!

(内村完爾)デュープロセス!
はっ?

(内村)捜査に
違法な手は使ってないんだな?

そりゃ もう。

それに 我々が現行犯逮捕した
被疑者に関連した捜査ですから

とやかく言われる筋合いも
ないと思いますが。

杉下! お前は…!

確かに 杉下の言うとおりだ。

捜査続行。

千葉県警より先に事件を解決しろ。
以上!

♬~

部長! よろしいんですか?
特命に好き勝手させて。

あっちの刑事部長は
飲み会の割り勘で

毎回 端数を自分の懐に入れる
せこい奴だ。

(小出茉梨)ああ!
マコサヤ 覚えてますよ。

若い頃に
演芸場で何度か見ました。

キレがあって テンポがあって
なかなか面白かったですよ。

(亀山美和子)へえ~!

小手鞠さん
漫才なんか見るんですね。 意外!

芸者時代は 話芸の勉強も
大切なお仕事ですから。

その積み重ねがあって
小手鞠さんは品のある女性に。

あら! まあ。

私の若い頃なんてさ

事件の取材で
走り回ってたもんなあ。

その積み重ねがあって
美和子はガサツな女に。

もうね ガッサガサ!
マジ ガッサガサ!

…っつうかね 食え!
ガサツ! いただきます。

本当の夫婦漫才
見てるみたいなんですけど。

(亀山・美和子)どうも
ありがとうございました!

(一同の笑い声)

ああ… ところで

スピリッツというコンビのほうは
ご存じないですか?

スピリッツ…。

聞いた事ないですね。
そうですか。

最近 どこかで
見かけた名前なんですがねぇ…。

あれ? 思い出せない?

さすがの右京さんでも
そんな事があるんですね。

ありますよ。

今 どこか行こうとしてましたね。
えっ?

あっ… ちょっと失礼。

おトイレですか? ゆっくり
思い出してきてくださいね。

薫ちゃん!

ごめんなさい。 すいません。
ガサツな亀で。

なんか 嬉しいなあ。

右京さんに
思い出せない事があるって。

(美和子)薫ちゃん!

♬~

(解錠音)

(ドアの開く音)
(紗矢)ただいま!

(和田颯太)なんだよ。
ノックくらいしろよ!

どうしたの? 颯太。
なんで染めちゃってんの?

別に なんだっていいだろ。

ええっ? 母ちゃん
前のほうが好きだったな。

酔っ払ってんの?

うん ちょっとだけ。
仕事だもん。

さっさと風呂入って寝ろよ。
(紗矢)うん。

♬~

あのさ 颯太。
(颯太)何?

♬~

母ちゃんに隠し事してない?

なんだよ いきなり。

別に してないよ。

だったらいいけど…。

私は何があっても
颯太の味方だからね。

さあ いよいよ 県境を越えて
敵陣に乗り込みましたよ!

君は いちいち 大げさですねぇ。

一度 犯行現場を
確認しておくだけですよ。

あっ そうか!
(2人の笑い声)

(ため息)

さすがに ひと月も経つと
規制線も解かれちゃってますね。

大体 この辺りなんでしょうけど。

それにしても 伊藤真琴って男

しかめっ面で
憎まれ口ばっかりたたいて

しかも ネクラって…。

誰かさんに
そっくりだと思いません?

誰かさんとは?
決まってるでしょ!

伊丹ですよ。
ああ そちらですか。

俺の脳内ではね 被害者の顔が

完全に 伊丹の顔に
変換されちゃってるんですよ。

あいつがニヤッて笑って

死んでる姿 想像すると…。

ヘヘヘヘヘ… いや
笑っちゃいけないんですけどね。

アハハハ…。
(伊丹憲一)何 ニヤついてんだよ。

えっ…。

特命係嘱託の亀山!

今 俺の話 してたな?
してないよ。 絶対してないよ。

(芹沢慶二)いいんですか?
よその縄張りに堂々と入り込んで。

そちらこそ どうして ここに?

俺と先輩は 昔 青田って刑事と
因縁がありまして。

卑怯な奴なんですよ あいつ。
…って事です。

出雲!
(出雲麗音)はい。

千葉県警の捜査資料です。

敵の敵は味方。

今回は 特命係に塩を送るぞ
だそうです。

おやおや…。
珍しく 気が利くじゃねえか。

(伊丹)おめえのためじゃねえわ!

どうやって こんなものを?

蛇の道は蛇っていいますからね。

まあ 礼には及びませんよ。

本当に礼もねえのかよ…。

あっ 確かに笑ってますね。

殺されたってのに
満足そうな死に顔。

あっ あごの下に ほくろも2つ。
ええ。

亀山くん。
はい。

伊藤さんが殺されていた場所は
ここですね。

ああ… ですね はい。

ちょっと失礼。
はい。

(芹沢)うわあ…
なんか始まりましたよ。

あの人の行動は
さっぱり理解できねえ。

右京さん この行動の意味は?

最期の瞬間 伊藤さんは

何を目にしていたのかと
思いましてね。

ああ…。

お取り込み中ですが

まだ とっておきの情報が
あるんですけどねえ 警部殿。

はい なんでしょう?

事件当日の夕方

被害者が この辺りで
中年の女と言い争いをする姿を

近所の住民に
目撃されていたようです。

被害者は
女の事を「サヤ」と呼んでいたと。

右京さん 「サヤ」って…。
ええ。

♬~

(紗矢)久しぶり!

18年ぶりか。 老けたねえ。

(伊藤)お互いさまだ。
フフ…。

結婚は?

うん。

ちゃんと稼ぎのある奴か?

うん。 結構 幸せにやってる。

子供は?

ううん…。
芸人は? まだ続けてるの?

とっくにやめたよ。

そう…。 ちょっと残念。

(伊藤)これ…。
えっ 何?

遅くなったけど
慰謝料みたいなもんだ。

そんな余裕があるようには
見えないよ。

いいから 取っとけ。
いらないって。

どうせ
ろくなお金じゃないんでしょ?

なんか悪い事したの?

えっ 図星…?

何やってんのよ。

芸人やめたんなら
まっとうに生きてよ!

金に 誰それって
名前が書いてあるわけじゃねえ。

取っとけ。
いらないって言ってるでしょ!

なんなのよ!
なんで こんなふうになるのよ!

今さら
おかしな事に巻き込まないでよ!

紗矢…! 紗矢!

和田紗矢さんですね?

あっ…。

浅草の演芸場の支配人さんから
こちらだと伺いまして。

(紗矢)先に電話くらいくれないと。

化粧もしてないのに。

ああ… すいませんね。

実は 先月 伊藤真琴さんの遺体が

千葉の河川敷で見つかりましてね。

あっ… 驚かないんですね。

(紗矢)新聞で見ましたから

身元が判明したって。

ああ… そうでしたか。

あの…

伊藤さんとコンビを解消されて
もう17年になるそうですね。

内縁関係も それで終わったと。

大昔の話。

だから 殺されたって聞いても
なんだか ピンとこないんですよ。

うん…。

昔 暴力を振るわれてたって
聞いたんですけど…。

やだ 私 疑われてんの?

いやいや…
ただね 伊藤さんが殺された日

河川敷で
女性と口論しているところを

目撃されてるんですよ。

伊藤さんは その女性の事を
「サヤ」って呼んでいたって。

私じゃありません。 別の人でしょ。

失礼。
一緒に写っている この青年は?

金髪!

息子ですけど。
伊藤さんとの間に

お子さんはいなかったと
聞きましたが。

別の男ですよ。 そいつとも
とっくに別れちゃったけど。

男運ないんですよ 私。

同じ場所で
不審な動きをする金髪の青年も

目撃されてるんですよね。

あっ… どうかされましたか?

あちゃー…。

ああ… また会っちゃいましたね。

痛い痛い… 痛い痛い… イテッ…。

おい いい加減にしろよ。
上から話がいってんだろ。

あいにく
ものわかりのいい上司でね。

ハッ… 評判どおりだ。

特命係は 周りに迷惑ばかりかけて
島流しにあってるらしいな。

この外道どもが。
ハッ…。

随分 古風な言い回しだけど

外道と言われちゃ
さすがに聞き捨てならねえな!

ああ!?
ああ!?

亀山くん。

お騒がせして すみませんね。

あとは 千葉県警のお二人が
引き継ぎますので。

失礼します。

行きましょう。
はい。

馬鹿野郎め… 馬鹿野郎。

いやあ…。

伊藤真琴の携帯の
通話記録を調べた。

伊藤真琴は 殺される前の日の夜
あなたの携帯に電話してる。

警察で じっくり
話を聞かせてもらおうか。

あっ 右京さん…。

(パトカーのサイレン)

和田紗矢さんの息子さんですね。

髪 黒くしたんだね。

母ちゃん なんで?

伊藤真琴さんの事は
ご存じですか?

俺の父親らしいですけど…。

先月 江戸川の河川敷で
殺された事は…?

えっ…!

(掃除機をかける音)

うわっ…。

♬~

失礼。

中学の時
押し入れの奥に これ見つけて。

その時 初めて

母ちゃんが 昔 お笑い芸人だった
って聞きました。

この人が父親だって事も。

ああ…。
君は どうして あの河川敷に?

夜中に 母ちゃんが電話してるのを
聞いたんで…。

いつもと
声の感じが全然違ったから

もしかしたらって思って
後をつけたんです。

♬~

(携帯電話の着信音)

ああっ!

(携帯電話が川に落ちる音)

(颯太)あの…。
えっ…。

和田颯太っていいます。

あっ 母ちゃんの後つけてきて…。

俺 あなたの息子… みたいです。

えっ?

なんだよ 話してないのかよ。

俺が生まれた時
もう別れてたって聞きました。

あの…。

新人コンクールの時の漫才
何度も見ました!

…えっ?

えっ…
ネットに動画が上がってるんで。

ああ…。

母ちゃんのボケもいいけど

ツッコミが 本当 最高で
めっちゃ笑えます。

それだけ
言っておきたかったんで…。

じゃあ。

ちょっと待て!

これ…。

(伊藤)お前が持ってろ。
(颯太)えっ?

困った時に使え。

何もしてやれなくて…
すまなかった。

行け。 ほら… もう行け。

♬~

これが その時もらったお金です。

ちなみに なんで 髪 黒くしたの?

来週 就職試験があるんで。
ああ そういう事か。

今回の事件で一番の謎は

伊藤さんが盗んだ金の
行方でしたが

ようやく それも解けました。

でも 捜査は
振り出しに戻っちゃいましたよ。

犯人は 一体…。

犯人の目星なら
最初から ついています。

えっ?

お笑い用語で言うところの
出オチだったんですよ。

…はっ?

どこまでおいしくなるだろう。

かけるだけでテイスティなサラダに。

奥深い味わいのシリーズ。

♬~
(上戸)ハミガキ選びはここに注目!

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超~濃縮だから

最大4ヶ月継ぎ足し不要

入れっぱなしでいいのよ!4ヶ月!

しかも洗濯槽もカビから守る!

自動投入洗濯機には 「NANOX」

入りなさい。

あらっ… どうも その節は。

おかげさまで
留置場も悪くないです。

3食 食えるし 風呂も入れるし。

お前 まだ
名前も明かそうとしないらしいな。

ハハハハ… まあ
黙秘権というのがありますからね。

で… 俺は
なんで呼ばれたんですか?

あなたは 殺された
伊藤真琴さんのあごの下に

ほくろが2つあったと
おっしゃいましたね。

えっ…?

ああ… 千葉県警の刑事さんも
間違いないって。

遺体は どんな表情をしてました?

どんなって言われても…
苦しそうっていうか…。

笑っていたんですよ 伊藤さんは。

ずっと気になっていたんです。

あごの下のほくろに気づくなら
顔を見ていないはずはない。

しかし あなたは

遺体が笑っていたとは
ひと言もおっしゃいませんでした。

普通ならば
真っ先に目がいくはずなのに

妙な話です。

つまり あなたが
伊藤さんを見たのは

死んだあとではない。

あなたは 盗んだ財布を

なぜか 手元に
置いておきました。

窃盗の常習犯ならば

余罪が発覚する事を
恐れて

すぐにでも
処分するはずなのに

そうは しなかった。

あなた
捨てられなかったのでしょう?

伊藤さんとは 昔から
深い関係があったから。

あんたら スピリッツっていう
漫才コンビ組んでたらしいな。

あのキャリーバッグ 芸人時代から
お使いになってたんですね。

(杉下の声)スピリッツの千社札が

貼ってありました。

あなたの名前は 大谷敏夫。

芸人仲間からは
トシ坊と呼ばれていました。

さっき
演芸場の支配人に会ってきたよ。

(増本)随分 老けちまったが
間違いなく トシ坊だ。

トシ坊という方の本名は?

お前 伊藤さんに金貸して
踏み倒されたらしいな。

今になって その事で
もめたんじゃないのか?

(大谷敏夫)芸人時代は
パトロンの女がいて

そこそこ
羽振りが良かったんですよ。

今じゃ こんなザマに
なっちゃいましたけど…。

(大谷の声)あの日 腹すかして
街をうろうろしてたら

ばったり
真琴と出くわしたんです。

これしか出せねえ。

これっぽっちじゃねえぞ
おめえに貸した金は!

あれは 金持ちのババアが
貢いでくれた金だろうが!

俺がババアの世話したから
お前にも おこぼれがあったんだ。

全部合わせりゃ
100や200には なるはずだ!

そんな金 あるわけねえだろうが!

…なんだよ!

必死にかき集めりゃ
なんとかなるだろ!

俺は住むとこもねえ。

生きるか死ぬかの
瀬戸際なんだよ!

わかったよ… やってやるよ!

金 作ってやるよ!

♬~

(大谷)金 用意できたのか?

(大谷)本当か!?
早く出してくれよ。

(伊藤)お前にやるつもりだったが
考えが変わった。

(大谷)はあ?

(伊藤)お前より
借りがある奴がいた。

結局 別の奴にやる事になったが
そいつには未来がある。

(大谷)何 訳のわかんねえ事
言ってんだよ お前は!

トシ坊… 俺も お前も
落ちるとこまで落ちた!

とっくに終わったんだよ!
俺たちは。

もういいじゃねえかよ!

(大谷)何 言ってんだよ お前は!
(殴る音)

(伊藤)イッテ… 何すんだよ!

(伊藤)俺たち…
俺たちは終わったんだよ!

終わったんだよ!!

(大谷)終わってねえんだよ!

(伊藤)うわっ…!

(頭をぶつける音)

真琴…。

(大谷)おい… おい…。

えっ…。

(大谷)うわあっ!!

うわあっ…!
(伊藤)う… うっ…。

ああっ…!
離せよ…!

ああっ…!

真琴… あのあとも
しばらく生きてたって事ですか?

ええ。

あなたが
すぐに救急車を呼んでいれば

助かっていたかもしれません。

なんなんだよ
笑いながら死ぬって…。

(大谷)なんなんだよ…。

♬~

お待たせしました。

(紗矢)ああ… あっ…
息子がお世話になったみたいで。

いい子ですね 颯太くん。
ああ…。

あの子 突然
芸人になるって言いだしました。

いくら やめろって言っても
言う事 聞かなくて。

まあ しょうがないですよ。
蛙の子は蛙です。

フフ…。
まあ…。

(2人)どうもー!

この間ね 壁に登っちゃって
下りられなくなった子猫をね

助けてあげたんだよね。 我ながら
いい事をしたなと思って。

うわ~ それは いい事したね。
だよね。

それ きっと 猫の恩返しがくるよ。

(紗矢)あっ… まだやってるんだ。

あっ… ここ 昔から

売れない芸人たちの
稽古場だったんですよ。

ああ… あっ じゃあ お二人も?
うん…。

来る日も来る日も

いつか必ず てっぺん取るぞって
夢みたいな話 しながら。

(紗矢)私は その夢を諦めて
一人で子供を産む事を選びました。

ああ…
お話って なんだったんですか?

伊藤さんの遺体は
なぜか笑っていたそうです。

つまり 笑いながら死んでいった
という事になります。

あっ… ああ… そうですか。

ちょっと安心しました。

さっきの話 聞いてて
思ったんですけど

最期に 昔の事を
思い出してたんじゃないですかね。

2人で未来を夢見てた頃の事を。

そうかもしれませんねぇ。

真相は誰にもわかりません。

でも 僕は

別の理由があったんじゃないかと
考えています。

どんな理由ですか?

伊藤さんは 芸人仲間から

ネクラというあだ名で
呼ばれていたそうですね?

ああ…。 ええ ネクラ。

いつも しかめっ面なのに

つまらないギャグを思いつくと
つい ニヤッと笑ってしまう。

(紗矢)そうでした そうでした。

ちょっと
こちらへ いらして頂けますか?

えっ 右京さん… なんですか?

これが
伊藤さんが見た最後の光景です。

(伊藤)うっ… うっ…。

ん…?

プッ…! ハハハ…!

♬~

「ネクラ 死す」。
アハハ…。

笑いの神様が下りてきましたねえ。

アハハ…!

あの人らしい最期。

(紗矢)アハハ…。

♬~

「20年前の通り魔犯が
再び罪を犯す」…。

(伊丹)このまま時効を迎えるのは
やりきれねえ…。

(小沼裕一)
冤罪に加担するんですか?

(富永瑞恵)捕まえられないなら
そっとしておいてください。

諦めてはいけません。
必ず 何か手があるはずです。