慶次郎縁側日記(8)「若き風」[字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
慶次郎縁側日記(8)「若き風」[字]
酒問屋の別荘の寮番・慶次郎は、元南町奉行所の定町廻り同心。娘を失う不幸な事件が元で隠居した「仏の慶次郎」が、江戸庶民の悩みや揉め事をひもとく、一話完結の日記帳。
番組内容
慶次郎(高橋英樹)は、いじめられていた若い侍・秋元右近(佐藤貴広)を助ける。慶次郎の強さにあこがれ、仲間4人が入門を申し出て、別荘の庭はたちまちけいこ場に…。右近は貧乏御家人の後継ぎだが、絵描き志望。4人は御家人の三男・四男坊で、家は継げない。後継ぎがなぜ武士を捨てるのかと右近をいじめていたのだ。悩める若者と付き合ううち、慶次郎は彼らの若さ自体に嫉妬(しっと)する己に気付き苦笑する。
出演者
【出演】高橋英樹,安達祐実,比留間由哲,遠藤憲一,梅沢昌代,山崎銀之丞,佐藤貴広,藤間宇宙,加納幸和,奥田瑛二,江原真二郎,石橋蓮司,かたせ梨乃
原作・脚本
【原作】北原亞以子,【脚本】宮村優子
音楽
【音楽】川崎真弘ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇
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(皐月)<嫁いで ようやく半年。
森口家の不束な嫁
皐月でございます。
舅殿の森口慶次郎様は
根岸の里で
別荘の寮番をされておりますが
かつては 南町奉行所の
定町廻り同心でございました。
隠居された今も
「仏の慶次郎」と
慕われるお方でございます>
♬~
根岸の別荘が 道場に?
(辰吉)ああ。
(しづ)剣術のでございますか?
(晃之助)ああ。
武家の三男 四男を集めてな。
しかもですよ 近所でも評判の
鼻つまみ連中でして。
<きっかけは
3日ほど前の事でございます>
(騒ぐ声)
<義父上様は
お仲間にいじめられている
若いお武家様と
行き合われたのです>
(右近)待て! 待て!
おい! 待て!
(新五郎)どけ。
痛え!
くそじじい!
くそ~!
(佐七)さっ どうぞ。
頂きます!
<助けられたお方は
秋元右近様と申しました>
(慶次郎)ほう…。
(佐七)見事なものですねえ!
よろしいですよ。
正直に おっしゃっても。
絵で ぶち壊し でしょ?
しかし 書は 大したものだ。
今に 絵も書に追いつく。
ありがとうございます。
私は 書画で身を立てたいのです。
だが お前様は 跡取りなんだろ?
たかだか 150俵
無役の御家人です。
それでも お武家様は お武家様だ。
剣術は苦手です。
道場通いなど 早くやめて
墨絵の稽古に 専念したいのですが
父が なかなか…。
≪(門をたたく音)
≪開けろ! 出てこい!
仕返しだ…。
仕返しにきたんだ。
まあ 待て。
今 開けてやる。
お願いします。
預かって下さい。 硯も…。
父に見つかると叱られるのです。
お願いします。
≪出てこい!
ああ ちょちょちょ… こちらへ!
右近が ここにいるだろう。
出せ。
よく ここが分かったな。
むかむかするんだよ。
てめえのそういう面 見てるとな。
跡取り息子の右近も
楽隠居気取りのじじいもな。
何もかも むかむかする。
ほう。 気が合うな。
俺も お前らのような
弱い者いじめを見ていると
むかむかするんだ。
やあっ!
ああ… あっ!
(勇三郎)野郎!
お前さん ただの寮番じゃねえな。
寮番さ ただの。
頼みがある。
稽古をつけてもらいてえ。
ちょ… ちょっと…。
よしな。 俺のは 悪党たちを
追いかけてるうちに
身についた剣法だ。
お前たちの覚えるもんじゃねえ。
ふっ 町方か…。
町方が どうした。
いいじゃねえか。
俺は 喧嘩だけは
誰にも負けたかねえ。
親父さんが定町廻りだろうと
押し込み強盗だろうと
稽古をつけてもらいてえ。
親父さんか。
じじい呼ばわりから大した出世だ。
いや ちょ…
ちょっと 待ってくれ。
ここは 山口屋の別荘だ。
剣術の稽古なら よそで…。
よろしく頼むぜ 親父さん。
次の日から 早速
連中が押しかけまして。
やっとうの稽古です。
困った佐七が 相談しに来まして
あっしが様子を見に。
(かけ声)
ああ…。
ああ…。
うわ~!
あっ…。 あ~あ。
あ~あ。
別荘が壊れてしまいます!
それよ。 山口屋は 義父上には
何も文句は言うまい。
だが…。
壊されて 叱られるのは
佐七さん。
ご意見なさいませ。
旦那様から ご隠居様に びしっと。
うん…。
何か?
俺も 三男坊だったからな。
分かるのだ 連中のつらさが。
武家の三男など 惨めなものだ。
養子の口がなければ 妻も娶れぬ。
生涯 厄介者の 冷や飯食いだ。
剣術の稽古くらいで
憂さが晴れるなら。
情けをかけていては
キリが ございません。
ここは びしっと。
よし。
いっそ 山口屋と図ってみるか。
それでございます!
いや…
でも そいつは
告げ口になります。
ですよねえ…。
お前は どちらの味方なのだ?
私は ご新造様の。
こうしたら いかがでしょう。
剣術の事は 伏せたまま
山口屋さんに
来てもらうというのは。
お客様が来られれば その者たちも
おのずから遠慮いたしましょう。
なるほど…。
さすが ご新造様。
しかし 何だって 旦那
今頃 剣術指南なんぞ…。
<私たちの心配をよそに
お稽古は続けられておりました>
(かけ声)
<丹精したお庭を
荒らされまいと
佐七さんの奮闘も
尋常ではなかったようですが…>
♬~
(一同)ありがとうございました。
ああ。
(お登世)それで 肩が?
動かねえ。
連中の前じゃ見え張って
何でもねえような顔してるが
帰ったあと もう…。
むちゃは いけません。
もっと いとうて下さいませ。
覚えがあるんだよ。
あいつらは 部屋住みの三男 四男。
俺は 跡取りの長男。
立場が違うっていや
違うかもしれねえが…。
見習同心に なった頃だ。
同じ与力 同心でも
町方は 低く見られがちでな。
それも あったんだろうが
十手の扱いを教える
道場に通うのが 嫌だった。
旦那が?
十手が お嫌だったんですか?
町方で 生涯 終えるのが嫌だった。
だから 一刀流の道場へ通った。
誰にも内緒でな。
お父上 どうされました?
そりゃ 怒ったさ。
怒髪天をつくだ。
だが 俺は どうしようもねえ。
町方を嫌うてめえも 憎かった。
てめえの行く末を てめえで恨む。
今のあいつらと 同じだった。
厄介なものでございますね。
若いっていうのは。
≪(客)おい 酒!
まだ こないのかい?
はい ただいま あいすみません。
≪(おかつ)女将さん。
はい。
楓の間のお客様が ご挨拶をと。
今 行きます。
あやめの間に お酒を。
あっ はい。
そういや 今日は
女中が 少ねえようだが。
どうしたんですかねえ。
あいにく
風邪っぴきが 増えましてね。
失礼。
(お秋)女将さんが
お見送りできなくて…。
いいんだ。 繁盛が 何よりだ。
近頃 鎌倉屋は どうだい?
おとなしくしてるかい?
女将さんなら 平気でございます。
そうか。 そうだな…。
親分さん。
(吉次)ハハ こんな場所が好きで
チビチビやっておりやした。
ああ 一人は
墨屋っていう店におりやす。
板場の方は 深川の料理屋に
落ち着きそうで。
何のお話でしょう?
「花ごろも」を辞めた
奉公人の話でさあ。
安右衛門って因業の差し金でねえ。
辞めた者なんか
どうでもようござんす。
お気遣いどおり 辞めた者の分が
忙しゅうございましてね。
お引き取り下さいまし。
出直して頂いても うちじゃ
ご商売になりませんでしょう。
鎌倉屋がねえ…。
なくなるかもしれやせん。
どういう事です?
鎌倉屋の商いは 傾く一方だ。
7年前 番頭の弐吉を
追い出したのが 痛かったね。
あげく 盗品買いに
手を出しちまった。
盗品買い? 盗んだ品を?
老舗が そんなものに手を出しゃ
いいように 笑われるだけだ。
安右衛門も
ようよう気づいたってわけだ。
今は 何とかして
弐吉を 呼び戻したい。
あの番頭なら
客を 呼び戻せるってね。
追い出したの 自分のくせに。
弐吉は 女将さんが戻るんなら
店に 戻ってもいいって。
じゃあ… 安右衛門は
ここつぶして 私を…。
どうしやす? 女将さん。
戻りゃ 花ごろもは つぶれる。
ほっときゃ 鎌倉屋が危ねえ。
<晃之助様が
山口屋さんを訪ねられた
その数日後の事でございます>
お前さんたち
旦那を知らないかね?
(英之助)煎餅を買ってくると
出ていったが。
もう 急ぎの使いが来た
というのに…。
誰か これを読んでくれないか?
昼過ぎには 誰かと来ると
あるようなんだが…。
(主税)「絵師 木村玉山を案内し
番頭の文五郎が行く」とある。
えっ!
どうした? じじい。
お前さんたち 今日は帰ってくれ!
何だと?
あっ しょ… 障子を
直さなければ…。
いやいや…
庭を元に戻さなければ。
いやいや…
まず お湯を沸かさなければ!
おい じじい!
何だい
気に入らなきゃ打ちやがれ!
大事な お客が来るんだ。
おらあ ここを追い出されたら
野たれ死にだよ…。
佐七! 山口屋の使いと
つい そこで行き合わせた。
今から文五郎が… 佐七!
お前さんたち…。
稽古の礼だ。
案じるな。
庭や屋敷の手入れなんぞ
俺たち 冷や飯食いには
慣れたもんよ。
よ~し。 俺も。
♬~
どうだ? 間に合いそうか?
ああ。
♬~
≪(文五郎)玉山先生を
お連れしました。
お待ちしておりました。
先生 どうぞ。
そうか 晃之助が。
(文五郎)たまには お客様の
もてなしに使ってほしいと。
手前どもの主に。
いや すまねえ。
剣術の鍛錬ってのは
俺の一存で決めた事でな。
佐七を責めないでやってほしい。
はい。 主も 松の手入れで
枝を切られるより
剣術の稽古をされてる方が
心安らかだと
きっと申しましょう。
あの玉山先生は
山口屋とは古いそうだな?
(文五郎)はい。
若い頃から先代が面倒を。
ご立派になられました。
ん。
(安右衛門)何の用だ?
こんなところまで。
ハハハ 世間話ですよ。
ちょいと近くまで来たもんで。
帰れ!
旦那が出入りなさってた あそこ
ちょいと いい女が
盗んだ品物を回してた あの家。
近々 手入れがあるんだ。
何だと!?
売っ払った品物についても
厳しい お調べが。
ハハハハ… いや 妹のそば屋がね
あちこち ガタが きやしてね。
いや まあ 兄貴としては
ここらで気前よく 建て直しでも
してやろうかと思いまして。
先生 どうぞ。
ありがとう。
皆様 今日は お疲れさまでした。
森口様と佐七から
皆様のお働き 伺いました。
誠に ありがとうございました。
さあ どうぞ お好きなだけ
召し上がって下さい。
これを 俺たちに?
何だい これだけじゃ 不服かい。
ほい。
湯気が立ってる。
ああ…。
おい。
俺にも 味噌汁!
ああ 順番だ 順番だ。
<武家では
三男 四男に生まれた者の食事は
どの家でも最後に回されます。
ですから ご飯も汁も
冷えているのが
当たり前だったのです>
さあ 煮物だ。
わあ! うまそう。
(新五郎)お前。
あっ。
玉山に会いにきたんだろう!
私は…。
絵を見せにきたんじゃ
ねえのかよ!
そうです。
上野の山で先生を見かけて
ずっと後をついてきたんです。
でも…。
見せればいいじゃねえか。
いいんです もう帰ります。
どうせ 私の描いた絵など。
どうせ?
道楽みたいなものですから。
ああ! 痛い…。
♬~
(佐七)おい ちょ ちょ…。
どなた様で?
諏訪新五郎。
おい!
おい おい!
♬~
先生に これを見て頂きたい。
あの者が 描きました。
いかがですか?
お前のせいだぞ。
俺の? こいつはな
ずっと あの絵描きの周りを
うろうろしてたんだぞ。
いいんです もう。
何がいいんだ!
やはり 私の絵では…。
謝れ。
謝れ?
おい。 お前ら いつから
こいつの味方に なったんだよ。
こいつはな
ただの跡取りの道楽息子だぞ!
とどのつまり お前は
剣が苦手で 絵に逃げて
弱虫じゃねえか!
玉山とやらに
すげなくされたぐらいで…。
何が 絵描きで身を立てたいだ!
お前たちもだ!
人が よすぎる!
出来たての飯で ちょっと腹が
いっぱいになったぐらいで
ほだされてんじゃねえよ!
何だと!?
ほだされて 何がいかん。
俺は 五男だ。
働きに見合った あったかい飯が
うれしかった。
何が いけない!
やめて… やめて下さい もう。
表へ出ろ。
出てどうする?
貴様らなど この剣で…。
剣で どうなる!?
いくら剣を学んでも
勝ち負けだけに こだわり
無頼を気取っていたら
そのうち ただの厄介者に
なるだけではないか!
あっ お前さん!
じじい! おかわりだ!
佐七! 俺も おかわりだ。
♬~
<ですが それきり。
お武家の若い方たちは
根岸の別荘に
お姿を見せなくなったので
ございます>
何で みんなの屋敷
聞いとかなかったんだよ。
面目ねえ。
へっ。 八丁堀の旦那が
聞いて あきれらあ!
あ~あ こいつで
味噌汁 作ってやりたかったなあ。
≪(辰吉)旦那。
ちょっと…。
(辰吉)あそこです。
新五郎って若造がいるのは。
よく分かったな 新五郎の一件。
いや ご新造さんから。
皐月が?
集まった若い衆の事を
それとなく気にしてほしいと。
旦那を案じておりやした。
そうか… 皐月が。
あそこは 新五郎といい仲の
小唄の女師匠の家です。
屋敷に戻らず 入り浸りって事か。
若いってのは 厄介なもんです。
道を外していると
分かっていても
どうにもならない事がある。
覚えがあります。
あいつ…。
描き直したんです。
こりゃ…。
いい絵だ。
はい。 新さんのおかげです。
前よりも いいものが描けました。
ぜひ 見てほしくて。
嫌みか それは。
思う存分 道楽できるのを
自慢しにきたのか!
道楽ではありません。
私は もう 武士ではありません。
私は 絵描きになります。
父にも そう申して
勘当されました。
もう 後戻りは できません。
何としてでも 絵師を目指します。
玉山先生に入門を願い出て
ようやく お許しを頂けました。
断られて 断られて…
やっと 4日目で。
そうか おめでとう。
ありがとうございます。
新さんに 逃げていると
責められたおかげです。
ですから この絵を真っ先に
新さんに 見てほしくて。
帰れ…。
新さん 私は…。
帰れ!
投げるな!
それを投げれば お前は まさしく
道を外す事になる。
だから どうだってんだ!
さっき 酒の入った杯を投げた時
お前は それを 襖に投げた。
絵に 酒が かからないようにした。
お前には 分かっていたのだ。
これが 秋元右近
覚悟の作だって事がな。
だから 汚せなかった。
考えすぎだ。
お前が 右近をかまうのは
跡継ぎだからじゃねえ。
これだけは 誰にも譲れねえ。
これだけは 手放したくねえ。
そういう道のある男が
妬ましかったんだ。 違うか?
黙れ じじい!
今のてめえには それがねえ。
道も見つからねえ。
そういう てめえの不甲斐なさに
腹が立って
それで お前は…。
黙れ!
今のおめえは 俺には勝てねえ。
右近にも 勝てねえ。
だが…
明日のおめえは 分からねえ。
♬~
俺の腕は 今より鈍る。
確かに鈍る。
俺は… おめえが羨ましい…。
♬~
何だね
わざわざ呼び出しておいて。
玄関には 打ち水もなしかい。
一体 どうなってるんだ この店は。
あいすみません。 ただいま。
気のせいか
人手も足りないようだが
こんな事で お客様の相手が
務まるのかね。
お待ちしておりました。
安右衛門さん。
おお。 おお…。
帳面を見せてもらったら
すぐ帰る。
まあ そうおっしゃらずに。
珍しい置物を
手に入れたんでございますよ。
是非 見てやって
目利きして下さいまし。
フッ どうせ 安物だろうて。
どうぞ。
なんでも 一昨年あたり
さる お屋敷から 盗まれた品物
なんだそうでございます。
そういう物ばかりを
商っている家がございましてね。
手入れが入ると
買った方も 取り次いだ方も
大層 お困りになるとかで
是非にと引き取りを頼まれまして。
吉次か? あの蝮が教えたんだな。
(お登世)
何のお話でございましょう。
すべて 私ども 花ごろもで
買い戻させて頂きました。
たとえ この先 商った者らが
お縄になったとしても
取り次いだ店にまで お調べが
及ぶ事は ございません。
この品を含めて すべてを
盗まれたお屋敷に
お返し致しました。
先代に ご恩を受けた嫁として
鎌倉屋の名を汚さぬよう
出すぎたまねを
させて頂きました。
おかげさまで
分不相応の借金も致しましたが。
今後は ここで働く者たちのために
なお一層 店を守り続け
商いに精進する覚悟でございます。
店の者の引き抜き 口出しは
今後 一切 ご無用に願います。
♬~
お前… 蝮と できているのか。
はい。 私 蝮さん
大好きでございます。
女将さん!
ありがとうございます!
やりましたね!
ああ すっきりした!
<そして 義父上様は…>
どうだい 汁粉でも…。
折角ですが 玉山先生のお供で
旅に出ます。
初めは 身の回りの
お世話ですが…。
そうかい。
先を急ぎますので ご免。
♬~
先を急ぐか…。
いや あっしは… 甘いものは。
知ってるよ。
いらっしゃい。
(太鼓の音)
当た~り~!
どいつも こいつも!
全くだ!
知りたい事を 教えましょうか?
旦那 知りたかったはずだ。
この面が…。
この因業が どうして出来たか。
俺は 次男坊でね。
ほ~う。
親父は 兄貴ばかりを可愛がり
俺には 何も
教えてはくれなかった。
だが 俺は やりたかったさ。
てめえの才覚で
商売ってやつをね。
親父も 兄貴も死んで
さあ 俺がって 意気込んだら
この年だ。
そりゃ しくじりもするさ。
しくじって 何が悪い!
悪かねえ。 四十の手習いだ。
それだ… 旦那 それだよ。
まだだ。 まだ やるぞ。
これからだ。 俺は…。
(太鼓の音)
当た~り~!
あんた強えな…。
今日は ちょいとばかり
気に入らねえ事が あってな。
ふらふらしてる若い者に
剣術の指南をした。
道を教えてるつもりで
いい気になってた。
ところがだ…。
気がついたら 誰も いねえのさ。
いつの間にか てめえで
てめえの行き先を決めて
すいっと 俺を 追い抜いて
いきやがる。 「お先に…」ってな。
それで 初めて気づいたんだ。
剣術の稽古をしてやると
言ったのは あれは
ひょっとして
憎かったんじゃねえか。
願えば これから 何でも叶う。
そういう連中の若さがな…。
だから 何だ?
外すな。 狙え…。
狙え!
よ~し!
(太鼓の音)
当た~り~!
はあ…。
♬~
ああ…。
もう こんなになるまで
つぶれちゃって!
お? これは?
夕方 来たんだよ 新五郎がさ。
お仲間も それぞれ
何とか やってるみたいだ。
味噌汁が うまかったって。
へっ。 どこへでも
行きやがれってんだ。
どこででも やっていけるさ。
佐七…。
何だい?
明日の朝は
うまい味噌汁が 飲みたい。
何だよ 急に。
うまいだけじゃないぞ。
熱~い味噌汁だ。
<若き風が ことさら薫る
初夏の夜でした>
お姫様を連れてきたぜ。
はい。
親父!
わ~!
恋…。
ん?
親父は 私と旦那
どっちが大事なんだい!
<どうぞお楽しみに>
♬~