未来への10カウント 【最終章・拡大スペシャル!!】 #8[字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

未来への10カウント 【最終章・拡大スペシャル!!】 #8[字]

超問題児・西条(村上虹郎)が、脳動脈瘤でボクシングを断念。さらには桐沢(木村拓哉)も、大きな人生の選択を迫られてー!?さらに、葵(満島ひかり)から桐沢へ衝撃の告白が…!?

◇番組内容
ボクシング部一番の実力者・西条(村上虹郎)が、脳動脈瘤を抱えていることが発覚し、ボクシングを断念するよう医師から宣告される。そんな中、コーチ・桐沢(木村拓哉)も、新たな生き甲斐となっていたコーチ続投か、焼き鳥店の再開かー大きな人生の選択を迫られることに。そして、再び葵(満島ひかり)の家を訪れた桐沢に対し、葵から驚くべき告白が…!?
クライマックスに向けて、次々と衝撃の展開が…!!
◇出演者
桐沢祥吾…木村拓哉
折原葵…満島ひかり
甲斐誠一郎…安田顕
伊庭海斗…髙橋海人(King & Prince)
水野あかり…山田杏奈
西条桃介…村上虹郎
日比野雅也…馬場徹
坂巻勝夫…オラキオ

玉乃井竜也…坂東龍汰
友部陸…佐久本宝
西山愛…吉柳咲良
江戸川蓮…櫻井海音
天津大地…阿久津仁愛
森拓己…大朏岳優
◇出演者2
間地真実…八嶋智人
矢代智香…山口まゆ
野崎太一…三浦りょう太
槙浩介…富樫慧士
折原楓…滝沢カレン
折原圭太…川原瑛都
井村和樹…石黒賢
芦屋珠江…市毛良枝
大野倫子…富田靖子
大場麻琴…内田有紀
猫林はじめ…生瀬勝久
芦屋賢三…柄本明
◇脚本
福田靖
◇音楽
林ゆうき

【主題歌】
B’z『COMEBACK -愛しき破片-』(VERMILLION RECORDS)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】横地郁英(テレビ朝日)
【チーフプロデューサー】黒田徹也(テレビ朝日)
【プロデューサー】川島誠史(テレビ朝日)、都築歩(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
◇監督
星野和成
◇おしらせ
☆番組HP
 https://www.tv-asahi.co.jp/10count/
☆Twitter
 https://twitter.com/miraten_tvasahi
☆Instagram
 https://www.instagram.com/miraten_tvasahi/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

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  16. 友部
  17. 伊庭
  18. 演劇部
  19. 気持
  20. 京明

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(小春)ネコ界隈が
ざわついてるみたい。

ホシを挙げる!
(捜査員たち)はい!

(猫林はじめ)脳動脈瘤…。

(大場麻琴)
ボクシングが原因なの?

(折原 葵)そうではありません。

でも お医者さんは

もう ボクシングは
できないって…。

(長谷川一隆)
3ミリ程度の動脈瘤です。

(西条桃介)
ボクシングはできますか?

(長谷川)無理です。

(麻琴)西条くんは?
今日は学校に来てません。

ショックを受けて当然です。

そりゃそうだ…。

もう ボクシングなんて
言ってられないわね。

体が一番大事なんだし…。
わかってるよ。

(間地真実)かわいそうだけど
しょうがないんですよ。

(坂巻勝夫)折原先生が嘆いたって
どうしようもないんだって。

西条には ボクシングの才能は
あったのかもしれない。

来年のインターハイ予選を
勝ち抜く可能性があるのは

西条だけでしょう。

他に誰も京明高校に
勝てるわけないんだから。

一体 なんの話を
してるんですか?

京明に勝てないとなると
桐沢コーチは解雇だ。

(坂巻)泣きたいのは
桐沢先生のほうですよね。

はい そういう事。
そういう次元の話じゃ

ないんじゃないですか?
あっ あっ あっ… その目!

高校の時
僕をカツアゲした奴の目だ!

(倫子)間地先生 こんな時に
どうして そんな事を?

坂巻先生も日比野先生も
無神経すぎますよ!

言っときますけどね

しょうがないって言ったのは
嫌みじゃありませんよ。

だって…
だって ボクシングだけが

人生じゃないから。
(坂巻)そう!

それを教えてあげるのが
教師の役目じゃないですか?

そんな簡単に割り切れるわけ
ないじゃないですか!

西条くんの気持ちにも
なってあげてくださいよ!

(倫子)そうですよ!
何? いきり立って…。

何? 何? 何?
何? 何? 何? 何…?

部活の時間なんで。
(間地)おお…。

折原先生 どうします?
行きます!

(倫子)大丈夫?
大丈夫です。

(戸の開く音)

ビビった~…。
一瞬 殴られるかと思った!

ああ…。

あの…。
はい。

先生たちが言ってるように
折原先生が嘆いてちゃ駄目ですよ。

わかってます…。

でも 部員たちに
どう伝えましょう?

本当の事 言うしかないでしょう。

…はい。

だから 次の関東大会も
来年のインターハイ予選も

西条抜きで戦わなきゃならない。

(友部 陸)僕が減量して
フライ級 移ります。

だから 桃介がバンタム級で…。

そうすれば 一人でも
京明に勝てる可能性が広がります。

そういう話 してる場合じゃ
ないんだよ。

命に関わる問題なの。

西条は ボクシング部を
やめるんですか?

…そうかもな。

(玉乃井竜也)嫌です。

俺は あいつと
喧嘩別れみたいになって…。

あの時は許せなかったし
今だって…

あんな生意気な奴 顔見ただけで
絶対ムカつくけど…。

俺は あいつと また一緒に
ボクシングやりたいです。

本当に 西条くんは
もう ここには来ないんですか?

♬~

現実を受け止めろ。

人生 生きてれば
こういう事だってあるんだよ。

どうにもならない事っていうのは
あるんだよ。

♬~

ねえ ママ どうしたの?

今日は
そっとしておいてあげようか。

圭太 寝よう。
うん。

(楓)寝よう 寝よう。

動脈瘤?
(西条)もし 破裂したら?

重大な障害が残るか
死に至る可能性も…。

♬~

(桐沢の声)
じゃあ 当ててみろよ ほら。

シュッ シュッ シュッ シュッ!

(西条の声)ボクシングは?

ボクシングはできますか?

(長谷川の声)無理です。

♬~

(2人)おはようございます。
おはよう。

(2人)おはようございます。
おはよう。

(2人)おはようございます。
おはようございます。

あっ おはようございます。

西条くん 今日 学校来ますかね?
さあ…。

昨夜は眠れませんでした 私。
西条くんの事 考えちゃって…。

うちらは何もできませんよ。

あいつが立ち直るには
まだ 時間…。

おっ 先生 おはようさん。

西条くん!

まあ そういうわけで

ボクシング部
やめさせてもらいますわ。

なんせ
頭に爆弾抱えてるもんで…。

ちょっと かっこよくないですか?
頭に爆弾。

ボクシングやめて
どうするんだよ?

演劇部 入りました。

演劇部!?

俺が ボクシングやめた言うたら
ぜひ入ってくれ 言われて。

しゃあないから 部室行ってみたら
かわいい子ばっかりやねん。

その中で 男 俺一人。

あれっ… そういうの
なんていうんでしたっけ?

折原先生。
えっ? あっ… ハーレム?

そう! ハーレム… ハーレム!

せやから もう 学校来るの

むっちゃ
楽しみになってきましたわ。

まあ… ほな さいなら。

桐沢さん…。

あいつがいいんだったら
いいんじゃないですか。

♬~

(一同)あ え い う え お あ お。

か け き く け こ か こ。

さ せ し す せ そ さ そ。

本当だ…。

西条が…。
(愛)演劇部にいる。

マジか…。
(江戸川)なんでだよ?

全然 似合わない。

本当に ボクシング
やめちゃったんだ 桃介…。

(一同)ま め み む…。

(玉乃井)シュッ シュッ!

玉乃井! 上ばっかり狙うな。

上下 打ち分けろ。
はい。

水野! 攻撃ばっかりで
ディフェンス できてないよ。

(あかり)はい。

もっと相手をよく見ろ!

手数が少ない。
なんのための対面シャドーだよ。

西山 止めろ。
(ゴング)

お前ら もっと集中しろよ。
怪我するぞ こんなんじゃ。

(ため息)

やっぱり
西条くんの事 気になるの?

そうなのか?

ボクシング部 やめるんだったら

せめて あいさつくらい
しに来てほしかったです。

ってか なんで 演劇部?

にやけて
発声練習なんかしちゃって…。

(愛)なんか ドライっていうか

最初から チームメートじゃ
なかったみたい…。

みんなの気持ちもわかるけど

一番大変なのは
西条くん本人なんだよ。

偉いと思うよ。 どうにか
気持ち 切り替えたんだから…。

だから もう みんなも
西条くんの事は 考え…。

考えないっていうのは
難しいのかもしれないけど…。

もう 西条は
ここの部員じゃないんだよ。

それは どうしようもない事
なんだけどさ…。

今は 自分が強くなる事を考えろ。

このメンバーで京明に勝って
インターハイ 出るんだろ?

そうだよ。
このメンバーで勝つんだよ。

本当に勝てるんですか?

勝てるよ。

もっと自分を信じろ!

じゃあ 俺を信じろ。

はい。
(友部)はい。

(部員たち)はい!

じゃあ もう一回 対面シャドー。
(部員たち)はい!

西山。
(愛)はい!

(愛)2分 始め!
(ゴング)

♬~

お疲れさまです!
お疲れさまです。

びっくりしました。
えっ?

「俺を信じろ」だなんて…。

今までの桐沢さんだったら
絶対 あんな事 言わなかった。

さっきは つい…。

なんか 自分でも…。

嬉しかったです。

それだけ。 失礼します!

あっ… また明日。

♬~

(携帯電話の振動音)

(井村和樹)
もし また 店をやりたければ

自分が持っている物件を
格安で提供するって。

祥吾くんに
そういう気持ちがあるなら

引き合わせてあげたいと思ってね。

♬~

(玉乃井)
俺を信じろって言われてもなあ。

(愛)うん…。

なんか… なんだろう?
このモヤモヤとした気持ち…。

(友部)桃介だよ。
もう なんなんだよ あいつ…。

(江戸川)そんな簡単に ボクシング
やめられるもんなんですか!?

(森)でも やったら
死んじゃうっていうんだから。

(天津)それにしたって…。

もう 桃介は忘れようぜ。

(玉乃井)最初から いなかったって
思えばいいじゃん。

忘れるんだよ!

今 できる事に集中しよう。

楓 天才!

うーん!

うーん! フフ…。

どうしたのかな? ママ。

なんか いい事あったのかな?
ねえ。

(楓)はい。
(圭太)ありがとう。

もっと自分を信じろ!

じゃあ 俺を信じろ。

フフッ フフフフ… フフフッ!

(大須賀礼一)大須賀と申します。
すみません 頂きます。

大須賀さん… あっ!

覚えてます。
よく うちにいらっしゃって…。

軟骨 お好きでしたよね?
(大須賀)ハハハ…!

やきとり大将の焼き鳥が大好きで
よく女房と2人で伺いました。

ありがとうございます。
(井村)その名刺にある

大須賀さんの会社の税務を
僕が任されていてね。

井村さんには
ずっとお世話になってます。

そうなんですか。

桐沢さんのお店がなくなった時は
もう 本当に残念で

今でも 女房と嘆いてるんですよ。

(井村)だから 祥吾くんが
お店を再開する気があるなら

ぜひ 協力したいと
おっしゃってるんだ。

(大須賀)元あったお店の近くに

居抜きで使える店舗物件が
あるんです。

広さは 前の店より
ちょっと大きいんですが

最低限の改装で 焼き鳥屋として
使えると思います。

へえ~。

でも どうして ここまで…?

(大須賀)私は とにかく

桐沢さんの焼き鳥が
また食べたい。 それだけです。

(井村)大須賀さんは 心から
そう思ってらっしゃるんだ。

どうする? 祥吾くん。

また 店ができるなんて

こんな ありがたい話
ないんですけど

でも まだ ピンとこなくて…。

そりゃそうだろうけど
やるなら 早く決めたほうがいい。

(大須賀)この物件は
他に問い合わせもきてるんで

できれば 1週間のうちに
決めて頂けませんか。

1週間!?

考えてみてくれ 祥吾くん。

はい…。

シュッ シュッ! シュッ シュッ!
シュッ シュッ シュッ!

シュッ シュッ!
シュッ シュッ シュッ シュッ!

シュッ シュッ!

シュッ シュッ シュッ シュッ!

(甲斐誠一郎)よう。

どうした? 桐沢。

こんな時間から
練習したいなんてさ。

話したい事があるんなら言えよ。

また 店 開けるかもしれないんだ。

えっ… やきとり大将をか?

史織のお兄さんが

物件 提供してくれる人を
紹介してくれて。

井村さんが…。
(ため息)

でも 正直 迷ってる。

どうして?
ありがたい話じゃねえか。

ピザの配達じゃ
将来の見通し 立たないだろ。

非常勤講師だって
金 もらってるし。

それだって 大した金額じゃ…。

ボクシング部のコーチも。

最初は 仕込みから何から
俺一人でやらないといけないから

非常勤講師なんて
とてもやってられないし。

(ため息)

でも 部活の指導者は
教職員じゃないと駄目だ

っていう規定が
松高にはあるんだよ。

要するに 迷ってるっていうのは

店を再開したら コーチを
辞めなきゃいけなくなるからか。

約束を破りたくない。

あいつらに言ったんだよ。

来年のインターハイには
必ず出してやるって。

なんだ? 情が移ったのか?
部員たちに。

当たりめえだろ
毎日 一緒に練習してんだから。

そうか。 ヘヘ…。
何 笑ってんだよ。

いやいや。 確かに悩ましいな。

よし やるか!

何やってるの?
えっ?

練習したいっつったの
お前だろ。

もうやったよ。
あっ?

1週間!?
はい。

1週間以内に返事をくれと
言われたそうです。

(芦屋珠江)
それで 桐沢さんは迷ってるの?

以前の桐沢を考えたら
こんなの信じられませんよ。

いつ死んでもいい
今 死んでもいいなんて

言ってたんですから。
(珠江)そうよねえ。

私は 桐沢さんが また

お店を開けるのが
一番いいと思うけど。

でも あいつは コーチも続けたい
って言ってんだよ!

でも 現実的に
これからの桐沢の生活を考えると

今のうちに 新しいコーチを
探したほうがいい…。

俺は あいつに コーチを
続けてもらいたいんだよ!

部員たちと約束してる
っていうんだったら

なおさらだよ!
はい はい…。

(芦屋)桐沢は ボクシングによって
生き返ったんだぞ!

俺は あいつのためを思って
言ってんだ!

確かに そうですけども 監督。
ええ…。

(珠江)この人はね
桐沢さんの事がかわいいのよ。

高校4冠だぞ。 ええ?

あいつは
俺の夢をかなえてくれたんだ。

俺の息子みたいなもんなんだ。
息子!

一応 僕 日本チャンピオンに
なったんですけど…。

ああっ!
はい…。

まあ… まあ それは偉かったけど
別の話だ。

♬~

長年 教師をやってれば そりゃあ
いろんな事 ありましたよ。

そりゃそうだ。

生徒が万引きで捕まっただのね

教師が不倫しただの。
(倫子)誰 誰!?

学校が燃えただの。

燃えた!?
(倫子)誰が不倫したんですか?

俺が言いたいのはね

西条くんの事にしたって

ボクシング部の
ゴタゴタにしたって

我々 教師が いちいち

過敏になっちゃいけない
っていう事。

そうですよ。 どーんと構えて
対応すればいいんですよ。

いちいち騒ぎ立ててるのは
間地先生たちじゃないですか。

僕が いつ騒ぎ立てました?

騒ぎ立ててるのは
坂巻先生とか日比野先生でしょ。

ちょっと ちょっと ちょっと!
(坂巻)それはないですよ!

だって 僕たちのリーダーは
間地先生なのに!

リーダー?
(間地)あのさ

僕の名前はね 間地真実だよ。
「真実」と書いて「まさみ」だよ。

その上に「まじ」が付いてるんだよ。

こんな正直で誠実な男は
いませんよ!

リーダーってなんだ?
間地先生が誠実? 笑っちゃう。

あんな 毒ばっか吐いてる人が
何 言っちゃってんの。

小悪党だよ 間地先生は。
(間地)小悪党とは なんだ!

リーダーとは なんだ!
(一同)うわっ!

教師のリーダーは
教頭の私でしょうが!

ああ そうだった。 そうでした…。

(麻琴)誰が騒いでる!
(猫林)えっ?

(日比野)校長先生!?
(猫林)えっ!

(倫子)
どうしたんですか!? 校長先生。

(間地)なんで
僕らが ここにいるって…。

(麻琴)誰が~!
(間地)おおっ…。

危ねえな もう!
酔ってらっしゃるんですか?

焼酎ロックで!

面倒くせえな もう。
(坂巻)こんな校長 初めて見た…。

私は 松葉台高校の校長です。
(間地)はい。

でも 一人の女。
(坂巻)えっ?

一人の娘。
(猫林)娘?

娘なのよ!
たった一人の娘なのに…。

校長先生…。

芦屋監督と何かあったんですか?
お父上と。

なんにもないのよ… なーんにも!

泣かないで 校長先生!

あの人は 私の事なんかよりも

桐沢さんのほうが
大事なんだから!

(日比野)桐沢さん?
桐沢さんが どうしたんですか?

また なんか やらかしたんだよ
あの人間クラッシャーが!

(店員)焼酎ロック
お待たせ致しました!

(猫林)もう飲まさないで!
(麻琴)飲む。 焼酎ちょうだい。

はい もう駄目です。
はい もう おねむの時間。

ここで寝ちゃったら
どうするんですか!

泣かれるより
ずっと ましでしょうが!

(間地)暴れたら面倒くせえだろ。
(麻琴)焼酎 どこ?

♬~「ねむれ」
(間地)はい!

♬~(一同)「ねむれ 母のむねに」

(間地)はい みんなで。

クソ親父…。

♬~(一同)「ねむれ」
(間地)母の…。

ああ…。

(猫林)二日酔いですか? 校長。

ゆうべの事
なんにも覚えてないのよ。

あんな校長 見たのは
初めてです。

あんなって どんな?

とてもかわいかったです。

なんか 私
変な事 言ってなかった?

いいえ なんにも。

ああ そう。
だったら いいんだけど。

(ノック)
はい。

(猫林)ああ 桐沢先生。
失礼します。

(麻琴)桐沢先生 なんでしょうか?

いや 実は…。

お願いっていうか
相談があるんだけど。

相談? うっ…。

どうした?
いや なんでもありません。 何?

いや よかったら
2人で 話 したいんだけど。

私と?

いや 違います。

ああ わかりました。

失礼します。
すみません。

話って 何?

実は 店…

焼き鳥屋
再開できるかもしれないんだ。

焼き鳥屋?

焼き鳥屋?

うん。 もし そうなったら
仕込みとか もろもろで

昼間の時間 潰れちゃうからさ。

非常勤講師は どうするの?

いや だから… 正直 悩んでる。

でも 非常勤講師 辞めたら

部活の指導って
できなくなるんだよな?

そうよ。
それが うちの規定だから…。

だから それなんだけど

コーチ
続けさせてくれないかな?

来年のインターハイまで。

それは 規定だから駄目なの…。
無理を承知で頼んでんだよ。

ごめんなさい。

京明 倒して
インターハイに出るのが

お前の目標なんじゃねえの…。
目標です。

ボクシング部のコーチを
続けるなら

非常勤講師を続けてください。

それをいきなり 焼き鳥屋の話を
持ち出されても… 困るの。

桐沢さんは 京明に勝つために
ここにいるの。

まずは その約束を守って。

(麻琴)それから
この件で芦屋監督を

引っ張り出してくるのは
もうやめて。

私は あの人に何を言われても
もう 絶対に聞かないから。

(ため息)
申し訳ないけど…。

理解して。

♬~

(ため息)

しじみのみそ汁 飲めよ。

♬~

(大須賀の声)
できれば 1週間のうちに

決めて頂けませんか。

やるなら 早く決めたほうがいい。

<この男は 身の丈に合うことを信条として
生きている ごく普通の人間である>

<そんな彼の心の中に
新しい「家」の姿が生まれた>

(松坂)<その「家」は完璧でなくてもいい>
<…と思っている>

<自分と同じように>
<家族と一緒に作る 伸び代のある…>

<そんな「家」がいい>

<家は 生きる場所へ>

やきとり大将が
復活するんですか!?

(猫林)シーッ!
でも 校長に釘刺されてました。

「駄目」って。
え~!

個人的には
復活してほしいな…。

あそこの焼き鳥
おいしかったもん!

(坂巻)桐沢先生の存在価値
っていうのは

ボクシングのコーチでも
非常勤講師でもないもんね。

僕たちにとっては
焼き鳥職人だもんね。

そんなに
おいしいお店だったんだ。

どうして
私を誘ってくれなかった…。

でもさ
桐沢先生を知った今となってはさ

あの頃のように
あの焼き鳥を味わえるかね?

だって 人間クラッシャーが
焼いてるんだよ?

確かに そうですけど…。
(坂巻)焼き鳥に罪はありませんよ。

どうして
誘ってくれなかったんですか!?

(森)シュッ! シュッ!

一回 普通に伸ばしてみろ。
はい。

それがお前の間合いだからな。
(森)はい。

すごい気合入ってますね みんな。
うん。

桐沢コーチが

「このメンバーでインターハイに
出るぞ」って言ったの。

「俺を信じろ」って。

上下の打ち分けだよ。

「俺を信じろ」…。
そう。

慌てると手打ちになってるよ!
一つ一つ 丁寧に。

はい。
緩急つけろ!

森。
(森)はい!

ちょっと代われ。
(森)はい!

西条。

体の調子 どうだ?

病院には行ってんのか?

行ってます。

先生は なんて?

血管のこぶは
大きくはなってへんて。

そうか。

でも… やっぱり
激しい運動は無理やて。

そうか…。

コーチ。

なんで 俺なんや…。

なんで 俺やねん…。

ボクシングできひんて…
なんでや。

演劇部なんか
楽しくもなんともないわ!

女の子と
チャラチャラしとるだけや…。

ボクシング部に… 戻りたいです。

西条くん…。

俺も
網膜剥離でボクシング諦めた時

目の前 真っ暗になったよ。

ずっとボクシングやってきて

ボクシングで
オリンピック目指して

これからって時に
いきなり引退させられて…。

多分
今のお前と同じ気持ちだった。

(ため息)

どうにもならない事が
人生にはあるんだよな。

どうしたって抗えないって事が…。

俺は それを
何度も思い知らされた。

生きていく理由も
わからなくなるぐらいに…。

ボクシング部のコーチに
なるまでな。

救ってくれたのは部員のみんなだ。
お前らだよ。

♬~

この年になって学んだよ。

人は 何があっても

どこかで希望を見いだす事が
立ち上がる事ができる…。

希望なんかないやろ!

今はな。

今は そうかもしれない。

でもな

お前には
まだまだ 時間が残ってんだよ。

まだ聞いた事ないだろ?
レフェリーから。

試合終了の10カウント。

♬~

時間が経てば

この悔しさはなくなる
言うんですか?

時間が
解決してくれるわけじゃない。

その時間の間に
誰かと出会って 何か話して

何かを見て 何かを感じて

人は変わっていけるんだと
俺は思う。 そう思う。

♬~

今はいいよ 腐ってて。

泣きたかったら
思いっきり泣けばいいよ。

でも 絶対に自暴自棄になるな。

思い詰めんなよ なあ。

西条桃介!
お前 一人じゃないからな!

(嗚咽)

(ため息)

練習に戻りましょう。

♬~

お疲れさまです。
お疲れさまです。

♬~

桃介が泣いてた?
(伊庭)うん。

ボクシング部に戻りたいって。

(あかり)でも どうする事も
できないんですよね? 私たち…。

♬~

どうしたの?

どうしたの?
あっ ごめん。

♬~

どうしたんだよ もう…。

俺 今日 学校で生徒に
偉そうな事 言っちゃってさ。

俺自身 迷ってて そんな事
言える立場じゃないのに…。

それで反省してるの?

いや 反省っていうか
本心では言ったんだけど…。

じゃあ 俺は どうなんだよって。

あのね 桐沢のおじちゃん。

そういう事 言われても
困るんだよね。

僕 8歳だから。

わかってるよ。

大人が いろいろ大変なのは
よくわかるよ。

でもね 僕 8歳だから。
だから わかってるって!

あっ ごめん。
(圭太)ちょっと!

(ため息)

(圭太)いいにおい。
本当だな。

なんか 小腹がすいちゃった。
小腹?

焼き鳥 食べたい。

だって 晩ご飯前だろ…。
1本だけ! お願い!

俺におごれっつってんの?
ええ? 大人でしょ?

何にすんだよ?
(圭太)じゃあね…。

(店員)はい いらっしゃいませ。
(圭太)ねぎま!

ねぎま?
ねぎま1本 ください!

(店員)はい ねぎま1本ね!
お客さんは?

じゃあ もも…。
(店員)もも? はい もも1本。

ちょっと待ってね。

お前 ネギ食えんの?
ねぎまのネギは おいしいじゃん。

食えるんだ。

焼き鳥なら全然平気。

へえ… 「焼き鳥なら」…。
(圭太)ああ おいしそう。

(圭太)
ねえ どれぐらいでできるの?

(伊庭)桃介!

こっち こっち!

ジャーン! ハンバーガー食えよ。
ジュースもあるから。

いや 俺
これから晩飯…。

いや 食える 食える。

こっち チーズバーガー。
どっちがいい?

ああ… チーズで。

チーズ?
はい。

(桐沢の声)どうにもならない事が
人生にはあるんだよな。

俺は それを
何度も思い知らされた。

生きていく理由も
わからなくなるぐらいに…。

ボクシング部のコーチに
なるまでな。

人は 何があっても

どこかで希望を見いだす事が
立ち上がる事ができる…。

(楓)ねぎま?
ごちそうしてもらったの?

(圭太)おごってもらっちゃった。

でも 1本だけだし
夜ご飯は ちゃんと食べるから。

桐沢さんが 焼き鳥
食べさせてくれたんだって。

焼き鳥?
圭太 ちゃんと お礼言った?

言ったよ。 8歳だよ 僕は。

桐沢さんが焼き鳥…?

あっ… お姉ちゃん
お礼に また桐沢さん呼んで

ご飯 ごちそうしてあげようよ。
えっ…?

(圭太)いいじゃん! 賛成!
(楓)ねえ? いいよね。 やったー!

いい?
うん。

(楓)楽しそう!
やったー! 楽しみできた。

(西条)えっ 告った!?
(伊庭)リングの中心で。

みんなが見てるのに?
(伊庭)うん。 西山にな。

アホや…。
えっ? で どうなったんですか?

フラれたよ! 見事 玉砕。

みんなの前で?
うん。

何してんねん。
ハハハハ…。 馬鹿だろ? 俺。

伊庭さん ほんまに
東大 受けるんですか?

おい! それとは関係ないから!

やばすぎるわ。 ハハハハ…。

なあ 桃介…。

演劇部 やめるのか?

えっ?

(伊庭)コーチに言ってたじゃん。

なんや 聞いとったんですか?

まあ 他に行くとこないしな…。

このまま ズルズル
演劇部おるんちゃいます?

やるんだったら
ちゃんと続けろよ。

やめて 帰宅部とか 駄目だぞ。

俺の事
心配してくれてるんですか?

そりゃ するよ!
チームメートだったんだから。

♬~

(桐沢の声)ねぎま!
はい 少々お待ちください。

(大須賀)桐沢さんの焼き鳥が
また食べたい。 それだけです。

(井村)祥吾くん 考えてみてくれ。

(友部)桐沢コーチに ボクシング
教えてもらいたいんです

僕たち。
(あかり)お願いします。

(圭太)ねぎまのネギは
おいしいじゃん。

(麻琴)京明に勝つために
ここにいるの。 約束を守って。

ありがたい話じゃねえか。

「俺を信じろ」だなんて…。
嬉しかったです。

♬~

あっ もしもし 祥吾ですけども…。
今 大丈夫ですか?

いや この間 頂いた
お話の件なんですけど…。

(ノック)
(麻琴)どうぞ。

(ノック)
(麻琴)どうぞ。

桐沢さん…。

決めたよ。

店をやる。

えっ… 学校は? 辞めるの?

辞めない。 非常勤講師も
ボクシング部のコーチも続ける。

そんな事
できるわけないじゃない。

朝早く起きて 仕込みして

学校来て 授業やって
5時半まで部活やって

6時過ぎに店を開ける。

ちょっと… 体が持つの?

わかんない。

1ミリも
余裕ないかもしれないけど

やるしかない。

「やるしかない」って…。

決めたんだ。 これは変わらない。

以上。

こっちが
焼き鳥10本で1500円のAセット。

で こっちが
焼き鳥6本で950円のBセット。

うちとしては…。
「うちとしては」?

こっちのAセットを
頼んでもらいたい。

なんでかっていうと
こっちのほうが利益が高いから。

ああ…。
でも どうしても

お客さんは こっちのBセットを
注文してきます。

1500円は高いって思うから?

まあ そこで 俺が考えたのは…。
(智香)「俺」?

焼き鳥15本で2300円の

Sセットっていうのを
追加しました。

そうすると
どうなったでしょうか?

お客さんが Aセットを
注文するようになった。

正解。
わかる気がする。

(槙)なんとなく
真ん中 頼んじゃうな…。

えーっとね
これは なんていったっけな…。

あっ…。

行動経済学。

(あかり)行動経済学…。

人の心理と経済の動き

これが密接に関係している
っていう事です。

面白い。

単に 焼き鳥屋さんといっても

しっかり こうやって
経済を勉強しておくと

実際の現場で こういうアイデアが
生まれてくる事もありました。

あと10秒!
(愛)あと10秒!

3 2 1…。

(ホイッスル)
はい 終了!

(玉乃井)コーチに あいさつ。

(部員たち)こんにちは!

(玉乃井)アップ終わりました。
じゃあ ミット打ち。

(部員たち)はい!
(玉乃井)パートナー作って。

(あかり)天津くん。
(天津)はい!

(友部)森。
(森)お願いします。

西条くん…!

演劇部 やめた。

一人だけ 関西弁しゃべられたら
芝居にならん言われてな。

しゃあないから ボクシング部
戻してくれへんか?

(友部)えっ…?

でも もう ボクシングは…。

♬~

俺は やらへん。

練習パートナーや。

パートナー…?

(西条)ええパートナーがおらんと
選手は強くなられへんで。

せやろ? 先生。

桃介…。

♬~

お願いします。

コーチのサポートとして
ボクシング部に置いてください。

♬~

お願いします。

(友部)僕からも お願いします。

(愛)お願いします コーチ!
(江戸川)コーチ!

(森)コーチ!
(天津)コーチ!

お前 本当に それでいいのか?

俺は 裏方に徹する。

京明に勝って
インターハイ出るには

俺が必要や。

♬~

桐沢さん…!

よし…。

じゃあ 今日から
俺のサポート よろしく。

よっしゃあ…!

(友部)しゃあーっ!
(愛)おかえり 西条くん!

(あかり)西条くんいなくて
全然 やる気出なかったの。

…ん?
そうだったの? えっ?

桃介 僕にボクシング教えてよ。
(江戸川)俺にも 俺にも!

(西条)わかってるって!
任せとけ!

ありがとうございます コーチ!
やっと やる気出ました!

ああ そう… うん…。

じゃあ 早く ミット打ち 始めろ!
(部員たち)はい!

(玉乃井)ミット打ち!
(部員たち)はい!

よかったですね 桐沢さん!

(玉乃井)桃介 やるぞ。

もっと腰入れて!
そんなん あかんわ。

(玉乃井)先輩だぞ!

(西条)関係あらへん!
ちょっと もう一回… はい。

フック もっと深く。
鋭角に入れろ。

みんな 気合入ってる!

気合入ってるね。

♬~

(友部)ああ~! 腹減った…。

(玉乃井)なんか食って帰んね?
(あかり)行こう 行こう!

(愛)賛成!
先輩が おごってくれるってよ。

(森)えー!
やったー! やったー!

本当っすか?
そんな事 言ってねえだろ。

(愛)じゃあ じゃあ 伊庭さんで!
(伊庭)えっ!?

こんな事って あるんですね。

えっ?

あの西条くんが…。
ああ…。

桐沢さんの言葉が
伝わったんだと思います。

そんな単純なものじゃないと
思いますよ。

きっと あいつは あいつなりに
いろんな事 考えたんだと思うし。

それより…。
ん?

いや あいつらが あんなに
西条の事 引きずってたなんて…。

私も もう気持ち切り替えたのかな
と思ってました。

いやあ 高校生の本音って
わからないもんですね。

「わからないもんですね」?

教師ですよね?
そうですよ。

毎日 高校生と
向き合ってるんですよね?

だったら…。
それでも わかんないんですよ。

ジェネレーションギャップ
っていうのがあるじゃないですか。

あの子たちだって

私たちの考え方 わかんない
って言いますよ。

まあ それは
そうかもしれないですけど。

私と桐沢さんだって こう
そこそこ年離れてるんだから

桐沢さんが 私の事
どう思ってるかなんて…。

あっ…! ごめんなさい。

いや あの… ほら 桐沢さんは
基本的に おしゃべりじゃないし

桐沢さん 人見知りだし。

俺 別に 人見知りじゃないですよ。

そうですよね。
はい。

圭太も懐いてるし。 楓も…。

そうだ!

今夜 うちに
ご飯食べに来ません?

ほら。
圭太が 焼き鳥 ごちそうに…。

ああ あんなのは別に。

楓も おいしいご飯
張り切って作ってくれます。

どう?

はい 目つぶった。 3連勝!
(圭太)ああ~!

もう一回 もう一回 もう一回!
何回やっても一緒だよ。

今度は 絶対勝つ!
絶対だな?

(楓)お姉ちゃん
できたの持ってって。

ありがとう。
ボックス!

(楓)桐沢さん これ
ローストビーフも食べて。

私の手作り。
ありがとうございます。

もう そんな
他人行儀にしないでくださいよ。

ねっ お姉ちゃん。

うちは 本当 大丈夫なんで。

「おいしいです」じゃなくて
「うまい」でいいんだよ。

簡単に言うなよ。

でもさ 西条くん 偉いね。

私だったら 1年ぐらい
落ち込んでると思うな。

本当 そう。 私 感動しちゃった。

俺も あんな形で
西条が戻ってきてくれると

思わなかったんで…。
桐沢さんも びっくりしたの?

はい。
「はい」じゃなくて「うん」!

いちいち うるさいよ。

でもさ 部活っていいよね。
ザ・アオハルって感じで。

ああ~ アオハルね。
意味わかってんの?

青春。
…すいません。

(楓)桐沢さん
ワイン もっと飲んでください。

ああ… ありがとうございます。
だから 「ありがとう」…。

ありがとうでしょ
ありがとうでしょ。 わかりました。

いちいち うるさいよ。
ありがとう!

まだ眠くない。

(楓)もう10時でしょ。

あくびしてるじゃん 圭太。

はい もう寝よう。

桐沢さんに
おやすみなさいを言いましょう。

(圭太)おやすみなさい。
おやすみ。

おやすみなさい。 行こう。

私も お風呂入って
そのまま寝ちゃうから

あとは 2人で ごゆっくり~。

ごちそうさまでした。
はーい。 行こう 圭太。

ワイン もう一本
開けちゃいましょうか。

あっ えっ? はい。

赤? 白?

ああ~ おいしい。

もう その辺にしといたほうが
いいですよ。

いや 大丈夫ですよ。
私 あの… お酒強いんで。

いや もう
完全に酔ってるじゃないですか。

あっ… もう一杯だけ。

(せき払い)

危ない。
おお…。

桐沢さんも。
いや 俺 まだ入ってるんで。

飲んで。
いや…。

完全に酔ってんじゃん。

おっ。 あら~。

よーし。 フフフ…。

うわっ…。

桐沢さん。
はい。

私 好きになっちゃいました。

ボクシング。

あっ…。

最初は 顧問になるの
本当に本当に嫌だったんですけど

頑張ってる あの子たちを見てると
なんていうの?

毎日が充実してきたっていうか
毎日 感動するっていうか…。

フフ…。 圭太にも

ボクシングさせちゃおうって
思っちゃってます。

いや 無理強いは よくないですよ。

いや なんかね…

なんかの本に
書いてあったんですけど

えっと…
君は なぜ テニスをするのか

君は なぜ サッカーをするのか
という問いは成立しないけど

君は なぜ ボクシングをするのか
という問いは成立する。

ああ…。

なんか わかりますよね?
わかりますよね? 桐沢さん。

わかりますね。
でしょ?

だって殴り合うんだもん。

相手の事 恨んでるわけでも
憎んでるわけでもないのに

本気で殴り合うのよ。
まあ… まあ そうですけど。

いや ボクシングにとって
負けるっていう事は

文字どおり たたきのめされる
っていう事でしょ?

そりゃあ
テニスとかサッカーとは違う。

誰が 好き好んで
そんなスポーツやりますか。

はい。

全然入ってるんで。

もう やめたほうがいいっすよ。

(せき払い)

でも… でも

美しいんですよね
ボクシングって。

見てて…
ああ 美しいなあって思っちゃう。

いや ちょっと…

自分が こんなに変わっちゃうとは
思わなかったです。

本当 どうして この子たちは

ボクシング部なんかに
入ったんだろうって

不思議でたまらなかったんですよ
最初。

でも みんなに始める理由があって
続ける理由があるんですもんね。

殴り合うっていう単純なスポーツ
だからこその面白さとか

殴られる事への恐怖心に
打ち勝つんだっていう気持ちとか。

…はい。

私より ずっと年下の
高校生たちだけど

みんなの事 尊敬してるんです 私。

…はい。

だから 桐沢さん
このまま コーチ続けてください。

1年で辞めるなんて言わないで。

♬~

実は…

焼き鳥屋
再開する事にしたんです。

えっ?
助けてくれる人がいて。

もう一度 頑張ってみようかな
と思って。

えっ?
圭太も すごい 焼き鳥大好きだし。

ねぎまのねぎま?

ねぎまのネギだったら
食べられる…。

ちょっと待っ… ちょっと…
ちょっと待ってください。

ちょっと待ってください。
ちょっと待ってください。

えっ? えっ? コーチは?

続けます。
非常勤講師は?

続けます。

全部
頑張ってみようかなと思って。

本当?

はい。

よかった…。

よかった。

♬~

お店は いつから?

準備とか もろもろあるんで

すぐっていうわけには
いかないんですけど。

私 食べに行きますね。
毎日 行きます。

いや 毎日って…。

(せき払い)

でも 嬉しいな。

本当 桐沢さん
最初会った時と全然違う。

全然。

ねえ!

さっきのゲームしましょう。
ゲーム?

圭太とやってたでしょ?

先に目をつぶったら負け
っていうやつ。

いいですよ。
いいから しようよ!

私 自信あるし。

いや… 絶対酔ってるし。

酔ってない。 酔ってないですよ。

いいから いいから。
やりましょう。 はい。

(せき払い)
はい いくよ。

用意…。

ボックス。

いや… 俺が勝ちです。

桐沢さん。
はい。

お願いが…。

お願い?

圭太の…

お父さんに
なってもらえませんか?

…はい?

ありがとう。

インターハイ 出てほしいです。
打倒 京明!

やきとり大将 復活させます。

ゆうべ 聞いたんです。
それ 覚えてたんだ。

お話ししたい事があって。
(部員たち)コーチ!