霊媒探偵・城塚翡翠#05[終][解][字][デ]【本当の悪魔は誰?この最終話、ネタバレ厳禁。】…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
霊媒探偵・城塚翡翠#05[終][解][字][デ]【本当の悪魔は誰?この最終話、ネタバレ厳禁。】
ミステリー賞5冠獲得の傑作小説を実写化。最終対決!“霊媒師”城塚翡翠(清原果耶)VS女性連続殺人鬼『透明な悪魔』…すべての伏線が鮮やかに回収される驚愕の最終話!
出演者
清原果耶 小芝風花 田中道子 須賀健太 / 及川光博 瀬戸康史 ほか
番組内容
城塚翡翠(清原果耶)の“霊視”によって、9人の命を奪った殺人鬼の正体が鐘場(及川光博)と聞いた香月(瀬戸康史)は逮捕への作戦を実行。しかし『透明な悪魔』の魔手は、ついに翡翠まで!「私の死はどうしたって防げない」自ら告げた翡翠の運命は変えられるのか?世間を震撼させた女性刺創連続殺人事件の結末には、想像を絶する出来事が…。ネタバレ厳禁!!テレビドラマの常識を覆す、すべての伏線が回収される驚愕の最終話!
監督・演出
【演出】菅原伸太郎
原作・脚本
【原作】相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(講談社文庫)
【脚本】佐藤友治
【脚本協力】相沢沙呼
音楽
【主題歌】「妖」福山雅治(アミューズ/ユニバーサルJ)
【音楽】Justin Frieden
制作
【統轄プロデューサー】荻野哲弘
【プロデューサー】古林茉莉、柳内久仁子
【制作協力】AX-ON
【製作著作】日本テレビ
おしらせ
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ドラマ – 国内ドラマ
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(鐘場)
犯人の姿が全く見えて来ねえ
まさに透明な悪魔だ。
(天子) 「犯人は
警察関係者なのかもしれない」。
(香月) 翡翠さんの力を
恐れているからこそ
ヤツは 翡翠さんを
殺そうとしている。
(翡翠) 犯人は
鐘場警部なのかもしれません。
鐘場さんが透明な悪魔なら
翡翠さんと人けのない場所で
2人きりになる瞬間は
絶好のチャンスのはず。
そこを刑事さんたちに
捕まえてもらいます。
翡翠さん…?
翡翠さん!
翡翠さん‼
翡翠さん‼
(母親)
ホントにありがとうございます。
いいえ。
もう お母さんから離れたら
ダメですよ。 (子供) うん!
(母親) お姉さんにありがとうって
バイバイできる?
(子供) バイバイ。
バイバイ。
(母親) ありがとうございました。
♬~
ハァ…。
(翡翠の声) 先生…
私 先生のこと知りたいです。
(香月の声) 僕のこと?
(翡翠の声) 先生は 子供の頃に
大切な人を
亡くされていませんか?
まだ 小学生だった頃のことです。
僕には10歳年の離れた
姉がいました。
正確には
血のつながらない義理の姉です。
優しくて キレイな人で
僕は すぐに憧れに近い感情を
抱くようになりました。
けれど 彼女は…。
強盗に刺されて 亡くなりました。
僕が見つけた時
彼女には まだ息があったんです。
けれど…。
彼女が最後に
何を言おうとしていたのか…。
先生。
ギュってしてあげます。
え?
つらい時には
私がギュってしてあげます。
それが一番 効くんです。
あぁ…。
フッ。
私 本当に先生の力になりたいと
思っています。
だから ギュってしてあげたいのは
本当です。
たとえ
逃れられない運命だとしても
あなたのそばに…。
♬~
♬~
雨野刑事から
連絡がありました。
やはり 鐘場警部が
犯人だったようです。
これでもう
事件は解決しましたよ。
そうですか。
よかった。
ここから少し行った所に
別荘を持っているんです。
ん?
もう遅いですし
泊まって行きませんか?
はい…。
(車のドアが閉まる音)
さぁ 中に。
先生…。
翡翠。
先生… ダメです こんな所じゃ。
先生…。
ここは… 何なんですか?
どうして こんな…。
やっぱり 君は感じ取るのか。
先生…?
翡翠
君はホントにかわいらしいよ。
だから もう我慢ができない。
僕が殺したんだ。
10人以上は実験をした。
どうしても 君で試したいんだ。
ウソ… ウソですよね?
あっ…。
先生 こういう冗談はダメです。
怒りますよ。
ウソじゃないんだ。
♬~
ほら これで信じられるだろう?
女性の悲鳴
教えてくれ 痛くないだろう?
せ… 先生が… 殺した?
そう やらなきゃいけないんだ。
ウソです こんなのウソですよね!?
ウソです こんなのウソ!
ウソ…!
大丈夫 ナイフで刺すだけだよ。
助け… 助けて…。
誰にも聞こえないよ。
君のスマホも
とっくに電源を切ってある。
鐘場警部は
何十kmも離れた場所で
君を待ち続けてるし
千和崎さんも
今は遠い北海道の実家だ。
この場所を知っている人間は
どこにもいない。
君に死をもたらすのは僕なんだ。
助けて…。
痛いか痛くないか
実験をするだけだ。
助けて! 誰か助けて!
あなたは…。
悪魔だわ。
こうやって多くの女性を
だまし続けて来たんでしょう。
でも… あなたは絶対に捕まる!
いつか… いつかきっと
あなたの正体を突き止める人が
必ず現れる!
うっ…。
うぅ…。
すぐには殺さないから
怖がらなくていい。
君には
してほしいことがあるんだ。
僕の姉さんの霊を降ろしてくれ。
助けて…。
こんなのウソよ…。
降霊をするのに
名前は必要だったかな?
名前は鶴丘陽子。
亡くなったのは21歳の時で
殺害現場はここだ。
どう? できそう?
彼女に会わせてくれ
聞きたいことがあるんだ。
(はなをすする音)
早くしてくれ。
フフフ… フッ。
フフっ。
やっぱり壊れてしまったか。
フフフ…。
ハッ…。
アハっ アハハ…。
何を笑っているんだ?
アハハ…。
翡翠じゃないのか?
もう何かを降霊している…?
アハハ…。
何がおかしい?
ハァ…。
いえ 別に。
それより 先生
手首の縄を
ほどいてもらえませんか?
このままでは
集中して降霊ができません。
いいだろう。
きっと お化粧が
崩れちゃいましたね。
今日のメイクは
薄いほうですから
そんなに目立たないとは
思うんですけれど…。
何を…。
まさか気付いていたのか?
いや 僕のように 殺人に
罪悪感を抱かない人間に対して
君の力は役に立たないはず…。
フフフ… アハハ!
アハハ…!
おかしい 本当におかしい。
あぁもう 先生ったら
笑いをこらえるほうの身にも
なってくださいよ。
あぁ アハハ。
残念ですが 先生のお姉さんを
降ろすことはできません。
なぜだ?
私が本物の霊媒だって
ずっと信じていらしたんですか?
どういう意味だ…。
降霊なんて
そんなの
できるわけないでしょう。
だって 私は
インチキ霊媒師ですよ。
ふざけるな! 君の力は本物だ!
先生が そう信じていただけです。
これまでも信じがたい力で
いくつもの事件を解決して来た!
そうかもしれませんね。
ですが それは本当に
信じがたい力だったと
言えるのでしょうか?
いや… 本物だ。
そう 君が初めて僕に見せた霊視は
倉持結花の事件だった。
君は 彼女の職業を
霊視して当てただろ!?
余興ついでに
解説をしてあげましょう。
このまま
殺されてしまうのでしたら
その前に せめて罪を
告白しておく必要がありますから。
倉持さんは
インターホンを鳴らした時
とても歯切れが良く
自信に満ちた声で
応答なさいました。
実際に会うと
座る姿勢も様になっていて
メイクにも慣れているようでした。
普段から 他人に見られる
お仕事だと予想できます。
先生 あのタワーマンションですが
私 少しばかり投資をしていて
エントランスやロビー
エレベーター
所々 音声を拾えるように
してあるんです。
盗聴…?
先生は 彼女に対して
「さすがだね」と
おっしゃいましたよね?
さすがだね
(翡翠の声) 私は
何が「さすが」なのか考えました。
丁寧な言葉遣いや
聞きやすい声を
「さすがだね」と思われるような
お仕事…。
コールセンターのお仕事かな?
とも思えますが
人に見られるお仕事
という部分に反します。
あの日は平日だったので
一般企業や銀行員という線も薄い。
つまり 彼女は
デパートやモールなどで
受付をなさっている方だと
推定できます。
バカな…。
まぁ 間違っていたら
間違っていたでいいのです。
相手の反応を見ながら
別の候補を言えばいいのですから。
いや… だが霊的な力で
結花の肩や手に触った!
あんなのは ただの奇術です。
奇術?
マジックですよ。
ポピュラーな現象で
いくつもの手法があります。
ウソだ そうやってごまかして
この場を
乗り切ろうとしているんだろ。
インチキだと言うなら
倉持結花の事件はどう説明する?
君は 現場を見て
すぐに犯人が女だと言った。
犯人は 女の人です
遺体発見の直後にだぞ!?
アハハ…!
アハハ…!
ふざけるな!
ハァ 仕方ないですねぇ。
アイスコーヒーですよ 先生。
アイスコーヒー?
現場に水滴が落ちていましたね。
それを見た時に私は
あの水滴の正体が何かを
考えました。
真っ先に考えられるのは 氷です。
氷?
先生は 泣き女の涙の跡だと
思い込んでらっしゃったのかも
しれません。
けれど あれはどう見ても
氷が溶けてしまった時の名残です。
あの水滴の正体が
氷だと仮定しましょう。
倉持さんは 急冷式で
アイスコーヒーを入れるんでしたよね。
現場には アイスコーヒーの
グラスが落ちていました。
つまり グラスが落ちて
その氷が飛んだのだと
仮説を立てることができます。
あの日は早朝にかけて
気温も低かったですし
大きな氷でしたら
ほんのわずかな水滴となって
床に残ったことは
十分に考えられます。
そう仮定すると 彼女が帰宅して
すぐ強盗と鉢合わせた
…という説は
不整合が生まれますね。
だって そうだとするなら
アイスコーヒーを
ドリップする時間がありません。
だがそうだとしても
どうして 犯人が女性だと!?
倉持さんは帰宅直後の服装でした。
ですが 仕事から帰宅して
疲れている時に
自分1人分だけ
わざわざ 手間をかけて
アイスコーヒーを
作るでしょうか?
でも 眠る予定がなくて
誰かと一緒に
夜更かしをするつもりなら
手間をかける価値が
あるかもしれません。
1杯分だけ作るのが難しいと
おっしゃっていたのに
サーバーは空っぽでしたからね。
つまり 倉持さんは誰かと一緒に
アイスコーヒーを飲んでいたと
仮定できる。
では 犯人は
どんな人物だったんでしょうか?
何者かがやって来て 彼女と
アイスコーヒーを飲んだとします。
さて どこで飲みます?
どこで?
立ったまま飲みますか?
普通は椅子に座ります。
ところが 4人掛けテーブルの
奥側に並んだ椅子2つは
荷物で埋まっていました
使えませんね。
では 手前側に並んで座りますか?
仲良く並んで壁を見つめます?
あり得ない。
となれば 残るのはソファです。
ですが あのソファは
狭い2人掛け。
体が密着してしまいますね。
となると 恋人でしょうか?
それはないと思いました
先生もご存じだったように
倉持さんは 先生のことが
好きだったからです。
すると 残るのは女性です
とても親しい女友達と
お泊まりパーティーを
するつもりだったんです。
さてさて そうなると
不思議なことに気付きましたよ。
2人でソファに並んで腰掛けて
テーブルに 冷たい
アイスコーヒーのグラスを置く。
ここで 何らかの理由から
2人はケンカになる。
小突いたり
胸ぐらをつかんだり…。
怖いですね。
そこでグラスが落ちて… 割れる?
あれれ~? へんてこさんですね。
背の低いテーブルから
柔らかいカーペットの上に
グラスが落ちて 割れます?
割れないですよね? 普通。
君は まさか…。
犯人は わざわざグラスが
4人掛けテーブルから
落ちたと見えるように
細工をしたかったのです。
では グラスが砕けることで
犯人にとって どんなメリットが
生まれるでしょう?
簡単です 細かい破片が生じて
類似した何かを
紛れ込ますことができる。
あれれ? でもでも
ちょっと待ってくださいよ。
そのままにしておけないのなら
拾って回収すればいいのに
不思議ですね。
ですが 例えば
とても視力が悪い状態で
散らばった破片を
一つ残らず回収するのは
とても難しいことです。
不安に駆られた犯人は
わざとグラスを落として
粉々に割ったんでしょう。
そうすれば
他の小さな破片はもちろん
万が一 見逃してしまった
大きな破片があっても
グラスの一部だと思ってもらえる。
以上のことから
犯人は倉持結花さんと
かなり親密な女性で
メガネを掛けている人物
ということが分かります。
初めて彼女の部屋に入った
あの時点で
そこまで考えていたのか?
そうですよ。
先生には
分からなかったんですか?
君は何者なんだ?
私は霊媒ですよ。
ただの詐欺師であり その本質は
ただの奇術師でもある。
奇術師だと…?
霊媒というのは
奇術から生まれました。
そして奇術は霊媒から生まれた。
何が目的で…。
あなたの化けの皮を
剥ぐためにですよ。
先生が一切の証拠を残さない
透明な悪魔だとするなら
じっくり観察をする必要があると
感じました。
途中から私を殺したくなるように
仕向けるのが
一番確実だと
思ったんですけれど…。
まさか こんなふうに
拘束されちゃうとは。
あり得ない…。
それなら 他の事件はどうなる?
あの水鏡荘で起こった事件は…。
では 次はその事件のことを
語りましょうか。
あの時は おかしかったですね。
怪奇現象が起こることを信じて
深夜遅くまで粘るなんて
頭の悪い女子大生にでも
なった気分でした。
君は 事件が発覚して すぐに
黒越先生を殺したのが
別所幸介だと断定していた。
あの段階で どうやって
犯人を特定できるんだ!?
ダメですね 先生。
見ることと観察することは
全く別物ですよ。
また ホームズの引用か。
私たちの日常に探偵はいません。
率先して あれは不思議だ
これを考えるべきだと
丁寧に教えてくれる人は
どこにもいない。
それでも私たちは日常の中で
何を考えるべきか
自分の目で
見定めなくてはならないんです。
探偵志望でなくとも
私たちは 名探偵のまなざしを
持たなくてはなりませんよ。
だから 何を言っている!?
黒書ですよ
黒書はどこへ消えたんでしょう?
黒書…?
ちょうど ここにありますね。
犯行現場を見た時に
私が気になったのは この本。
『黒書館殺人事件』は どこへ
行ったのだろうという疑問です。
説明をしろ。
よろしいんですか?
考えることを放棄しちゃい…。
いいかげんにしてくれ!
よろしいでしょう
でも現実は推理小説と違って
論理を解説するのは
疲れるものですから
ざっくり はしょって
説明して行きますよ。
では 解決編です。
(吉高)人生 山あり 谷あり…
♬~
「トリス」あり!
(泡の音)シュワー
<人間っていいナ。>
はぁー
<新しい「トリス」>
♬~
(ボトルを開ける音)プシューッ!
<サントリー
「THE STRONG」 激泡>
では 解決編です。
リビングで歓談していた時
黒越先生の仕事場のゴミを
片付けて来たという
家政婦の森畑さんが
先生の新刊 読んじゃいました
テヘペロって感じで
おっしゃったんです。
その流れで黒越先生は 私たちに
新刊を配ってくださいましたよね。
あの時 小包の封は
開いていましたが
森畑さんが勝手に包みを開けて
読んだとは思えません。
恐らく 宅配便が届いたことを
聞いた黒越先生は
それを仕事場で開封し
ご自身の分の1冊を
デスクに置いてリビングに戻った。
つまり 森畑さんが
手に取ったのは
デスクに出ていた
黒越先生の本だった。
そう考えると
あの場にいた人数は
黒越先生を含めて
10人でしたから
現場には10冊目の黒書が
あったはずなんです。
それなのに… それなのにですよ?
遺体発見時 デスクに本はなく
本棚には 元からキッチリと
本が詰められていて
余分なものが加わるスペースは
ありませんでした。
存在していたはずの
10冊目の黒書がどこにもない。
となれば
犯人が持ち去ったのだろう
…と考えるのは
自然なことでしょう。
遺体を見て そこまで考えるのに
大体… 8秒くらい。
寝不足だったので 結構
時間がかかっちゃいましたね。
さて 次に登場するのは
血でデスクに描かれた
奇妙なマークです。
あんなふうに分かりやすい証拠を
残してくれる犯人なんて
本当に存在するんでしょうか?
けれど この本がデスクに
あったはずだと考えると…。
まさか あれは本が置かれていた
跡だったのか。
正解 50ポイント獲得。
50億ポイントためたら
チュ~してあげましょう。
犯人が黒越先生を撲殺した際
血が飛び散って本にかかった。
本を持ち出すと
血痕が不自然に途切れて
何かが置いてあったような跡が
浮かび上がってしまう。
犯人は その痕跡をごまかすため
意味のない印を描いた。
なぜ わざわざ
本を持ち出す必要がある?
鈍いですね
マイナス20ポイントです。
チュ~が
少しだけ遠のいちゃいました。
本というのは
こんなふうに読みますね。
そうすると どうなるでしょう?
指紋か…!
はい 何か理由があって
犯人が本のページを
何度か めくったとしたら
全てのページを
丁寧に拭き取るより
持ち去ってしまったほうが
懸命です。
だが それだけでは
犯人は特定できないはずだ。
チッチッチですよ 先生。
それができるんです
容疑者はトイレに行った3人。
しかし 有本さんは
すぐに除外できます。
なぜ除外できる?
リスクを冒してまで
本を持ち出す理由がないからです。
有本さんはバーベキュー以降
黒越先生と仕事場で
打ち合わせをしていました。
打ち合わせをした時に本を触った
と言えば済むことです。
となれば 自然と由紀乃ちゃん…
新谷さんも除外できます。
男性なら 例えばズボンの後ろ
あるいは お腹のほうに
文庫本を隠すことができます。
けれど 新谷さんの
あの服装では無理です。
服装?
ワンピースか。
はい かなりタイトな
ワンピースだったので
本を隠していたのなら
すぐに分かります。
残るは 別所さんです。
彼は あの場にいた中で
最も指紋のついた本を
現場に残しては
いけない人間でした。
なぜなら彼は パーティーが
お開きになって自室に戻るまで
トイレにも行かず 私に
べったりくっついていたからです。
つまり 彼が指紋を
つけることができたのは
深夜に黒越先生を殺害した
まさにその時だけとなるのです。
それで別所が犯人だと…。
全部 芝居だったのか?
そうですよ あんな
友達がいないアピールをする
メンヘラ女子なんて
いるわけないじゃないですか。
そもそも 私みたいにかわいくて
キレイな子が
ぼっちのはずないでしょ?
ハァ…。
なら…。
あの女子高生連続絞殺事件は
どうなる?
あぁ… あの事件ですか。
あの事件は 私にとっては
汚点と言えるものです。
まさか あそこまで早く藁科琴音が
次の事件を起こすとは…。
僕はあれで 死後の世界が
あるというのを確信した。
藤間菜月は… 途切れた先の
世界にいるように見えた。
やむを得なかったとはいえ
菜月ちゃんを演じるのは
さすがの私でも心が痛みました。
香月先生
あれも演技なのか?
当たり前でしょ?
死んだらそれまでですよ。
菜月ちゃんは
もう どこにもいないんです。
君は 2つ目の殺害現場を見た際に
霊視をした。
あの時 どうして犯人が
3年生の女子生徒だと分かった?
私が どんな証拠から
推理をしたのか
たまには ご自分で
考えてみるのは…。
いいから答えろ!
スカーフですよ 先生。
スカーフ?
藁科琴音が使っていた
凶器のことか?
正確には 北野由里さんの
現場に落ちていたスカーフです。
着目するべきは
そこに北野さん自身の
足跡が刻まれていたという
事実です。
犯人と もみ合う際に落ちて
たまたま踏んだだけだろ?
では ここで セーラー服における
スカーフというものが
どんなものなのか
考えてみましょう。
こちらも
実物があったほうがいいですね。
さてさて おまじないをかけて…。
♬~
本物は もう少し大きいです。
スカーフというのは こんなふうに
襟に回して使いますね。
ひと口にセーラー服といっても
大きくは
2種類に分けることができます。
胸にスカーフ留めがあるか
ないかです。
スカーフ留め?
スカーフ留めがある
セーラー服では
ここにスカーフの端を通して
垂れたリボンのように
見せるわけです。
かわいらしいですね。
スカーフ留めを通しただけの
スカーフは
一端を引っ張ることで
簡単に外すことができます。
ところがです… ところがですよ?
菜月ちゃんたちの制服には
スカーフ留めがありませんでした。
そのため スカーフを
ネクタイのように
結んでいるのです。
ネクタイというのは
もみ合っている最中など
一端を引っ張っただけで 簡単に
ほどけるものではありません。
それなら なぜ…?
北野さんのご遺体のそばには
スカーフが二つ折りの状態で
落ちていました。
どうして傍らにスカーフが?
まさか 自分でほどいたのか?
大正解 例えば
「由里さんったら
タイが曲がっていてよ」なんて
声を掛ければ 警戒されずに
首を絞めることができるのでは?
だが 北野由里のスカーフは
凶器ではなかったはずだ。
ええ 彼女のスカーフは
彼女自身の足跡が
刻まれていたわけですから。
北野さんは
自分からスカーフをほどいた。
でも それは凶器ではない
不整合です。
他にどんな状況ならば
スカーフを自分からほどかせ
警戒されずに 凶器を相手に
巻き付けることができるのか。
ここで ある一つの重要な事実が
全てを解決してくれました。
スカーフの色です。
スカーフの色は
入学年度ごとに異なり
3年の藁科琴音さんは朱色で
2年生は緑色でした。
ということは
こういう状況もあり得るんです。
「あなたには朱色のほうが
似合うと思うけれど
試しに交換してみない?
写真も撮ってあげる」。
第一の事件で
犯人はスカーフの交換を持ち掛け
絞め殺す。
その後 ベンチに寝かせて
凶器が知られないよう
スカーフを ご遺体に結び直した。
次は 北野由里さんの殺害です。
(翡翠の声) しかし 北野さんの
スカーフが足元に落ちてしまい
彼女が自分で踏んでしまった。
靴跡がついてしまったので
被害者の襟に戻すのは不自然です。
だからこそ犯人は 偽装のために
被害者の衣服を剥いだ。
着衣に乱れがあれば
脱がしたかったのだろうと
察してもらえるからです。
犯人は 被害者たちと
親しい関係にあり
同じ高校に通う女子生徒。
スカーフを交換するのですから
北野さんや武中さんと
同学年でないと考えると
消去法で 3年生の女子生徒が
犯人ということになる。
霊が教えてくれたと言えば
たったのひと言で
済むんですけど
やっぱり 凡人に
説明しようとすると
どうにも時間がかかるし
億劫ですね 疲れます。
本当に一瞬で考えたというのか?
スカーフの色については
事前に調べましたが
事件の詳細は 先生と
同じタイミングで知りましたよ。
じゃあ どうやって
藁科琴音の居場所を突き止めて
最後の犯行を止めた
っていうんだ?
犯人が藁科琴音だと
特定するまでの手順は
先生と同じ道筋です。
でも 決め手に欠けていたんです。
私の油断のせいで せっかくできた
友人を死なせてしまった。
まだ若く 未来のある少女です。
こちらも手段を選んでいる
場合ではないと考えました。
君の あの涙は本物だったのか。
さぁ? どうでしょう。
君は どこまでが芝居なのか
全く分からない。
ええ 時々 私にも…。
話を戻しましょう。
藁科琴音の指紋を
採取した際のことです。
私は 彼女が
学校がないにもかかわらず
セーラー服を着ているのを見て
次の犯行を恐れました。
そこで私がドジっ子の
マネをしたのを覚えています?
すみません…
(翡翠の声)
あの時 彼女のスマートフォンを拝借し
GPSアプリを
インストールさせていただきました。
君は 僕と
ずっと一緒にいたはずだ。
ほとんどスマホをのぞいた様子も
なかった。
真ちゃんです。
千和崎さん?
(翡翠の声) 真ちゃんは
私のパートナーなんです。
主に彼女が
足を使って情報を集め
私が頭と美貌を使います。
私は あまりに超絶美人過ぎて
目立っちゃいますけど
彼女は変装が得意ですから。
彼女から 時々
連絡をもらっていたんです。
まさか…。
公園で電話をしていた女性と
いうのは…。
(真)もしもし?
聞こえてます?
(翡翠の声)
はい あれは真ちゃんです。
私たちが着く直前まで見張って
危険が迫った場合は
助ける算段でした。
こちらは どうにかして
先生に藁科琴音の居場所を
伝えないといけません。
それが あの時の降霊か…。
あとは先生の知っている通り
車で急行しました。
鉢合わせしないように
到着の寸前に真ちゃんには
公園を出て行くように
メールをして…。
さすがに その直後に
藁科琴音が犯行に及ぶなんて
想像もしていませんでしたけれど。
以上が 私の霊視の詳細です。
これでインチキだって
納得してくれましたか?
それよりも先生…。
そろそろ
先生のお話をしましょう。
♬~
(芦田)パパ、グローブ買ったの~?
(出川)1000円でおトクだったのだ!
1000円でおトクだって
え?
(小池)おトクってのはねぇ…
1000円でお釣りがくるのよ!
先生が どうしてこんなことを
するようになったのか
興味があります。
いつから怪しいと思っていたんだ。
最初は ほんのわずかな可能性を
感じていた程度です。
犯人は捜査関係者の近くにいるに
違いないと思っていましたから。
ですが 私が具体的に 先生と
透明な悪魔を結び付けたのは
犯人が遺体処理の手口を
変えた時からです。
どうして それを
お前が知っている?
ある時から犯人は ご遺体を
漂白するようになりました。
どうして ひと手間を加えるように
なったんでしょう?
私は こう考えてみました。
犯人は前科者ではなかったので
万が一 DNAが
検出されたとしても
決定打にはならないと
考えていた。
ところが 全く別の理由で警察に
DNAを採取されてしまい
手口を変えてまで 念入りに
隠蔽する必要が出て来たのでは?
ここまでは ただの推測
想像です。
ところが最近 私の身の回りで
DNAを採取された時期が
一致する人間がいることに
気付きました。
結花の事件の時か。
悪かったな
DNAまで提出させて
(翡翠の声) 倉持さんのご遺体を
目にしてからの先生は
あまりにも冷静過ぎて
それも不審を抱くきっかけの
一つではありましたよ。
とはいえ
今日まで証拠らしい証拠を
何もつかめなかったので
こうして この身を囮にするしか
なかったわけですが…。
もしかして 君の言っていた
死の予感というのは…。
はい 簡単な暗示です。
私が被害者像に当てはまることは
知っていました。
死を予感していることを
先生に告げておけば
それは自分が殺すからに違いない
と考えるはずですから。
もし 僕が犯人じゃなかったら
どうするつもりだった?
そうですねぇ。
それを ほんのちょっぴりは
願っていましたよ。
僕が君を愛していたのは本当だ。
ええ だからこそ
私で実験したいのでしょう?
先生 私の想像を
聞いてもらえます?
私も多少は 先生のことを
理解してあげたつもりです。
勝手にしろ だが何が分かる?
先生は 被害者たちを
亡くなったお姉さんと
重ねているのでしょう。
となると 死因は同じはず。
お姉さんも 先生の目の前で
失血死により亡くなった。
間違ってはいない。
先生のお姉さんは
先生がナイフを抜いたことで
死んでしまったのでは?
幼かった先生は
お姉さんを助けるため
無我夢中で
刺さっていたナイフを引き抜いた。
けれど それが
致命的な行為になってしまった。
痛かったのか 痛くなかったのか。
先生は その時の行為が
正しかったのかどうかの
確認をしたいのです。
ああ そうだ。
どうしても助けたかった…。
(陽子)うわぁ! あぁ…
(香月の声)
だからナイフを抜いたのに…。
(はなをすする音)
♬~
♬~ (香月の声) 僕は…。
♬~
(陽子)大丈夫 文樹君の
せいじゃ ない
あなたのせいで…
私は死ぬのよ
確かめなきゃいけないんだ。
私に言わせれば
先生は死にとらわれて
永遠に答えの出ない
不毛な実験を
繰り返しているだけに見えますよ。
違う! 必要なことだ!
いいえ 違います。
他人の命を奪うことが
必要なことですか?
そんな理由
私は絶対に認めません。
先生は 事実を受け入れられず
若い女性を拉致して
不条理な怒りを
ぶつけているだけの
勘違い野郎です!
貴様…。
もっと言えば幼かったあなたは
裸にされて刺された
お姉さんを見て
倒錯した性的欲求を
覚えただけなのでは?
違う!
いいえ そうです。
あなたは
気持ちの悪い歪んだ性欲を
発散させているだけの
ただの最低下劣な
変態シスコン野郎なんですよ!
もういい お前は殺す。
もういい お前は殺す。
(足音)
もう 危ないですね
私 暴力は嫌いです。
いつの間に…。
私は奇術師でもあり
霊媒でもあるんですよ?
このくらいの縄抜けができなくて
どうするんです。
ところで先生 今 何時でしょう?
は?
あっ 先生の時計は
私が持っているんでした。
10時10分ですね。
もう30分以上 ここで
お話ししたことになります。
いつ抜き取った?
私 手癖が悪いんですよ。
は? いつから…?
いつだって いいじゃないですか。
現象をすぐに起こすなんて
三流のやることですよ?
鐘場さ~ん
私 もう飽きちゃいましたから
来ていいですよ。
(扉を激しくたたく音)
≪香月!≫
逃げても無駄だと思いますけれど。
いや いざとなれば
お前を人質に…。
(真) どうも。
どうして…。
ずっと上にいましたよ?
どうやって入った!?
手癖の悪い人の元で働いてるんで。
先生 ダメですよ
戸締まりには気を付けないと。
♬~
(ドアが開く音)
あぁ…! うぅ…。
香月史郎 いや鶴丘文樹。
逮捕監禁罪の容疑で
現行犯逮捕する。
9件の遺体遺棄
ならびに殺人についても
署のほうで話を聞かせてもらおう。
鐘場さん お約束通り
殺人鬼は引き渡しましたよ。
ああ これから気が重いよ。
俺は こいつに
情報を流していたわけだから。
もう刑事は続けられねえかもな。
まさか最初から…?
お前は何者なんだ?
そうですね
先生は推理作家ですから
数々の名探偵を生み出した
ミステリに敬意を表して
私も こう名乗りましょうか。
私は探偵ですよ。
う~ん…。
霊媒探偵 城塚翡翠
とでも名乗っておきましょう。
先生のような
社会の敵を排除するのが
私のお仕事です。
探偵…?
おい 連行しろ。
あぁ…。
いや… 君の力は本物だ!
一瞬で推理なんて
できるはずがない!
死後の世界はある!
絶対にあるはずなんだ!
離せ! クソ~!
クソ~‼
(扉が閉まる音)
いやいや しかし
お前が拳銃出した時は焦ったよ。
(天子) どうして すぐ
教えてくれなかったんですか!?
悪ぃ悪ぃ。
蝦名さんも知ってたんですよね?
(蝦名) まぁ 城塚さんとは
それなりに長い付き合いなんで。
鐘場さんが
鶴丘を監視する一方で
自分は犯行現場になり得る
別荘を探したり
いざという時に城塚さんを
守れるようにしてたんすよ。
私だけ ひどいですよ。
お前だって まんまと
あいつの罠にハマって
俺を疑ってたじゃねえか
ひどくねえか? あいつ。
俺のこと 犯人に仕立てるつもり
だったんだぞ。
それは だってその…
タブレット菓子が。
あぁ 天子さんがあれ出した時は
ビックリしましたよ。
急いで
城塚さんに報告しに行って…。
それで彼女 今回の作戦を
仕掛けることにしたみたいっすよ。
やっぱり私だけ蚊帳の外。
あのタブレット菓子
自分も噛んだんすけど
あれ硬くないっすか?
奥歯の詰め物取れちゃったら
どうするんすか?
んなもん
また詰めりゃあいいんだよ。
おぉ 翡翠はどうだ?
お会いできないそうです。
今日も会えずか…。
すいません
何度も来ていただいているのに。
いやいや
また相談したいことがあるんだ。
俺にも いつ処分が下るか
分からねえ。
早めに連絡くれ。
(真) はい。
また捜査を頼むんですか?
あぁ?
あの人の霊能力って
偽物なんでしょう?
さぁな。
どうですかね…。
時々 本物なんじゃないかって
そう思いたくなることもあります。
霊能力で真相を見抜いてから
後付けで 論理を
組み立ててるんじゃないかって。
人間は信じたいものを
信じちまう生き物だ。
真実が どうあれ
気を付けるんだな。
じゃあ結局…
彼女って何者なんです?
♬~
♬~ (ドアが開く音)
♬~
(真) ねぇ大丈夫?
何がです?
目も鼻も赤いから…
ギュってしてあげようか?
これは花粉症です。
ふ~ん。
にしては随分 長いこと
こもってたじゃない?
殺人鬼との長きにわたる闘いを
終えたんです。
少しくらい休息を頂いても
罰は当たりませんでしょ?
残念だったね~。
彼は あなたの理想の
ワトソンだったのに。
バカなこと言わないでください。
私は徹頭徹尾 自分の直感と観察を
信じていました。
あの男が
殺人鬼でなければいいだなんて
そんなことを考えたことは
一瞬たり…。
(お腹が鳴る音)
フフっ。
♬~
あの… 真ちゃん。
何か
作ってもらえないでしょうか?
その… できましたら
オムライスだと…。
アハっ 分かった分かった。
作っておくから
シャワーでも浴びて来たら?
うわ! 臭っ。
え? 臭いよ?
子供扱いしないでください。
大体 何ですか?
雇い主に向かって「臭い」とは。
言ってごらんなさい
あなたが誰のものなのかを!
はいはい
どうせ私は弱みを握られて
こき使われてる雇われの身ですよ。
余計な口出しは いたしません。
フフフ…。
ハァ…。
♬~
ハァ… 乙女かよ。
(子どもたち)
ただいま! 寒~い! 寒い寒い寒い!
(ナレーター)パナソニックなら 速くあったか。
(娘)あったか~い!
しかも あたたかさが
ノンストップで続きます。
(方正)ダウンタウンさんは?
(遠藤)まだ来られてないですけど。