慶次郎縁側日記(4)「お見舞い」[字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

慶次郎縁側日記(4)「お見舞い」[字]

酒問屋の別荘の寮番・慶次郎は、元南町奉行所の定町廻り同心。娘を失う不幸な事件が元で隠居した「仏の慶次郎」が、江戸庶民の悩みや揉め事をひもとく、一話完結の日記帳。

番組内容
祝言を挙げて3日、皐月(安達祐実)は町回りの内儀として未熟さを痛感。寮番となって半月の慶次郎(高橋英樹)も家事一切、何もできない。何をしても飯炊きの佐七(石橋蓮司)にかなわない。そんな折、料理屋のおかみ・お登世(かたせ梨乃)が相談に来る。店の女中・おすみ(西原亜季)がお使いの金をごまかしていると言うのだ。調べると、独り暮らしの老女(松浪志保)を見舞い、身寄りのない二人が寄り添っていたと分かる。
出演者
【出演】高橋英樹,安達祐実,比留間由哲,遠藤憲一,梅沢昌代,西原亜季,松浪志保,山崎銀之丞,江原真二郎,石橋蓮司,かたせ梨乃
原作・脚本
【原作】北原亞以子,【脚本】山本むつみ
音楽
【音楽】川崎真弘

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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  14. 自分
  15. 辰吉
  16. 登世
  17. 山口屋
  18. 大切
  19. イガ
  20. お客様

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(皐月)<嫁いで まだ3日

森口家の不束な嫁
皐月でございます。

私の愛しい旦那様
晃之助様は

森口の家を継いだ
養子でございます。

舅殿の森口慶次郎様は

故あって 根岸の里で
別荘の寮番をされておりますが

かつては
南町奉行所の定町廻り同心で

「仏の慶次郎」と
慕われた お方でございます>

♬~

(佐七)えっ!? 枝 折った?
ああ…。

(慶次郎)いやいや
クモが巣を張っていたんでな

で これで払おうとして…。
旦那!

旦那の目には この楓が

どこにでもある 楓に見えますか?
え?

これは 山口屋の先代が

それはそれは 大切にして
いなすった 珍しい楓だ。

そうか…。

関守って言ったかな…。

それを
あ~あ こんなふうにしちまって!

すまぬ。
庭の掃除は もういいよ。

いやいや あの 寮番として
雇われたからには

庭掃除も 俺の仕事だ。

旦那 昨日は 大根を切る代わりに
自分の指 切っちまったね。

あっ ああ…。
おとついは はたきの柄で

障子に 穴開けなすった。
面目ない。

その前の日は
風呂の炊き口 いぶしちまって

その前は…。
まことに面目ない。

あ~あ!
手間がかかるばっかりだ。

ちっとは楽になると思ったのに

かえって 仕事が増えちまった。

<義父上様が根岸に移られて
14日。

今日も 飯炊きの佐七さんの機嫌を
損じたようでございます。

そして 晃之助様に嫁いだ
私も 恥ずかしながら…>

(しづ)まず 座付きを
切り落とします。

そして ここも 切り落とします。

そして むき上げていきます。
はあ…。

さっ やってごらんなさいませ。

はい。

座付きを…

切り落とす。

そして ここも…。
ああ…。

しづは もう出かけますよ。

今夜は 戻れませぬが
お一人で おやりになれますね。

里の母上様のご用でしょ。
行ってらっしゃい。

ここは 私 一人で。

そうです。 そうです 落ちついて。

今日こそは
旦那様の お戻りまでに

晩の支度を
整えねばなりませんよ。

<そうなのです。
昨日は 夕飯の支度が間に合わず

旦那様と一緒に戻った
手先の皆さんにも

握り飯一つ
振る舞えませんでした。

でも 今日こそ…>

ああ。

(3人)ごちそうになりやす。

あの… あっしたちは
これで…。

(辰吉)おい。
飯 ごちそうになんねえのかよ。

腹へってねえんで。
(腹の鳴る音)

ありゃ 食えねえや。

腹 へったな。
そばでも食いに行くか。

今日は 栗飯と けんちん汁です。

うまそうだな。 辰吉たちにも
振る舞ってくれたかい?

はい。 ぬかりなく。

私 今日初めて
ご新造様と呼ばれました。

昼間 大黒屋の
お使いの方が見えられて。

大黒屋? 何の用だ?

ご挨拶にと これを…。

受け取ったのか?

里の母に こういう時は
お預かりするものだと

言われておりましたので。

出かけてくる。

旦那様。
大黒屋に 突き返してくる。

あの…。

大黒屋は 探索中の一件に
関わっている。

このようなものは
受け取るわけには いかん。

<大切な楓の枝を折ってしまった
義父上様は

早速 山口屋に
お詫びに行かれました。

ところが それが かえって
仇になったのです>

(文五郎)森口の旦那に
庭掃除をさせるとは 佐七!

お前 一体 どういう了見だい!

いや あの…
掃除は 寮番の仕事じゃ…。

寮番!? 森口様は
この文五郎の命の親で

山口屋にとっても
大切なお方だよ。

旦那が 「たって」と
おっしゃるから

表向き 寮番をお願いしているが

お前の手伝いなどさせるのは
もってのほかです!

♬~

ああ おもしろくねえ!

また しくじっちまった…。

他人と一緒に暮らすっていうのは
難しいもんだなあ。

(お登世)ごめんくださいませ。

おお… 見事だなあ!

ほんの お口汚しですが。

…で 相談事ってのは?

はい。 あの… 身内の恥を
申すようなのですが…。

おお 佐七 これ ちょいと
持ってってやってくんねえ。

へ?
台所にさ。

話を聞こうか。

うちで働いている
おすみの事なんですが…。

おすみ? ああ 晃之助が
世話をした娘だな。

よさそうな子だったが
どうかしたのかい?

それが… 買い物の釣り銭
ごまかすんです。 釣り銭を?

(おすみ)女将さん ご用ですか?
≪(お登世)お入り。

これしか
買えなかったのかい?
はい。

いくら 大粒っていったって
栗は 栗だよ。

1粒が
百文もするわけないだろう。

でも それしか
買えなかったんですもの。

うそだとお思いなさるなら

八百久さんに
お聞きなすって下さいまし。

(お登世)ひとつきほど前からで
ございます。

10本頼んだ お団子が
9本しかなかったり

頼みもしない
安物 買ってきたり…。

問い詰めても 「これしか
買えなかった」の一点張りで。

晃之助が 世話をしたんだから
間違いのない娘だと思うが。

気立ては いいし
裏表なく よく働くし

本当に いい子を
連れてきて下すって

ありがたいと思っているんです。

帳場の金や 女中たちの蓄えに
手をつけるような事は?

いいえ。 でも このまま
ほうっておいて

ひょっと悪い道に
進みやしないかと…。

身よりのない子ですから
私が 案じてやりませんと。

2年前に 二親を
亡くしたんだったな。
ええ。

女将さん ちょいとの間
おすみを 付け回していいかい?

いや… とんでもない。
旦那に そんな事を。

なに 暇な隠居の道楽だよ。

どうしたんだい?

いえ…。
ああ また 鎌倉屋か?

困ります!
店の前に 枯れ葉が落ちてるぞ。

だらしがない! お前は
鎌倉屋の名に 泥を塗る気か!

こんな事が続きますと
どうにも 気分が くさくさして

つい 道楽に
手ぇ出しちまって…。 道楽?

着物を誂えたくなるんです。
ほう 着物をね。

店の切り盛りだけでも
苦労だろうに

うるさ型の おいでがあっちゃ

憂さ晴らしの一つも
したくなるさ。
ええ。

どうだい ひとつ 栗のイガでも
小紋に 染めてみちゃ?

え!? イガをですか?

安右衛門が 押しかけてきたら
そいつを着て 出るんだよ。

「寄ると 棘がささりますよ」
ってな。

(笑い声)

(せきばらい)

明日 ちょいと 上野へ
出かけたいんだが いいかな?

ああ。

(大きな音を立てて 食器を洗う音)

≪(おすみ)
お使い? 私 行ったげる。

≪(おちえ)いいの? 悪いね。

旦那。
行き先は?

元黒門町のお団子屋です。
お団子を 15本。

はい 毎度あり。
いらっしゃい。

お団子 5本下さい。
5本ね はいよ。

いらっしゃいませ。
ああ。

はい 毎度。

今日は 何本だい?
14本。

14本? また妙に半端な数だねえ。

だって
お秋さんは 1本でいいとか

おちえさんは 3本食べたいとか

てんでに 勝手を言うんだもの。
そりゃ 大変だ。

じゃあ 今日は 1本おまけ。
おすみちゃんが おあがり。

うわあ うれしい。 ごちそうさま。
はいよ。

えっと… 一串4文だから…。
56文だよ。

はい 毎度…。

はい いらっしゃい。
団子6本下さい。

6本ね はいよ。

♬~

お待たせして…。
ああ いや。

すみません。 ご足労 頂いたのに
今日は ちゃんと 15本…。

何か ありました?

1本は おまけだ。

おすみは 14本買って
4文は 財布に入れたよ。

まあ…。
だが 腑に落ちねえ事があるんだ。

何ですか?
いや…。

こそこそしねえんだよ。
こそこそ?

くすねた銭なら
人目を忍んで こそっと財布に

しまいそうなもんだろう?
おすみは 悪びれずに財布に?

旦那… どうかなさいました?

いい匂いだなと思って…。
まあ…。

≪女将さん
お汁粉をお運びしましょうか?

あ… もう少しあとで。
≪はい。

お登世さん。

あっ あ… いや…。

女将さん。 ひとつ
試してもらいてえんだがね。

はい。

いつもより多く
金を渡してやってもらいてえんだ。

釣り銭は 駄賃だと言ってね。

こんなに沢山!
お客様のお望みだからね

間違えずに 「舞」っていう煙草を
買ってきておくれ。

半斤もあれば 十分だから。

あとは お駄賃におし。

♬~

すいやせんが 旦那に言づてを
お願えしやす。 はい。

大黒屋で 動きがありやした。

辰吉親分が
見張っていなさるんで

お戻りになったら すぐ
おいで願いたいと。

大黒屋ですね。 分かりました。
へい。

ご苦労さまでした。

あっ! お小遣い!

≪森口の旦那のとこじゃ
お足は頂けなかったのかい。

与力のお嬢さんにしちゃ
しみったれだな。

悪気じゃねえんだろうが
気が利かなくっていけねえや。

三千代お嬢様は 万事 心遣いが
細やかな お人だったからね。

こんなこっちゃ
別の親分に鞍替えした方が

得かもしらねえ。

♬~

(おすみ)ただいま 戻りました。
お帰り。

♬~

ご苦労だったね。
いいえ。

(お秋)女将さん。
萩の間のお客さん…。

どうかしなすったんですか?

何だか おすみちゃん
試したみたいで…。
え?

いや 何でもないよ。
萩の間のお客様がどうしたって?

松島屋が よこした人ですよ!

松島屋… ああ 茅町の料理屋の?

また 探りに来たんでしょ
うちが 繁盛してるもんだから。

「これだけの料理を
こう安く出されちゃ

太刀打ち出来ない」って
話してましたけどね

どうせ 悪い噂 まくんですよ。

「花ごろも」で 腹をこわした。

安い材料を使ってる。
味が落ちた。

もう3度目ですよ。
あいつら 追い出してきます!

およし。 どんな人でも お座敷に
通したからには お客様だよ。

立派に もてなしておやり。

そうですか…。

≪(おちえ)女将さん。
はい。

(おちえ)藤の間のお客様が
お呼びです。 はあ… はい。

三千代お嬢様は 万事 心遣いが
細やかな お人だったからね。

うん。 この煮つけは
なかなか うまいな。

はい。 あの… 旦那様。
ん?

(戸をたたく音)
≪(辰吉)ごめんくだせえやし。

旦那は まだ
お戻りじゃございやせんか?

はい。

旦那 帰ってらしたんですか。

大黒屋に お越し願いてえと
使いの者に

言づて頼んだんですが。

あっ! 申し訳ございません。

私が お伝えするのを忘れました。

すぐ行く。
へい。

ただいま戻りました。

そうか… 皐月も苦労してるな。

で お前さん 俺に何をしろと?

ご隠居様から 皐月様に

「八丁堀同心の家の心得」を
お教え頂けないかと。

心得ね…。

一生懸命なのでございます。

ただ 慣れぬ事で
しくじりも多く…。

ご自分を責めていらっしゃるのが
お可哀想で。

ですから ご隠居様から…。

しづ。
はい。

それは 晃之助の役目だ。
え?

森口の家は 晃之助が継いだのだ。

隠居の俺が
あれこれ指図するのは 筋が違う。

いや 情け知らずだと
思われるかもしれねえが

晃之助と皐月 苦労しながら
やってくしかねえんだよ。

分かってくれるかい?

はい。 申し訳ございません。
しづの心得違いでございました。

案じてくれるのは ありがてえよ。
力になってやってくれ。

はい。

へえ~ 栗のイガを小紋に…。
それは 面白うございますね。

そう思うかい?
なかなか 粋でございますよ。

ハハハハハ。

女将さん!

おすみちゃんが
いなくなりました!

お前のたたずまいの残る家だ。

よそから来て比べられる皐月は
たまらねえかも しれねえな…。

佐七。
すまねえが ちょいと出てくる。

何の用か 知らねえが
忙しい寮番だね。

おすみちゃん…。

おすみちゃん…。

ああ。 うちの おすみちゃん
見なかったかい?

今日は 見てねえな。

おすみちゃん
どこへ行っちまったんだよ。

おすみじゃねえか。

どうしたんだい。
口入れ屋に 何か用かい?

(おかつ)
どこに行ってらしたんですか。

おすみちゃん 見つからない。
戻ってきてますよ。

森口の旦那も一緒です。
さあ 早く。

馬鹿! どこ行ってたんだよ!

心配したじゃないか。

お前に もしもの事あったら
私は…。

すみません 心配かけて。

みつきほど前
おすみは使いの途中で

おばあさんに会ったんだそうだ。

おすみは 車坂町の家まで
おばあさんを送ってったんだがね。

「たった一人の伜に先立たれ
身よりはない 蓄えもない。

それなのに 寿命だけが残ってる」
そう言って 泣くんだそうだよ。

で おすみは
自分が おばあさんの孫になろう。

そう思ったんだそうだ。

孫に? おばあさんの面倒を
見てあげようと思ったのかい。

そんなんじゃ…。

ただ 私にも おばあさんが
いるんだって思ったら

何だか うれしくって。
私も 身よりは誰もいませんから。

ためていた給金で
店賃払ってやって

ちょくちょく
見舞いに行ってやってたんだとよ。

おばあさんの好物の団子やら

身の回りのものを
土産に持ってな。

それで お金が
入り用だったんだね。

一人前の働きもないくせに

おばあさんの お見舞いに
行きたいだなんて

私 間違ってました。

どうして
言ってくれなかったんだよ。

打ち明けてくれれば 私だって。

嫌だったんです。
嫌?

私… 女将さんが 贅沢な着物を
次々 こしらえなさるのが

ずっと嫌でした。

「花ごろも」の台所が苦しくって

それでも お客様の前に
出るために

無理して
作っていなさるんだったら

きっと嫌じゃなかったんです。

でも ご親戚が うっとうしいから
憂さ晴らしだなんて…。

おばあさんには
お米を買う銭もないのに

女将さんは そんな事に
お金を使いなさる。

女将さんだって 貧乏のつらさは
ご存じのはずなのに…。

そう思ったら 私

なんだか 女将さんの事
憎らしくなって

お使いのお金
ごまかしてやれって。

おすみちゃん…。

でも 昨日…

女将さんに 試されている事に
気づいて もう ここには…。

おすみ。 お前を試すようなまね
させたのは この俺だ。

すまなかったな。

だけど 女将さんも 俺も

お前が こんな事をするのは

きっと 何か訳があるんじゃねえか
と思ったんだよ。

途方もねえ お駄賃を渡しゃ
きっと その金を使う。

そうすりゃ 使いみちが分かる。
そう思ってな。 許してくんな。

けどな 女将さんが
案じていたのは

金の事でも
店の信用の事でもねえんだぜ。

お前に 何かあっちゃいけねえ
悪い道に進んじゃいけねえ。

女将さん お前の事ばかり
案じていたんだぜ。

それだけは分かってやってくんな。

俺からの頼みだ。 なっ おすみ。

ごめんなさい。
私… ごめんなさい…。

女将さんの事 憎いだなんて…
ごめんなさい。

♬~

おすみちゃん。

次に 車坂町 行く時…。

これ持ってっておやり。
え?

私からの お見舞いだよ。
でも…。

黙って お取り。

だって
おすみちゃんの おばあさんだろ。

そしたら 私にだって
親戚じゃないか。

女将さん…。

お前が どう思おうと

私は おすみちゃんの
親代わりのつもりだよ。

♬~

わざわざ来てもらって
すまねえな。 いえ。

辰吉。
へい。

これから晃之助に
昔話をするんだが

お前にも聞いてもらいてえんだ。
へい。

お話というのは?

昔 一度だけ 亡くなった女房の
里和に家を出られた事がある。

三千代殿の母上が?

里和は 内与力の娘でな。
内与力といや お奉行の懐刀だ。

同心の森口家とは 格が違う。

周囲が こぞって
やめろと言うのを

俺が無理やり押し切って
嫁にもらった。

フッ 父上がですか?

おい そんな顔するな。

俺にだって 若え時あったんだぜ。
はあ。

それが 所帯を持って
油断したんだな。

俺は 里和を ほったらかして
お役目に かけずり回った。

里和。

ある日 里和が いなくなった。

里和!

俺は お役目も 手につかずに
捜し回ったんだが

皆目 行方が分からねえ。

2日後に ひょっこり帰ってきて
こう言うんだ。

旦那様は お一人で生きていく
おつもりですか?

里和は 旦那様と共に生きるために
嫁いでまいりましたのに。

2日の間
里和が どこに行っていたのか

それは 今でも 分からねえ。

晃之助。
はい。

皐月は お前と共に生きるために
嫁いできたんだ。

それを忘れるな。
はい。

森口の家は これから お前と皐月
2人で 作り上げていくんだぜ。

はい。

辰吉。
へい。

すまねえが お前も 力を貸して
やってくれ。 よろしく頼むよ。

≪(お登世)入っても よろしゅう
ございますか?
おう。

♬~

焦らず ゆっくり
おやりなさいませ。

昔から申しますよ。

「人と契らば
薄く契りて 末まで遂げよ」と。

紅葉の葉も 色の濃いのが
先に散るっていうな。

ゆっくり深まっていけば
いいんですよ。

すまねえな 座敷を借りて。
いいえ。

旦那。
うん?

さっき 晃さんには
ああ言いましたけど

私 少し羨ましいんですよ
皐月様が。 どうしてだい?

皐月様は ご自分から 晃さんに
ぶつかっていったのですよね?

晃之助様 お義父上様。
お願いがあって 参りました。

どうか 私をこちらの
お嫁様にして下さいませ。

そんなにまで 一途に
思える人がいて 羨ましい。

女将さんだって
亡くなったご亭主とは

惚れ合った
仲じゃないのかい?

料理屋で働いてるところを
先代に見込まれて 嫁いだんです。

亭主は 優しい人で

私を大事にしてくれて
幸せでした。

幸せでしたけど 恋と
呼べるものだったかどうか…。

お登世さん…。

≪(お秋)女将さん
ちょっと お願いします。

旦那。 おすみの事
ありがとうございました。

いや…。

今は この店を やっていくのが
精いっぱい。

みんなの暮らしが
かかってますからね。

これからも
どうぞ ご贔屓に願います。

そうそう 佐七さんに くれぐれも
よろしく お伝え下さいまし。

佐七に…?

実は おすみを捜して
根岸を お訪ねした時に…。

旦那は いましがた出かけたよ。

あっ… 女将さん!
どどどど… どうしたんだい。

女将さん しっかりして下さい。

(お登世)
親切に 介抱して下さったうえに

駕籠を呼んでくれて。
いい方ですね 佐七さん。

佐七の…。

急がずともよい。 分からない事は
何でも聞いてくれ。

ゆっくりと 2人で
森口の家を 作っていこう。

はい。

しづ。
はい。

よろしく頼む。

♬~

女将を
介抱してくれたんだってな。

ありがとうよ。

目の前に倒れたもんを
ほっとく訳には いかないよ。

(ため息)

どうかしなすったのかい?

いや 俺は つくづく
つまらん奴だと思ってな。

おすみの事だ。

俺が 試すような事を
したばっかりに

あの子を 追い詰めちまった。

でも 戻ってきたんだろ?

あの時 たまたま
口入れ屋の前で会わなかったら

今頃は 取り返しのつかねえ事に
なってるんじゃねえかと。

はあ… そう思うと
ぞっとするよ。

30年 お上のご用を勤めてきて
仏だなんぞと言われて

いい気になって…。

人を試そうなんて
思い上がりも いいとこだな。

俺は 人の気持ちも分からねえ
ろくでなしだ。

初めてだね。

旦那が
気持ちを打ち明けてくれるのは。

まあ ちっとは
しくじったかもしれないよ。

だけどね
そうやって人のために悩むのが

旦那のいいところじゃないのかね。

佐七…。

そうだ。 明日は 紅葉狩りと
しゃれ込むかい。

山口屋に断って 2人で 下谷の
紅葉寺にでも 行こうじゃねえか。

お断りだね。
え?

そんな所に わざわざ
行かなくたって

紅葉狩りなら ここでいいや。

そうだ。 旦那が土産にもらった
「衣かつぎ」を肴に

これから 一杯やるか?
いいねえ。

そうだ まだ栗が そのままだ。
あれも ゆでるか。

いや 旦那 旦那。

その手伝いが
かえって 邪魔になる。

旦那は ここで 下手な句でも
詠んでてくんな。

気がついたんだよ。
その方が 納まりがいいって。

♬~

気をつけて下さいよ。

親指と親指を
つけるようにしないと

手切りますからね。

(笑い声)

<泣いたり怒ったり
さまざまな思いを抱えて

それでも 大切な人と寄り添って
生きていきたい。

人とは そのようなものかも
しれません>

こら!
松の間に お銚子 2本!

板さん 福の間のお造り 早めにね。
焼き物も 急いでちょうだい。

<私と旦那様との絆も

その夜 ようやく
結ばれた思いが致しました。

紅葉の舞い落ちる
神無月も末の事でございます>

♬~

あの娘 盗みか…?

自分のうちだと思って
くつろいで下さいね。

誰が こんなうちの
世話になるかよ! まあ!

おはるさん! おなかがすくから
眠れないのですよ!

<どうぞ お楽しみに>

♬~