土曜ドラマ9「最果てから、徒歩5分」第3話[字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

土曜ドラマ9「最果てから、徒歩5分」第3話[字]

ギルダを訪れた相原進(浜田学)と娘の春海(野澤しおり)。相原は他界した妻との思い出のクレープを娘に食べさせたいと願うが…◆4K制作番組

詳細情報
番組内容
“甘くないクレープ”を求めてギルダへ来た相原進(浜田学)と娘の春海(野澤しおり)。シェフの膳(竹財輝之助)が渾身のクレープを提供するが、春海は「これじゃない…」と言い残し、店を出て行ってしまう。春海の母は半年前に他界しており、シングルファーザーとなった相原は、娘との関係が上手くいかずに悩んでいた。
番組内容続き
春海が生まれる前に、かつて夫婦でギルダで食べた思い出のクレープは、他界した妻が家庭で作っており、春海の好物。相原は娘の春海にそれと同じクレープを食べさせることで、関係を修復したいと考えていたのだ。膳は師匠のテツのレシピを読み返し、相原が求めるクレープを作ろうと尽力するが…
番組概要
「生きること」も「死ぬこと」もできず、自殺の名所『志手の岬』から徒歩5分にあるオーベルジュ・ギルダを訪れた幸田すもも(岡田結実)。店主の白石夕雨子(内山理名)の言葉を受け、店員の是枝息吹(柳俊太郎)やシェフの大森膳(竹財輝之助)と共に、住み込みで働くことになる。最果ての地のオーベルジュだけに、訪れる客はそれぞれワケありで…『不倫でバッシングされている女優』『定年退職した日に離婚を突き付けられた男』ーー
番組概要続き
彼らは滞在を通して“生きること”を選び、再生してゆく。その様子を目の当たりにし、すももの心境にも変化が生まれる。しかし彼女は、夕雨子の秘密を知りーー!?崖っぷちのオーベルジュで紡がれる、悲劇と喜劇のヒューマンドラマ
出演者
幸田すもも … 岡田結実
是枝息吹 ギルダの従業員 … 柳俊太郎(※柳は旧字)
大森膳 ギルダのシェフ … 竹財輝之助
相原進 ギルダの客 … 浜田学
相原夏子 相原の妻 … 玉井らん
相原春海 相原の娘 … 野澤しおり
出演者続き
テツ ギルダの前オーナーシェフ … 梨本謙次郎
幸田杏子 すももの母親 … 中島ひろ子
白石夕雨子 ギルダのマネージャー … 内山理名
原作脚本
【原作】糸井のぞ「最果てから、徒歩5分」(新潮社バンチコミックス刊)
【脚本】川﨑いづみ
監督・演出
【監督】大内隆弘、小路紘史、祖山聡
音楽
【主題歌】Chara「A・O・U」(日本コロムビア)
制作
【制作】BSテレ東/PROTX
【製作著作】『最果てから、徒歩5分』製作委員会2022

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  1. 春海
  2. ママ
  3. パパ
  4. テツ
  5. クレープ
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  9. 相原
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  12. シェフ
  13. お父さん
  14. レシピ
  15. 先代
  16. 大人
  17. 年前
  18. ウフフフ
  19. ケバブ
  20. ハンガリー

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   ごあんない

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ポニーキャニオン

(柚月)どうも~。

< すもも:不倫報道によって

世間から
猛バッシングを受けているスター女優が

ここ オーベルジュ・ギルダを訪れた>

早く常温の水持ってきて。
(すもも)おぉっ!

<高飛車で
ワガママに振る舞いながらも

彼女は
自ら死を選ぼうとしていた>

もう 坂本柚月は終わったのね。

(夕雨子)終わりませんよ。

あなたには
神様からの特注品があるから。

<夕雨子さんの言葉で

生きる希望を
取り戻した彼女は…>

応援していただいてる
ファンの皆様を裏切ってしまい

本当に申し訳ありませんでした。

(膳)清純派女優
坂本柚月の復活ですねぇ。

<女優として
再起の道を歩き始めた>

すもも:お母さん 返して!

キャーッ!

<私はまだ 自分のしたことに
向き合えずにいる>

すももちゃん? どうかした?

あっ いや…。

ん?

あっ そうだ 膳さんて
どこでお料理 習ったんですか?

ん? なんで?

だって 膳さんの料理
どれ食べてもおいしいし

多国籍だな~って思ったりして。

実は 10代の頃から
海外を渡り歩いててね。

いろんな国に行って
現地で料理を学んだんだよ。

へ~ すごい。

と 言いたいところだけど

それは僕じゃなくて先代のテツさん。

テツさん… あの 先代のオーナーシェフ?

夕雨子:ここに写っているのが
先代のオーナーシェフのテツさん

テツさんは いろんな国を
渡り歩いて料理を学んだんだ。

だから
テツさんの下で学んだ僕の料理も

多国籍になったってわけ。

なるほど。

(息吹)よく じいちゃんに
毒味させられたな~。

毒味?

大概は うまいんだけどさ

たまに なんじゃこりゃ~
みたいなのもあってさ。

フフフ。 あ… ってことは
大切なお客様に出す前に

孫を実験台にしてたって
ことですね?

大切な客って
こっちは大切な孫だろ。

俺は普通にさ オムライスとかナポリタンとか
食いたかったなぁ。

今日は ご予約のお客様が
2名いらっしゃいますよ。

そうだ 急げ 急げ~。

<息吹さんは 先代のテツさんの孫で
膳さんはテツさんの一番弟子>

いけるでしょ。
重いよ。
いけるって。

< でも…>

流れ着いたの。
流れ着いた?

流れ着いて テツさんに拾われた

<流れ着いた夕雨子さんが

なぜ ここで働くようになったのか
私はまだ それを知らない>

(鼻歌)

楽しそうね。

料理をしてるときは
いつでもハッピーだよ。

食べてくれる人の
「おいしい」 は最高だからね~。

中でも子どもの 「おいしい」は
格別だね。

その子の一生の記憶に
残るかもしれないから。

そうね。

おいしくなぁれ おいしくなぁれ。

(相原)春海 何をモタモタしてるんだ。

予約の時間に遅れるぞ。

(宇佐美)ハァー。

(玄関チャイム)

は~い。 ようこそ オーベルジュ・ギルダへ。

予約していた相原です。

お待ちしておりました。

食事の用意は…。

甘くないクレープですね。

えぇ。

間もなく焼き上がります。 どうぞ。

お荷物 お預かりします。

ありがとう。

お部屋まで運んでおきますね。

こんにちは。

春海 挨拶くらい
ちゃんとしなさい。

いつも言ってるだろう。

挨拶くらい ちゃんとできないと
ろくな大人になれないぞ。

(春海)こんにちは。

聞こえない。
あっ いや 今の聞こえました。

聞こえない!

こんにちは!

ありがとうございます。

う~ん 最高の出来。

お待たせいたしました。

ハムと卵のクレープです。

これが この店のクレープ?

はい。 そうですが…。 何か?

いえ いただきます。

春海。

これじゃない。

せっかく作ってくれたんだ。
文句を言わずに食べなさい。

春海。

食べ物を粗末にするような子は
ろくな大人になれ…。

春海!

あっ 私 行ってきます!

春海ちゃん 待って!
待って春海ちゃん! 待って!

待って 春海ちゃん!

春海ちゃん 待って! 待って!

「これじゃない」って なんで…。

どうぞ。

お口に合いますか?

あの…
シェフを呼んでいただけますか?

はい。

シェフの大森です。

あの 以前ここにいた
もっと年輩のシェフは?

あぁ それは
たぶん テツさんですね。

テツさん?

テツさんは3年前に亡くなりました。

そうですか。

以前 妻と ここで食べたクレープは

さっき食べたクレープとは
違うものでした。

奥様と?

えぇ。

おいでになったのは
いつごろのことですか?

まだ あの子が生まれる前
10年前のことです。

10年前。

妻と私は この店で出会って

2人で そのクレープを食べました。

その妻が半年前に亡くなって

娘に食べさせたくて
連れてきたんですが…。

春海ちゃん。

ご飯の途中で行っちゃったから
おなか空いたでしょ。

ヘヘ。

ジャーン。
何これ?

これは ケバブ。

ケバブ?

そう。 遠い中東の国から
やってきたお料理。 おいしいよ。

どう?

よし! 私も食べる。 ウフフフ。

おいしかったね。
はい。

あの… あそこって
自殺の名所なんですよね?

よく知ってるね。

ママから聞いた。

ママ あそこで死のうとしたことが
あるんだって言ってた。

そのときは
死ぬのやめちゃったけど

半年前 病気で死んじゃった。

ケバブ 一緒に食べたかった。

ママと半分こして食べたかった。

ママのこと好きなんだね。

だって ママだもん。
大好きだよ ママだから。

ウフフフ。

え~ 私そんな顔してる?
ウフフッ。

ウフフフ。
じゃあ次 お姉ちゃんね。

どうしたの?

(雷鳴)

戻ろう。 大丈夫?
(雷鳴)

(相原)何をやってるんだ!

すみません。
私がついておきながら。

だよな。

そうやって
勝手なことばかりするから

いろんな人に迷惑をかけるんだ。
わかってるのか!

ほらほら
早く着替えないと風邪ひくよ。

ちょうど お風呂が沸いたわ。
2人で入ってきたらどう?

(春海)もう出る。
(すもも)ダーメ もっと温まって。

(春海)え~ 早く出たいよ!

(すもも)ダメだって
あとじゃあ 10秒一緒に数えよう。

(春海)せ~の
1 2 3 4 5 6…。

(すもも)ねぇ 早い!
あと じゃあ10秒。

お風呂一緒に入るの
嫌じゃなかった?

別に ママともよく入ってたし。

お母さんって どんな人なの?

ごめん。

ママはね メッチャかわいかった。

うん。 でも顔じゃなくて…。

ママね すっごく かわいいの。

笑うと周りが
パアッて明るくなって

お花が咲いてるみたいだった。

そっか。
うん。

とっても かわいくて
とっても優しくて…。

なのに なんで私
ママに似なかったんだろう。

え?

ママに似たかったな。

でも 女の子はお父さんに似てると
幸せになれるっていうよ。

春海ちゃんのお父さん
ダンディーでカッコいいし

春海ちゃんに似てる気がする。

それは ない。

え?

それは 絶対 ないの。

春海ちゃん…。

あっ そうだ。

ん?

ジャン!

ようこそ すもも美容室へ。

え?

大丈夫?
うん。

よいしょ。

ん~?

はい。
かわいこちゃんの出来上がり。

うわぁ…。

ママ?

(すもも)ん?

あっ いや…。

ママに似てるでしょ。

かわいい。

ホントに お母さんが好きなんだね。

フン。

えっ 何?

へぇ~ たまには
マシなこともできんだな。

はぁ?

暗くならないうちに
表の掃除やっとくぞ。

ほら。

はい。

う~ん。

う~ん。

テツさんのレシピ?
うん。

テツさんのレシピって 独特よね~。

(膳)絵とか
ゴニョゴニョした文字ばっかりで

ほとんど解読不可能。

(夕雨子)フフッ。
自分だけのためのレシピね。

フフッ でも ハッとするほど
芸術的なんだよね~。

今日のお客様 前に来たのは
10年前って言ってたよね。

えぇ。

ちょうど僕がここに来て
テツさんの弟子になった頃だなぁ。

まだ君もいなかった頃。

<膳:テツさんの自由な料理に
僕が救われた頃…>

お客様の顔と お出しした料理は
忘れない自信があったんだけど。

なんで 思い出せないんだろう。

いらっしゃいませ。

その棚の酒 飲めますか?

えぇ もちろん。 どうぞ。

難しいですよね~
あのくらいの年の子は。

しかも それが女の子なら
なおさらだ。

実は 私にも娘がいましてね。

今年19で 大学に行っています。

娘とは 仲がいいんですか?

さぁ どうでしょうねぇ。

今は離れて暮らしていますし。

でも いろいろありましたよ。

私は 娘に嫌われてる。

残念ながら これから
もっと もっと嫌われますよ。

それが 父親の役目ってものです。

妻が亡くなった今
娘を守れるのは私しかいない。

だから どんだけ嫌われようと

まともな大人に
なってもらうためには

厳しく育てなきゃいけない。

それが
父親としての役目ってもんだろ。

でも そうやって
気負えば気負うほど

向こうは余計に
距離をとっちゃいます。

じゃ どうすればいいんだ。

どうぞ。

さっきのを

そのまま娘さんに伝えてみたら
いいんじゃないですか?

さっきの?

娘さんのことを守りたいって。

そんなこと言えるわけないだろ。

私は 娘に伝えてきましたよ。

何があっても
君のことを守りたいって。

妻が亡くなって半年

どんどん娘との距離ができてくる。

妻と出会ったこの店に
一緒に来れば

何かが変わると思ってたんだが。

そんな甘い考え
持つべきじゃなかった。

(すすり泣く声)

(ノック)

お夕食の時間ですよ。

夏子:伸びたね 髪。

そうね。 早く美容院行きたいな。

え~ 切っちゃうの?

うん。 だって みんな短いよ?

えっ みんなと一緒がいいんだ?
うん。

できた。

ありがと。
うん

お飲み物は 何になさいますか?

私には ビール。
娘にはオレンジジュースをください。

かしこまりました。

レモンスカッシュ。
え?

レモンスカッシュください。

わかりました。
少々お待ちください。

春海。

勝手に決めないで。

これからは
自分のことは自分で決める。

子どものくせに何を言ってるんだ。

ねぇ パパ。

ん?

私 パパの子どもじゃないよね。

え?

私 パパの本当の子どもじゃないって
知ってるよ。

春海 いきなり何を言いだすんだ。
そんなわけないだろ。

ママのお葬式のとき 親戚の人たちが
話してるの聞いちゃった。

ママとパパが知り合ったとき ママの
おなかには もう私がいたって。

私は ママの恋人だった人の
子どもだって。

すっごい驚いたけど
あぁ そっかって思った。

私 ママにも似てないけど
パパにも 全然似てないから。

春海…。

私は きっと
本当のパパに似てるんだね。

だからパパは
私に冷たくするんでしょ?

春海 ちょっと待ってくれ。
パパの話も聞いてくれ。

ママに似てたら
きっと こんなふうじゃなかった。

春海。

パパにも冷たくされないし

学校でも ブスとか
根暗とか言われずに済んだ。

え?

おいブス! あっち行けよ。

早く帰れよ 空気悪くなんだよ。

なんだお前 その服 ダッセーな

(春海)やめてって言っても
全然やめてくれなかった。

他の子たちも みんな見て見ぬフリで
助けてくれない。

でも きっと
しようがないんだよね。

私みたいな 暗くて
一緒にいても楽しくない子は

きっと この先 ずっと ずっと
そうやって いじめられるんだよ。

春海。

誰だ? ソイツは。
え?

誰だ? 名前を言え。

パパ? ちょっと パパ!
(息吹)ちょっ…。

お客様。
どけよ!

あっ!
えっ 弱っ。

誰だ? 名前を教えろ春海!

まあまあ 落ち着いて!
放せコラおっさん オメエもやるぞ!

そんな物騒な
ほら 娘さんも見てますよ。

放せ!
おぉっ… えぇっ!?

アンタにも娘がいるならわかるだろ。

自分の娘をブスだの根暗だの
言われて黙ってられるか!?

えぇ わかります。 ですが…。

誰がなんと言おうと
春海は俺の娘だ。

うちの世界一かわいい娘に
そんなことを言うヤカラを

許すわけねえだろうが!

パパ…。

お… お気持ちはわかりますが。

あぁ!

あぁ!?
あなた…。

ハァ そうか そういうことでしたか。

何笑ってんだ?

わかりました。
殴りに行っていいです。

えっ?
ちょっと膳さん?

ですが その前に
こちらへ 座って 座って 座って。

ようやくわかりました。
あなたの思い出のクレープ。

フッフッフッ。

うわぁ…。

パパ。

これは…。

ホルトバージパラチンタという
ハンガリーの名物料理です。

ハンガリー?
はい。

20世紀初頭に ハンガリーの
あるホテルのシェフが考案した料理で

鶏肉と 粉パプリカやサワークリームからなる
ソースが特徴のクレープ料理です。

その話 前のシェフも
していたような気がする。

さぁ どうぞ 温かいうちに。

いただきます。

春海?

うちのクレープ。

ママのクレープ。

なぁ 春海。

ん?

パパとママは
この店で知り合ったんだ。

そのとき…。

ママ 死のうとしてたんでしょ。

ママが教えてくれた。

ママ すごくつらいことがあって
もう 生きてるのが嫌になって

ここで死のうとしたんだって。

「それを
パパに救ってもらったんだ」って。

「だからパパは
ママの命の恩人なんだ」って。

それは違う。

え?

救ってくれたのは ママのほうだ。

ママが パパを救ってくれたんだ。

パパはね 若い頃
ひどい生き方をしていたんだ。

ひどい 生き方?

あぁ。

人を平気でだまし 傷つけ
誰も信用せず 人の物を盗み…。

そうやって生きてきたんだ。

パパが? 真面目なパパが?

そんな生き方をしてると
この世のすべてが嫌になる。

自分のことも大嫌いになる。

嫌いな自分と生きていくことほど
苦しいことはない。

だから パパは

死ぬために死出の岬に行ったんだ。

(相原)そしたら
そこに ママが来て…。

(相原)パパは 死ぬ前に
誰かに聞いてもらいたくて

ママに自分の気持ちを話し始めた。

ヤツら
金を全部持って逃げちまった。

それで ようやくわかったよ。

人なんか誰も
信用するもんじゃねえって。

もう…
生きてたってしようがない

(相原)てっきり
慰めてくれると思ってたのに…。

くだらない。

え?

そんなことで死ぬなんて
ホントにくだらない。

くだらない?

そんなんで
死のうとするくらいなら

私と代わってほしい。

私とこの子には 生きていく
理由なんて一つもない

そのあと ママと2人でここに来て

このクレープを食べながら
いろいろなことを話した。

ママは パパよりも深い
絶望を抱えていたんだ。

全力で愛し 愛された恋人を

ひき逃げ事故で失っていたんだ。

うめえな。

ありがとうございます

パパはママに誓ったんだ。

君と 君のおなかにいる
子どものために生きるって。

そしたら
目の前が一気に明るくなった。

これから生まれてくる
春海と一緒に

パパも生まれ変われるんじゃないか
って思った。

だから パパは
春海に命を救われたんだ。

春海は 命の恩人なんだ。

もういい。

春海。

もういい わかったから。

パパ 春海のこと必ず守るから。

は~い。
2人の大好物ができたわよ。

うわ~ おいしそう!

おいしそう?

ありがとう。
いいえ。 フフフ

会いたいな。

会いたいな。

会いたい。

会いたい。

あら。

夕雨子さん?

そっくりだわ。

え?

お二人の泣き顔 そっくりだわ。

同じ食べ物を食べて
一緒に生きてきたんですものね。

やだ 似てない。

似てるよ。

似てない。
似てる。

パパと春海はそっくりだ。

似てないって!

そうやって
自分を曲げないところも

そっくりですね。

そうね。

もう!

<翌日 2人は膳さんから
クレープのレシピを教わって

ここをあとにした>

たいへん お世話になりました。

また来てね。

うん。 また一緒にケバブ食べようね。

えっ いつ食べたんだ?

お父さん いじめっ子への制裁は
穏便に ですよ。

はい。

では また。

人って変わるもんですね~。

まさか あのときのヤンキーくんが

あんな立派な
大人になってるなんて。

思い出せないはずですよ。

いや よく思い出しましたよ
そのヤンキーくん。

お父さんが怒ったときの
あの目つきですよ。

目つき?
そう あの目つき。

誰だ ソイツ?

えぇっ!?

アンタにも娘がいるなら
わかるだろ!

なるほど。 確かに
あの目つきは強烈だったな。

それで 思い出したってわけです。

ウフフ ステキな親子でしたね。

すべては 愛。

フフフフフ。
(鼻歌)

あっ それより膳さん
驚きましたよ。

相原さんから聞いたんですけど
膳さんて 娘さんいたんですよね?

えっ いないけど?
え?

そう言ったほうが
話が盛り上がるかな~と思って。

ウソ… 私 膳さん

どんなステキなお父さんなのかなって
いろいろ想像したんですよ。

うわっ だまされた~。

膳さん お手紙が来てますよ。

は~い。 ありがとう。

あっ ちょっと
休憩行ってくるね~。

休憩? わざわざ言わなくても
いつも休憩してるくせに。

すももちゃん
ちょっと手を貸してくれる?

はい。

こんな感じでいいですか?

えぇ よかったわ。
このまま伸びていくと

途中で ポキって
折れてしまうとこだったからね。

はい。

私みたいにならないで済んで。

ん?

あっ いえ… お水汲んできます。

<最果てから徒歩5分。

ここにいることが心地よくて

瞬く間に 時は過ぎていく。

でも いつまでも
逃げ続けることはできない>

<逃げていても 自分が犯した罪が
消えることはない>

一房のぶどう
何粒あるか 数えられる?