土曜ドラマ9「最果てから、徒歩5分」第5話[字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
土曜ドラマ9「最果てから、徒歩5分」第5話[字]
ギルダに来た鮎川(諏訪太朗)は、かつて多くのスクープ記事を飛ばしたと息巻く。しかし、鮎川は定年退職した日に、妻に離婚届を突きつけられていた…◆4K制作番組
詳細情報
番組内容
ギルダに来店した鮎川史郎(諏訪太朗)は、かつて多くのスクープを飛ばした雑誌記者。他の客の迷惑も考えぬままに、大声で過去の栄光を息巻いている。そんな鮎川が夕雨子(内山理名)に対し「どこかで見たことがある…」と言い出したことから、夕雨子の過去を詮索されたくない息吹(柳俊太郎)は、すもも(岡田結実)と結託し鮎川を追い出そうとする。
番組内容続き
しかし、鮎川はその厚顔無恥な様子とは裏腹に、定年退職した日に妻から離婚届を突き付けられていた。鮎川もまた“生きるか死ぬか”で迷っていたのだ。「崖で俺の背中をおしてくれないか…」と申し出る鮎川に対し、夕雨子は笑顔で「おしますよ」と応える。2人は志手の岬に向かうが…
番組概要
「生きること」も「死ぬこと」もできず、自殺の名所『志手の岬』から徒歩5分にあるオーベルジュ・ギルダを訪れた幸田すもも(岡田結実)。店主の白石夕雨子(内山理名)の言葉を受け、店員の是枝息吹(柳俊太郎)やシェフの大森膳(竹財輝之助)と共に、住み込みで働くことになる。最果ての地のオーベルジュだけに、訪れる客はそれぞれワケありで…『不倫でバッシングされている女優』『定年退職した日に離婚を突き付けられた男』ーー
番組概要続き
彼らは滞在を通して“生きること”を選び、再生してゆく。その様子を目の当たりにし、すももの心境にも変化が生まれる。しかし彼女は、夕雨子の秘密を知りーー!?崖っぷちのオーベルジュで紡がれる、悲劇と喜劇のヒューマンドラマ
出演者
幸田すもも … 岡田結実
是枝息吹 ギルダの従業員 … 柳俊太郎(※柳は旧字)
大森膳 ギルダのシェフ … 竹財輝之助
鮎川史郎 元雑誌記者 … 諏訪太朗
萩原吐夢 ギルダの客 … 水間ロン
鮎川英里子 鮎川の妻 … 渡辺杉枝
鮎川舞 鮎川の娘 … 若菜
出演者続き
宇佐美海斗 警官 … 本田剛文
ユココ … 蛭田愛梨
大森沙良 膳の娘 … 加藤小夏
馬場結 志織の娘 … 磯村アメリ
馬場志織 シングルマザー … 谷村美月
マーガレット『七人姉妹』の店主 … 宮崎美子
白石夕雨子 ギルダのマネージャー … 内山理名
原作・脚本・監督
【原作】糸井のぞ「最果てから、徒歩5分」(新潮社バンチコミックス刊)
【脚本】川﨑いづみ
【監督】大内隆弘、小路紘史、祖山聡
音楽
【主題歌】Chara「A・O・U」(日本コロムビア)
制作
【制作】BSテレ東/PROTX
【製作著作】『最果てから、徒歩5分』製作委員会2022ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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キーワード出現数ベスト20
- 夕雨子
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(すもも)私は お母さんを
殺してしまったかもしれません。
< すもも:私はようやく
自分の罪を告白した>
(夕雨子)あら パイが焼けた。
< そんな私を 夕雨子さんは
マギーさんの店へと連れていった>
(マーガレット)最果ての地に
たどり着いた
3人の女に 乾杯!
夕雨子ったら
まるで人魚姫みたいだったわ。
そのうちにわかったの。
この子
記憶を失ってるみたいだなって。
< そして その日の帰り道…>
(栄一)すもも? 今どこにいる?
(すもも)お兄ちゃん 私…
帰らない。
おい すもも!
ごめん お兄ちゃん。
今 家に戻ったら
元の私に戻ってしまう。
私 変わりたいです。
(膳)よろしくね すももちゃん。
<私は 自分の意思で
この最果ての地で
働き続けることを決めた>
あの ちょっといいですか?
ん?
こんなもの作ってみたんですけど。
へぇ すごいじゃない
すももちゃん センスある。
ホントですか? このアプリ
若者の間で すっごく人気で
お店の宣伝にもなればなと思って。
なるほど。
(息吹)そうかぁ?
あ もう一個 作ってみましたよ。
おぉ~ 決まってるねぇ 息吹くん。
まぁ それほどでも。
(すもも)ウフフッ。
ハハハハ いいね!
却下! 却下 却下!
夕雨子さん なんで
すももに この写真送んだよ。
あ そういえば
夕雨子さんのも作ってみました。
え?
(膳)うわぁ これもいいね~。
夕雨子さんのコーヒー目当ての
お客さん増えるんじゃない?
ですよね。
ちょちょ。
えっ ちょっと。 ちょっと!
もう忘れたのかよ。
何を?
何をって だから…。
夕雨子さんには アイドルをしてた頃の
記憶がないんだ。
いや 忘れてないけど。
じゃあなんで あんな動画
拡散しようなんて気になんだよ。
あれ見て 当時のファンが
ここに来たらどうすんだよ。
もし夕雨子さんに 昔のこと
思い出させるようなことに
なったら…。
でも…。
でも なんだよ?
私も何か
お店の役に立ちたいと思って。
だから
こういうことじゃなくて…。
ん?
(鮎川)アンタ どっかで見た顔だな。
え?
なんだよ
ビールくらいで こんな待たせてよ。
おい! ビールまだかよ?
少々お待ちください。
いらっしゃいませ ギルダへようこそ。
こちら メニューとなっております。
本日のおすすめは
彩り野菜の気まぐれパスタと
なっております。
ありがとうございます。 では
お出口までご案内いたします。
どのくらい待つんだ?
ここはよ~。
おぉ ところでよ
俺 何に見える?
(宇佐美)あ~ いや~。
俺な こう見えても この前まで
出版社で
バリバリの記者だったんだぜ。
あぁ そうなんですか。
信じてねえだろ この野郎。
いやいや そんなことは。
すみません お待たせしました。
おう 来た 来た 来た 来た。
あぁ~。 ちょっと時間ある?
あのな 俺 この間 出版社
辞めたばっかなんだけどよ。
あ もちろんな クビじゃねえよ。
周りに惜しまれながらも
定年退職ってやつだよ。
『週間文潮』って知ってるよな?
知ってるよな? 『週間文潮』。
あ はい はい。
この43年な そこでもう
いろんなスクープ記事
書いてきたんだけどよ。
あ ほら 女優の不倫相手がさ
洗濯機に隠れた
ランドリー不倫ってあったよな?
あったよな? なぁ?
知ってるよな?
あれスクープしたの
何を隠そう この俺だよ。
すげぇだろ? アハハハハ!
すみません 騒がしくて。
(萩原)いえ。
あっ そうだ…。
ごちそうさまでした!
僕は このへんで。
ちょ ちょっと待て。
もっとおもしろい話が…。
失礼します。
また今度…。
ちょ ちょ… 何するんですか?
警官を確保するつもりですか?
お前 なんであんな面倒なおっさん
連れてきてんだよ。
いや だって…。
ん~ 今日は快晴 僕も絶好調!
あれ…
あぁ ちょっと ちょっと!
早まっちゃいけませんよ!
死んじゃいけない!
死んじゃいけない!
死出の岬に?
はい。
でも 自殺じゃない
俺は観光しに来たんだ
って言うから
ここにお連れしたんです。
(鮎川)あんまりいないよな
ピンクってな。
金髪とかさ
なんかいるんだけどさ。
(すもも)あ そうですね。
では 皆さんの安全と
笑顔を守るため
パトロールがありますので!
え おい!
ハッハッハッハッハッ。
これでもな
文潮の鮎川っていったら
業界じゃ結構知れた名前なんだぜ。
へぇ なるほど。
なるほど ハッハッハッハッ。
まぁ だけどよ 職場は毎日
戦場みたいなもんだったよ。
新人なんてよ
逃げるように辞めてくしよ。
けど 俺は ガキの頃から
じいちゃんに口すっぱく言われて
生きてきたからな。
男は強くあれって。
どんなつらいことがあっても
決して泣くな。
家族を養いながら
与えられた仕事をやりきってこそ
真の男だってな ヘッ。
真の 男…。
お待たせいたしました。
あ ありがとうございます。
おい そこの兄ちゃん。
え? ぼ 僕ですか?
そんなにビクビクしてたら
まともな仕事できねえぞ。
あの…。
なんだ 姉ちゃん。
姉ちゃん?
いや なんでもないです。
いいか兄ちゃん? 男はな
時にはハッタリも必要なんだよ。
先に やれるって言ったらな
なんとかなるんだよ。
俺だってそうだったよ。
やれるって言ってからな
どんどん
スクープ取れるようになったんだよ。
そんなもんだよ な?
ハッハッハッハッ。
そんなもんだよな ハハッ。
あ~あ。
(鮎川)おい どこ行くんだよ?
次のお料理が。 失礼します。
おい アンタ。
あ はい?
いや じゃなくて そこのアンタ。
アンタ やっぱり
どっかで見た顔なんだよな。
どこだったかなぁ。
アンタみたいなべっぴんさん
忘れるわけないんだけどなぁ。
おかしいな。
あの…。
すみません!
あ はい。
お会計 お願いします。
かしこまりました ではこちらに。
騒々しくて すみませんでした。
いえ。
またどうぞ。
はい。
おい アイツ追い出すぞ。
でさ どっかで会わなかった?
会ってない?
アイツ 雑誌の記者だったんだろ?
昔の夕雨子さんを知ってても
おかしくない。
さっきも夕雨子さんのこと
どっかで見たって。
あの… そもそもなんで
アイドルやってたときのこと
思い出させちゃダメなんですか?
だから言ったろ?
いろいろあったんだ。
その いろいろって…。
とにかく
アイツ追い出すから
俺に任せとけ。
うひょ~!
これ うまそうだな どれどれ。
ん! こんなド田舎で
こんなうまいもん食えると
思わなかったぜ。
ん~ うまいわ。
いや 仕事でな
いろんなうまいもん食ってきた
俺が言うんだから間違いねえよ。
偉いヤツの取材やら接待やらで
毎晩のようにつきあわされてさ
舌が肥えちまったんだよ。
フフ そうですか。
ああ。
まぁ そのおかげで
いい仕事ができたんだけどな。
何本も企画立てて 会議で戦って
取材に行って飲んだあと
また会社に戻って原稿書いて。
校了前は
編集部で寝るのは当たり前。
家族から 会社の近くに
部屋借りたほうがいいって
説得されたよ。
俺の体が心配だってな。
けど そんなのは無用だって
言ってやったよ。
俺はそんなにヤワじゃねえからな。
ハハハハ!
ステキなご家族ですね。
え?
うらやましいかぎりです。
そうか? そうか! ハハハッ。
でも それって
心配してるんじゃなくて
別の意味があったりして。
別の意味?
息吹さん。
息吹くん。
家族からすると
毎日深夜に帰ってきて
家の中をドタバタされるのが
迷惑だったからじゃないかって。
要するに
他に家を借りろっていうのは…。
あなたは家にいなくても
困らない存在だ
っていうことですよね。
英理子:あなた これに
名前を書いてもらえませんか?
お前。
お願いします
ハァー。
姉ちゃん 勘定。
(すもも)あ はい。
(夕雨子)お客様…。
最悪の店だな。
よし。
もう 息吹さん。
これで ひと安心だな。
そりゃそうだけど。
ひと安心って
どういうことかしら?
あ いや これはその…。
いや だって あのおっさん
他の客に絡んだり
つまんねえ話を
いつまでも ああだこうだして。
なぁ?
ねぇ 息吹くん。 私 久々に
どうどう堂の
どら焼きが食べたいわ。
え!?
あのたっぷり餡の詰まった
生地にふんだんに卵を使った
あの他にはないどら焼き。
行ってきてくれるかしら?
2人で。
え 私もですか?
行ってきてくれるわよね?
あ~ だりぃ。
こっから45分かかんだぜ?
えっ 片道45分?
相当怒らせたな。
これは あの人からの罰だ。
罰?
あの人
怒らせると怖いんだよな。
車が修理中なのを知ってて
わざと俺らに
お使いを頼んだんだぜ。
ちょっと
やりすぎたんじゃないんですか。
ったく 人の気も知らないで。
(すもも)あ フフッ すっご!
海キレイだなぁ フフフッ。
なぁ。
ん?
アイドルユココって どんなだった?
え?
いや 俺ほとんど知らねえんだ。
子ども番組に出てたんだろ?
うん。
ユココちゃんはね
ホントにキラキラ輝いてたの。
子どもたちに 魔法の歌声で
夢と元気を与えてくれたの。
(息吹)ふ~ん。
つらいときも 悲しいときも
ユココちゃんの存在に
どれだけ救われたか。
そっか。
でも テレビの中の人間に
よくそこまで執着できんな。
テレビの中だけじゃないもん。
お父さんに頼んで
イベントに連れてってもらったことも
あるんだよ。
お母さんには ないしょで。
私もなりたいものに
なれるかな?
ユココちゃんみたいに。
もちろんよ。
強く願えば きっとなれる。
すももちゃんは
なんにでもなれる。
どんな人生も選べるのよ。
ユココちゃん
そのとき彼女がくれた言葉は
私の宝物なの。
突然引退しちゃったあとも 今も。
ユココがアイドルを辞めた理由は
知らないの?
うん。 当時は子どもだったし
大人になっても
大切な人の過去を探るのは
ちょっと気が引けて…。
これはさ…。
じいちゃんから
聞いた話なんだけど。
アイドルしてたとき 狂ったファンに
車で追っかけられて
交通事故に遭ったんだ。
その事故で両親が亡くなって
彼女だけが生き残った。
(タイヤのスキール音)
ねぇ! お父さん! お母さん!
ねぇ お父さん!
ねぇ!
ねぇ お父さん! お母さん!
ねぇ
ウソ…。
あの人にとって
アイドルだったことは
いい思い出なんかじゃないんだ。
だから
思い出させたくないんだわ。
思い出したら きっと苦しむ。
両親が死んだのは
自分のせいだって 苦しむ。
それを 一生
背負わなきゃならないんだ。
わかった。 私も協力する。
私も 夕雨子さんが
つらい思いしてるとこ
見たくないし。
ありがとう。
《私と同じように
この人にとっても
夕雨子さんは特別な人なんだ》
え?
ん?
あ いや。
行くぞ。
まさか 夕雨子さんに 恋?
あ ちょっと待って!
ちょっと待って ちょっと待って。
フッ 胸クソの悪い店だったな。
(メール着信音)
ハッハッ やっと冷静になったか。
お前がこの先
俺なしで一人で生きていけるわけ
ないんだよ。
(呼び出し音)
おい 英理子! お前 いったい今
どこにいるんだよ!
おかけになった
お電話番号への通話は
おつなぎできません。
おかけになったお電話番号へ…。
英理子…。
ハァ…。
あら おかえりなさい。
何かお忘れ物ですか?
あの兄ちゃん呼んでほしいんだ。
え?
ほら あの失礼な若造だよ。
息吹くんなら
お使いに出ています。
なら コックは?
仕込み中ですが。
ハァ…。
頼みたいことがあんだよ。
あの岬で
俺の背中を押してほしいんだ。
自分じゃあ
どうやっても無理なんだよ。
だから…。
ええ 押しますよ。
え?
私でよければ。
アンタ 変わった女だなぁ。
そうですか?
そうですかじゃねえよ。
赤の他人の自殺幇助を
引き受けるなんてよ。
よっぽど肝が据わってるか
狂ってるかのどっちかだ。
どちらでしょうかね。
フフッ アンタだけじゃねえよ。
女なんて 何考えてるか
サッパリわかんねえや。
34年間連れ添った女房でもな。
なんせ 退職したその日に
いきなり
離婚届 突きつけやがった。
ホントにビックリしたぜ。
仕事一筋 浮気はゼロ。
贅沢とは言わねえが
それなりの生活は
させてきたつもりだよ。
だったら
うち出てけって言ってやったよ。
英理子:これに
名前を書いてもらえませんか?
お前な 誰のおかげで
飯食えてると思ってんだよ!
(舞)ちょっと やめてよお父さん。
あぁ そうか。 だったら2人とも
このうち出てけ!
(鮎川)そしたら…。
出ていかなきゃいけないのは
お父さんのほうだよ。
なんだと?
お前は口出しするな!
お父さんは
ずっと働いてただけで
全然 私たちと
向き合おうとしなかった。
私の運動会も授業参観も
来てくれたことなんて
一度もなかったじゃない。
それはなぁ
仕事だからしようがないだろ!
お父さんは
お母さんを家に縛りつけて
好きな仕事してきただけじゃない。
なんだと?
私を自由にしてください。
私をこの家から あなたの元から
自由にしてください。
お願いします
(鮎川)バカ言ってんじゃねえよ。
俺が頑張って働いてきたのは
家族のためだろ。
なぜそれが
わかってくんねえのかな。
なぁ アンタもそう思うだろ?
なんだよ。
言いたいことがあったら
言ってみろよ。
そうですか じゃあ…。
奥様との出会いって
どんなだったんですか?
え? 俺たちの出会い?
ええ。
(鮎川)そのころ
俺は焦ってたんだよ。
同僚は どんどんスクープを飛ばすのに
俺は鳴かず飛ばずで。
その日は 夏の暑い日で
取材対象の張り込みで5時間以上。
俺は倒れる寸前だった。
あのう…。
(英理子)よかったらどうぞ。
お水
(鮎川)女神だと思った。
隣の喫茶店で働いてる子でな。
それが今の女房だ。
ステキな出会いですね。
まあな。
アイツは よく気のつくヤツだった。
俺のことも
よく世話してくれてな。
それで
奥様はどんな方なんですか?
え? どんな?
ええ。
だから言ったろ 女房は…。
よく気が利いて
あなたのお世話をよくした方
ということは よくわかりました。
けど 私が知りたいのは
そんなことではなく
奥様の好きなものは
なんですか?
え?
どんな食べ物が好きで
どんな本が どんなドラマが
どんな花の香りが
好きなんですか?
はぁ? なんでそんな
つまんねえこと聞くんだよ。
つまらない?
ああ。
奥様の好きなものは
あなたにとって
つまらないものなんですか?
いや そうじゃなくて。
そうじゃなくて…。
知らねえんだよ。
34年も一緒にいたら
どこだってそうだよ。
それに ろくに話もしないし。
アイツはわざわざ そんなこと
いちいち言わねえよ。
本当に
何も言わなかったんですか?
(ドアの開閉音)
おい。
あ おかえりなさい。
あ~ 疲れた 疲れた。
あの 夕食は?
あぁ 食べてきた。
そうですか。
ハァ。
楽しい話をしよう。
はい。
乾杯。
乾杯。
結構強いじゃん お酒。
そうですか?
少し君のことが
わかってきたかな。
そんな現実感のないドラマで
楽しめるなんて
主婦はお気楽だな ハハ。
こんなに楽しい時間を過ごせる
ステキな相手…。
(テレビを消す音)
あの 相談があるんですけど。
え? なんだよ。
ここで その…。
働きに出たいのか?
ええ。
うちのこと どうすんだよ?
忙しい俺に
家事させるつもりかよ?
それはお前 今更 無責任だろ。
そんなことよりさ
早く飯にしてくれよ。
腹減っちゃったよ
俺が アイツの話を
聞こうとしなかっただけなのか。
だからアイツは
何も言わなくなったのか。
俺が アイツの気持ちを
ずっと無視して
ずっと踏みにじってきたって
ことなのか?
あっ あぁ…。
どこに行くんですか?
え? アイツのとこだよ!
ちゃんと謝って
ちゃんと話聞いて…。
アイツは気の優しいヤツだからな。
今はダメでも きっといつか
俺を許してくれるよ。
もうとっくに終わってたんだな。
アイツの中じゃ
もう俺のことなんか
何十年も前に見限ってたんだ。
ハハッ ハハハハッ ハハッ…。
ハハッ ハハハハッ…。
ハハハハハッ!
なぁ アンタもう帰っていいぞ。
今だったら
アンタに背中押されなくても
自分で飛べそうな気がする。
《ごめん 英理子。
お前は最高の妻だった》
《お前は
いつも俺に寄り添ってくれた。
俺は最低の夫だった》
あら あそこ。
え?
あっ!
あなたより先に
飛んでしまいそうです。
どうなさいますか?
おい! やめろ~!
(鮎川)何やってんだ!
(萩原)放してください!
死なせてください!
バカなこと言うな!
君みたいな若いヤツが死んで
どうすんだよ!
もうダメなんです 何もかも。
仕事も人生も何もかも。
僕は あなたみたいに
強い男じゃないから。
俺が強い? どこがだよ。
俺だってな
ここに死にに来たんだよ。
え?
寂しくてよ。
女房に捨てられて
これから死ぬまで
一人で生きていかなきゃなんねえ
と思うと
寂しくて たまんなかったんだよ。
え あ あ あの…。
なぁ 君の話 聞かせてくれないか。
君は どんなものが好きなんだ?
どんな食べ物が どんな本が…。
どんなドラマが好きなんだ?
そんな 僕の好きなものなんて
あなたにとってはどうでも…。
どうでもよくない!
どうでもよくないよ。
なぁ この寂しい定年オヤジの
話し相手になってくんないか?
俺な 時間だけは
たっぷりあるからさ。
やっぱり 飛べなかった。
< すもも:そのころ
私たちはというと…>
(息吹)げ! マジかよ!
夕雨子さん これを知ってて?
いや それは思いたくない。
知ってたんだとしたら
あまりに冷酷すぎる。
あ 膳さん。
もしもし?
早く帰っておいで。
おいしいのが焼けたから。
じゃあね~。
え?
(すもも)ただ今 帰りました。
え これって…。
どういう状況?
はい
どうもありがとうございます。
(すもも)これは…。
いただきます。
いただきます。
ん おいしいな これ。
おいしいですね。
う~ん。
君 格闘技 好きなんだって?
はい。 でも
こんなひ弱で男らしくない僕が
格闘技好きって
なんか
人に言うのが恥ずかしくて。
俺も好きだよ。
あの 特にさ
ルー・テーズとか カール・ゴッチとか。
あ 伝説のファイターですよね。
お! 若いのによく知ってんな。
ハハハハハッ。
まぁ でもさ 今の時代
男らしくないとか 男らしいとか
そんなこと
考えなくていいんじゃないの?
あのう…。
僕 孤独だったんだと思います。
よし 今日はさ
ジャンジャン飲もうよ ね?
フフフッ。 お姉さん コーヒー2つ追加。
は~い。
さすがは雑誌記者さん
お話し上手ですね。
あ いや そうなんですけど。
あ これ2人の分ね どうぞ。
いっただきま~す。
え? 切り替え早っ!
ウフフッ ん~!
ん~! おいしい!
ホント女神!
女神?
そこ男女で分ける必要あんの?
ん マジ女神。
ほら 食べ方下手。 ンフフフフッ。
いや そうじゃなくて。
あのおっさん 夕雨子さんのこと。
どうぞ。
あ! 思い出した。
まずい。
そうだった そうだった。
ちょっとな これ見てくれよ。
お客様…。
かわいいだろ?
あ かわいいですね~。
このチワワ アンタに似てるよな?
え?
ほら 似てるよな?
似てるよな?
なぁ どう? 似てるよな?
似てるだろ? 似てるよ~。
なんだよ チワワって。
いろいろ 気遣って損した。
似てるよな? な? アハハハハ な。
いや~ ハハハハハ…。
ありがとうございました。
こちらこそ ありがとう。
またぜひ いらしてください。
ああ。
はい。
じゃあ。
帰ったら一緒に格闘技見ようか。
あっ ぜひ!
(マーガレット)はい お疲れさま。
Merci.
私も 1杯いただいちゃおうかな。
あのさ 僕たちって…。
ん?
僕と 息吹くんと 夕雨子さん。
不思議な3人だと思わない?
そうよね。
流れ者のシェフと 流れ者のホストと
流れ者の…。
僕たちは 何も知らないんだ。
何を?
それぞれが
それぞれの何を知っていて
何を知らないのか。
ねぇ 膳。
ん?
夕雨子が来て 7年になるわね。
そうだね。
もうすぐ…。
(ドアの開く音)
いらっしゃい!
(マーガレット)まぁ お久しぶりですね。
どうぞ
いつものお気に入りの フフフフ。
すもも。
あっ。
あのさ…。
やっぱ これ返すわ。
それ 大事なものなんだろ?
うん。
え?
ステッカーがない。
え?
あっ どっかで落としたかも。
ひどい。
なくしたってことですか?
いや 絶対見つけるから。
あれ?
いや 当たり前ですよ。
お それ挟まってない?
挟まってない!
え~ 俺かな?
俺に決まってますよ。
ちょっと
ホントに見つけてください!
俺? まぁ 俺か。
いや 俺ですよ。
< すもも:でも
ユココのステッカーは見つからなかった>
ポケットとかに入ってない?
いや なんで私のポケットに
入ってるんですか。
いや わかんねえじゃん そんなの。
(夕雨子)ユ コ コ。
< そして翌日>
(結)ヤダ ヤダ ヤダ ヤダ お子様ランチ!
(志織)結ちゃん お願いだから
ママの言うこと聞いて。
ヤダ! だってお腹減ったもん。
ねぇママ お腹空いた!
お子様ランチ食べたい!
そんな店 こんなところに
あるわけないでしょ。
(沙良)ありますよ。
え?
(沙良)とってもおいしい料理を
作る人がいる店が。
あの…。
え 行きましょう?
私の目的地も そこなので。
オーベルジュって わかります?
宿泊もできるレストラン。
オーベルジュ・ギルダ。
私の父が そこで働いてるんです。
<ギルダで 新たな騒動が
起ころうとしていた>
ハンドルから手を放して
車がひとりでに
道を走る日が来るかもしれない。