慶次郎縁側日記 [新](1)「その夜の雪」[字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
慶次郎縁側日記 [新](1)「その夜の雪」[字]
酒問屋の別荘の寮番・慶次郎は、元南町奉行所の定町廻り同心。娘を失う不幸な事件が元で隠居した「仏の慶次郎」が、江戸庶民の悩みやもめ事をひもとく、一話完結の日記帳。
番組内容
定町回り同心を隠居した森口慶次郎(高橋英樹)は、養子の晃之助(比留間由哲)と皐月(安達祐実)の祝言の直前に、根岸で商家の別荘の寮番(管理人)になって家を出る。事の始まりは3年前、晃之助を婿に迎える祝言を控えて、慶次郎の娘・三千代(岡本綾)が男に乱暴され自害した事件にあった。手先の辰吉(遠藤憲一)や吉次(奥田瑛二)が止めるのも聞かず、慶次郎は男(若松武史)を捜しだし、娘のかたきを討とうとする。
出演者
【出演】高橋英樹,安達祐実,比留間由哲,遠藤憲一,岡本綾,梅沢昌代,伊藤未稀,近藤結宥花,若松武史,奥田瑛二,大谷直子,石橋蓮司,かたせ梨乃
原作・脚本
【原作】北原亞以子,【脚本】宮村優子
音楽
【音楽】川崎真弘ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇
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キーワード出現数ベスト20
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♬~
(慶次郎)おお 待ちな。
(佐七)大した荷物じゃないね…。
(伊助)旦那…
こいつは どちらへ?
そうさな…。
お前さんなら どこに?
飯炊きに 「さん」はいらねえよ。
ただの 佐七。
あんたが!?
お前様は 新しい寮番だろ?
仏の旦那!
ほ 仏…!?
おお そうか すまねえ。 どこか
眺めのいい場所がいいんだが。
死んだ人に「日当たり」かね?
死んだ人間だから要るんだよ。
明かりも 色もな。
♬~
とうとう 来ちまったよ。
慶次郎ってえんだ。
森口慶次郎。 よろしく頼む。
(皐月)<私の舅殿 森口慶次郎様は
隠居される前まで
南町奉行所の定町廻り同心で
ございました>
♬~
<あと10日で 祝言を挙げ
私の旦那様になられる
晃之助様でございます>
(晃之助)女将さん 居るかい?
はい どうぞ。
ヒドリ 熨斗鮑
桜の葉塩漬け 硯蓋七色に…。
(お登世)いなくなった?
<晃之助様の幼なじみ
お登世様でございます>
これでいいよ。
もう一度 最初から
話してごらんなさい。
今朝の事だ。
やにわに 家を出ると言いだした。
森口の旦那が?
山口屋の文五郎の引きで
根岸の別荘の寮番を
つとめる事にしたと。
ああ 新川の酒問屋さんの…。
いつもの父の冗談だろうと
聞き過ごしたんだが
妙に気になってな。
ご用の合間 屋敷に戻ると。
消えてらしたんですね。
ああ 三千代殿の位牌も一緒にだ。
≪(志乃)皐月。 皐月…。
<申し遅れましたが 北町奉行所の
吟味方与力
神山左門の娘 皐月でございます>
(志乃)森口様の事
お聞きになりましたか?
(皐月)先程 晃之助様から
お使いが…。
祝言を前に 舅殿が家を出るなど
何という嫌みか。
しかも 寮の番人などと。
森口様は きっと 私を
気遣ったのでございましょう。
気遣う?
とんでもない。
そもそも 町廻りの同心というのは
駆けずり回るのが お勤め。
その嫁ともなれば 旦那様の
お世話から 手先の者が
腹をすかせれば その面倒まで
何もかも差配せねばならぬ。
それを すべて 皐月一人に
押しつけて ご自分は
根岸の里で
植木のお手入れですか!
お寂しくはないのでしょうか。
(しづ)ご安心くださいませ 奥様。
私が ご一緒する上は
お嬢様一人に そのような
ご苦労は 決して… 決して…!
しづ。 お前だけが頼りですからね。
お前だけが… お前だけが…!
母上!
しづ お水を…!
(鈴の音)
≪(鈴の音)
よう…。
<三千代様は
舅殿のたった一人の娘さんで
晃之助様の許婚でございました。
すべてのお話は 3年前。
祝言を前にして 三千代様が
お亡くなりになる
その夜から 始まります>
(鈴の音)
(戸をたたく音)
(賢吾)森口殿! 屋敷の中で
ただならぬ声がすると
伊助が助けを求めて参った。
森口殿!
森口殿!
森口殿…。
ああ…!
三千代さん…!
玄庵殿を!
は… はい。
自害か!?
油断した…。
油断…?
誰かが 「雨戸を」と しきりに
言うので 俺が 確かめに…。
その間に…。
ああ! ああ… 三千代!
三千代… 三千代…!
三千代…! 三千代…!
(玄庵)病死…!?
そのように…。
森口殿が 是非にと申すなら
そのとおり 病死で通すが…。
だが 晃之助殿は
どうされるのだ?
おお 許婚の。
岡田家の三男坊であったのう。
晃之助殿にまで
病死と偽られるか。
書き置きのようなものは。
ない。
夕刻。 三千代殿を
見かけました。
屋敷の前を… その…。
ただならぬ姿で…。
(賢吾)とても…
声をかけるには忍びなく…。
♬~
(賢吾)ひょっとして 此度の事は
それと関わりがあるのでは…。
言うな…!
森口殿! 離されよ!
三千代殿が見ておる…。
(足音)
≪(伊助)お… お待ちください!
♬~
(三千代)
「先立つ不孝を お許し下さいませ。
父上様のおっしゃるとおり
あれは 悪い夢だったと…
何度も そう思おうとしました。
ですが どうしても できませぬ。
この身が
すべてを覚えております。
夢と欺き 愛しい晃之助様に
嫁ぐなど もはや できませぬ。
一夜だけでも 晃之助様の
熱き胸に抱かれしまま
朝の光を見てみとうございました。
この世で それが叶わぬのなら
せめて あの世で 晃之助様を
お待ちしとうございます。
九つで 母上様を亡くしてより
三千代は 父上様に
日々 深く慈しんで頂きました。
父上様の子に生まれて
幸せでございました」。
♬~
(男)さあ いらはい いらはい
お代は 見てのお帰り…。
<三千代様は
男に 道案内を頼まれ
探している家まで
同行したがための災難でした。
三千代様の優しいお心が
徒となったのでございます>
死んじまったんですか?
あの娘さん。
何だと! 見たのか?
見たんだな!
男…。 男の顔は!
顔…? 顔だなんて…。
「ツネ…」。
ツネ…?
いえね ツネって名前だけは…。
常蔵だか常吉だか 知らないけど
前にも 女を連れて
この辺りを うろついてたから…。
(女)ツネさん もう…!
(男)あはは… ほらほら…。
三千代…。
殺してやる…!
(辰吉)旦那。
旦那の受け持ちは浅草だ。
こっちは
ちょっと方角が違うんじゃ。
悪いが
お役目じゃねえ。
ツネって男の事なら
何も出ませんよ。
そっちは 俺が回ったばかりだ。
どけ!
「殺してやりたい」。
「一生かかっても あいつを
捜し出し 一寸刻みに
殺してやりたい」。
お前…。
どこからでも 入りますよ
噂ってやつは。
俺もでしたよ 旦那!
旦那…。
言えぬ? 言えぬとは
どういう事です。
祝言こそ 挙げてはおりませんが
三千代は 私の妻。
なぜ 妻たる三千代の死んだ
子細を隠されるのか。
別に 隠しちゃいないさ。
言ったろ。 三千代は 急な病で。
噂が確かで それが因で
自ら 命を絶ったというのなら…!
病死だ!
綺麗な顔だった。
三千代殿 亡き後も
私は婿として 森口家に入ります。
気持ちは ありがたいが。
義父上。
森口の跡継ぎとなれば
いつまでも やもめでは
いられまい。 いずれは
嫁を とらねばならない。
嫁は とりません。
生涯 娶りません。
ならば 跡継ぎの
意味があるまい。
養子縁組みの話 なかった事に。
このとおりだ。
<3日ほど後の事でございます>
辰…!?
「ツネ」って名のつく男に
片っ端から
因縁つけて喧嘩ふっかけちゃあ
相手を番屋に引っ張り込む。
「こいつを取り調べてくれ」ってね。
あんまり度が過ぎる。
こちらへお連れしたんだが
口もきかねえ。 うちの蝮が
仏の旦那と関わりのある奴じゃ
ねえかってね。
吉次。
馬鹿が…!
お前の気持ちは
ありがたくもらった。 だが…。
ははっ!
「ありがたい」?
辰…!
ありがたいもんか。
「この野郎 邪魔しやがって。
てめえに何が分かる。
てめえなんかに金輪際 俺の気持ち
なんか分かってたまるか!」。
旦那は
こう言いたいんじゃないですか。
…そうだ!
そのとおりだ!
俺は間違ってた。
お前の事だ。 13年前だ。
心底 惚れた女房を殺されて
お前は 殺した男を狙っていた。
そうだ 憎まねえ方が おかしい。
あの男を殺してやりてえ!
そう思うのが当たり前だったんだ。
何が 「仏」だ。 何が 「ご法度」だ。
肝心の 人の気持ちを 俺は
まるで分かっちゃいなかった。
身内を殺された者が どんなに。
どんなに…。
旦那! 仏の旦那…。
言って下さったじゃありませんか。
殺すな! 生きろ! 離せ!
殺すな! 離せ!
生きろ!
「男は いつでも捕らえられる。
だが あの男を刺したら
お前は 何もかも
終わりになっちまう。
生きろ。 俺は お前に
生きてほしいんだ!」。
だから 俺は ここにいるんだ。
違いますか?
叩き斬る!
殺させねえ。
旦那には 殺させねえ。
じゃなかったら
俺は 何だったんだ!
あの時 あいつを
殺さなかった俺は…。
生きてもらいます。
13年前。 旦那は あいつを
殺そうとする俺を止めた。
今度は 旦那に
生きてもらいます。
お前…。
お前 あの男が憎いか
今でも。
憎いです。 殺したいほど…。
俺も憎いか。
♬~
♬~ 頂きます。
♬~
こりゃ どうも。
おう。
(おきわ)旦那。
兄が また 何か?
そんなんじゃねえよ。
上かい?
吉次。 入るぞ。
恥を承知で来た。
(吉次)十手持ちが
他人様の隠し事で 稼ぐなんざ
「恥を知れ」って
旦那に言われたからね。
あこぎな脅しは
やっちゃおりませんですが。
見たとおり
荒っぽい事をする奴も出てきた。
何としてでも 先 たどりつきてえ。
ツネ…。 さ~てね。
お嬢さん
お亡くなりになったそうで。
教えてくれるまで 俺は動かん。
一晩でも 二晩でも。
お嬢さんは ご病死でしょうが。
人の噂ってのは妙なもんで
ほっときゃ 消えちまうが
ほじれば ほじるほど
まことしやかに なりやがる。
そっとしときなさいまし。
一人…。
が こいつは 言っとくが
あっしの縄張りだ。
あっしに断りなく
動かんでおくんなさいよ。
分かった。
炭町の自身番に
娘が駆け込んできてね。
鼻緒を切って困ってた男に
ハギレをやったら
親の留守に訪ねてきて
なれなれしく 部屋に上がり込んで
帰らねえ。
北の旦那と あっしが
つまみ出した その男が…。
ツネか!
畳町の常蔵。
旦那が お捜しの
「ツネ」かどうかは…。
居ませんぜ もう。
引っ越しやした。
引っ越した?
(女)貸本屋で
そりゃあ繁盛してたんですよ。
貸本よりも ツネさん待ってる人が
大勢いるんだもの。
旦那がいるのに ツネさんと
いい仲になっちまったり。
いるでしょう? なんか こう…
放っておけない気持ちになる人が。
ツネさんも
悪い人じゃないんだけど
手は 早い方だからね。
そんなこんなで
版元からは お出入り禁止さ。
三千代殿の事を知りたい。
あなたが 三千代殿の噂に絡んで
その…。
いろいろ動いていると聞いて
それで。
それで? 噂は知っている。
知りすぎるくらいだ。
だが 正面きって尋ねると
誰もが 口を閉ざす。
森口殿も 養子縁組みは
なかった事にしろと そればかり。
本当の事が 分からない。
本当の事?
世間知らずは 分かっている。
愚かも 承知だ。
だが 知りたい。
知って どうされます。
分からぬ。
ただ 私は…
人を知らぬ。 世間を知らぬ。
知ったふりで渡っていくような
器用もできぬ。
本当の事でしか 動けぬ。
あんた
お嬢さんと同じ匂いがするよ。
日向で育った 木の匂いだ。
二手に分かれやしょう。
ある男の引っ越し先を
捜しておりやす。 心得た。
ただし 本当の事ってのは
てめえを刺す事もある。
それでも ようござんすね。
ああ。
常蔵とかいう男を
捜しておりやす。
畳町で
貸本屋をやっていたんですが
3日前に引っ越しました。
<その日は 朝から 寒さがひどく
夕刻になって 空は いよいよ重く
よどんでおりました>
常蔵を しょっぴくかも
しれやせん。 何だと!
騙りで 訴えが出てるんでね。
常蔵に貢いでた女が
「あれは 騙されてたんだ」ってね。
まあ おおかた
切れるの切れねえの話だろうが。
一応 旦那にはと思いまして…。
どこだ! 常蔵は どこに居た!
ヘヘッ… これは
あっしの捕り物なんですよ。
おれの仇だ!
ようござんすか。 あっしは
北町奉行所の旦那のお手先だ。
しょっぴく時に
南との面倒は ごめんでさあ。
よろしゅうございますよね。
ようござんすね?
ああ 厄介なもんが
降ってきやがった。
♬~
ヘヘ…。
やっぱり いやがった。
この先には もう
小屋は 幾つもねえ。
旦那…。
♬~
≪(男)馬鹿野郎!
お前…。 お前は?
(常蔵)おとし!
(おとし)どこへ行こうと
私の勝手でしょ!
おい!
お父っつぁんは その女と
一緒に暮らせばいいんだ!
私は… 私は
海に飛び込んで 死んでやる!
おとし!
常蔵だな。
何でえ!
10日ほど前だ。
お前 どこにいた? 10日…?
霊岸島にいなかったか?
定町廻りか?
(悲鳴)
おとし…!
私は お父っつぁんの娘じゃ
ないからね! どけ!
お父っつぁんなんか
斬られて死んじまえ!
離れろ!
(悲鳴)
悪かったよ…。
けどよ
ついてくる女が悪いんだ!
何だと…!
誰もいねえようだって言ったら
入ってきやがったんだよ。
人をうたぐった事がねえ
まっすぐな木みてえでよ。
それが 妙に 癇に障ったんだ。
黙れ!
炭町の女だって そうだよ。
女が 上がれって言ったんだ!
俺の言い分なんざ
八丁堀は聞きやしねえ。
くそ~! どいつも こいつも
俺を馬鹿にしやがって!
旦那!
晃之助…。
離れろ!
その男は…。
その男は 三千代の仇だ!
晃之助!
旦那! 旦那は 鬼か!
足元を!
死んじまえ! お父っつぁんなんか
死んじまえ。 死んじまえ!
おい… おい…。
♬~
旦那…。
旦那!
♬~
(おとしの泣き声)
帰りな。
♬~
(おとしの泣き声)
♬~
(鈴の音)
≪(雪を踏む足音)
あれから
死のうと思いました。
なぜ 私は あの男を助けたのか。
なぜ 森口殿の刃から あの男を。
三千代の仇を…。
分からない…。
あの時 どうしても 私は…。
私は あの男を斬らなかったのか。
森口殿に斬らせないなら なぜ。
15の年に
定町廻りの見習いになって 30年。
来る日も 来る日も 俺は…
人殺しをさせまいとしてきた。
あいつが憎い あいつを殺したい。
何十 何百 何千の
そういう連中の思いを俺は封じた。
俺も お前と同じ事をしてきた。
なぜかは 俺も分からない。
ただ…。
知ってるか? 人ってな
苦しい時に 髪が伸びて
楽をしてる時には
爪が伸びるんだそうだ。
「苦髪楽爪」ってな。
俺は 爪を切っていた。
あの日。 縁側で…。
(鈴の音)
外は 寒いぞ。
(三千代)ええ…。
俺の体は 温かい。
今まで 日向ぼっこをしていた。
父上…。
父上…。 父上…。
あの時…。
もっと強く抱いてやれば…。
もう ほんの少し 腕と体を
温かく包んでやれれば
そうすれば
三千代は こんな事には…。
そうだ。 もっと強く。
もっと。 もっと…!
義父上…。
俺さえ 俺さえ あいつを
しっかりと抱いてやれれば
そうすれば あいつは…。
俺は 三千代を…!
(号泣)
私を 森口家の養子にして下さい!
(号泣)
♬~
<こうして 晃之助様は 森口家の
ご養子になられました。
あの雪の夜から
3年の歳月が流れ
晃之助様が 私 皐月を娶り
舅殿が
根岸の寮番となられるまで
沢山のお話ししたき事が
ございます>
(鈴の音)
<それは またの折に
致しとうございます>
そうして残りたかったのか。
七五郎の心に。
私は…
傷を残そうとしただけです。
差し上げます。
え?
思い切れ。 生きて 思い切れ。
♬~