【BS時代劇】大岡越前6「三十両の親心」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【BS時代劇】大岡越前6「三十両の親心」[解][字]

現代の詐欺師に当たる騙り(かたり)屋一味が江戸を騒がせる中、忠相(東山紀之)は何者かが放った刺客に命を狙われ、通りすがりの浪人・簑島(筧利夫)に助けられる。

詳細情報
番組内容
現代の詐欺師に当たる騙り(かたり)屋の一味が江戸を騒がせる中、忠相(東山紀之)の息子・求次郎(石田星空)は市之助(南岐佐)という少年と出会う。その母・多喜(高橋由美子)は「将軍様ご推奨」という触れ込みの学問所に息子を入れるため、浪人である夫・簑島(筧利夫)に刀を金に換えるよう迫り口論に。そんなある日、忠相は刺客に命を狙われ、通りがかった簑島の助太刀で撃退する。何者かが忠相に深い恨みを抱いていた。
出演者
【出演】東山紀之,勝村政信,美村里江,近藤芳正,筧利夫,高橋由美子,中村靖日,高橋長英,寺田農,松原智恵子
原作・脚本
【脚本】いずみ玲

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. 父上
  2. 求次郎
  3. 市之助
  4. 母上
  5. 多喜
  6. 浪人
  7. お奉行
  8. 奉行
  9. 小見
  10. 学問所
  11. 雪絵
  12. 紋蔵
  13. ハア
  14. 学問
  15. 江戸
  16. 大見
  17. 伊三郎
  18. 金子
  19. 三十両
  20. 忠相

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(老人)
どいておくれ。 そこ どいておくれ!

ハアハア…
どうにか 十両 かき集めてきた。

これで せがれは た… 助かるんだね?
お預かりいたしやす。

(筧)待った!

そいつは 騙り屋の手先だ。

あんたから 十両
だまし取ろうとしてるのさ。

か 騙り屋!?

(息子)お父っつぁん!
私は お店の金なんぞ

使い込んじゃいません。
だまされていたんですよ!

うわ~!
(小判が落ちる音)

ああっ! あっ あっ…。

あっ…。
おら~!

<江戸市中では
現代でいう詐欺事件にあたる

騙りが横行していた>

(堅太郎)はあ… 騙り屋どもめ。

しばらく下火だったのに
急に うじゃうじゃと…。

またか! で 騙りの手口は?
(筧)そりゃあ もう いろいろで。

かみさんの なり手のない男に
女を引き合わせて

支度金やら何やら 引っ張り出すってのも
ありましたね。

昔 その手の女に
引っ掛かりそうになったことが…。

同じく!
(2人)おお~!

ええっ!?

手口は おおむね 2年前に捕らえた
大見の儀助一味と変わらぬようだ。

大見というと
獄門になった あの…。

(源次郎)よくも こう 次から次へと

新しい騙りのネタを見つけるもんだと
舌を巻くほどで。

小金を持っている者ばかりか
貧しい者たちまでが

借財を負わされ 苦しめられた。
はい。

こちらは その先手を打って
かからねばならぬ。

その方たちも 知恵を絞ってくれ。

(一同)はっ!

(2人)「人知らずして いきどおらず
また 君子ならずや」。

まあ よいでしょう。

(妙)
もう それくらいにしたら?

こっちで お茶にしましょう。

このあとは 手習い いたしますので。

よいですね 求次郎。
はい。

そんなに詰め込んだって。

いっぺんに 覚えられるわけじゃなし。

私は 忠相に

そんな押しつけがましい教え方は
してきませんでしたよ。

私には 私のやり方が ございますので。

おいおい 雪絵。
そういう言い方は…。

どうかなさいましたか?
おお! これは婿殿。

ハハハ よいところへ…。

ご覧なさいな 雪絵さん。

無理に学問を詰め込まなくたって

ちゃんと 育つ証しが ここに…。
ん?

あなたは 求次郎が 何を どう学ぶか

当面 私に任せると
おっしゃってくださいましたよね?

いや… うん 確かに。

私にも言ったじゃありませんか。

雪絵さん一人では 心もとないから
力を貸してやってくれって。

(雪絵)あなた そのようなことを?

ん… うん。
(妙)忠相 はっきり言ってあげた方が…。

あなた!
うん。

忠相 聞いているのですか?
あ… 聞いております。

♬~

あ~あ… 母上と おばあ様は

私のことになると 言い争いばかり。

(市之助)父上。

父上。

父上!

お待ちください! 父上。

たまには うちにいて
母上の話を聞いてあげてください!

(箕島)うるさい!
(市之助)あっ!

余計な口出しをするな。

大丈夫?

あの ご浪人 お父上なのだろう?

乱暴なことをするな。

父上を悪く言わないでくれ!

いけない! 血が出てる。

何でもないよ。
そうはいかない。

♬~

(おいね)はい これで大丈夫。

大したことがなくて よかったですね。
若様。

若様?
(おいね)フフフ…。

どうした? 求次郎。
友達と 喧嘩でもしたか?

伊織先生 私は喧嘩なんか…。

それに まだ 友達ってわけじゃ…。

まっ 仲よくするこった。

(求次郎)さっきは ごめん。

お父上のことを悪く言って。

考えてみれば 私だって
父や母のことを 悪く言われたくはない。

父上が あんなふうになったのは
私のせいなんだ。

えっ?

近頃の母上は 父上には ちっとも構わず
私のことばかり。

それで 2人は 仲たがいを…。

それは つらかろう。
私の母上と おばあ様も

私の… いや 俺のことで
すぐに こうなるから。

そうか お主もか。

求次郎だ。

私は 市之助。

(2人の笑い声)

もう ここでいいよ。

ここに住んでるの?

浪人だからね 貧乏なんだ。

(多喜)市之助!

母上。

遅かったではありませんか。

あら こちらは?

市之助殿が けがをされたので
送ってきました。

それじゃ…。

それじゃ!

またね。

またね!

(楊枝を削る音)

もういいから あなたは
自分のするべきことをなさい。

(楊枝を削る音)
(市之助)でも…。

あなたには 人並み優れた才がある。

浪人の子だからといって
後ろ指さされてたまるものですか!

どうか しっかりと学問を身につけて…。
はい。

お父上のような
負け犬にだけはならないでおくれ!

(店主)旦那 もう しまいでえ。

(店主)毎度!

<忠相は 騙り屋に狙われた者が
訪れるであろう

金貸しや質屋に目をつけ
重点的に探らせる策を講じた>

(商人)あの男に 金を渡せって。

あとは 俺たちに任せてもらおう。
へい!

子吉。 合点だ。
こいつを借りるぜ。

すいやせん 持ってきやした。
あっ 待ってたよ。

うわ~!
おりゃ! あたたた…。

な 何すんだよ?
よ~し 捕まえた。

騙り屋め 観念しな。

(老女)ふざけたこと お言いでないよ!

あたしが そんな者に
だまされたりするもんか!

だまされる者は みんな そう言うんだ。

いててて… 痛い痛い痛い…。

ばあさんから 話は聞いた。
騙り屋一味として召し捕る!

ハハハハ…。

歩け!
(男)あっしは 何も知らねえんです。

見ず知らずの男に
声かけられただけなんですよ。

やつらは
ただの使いっ走りにすぎないようで。

そこそこの金をやって
あの者たちは使い捨て。

人手がいれば また集める。
その繰り返しなのだろう。

騙り屋め 正体をつかまれぬよう
よほど念入りに…。

私に何の用だ?
(浪人たち)うりゃ~!

ていっ! おおっ!

誰に頼まれた?
見逃してやるゆえ 話してもらおう!

(材木が倒れる音)

(橋田)しかし 一体 何者が!?

お奉行と知っての狼藉でしょうか。

騙り屋の仕業とは
考えられませんでしょうか。

騙り屋の?
お奉行の お策によって

次々と騙り屋が潰されています。

お上の手が迫っていることも
肌で感じておりましょう。

だとしても 私一人を消したところで
どうなるというのだ。

(筧)お奉行…。

連中の つながりが割れました。

やつらは 声をかけられる前
そろって 同じ口入れ屋に

職探しに行ってるんです。

口入れ屋か…。

(番頭)普請場の下働きですよ。

旦那のような お侍のやるようなこっちゃ
ございませんが…。

石運びだろうが どぶさらいだろうが

飲み代さえ稼げれば構わん!
(番頭)ああっ!

(浜田屋)では 手前どもが
その 下っ端連中を雇った

騙り屋だと おっしゃるので?

まさか! ハハハハハ…!

いや やつらは残らず 職探しで
いっぺんは この店を訪ねている。

職に あぶれた 若い者。

確かに 江戸には多ございますな。

はばかりながら 口入れ屋は
お上に代わって

そうした者たちを救う商い。

たまたま うちへ来た者が
関わったからといって

手前どもまで
騙り屋呼ばわりされるとは…。

探られて 痛む腹は ございません。

お気の済むまで お調べくださいまし!

ちょっと待った。
浜田屋に用か?

(紋蔵)はい。 何か お取り込みで?

訳あって 主の評判を聞いてるんだがね。

あっ あっしにとっちゃ 大恩人。

長いこと 古手商いで
ごひいきいただいておりますので…。

おお 古着屋か。

職のねえ者は 着るもんにも困ってます。

それで いつでも
古着を用意しておいてやると

おっしゃってまして…。
そいつは また バカに親切だなあ。

分かった。 もういいぞ。

ご苦労さまでございます。
(大介)おう。

つけいる隙がねえとは このこってすね。

(鈴の音と かしわ手)

(多喜)天満大自在天神様。

我が子 市之助が 学問を究め

いつの日か
立派に身を立てられますように…。

(伊三郎)ご熱心でございますな。

賢そうな お子だ。

どこぞの私塾へでも お通いですか?

(多喜)いえ それが まだ…。

実は それがし 将軍様ご推奨の学問所に
少々 関わっておりまして…。

まあ 公方様の?

ここだけの話 少しばかり
籍に空きがございます。

これぞという秀でた お子があれば
推挙してさしあげたい。

ご推挙を?

ご入所あらば ご子息の先行きは
安泰と決まったも同じ。

これも 菅原道真公の お導き。

天神様の ご霊験かと存じます。

あ…。
(鈴の音)

回想 ご入所あらば ご子息の
先行きは 安泰と決まったも同じ。

(戸が開く音)

この房楊枝を 100本削って
いくらになるか ご存じでございますか?

何の皮肉だ?

回りくどいことを言っても
しかたありません。

その腰の お刀
私に預からせてくださいませ。

刀を?

市之助を
学問所へ やることにいたしました。

その手付けとして
金子に替えとうございます。

多喜 本気で さようなことを
言っておるのか。

(多喜)公方様が 肩入れなさっている
学問どころ。

お奉行の大岡様の ご子息をはじめ
お歴々の若様が通われてると聞きました。

市之助にも その方たちと
肩を並べる道が開かれたのです。

お前は変わった…。

主家の お取り潰しで
浪々の身となった3年前

そなたは この私に
どこまでも ついてゆくと…。

変わったのは あなたの方です。

江戸へ出て つてを求めて歩き回ったのは
初めのうちだけ。

腕も立つし 学もある。

仕官先など すぐに見つかると
おっしゃっていたのに

なぜ あっさり諦めてしまわれたのです。

お前には 分からん!

どこの大名家も
人ばかり多くて 金はない。

俺は これまで
どれほど あざけられたことか…。

(多喜)だからといって

私たちを見捨ててよい
という道理がありますか!

(ふすまが開く音)
母上!

もう やめてください!
母上も 父上も!

支度金は三十両!
あなたが 都合してくださらないのなら

私は 命と引き換えてでも
金子を つくります!

(戸が閉まる音)
父上!

父上!

(喚声)

てや~!
てや~!

人を増やして参るとは
この腕前 よほど買われたか!

ほざくな!

てや~!

てめえが憎くて憎くて
なぶり殺しにしてくれと頼まれたのよ。

や~っ! おっ…!

かたじけない。

(浪人たち)てや~!

(浪人)てや~! おっ!

(浪人)や~!
(浪人)うっ…。

(浪人)ひけ!

助かった。 礼を申す。

身内の役に立てなんだ この刀
見知らぬ御仁の役に立ったか…。

待たれよ!

あの野郎 確か…。

(小判が落ちる音)
(小見)また しくじったか!

(伊三郎)あっしも
手ぶらで帰ったわけじゃござんせん。

あの小憎らしい奉行と渡り合える
腕っこきを見つけてめえりやした。

(小見)ほう。

「灯台下暗し」とは よく言ったもんで

あの浜田屋に出入りしてる浪人者でさ。

しかも そればっかりじゃねえから
おあつらえ向きで。 ハッ。

これは お奉行 じきじきに…。

こたびの騙りの手口
大見の儀助一味と

あまりに似通ってるのが 気にかかってな。

(堅太郎)小見の紋蔵?

(源次郎)大見一味に 名を連ねていた
儀助の弟だ。

思い出した!

確か ぼちぼち 江戸を売って
ほとぼりを冷まそうってんで

一足先に 上方へ
下見に潜り込んでたんじゃ?

それで 捕縛を免れたか…。

子分の口から その名が出ても
大見は 弟と認めず

何一つ 話そうとしなかった。

うまいこと 逃がすつもりだったんだろう。

すると こたびの騙りは
その小見が新たな頭として…。

執ように 私の命を狙うのは
兄を獄門にかけられた

恨みがあってのことだろう。

てめえが憎くて憎くて
なぶり殺しにしてくれと頼まれたのよ。

はなから それが目当てで
江戸へ戻ってきたのやもしれぬ。

何としても こやつから
お奉行を お守りせねば!

(一同)はい。

(小見)兄よ 小塚原に
獄門首を さらされた その恨み

今度こそ 必ず晴らしてみせる!

求次郎?

どこ行ったのかしら? 求次郎は。

求次郎? 求次郎!

求次郎!

求次郎…。

(戸が開く音)

あっ!

求次郎!

あんなに ひどい言い争いは 初めて見た。

それも また 私のために…。

母上は
私を学問所へ やりたがってるんだ。

はあ… 学問所か。

俺は まっぴらだな。

母上に教わるだけでも
へとへとなのに。

どっちにしたって
並大抵の金子じゃ 通えやしない。

何しろ 公方様のお墨付き。

町奉行の大岡様の ご子息も
通ってるっていうんだから。

ええっ!?

(お花)おとなしく読み書きなさってると
いいんですけど 求次郎様。

きっと また お義母様がいらして
甘い顔を…。

≪奥様…。

お花 ちょっと待って。

お待ちしておりやすぜ。
(笑い声)

(雪絵)あの…。

ぶしつけでございますが
何か お困りのことでも おありなのでは?

ここは 高利貸しですよね。

今の方 おあしを
借りる おつもりだったんでしょうか。

う~ん…。

やっぱり おかしいよ その話。

何たって
お奉行の子が通ってるっていうのが…。

(伊三郎)
ちょっと よろしいでしょうか。

どこぞの学問所へは お通いですか?

あっ あの人だ。

もしかすると また 学問所の話を…。

市之助
お主は 顔を見られているんだろう。

あそこで 待っててくれ。

大丈夫? 一人で。

悪いやつは 許しちゃおけないよ。

♬~

坊ちゃん。

どこの お子だね?

おじさんに 用があるんじゃないのかい?

いい子だから 言ってごらんよ。

どこの子だい!?

うわ~!

どうしたの?
とにかく… とにかく逃げろ!

♬~

あれ 求次郎じゃないか?

ハア ハア ハア… 何か分かったの?

ハア ハア ハア… 分かんない。

(木づちで打つ音)

(棟梁)あいよ。

誰だ?

旦那に
お頼みしたいことがございまして…。

訳あって
腕の立つ お方を探しておりました。

敵をとっていただきたいんで。
敵?

血も涙もない 人でなしの侍です!

あっしは そいつに
たった一人の兄を 殺されました。

(紋蔵)三十両ございます。

三十両!?

≪(市之助)母上! 私は無理をして
学問所へなど行きたくはありません。

それに もし
あの話が でたらめだったら…。

市之助…
母は もう 後戻りできないのです。

とうとう あそこまで
父上を責めたのですから。

分かっているのです。

私が 父上を追い詰めたということは…。

それでも
負けぬと言ってほしかった。

そなたのために 侍として生きる道を

探し続けてほしかった。

(市之助)母上…。

♬~

多喜 お前は間違ってなどおらぬ。

(勘太)お花ちゃん!

あら 勘太さん! 悪いけど 私

忙しくて
おしゃべりしてる暇 ないのよ。

いや 今日は お花ちゃんと
おしゃべりしに来たわけじゃあ…。

違うの?

いや お花ちゃんにも会いたいけどさあ。

「にも」?
あっ!

さっき 養生所に寄ったら 伊織先生に

お奉行の若様に変わった様子はないかって
聞かれたもんだからさあ。

(雪絵)おかしいと思ったのです。

ゆうべから 食が進まないというし
朝は なかなか起きてこないし。

湯島で 何があったのです?

何か 怖い目にでも遭ったのですか?

騙り!?

それが まことの話なら…
いくら何でも あんまりです。

ご覧のとおり 爪に灯をともすような
暮らしでございます。

いよいよの時は 我が子のため

この身を売ってでもと…。

先日 あの場で お見かけしたのも
子供たちが つないだ縁かと。

間に合ってようございました。

(多喜の泣き声)

何だ? これ。

市之助!

えっ… 母上! 母上!

ハッ…。
小判です。

ここに 押し込んであったんです。

どうして このような金子が。

この手拭いは 夫の…。

確かに 父上のです。

どういうことですか?
求次郎

すぐに番屋へ走りなさい!
はい。

馳走になった。
もう お帰りですか。

皆様 これから
おいでになる頃合いですのに。

これ お秀。
私がいては 気詰まりだろう。

ありがとう存じやした。
ありがとう存じました。

どうぞ お気を付けなすって。

♬~

おお 誰かと思ったら 貴公は…。

いや その節は まことに世話になった。

どうやら お主を見誤った。

助太刀などするでなかった。

誰かが それがしを 悪党だと申したか?

見当はつく。

おおかた その者は 私に兄を殺された
とでも言ったのだろう。

身に覚えがあるのだな。

ならば 遠慮はいたさぬ。 抜け。

この命 いくらで請け負った?
三十両か?

何!?

三十両あれば 妻女の願いがかない
子に学問の道が開ける。

そのため 貴公は
その身を捨てる覚悟をしたと推察いたす。

そこもとは一体…。

しかし 貴公が受け取った金子は
いずれ ご妻女から 頼み主の手に戻る。

まこと うまくできておるな。
小見の紋蔵よ!

どういうことだ?
妻から金が戻るとは。

旦那!
口八丁に だまされちゃいけません。

一思いに斬り捨ててください。

お早く…。

兄の敵を どうか… どうか!

私たちを見捨ててよい
という道理がありますか!

(子吉)おとなしくしろい!

おりゃ~!
(呼び子)

おりゃ! あ~ あ~!

(子吉)おとなしくしろ!

(呼び子)

小見の紋蔵だな。
覚悟しやがれ!

(喬之助)お奉行!
(大介)お奉行!

奉行…。

(太鼓の音)

南町奉行 大岡越前守様 ご出座~!
(太鼓の音)

一同の者 面を上げよ。

古手商いは仮の姿。

騙り屋一味の頭目 小見の紋蔵とは
その方であるな。

フン。

口入れ屋 浜田屋嘉兵衛 その方
人を手配する生業をよいことに

騙り屋の手先を集めた旨に
相違はないか?

職にあぶれた者が多い中
世のため 人のためと 思えばこそ。

ならば その方が受け取った
多額の見返りを どう釈明いたす?

きれい事は 通らぬ!

ははっ… 恐れ入りました。

紋蔵配下 伊三郎。

へっ へえ…。

騙りは 人の弱みにつけ込む所業。

恐れ多くも 上様が掲げられた
学問ご奨励の政策を

騙りに悪用せしは 不届き至極。

恐れ入りました。

ちっ…。

また 2年前 大見の儀助が
獄門になったことを恨み

奉行に 刺客を差し向けたことも
そこな浪人たちによって

裏付けられた。

紋蔵 申し開きがあるか?

誓ったんですよ 死んだ兄貴に!

騙りで もういっぺん 江戸中を騒がせて

憎き奉行に思い知らせてやろうと!

まこと 儀助は
それを望んでいただろうか。

儀助は あらゆる罪を認めながら
弟については ついぞ 口を割らなかった。

果たして それは

大見に
引き継がせるためだったかどうか…。

ほかに 何が…。

兄ならば 二度と江戸へは戻らず

上方で 穏やかに生きろという気持ちが
なかったとも言い切れまい。

♬~

追って それぞれに
厳しき沙汰が下ろう。

引き立てい!
(一同)はっ!

立て!

♬~

さて 浪人 箕島新左衛門。

その方にも
即刻 裁きを申し渡すべきところだが…。

(扉が開く音)

多喜! 市之助!

願いを お聞き届けいただき
ありがとうございます。

新左衛門の妻 多喜であるな。

申し条とやらを聞こう。

はい。

我が夫 新左衛門は もとより

大それたまねのできる人では
ございません。

何もかも 妻である私が見えを張り

日頃より
きつく責め立てたゆえでございます。

どうか おとがめは夫でなく
この私に お与えください。

何とぞ お願い申し上げます。

多喜 差し出口をいたすな!

あなたは黙っていてください。

どうか お奉行様!

私が勝手にしたことだというに!

もう争うのは やめてください!

父上も母上も どうして
素直に悪かったと言わないのです?

ありがとうと言わないのです?

あの楽しかった日々は
どうして失われてしまったのでしょう。

父上と母上のため
私は どうすればよかったのでしょう。

貧しくたって構いません。

一生 浪人の子で構いません。

だから… どうか
あのころの お二人に戻ってください。

市之助…。

日々の暮らしの厳しさは
互いの心に 影をさし

思いやりを失わせる。

江戸の人々の安寧を守るは 奉行の勤め。

この奉行にも 負うべき責めがあろう。

いいえ お奉行様は 何も悪くありません。

そう言ってくれるか。

ならば そなたの優しき心に免じ
奉行は 父上の罪を減じよう。

まことでございますか?

箕島新左衛門は お構いなし。

すなわち 無罪放免といたす。

しかし それがしは この手で
大岡様に 刃を…。

刃を 向けてはおらぬ。

しかも その方は 偽りを吹き込まれた。

あまつさえ 誰とも知れぬ その侍は

一度は その方に救われているではないか。

お奉行…。

ありがとうございます。

あなた…。

多喜…
ふがいない私を許してくれるか。

私の方こそ お許しを…。

父上! 母上!

市之助。

今は苦しくとも
その思いやりを胸に励めば

きっと 道は開ける。

奉行も 町のため 心 尽くすゆえ
そなたも… な。

はい!

本日の白洲 これまで。

まあ こんなに たくさん…。

また 求次郎に書物を?
フフッ。

お義母様
これは 私のために求めたのです。

雪絵さんの?
ええ。

私が学んでいる姿を見せれば

あの子も 少しは
やる気になってくれるのではないかと…。

ウフッ 苦労するわね あなたも。

ウフフフ…。
フフフ…。

(求次郎)行っちゃうんだね。

上州に小さな家を借りて
父上が 寺子屋をやることになったんだ。

私も そこで 一緒に学ぶことにする。

またね。

またね。

♬~

父上… 友達って よいものですね。

うん。 いいものだ。

<愛すればこそ 思いが
あふれ過ぎてしまうこともある。

人の心の機微を知り
成長する我が子を

たくましく思う 忠相であった>

上様が!?
行き方知れずとなられた。

必ず お捜しいたします。

はつ江…。
どうか なさいましたか?

はつ江に似ていた。
わしが殺したも同然なのじゃ。

あのお方に にらまれたら…。
帰れ!

そんなお方の嫁になるのは 嫌です。

その小僧には お鷹場の鴨を殺した嫌疑が
かかっておる!

おまさのためにも 何かしたいのじゃ。
裏に たくらみがあると見た。