[新]invert城塚翡翠倒叙集#1[解][字][デ]【VS豪華ゲストの完全犯罪!翡翠劇場開幕】…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
[新]invert城塚翡翠倒叙集#1[解][字][デ]【VS豪華ゲストの完全犯罪!翡翠劇場開幕】
ミステリー賞5冠獲得の傑作シリーズ実写化!城塚翡翠(清原果耶)と千和崎真(小芝風花)が綿密な計画のもと実行された殺人事件の犯人に迫る、倒叙ミステリー劇場が開幕!
出演者
清原果耶 小芝風花 田中道子 / 及川光博
【第1話ゲスト】
伊藤 淳史 長田 成哉 井手麻渡 ほか
番組内容
IT会社社長・吉田直政(長田成哉)を同僚の狛木繁人(伊藤淳史)が殺害、巧みに証拠を隠滅。鐘場警部補(及川光博)たち警察は事故死とみなすが…数日後、城塚翡翠(清原果耶)が狛木のマンションの隣室に引っ越してくる!狛木の犯行を立証するため距離を縮める翡翠だが、狛木には完璧なアリバイがあった。翡翠とパートナー・千和崎真(小芝風花)は決定的な証拠を掴めるのか!?"城塚翡翠シリーズ"倒叙ミステリー劇場開幕!
監督・演出
【演出】南雲聖一
原作・脚本
【原作】相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』 、『invert Ⅱ 覗き窓の死角』(講談社)
【脚本】佐藤友治
【脚本協力】相沢沙呼
音楽
【主題歌】「妖」福山雅治(アミューズ/ユニバーサルJ)
【音楽】Justin Frieden
制作
【統轄プロデューサー】荻野哲弘
【プロデューサー】古林茉莉、柳内久仁子
【制作協力】AX-ON
【製作著作】日本テレビ
おしらせ
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ドラマ – 国内ドラマ
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(真) ヒスイ?
♬~
よし。
おかえり 翡翠。
(翡翠) 真ちゃん。
ん?
私のアイス 食べましたね。
えっ 何で?
テーブルに
白い跡がついていました。
私はすぐに スプーンを置いた時に
ついた跡だと推測しました。
と同時に思い出したのです。
大切に取っておいた
アイスのことを。
でも確認してみると アイスは
何事もなかったかのように
存在します。 でしょ?
ただ 少し溶けて
柔らかかったんです。
これは ごく最近 誰かが
アイスを買って来たという証拠。
犯人は アイスを
手で持って来たのでしょう。
相当 焦っていたんですね。
相変わらず目ざとい…。
アイス1つを
焦って買いに行かなければ
ならない理由は ただ一つ。
私のアイスを
間違えて食べてしまったから。
くっ…。
もし 真ちゃんが
倒叙ミステリの犯人だとしたら
きっと あっという間に
逮捕されてしまいますね。
倒叙ミステリって何?
最初から
犯人が分かってるなんて
面白くないんじゃないの?
とんでもない。
犯人が分かっているからこそ
読者は 犯人が犯したミスや
仕掛けられたトリックについて
集中して推理することができます。
探偵に追い詰められる
犯人の気持ちに寄り添って
ドキドキする感覚も味わえますね。
あぁ 確かに。
霊能力で分かったなんて
言われたら
ドキドキするしかないか。
(狛木) すっごい臭いだな それ。
(吉田) 漢方薬だよ。
昨日 処方 変えてもらってな。
(狛木:せき込み)
(せき込み)
(吉田) 大丈夫か? 飲めよ。
どうしても売るのか?
俺のプロジェクト。
俺のプロジェクト?
会社のプロジェクトだろ?
もう決めたんだ
分かんないヤツだな。
♬~
♬~
吉田。
あ?
(殴る音)
あぁ…。
♬~
♬~
(操作音)
(給湯器リモコン) お湯張りをします。
♬~
♬~
♬~
♬~ 吉田…。
♬~
今日から俺は… 自由だ。
(シャッター音)
(天子) 亡くなったのは
吉田直政さん 38歳。
IT関連会社 ジェムレイルズの
社長です。
死亡推定時刻は
昨夜7時から9時の間。
検視官の見立てでは
事故の可能性が高いそうです。
(鐘場) 風呂に入ろうとして
溺れたのか?
ええ 転んで
縁に頭を打ち付けたようです。
で 気を失って浴槽にか。
ここは会社の持ち物だったよな?
防カメは?
特に怪しい人間が
出入りした様子は
映っていませんでした。
ただ 外階段には
防カメがありません。
ふ~ん。
(タブレット菓子をかみ砕く音)
(チャイム)
♬~
ん?
はい。
うわっ!
あぁ!
あっ すいません。
ごめんなさい。
すいません。
すいません。
あっ ごめんなさい。
あっ…。
あっ ごめんなさい。
朝早くにすみません。
私 隣に引っ越して来た
城塚といいます。
あぁ どうも 狛木です。
狛木さん。
あぁ…。
すみません。
これ 実家で取れた
リンゴなんですけど
ご近所付き合いは大事だからと
母が。
あぁ… わざわざ
ありがとうございます。
でも 落としてしまったので
新しいもの…。
いえいえ あの…
洗って食べますから。
リンゴ 大好きなんです。
よかったです。
あの… 狛木さん。
変なことをお尋ねしますが
今 どなたかいらしてます?
いえ 僕一人ですが。
その…
声が聞こえたような気がして…。
声?
私の勘違いみたいですね。
では 今後とも
よろしくお願いします。
♬~
城塚さん… か。
♬~
(狛木) 前にも 別の刑事さんに
お話ししましたけど…。
吉田は事故だったんですよね?
(天子) 何度もすみません
形式的なものですので…。
あの日は
システムトラブルが起きて
8時から0時すぎまで
ここで対応していました。
それを証明できるのは
須郷さんでしたっけ?
アリバイですか? ええ。
警察の方。
須郷さん 狛木さんと一緒に
ここで作業を?
(須郷)
いえ 私は自宅からリモートで
ビデオ通話をしながら
一緒に作業していました。
修正終わったら 後でプルリク
出しておいてもらえないかな?
終わったら
一気にマージするんで
(須郷)分かりました
このビル 非常階段には
防犯カメラがありませんよね?
狛木さんが抜け出したんじゃ
ないかってことですか?
それは無理ですよ。
狛木さんがしていた作業は
セキュリティーの都合上
社内でしかできないんです。
お2人は8時から0時すぎまで
ずっと通話を?
いえ 確か
8時から11時頃までです。
その後は
1人で作業をしていました。
こちらへ。
7時ぐらいに
隣のコンビニに行ったので
防犯カメラに
映ってるかもしれません。
ここから吉田さんの自宅までは
車で片道1時間はかかります。
あぁ…。
ところで…。
これに見覚えはありませんか?
何です? これ。
吉田さんのデスクにありました。
彼が毎日 飲んでいた
漢方の煎じ薬が
マグカップから こぼれて
こんな跡になったようなんです。
ここだけ
アルファベットの「C」のように
途切れてますよね。
何かがこすれた跡のように見える。
それが?
いえ…
分からなかったら大丈夫です。
(ドアベル)
(店員) いらっしゃいませ どうぞ。
わぁ 狛木さん!
あっ 城塚さん!
こんな所で会うなんて偶然ですね。
ここ よく来られるんですか?
あぁ ええ。
毎朝 ここで朝食を。
そうなんですね。
あの ご一緒させていただいても
構いませんか?
え… あぁ もちろんです!
どうぞ!
ありがとうございます。
あっ…。
メニューです。
どうも。
わぁ どれもおいしそうですね。
♬~
♬~ よし…。
♬~
(ドアベル)
≪いらっしゃいませ≫
あっ もうお見えになってますよ。
彼女さん。
えっ? いや あの…
彼女じゃないです。
えっ? 失礼しました。
このところ 毎日 一緒に
いらっしゃるから てっきり…。
狛木さん。
♬~
カメラが彼女の後ろに グ~っと
一緒について行ってたんですけど。
一緒になって 「うわ!」とか
「ギャ!」とか言ったりして
もうホントに
ドキドキしちゃいました。
狛木さん?
あぁ はい!
すみません 退屈でしたか?
あぁ いや 違うんです!
あ あの…。
城塚さんは よく
映画に行かれるんですか?
その… 彼氏さんと一緒にとか。
彼氏さん?
あ えっと その…。
私 あまり男の人とのお付き合いが
長続きしないんです。
いや そうは見えないですが…。
友達も少なくて
唯一 仲のいい女の子も
絶望的に
ファッションセンスがなくて
いっつも
変なTシャツ着てるんです。
ウフ…。
アハハ…。
そうなんですね。
はい。
それに私 実は
霊感みたいなものがあるんです。
霊感?
気味が悪いですよね。
いや! そんなことないですよ。
あの 狛木さん。
最近 ご家族かお友達を
亡くされていませんか?
えっ?
前に狛木さんのお部屋を
お訪ねした時に
見てしまったんです。
男の人が
何か言いたそうな表情で
立っていて…。
あぁ…。
どんな人ですか?
ジーンズをはいた男性です。
黄色っぽいラベルの
ペットボトルを持っていました。
ペットボトル…。
その人 狛木さんに何か
伝えたいようなんですけど。
でも それが何なのか
私には分からなくて…。
実は先日
友人を事故で亡くしてるんです。
吉田といいます。
風呂場で転んで
溺死してしまったらしいんです。
あの… もしかしたら それは
事故ではないのかもしれません。
えっ?
私が見た人が
吉田さんだとするなら
彼の表情は穏やかな雰囲気では
ありませんでした。
狛木さん お願いがあります。
あっ はい…。
吉田さんが
何を訴えようとしているのか
私と一緒に
突き止めてもらえないでしょうか。
ちょっと待ってくださいよ
吉田は事故で亡くなったって
警察が
そう判断してるんですから。
そうですよね…。
すみませんでした。
狛木さんなら 私の話を
信じてくださるんじゃないかと
思って つい甘えてしまって。
今まで ありがとうございました。
ハァ…。
(狛木) 城塚さん!
(狛木) 僕は…。
僕は あなたのために
何をすればいいでしょうか?
狛木さん…。
♬~
(梅沢)やっぱ王道だわ~
(缶を開ける音)プシュ!
(大久保)何をごちゃごちゃと…
(缶を開ける音)プシュ!
(グラスの音)カチン!
<サントリー「こだわり酒場のレモンサワー」>
(角田)≪メンチに「翠ジンソーダ」 推せる…≫
(桜井)推せる…!!
いたの?
勝手に飲んでんじゃねぇ!
えっ何それ
ん~! んーじゃなくてさぁ
(店員)≪「翠ジンソーダ」の缶です!
それもしかして もう流行ってんの?
まだ
<缶だよ。サントリー>
(狛木) 吉田の霊がですか?
はい 私の夢に度々 現れるんです。
いつも
ペットボトルを持っていて…。
きっと何か
深い意味があるんだと思います。
深い意味?
ええ。
例えば それに犯人の指紋が
残っていたりだとか。
指紋…。
あっ。
ここが吉田の部屋ですが。
ペットボトルは…。
あっ 冷蔵庫です。
あっ 狛木さん
きっと これですよ。
僕にも見せてください。
ダメですよ 狛木さん!
指紋が分かんなくなっちゃいます。
あっ! すいません つい…。
そっか
触ったらダメなんですよね。
あ ごめんなさい 私が見たのは…。
こっちのラベルのものでした。
私ったら うっかりさんです。
あぁ… そっちでしたか。
ダメですよ 狛木さん
次は気を付けましょうね。
あぁ そうですね 気を付けないと。
あの ちなみにそれ
どうするつもりですか?
持って帰りたいと思います。
お金はかかりますけど
指紋の採取や
鑑定をしてくれる所は
たくさんありますから。
そこまでするんですか。
えっと 他に手掛かりは…。
あの…。
はい!
これは何でしょうか?
あぁ それは
吉田がプログラムの構造とか
考えの整理に使っていた
ホワイトボードです。
わぁ 何だかステキですね。
♬~
あっ 狛木さん。
はい!
ハンカチ
貸してもらえますでしょうか?
ハンカチですか?
証拠品になりそうなものを
見つけたんです。
でも 私のはさっき
ペットボトルをつかんだ時に
ぬれてしまったので。
お持ちでしたよね?
う~ん…。
狛木さん?
すごい汗です 大丈夫ですか?
あぁ あの…。
そう 汗…。
実はさっき 大量の汗を拭いて
グショグショに
なってしまったんです。
それを女性にお渡しするのは…。
(何かが落ちたような音)
あれれ? 何の音でしょう?
さぁ? 子供じゃないかな?
確か 小さな子のいる家族が
上に住んでるんですよ。
何か 物が落ちたような音が
しましたけど…。
ボールか何かですよ。
それより 証拠品って?
あっ そうでした。
ハァ…。
あの そこに
何か落ちてたんですか?
あぁ すみません
私の勘違いでした。
あぁ… あの 城塚さん。
やっぱり 考え過ぎじゃ
ないでしょうか? 他殺だなんて。
吉田はもっと別のことを
僕に言いたいんだと思います。
例えば 「会社を頼んだ」とか。
そうなんでしょうか…。
あれれ?
えっ? 今度は何です?
これ キャップが
一度 開けられているんです。
えっ?
ホントだ。
炭酸が抜ける音
一度 封を切って 飲まずに
冷蔵庫に戻したんでしょうか?
もしかして 吉田さんは
私に それを伝えたかった?
いやいやいや。
単に 直前で飲む気が
うせただけかもしれませんよ。
意味なんて
ないんじゃないですか?
これは炭酸飲料です
飲む気がなくなったんだったら
キチンと また強く
キャップを閉め直すはずです。
ですが このキャップは少しだけ
緩んでいるように見えます。
だとしても
それが犯罪の証拠になるとは
僕には思えませんよ。
あっ それに
この部屋を見てください。
吉田は ずさんな男だったんです。
キャップが緩んでても
何も不思議なことなんて…。
やっぱり 警察の方に
相談してみようと思います。
えっ いや…。
警察は やめたほうがいいです
彼らは僕と違って
城塚さんの能力を
信じたりしないと思います。
私 警察に知り合いがいるんです。
えっ?
叔父なんですけど
警視庁の警視さんです。
け… 警視?
はい 私の力のことも
理解していただいてて。
殺人事件の捜査で
お役に立てたことも。
それは えっと… 本当ですか?
私 ウソはつきません。
あぁ…。
当初の論理に違わず
犯人は 狛木繁人で
間違いないでしょう。
うん…。
真ちゃん
これ 飲んじゃっていいですよ。
証拠品じゃないの?
これはダミーです。
本物は鐘場さんに頼んで
何日も前に押収してあります。
そうなんだ じゃあ遠慮なく。
(炭酸が抜ける音)
うわ ちょ…! う~わ!
アハハ…。
ドッキリ テヘペロ大成功~。
は? もう最悪
この服 気に入ってんのに~。
こんな手に掛かるなんて
真ちゃんも まだまだですね。
この…!
痛って!
痛ったぁ…。
それで? あいつが犯人なら
お芝居は終了?
いいえ 本物のペットボトルには
狛木の指紋は
残っていませんでした。
いかに論理が犯人を示しても
見つかるのは
回りくどい状況証拠ばかり。
たまにあるパターンですね。
稚拙なくせに幸運に恵まれ
決定的な証拠が
まるで残されていない犯行。
おまけに 完璧なアリバイが
あるんでしょう?
ですが こういう時こその
城塚翡翠です。
決め手は この私が
必ず見つけてみせましょう。
♬~
(芦田)パパ、グローブ買ったの~?
(出川)1000円でおトクだったのだ!
1000円でおトクだって
え?
(小池)おトクってのはねぇ…
1000円でお釣りがくるのよ!
(須郷) 狛木さん ちょっと。
城塚さん!
突然 押し掛けてしまって
申し訳ありません。
どうしたんですか?
わざわざ 会社まで…。
あぁ どうぞ。
実は あの後
叔父に相談しまして
殺人事件の可能性を考慮して
再捜査していただくことに
なりました。
それでいくつか新しく
殺人を示す証拠が出て来たんです。
殺人を示す証拠?
はい それで狛木さんの
アリバイについて…。
えっ… アリバイって
何で そんなことを?
警察も私と同じように考えると
狛木さんを疑ってしまいそうで。
私のせいで
大切な方に ご迷惑をお掛けする
わけにはいきませんから。
大切な方…。
あぁ それなら心配はいりません。
僕のアリバイは
しっかりとしたものです。
詳しくお聞きしても?
もちろんです。
えっと 狛木さんはあの日
夜遅くまで会社で
須郷さんと
ビデオ通話をされていたとか。
ええ 僕たちが運営する
ウェブサービスのサーバーが
外部から攻撃を受けて
落ちてしまったんです。
こちらの処理にミスがあって
そこを突かれたんですが…。
その復旧作業をしていました。
なるほど…。
でも ビデオ通話だと
はっきりとしたアリバイには
なりませんよね?
ほら 今は背景を画像にできる
ソフトなんかもあるみたいですし。
僕は 背景を画像なんかに
してはいないですし
それに 社内でしかできない
仕事をしていたんです。
攻撃を受けたサーバーは
クラウドにあって
セキュリティーの関係上
この会社の
ネットワークからでないと
修正や更新ができないんです。
なるほど。
その攻撃を受けていた
サービスさんは
何時頃に直ったんですか?
あぁ…。
11時には修正が完了して…。
キーボードを打つ音
(狛木の声)
0時には無事に再開できました。
結局 トータルで
4時間もかけた大仕事で
抜け出す暇なんてありません。
分かりました
それなら鉄壁さんですね。
ご理解いただけて よかったです。
あの 先ほど「ミスがあって
サーバーが落ちてしまった」と
おっしゃっていましたよね?
ミスというのは いわゆる
バグというやつなんでしょうか?
よくご存じですね。
バグというのは確か
プログラム さんの間違いでしたよね?
結構 頻繁に
間違えてしまうものなんですか?
あぁ… プログラムは
思った通りには動かず
書いた通りに動く。
僕の好きな
詠み人知らずの格言です。
人間は 些細なミスを
たくさんしてしまう生き物です。
だから僕らは
何度もコードを読み返し
ミスを見つけ出す努力を
怠りません。
経験を積めば 同じ失敗を
しないようにすることもできる。
コードを書くことは
バグとの戦い。
自分自身の失敗
愚かさを見つめることなんです。
何だかステキなお話ですね。
あぁ…。
まぁ そんな感じで。
コードを直すというのは
普通のパソコンの上書き
みたいなものなんでしょうか?
そうですね 実際には
もっと便利なシステムがあって
修正を施した箇所だけ
一気にファイルの上書きを
反映させることが
できるんですけどね。
すごい 一気にできるんですね。
あぁ… それで城塚さん。
その…
殺人を示す証拠というのは?
あっ そうでした えっと…。
これを見てください。
この輪っか状の痕跡
何かの飲み物の跡みたいで…。
あぁ これなら前に
刑事さんに聞かれましたよ。
何かが擦れた跡があるって。
そうなんです。
犯人がペンのようなものを
この上に置いたために
擦れて こうなったのでは
ないでしょうか?
あぁ これが
殺人を示す証拠ですか?
はい 何か理由があって
犯人がペンを持ち去ったんだと
思ったんですけれど。
だとしても 殺人犯を
特定することはできませんよね。
証拠にはならない。
そうですね…。
城塚さん その…。
警察が 再捜査を
検討してくれているのなら
あとは 彼らに
任せるべきではないでしょうか?
すみません
私一人で空回りしてしまって…。
いえ そんな!
お話ができて うれしかったです。
えっと… プログラミングの話を
ベラベラしゃべってしまったのは
申し訳なかったですけど。
あのお話 とても面白かったです。
私もプログラミングを
勉強したくなりました。
えっ… あの もしよかったら
お教えしましょうか?
よろしいんですか?
ええ もちろん!
ありがとうございます。
あら これはこれは警部補さん
心配性ですね。
よく分かったな しかも
「警部補」を強調しやがって。
他意はありませんよ
わずか半年で
無事に捜査一課に戻れて
よかったじゃないですか。
世の中には 警視から警部補に
降格するだけにとどまらず
窓際の部署に飛ばされてしまう
人もいるんですから。
窓際? そりゃ よっぽどのヘマを
やらかしたんだろうよ。
鐘場さんみたいに?
アハハ…!
ハァ…。
なぁ 翡翠。
また 警察庁に利用されてんだろ?
つまり 俺が捜一に戻れたのは…。
それは
考え過ぎというものですよ。
♬~
(キーボードを打つ音)
ふぅ~。
何ちゅう格好…。
ねぇ 何 見てんの?
証拠写真です。
う~ん ここに何か詰めの一手が
隠されているような
気がするんですが…。
デスクの「C」?
ここ どうして
一部分だけ欠けているんでしょう。
狛木の反応を見るに
当人にも全く
心当たりがなさそうです。
う~ん… アリバイ崩しは?
あんなのは 勘のいい
ミステリ読みなら秒殺です。
あぁ~… さっぱり分からん。
それでは困ります 真ちゃんにも
私のような名探偵の論理を
身に付けてもらわないと。
ちょっと翡翠!
プリンなくなってんだけど!
あっ お先に
いただいちゃいました。
限定のプリン
1時間並んで買ったのに…。
しかも 4つ全部?
テヘペロこっつんこさんです。
こいつ…!
いえいえ ちょっと待ってください
真ちゃん それはさすがに痛い…!
一発ぐらい いいでしょう
やらせなさい!
セリフがひど過ぎます
ちょっと待って真ちゃん!
待たない!
違います 待って!
そのまま待ちなさい。
フフフ…。
フフフ…。
何? 何なの?
真ちゃん お手柄です。
お待たせしました
ここからは解決編です。
全ての手掛かりは提示されました。
犯人は自明 ただし
私は こう問い掛けましょう。
果たして あなたは探偵の推理を
推理することができますか?
狛木繁人は どのように
アリバイを確保したのか?
そして デスクの「C」の正体とは?
ヒントは プログラムは
思った通りには動かず
書いた通りにしか動かない。
城塚翡翠でした。
やっぱり分からん。
う~ん 分かったような
分からないような…。
大丈夫 城塚さんは
なかなか 筋がいいです。
ホントですか?
はい。
プログラミングは
論理的思考を育むのには
うってつけなんですよ。
習得して損することはありません。
あの… 城塚さん。
今日は休みですし
これから一緒に
どこか行きませんか?
私 狛木さんと一緒に
行きたい場所があるんです。
《三井アウトレットパーク》
♬~ここにあった
♬~あったらしい わたし
♬~季節と一緒に
♬~着替えよう~
<ブラックフライデー>
《三井アウトレットパーク》
<三井不動産グループ>
何で またここに?
単刀直入に
お伺いしたいと思います。
狛木繁人さん。
あなた 吉田直政さんを
殺害しましたね?
どうしてそんなことを?
まさか 霊能力で知っただなんて
言わないでくださいよ?
残念ながら
私には霊能力はありません。
えっ?
それに関しては おわびします。
でも あなたも人を殺したことを
黙っていらっしゃったんですから
お互いさまというものですよね?
あぁ… 何を根拠に?
現場写真を
見させていただいた際
私が最初に着目したのは
これなんです。
ペットボトル?
正確には こちら。
ここに わずかな
水滴の跡が残されていたんです。
それはつまり
ぬれたペットボトルか何かが
置かれていたという
可能性を示します。
冷蔵庫を調べてもらったら
例のキャップが開いた
炭酸飲料が入っており
わずかに吉田さんの指紋も
残されていました。
ところがです… ところがですよ?
面白いのは ここからです。
ペットボトルの上部からは
一切の指紋や掌紋が
検出されませんでした。
あれれ? おかしいですね?
キャップが開いている
ということは
誰かが このように
ひねったということです。
指紋が残っていない
ということは
キャップが開いていることに
気付かなかった何者かが
指紋を拭き取った
ということでしょう。
これは紛れもなく
犯行現場に第三者がいたという
証拠になるのです。
僕は犯人じゃ ない。
僕にはアリバイがある。
残念ながら あなたのアリバイは
成立しません。
バカな…
僕は間違いなく会社にいた!
いいえ あなたはこの部屋から
ビデオ通話をしていたんです。
これを背にすることで
自分が会社にいるように
須郷さんに錯覚をさせた。
いや その推理には穴がある。
クラウド上にあるサーバ-には
社内のネットワークからでないと
修正作業ができないからだ!
ええ そうでしたね。
けれど私
ふと思っちゃったんです。
その作業をするのに
何時間も会社にいる必要が
本当にあるのかしら?って。
何を言ってる?
プログラムは
思った通りには動かず
書いた通りにしか動かない。
プログラムのバグのお話
奥が深くて
とっても面白かったです。
「それならば…」と私は考えました。
それならば… それならばですよ?
あらかじめ
不具合が起こるように
意図的に間違いを書いておいたら
どうなのかって。
それは…!
自分で用意した
ミスなんだとしたら
何時間も原因を調べたり
直したりする必要はありません。
あなたは 須郷さんと
ビデオ通話をしながら
作業をしているふりをして
実は何もしていなかったんです。
修正終わったら 後でプルリク
出しておいてもらえないかな?
終わったら
一気にマージするんで
(翡翠の声)
あなたは午後11時まで
ここで須郷さんと
おしゃべりをして
アリバイを確保した後
1時間かけて会社に戻り
午前0時 社内から
サーバーにアクセスして
事前に用意しておいた
修正ファイルを…。
一気に反映させたんです。
どうですか?
何か矛盾がありますか?
いや…。
それは… それは…。
そう考えることもできる
というだけだ。
僕が この場所にいた証明には
ならない。
そうでしょうかねぇ。
僕が犯人だと言うなら
証拠を見せてくれよ!
分かりました お見せしましょう。
えっ?
これをご覧ください。
私 この跡が
どうしても気になってしまって。
彼が毎日 飲んでいた
漢方の煎じ薬が
マグカップから こぼれて
こんな跡になったようなんです
ここの途切れたような部分
何かをどかした跡だと
考えられるんですが
特徴的な液体ですから
その物体には
汚れが移って
残っているはずなんです。
その物体が
どこにもないということは
犯人が持ち去ったんでしょう。
私 その正体が分からなくて
しばらく悩んでしまいました。
でも 優秀なパートナーのおかげで
ようやく分かったんです。
考えてみれば当たり前のこと。
お恥ずかしい…。
私ってば うっかりさんです。
ハァ…。
こちらに その液体が
こぼれた跡を再現してあります。
さぁ どうすれば
「C」の跡ができるのか
やってみましょう。
色違いですが 狛木さんが
持っているものと
同じ型のノートパソコンです。
あなたは須郷さんと
ビデオ通話をするために
これをズラし
ここに
自分のノートパソコンを置いた。
そして 自分の姿と
背後のホワイトボードが
うまく映るように位置を調整した。
その時 輪っか状の液体に
ある部分が擦れてしまったんです。
ある部分?
まさか…!
今朝 こっそり狛木さんの
ノートパソコンを確認したら
やはり 裏の滑り止めに
わずかな汚れがありました。
それを収めるスリーブケースにも。
♬~
漢方薬は
生薬をブレンドして作ります。
調べれば 前日に
吉田さんのために調合された
成分ピッタリのものが
検出できるでしょう。
ハァ…。
まさか…
こんなミスをしていたなんて!
こんなミス?
あなたの最大のミスは
殺人を犯してしまったことでは
ありませんか?
あなたは 一体何なんですか!?
私は 殺人という罪を犯した
社会の敵を
取り除く者ですよ。
ハッ…。
すごいな。
城塚さん 僕はね
吉田に青春を奪われたんですよ。
中学生の頃
僕のせいで吉田はケガをして
それで
足に一生ものの傷が残った。
それは申し訳ないと思っています。
けど あいつは
僕の負い目を利用して
僕の才能を
好き勝手に利用して行った。
僕が人生を懸けた
プロジェクトを あいつは
自分の名前で
よそに売り飛ばそうとした。
こんなことが何回あったか…。
決して日の差さない
曇り空が続く日々でしたよ。
私から見ればあなたは
自分のふがいなさを
吉田さんのせいにして
ひがんでいるだけのように
思います。
プログラムと一緒ですね。
えっ?
人生も 思った通りには動かない。
行動した通りに動く。
どうして こんな方法を
選んでしまったんですか?
そうですね…。
結局 全てを吉田のせいだと
決め付けていた
僕の弱さが原因だったのかも
しれません。
ですが…。
たとえ 仮初めのものであっても
あなたと一緒に過ごせてよかった。
私は そうでもありません。
あなたが私に引かれたのは
私の外側にだけ。
あなたは私に趣味のことも
仕事のことも
何一つ質問しては来なかった。
次に女性と
お付き合いされる時には
気を付けたほうが
よろしいでしょう。
肝に 銘じておきます。
経験を重ねれば
人は失敗を減らせるものです。
バグを 減らせるように?
ええ バグを減らせるように。
でも プログラムのお話は
少し楽しかったですよ。
それならよかった。
まいりましょう。
(キーボードを打つ音)
ただいまで~す。
おかえり どこ行ってたの?
事件解決のご褒美に
限定プリンを買って来たんです。
あれれ?
真ちゃんも欲しいですか?
特別に4つまでなら
譲ってあげてもいいですよ。
えっ? もしかして
この間のおわびのつもり?
ハハハ…
にしても4つも食えないし。
自制心がない
真ちゃんのことです。
どうせ食べちゃうのは
知ってます。 失敬な…。
さてさて 私は論理的思考でも
育むとしましょう。
ま~た影響受けやすいんだから。
どちらかというと
あんたはプログラマーより
ハッカーのほうが
しっくり来そうだけどね。
真ちゃんは 私のことを
何だと思ってるんです?
う~ん
世界で一番信用できない女?
もっと他に言い方はないんですか。
殺人鬼と恋愛ごっこをすることで
スリルと快感を得る
変態ドS探偵~。
真ちゃんは今日でクビです。
うぉ!
私がクビになったら
誰が あんたみたいな
面倒くさい女を世話すんのよ!
やめてください 真ちゃん!
ホントにクビに…! あぁ!
あ~!
あ~!