科捜研の女 2022 #7/ウマが見た殺人…動物行動学の罠 ゲスト:石井杏奈[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

科捜研の女 2022 #7/ウマが見た殺人…動物行動学の罠 ゲスト:石井杏奈[解][字]

目撃者は…馬!乗馬ファームで殺人事件発生!馬は優れた記憶力を持つーー美しき動物行動学者とともに、馬による<面通し>を行うが…!?前代未聞の実験が導く衝撃真実とは!?

詳細情報
◇番組内容
乗馬ファームで馬主が殺害された!被害者の所有馬“ウィンター号”の脚に血痕が付いていたことから、この馬が犯行時に現場にいたと判断される。動物行動学者の生駒(石井杏奈)によると、馬は優れた記憶力を持ち、人間の顔を覚えることができるという。そんな中、新人俳優の潮田(富樫慧士)が捜査線上に浮上。マリコは生駒と協力し、ウィンター号による面通し実験を行うことに。一方、マリコは生駒のある言動に疑問を持って…!?
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、小池徹平、若村麻由美、風間トオル、斉藤暁、山本ひかる、石井一彰
【ゲスト】石井杏奈、住田隆、富樫慧士 ほか
◇脚本
戸田山雅司
◇監督
西片友樹
◇音楽
川井憲次
◇主題歌
坂口有望『サイレント』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】関拓也(テレビ朝日)
【プロデューサー】藤崎絵三(テレビ朝日)、中尾亜由子(東映)、谷中寿成(東映)
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/kasouken2022/
☆Twitter
 https://twitter.com/kasouken_women
☆TikTok
 https://www.tiktok.com/@kasouken.tvasahi

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

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  1. ウィンター号
  2. 吉川
  3. 遥夏
  4. ファーム
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  11. 被害者
  12. 君嶋
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  14. 人間
  15. 宇佐見
  16. 高畠
  17. 殺害
  18. 犯人
  19. 事件
  20. 生駒先生

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(いななき)

(馬房の柵の開く音)

♬~

♬~

♬~

(蒲原勇樹)亡くなったのは
吉川耕造さん 55歳。

このファームに
馬の飼育を委託している

馬主だそうです。

♬~

(榊 マリコ)
死後硬直の程度から見て

亡くなったのは
3時間から5時間前。

(蒲原)って事は 今日の
午前2時から4時の間ですね。

後頭部と前頭部に外傷。
前頭部は陥没骨折。

死因は
脳挫傷の可能性が高いけど

詳しくは解剖を待ってからね。

(高畠政生)刑事さん
ウィンター号が どこに行ったか

わかりませんか?
(蒲原)それに関しては まだ…。

第一発見者で 厩務員の
高畠さんです。

ウィンター号というのは?

吉川さんの馬です。

12歳のオスで
以前は競走馬でしたが 引退して

今は 乗馬体験とか
撮影への貸し出しとか…。

こちらは?

このファームを経営している
香西といいます。

今朝 私と高畠が来た時には

馬房の柵が開いたままで…。

ウィンター号もいなくて
代わりに吉川さんが…。

(香西)吉川さん?
(高畠)吉川さん!

(香西)吉川さん…!

(涌田亜美)それは
そのウィンター号って馬が

被害者を蹴って 逃げ出した
って事でしょうか?

(宇佐見裕也)その場合
被疑者は馬って事になりますね。

(蒲原)つまり 凶器は馬の脚…。
(高畠)ちょっと待ってください!

ウィンター号は
おとなしい子です。

人を蹴り殺したりするはず
ありません!

まだ断定はできません。

いずれにしろ 馬が見つかれば
詳しい事は わかるはずです。

(携帯電話の振動音)
(蒲原)土門さんです。

はい。

馬 見つかった!? どこです?

お江戸 日本橋…?

♬~

土門さん。
(土門 薫)おう。

刑事は長いが
迷子の馬を捕まえたのは初めてだ。

(蒲原)でも
どうして撮影所なんかに…。

うん。 現場の香西乗馬ファームと
この撮影所は

500メートル足らずの距離だから
かもしれん。

今朝 こちらの所長が 逃げ込んで
ウロウロしているところを

見つけてくれた。

今朝 出勤したら
ウィンター号がいて

驚いて 通報を。

血液らしきものが付着してるわ。

だったら ALSを。

(生駒遥夏)何してるんです?

そのライトは
馬にとって安全ですか?

(亜美)えっ? あっ それは…。

(遥夏)そもそも 彼の許可もなく
勝手なまねをしないでください。

彼というのは?

(遥夏)もちろん
ウィンター号の事です。

あなた方の前にいるのは
凶器や証拠のようなものではなく

一頭一頭 異なる感情を持った
一つの命なんです。

失礼しました。

確かに ALSライトには
紫外線や赤外線が含まれています。

短時間なら 皮膚への影響は
ほとんどないと思いますが

念のために 採取してから
別の方法で調べる事にします。

(遥夏)わかって頂ければ
結構です。

あの… そちらは?

京都文理大学で准教授をしている
生駒と申します。

専門は動物行動学です。

(藪谷)生駒先生には 撮影で
馬を無理やり働かせていないか

動物愛護の観点から

コンプライアンスの
チェックをして頂いていて…。

濾紙の準備ができました。

(遥夏)気をつけて!
馬は視野が広いので

背後から近づくと
蹴られる恐れがあります。

馬は 単に臆病なだけではなく

接する人間の気持ちに
大きく影響を受けます。

だから まずは緊張しないこと。

それから 球節の少し上に
ひじを当てるようにすれば

脚を浮かせる習性があります。

(宇佐見)球節って…?

(遥夏)人で言えば
くるぶしの辺りの関節のところ。

(宇佐見)この辺りでしょうか…。

すごい! 脚が上がった。

これなら 蹄鉄の形も

3Dスキャナーで撮れるね。

おかげで助かりました。

これで ウィンター号に嫌われずに
済みましたね。

えっ?

ウィンター号に限らず 馬は
優れた記憶力を持っているので

人の顔を覚える事ができるんです。

だから 第一印象は とても大事。

勉強になりました。
ありがとうございました。

(亜美)
マリコさん 採取できました。

そう。 だったら…。

(藪谷)香西さんのところには
もう 連絡入れてあります。

迎えが来るまで 長屋の馬小屋で
休んでもらう事にします。

じゃあ 行こう。
はい。

♬~

私も大学に戻らないと…。
失礼します。

♬~

(風丘早月)傷口は2カ所。

前頭部の陥没骨折が致命傷。

傷口の取り込み 終わりました。

では 開いてみましょうね。

♬~

♬~

(日野和正)うーん… 取れてない。

やっぱり難しいよな ここは。

♬~

(君嶋直樹)
被害者の傷口の形状から

凶器は
角のある鈍器と判明しましたが

ウィンター号の蹄鉄の形とは
一致しませんでした。

よかった。
あの馬が犯人じゃないんだ。

その代わり 殺人が決定的になった
って事だけどね。

(宇佐見)ああ…

ウィンター号の蹄から採取した
血液のDNA型は

死亡した吉川さんのものと
一致しました。

(君嶋)被害者の血液が付着した
って事は

その馬が 殺害時に
現場にいた可能性は高いですね。

その場合
犯行を 馬が見ていた事になる。

(日野)厩舎や馬房には

おがくずや藁が散らばっていて

ゲソ痕の特定は不可能だったよ。

(亜美)あの香西乗馬ファーム

正面入り口には
防犯カメラはあるんですけど

営業が終わった18時以降

出入りした人物は
いませんでした。

事件のあった厩舎は ここ。
裏手の通用口の すぐ近くね。

(亜美)
通用口に カメラはありません。

そこからなら カメラに映らずに
出入りする事は可能です。

(蒲原)ここが厩務員用の寮で

第一発見者の高畠厩務員も
泊まっていましたし

通用口から歩いて数分の所に

経営者の香西さんも住んでいます。

ただ 2人とも 1人でいて
アリバイはありません。

気になるのは

どうして ウィンター号が
逃げ出したのかね。

馬房の柵は施錠されてなくて

簡単に
開閉ができる仕組みだったわ。

犯人が開けたとすれば
可能性としては

ウィンター号を
盗もうとしたとか…。

盗むほどの馬なのかな?

いえ… ウィンター号は
競走馬を引退して

種牡馬にもなれなかった馬で

市場価値は
それほど高くないはずですけど。

(宇佐見)
亡くなった 馬主の吉川さんが

逃がそうとしたとも
考えにくいですよね。

一体 ウィンター号に
何が起きたのか…。

(亜美)確かに ファームと撮影所は
すぐ近くなんですね。

この道を入っていけば
撮影所だわ。

でも 真っすぐ進んだほうが
逃げやすそうよね。

なのに ウィンター号は
撮影所に向かった。

どうして わざわざ
この道を選んだのかしら…。

♬~

この先が撮影所ですね。

土門さん。

おう。 ちょうど 今
馬の話を聞いていたとこだ。

(亜美)馬って ウィンター号の?

(藪谷)ええ。
ウィンター号は 次の時代劇に

レギュラーで出てもらう予定
だったんですよ。

(亜美)馬にも
レギュラーとかあるんだ…。

(藪谷)本当なら 今日
カメラテストも兼ねて

試し乗りの予定だったんですけど
あんな事になっちゃって…。

試し乗りというのは?

ああ…
ウィンター号に役者を乗せて

慣れてもらうために走らせたり

スチール写真の撮影も
予定してたんですけどね…。

(猪原明良)所長! 今日の試し乗り
中止って本当ですか?

(藪谷)申し訳ない。

馬のファームのほうで ちょっと
トラブルが起きちゃってさ。

それは かえって助かっ…
あっ いやいや…。

(猪原)純哉
試し乗り 中止だってさ。

(潮田純哉)
あの馬に何かあったんですか?

ファームのほうで
馬主さんが亡くなったみたいで。

そのせいで
こちらの警察の方が…。

所長 そちらは?

ああ… 先ほど お話ししてた
時代劇の主役の子ですよ。

オーディションで
主役の座を勝ち取った

期待の新人。

(猪原)潮田純哉です。

私 マネジャーの猪原と申します。
どうぞよろしくお願い致します。

先ほど
「あの馬」って言いましたよね。

ウィンター号に
会った事があるんですか?

ああ… いえ… 会ってません。

今日の試し乗りで
初めて会う予定でしたから…。

すいません
あの… 試し乗りのほうは?

申し訳ない! 延期という事で。

追って 連絡 差し上げますから。
(猪原)わかりました。

それじゃあ 我々は
今日のところは失礼致します。

ええ。
(猪原)じゃあ 純哉 行こうか。

じゃあ お疲れさまです。
お疲れさまでした。

お疲れさまです。

♬~

(宇佐見)ああ…
あの生駒さんという准教授の

論文を読んでるみたいですよ。

なんだって…。

(くしゃみ)

そんなに 馬にこだわるのかな…。

でも 馬って
不思議な生き物ですよね。

昔から 満月の夜には
馬が大勢死ぬとか

逆に 出産は盛んになるとか…。

事件の夜も 確か満月でしたけど。
(君嶋)本当ですか!?

さあ もう 今日は帰った帰った!

じゃあ お疲れさまです。
(君嶋・亜美)お疲れさまでした。

ブルルルル…! 馬ねえ…。

ウィンター号が逃げた理由…。

(ノック)
入るぞ。

土門さん…。

あのあと 潮田純哉という
役者の事を 少し調べてみた。

確かに 試し乗りが中止と
聞いた時の態度は

不自然だったけど…。

マネジャーも 中止と聞いて
一瞬 喜んだ顔をしていたからな。

(土門の声)
その辺りを つついてみた。

馬に乗れない!?

藪谷所長には
絶対に内密でお願いします。

でも 時代劇の主役に
抜擢されたんじゃ…。

オーディションに受かりたい
一心で

特技の欄に 「乗馬」と
嘘を書いたそうだ。

そのせいで…。

東京の乗馬クラブで特訓させて
クランクインまでには

なんとか ごまかせるレベルには
なる予定です。

だからこそ 今日の試し乗りで

ボロを出すわけには
いかなかったわけだ。

まさか
試し乗りを中止にするために

事件を起こしたとか…。

夜中のうちに 馬を逃がそうとして
忍び込んだところを

馬主の吉川さんに見とがめられて
殺害したのかもな。

昨日の夜のアリバイは?

マネジャーのほうは東京にいて
アリバイはあるが

潮田のほうは 撮影に備えて

市内のワンルームマンションを
借り 一人住まいで

アリバイはない。

仮に ウィンター号を逃がしたのが
潮田さんだったとしたら

その時…

ウィンター号に
会っていた事になる。

♬~

(遥夏)馬の事を教えてほしい?

生駒先生は 昨日

馬は 記憶力に優れていて
人の顔を覚える事ができると

おっしゃってましたよね。

ええ。 私の専門は
動物の行動心理学だけど

馬ほど興味深い動物はいません。

先生の論文に載っていた
ウィンター号での実験について

詳しく教えて頂けませんか?

勉強熱心なんですね。

あれは フランスの研究チームの
実験を参考にしたんだけど…。

まずは ウィンター号に
2枚の写真を同時に見せて

知っているほうの写真に
鼻で触れるよう

訓練づけをしておいたの。

それから ウィンター号に

厩務員の高畠さんと
見知らぬ男の写真を並べて見せた。

すると…

ウィンター号は 高い確率で
厩務員の高畠さんを選び

会った事のない人の顔は
無視する事がわかったんです。

同じ事を ファームの経営者の
香西さんで試しても…。

♬~

(遥夏の声)やはり ウィンター号は
香西さんを選んだ。

つまり ウィンター号は

よく知っている人の顔を
正しく識別する事ができるの。

興味深いでしょ。

でしたら ウィンター号に

目撃証人になってもらえると
考えていいですね。

よく 意味が
わからないんですけど。

ウィンター号に 容疑者の面通しを
やってもらいます。

生駒先生も
ぜひ 協力してください。

見かけによらず強引な人…。

私的には ウィンター号の能力を
信じてもらえるのは

嬉しいですけど。

科学が嘘をつかないように

動物も嘘をつかないのでは
ありませんか?

それは誤解です。

動物だって 嘘をついたり
他者を欺いたりする時だってある。

えっ…?

ヒヒの子供がね
母親以外の大人のメスが

好物である植物の根っこを
掘っているのを見つけたの。

すると その子供は
突然 悲鳴を上げた。

どうしてだか わかります?
いえ わかりません。

悲鳴を聞いた母親のヒヒが
やって来て

根っこを掘っていたメスが
子供をいじめたと思い込み

そのメスを追い立てて
遠くまで去る。

ヒヒの子供は その隙に

メスが掘り起こしていた根っこを
独り占めして 食べ始めた。

つまり ヒヒの子供は嘘をついて
母親を欺いた…。

(遥夏)そう。 動物だからって

無垢で純粋だなんて
思わないほうがいい。

何より 動物の一つの種に過ぎない
人間が

これだけ 嘘や罪や矛盾を
重ねているんだから…。

(蒲原)馬による面通しなんて
初めてです。

(宇佐見)モニターは
ここでいいですか?

(遥夏)もう少し前で。
ウィンター号が

鼻先で触れられる場所に
お願いします。

(亜美)はい。

被験者の写真の確認を
お願いします。

(遥夏)はい。

容疑者の他に ウィンター号が
よく知っている人と

初対面の人を交ぜてあります。

実験は 2名ずつ4組で行います。

この組み合わせで
よろしいですか?

特に問題はないと思うけど。

では 始めます。

(キーボードを打つ音)

まずは1組目。
(キーを打つ音)

♬~

(遥夏)やはり ウィンター号は

高畠さんの事を
よく記憶している。

2組目 お願い。

はい。
(キーボードを打つ音)

♬~

(遥夏)2人とも初めて見た顔だと
言ってるわ。

3組目 お願い。

(キーボードを打つ音)

♬~

(宇佐見)馬主の吉川さんも
当然 覚えてるわけですね。

では最後 4組目を。

はい。
(キーボードを打つ音)

(亜美)潮田さんと藤倉部長。

♬~

生駒先生 これは?

(遥夏)左側の写真の人物は
ウィンター号に会った事がある。

そう推論するのが妥当ですね。

(蒲原)って事は やっぱり…。

♬~

潮田さんですよね。

この馬に会った事ありますか?

ああ… いえ…。

(蒲原)ですが 馬のほうは
覚えていたみたいですよ。

いや でも そんな…。

馬主の吉川さんを殺害したのか?

違います。
俺は やってません。

オーディションに落ち続けていた
あんたにとって

今回の役は
最大のチャンスだった。

だから 馬が苦手なのに
特技が乗馬だなんて

嘘をついたそうだな。

嘘じゃなくて…
今 必死に特訓してる最中で…。

試し乗りで
ボロが出るのが怖くて

ウィンター号を逃がそうとして
吉川さんまで殺害した。 違うか!?

違います。 俺は やってません。
じゃあ 俺 急いでるんで…。

ああっ…! 痛え…。

ハッ…。

なあ… あの夜 何があったか
話してみろ。

(潮田の声)
試し乗りの事 考えたら

全然 寝れなくて…。

だから
ファームに行ってみたんです。

(蒲原)それ 何時頃の事ですか?

午前2時半過ぎでした。

こっそり ウィンター号に
乗ってみようと思って…。

まあ 乗れたら 試し乗りも
なんとかなるかなって…。

♬~

(潮田の声)
でも いざ乗ろうと思ったら

やっぱり怖くなって

迷ってるうちに…。

(足音)

(潮田の声)勝手に入ったのが
バレたら やばいと思って…。

その時 来たのが
被害者の吉川さんだったのか?

わかりません。 でも 本当です。
信じてください!

俺は 誰も殺してなんかいません!

潮田さんのマンションの押収物を
鑑定した結果

凶器や 犯行に繋がるものは
見つからなかった。

怖くなって逃げたという供述を
信じるなら

潮田は 吉川さん殺害には
関与していないという事になる。

同時に ウィンター号を
逃がしたわけでもない

という事になるわね。

蒲原が
被害者の周辺をあたった結果

妙な話を聞いた。

(蒲原)売却って… このファームが
売りに出されるんですか?

亡くなったから言うのは
なんなんですけど

吉川さん
ただの馬主じゃないんです。

長年
うちに出資してくれてたのに…。

(香西)最近 うちの経営が
うまくいってない事が

不満だったみたいで…。

被害者は 赤字を理由に
あのファームを

グランピング施設に
建て替える計画をしていたそうだ。

香西乗馬ファームが
なくなるって事?

うん。 そうなれば

経営社の香西はもちろん
厩務員の高畠も職を失う事になる。

当然 反対してたし

それが殺害の動機になる
という事も考えられなくはない。

ファームがなくなれば
困るのは ウィンター号も同じね。

今回は やけに
あの馬に こだわるんだな。

…とはいえ ロートルの元競走馬
1頭のために

殺人を犯すような人間がいるとは
思えない。

ウィンター号のために…。

♬~

♬~

(早月)まいど~!
どうどう どうどう…。

今日のおやつは…

ヒヒ~ン! 牧場のマフィ~ン!

風丘先生。

まいど!
マリコさんには解剖鑑定書。

ありがとうございます。

馬を追いかけてるって
聞いたからさ。

愛想なし…。

(日野)乗馬ファームどころか
洛西撮影所まで行ったり

相変わらずの
じゃじゃ馬ぶりですよ。

ヒヒ~ン!
おっ… おお~!

洛西撮影所って
あの 時代劇とか撮ってる?

(宇佐見)ええ。 事件現場の
ファームの近くですけど。

最近 なんか
ネットの記事で読んだな。

エコ関係の…。
(君嶋)僕も見ました。

歩行発電装置を設置した
ってやつじゃないですか?

それ それ! さすが 君嶋直樹。

歩行発電装置って なんです?
だから

人が足で踏むと発電する機械を
入り口とか施設の中に敷いて

撮影所に来た人の力で発電する!
みたいな…。

SDGsブームですからね。

試験的に導入してみるとか
書いてあった気がします。

もう一度 撮影所に行ってみる!

えっ?
亜美ちゃん!

はい… えっ? えっ?

いってらっしゃい。

♬~ どこかに元気を落っことしても

(吉高)おっ ラスイチ
♬~ コロッケひとつと 「トリス」にソーダ

おぉ 新ラベル

(泡の音) シュワー
♬~ 変わらない街並みが 妙に やさしいよ

<人間っていいナ。
新しい「トリス」>

♬~

(缶を開ける音)カシュッ

<ちょうどよい。ここちよい。
サントリー 「ほろよい」>

♬~ (女子高生)先生 お母さん最近元気ない…

(養命先生)人生は つづく
え?

一歩一歩 健康になればいい

じっくりいきましょ~

《丈夫なからだへ「養命酒」》

これが発電装置なんですか?
(藪谷)ええ。

(亜美)こうやって踏むと
発電するみたいです。

(藪谷)地元の
ベンチャー企業さんと協力で

どれぐらい発電できるか

24時間
データを取っている最中です。

24時間という事は

おとといの明け方のデータも
残ってますよね?

多分 担当者に聞けば
すぐ わかると思いますけど。

大至急
データを出して頂けますか?

(藪谷)はあ…。

試験的導入だから

詳細なデータが記録されていて
助かったわね。

(キーを打つ音)

あの… 発電装置のデータが
なんの役に立つんですか?

歩行発電の原理は

人が歩いたり
ものが移動したりする際に

こうやって
床を押す圧力エネルギーを

圧電素子が 電気エネルギーに
変換するものなんです。

つまり 時間ごとの発電量から
逆算すれば

圧電素子に どんな圧力が
どのように加わったかを

割り出す事ができるかもしれない。

君嶋さん。
やってみます。

(マウスのクリック音)

(君嶋)この辺りです。

(亜美)それまで
まるで発電していなかったのに

午前3時10分から
急に発電が始まってます。

死亡推定時刻の範囲ね。

通過したものの重さは
割り出せる?

はい。 圧電素子にかかった
圧力から逆算して…。

(キーを打つ音)

(君嶋)450キロ 前後5キロです。

ウィンター号の体重と同じね。

ファームから逃げてきた
ウィンター号が

あの場所を通ったって事か…。
どんな状態で通ったかは わかる?

通過した時間から
速度なら割り出せます。

(キーボードを打つ音)

(君嶋)時速は12キロ…
トロットですね。

速歩…
つまり 早歩きで通ったのね。

最後のほう 少しだけ
発電量が増えてませんか?

この辺り。
(君嶋)確かに。

馬1頭分より強い圧力が
かかってるみたいですけど…。

ウィンター号の体重分の発電量を
グラフから取り除いてみて。

(キーボードを打つ音)

(亜美)ウィンター号の他に
何かが通って発電したみたいです。

(君嶋)圧力から
重さは これくらい。

(キーを打つ音)

これって
誰か人間が通ったって事ですか?

ええ。
ウィンター号から少し遅れて

撮影所に入った人物が
いたのかもしれない。

ウィンター号は

1人で逃げてきたんじゃ
なかったんだ。

ファームから
追いかけてきたとすれば

犯人の可能性も考えられますね。

(蒲原)でも なんだって
犯人がウィンター号を?

それは まだわからないわ。

でも…。
(蒲原)なんです?

仮に 犯人が

ウィンター号と同じ道を
通ってきたとしたら

そこには
何か証拠が残っているかも。

蒲原さん

ファームから撮影所への道の
一斉捜索をお願い。

(亜美)ゲソ痕は残ってませんね。

被疑者が通った痕跡は
必ずあるはずよ。

マリコさん!

何か見つかった?

♬~

血痕…。

大至急 科捜研で鑑定を。

被害者の傷口と
形状が一致しました。

(宇佐見)付着していた血液と
被害者のDNA型も一致しました。

間違いなく 凶器という事だね。

ただ もう一つ
別の血痕も検出されました。

(キーを打つ音)
(亜美)別って?

(宇佐見)この握りの部分だから

被疑者自身の血液の可能性が
高いね。

被害者と自分の血液が付着した
凶器だから

一刻も早く処分したくて
捨てたのかもしれませんね。

だとしても

どうして
ウィンター号と一緒に…。

♬~

(マリコの声)気になるのは

どうして ウィンター号が
逃げ出したのかね。

(遥夏の声)
馬は 単に臆病なだけではなく

接する人間の気持ちに
大きく影響を受けます。

これで ウィンター号に嫌われずに
済みましたね。

(マリコの声)どうして わざわざ
この道を選んだのかしら…。

ファームがなくなれば
困るのは ウィンター号も同じね。

(遥夏の声)
ヒヒの子供は その隙に

メスが掘り起こしていた根っこを
独り占めして 食べ始めた。

(マリコの声)つまり ヒヒの子供は
嘘をついて母親を欺いた…。

(土門の声)ロートルの元競走馬
1頭のために

殺人を犯すような人間がいるとは
思えない。

(遥夏の声)
つまり ウィンター号は

よく知っている人の顔を
正しく識別する事ができるの。

(マリコの声)
科学が嘘をつかないように

動物も嘘をつかないのでは
ありませんか?

(遥夏の声)それは誤解です。

動物だって 嘘をついたり
他者を欺いたりする時がある。

動物だからって

無垢で純粋だなんて
思わないほうがいい。

♬~

やはり…

彼は全てを見ていた。

マリコくん 今度は何?

もう一度 ウィンター号に
面通しをしてもらいます。

(亜美)〈坂口有望さんが歌う

番組主題歌 『サイレント』の
CDを

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50名様にプレゼントします〉

〈番組公式ホームページより
ご応募ください〉

(遥夏)なんだって また
こんな事を?

念のために もう一度

ウィンター号による面通しを
行わせてください。

ウィンター号には
負担にならないよう

できる限り配慮しますから。

私の実験でも
この程度の計測はするので

構わないですけど。

先生の研究論文を読みました。

馬は 相手の感情によって
反応を変える事も

わかっているそうですね。

…ええ。

最新の研究では

人間が怒ったり
ネガティブな状態で馬に会えば

馬も動揺する事がわかっています。

マリコさん 準備できました。

今回は 実際に 潮田さんを
ウィンター号に会わせてみます。

こちらへ。

潮田さん ウィンター号の前に
立ってください。

できるだけ 愛想を良くして。

♬~

フフッ…。

♬~

(亜美)
心拍数に変化はありませんね。

では 今度は演技でいいので
怒った表情で。

♬~

(亜美)心拍数 上がりました。

ウィンター号 お疲れさまでした。

高畠さん。
(高畠)はい。 ウィンター 行こう。

♬~

今の結果から

同じ人物でも 怒りなどの感情を
持っているように見えた場合

馬はストレスを感じ

その心拍数が上がる事が
わかりました。

ストレスが より強ければ

さらに激しい反応を示す可能性も
考えられます。

動物行動学的には
よくある実験だけど

こんな事をしても
犯人がわかるとは思えませんけど。

いえ すでに
犯人はわかっています。

最初から気になってました。

どうして この犯行現場から
ウィンター号が逃げ出したのか。

それが事件の鍵を握っていると
考えています。

それで?

科学者なら
なんらかの仮説を示すべきでしょ。

私たちが立てた仮説は

事件の夜 犯人は この馬房で…

ウィンター号の目の前で
馬主の吉川さんを殺害した。

(殴る音)
(吉川耕造)うわっ…!

(マリコの声)そして その直後

なんらかの理由で ウィンター号は
馬房から逃げ出してしまった。

犯人は 逃げたウィンター号の
あとを追い

ウィンター号は なぜか
京都洛西撮影所に向かった。

撮影所の通用口には
歩行発電の装置が設置され

幸いな事に
詳細なデータが残っていました。

解析した結果 犯行直後

ウィンター号が通過した事が
わかりました。

撮影所で発見されたんだから
当然でしょ。

同時に ウィンター号を追いかけた
人物がいた事も

判明しています。
(キーを打つ音)

圧電素子にかかった圧力から
推測して

体重は約45キロ。

潮田さんを含め
事件やファームの関係者の中で

この体重に該当し得るのは…

生駒遥夏先生 あなただけです。

馬鹿馬鹿しい。

他に女性がいないからって

理由もなく
私だと決めつけるなんて…。

理由ならあります。

事件の夜 あなたは ここで…

ウィンター号の目の前で
馬主の吉川さんを殺害した。

違いますか?

冗談じゃない。

吉川さんを殺害する理由が
私にあるとでもいうわけ?

被害者の周辺を洗った結果

殺された吉川さんは
このファームを潰して

グランピング施設に建て替える
計画をしていました。

当然 ご存じですよね?

当然って… どういう意味?

その計画に
あなたも一枚かんでいた

という意味ですよ。

その計画に

経営社の香西さんも厩務員たちも
猛反対した。

そこで 吉川さんは一計を案じた。

動物愛護活動にも関わっていた
あなたを抱き込み

動物愛護センターに対して
虚偽の告発をさせようとした。

「香西乗馬ファームは
馬の飼育環境も劣悪で…」

(遥夏の声)「乗馬体験などの
過密なスケジュールで

馬に対して
過酷な労働を強いている」

その告発を受け 監督官庁から
是正勧告が下されれば

ただでさえ経営不振の
このファームは

倒産に追い込まれる。

あなたは
亡くなった吉川さんと組んで

このファームを潰そうとした!
違うか!?

何を そんな馬鹿な…!

私が
そんな事するわけないでしょ!

だが 事件の夜 この厩舎で

ひそかに被害者と会った
あなたは

報酬の取り分でもめ
言い争いになり

吉川さんを殺害してしまった。

誰よりも馬たちを大切に扱う
研究者の顔の裏で

あなたは 卑劣な犯罪に
手を染めていたんだ!

ふざけないで!
よくも そんなデタラメを…。

私が なんのために
研究を重ねてきたと思ってるの!

蒲原さん!

(いななき)

駄目… ウィンター!

(いななき)

(いななき)

(香西)
はいはい はいはい はいはい…。

ウィンター ウィンター…
どうどう どうどう どうどう…。

えっ…?

これと同じ事が
事件の夜に起きたんですね?

その時の あなたの表情は
ウィンター号にとって

普段 慣れ親しんだ
優しい生駒先生ではなく

怒りに満ちた
危険な表情だったはずです。

だから 狭い馬房の中
厩務員もいない状態で

興奮したウィンター号が

自らを傷つけてしまう事を恐れた
あなたは…。

危ない… ウィンター!

(マリコの声)とっさの判断で
馬房の柵を開け

ウィンター号を逃がした。

(遥夏)駄目! そっちは車が…!

こっち!
お願いだから こっちに来て!

(マリコの声)
なんとかして ウィンター号を

安全な場所に連れていきたかった。

でも 自分が殺人を犯したばかりの
ファームに戻るのは危険すぎる。

撮影所の敷地内なら
馬に慣れたスタッフもいて

ウィンター号も
朝には保護される…

そう考えた。

生駒先生は

動物を むやみに傷つけるような
人間ではありません。

だから 馬房の柵を開け

なおかつ 逃げたウィンター号の
あとを追った。

その事を確かめたかったんです。

もちろん あなたと被害者が
癒着していたなどという事実を

つかんでいたわけではありません。

失礼を承知で
このようなまねをしました。

仮に 私の怒った顔を見て
ウィンター号が暴れたとしても

殺人の証拠にはならないはず。
ええ。

でも こんなまねをしたって事は

確実な証拠を
すでに握っているから…

そうなんでしょ?

ウィンター号が逃げた道の途中で
凶器を見つけました。

被害者の吉川さんの血痕の他に

被疑者とおぼしき人物の血痕も
検出されました。

あなたのDNA型と照合して
一致すれば

動かぬ証拠になります。

そう… やっぱりね。

でも どうして
私だとわかったんですか?

最初は気づきませんでした。

ですが 先生の論文を読んで

馬が 誰かを左目で見るのは

相手を警戒しているサインだと
知りました。

確かに 危険や脅威といった情報を
処理するのは 右の脳。

だから 右脳と繋がる左目を
使おうとするけど…。

そして

初めて先生とお会いした日の事を
思い出しました。

あの時は ウィンター号が

何度も会っているあなたを見て
反応しただけだと思っていました。

ですが 本当は

ほんの数時間前に
あなたがした事を

ウィンター号が思い出したから。

(遥夏)だから ウィンター号は
私を左目で見た。

ウィンター号にとって
生駒先生は危険な人間だ…

ウィンター号が
そう教えてくれていたんです。

♬~

(遥夏)
彼が犯人だと指摘したのなら

本望です。

♬~

(蒲原)ファームの売却話は
いつから知ってたんですか?

ウィンター号の実験で通ううちに
自然と耳にしました。

でも 香西さんや
厩務員のみんなの反対で

思うように進まず

吉川さんが焦っているのも
すぐにわかって…。

吉川さんが 何かを
たくらんでいたというのか?

ウィンター号や自分の馬を
ひそかに弱らせて

予後不良にして

その責任を
ファームになすりつけて

売却をスムーズに進めようと
していました。

(蒲原)まさか
自分の馬なのに…。

そんな事は絶対にさせない。

(足音)

♬~

(遥夏の声)吉川さんが来るのを
待ち伏せしました。

(足音)

♬~

(遥夏)こんな夜中に
何を食べさせるつもりですか?

まさか 毒でも入ってるんですか?

(吉川)こいつも いい年なんだよ。

そろそろ お迎えが来ても
いい頃だなと思ってさ。

自分が何をしてるのか
わかってるんですか!?

(吉川)こいつは俺の馬なんだよ。

俺がどうしようと勝手だろ。

この事は
明日 香西さんたちに話します。

(吉川)ちょっ… ちょっと待てよ。
ちょっと待てよ。 なあ!

協力してくれたらさ
金を払うから。 なっ? なっ?

専門家のあんたならさ なんか
うまいやり方 知ってるんだろ?

あなたの事は
センターに報告します!

(吉川)
ちょっと待て… ふざけるなよ!

お前 何様だ!?

(遥夏)離して…!

(殴る音)
(吉川)うわっ…!

♬~

貴様…!

来ないで…。

♬~

(殴る音)
(吉川)あっ…!

(蒲原)つまり 最初から
吉川さんを殺害する意思はなく

襲われて抵抗した…
過失だったという事ですか?

それは どうでしょうか…。

あの時の私は
すごく恐ろしい顔をしていた。

吉川さんが死んでもいいと
思うくらい。

(蒲原)殺意があった事を
認める事になりますよ。

ウィンター号を
あれほど怖い目に遭わせたのなら

私は…

動物行動学者 失格です。

生駒先生が そんな事を…。
ああ。

それだけ ウィンター号の事を

大事に思っていたのかも
しれないが…。

ウィンター号が暴れかけた時…。

駄目… ウィンター!

(いななき)

彼女は とっさに柵を開けて
ウィンター号を守った。

そのせいで
罪を認めざるを得なくなったがな。

そして
殺意があった事すら認めた。

生駒先生らしいわ。

どうして そう思う?

彼女の論文を読んで感じたの。

動物の行動を知る事は
人間自身の本性を知る事だって。

動物だからって

無垢で純粋だなんて
思わないほうがいい。

何より 動物の一つの種に過ぎない
人間が

これだけ 嘘や罪や矛盾を
重ねているんだから…。

なんの得にもならないのに
誰かを守ったり

時には 誰かに殺意を抱いたり…。

動物行動学者の彼女だからこそ

自分の中にある感情から
目をそらすわけにはいかなかった。

私には そう思える。

(君嶋)意図的に 木から
落とされたのではないでしょうか。

木の病気を治すお仕事ですよね。

(曽根くるみ)木を傷つける奴らを
私は許さない。

人為的に 折れるように
細工がされていたんです。

木に登って確認してみるわ。

登らないでください!
(君嶋)クライミングアップ!