慶次郎縁側日記 [終](10)「皐月」[字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

慶次郎縁側日記 [終](10)「皐月」[字]

酒問屋の別荘の寮番・慶次郎は、元南町奉行所の定町廻り同心。娘を失う不幸な事件が元で隠居した「仏の慶次郎」が、江戸庶民の悩みや揉め事をひもとく、一話完結の日記帳。

番組内容
皐月(安達祐実)は悩んでいた。いまだに晃之助(比留間由哲)は、許婚(いいなずけ)だった亡き三千代(岡本綾)を思っている。慶次郎(高橋英樹)の留守中、皐月は別荘に盗みに入ったお雪(中川安奈)を捕らえる。死んだ先妻の陰で苦しむお雪は、大工の後妻だった。自分と同じだ、何とかしたいと、皐月は慶次郎の手文庫に手をかける。見とがめた慶次郎に「親子じゃねえか、要るだけ取りな」と言われ、皐月は慶次郎の胸で泣く。
出演者
【出演】高橋英樹,安達祐実,比留間由哲,遠藤憲一,梅沢昌代,中川安奈,近藤結宥花,岡本綾,奥田瑛二,江原真二郎,大谷直子,石橋蓮司,かたせ梨乃
原作・脚本
【原作】北原亞以子,【脚本】宮村優子
音楽
【音楽】川崎真弘

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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  1. 旦那
  2. 佐七
  3. 女房
  4. 皐月
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  8. お前
  9. 三千代様
  10. 鎌倉屋
  11. 三千代
  12. 棟梁
  13. お金
  14. 義父上様
  15. 兄弟子
  16. 晃之助
  17. 根岸
  18. 助八
  19. 先妻
  20. 辰吉

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(くしゃみ)

(慶次郎)ああ だから寝てろって
言ってるだろうが。

(佐七)じゃあ お聞きしますがね

俺が一寝入りしてる間に
縁側は土埃

二寝入りしてる間に
旦那は腹へったと

羊羹を飯代わりに。
俺が寝込んじまったら

屋敷と旦那の面倒は
誰が見るんだい!

(せきこみ)

≪(皐月)ごめんくださいませ。

♬~

<舅殿の娘御
三千代様のお位牌です。

今から 8か月前 義父上様が
寮番になられた折に

お持ちになったものでございます>

こりゃあ 佐七が喜ぶ。

わざわざ
持ってきてくれたのかい?

頂きものですが…。
佐七さんは お風邪ですか?

いろいろあってな…。

ここんところ 年甲斐もなく
飲んだくれやがって。

≪(佐七)聞こえてるよ!
聞こえるように言ってんだよ!

じゃあ お聞きしますがね
俺が一寝入りしてる間に…。

もういいって! その話は…。
よかぁないよ!

その… お線香の匂いが…。

(晃之助)線香?

どちらで?

町廻りは歩くが お役目。

どこで どんな匂いが付いたかなど
いちいち覚えておらぬ。

どうした?
いえ…。

佐七さんは?
ようやく寝にやらせた。

寄ってもらったついでに悪いが
留守を頼めるか?

お出かけになるので
ございますか?

佐七に うまい煎餅でも。

どうした?
いえ。 どうぞ。

≪いってらっしゃいませ。

(せきこみ)
≪皐月です。

しばらく こちらにおります。

何かありましたら どうぞ
何なりと言いつけて下さい。

どうせね…。
はい?

俺の代わりなんざ
いくらでもいるってこった。

義父上が 身内の外で あんなに
打ち解けて お話をするのは

佐七さんしか おりませんよ。

[ 回想 ] 旦那様が お墓に?

(しづ)お使いの帰りに。
「旦那様」と お声をかけても

気づかれずに お寺の方へ
歩いていかれたので もしやと。

三千代様のお墓参りを…。

それとなく ご住職に伺いましたら
このところ度々。

≪(物音)

佐七さん?
≪(悲鳴)

どなたです!

(お雪)お金!
お金?

こっちは 捨て身なんだ!

あとは もう
身を売るしかないんだよ!

怖くなんか…。

はっ!
はっ!

(泣き声)

落ち着きましたか?

出来心だったんでございます。
ふらっと近くを…。

根岸は お金持ちの別荘が
多いってのを思い出して つい…。

お許し下さい 雪と申します。

神田相生町の大工
助八の女房です。

お雪さん。 お金は どういう訳で?

そりゃ いろいろでしょうよ。

普請のための
掛かりですか?

大工なら 前払いの金は
もらってるでしょうに。

30両ぽっちのお金じゃ とても。
材木の注文 人足の手配。

せめて あと20両。

頼まれている
川崎の料理屋さんは

ざっと見積もっても
300両の大仕事なんでございます。

ご主人
腕のよい大工さんなんですね。

それに 借金も…。

ほ~ら そんなこった 博打かい?

酒も博打も 亭主はやりません。

借金は 兄弟子のを
おっつけられたんです。

そりゃ…。

しかたなかったんですよ。

兄弟子に嫁ぐはずだった
棟梁の娘を

うちの人が
女房にしちまったから。

棟梁の娘の方が
この人じゃなきゃ嫌だって…。

それ以来 うちの人 兄弟子にも
棟梁にも 気兼ねがあって…。

うちの人って?

私は 後妻です。

娘さんは…
先妻は とうに 亡くなりました。

ですから
私が何とかしないと…。

兄弟子の借金も
大仕事の掛かりも。

今は 私が 女房なんですから。
そうでしょ?

それでも 盗みはいけません。

胸 たたいちまったんですよ。

借金に追われて
途方に暮れてる亭主に

任せてくれ。 女房は 私だよって。

でも 先妻と違って
ロクな身寄りもいませんから…。

どうにも算段がつかなくて。
それで…。

(晃之助)様子を見てほしい?

町廻りの合間にでも。

大きな普請のお金に困っています。

兄弟子の借金も背負って…。

ですから その…。

盗みでも 働かないかと。

(晃之助)金に困った者が 皆
盗みに走るわけではあるまい。

それは そうですが…。

それだけで わざわざ
神田まで行くわけにはいかん。

差し迫ったお役目は
ほかにもある。

差し迫ったお役目とは
どのような?

いろいろだ。
例えば お墓に参られるとか?

ご新造様…。
三千代様が同じ事を願われても

旦那様は 断られるのですか?

辰吉。
旦那様。 (辰吉)へい。

探索中の一件だが。
旦那様…。

近々 大がかりな賭場が
立ちそうだと言ってたな。

(辰吉)明日にでも
確かめてみましょう。

いや 私が確かめる。
旦那様!

近頃 足しげく 三千代様のお墓に
参っているのは

何故でございますか?

何か 私に至らないところが
あるのでしょうか?

それで旦那様は 三千代様に…。

♬~

あの… この辺りに
助八さんという…。

ああ お雪さんとこなら
この奥だけど。

ありがとうございます。
ちょっと 今行ったら… お前さん。

ごめんくだ…。

お許し下さい 借金なら 必ず…。

待ってくれ 待ってくれってな

こっちも わざわざ
足運んできてるんだよ。

助八 大きな料理屋
建てるっていうじゃねえか。

その大仕事の前に
亭主に怪我されたら 困るわな。

怪我!?
それは 脅しではありませんか。

何だと!
もういっぺん 言ってみろ!

おい。 うちの嫁だ。 何か?
旦那…。 義父上…。

ヘヘヘヘヘ…
「仏の旦那」のお身内ですかい。

こりゃ どうも…。

ごめんなすって…。

佐七から 根岸での一件 聞いたよ。

亭主とは 幼なじみです。

棟梁の娘と 夫婦になったって
聞いて

一度は諦めたんですが
思いがけず 後添いになって…。

床についた姑の世話が
要るとかで…。

亭主を産んでくれた人です。

先年 亡くなるまで
一生懸命 看病しました。

亭主は 幸せもんだ。

そうでしょうか。

何もかも 一人で
背負い込んでねえで

仕事の金なら 亭主と2人
棟梁に 頭を下げてみちゃ。

嫌です。

先妻の お身内には
頼りたくない?

嫁いでから ずっと 死んだ人の
陰になって 生きてきました。

自分が 信じられないんです。

私は 本当に
助八の女房なんだろうか。

先妻の 身代わりなんじゃ
ないだろうかって。

いや そいつは…。
お金だって 前の女房だったら

実家に泣きついて
借金なんか すぐに返した。

前の女房だったら 亭主は
もっともっと 幸せになれた。

私なんかじゃない
前の女房だったら もっともっと。

まことの夫婦になれた。

棟梁のお内儀さんは

いまだに私の事を こう呼びます。

2度目の人。
亭主も それを ただしません。

<私の姑 里和様のお位牌で
ございます。

義父上は 根岸の寮へ移られる際
連れ合いの里和様に

森口の家を見守るよう
託されたのです>

お聞きしても
よろしいでしょうか?

何だ?

亡くなられた義母上様の事を…
今も覚えておられますか?

気になるのか お雪の事が。

あれは 手を出しちゃいけねえ。

夫婦の… それも ここの内の話だ。

当人同士が ぶつかって
それで 乗り越えられなきゃ

それまでの縁だったんだ。

覚えておられるのですね。
義父上も 亡くなられた方を。

忘れた事はない。
里和も 三千代の事も。

お前は賢い。 ごまかしが効かぬ。
だから「真」を言った。

はい。

はい。

つらいな。 真というのは。

今年は まだかい?

(お登世)蓮の花でございますか。
気配ばかりで まだ…。

咲くのは 朝だったな。

ええ 厄介な花ですよ。

朝の たった4日の間しか
咲かないんでございます。

朝顔だって もう少し
愛想がいいでしょうに。

なあ お登世。
はい?

鎌倉屋に帰る気は ねえのかい?

後見人のところへ?
いや 思ったのさ。

鎌倉屋が あれこれ
かまってくるのは

お前さんに帰ってほしいからじゃ
ないかってな…。

吉次から聞いたよ。

借金を増やした
っていうじゃねえか。

はい。 増やしてしまいました。

おかげさまで
みんなが よく働いてくれます。

お帰り下さい!
客に向かって 何じゃ この野郎!

お帰り下さい!
いいから 入れろ…。

帰れ! 帰れ!

(お登世)女将じゃ 心もとない。

自分らが しっかりしなくてはと
フフ そう思われておりますかね。

正味な話 鎌倉屋に戻って
働く夢をみた事もございました。

お世話になった鎌倉屋 老舗の灯が
消えたようになってしまう。

つろうございました。 でも…
その つらさが ふっ切れたのは

旦那の お言葉です。
俺の?

みんなが止める中
旦那が 根岸に移られたのは

生きたかったからだと…。

目が覚めました。

「花ごろも」での出会いを
大切にしよう。

私が 鎌倉屋に戻っても
何の力にもならない。

私は ここで よく生きたい。

(志乃)まあ これを お前が?

作りすぎてしまいました。

時節が時節ですので
おすそ分けに。

しづに持たせれば よかったのに。

今朝のうちから
親戚の家に出かけました。

頂きます。
ありがとうございました。

ほかに 何か?
いえ…。

皐月。

嫁いだ朝の事を 覚えていますか?
嫁ぐ朝?

私は 3人の家に
嫁ぐのでございます。

加えて
4人にして頂くのでございます。

その覚悟で
この屋敷を 後にしたうえは

お菜を言い訳に 愚痴を聞いて
もらおうなどと みっともない。

お帰りなさい。
母上…。

それくらいの辛抱ができぬ娘に
育てた覚えはありません。

はあ… 皐月 可哀想に…。

お察し致します。

お前が 厳しくしてくれと
頭下げるから。

はい。 旦那様も ご新造様も
今が正念場でございます。

いましばらく お嬢様の事 黙って
見守ってあげて下さいまし。

お願い致します。

お前 やせたかえ。
はあ 残念ながら!

(笑い声)

わずかですが。
ご新造さん。

10両あります。
嫁入りの時に持たされたお金です。

それでも足りないでしょうが…。

疲れました…。
先妻の代わりは もう…。

私の夫にも
亡くなった許婚がおりました。

だったら お内儀さんも
お分かりでしょう。

死んだ人に 勝てやしません。

それでも いっぺんでもいい。

あの人の前に こう
お金をそろえて見せて

「でかした! よい女房だ。

役立つのは
死んだ女房なんかじゃない。

生きてる お雪 お前だ」
そう言わせてみせたかった。

言わせましょう。

言わせなきゃ。 元気を出して!
ねっ。

<根岸へ向かっておりました。

何とかしてやりたい。
何とかしなくては。

ただ その一心でございました>

どうぞ。 折角いらしたのに

あいにく 旦那は
出かけたところで…。

そうですか。

お前様 顔色が悪いようだ。
ちょっと休んで…。

あっ そうだ。
水菓子でも買ってこよう。

佐七さん。 加減は?

はい。 もう すっかり。

ゆうべも
若旦那に 声をかけてもらって。

晃之助様が ここに?

はい。 急にいらして 何だか
お位牌と話して お帰りになった。

旦那と 2人 ずっと そこに…。

♬~

何をしている?

要るだけとりな。

親子じゃねえか。

親子…。
そうだ。

皐月。

(佐七)買ってきたよ。

どうする? 少し冷やして…。

親子だなんて。

いらない… いりませぬ。
皐月。

おっしゃって下さい。
娘は 三千代様お一人だと。

私を 他人だと思って下さい。

この期に及んで まだ…。

まだ亡くなった人の代わりなら
そんな情けなら 私…。

情けじゃねえ!

♬~

親子じゃねえか。

義父上様…。

♬~

お雪に貸してやろう
そう思ったのか?

あと10両あれば。
お雪さん それさえあれば

亡くなった人の陰から
抜け出せる…。

なぜ 俺に言わなかった。

俺が 三千代の父だからか。

晃之助とお前の事は 2人の話だ。
2人でつけろ。

だが これだけは言っておく。
己を誰かの陰と思うな。

義父上様…。

お前は お前だ。 三千代になるな。

俺も 三千代は 2人いらない。

でも。 でも…。

どうした?

俺も…。

おひでが消せねえ。

死ぬまで
あの馬鹿が忘れられねえ。

佐七…。

そこにあるもんが
なくなっちまうんだよ。

忘れちゃいけねえんだ。

心底 惚れたものは
忘れちゃいけねえ。

そういう旦那と 若旦那だから

お前さんも惚れなすったんじゃ
ねえのかい?

佐七さん…。

俺は お前さんが消えちまっても
忘れねえと思うよ。

優しい言葉 かけてくれたなって。
ずっと覚えてると思うよ。

どうした?
(せきこみ)

大事ないかい?
皐月。

お前… ひょっとして。 まさか?
え?

そうか。 そうか!

えっ 何だい? え…。
俺にも教えてくれよ!

そうか!
どうしたんだよ?

(おきわ)いらっしゃい。

大店の跡継ぎを たぶらかし

大がかりな賭場で
銭を巻き上げてる連中がいる。

(吉次)この暑いのに。
次の賭場が いつか知りたい。

さあてねえ。

あの…。

そばならいいよ。
すぐ お帰りだ。

もらおう。
はい。

神田相生町に
助八という大工がいる。

この男に 高利の借金を
背負わせてる輩がいてな。

賭場に出入りしている男だ。
たたけば出る。 いろいろな。

おい 菊松。 (菊松)へい。
そば 上に運んでくれ。 へい。

旦那…。

(伊助)道端で飲みつぶれて
いたところを こっちに…。

(辰吉)旦那…。 後は 俺が。
へえ。

小せえ男だ 俺は。

小せえだけじゃねえ。
情け知らずの男だ。

仏と言われた義父を超えよう。
超えねばと お役目に励む。

一日 町を廻り 罪を暴き
家に戻れば 皐月と憩い

泥のように眠る。

よろしいじゃございませんか。

いつの間にか
この世にいない者を忘れる。

忘れる己が やりきれず
墓参りを繰り返した。

(すすり泣き)

愛しい気持ちに変わりはないが

今 愛しい者のために
この先 忘れるかもしれぬ。

昔 人を殺そうとしやした。

女房を殺した男です。

「殺すな! 生きろ!」…。

大旦那に どなられ
振り上げた匕首を下ろしやした。

死んだ女房も 殺した男も。

許せねえ てめえも…。

ここで くすぶっておりやす。
そうやって生きておりやす。

♬~

次の賭場が 月末に立つ。
吉次から聞いた。

吉次を… お使いに?

大きな捕り物になる。

辰吉。 頼む。

心得ました。

ただいま戻った。

皐月…。

皐月?

いたのか。

すみませぬ。
表の風に当たっておりました。

どうした。 具合が悪いのか?

旦那様。

私 子ができました。

子…?
はい。 身ごもりました。

私 嫁ぐ折に
このように思っておりました。

3人の家に嫁ぐのだと。

義父上様 晃之助様 三千代様。

でも それは
間違いでございました。

間違い?

お姑様 その母上様 父上様…。

大勢の方がいらして

子は 生まれるのでございます。

私は ただ その中の 小さき一人。

♬~

≪(晃之助)でかしたぞ~!

(笑い声)

先日 ふらっと
鎌倉屋を 訪ねました。

いえね。 通町に
用がございまして ついでに…。

7年ぶりでございました。

店を出て以来か。
安右衛門 どうだった?

それが 追い返されました。

店に 一足 入った途端に
こうですよ…。

(安右衛門)何か ご用で…。

(笑い声)

何だか ずっと肩ひじ張ってたのが
すっと取れましてね。

私も 言い返してやりましたよ。

近くまで来たもんで
また参ります。

文句を言いに
度々 行ってやります。

(笑い声)

意地と我を
取り違えてたんでしょうかねえ。

勝手に 敷居を高くして

やっかんでたのは
私の方かもしれません。

そんな事はねえ。 意地がなきゃ
てめえは てめえでいられねえ。

亭主に 線香をあげて参りました。

大旦那にそっくりの
いい人でした。

掛けがえのない人でした。

改めて そう思いました。

そうか…。

なかなか咲かぬものだな。

よろしいじゃございませんか。

焦らずとも ゆっくりと…。

咲くのは 朝だったな。
はい。

待たれます? それまで。

このまま… こうして待ちたい。
はい。

♬~

行ってくる。
行ってらっしゃいませ。

<お雪さんから お金の工面が
つきそうだとの

言づてが 届きました。

いま一度 夫婦二人で
乗り越える 決心をしたのです>

あっ!
ああ…。

今日も 暑くなりそうだね。
どれ 水打つか。

座っててくんな 仏の旦那。

おや 綺麗な お嬢さんだ。

♬~

旦那?

今 つらかった時の事を
思い出した。

ここに来る前。
二度と 思い出したくねえ。

だが 忘れられねえ。

その時の事をだ…。

だが なぜだい?

いつもは苦しいだけの
その昔が…。

ふっと 懐かしく思えやがった。

♬~

三千代…。

三千代…。

<義父上様の物語は ひとまず
これで おしまいでございます>

お前 食いなよ。
いや 旦那 どうぞ。

<この続きは またの折に
致しとうございます>

だから お前が食えって
言ってんだろ。

何で 食べてえなら
すすめなきゃいいじゃないかい。

♬~