ドラマ 今度生まれたら(3)[字]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
ドラマ 今度生まれたら(3)[字]
夏江(松坂慶子)は、尾行した夫・和幸が公園で長男・剛と会っているのを目撃する。帰宅恐怖症になっていた。夏江は妻を問い詰めるが、事情を聞いてある行動に…
詳細情報
番組内容
夏江(松坂慶子)は、尾行した夫・和幸(風間杜夫)が公園で長男・剛と会っているのを目撃する。剛は妻の理沙に無視され帰宅恐怖症となり、毎晩公園で時間を潰していたのだ。夏江は理沙に会いに行く。理沙には夢があったが、夫の反対で諦めていた。それで夫婦仲がぎくしゃくしていたのだった。「やりたいことがあるなら離婚してでもやればいい」と言い放つ夏江だが、自分も思い切ってある人に電話を…
出演者
【出演】松坂慶子,風間杜夫,藤田弓子,平田満,山中崇,須藤理彩,宇野祥平
原作・脚本
【原作】内館牧子ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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(夏江)
<完敗だった。 高梨公子と同じように
年老いても充実した仕事を持つ
山賀夫妻と
何も持たない自分との差を
圧倒的に見せつけられ
自分は どこにでもいる
ありきたりな一般バアサンなのだと
認めざるをえなかった>
運転手さん。
はい。
次の信号ね
右に曲がってください。
あっ はい。
運転手さん やっぱり ここでいいわ。
ここで降ります。 おいくら?
2, 700円です。 現金ですか?
はいはい 現金です。
運転手さん 変更します。
あのバスの後 ついてって。
あ はい…。
♬~
(剛)ハハハハハ…。
運転手さん ありがとう。
4, 000円ね。 お釣りはいいわ。
ありがとうございます。
はい どうも。
ハハハハハハ…。
(和幸)よう。
えっ 何? ここら辺
ジョギングコースだったっけ?
ん?
その靴 汚れるぞ。 気に入ってんだろ?
ああ…。
♬~
大丈夫か? これ。
持ち歩いてるのか?
(剛)うん…。
(和幸)大丈夫? におい。
(剛)え だって…。
地方の企業も本業とは別に
いろんな業種に進出してきてさ。
地ビールだけじゃなく
野菜 作ったりもしてるよ。
残業や出張は減った?
うん。
父さんの時代は
帰るの大抵 午前様だったもんね。
いや~ よくやるよって思ってた。
俺たちの時代は 残業は当たり前。
その分 給料はぐんぐん上がった。
がむしゃらだったな。
やりがいがあった。
今どきは 給料は上がんないけど
まあ 結果がついてくると
うれしいよ やっぱり。
疲弊した地方の町おこしにもなるし。
やりがいある。
剛は 子供の頃から変わらないな。
善人なんだな。
えっ? 何それ?
大企業で働き続けて善人でいられるって
超絶技巧だ。
4年ぐらいたつか
家族連れて ドイツに出向した時は
働き過ぎじゃないかって心配した。
うちのこと おろそかにするなよ。
ハハハッ 俺が言えた義理じゃないが。
すいません お代わり。
はい!
おろそかにしてきたのかなあ
知らないうちに。
(梢)今月お小遣いピンチだから
建ちゃんとこ行く交通費
出してほしいんだけど。
(理沙)ん~? 建ちゃんとこ通って
弟子入りでもして
ギター作ろうっていうの?
そんな才能ないよ。
じゃ何
人生相談とかしてるわけ?
進路指導受けてんの?
特にしてません。
建ちゃんの仕事の邪魔になるから
少し控えなさい。
マナちゃんと約束しちゃったし。
ねえ いいでしょ?
あんたたちの 憂さ晴らしにつきあう
建ちゃんも大変だ。
家族じゃ 憂さも晴らせないでしょ。
どの憂さの話? ≪(ドアの開閉音)
(剛)ただいま~。
お帰りなさい。
ああ…。
ご飯 食べてきたから。
ちょっと 飲んじゃったりして。
ご飯 食べてきたって。
トイレの便座
また上げっぱなしだった。
便座 下ろして
トイレをきれいに使ってほしいそうです。
うん… 気をつけるよ。
ああ… アイス 買ってきたから
冷蔵庫 入れとくな。
うん ありがと。
もっと飲んじゃったりして。
はい。
お風呂 入ってこよ。
(ドアの開閉音)
(電気をつける音)
お帰りなさい。
おっ! おお…。
何だ 帰ってきてたのか。
この時間に帰ってなかったら
おかしいでしょ。
今日 遅くなるって
言ってなかったっけ?
どこ行ってたのって 聞かないの?
喉がカラカラ… リンゴジュース。
(ドアの開閉音)
(電気をつける音)
どこまで走ってきたの?
ん?
いつもどおりだよ。
ん? らっきょう臭い…。
ん?
私 見ちゃったの。
剛と話してたでしょ? 公園で。
何で お前…?
タクシーで帰ってきた時
バス停に突っ立ってるの見たの。
変だなって。
散歩とかジョギングの
雰囲気じゃなかったし。
で そのまま タクシーで
バス追いかけたの。
夫を尾行するって…。
疑ってるのか 俺を!?
あの その… 何らかの理由で。
そういうわけじゃないけど。
いや そういうことかも。
悪気はなかったの。
いや 少しだけあったかも。
何 言ってんだ?
親子2人でこそこそ。
私 何も知らなかった。
尾行して じと~っと 俺たちを見て
こそこそ帰ったのは お前の方だろ。
10日くらい前かな
トレーニングを兼ねて
国分寺から うちまで歩いてる途中
あの公園で たまたま見かけたんだ。
それが 声かけられるような
雰囲気じゃなかった。
それからだ。 公園で2回見かけて
今日いたら
声かけてやろうって決めてたんだ。
何かあったの?
会社で問題起こしたとか?
俺とは違うよ。
仕事も順調そうだし…。
だったら何?
女房が不倫でもしてるわけ?
何でも色恋にするなよ。
あいつ 家に帰りたくないみたいなんだ。
居場所がないっていうか
居づらそうな感じだった。
それ 理沙さんのせい?
はっきり言わないけど
ほら 帰宅恐怖症ってやつだ。
理由は何? いつから?
知らないよ。
聞けるわけないだろ
いい年した息子に 根掘り葉掘り。
まったく…。
男2人で 夜の公園で
らっきょう食べてたら 不審者でしょ?
で 結局 腹減って
2人で駅前の居酒屋へ行ったんだよ。
私から
理沙さんに聞いた方がいいかしら?
だから お前に言うの嫌だったんだ。
これは あいつら夫婦の問題なんだ。
絶対 立ち入るんじゃないぞ。 いいな。
分かってるわよ。
私が口出ししたら 余計にもめるでしょ。
しかし 夫を尾行する習性があるとは
思いも寄らなかったなあ。
青天の霹靂だよ。 油断ならんな!
フンッ!
(ドアの閉まる音)
(信子)山賀さんの奥さんって
やっぱり これは セレブ!
っていう感じ?
無理してないのよね。
おなかの中から 堂々としてるって感じ。
なのに 偉ぶってないわけ。
ああ~ お里が知れるなって
自分のこと思っちゃった。
フッ… そりゃあ しょぼくれた
電気屋の娘とは違うわよ。
まあね~。
ねえ それ 何編んでるの?
うん? これね 最近 芳彦がね
おなか壊すようになったからね。
ああ 腹巻き。
不器用なのに 尽くす女だねえ。
ねえ。 あんたにさ 背中押しといて
あれなんだけどさ
な~んだか 引っ掛かっちゃってんの。
和ちゃんに 本当のこと
言わない方がいいと思う。
ん? 昔のよしみで 成功した後輩を
ちょっと頼っただけなんだから
後ろめたいことなんか 何もないし。
そうじゃなくて。
何?
下心のこと。
誰の?
あんたの。
えっ!? そんなの かけらもないわよ。
(やかんのお湯が沸く音)
会ったら分かるって。
あの夫婦は みんなが
羨ましく思うような2人なの。
(ガスの火を止める音)
で?
だから つけいる隙がない。
いや 違う。
お姉ちゃん 何言わせたいのよ。
和ちゃん あんたに いちずだった
山賀さんのこと 知ってんの?
そんな たあいのない昔話
いちいち言わないでしょ?
それに 仕事頼めなかったんだから
もう いいじゃない。
すがったのよ あんた。
あんたや山賀さんにとっては
遠い過去かもしれないけど
和ちゃんが知ったら
気分よくないでしょうが。
あの人 ケチだけど
心は みみっちくないはず。
何 言ってんのよ。
和ちゃん プライド
べらぼうに高いじゃない。
そうか…。 そうかもねえ。
何? 心当たりでもあんの?
ううん 違う。
うちの人のことじゃないの。
剛のこと。
剛ちゃんが どうしたの?
剛も 繊細なとこ
受け継いだかなって思って。
実は 理沙と
うまくいってないらしいのよ。
ええ? どれほど?
うちに帰るのが怖いんだって。
怖い!?
うん。 だからね
公園で らっきょう食べてるの。
私が漬けたやつ。
理沙が らっきょう嫌いだから。
う~ん… 何だか よく分かんないけど
あの優しい剛ちゃんがねえ。
優しすぎるから
あの嫁がつけあがるのよ!
剛に養ってもらってるくせに。
らっきょう嫌なら
お前が家を出てけって
剛もガツンと言ってやりゃいいのよ!
まあ らっきょう食べてるぐらいで
よかったよね。
女をつくるとかって
いうんじゃなくてさ。
ね 和ちゃん
このこと知ってんの? ねえ。
和幸が見つけたの。 公園にいた剛を。
ああ… そういうこと?
あの人 夫婦の問題なんだから
余計な口出しするなって言うんだけど。
和ちゃんの言うことにも 一理ある。
どこが? だってさ 母親が
息子の味方をしちゃうと
嫁しゅうとめ問題に なっちゃうじゃない。
収まるものも収まんなくなっちゃう。
だって悪いのは あの嫁でしょう?
かもしれないけど
剛ちゃんも もういい大人でしょ。
見守ってあげることも大切なんじゃない?
もう やめてよ~!
(理沙)ちょっと 声 おっきいって…。
コーチ変わったら
この人 すぐ上達しちゃうんだから。
サービスラインにも
全然 入んなかったのにさ
今じゃ すごいショット連発でしょ。
絶対 気あるよね~。
あっ カナからだ。
ああ 今日来たがってたもんね。
やっぱ おいしそう~!
ねえ~!
ねえ ねえ… 今から 行ってみない?
えっ 行っちゃう?
♬~
夫は公園でらっきょう食べてるのに
自分は テニスかよ…。
おまけに
私の世を忍ぶ仮の姿 見つけやがって…。
(深いため息)
気を遣わないでちょうだい。
それ 少しだけど。
ありがとうございます。
あっ ここのケーキ
私も梢も 大好きなんですよ。
そう? よかった。
あんなとこで会うなんて
スイミングですか?
昔 クラゲつっついて
溺れかけたから…。
スクール 通ってるんですか?
あら 言ってなかったかしら。
スーパーでパートしてるのよ。
あそこ スーパーなんてありましたっけ?
習い事だけで うち空けてたんじゃ
和幸さんに悪い気がしてね。
ちょっとでも
家計の助けになればって それだけ。
そうですか。
剛がね 最近
よく寄り道してから 帰るみたいなの。
荻窪の公園に一人でいるとこ
和幸さんが たまたま何度か見かけてね。
うちに帰っても 安らがないんじゃないか
なんて あの人が言うのよ。
気づいてた?
いえ 全然…。
絶対 剛が悪いんだと思う。
ねえ 理沙さん。 何かされたんでしょう?
あ… ご心配おかけして すいません。
でも 思い当たることありませんし
剛さんも私も ずっと普通ですから。
じゃあ 何で帰りたくないんだろ。
おかしいわよね 理由もないのに。
私には分かりません。
もう2か月近く
あの人と口利いてないんで。
普通じゃないじゃない!
(コーヒーの豆をひく音)
ちょっと こっち座って。
2か月も会話がない夫婦なんて
おかしいわよ。
私 剛さんを無視することしか
楽しみがないんで。
楽しみって あなた…。
ちょっと…。
夫を無視するなんて 家庭内の
立派な いじめじゃない。
何 開き直ってんだか。
私… 小学生の時
自分じゃコーヒー飲めないのに
豆をひいて いれてたら
父が こんなうまいコーヒー
飲んだことないって。
幼い娘を喜ばせたかっただけですが。
それから サーバーとか
ドリッパー 買ってもらって
粉とお湯の量 考えて…
豆の勉強が楽しくって。
父が亡くなる少し前
病室のベッドで
理沙のいれたコーヒーが
飲みたいなって。
それで 私の作ったコーヒー
一口飲んで
本当にうまいな これなら誰にでも
勧められるよって 言ってくれたんです。
それから コーヒー店を開くのが
夢になって
剛さんも 頑張れって言ってくれて。
それで 5年前
バリスタの学校に通ってたんです。
でも その時
剛さんのドイツ勤務が急に決まって
どうしても一緒についてこいって。
大した事情がないかぎり
海外転勤なら 家族一緒に行くもんよ。
でも バリスタの勉強
大事なところだったんです。
梢も ママを応援するって言ってくれて。
でも 絶対ダメだ。
絶対家族で一緒に行くって
私の話 全然聞いてくれなくって。
ワインの飲み比べができるって
あなた喜んでドイツに
ついてったように見えたけど?
それは そこで我を通したら
絶対 離婚になるって思ったからです。
それは 避けなきゃいけない
自分が犠牲になっても。
だったら 何の問題もないじゃない。
自分で納得したことなんだから。
ええ。 浅はかでした。
学校で仲良しだった夫婦が
半年前 コーヒー店を開いたんです。
私が理想としてたような。
あ そういうこと?
自分は報われてないから
剛に八つ当たりしたわけだ。
努力して やりがいのある仕事をしてる
友達が 羨ましかったんでしょ?
それを 自分がこうなったのは
夫のせいだって…。
毎日 無視されたんじゃ
剛だって たまんないわよ。
あなた
ちょっと自分勝手だって思わない?
思います。 でも割り切れないんです。
だったら どうして 帰国してから
バリスタの学校 通い直さなかったの?
自分のことを棚に上げて
今頃 剛のせいにするなんて
虫がよすぎるわよ!
言いました また通いたいって。
そしたら あの人 笑ったんです。
本気でやるつもりだったのかって。
私のやりたいこと応援するって
言ってたけど
心の中では ずっとバカにしてたんです。
専業主婦なんかに 何がやれるんだって。
(ため息)
私も あなたと同じぐらいの年の頃に
似たようなこと考えたことあった。
木下紘一事務所って知ってる?
いいえ。
造園の世界じゃ
割と有名なんだけどね。
姉の紹介で アルバイトする
チャンスがあったの。
やってみたかったけど
夫が許さなかった。
私が家を空けて その間に 息子たちが
グレたらどうするんだって
頭ごなしに否定されたわ。
その時はショックだった。
でも 諦めたおかげで
剛も建も 立派に育ってくれたんだから
あの時の 私の選択は
間違ってなかったって
今は 夫に感謝してる。
私は今でも悔しいです。
夫の言うままに従った自分が。
あの時 あなたが剛と一緒に
ドイツに行かずに
バリスタの学校を卒業してたとしても
お店を開けたかどうか
分からないじゃない。
じゃあ これから先の人生も
彼に決めてもらって
ずっと我慢し続けろってことですか?
全てを手に入れることなんて
できないの。
お義母さんは 今になって
その時のこと思い出しませんか?
無理してでもやるべきだったって
後悔してませんか?
もう過ぎたことだって
本当に納得してますか?
私は… お義母さんみたいには
なりたくないです。
いいわ もうそこまで言うなら
何にも言わない。
今 私に話したこと
全部 剛に言いなさい。
ちゃんと あなたの言葉で話しなさい。
無視するなんて ひきょうなまねして
不満ぶちまけて分かってもらおうなんて
かっこ悪いわよ。
夫婦なんて 長ければ長いほど
分かったふりして
一番根っこの部分
見えなくなることなんて
よくあるんだから。
離婚かもね。
剛と別れて 自分の可能性
思いっきり 試したらいいじゃない。
その代わり そんな自分勝手な理由で
別れるんだから
慰謝料なんて1円だってもらえないし
このマンションだって出てかなきゃね。
梢とも一緒に暮らせなくなる。
それでよければ どうぞご自由に。
≪(ドアの開閉音)
(深いため息)
会いに行っちゃった?
行っちゃった。
そう?
そう。
言い過ぎちゃった?
うん 言い過ぎちゃった。
まあね それぐらい言った方が
理沙さんも 反省するかもしれないし。
≪(ドアが開く音)
(芳彦)はい はい はい。
おっ いらっしゃい!
何? 芳彦さん かっこよく決めちゃって。
どこ行くの?
高校の同窓会。
お姉ちゃん 出なくていいの?
うちの代の同級生ってね
みんな す~ごく仲いいのよね。
だからね 数年に一度やってんのよ。
ふ~ん。
年取ると クラス会とか
よくやるって言うもんね。
今回はパス。 いつもね
夫婦で参加してるんだけどね
大体 同じメンバーばっかり集まんのよ。
やっぱりさ こういうのってね
10年に一度くらいの方が
ありがたみがあるでしょう?
みんな死んじゃうじゃん。
フフフフ…。
来年は一緒に行くわよ。
みんなに そう言っといて。
うん。 じゃあ行ってきます。
夏江ちゃん ごゆっくり。
うん 楽しんできて~。
はいな~。 フフフフ。
お姉ちゃんたち 仲いいよね~。
高校の同級生と結婚すると
あのころが ず~っと続くんだろうねえ。
そうね。 芳彦ね 単純だから
私といると ず~っと18歳なのよ。
(2人)フフフ…。
あれから剛ちゃんから連絡あった?
ううん 何にも。
ふ~ん そっか。
ミキと同い年だからね。
うん 45。
はあ… 剛ちゃん
まだまだこれからじゃない。
しばらくしたらさ
また新しいお嫁さんでも
連れてくるんじゃないの?
まだ決まったわけじゃないでしょ。
お姉ちゃんさ
先回りばかりして 大体 思い過ごしで
取り越し苦労ばっかりするのってさ…。
私たち姉妹の性分だね。 フフ。
遺伝子だね。
フフフ…。 フフフ…。
<それから1週間ほどたって
剛から 会いたいと連絡があった>
こういうのって久しぶりよね~。
(剛)うん そうだね。 フフ。
俺たち 別居する。
別居って あなたたち…。
それって離婚前提ってこと?
ああ いや
離婚って言葉 一度でも出すと
二度と戻れない気がしてさ。
戻るも前提 戻らぬも前提ってことで。
な?
はい。
一度 こうなったら なかなか元どおりに
暮らすってわけには いきませんし
それより 別居して
時間を置いて ゆっくり考えようって。
理沙と梢が 今のマンションに住んで
俺は 近くのアパート借りる。
梢は 自由に行き来するって言ってるよ。
お義母さんのおかげです。
剛さんに
ちゃんと伝えなきゃいけないのに
ずっと逃げてました。
お礼 言われるようなこと…。
お義母さんと話したから
気持ちに整理つけられたんです。
コーヒーのお店 開くつもりなの?
はい。 まずは カフェでバイトしながら
一から勉強して…。
まだまだ道のりは遠いですけど。
(バイブレーション)
あっ 梢 駅着いたから迎えに行ってくる。
(剛)うん。
すいません ちょっと。
(ため息)
剛 本当にそれでいいの!?
帰宅恐怖症にまでされて
別居なんて 曖昧な形にして…。
理沙さん追い出して あなたと梢で
あのマンションに住めばいいじゃない。
もう… とっとと 三くだり半
突きつけてやりゃいいのよ!
いや 俺が悪かったんだよ。
幸せにできると思ったけど
そうじゃなかった。
俺が思う幸せを
あいつに 無理強いしたんだ。
だから 理沙には そのことを謝った。
すごいな~ お前。
まっ 思うようにやってみるんだな。
うん。
さっ 食べよう。
え~ 一番いいやつって どれ?
そりゃ~ お前 アワビ アワビ。
ああ~。
ねえ もう少しゆっくり歩けないの?
ん? うん。
覚えてる? 剛が 初めて理沙さんを
うちに連れてきた時のこと。
ああ うっすらとな。
あの時 私… ああ この子
絶対に剛のこと
手に入れたいんだなって
分かったの。
ハハハハ…。
そりゃ お前が母親だからだろ。
かわいい息子を
取られるような気がしたんだよ。
それもあるかも。
だけどね それだけじゃないの。
何て言うのか…。
私に似てるなって思って。
へえ。
だからね 正直 意外だった。
理沙さんが 今の暮らし
捨てられるはずないと思ってたから。
人が何を考えているかなんて
他人には分からないよ。 親子でも。
前にも言ったよね。
私にだって やりたいことがあったって。
ああ あれな。 ず~っと前
あの~ 木下何とかっていう事務所の
園芸のバイトな。
うん。
ハッ。 結局諦めたんだから
お前にだって
それだけのことだったってことさ。
何度も蒸し返すなよ。
でもさ もしあの時
私が理沙さんみたいに 踏み出してたら
あなた 剛みたいに受け止めてくれた?
はあ… さあね。
そんな 仮定の話には答えられませんよ。
答えたって 今更 何にも変わらないし。
理沙さん 顔がすっきりしてたでしょ?
ああ そうかもな。
<自分で決めたから
ああいう顔できるのよ。
自分で決めたから>
もしもし 小野君でしょうか。
この間は ごちそうさま。
ごちそうさまでした。
あの… 折り入って相談があって
お電話しました。
また連絡します。
☎
もしもし 佐川でございます。
☎(久保)久保と申します。
はっ?
☎(久保)
奥様ですか? 大変 ご無沙汰してます。
僕 佐川部長の部下だった 久保です。
まあ 久保さん!
すみません すぐ気づかなくて。
こちらこそ 大変ご無沙汰しております。
☎(久保)いえ。 突然すいません。
佐川部長は ご在宅でしょうか。
それが 今 所用で出ておりまして。
急ぎのご用件なら
携帯の番号 お教えしましょうか?
☎(久保)でしたら 奥様から
お伝えいただきたいのですが。
ええ。 何でしょう。
☎(久保)
実は今日 川田常務が 亡くなりまして。
えっ! 川田さんが!?
☎(久保)明け方近くでした。
まあ… どうして?
☎(久保)誤えん性肺炎でした。
≪(ドアの開閉音)
ただいま。
久保さんからで。
川田さんが亡くなったって。
ええっ…!?
☎(久保)もしもし?
あ… すいません。
あんまり急なので びっくりしちゃって。
葬儀 あさってだって。
ええ? あさってか…。
何よ…。
俺はダメだ。
ありんこクラブで 秋保温泉1泊。
何言ってんのよ!
あんなに世話になって
私たちのお仲人さんよ?
ありんこの温泉なんて 断って。
断れないよ。
全クラス合同で 特に ジイサンバアサンは
楽しみにしてるんだから。
誰か代わってもらえないの?
ダメだよ。 俺しかいないんだから。
お前一人で行ってくれ。
温泉の方が大事なの?
死んだ人より 生きてる人。
ねえ 香典は? いくら包む?
う~ん 1万5, 000円ぐらいじゃないか。
端数!? せめて10万は包まなきゃ。
えっ? じゅ… 10!?
冠婚葬祭は ケチっちゃダメなの。
そんなとこで見え張って
どうするんだよ~。
見えじゃないわよ。
ふだんケチでもね
出すべき時は出さないと
いつか もっと大きなもの失うわよ。
金額の多い少ないじゃないと思うけどね
人の気持ちは。
じゃあ 5!
多い 多い! 2でいいよ。
俺たちみたいな
バイトと年金暮らしの年寄りには
それでも大金だよ。
ん~… どケチ。
(キーボードをたたく音)
(キーボードをたたく音)
[ 回想 ] こちらです。
(荒い息遣い)
あっ…!
(川田)お~ 夏江ちゃん。 久しぶり。
川田さん あの 何があったんですか?
電話じゃ よく分からなくて…。
まあ とりあえず座ろうか。
あの… 主人はどこですか?
主人に会わせてください。
それが… 会えないんだよ。
今夜一晩 保護室に
泊まることになるそうだ。
保護室って… 留置場のことですか?
ああ いや…。
俗に言う トラ箱ってやつだね。
泥酔した人間を入れとく部屋だ。
うちの人が お酒 飲んだんですか!?
今日は シンガポール法人設立の
祝賀会だったんだ。
ええ それは主人から聞いてます。
社運を賭けた
ビッグプロジェクトだったからね。
佐川君は 長年の苦労が報われて
現地法人の社長に内定したもんだから
よっぽどうれしかったんだな。
飲めない酒飲んじゃって。
気がついた時には
もうすっかり出来上がっちゃっててね。
それで タクシーで
家まで送ることにしたんだ。
久保君に付き添ってもらって。
(久保)はじめまして 久保です。
佐川部長は かなり酔っていましたから
後部座席で横になる方が
いいかと思いまして
僕は助手席に座りました。
しばらく走りましたら
突然 その… 脱いだ靴で
運転手をめった打ちにしたんです。
えっ! どうして!?
分かりません。
何が気に入らなかったのか
とにかく 後ろから助手席に
覆いかぶさるようにして
硬い革靴を振り回すんです。
慌てて止めましたが…。
ああ…。
座ろうか。
はい… すみません…。
自分が付き添いながら
こんなことになってしまって
本当に申し訳ありません。
とんでもないです。
全部 主人の責任です。
会社にご迷惑をおかけして
どう おわびしていいのか…。
大丈夫だよ。 今 会社の顧問弁護士が
タクシー会社と示談交渉を進めてるし
まあ マスコミの方も
広報と相談して うまく対応するから。
まず記事になることはないよ。
こういう時 強いんだ 大企業は。
ハハハハ…。
だから 夏江ちゃん
あんまり心配し過ぎないで。
ね? ああ…
すみません… もう本当に…。
すみません… ああ…。
<事件の翌日 帰宅した和幸は
ひと言もしゃべらなかった。
もちろん
私への謝罪も 言い訳もなかった。
私たちは
お互い ゆっくり眠ろうという理由で
寝室を別にした>
<結局 夫婦で折半して
5万円を包むことにした>
(読経)
川田さんとは 長い間
お会いしてませんでしたけど
全然お変わりなかった。
川田さんのお顔 拝見できてよかったです。
連絡 ありがとうございました。
いえいえ。 来ていただいて
何だか ほっとしました。
今日は 佐川部長は ご一緒じゃ…?
それが どうしても
断れない用事があって…。
そうですか。
ほかの人じゃ 替えがきかないらしくて。
久しぶりに お会いできると
思っていたので 少し 残念です。
きっと
昔の同僚に会いたくないんです。
思い出してしまうから…。
もう20年も前のことなのに。
本当なら 佐川部長が
ここにいるはずでした。
おっしゃらないでください。
佐川は会社を辞めた人間ですし
久保さんが 立派に
後を引き継いでくださったんですから。
久保さんにも 川田さんにも
私 本当に 感謝してるんです。
いえ。 僕は佐川部長が敷いてくださった
レールの上を 走ってきただけです。
違います。 それは違うわ 久保さん。
あの時 僕が部長に嫌われても
お酒を止めていれば…。
もう終わったことですから。
あれは うちの人が全部悪いんです。
気になさらないでください。
お話し中 失礼いたします。
久保常務 会長がお待ちです。
うん。
すいません。 いえ。
佐川部長に よろしくお伝えください。
奥様も どうぞ お元気で。
もしもし 佐川です。
(山賀)山賀です。 留守電 聞きました。
すぐ電話しようと思ったんですけど
忙しくて。
いいの いいの。
(山賀)折り入って相談って 何ですか?
できれば 直接会って話したいんだけど。
いいかしら?
キスしてくれませんか?
何で そんな夢中になれるの?
熱中できる何かがあるのは
いいことだよ。
何か相談?
先輩 もう 長くないらしいんだ。
20年謝ってないの? どういう夫婦?
山賀から 全て聞きました。
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