【土曜ドラマ】一橋桐子の犯罪日記 [新](1)娑婆(しゃば)に未練なし[解][字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
【土曜ドラマ】一橋桐子の犯罪日記 [新](1)娑婆(しゃば)に未練なし[解][字]
一橋桐子(松坂慶子)は、親友を病で亡くし孤独な日々を過ごしていた。そんな時、テレビで見た逮捕者の「刑務所に入りたかった」という供述に心奪われた桐子は…。
番組内容
主人公・一橋桐子(松坂慶子)は、哀しみの淵(ふち)に沈んでいた。年金とバイト収入で暮らしも楽ではない中、唯一の希望であった親友が病で亡くなり、毎日が突然空虚な日々となったのだ。そんなとき、テレビで見たある逮捕者の「この世に未練はなかった。刑務所に入りたくてやった」という供述に心を奪われた桐子は、終(つい)のすみかを「刑務所」に設定。できるだけ人に迷惑をかけずに逮捕される方法を模索しはじめる…。
出演者
【出演】松坂慶子,岩田剛典,長澤樹,片桐はいり,宇崎竜童,木村多江,由紀さおり,草刈正雄
原作・脚本
【原作】原田ひ香,【脚本】ふじきみつ彦
音楽
【音楽】長谷川智樹ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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(桐子)<トモが 死んだ…>
(鳴き声)
<やっぱり 来るんじゃなかった…>
回想 アハハハ…。
いつも一緒ね あの子たち。
そうね。
何 話してるのかしら。
案外 向こうも言ってるかも。
「いつも一緒よ あの人間たち」。
(笑い声)
(象の縫いぐるみの音)
(鳴き声)
ところで 桐子。
ん?
一緒に 住まない?
えっ?
夫も死んだし これからは
好きなように生きたいのよ。 駄目?
うれしい!
(鳴き声)
あっ ああっ…。
あ~っ…。
よかった~!
私も!
(桐子と知子の笑い声)
(鳴き声)
おっ! おっ!
パオ~ン!
パオ~ン!
パオ~ン!
パオ~ン! パオ~ン…。
(三笠)桐子さん。
(友岡)桐子さん?
もうすぐ 集合時間です。
詠めましたか 俳句。
あっ それは…。
でも 来たからには 何か一句。
ご無理なさらず。
<トモと約束したんだもん。
俳句は続けるって…>
(鳴き声)
♬~
続いては 三笠 隆さんが
特選に推されている8番の句。
「遺されて象は青空ばかり見る」。
(三笠)はい。 これ
どなたの句か分かりませんが
遺された象と 詠んだ方のさみしさが
重なって 胸が締めつけられました。
Don’t worry. Be happy.
ねえ。
これは 桐子さんの句ですね。
はい…。
季語は入ってないんですけど
春の空 見上げる一頭の象
知子さんを亡くされた悲しみが
すごく伝わってきました。
(拍手)
ありがとうございます。
<春… 私にはもう 春なんて来ない>
(相田)一橋さん!
遅いですよ 何やってたんですか。
えっ…?
お約束。 宮崎さんの荷物を運び出す。
娘さんご夫婦と。
あっ…。
何度もお電話したのに出ないから
こちらで 鍵開けさせていただきましたよ。
ごめんなさい。 私 すっかり…。
(弘)いいですよ。
さっさと終わらせちゃいますんで。
あっ 初めまして。
(奈穂美)知子の娘の 奈穂美です。
母が 大変お世話になりました。
(弘)さっさと片づけますんで
一橋さんの物を運んでないかだけ
見てください。 おい。
すみません。
<トモは 明るくて
菜の花みたいな人だった>
[ 回想 ] すてきね そのブランケット。
よく似合ってる。
もし 私が先に死んだら
これも 句帳も 机も キルトも
全部 形見にもらってね。
全部 持ってっちゃうのね…。
♬~
では これにて終了ですかね。
よかったら
知子さんが大好きだった イチゴ大福
召し上がっていってください。
あ… でも 我々はそろそろ。
えっ…。
このあと 寄る所がありまして。
失礼します。
行くぞ。
では…。
あっ そうだ。 お香典。
俳句の会の皆さんの分 お渡ししなきゃ。
<ここで トモと暮らした3年間は
私の人生の春だった>
(象の縫いぐるみの音)
(相田)あの…。
こんな時に 何ですが
この家 どうされます?
ああ…。
厳しいですよね。
お二人の年金とパート代 合わせて
家賃ギリギリだって。
<トモは 料理 編み物
運動 俳句 人づきあい
何でも得意だったのに>
<私は まるで不器用で…。
取り柄と言えるのは
きれい好きなことぐらい>
(久遠)一橋さん…。 一橋!
はい!
台を扱う時は 集中。
あっ すいません。
何だ 悩みでもあるのか。
まあ…。
俺もある。
だが 仕事には持ち込まない。
はい…。
(坂井)怒らせない方がいいよ。
ん?
新しいリーダー
うわさじゃ ヤバい人なんだから。
ヤバい?
(小声で)ムショ上がり。
あっ 税務署?
そんなわけないでしょ。
税じゃなくて刑 刑務所。
♬~
あっ まだ飲んでんだよ。
あっ すいません。
(寺田)ご婦人
何かお悩みがありそうですね。
10万ぐらいなら 即お貸しできますよ。
あっ いや 結構です… ああっ。
おう 何だよ。 貧乏神。
すいません すいませ~ん。
(ラジオ)「ここで
リスナーからのお便りをご紹介します。
『先日 飼っていた
つがいの文鳥の片方が亡くなりました。
すると 残された一羽も
すっかり元気をなくしてしまい
時折 亡くなった片割れを
探すようなそぶりを見せます。
このままだと どうなってしまうのかと
そのふびんな姿に 心を痛めています』。
シルバーねこさんからのお便りでした。
さぞ 仲のいい
文鳥たちだったんでしょうね。
愛情が深ければ深かった分だけ
パートナーを失った喪失感は
大きいですよね」。
[ 回想 ] いいんじゃない?
まだ。
え~…。
もう いいでしょ!
アチチチ…。
ちょっと 何やってんのよ。
熱いに決まってるじゃない。
ハハハハ…。 さっ。
うわ~ おいしそう!
ハッハッハッハ ねえ。
(笑い声)
(インターホン)
はい。
どちら様でしょう?
≪(佐藤)すいません。 私 宮崎さんに
生前 大変世話になった者でして。
えっ 知子の? あっ…。
(佐藤)佐藤と申します。
実は 宮崎さんがお亡くなりになったのを
昨日 知りまして。
よろしければ お線香の1本でも
あげさせていただけたらと思いまして。
ご位牌などは
全て娘さんのお宅でして。
形ばかり 写真を飾ってるだけですが…。
(佐藤)では 失礼して…。
あれ? ここは…。
瀬戸内の波瀬島っていう
彼女の故郷なんです。
(佐藤)あ~ やはり。
ご存じですか?
はい。
<夏には 私を島に連れていって
大好きな大楠を見せたいんだって
言ってくれてたのに…>
[ 回想 ] んっ。
ん?
「雨に泣き風に笑えよ桐の花」。
詠んだの お別れに。
ちょっと やめてよ お別れなんて。
桐子は 笑って 長生きしてね。
約束よ。
うん…。
(泣き声)
よかったね トモ。
♬~
ん?
えっ…。
えっ やだ…。
えっ…。
えっ!? やだ そんなはず…。
ハッ…。
あ~っ! えっ…。
ええっ…。 ハッ…。
お香典…。
お香典 お香典…。
ええっ!?
なっ なっ… ない!
(巡査)お焼香を装ったコソ泥で
間違いないでしょうね。
ちなみに どんな男でした?
顔や背格好や 年齢とか。
聞いてます?
あっ… ごめんなさい。
何にも思い出せなくて。
(巡査)はい…。
あっ…。
喉仏が大きかったと思います。
喉仏ね…。
ちょっと難しいですね
喉仏だけじゃ。
じゃあ お金は?
あの 10万円近く…。
(相田)それで 来月の家賃も
払えなくなったわけですか…。
となると 引っ越し先を
早くご紹介したいんですが
敷礼なしで3万以下となると
なかなか…。
ご老人お一人を嫌がる大家さんも
多いですし…。
(テレビ・キャスター)「続いては ニュースです。
昨夜遅く
江東区のコンビニエンスストアで
大量の菓子パンを万引きしたとして
住所不定の70歳の男が
窃盗の容疑で逮捕されました。
調べに対し 『世の中に未練はなかった
刑務所に入りたくてやった』と
容疑を認めているということです」。
未練は なかった…。
(相田)分かんなくないですよねぇ。
長生きしたって
世の中 お先真っ暗だし。
ご紹介できればいいんですけどね
刑務所。
家賃もタダですし。
あっ 冗談ですよ 冗談。
[ 回想 ] 桐子はさ 笑って 長生きしてよ。
約束よ。
もう 笑えないよ…。
イチゴ大福…。
回想 「大量の菓子パンを
万引きしたとして」。
(テレビ・キャスター)「世の中に未練はなかった
刑務所に入りたくてやった」。
万引きを
したら 刑務所…。
イチゴ大福…。
♬~
♬~
281円になります。
♬~
(雪菜)おばあさん。
そのバッグの中の物
まだレジ通してないですよね。
やりました。
えっ…。
やりました。 やったの!
捕まえてください!
(店長)家族もなし 身寄りもなし
引き取り手もなし…。
警察を呼んでください…。
本当 うんざりしてるんですよねぇ
ご老人たちの万引きが多くて。
警察を呼んでください。
生活が苦しくて魔が差したとか
もう聞き飽きたし。
警察を呼んでください。
分かってますよ。
呼びますよ 言われなくても。
(雪菜)何それ。
(店長)ん?
何 その開き直った態度 ふざけないでよ!
(店長)ん?
たかが万引きだと思ってんでしょ。
警察で泣きついて
許してもらおうとか思ってんでしょ。
それで また同じこと繰り返すんでしょ!
(店長)榎本さん?
(雪菜)独りぼっちだか知らないけど
さみしいとか世間が冷たいとか
そんなの関係ないの こっちは。
知ったこっちゃないの!
ただただ 迷惑なの めちゃくちゃ。
(店長)いいから。
ねえ 聞いてる?
もう いいから!
(泣き声)
(店長)ほら。
(泣き声)
(店長)よし もう終わり。
おばあちゃん
これ 全部買い取ったら帰っていいや。
えっ?
わざとでしょ?
えっ?
わざと とったんでしょ。
魔が差したとかじゃなくて。
何で?
しかも イチゴ大福ばっか。
何で こんなに?
それは… 大好きだったから。
自分が?
ううん… 大好きだった人が。
[ 回想 ] ただいま~。
えっ 自分で作ってるの?
イチゴ大福。
そう 詰め詰めしてね。
一度 やってみたかったのよ。
こんなに食べたら 血糖値上がりそう。
もう いいわよ。 もう 好きなもの食べて
早く死にましょうよ。
(笑い声)
ん~ 最高!
ん~ 最高!
(歓声)
おいしそう!
甘いもの最高!
ありがとね。 頂きます。
ありがとう!
桐子さんが差し入れなんて
初めてじゃない?
ひょんなことから
いっぱい手に入って。
へえ~ ありがたいわね
ひょんなこと。
(ドアが開く音)
一橋さん ちょっと。
あっ はい…。
今月 いくつ目だ…。
2つ目です…。
3つ目。
そっちのミスでも 店からの苦情は
全部 俺に来る。
やる気ないなら 辞めてくれ。
それは…。
ばあさんだからって 甘えんな。
あっ あの…。
ん?
つかぬことをお伺いしますが
久遠さん お詳しいの?
刑務所のこと。
だとしたら?
あっ 何でも…。
あっ どうも。
あいたたた…。
<家賃3万円以下って
ここしかないのね…>
残り2万5, 658円…。
はぁ~。
ん~ カビ臭い…。
ごめんね トモ。 こんなとこで…。
(ノック)
はい。
よっ…。
(鶴野)ま~ あんた
よくこんな部屋に住もうと思ったわね。
はい? どちら様で。
隣のもんだけど 出るわよ この部屋。
出るって? ええっ!?
前の住人が 先月死んだの。
それから 去年 おととし。
3年続けて死んだのよ~。
そんな…。
(相田)あっ 鶴野さん ご無沙汰してます!
いかがですか 一橋さん
お引っ越し。
ここ出るわよって
教えてあげたとこなの。
えっ やめてくださいよ。
ふ き つ。 せいぜい気を付けてね~。
(笑い声)
これで不吉って 無理ありますよねぇ。
薄気味悪い…。
(ドアが閉まる音)
うわ~っ!
うわ~っ!
あっ…。
ちょっと…。
トモ… トモなんでしょ?
引っ越し祝に来たんでしょ?
四十九日前だから
まだ そばにいるのよね?
いいよ 出てきて。
お祝いしてよ。 私 会いたいから。
ほら あなたが残してくれた ぬか床。
一緒に ぬか漬け食べない? ねぇ。
(バイブレーション)
ああっ!
(バイブレーション)
あっ… やっ やだ もう…。
えっ 三笠さん…?
やだ どうして?
はい もしもし。
(三笠)あっ 三笠です。
いや あの
この間の句会お休みされてたんで。
あっ…。
(三笠)ええ。 あの 勝手ながら 心配で。
あっ… すみません。
何だか いろいろありまして。
(三笠)あっ そうでしたか。
いや あの 突然で恐縮ですが
気分転換に お茶でも
ご一緒にどうかと思いまして。
へっ?
回想 こんにちは。
こんにちは。
で どうなの? 桐子は。
隆さんのこと。
どうって 別に。
ウソ。
2人とも独身だし お似合いよぉ。
やめてよ~。
あちらは テニスの大スターなのよ。
ん~ もう 住む世界が違う。
だから 何なのよ。
ほら 見てるわよ。 桐子のこと。
ハイ。
(2人)ハ~イ。
(笑い声)
フフフフ…。
(三笠)大丈夫ですか? 桐子さん?
あっ はい。 ごめんなさい。
ええ 私の方は いつでも。
ハハッ 桐子さん。
あの ごめんなさい。 お待たせして。
いいえ もう 本当に
よく来てくれました。
How do you do?
あ…。 I’m fine.
(三笠)ハハハハハ…。
分かります…。
私の場合は 離婚だったんで
一緒にはできませんが
ええ 急に
1人になるっていう気持ちは ねえ…
ええ…。
ところで 桐子さん ご趣味は?
えっ?
ハハッ ご趣味なんて
何だか お見合いしてるみたいで
すいません。
ハハハハ…。
やだ…。
今度 気晴らしに
テニスやってみませんか?
テニス。
(三笠)ええ。
あっ でも 私 運動神経が
もう とにかく悪くて…。
じゃあ 海外旅行とか?
あっ でも 私 飛行機が全く駄目で…。
あっ ガーデニング。
クッキング… バイキング…。
(笑い声)
じゃあ 桐子さん 恋なら。
恋…。
(三笠)恋人がいたら これからの人生
楽しくなると思いませんか。
それは えっ…。
(三笠)実は あの…。
ええ 実は 私…。
はい。
(店員)いらっしゃいませ。
(三笠)Just on time.
フフフフ…。
(三笠)あっ すいません 突然…。
(薫子)ごめんなさい。
大事なお話の最中だったんじゃない?
大丈夫 大丈夫。
なら いいけど。
初めまして。 斉藤薫子と申します。
桐子さんのお話は 隆さんから時々。
大切な方を亡くされたばかりだそうで…。
あっ はい…。
(三笠)どうぞ 座って。
薫子さんは
婚活パーティーで運命的に出会った
私のフィアンセなんです。
フィアンセ?
(三笠)ええ。
(薫子)二回りほど離れてるんですけど
その分 頼りがいがあって
私の方から。
いや 僕の方が見初めたんだよ。
そんなことない…。
(三笠)いやいやいや 僕だって。
(薫子)私よ。
(三笠)薫子さんは 話し上手だし
多趣味なんで
桐子さんの いい友達に
なるんじゃないかと思ってね。
あ… あっ そういうことでしたか。
やだ 話してなかったの?
ごめんなさい。
いや ちょっと てれくさくて。
何それ…。 何か すみません。
いえ…。
(せきこみ)
大丈夫ですか?
ウフフ…。
いいことなんて もう 何もないわ…。
♬~
じゃあ お先に。
あっ あっ… あの…。
ん?
この間も伺いましたけど
久遠さんって その お詳しいのよね?
刑務所のこと…。
それが?
あっ 実は 実は あの 私
趣味で ミステリー小説を書いてまして
参考に お話を伺えたらなあって…。
小説? あんたが?
これに あの
ネタとかメモしたりして。
えっ?
あっ ええ…。
やっぱり 大変な所なのかしら
刑務所って。
当然だろ。
まあ でも 娑婆に比べりゃ
天国だってのもいるけどな。
あら どうして?
まず 何と言っても
3食 食うのに困らない。
正月に おせちは出るし
クリスマスには ケーキも出る。
へえ…。
花見や運動会をやるムショもあるし
仕事もある。
まあ いわゆる懲役だけどな。
ああ… あれ 大変なんでしょ?
昔 映画で見たもの。
トンネル掘ったり 石運んだり。
それは 大昔の話。
まあ 例えば あんたみたいな
仕事のできない人間には
誰でもできる軽作業が与えられる。
はぁ…。
あと 体が弱ったら
介護の面倒も見てもらえる。
まあ つまり 身寄りのない老人にとっては
天国と言えなくもないかもな。
身寄りのない老人…。
まあ でも 大抵の人間は
二度とごめんだって言うけどな。
そろそろいいか?
あっ じゃあ ごめんなさい。
あと一つだけ…。 ん?
何か いい犯罪知らないかしら?
いい犯罪?
主人公の女性が 人に迷惑をかけない
ちょうどいい罪を犯して
刑務所に入るっていう
ストーリーにしたいんです。
何だ その話…。
あっ お願いします。
じゃあ あれはどうだ 偽札。
人に迷惑をかけるっていうより
国家にケンカ売るようなもんだし
それに 罪は重い。
重いって どれぐらい?
一番重けりゃ 無期懲役。
無期…。
刑務所なら 食べるのに困らない。
懲役は 誰にでも務まる…。
介護もしてもらえる…。
♬~
はい 空けて空けて。 道 空けて!
何やってんだ。
<偽札をばらまけば…
無期懲役>
(アナウンス)「いらっしゃいませ。
現金を お受け取りください」。
<やるしかないわ>
いらっしゃいませ~。
♬~
えっ ちょっと
おばあちゃん 何やってんの?
あっ…。
ヤッバ。
あの コピーしても増えないよ お金は。
ごめんなさい。 静かにして。
やめろ やめろ。 もう ボケてんだから。
ボケてんの?
うちのばあちゃんも認知症で
同じようなことして大変だったんだよ。
違うの。 私はね
ボケてるんじゃなくて わざとね…。
うんうん。 わざとなんだよね。
ん~ 違うの そうじゃなくて 私は…。
ん~ でも
おばあちゃん これ 犯罪だから。
(雪菜)おばあちゃん 帰ろう。
えっ?
あっ…。
(雪菜)帰ろう。
孫か?
あっ あっ… あの ちょっ…。
覚えてる? 私のこと。
こないだの
万引きのおばあちゃんでしょ?
何しようとしてたの?
ボケてんの? 本当に。
違うの。
じゃあ 何?
偽札を作ろうと思って。
偽札? えっ 何で?
刑務所に 行きたくて…。
はっ? 刑務所?
万引きもそう。
刑務所に行きたいからやったの…。
あっ!
だから警察呼んでって言ってたの?
何 その理由 超迷惑。
最悪だわ。
分かってる…。
いや 分かってないでしょ。
だったら 魔が差したとかの方が
まだ ちょっとはマシだよ。
分かってるって…。
分かってないって。
人間 やっていいことと
悪いことっていうのがあってさ…。
もう 分かってるって言ってるでしょ!
けど…
けど もう そうするしかないの…。
トモが トモが死んじゃったから…。
トモ?
私 子供の頃から何の取り柄もなくって
友達もいなくって…。
仕事も続かないし
お見合いも 全部駄目で…。
でも それは…
親の介護があるからだって言い訳して…。
(雪菜)それで?
親が死んでからは
ずっと独りぼっちで…。
でも そんな私に
この年になって おばあちゃんになって
初めて出来た友達
それが トモ…。
♬~
けど トモがいない世界は
真っ暗で 苦しくって
正直 死んだ方がいいと思った…。
それは 駄目だよ。
うん…。
トモにも 笑って長生きするって
約束しちゃったし…。
だから 刑務所?
塀の向こうなら 生きていけるかもって…。
なのに どうして…。
どうして 刑務所にも行けないの?
どうして! 私 どうしたらいいのよぉ…。
(泣き声)
早い。
えっ…?
まだ始めたばっかなんでしょ?
ムショ活って呼ぶのか分かんないけど
そういうの。
そうだけど…。
私も 昔は早かった
弱音を吐くのが。
けど 本気なら
本当に その気なら すぐ諦めちゃ駄目。
えっ…。
本気なんでしょ?
それは もちろん。
だったら 諦めなければ
なんとかなるから きっと。
♬~
なんとかなるのかしら… 本当に。
別人かと思った。
えっ?
テキパキしてる。
いつもと 全然違う。
本気だから。
(坂井)えっ…?
本気だから 本気だから…。
お疲れさまでした。
何だ…。
偽札より いい犯罪ってないかしら。
またか…。
ごめんなさい。
主人公が
お札をコピーしようとするんだけど
止められるっていう
お話の展開になっちゃって。
ハッ…。 まあ 仮にできたところで
偽札として通用するわけないしな…。
フッ その主人公 相当アホだな。
アホだなんて 言わないでよ。
お願いします。
まあ 前にも言ったとおり
いい犯罪なんてものはない。
ただ…
悪人をターゲットにする
っていうのは どうだ?
どういうこと?
例えば 悪人から泥棒するとか。
[ 回想 ] 一橋さん
初めまして 宮崎知子です。
先ほど 一橋さんが詠まれた句
「秋桜が好きよ
私は弱いから」。
自分が弱い人間だって言える素直さ
もう すばらしいと思いました。
私 もう大好き。
えっ…
本当ですか? ありがとうございます。
私も弱い人間だから 強い人や悪い人に
負けたくないって思ってるの。
悪い人に 負けたくない…。
ご婦人。
あっ…。
ヘッヘッヘッヘッ…。
いつでも お役に立ちますよ。
あっ いえ あの 結構です お金は。
でも 何か悩んでる。
まあ ムショ活のこととか…。
ムショカツ?
あっ いえ…。
必要な時は いつでもお声がけください。
お待ちしてます。
ヘッヘッヘッヘッ…。
隠れ闇金っていうんだって。
隠れ闇金?
友達みたいに なれなれしく話しかけて
相手構わずに貸しまくるの。
へえ~。
でも 絶対 借りちゃ駄目。
相当えげつないんだって。
ってことは 悪人なの?
(坂井)当然。
「闇」がつく商売なんて
闇金以外ないんだから。
相当な額 事務所に
隠し持ってるってうわさだよ。
そう 悪人なのね あの人…。
(友岡)それでは 次に11番の句。
「風薫る I miss youのEメール」。
(三笠)あっ 隆です。 ちなみに あの
「風薫る」というのは
薫子さんのことで。
え~ やめてよ恥ずかしい。
ありがとうございます。
(笑い声)
はいはい。 では 続いて12番の句
「蝶ひらり
塀を越えれば極楽ぞ」。
か弱い蝶が 極楽を求めて
塀をひらりと越えようとする。
句全体に こう 力強い意志を感じました。
さて これはどなたの?
あっ… はい。
桐子さん!?
桐子さんが
こんな前向きな心境になるなんて…。
一人で生きていく決意表明。
すばらしい。
(拍手)
ありがとうございます。
ちなみに 生け垣とか壁とかではなくて
塀としたのは
どうしてですか?
あっ 塀は 最近
塀の向こう側のことを
よく考えたりして…。
塀の向こう側?
塀の向こう側…。
アハハ…。
回想
やだ もう~。
パオ~ン!
<幸せだった日々 さようなら。
私は 塀の向こうへ行って…。
精いっぱい 懲役を頑張って…>
今年の桜はきれいね。
<たまに 花見や運動会を楽しんで…>
そろいました!
トモ!? こんなとこにいたの?
<頑張るよ。
雨が降っても 風が吹いても
笑えるように…>
やっぱり 10万
10万円ほど お借りできますか。
お待ちしておりましたよ ご婦人。
行きましょっか。
ちょちょちょ… どこ行くの?
ごめんなさい すぐ戻るから。
えっ!?
♬~
ご婦人 こちらです。
あっ はい…。
それじゃあ
ここに サインをお願いします。
あの… ここで
働かせていただけないでしょうか。
働く?
こちらの事務所をお掃除することで
あの その仕事で 借金を返すことは
できないでしょうか。
ん…?
頑張ります。
心を込めて 一生懸命
ピカピカにします!
利息を考えると 半年以上
かかるかもしれないが それでもいいな。
はい。
まあな 事務所が きれいになりゃ
金回りもよくなりそうだしな。
明日から 来てもらおうか。
ありがとうございます!
ありがとうございます!
ほいじゃあ ちょっとトイレ行ってっから
これ 書いとけよ。
はい!
♬~
(鍵が開く音)
今度こそ行くわよ 刑務所に!
一体 いくら盗もうとしてるんだ。
ああ~!
美容師の資格とって
人生やり直すんだから。
バカは所詮 バカだよな。 ハッハッハ…。
音信不通になるなんて
おかしくないですか。
「悪人は成敗すべし」。
あっ あ~っ! あれ あれ…。
強盗です!
いつか バチが当たるかもね~。
あっ 離して 離して 離して… あ~っ…。
おとなしくして。 動くな!
<ここは どこにでもある平凡な住宅地>