【BS時代劇】大岡越前6「守銭奴の荒療治」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【BS時代劇】大岡越前6「守銭奴の荒療治」[解][字]

強欲な金貸し・金兵衛(でんでん)の悪評が江戸中に広まる中、忠相(東山紀之)の発案で用心棒に扮した新三郎(寺脇康文)が伊織(勝村政信)と共に金兵衛に接近する。

詳細情報
番組内容
強欲な金貸し・金兵衛(でんでん)を「守銭奴」と中傷する落書が江戸中に出回る。養生所の伊織(勝村政信)がその「強突く張りの病」を治そうとする中、忠相(東山紀之)の発案で新三郎(寺脇康文)が用心棒に扮し金兵衛に近づくことに。中傷の嵐は店が襲撃を受けるほどの騒ぎになり、息子の清助(深澤嵐)は心を痛めるが、金兵衛は全く懲りる様子がない。そんなある夜、店に賊が入り、金を守ろうとした金兵衛が斬られてしまう。
出演者
【出演】東山紀之,勝村政信,寺脇康文,美村里江,近藤芳正,でんでん,梨本謙次郎,大島蓉子,深澤嵐,高橋長英,寺田農,松原智恵子,椎名桔平
原作・脚本
【脚本】朝比奈文邃

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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キーワード出現数ベスト20

  1. 金兵衛
  2. 清助
  3. お父っつぁん
  4. 先生
  5. 旦那
  6. 守銭奴
  7. 自分
  8. 若旦那
  9. 用心棒
  10. 落書
  11. 六兵衛
  12. お前
  13. 金兵衛殿
  14. 長吉
  15. 本当
  16. 与吉
  17. 鮫造
  18. 読経
  19. ハハハ
  20. 勘太

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(鳥が羽ばたく音)
(子供)えい!

えい!

えい!

えい!

えい!
よし!

当たった!

あ~ 苦しい。

あっ 父上の分まで!

食べて すぐ寝ると
牛になりますよ。

(源次郎)
おや 若様 どうかなさいましたか?

若様が 私の作った お団子を
全部…。

ああ ハハッ
そりゃまた 随分と頑張りましたな。

それじゃ これは お預けかな。
あら それは何ですか?

幾代餅です。
(3人)わあ!

今 評判の!
では早速 お茶の支度を。

あ 私には水を。

はい。
あら 村上さん お具合でも?

いやいや…。
いや ゆうべ 少し やり過ぎまして。

それは いけませんねえ。

いくら好きとはいっても
ほどほどにしませんと。

いや いい年しても
やはり 欲には勝てませんでな ハハハ…。

分かりますよ 源さん。

求次郎!

(笑い声)

今から あんなに欲張りで
どうするのかしら。

(忠相)まっ 欲の全くない人生も
つまらんだろう。

でも 欲に流されるようでは
困ります。

ああ 耳が痛い。 ハハハ…。
源さん 今日は どうした?

いや 欲といえば
こんなものを拾いましてな。

(読経)

惜しい人を亡くしたね。
(鈴の音)

いい人だったのに…。
ああ…。

あんな いい人…。
優しい人だったのに…。

喜兵衛の人徳が しのばれるな。

心も体も 疲れが出る時だ。
無理は するなよ。

(おせんの母親)おせん 金兵衛さんが…。
(おせん)えっ…。

あ…。

すみません。
忌明けに 改めて ご挨拶に伺います。

(金兵衛)
だから もう待てないと言ってるだろ。

え… でも 今日は お父っつぁんの…。

別に 弔いの邪魔を しに来たわけじゃ…。

これを もらえば すぐ帰る。
それは…。

あとは… このお布施も…。

そ そ それだけは
どうか ご勘弁を!

坊主に くれてやる銭があるなら
こっちが先だろ。

(おせん)お父っつぁんの…
お父っつぁんへの ご供養ですんで…。

ちょっと あんた もう およしよ。
おいおい。

人の話に 首突っ込むんじゃねえ!

人の懐に 手を突っ込んでるのは
あんたの方でしょ!

これを 返し…。
やめろっつうんだ。 これは わしの金じゃ。

でもね…。
やめろっつうんだよ!

あっ!
もう よさんか! でも…。

こちらさんには こちらさんの事情
ってものがあるんだろう。

いや 当方の者が とんだ失礼を…。

…ったく なんて女だ。

(せきこみ)

あれ?

何だよ。

先生 どうしました?

先生?
(おいね)この方は 江戸で一番の名医です。

名医?

ど ど どこか悪いのか?

(鈴の音)

♬~

何が何でも 取り立ててこいよ。

(長吉)へい。

やはり 相当重症のようだな。

(せきこみ)

う~ん…。
どうした?

それ相応の金がかかるが いいか?

えっ 養生所で
金取るなんて聞いたこと…。

普通なら さじを投げ出すほど
重篤な病状を

先生が なんとかしてくださるんですよ。

そりゃあ かかるものは かかりますよ。

しかし…。
お父っつぁん!

先生の おっしゃることを
聞いた方がいいよ。

どこも痛くないのに

銭なんか払えん。

嫌なら いいんですよ。
嫌なら別に。

私たちは 診てくれと頼まれたから
わざわざ 来てあげただけなんですから。

先生 帰りましょう。
そうだな。

お父っつぁん。

ケチケチしてたら 治るもんも治らんぞ。
いや それにしても…。

放っておいたら 逆に高くつくぞ。
え…。

おい 勘太。 何 そんなに
いとおしそうに見とるんだ?

(辰三)富くじですよ。
(源次郎)へえ。

もし当たったら どうするんだ?

そらあ もちろん
吉原に行くに決まってますよ!

(お秀)もちろん?
大門くぐって 仲之町へ繰り出し

引手茶屋で パ~ッと酒かっくらってさ…。
(子吉)よっ!

そんで
「お大尽!」なんて言われちゃったりね。

え~ 憎いね~!
そんで そんで そんで 花魁道中では

赤い番傘持った 花魁がさ…。
あれは 長柄傘だ。

え~ やけに詳しい お大尽が…。

お奉行!
随分と楽しそうだな。

いや いや いや あの
これから 楽しくなるとこだったんです。

(筧)バカ! …ったく
甘い夢に うつつ抜かしおって!

は~い お大尽!
(笑い声)

おお そろってるな。
先生!

(おいね)あ~ 疲れた。
ん? 何だ 今まで 出療治か?

それが やっかいな患者でな。

重い病なんですか?
(おいね)そりゃもう 重くて重くて…。

(三次)いや~ そいつは お気の毒に。
どこの誰なんです?

千石屋の金兵衛という男だ。

あの落書の?
知ってるのか?

銭金に目がくらみ
餓鬼道に墜ちた守銭奴だと

もっぱらの噂ですからな。
ひっでえ噂!

(喬之助)それで
その金兵衛の病というのは?

それはな 強突く張りの病だ。

(子吉)強突く張り?
(おいね)そう。

お金に対する強~い執着が
体をむしばむ病ですよ。

まあ 確かに
金への尽きねえ欲は

重い病のようなもんか。

ああ。 強欲が過ぎると心が病み
やがて 体にも その影が及ぶ。

欲を抑えて 心を整えることこそ
養生の肝心な第一歩だ。

(堅太郎)
しかし それを どう治すんです?

病の根っこである お金を
取り除いてやる。

(大介)えっ それが 療治?

のんだり塗ったりするだけが
薬でもあるまい。

しかし 守銭奴が ため込んだ金をとなると
そう やすやすとは いかんだろうな。

ならば 新三 お主の腕っぷしを
生かしてみたら どうだ?

(せきばらい)
(金兵衛)用心棒?

ああ 不安を取り除き
高い安心を得ることも また養生だ。

不安…。

お主も これは知っておろう。

フフフフ… こんなもん。

お父っつぁん 世間様の声には
耳を傾けた方がいいですよ。

それは ただの 貧乏人のひがみだよ。

しかし そのひがみが
いつか お主の大切な蔵の財を

脅かすかもしれんぞ。

だから もう…
用心棒 雇っているじゃないか。

安くたたいた用心棒が
果たして 蔵の財に見合うのか?

椿 新三郎殿だ。
試してみるがいい。

きえ~!
え~い!

や~!

んっ!
おりゃ~! や~!

あっ!
おのれ! てや~!

あっ… おおっ!

うあっ!

えい!
(用心棒)ううっ…。

気に入った。

あ…。

番頭の六兵衛さんと
その連れ合いの おふきさんです。

あ…。
こちらは 用心棒の…。

あ~ 椿 新三郎でござる。

椿様。

前の お二人は?

(清助)お役御免になりました。

(2人)あ…。

(おとめ)ああ 若旦那。

手代の太助と 女中のおとめです。

こちらは 用心棒…。
椿… 椿 新三郎でござる。

秤を どこへ?

旦那様が もう使わないから
物置に置いておけと。

分かりました。
へい。

しまう前に 手入れをしとかないと。

≪(常次)
もう少しだけ 待ってください!

だから どんなに頼まれても
番頭の私じゃ どうにもできやしないよ。

(常次)このままだと
娘を身売りすることに…。

後生ですから!

見ていられないね。

これじゃあ ちまたで言われてるとおり
両替屋とは名ばかりの

あくどい高利貸しじゃないのさ…。

結城めを

金貸しの用心棒にか。
はっ。

して 何か考えが?

市中で 守銭奴と噂の商人。

しかし その男を生み出したのが
今の人の世ならば…。

それは 政が負うべき責めと申すか。

西と東で 金品が往来する今

今まで以上に
暮らしには 金が入り用となり

さすらば 金に心を動かされる
金兵衛のような守銭奴が増えるのは

必然かと。

己のことしか考えられぬ
金ばかり追う 欲まみれの世か。

それは もう 人の世とは言えんな。

金兵衛の病とは 人の世の病と同じ。

だが 人が生きるということに
大なり小なり 欲はつきもの。

欲と どう つきあうかが肝要かと。

欲と つきあうか…。

しかし 清助殿。 んっ!

きれいに手入れされましたな! フッ!

大事な商売道具ですからね。

お上が作る金銀の重さが
ものの値を上げたり下げたりするから

両替商が この秤を使って
人の暮らしを支えていくんだって

昔 お父っつぁんに教わったんだ。

金兵衛殿に?

はい! もう だいぶ昔の話ですが…。

そこで 何をしてるんだ?

旦那様…。
(金兵衛)何をしてるか聞いてるんだ。

長吉に 商いのしかたを教えていました。
商い?

両替屋が 天秤の仕掛けくらい
知っときませんと。

片づけておけと言ったのに。
いやいや これは…。

私です!
私が若旦那に 商いを習いたいと…。

それなら いつも教えてやってるだろ。

銭を いかに稼ぐかが 商いだよ。

世の中 金の奪い合いだ。

金の奪い合いか。
ええ まさに守銭奴。

(勘太)腹減った~。

あ これは お奉行。

それに 用心棒先生も。
ハハッ からかいおって!

あ そうだ 勘太。
富くじは どうであった?

あ おかげさまで当たりませんでした!
外れたのに うれしそうですね。

そら 強突く張りの病に
かかりたくありませんからね。

それに 人様に 守銭奴なんて
言われた日にゃあね。

あっ!
ん?

(お秀)高札場にも
そんなのが いっぱい貼ってあったよ。

おい 勘太 行くぞ。
へい。

(筧)
おいおい ちょっと ちょっと… あ~!

広がるばかりですね。

さすがに 放ってはおけんな。

(女)そのうち きっと罰が当たるよ。

ごめんよ。

親分 これこれ…。
あいよ。

持っててください。
いきますよ…。

おっとっと… おっ…。
気を付けて。

(男)千石屋金兵衛は
人の不幸で 飯を食ってんだ。 ええ?

町を歩けば 金兵衛さんの悪口ばかり。

あんな悪い人を
放っておいてよいのですか?

確かに 金兵衛の行いは
褒められたものではありませんが

罪を犯しているわけでもなし。

それに 噂が全て まことであるとは…。

でも あんな人が世間にいたら…。
怖いですね。

ほら 雪絵さんだって
怖がってるじゃありませんか。

いえ 怖いのは
町の人たちの方です。

聞けば 悪口は ひどいことばかり。

言葉が まるで 刃のよう。

自分の姿が見えないと 人は こうも
非道になれるものなのでしょうか。

人には 誰しも そういう心があって
何か ささいな きっかけで

あふれ出すのかもしれんな。

(投石の音)

誰だ!?

(太助)
…ったく どこのどいつが!

たちの悪い いたずらですね。

これは…。

(足音)

何だ? お前たちは。

町の落書も お前らの仕業か!?

いや~!
うあ~!

(男)守銭奴の犬め~!

ああっ!

うおっ!
あ~!

悪いが ひきょう者に 容赦はせんぞ。

あっ あっ…。
おい おい おい…。

(おふき)一体 どこの悪党だろうねえ。
あ いててて~…。

ただの町人だ。
刀を触ったこともなかろう。

町の人たちが こんな ひどいことを…。

それだけ 世間様から
後ろ指をさされてるってことだろ。

(長吉)清助さん。
ん?

このままじゃ 俺 死んだ親に
会わせる顔がなくなっちまうよ。

お暇を下さい。

えっ?
辞めて どうするんだ?

長吉!

(喬之助)ここまで広まっては
出どころなんか分かりゃしませんね。

(堅太郎)共謀してんなら
根っこまで たどれるが

互いに 知らない者同士が
それぞれ 別々に広めてるからな。

しかし 金兵衛という男
なんという評判の悪さだ。

たたく方は 誰はばかることなく

自分が悪人を裁いている気に
なっておるのやもしれんな。

(犬の遠ぼえ)

(鍵が開く音)

(蔵の戸が開く音)

この~! 盗人が!

放しやがれ!
うっ!

(小判が落ちる音)

その金は… 渡さん!

死んでも渡さん!

(与吉)死ね じじい!
あ~!

うっ! くっ… ああ… くっ…。

(与吉)この野郎!

やめろ!

わしの金じゃ わしの金じゃ…。
金兵衛殿!

(金兵衛)わしの金じゃ… わしの…。

わしの…。

(金兵衛)痛い!

わしの人生 ここまでか…。

用心棒の新三郎さんが
すぐに 担ぎ込んでくれた おかげで

命には関わりませんよ。

えっ あんなに たくさん
血が出てたのに?

よかったですね 赤い血で。

何!?
口は達者のようだな。

誰だい? お前さんは。

南のお奉行様だよ。

大岡様?
じきじきに 話を聞いてくださるそうだ。

押込みの連中に 心当たりは?

連中のことは知りませんが
身内に手引きした者がいるのは確かです。

ほう それは なぜだ?

ご丁寧に 裏木戸が
内側から開けられておりました。

内側から?

きっと 身内の誰かが

今の落書の連中の仕業と見せかけて

わしの金 狙ったんだ!
そうはさせんぞ! 死んでも させんぞ!

死んでもか。
ならば 連中の望みどおり

このまま 一度 死んでもらおうか。

ええ!?

♬~

(六兵衛)
旦那 本当に死んじまったんですね。

何か 嘘みたいに あっけないね。

ああ… そうだな。

残念だ。

(六兵衛)でも 本当は こっちで
やらなきゃならない弔いの支度を

全部 先生の方で
やってもらっちまって…。

待て。 悪党に斬られた ぶざまな顔を
決して人には見せてくれるなと

いまわの際の金兵衛殿に頼まれたんでな。

見えっ張りってのは
死んでも治んないんだねえ。

ああ。 さ さあ 2人も 奥で身支度を。
あ そうですな。

はあ…。

先生も 役者ですなあ。

心の臓に悪いよ。
ヘヘヘ…。

ただいま 戻りやした。
あ 辰!

お前 この忙しい時に
どこ行ってたんだ!?

いや お葬式ったら
坊さんだと思いやして…。

坊さん役 連れてきやした。
坊さん役?

このじいさんは
あっしと同じ長屋に住んでるんですがね

毎朝毎晩 死んだ ばあさんのために
お経あげてるから。

じゃあ 悪いが 頼めるかい?
へい。

よし! 座棺を広間へ。

(一同)へい!

(拍子木)
≪火の用心!

番頭さん そろそろ…。

≪(拍子木)

≪火の用心!

身内で 様子のおかしな者がいないか
よ~く見ておくんだぞ。

分かっとるよ。

どいつが わしの金を狙っているのか

この目で しかと見届けてやるわい。

(鉦の音)
お 始まるぞ。

(鉦の音)

(読経)

どうだ?
フン どいつもこいつも 怪しいもんだ。

涙の一つも流しとらん。

確かに 清助以外
誰も悲しむ様子は ないな…。

目星も つかんのか?
う~ん…。

六兵衛は わしのやり方に
不服そうだったから

店の乗っ取りを企てたのかもしれん。

乗っ取りとは穏やかじゃないな。

きっと あの女の浅知恵だろう。

では あの2人が?

いや… 待てよ。

真面目な男が
つい 出来心ってこともある。

(伊織)それは ありえるな。
(金兵衛)しかし

実は まさか おとめが女狐で…。

何だ…
一つも 目星がついておらんではないか。

しかたないだろう。

金の欲しくない者など おらんのだから。

おっ あれは… 長吉か。

(読経)

まさか あいつら
みんなで ぐるになって…。

(読経と鉦の音)

(伊織)しかし 誰も弔問に来んな。

(読経)

(あくび)

旦那! 旦那! 来ましたよ。

(伊織 新三郎)ん?

(弔問客)守銭奴の死に面を
拝みたかったんだがな。

(弔問客)か~っ つまらん 帰るか!
おい 行くぞ!

(おふき)ちょっと あんたら
お焼香ぐらいしたら どうなのさ!

(弔問客)
あ~ もう いらん いらん いらん!

(鉦の音)

♬~

金兵衛殿の人生の終わりに
手を合わせる者は おらんのか。

死んじまったあとのことなんか
どうでもいいだろ。

それが お主の
生きて この世に残す言葉か?

自分が死んだ そのあとも
残された者たちの一生は続いていくんだ。

金兵衛殿は 清助に何を残された?

蔵いっぱいの財じゃ 足りんか?

(清助)蔵の鍵…。

こんなもののために
お父っつぁんは 命を…。

若旦那…。

旦那も 昔は
人のいい商人だったんだがな。

フン!
(太助)それが どうして?

(六兵衛)お通夜の晩だ。

故人をしのぶのが 供養か…。

まあ 聞けば
あわれな話ではあるんだけどね。

旦那が まだ幼い頃
商いに しくじったとかで

二親が心中しちまってね。

心中…。

たった一人 途方に暮れる旦那の
面倒を見てやったのが

この千石屋の先代だったのさ。

それから 旦那は休まず働いて

真面目な性分もあってか
跡継ぎのなかった先代は

お店を旦那に譲ったんだ。

確か 清助さんが生まれたのも
そのころだったね。

(金兵衛)何を考えてんですか?

わ…。
ん?

(六兵衛)ところが 先代から
お世話になっていた大店に

だまされちまってな…。

それからというもの 不運続きで

気が付けば 蔵の金は空っぽ。

その上 女房は 心労で亡くなっちまった。

正直者の心が
壊れてしまったというわけだ。

(おふき)旦那の金への執着は
ひどくなるばっかりで…。

(長吉)そんなことが…。

(おとめ)若旦那 どちらへ?

奉行所へ 自訴しに…。

じ 自訴?

今回の騒動のもとは 私なんだ。

それは どういう…。

町に貼られた 初めの落書は

私が書いて貼ったもの。

うっ!

な 何で そんなことを?

世間から悪く言われれば
お父っつぁんも目が覚めてくれるかと…。

でも 気付いたら知らない落書までが
町じゅうに広がり…。

店の皆にも迷惑がかかるし
このままじゃ いけないと

今度は 慌てて
町の落書を剥がして回った。

だが 最初に貼ったところを
見られていたんだ。

(与吉)自分で まいた種だろう!

若旦那の貼った落書が
大変なことになっちまったな。

(鮫造)このことが知れたら
あんたも この店も

ただじゃ済まないだろうぜ。

そんなに おやじが憎かったら
手伝ってやってもいいぜ。

執着する金がなければ お父っつぁんが
昔に戻ってくれると思い…。

(鍵が開く音)

(閂を外す音)

(小判が落ちる音)
死ね じじい!

ああっ!
やめろ!

(金兵衛)わしの金じゃ。
金兵衛殿!

(金兵衛)わしの金じゃ わしの金じゃ。

あ… わしの… わしの…。

(清助)でも 最期の最期まで
お父っつぁんは 金にしがみついて…。

守銭奴とは よく言ったもんです。

(清助)皆さんには 迷惑をかけました。

若旦那!

皆さんは
お父っつぁんのそばに いてください。

(足音)

(鮫造)よう 若旦那。
今度こそ 蔵の金を頂きに来たぜ!

人殺しめ。
(与吉)おい 随分だなあ。

俺たちの話に乗ったのは
てめえじゃねえか。

本望じゃねえか?
金を枕に死ねたんだからよ!

(鮫造 与吉)ハッハッハ…!

こんなやつらにまで笑われて…。
何だと!?

蔵の鍵だ。 好きなだけ持ってけ。

そりゃ 手間が省けて助かるが
おめえは どこに?

奉行所へ自訴しに行く。
へえ~! そいつは殊勝な心掛けだが

それを聞いたら ここは通せねえな。

うっ! ああっ!

(鮫造)自分の罪を悔いたいんだったら
地獄で 勝手にやってくれ。

それが 一番楽になれるか…。

ぶざまな おやじとは大違いだなあ。

じゃあ お望みどおりに…。
清助!

お父っつぁん。
何で おめえが!?

罠か!?

ご明察。

(与吉)くそ~!

うあ~!

お~っ!

(同心)おい! 立て こら!

お父っつぁん 生きてたんですね。

お主まで 偽ることとなり
申し訳なかった。

おかげで
下手人を捕らえることができた。

そういうことですか。

これも 自分で招いたことです。

大丈夫か?

頼んだぞ。
はい。

清助!

先生。
うん。

じゃ 私は これで。
ああ ご苦労さま。

あと これ 清助さんに
お布施 頂いちまって…。

取っておくがいい。
とんでもない。

これは 頂くわけにはいきません。
なぜだ?

これは 清助さんの
父親への供養ですから。

(爺さん)お返しします。

(太鼓の音)

南町奉行 大岡越前守様 ご出座~!

(太鼓の音)

これより 千石屋の騒動の一件につき
吟味いたす。

一同の者 面を上げよ。

こたびの一件 親子の間の騒動とはいえ
世間を騒がせた上

お上の手を煩わせしこと
重々 不届きにつき

厳しく吟味いたす。

さて 清助。
その方 鮫造たちに盗みを指図し

屋敷内に導いたことに相違はないか?

はい。 相違ございません。

しかし そのたくらみは
蔵の金を奪うのみならず

成り行きとはいえ 金兵衛の命をも
奪うところであった。

しかるに 清助
その方の科は 親殺しとなる。

(六兵衛)そんな…。
若旦那!

はい。 いかなるお裁きでも…。
清助さん!

清助 親殺しの罪は承知の上か?

もとより 死罪と存じております。

死罪!? あ…。

申し開きはないと申すか。

人の道を失った私めに
何を申し開くことがありましょう。

厳しいお沙汰を お願いいたします。

そうか。

フフッ…。

金兵衛 何がおかしい?

控えよ!
構わぬ。

いつの間にか
いい男に育ったもんだ。

俺みてえなのが
親じゃなければ

お前には
どんな今が あったんだろうな。

お父っつぁん…。

お前に
お父っつぁんと言われることを

こんなに うれしく思ったことも

こんなに 恥ずかしく思ったこともねえや。

こんなつもりじゃなかったんだ。

(金兵衛)ただ 俺は

小さかった お前の手を
決して離しちゃなんねえと…。

(金兵衛)俺と おんなじ苦しみだけは…。

そう思っただけなんだ。

親の欲なんて 勝手なもんだな。

恥かかした…。

すまなかった…。

お奉行様 こんな私でも 親は親です。

せめて せがれの責めを 親の私に…。

どうぞ 私めを 死罪にしてください!

(金兵衛)でも…。

でも 許されるのなら
もう一度 もう一度…

清助の父親になりてえ!

胸を張って お父っつぁんと
呼んでもらいてえ!

お父っつぁん…。

清助 よくぞ殺したな。

お前が殺したのは
金兵衛の心に巣くう餓鬼だ!

鬼退治 ご苦労であった。

お奉行様…。

ありがとうございます!

お~い!
ああ 生きてた 旦那 生きてたぞ!

ああ~!
ああ ありがとうございます。

金兵衛さん…
金兵衛さん 本当に生きてた。

ありがとうございます。
ありがとうございます。

ありがとうございます。
驚いた…。

自分のお通夜を 天井からのぞき
弔問客まで 自分で出迎えるとはな。

先生ですか?
そう。

実は 金兵衛さんから もらった薬料を
貧しい人たちに施したんですよ。

そんなことを…。
生まれ変わりだな。

どうだ?
人のよい好々爺になった気分は。

本当に本当に…。
(2人)ありがとうございました。

ありがとうございました。

心が 丈夫になるよ!

ハハハ…。 ハハハ…。

(妙)親たる者 子が恥じるような生き方は
できませんね。
(作左ヱ門)うむ。

恥知らずな落書の人たちも

今回の一件に
ならってもらいたいものです。

そのことなら 近く

みだりな悪口は 人の世の障りとなる。

故に 厳科に処すべきものと
触れを出すつもりじゃ。

これは 上様。

(作左ヱ門)お触れなど なくともよい
世の中でありたいものですな。

そういえば 金兵衛さんのお店も
すっかり 評判が よろしくなったようで。

近頃は養生所へ
多額の寄進をしてくれてるよ。

まあ それはよかった。

お金というのは
使う方も 使われる方も

喜び合えるのが本当かもしれませんね。

求次郎。
(求次郎)はい。

お前も 銭金なんかに
うつつを抜かすなよ。

大丈夫です。
私は 宵越しの金は持ちません。

おっ 粋なやつめ。

フフフフ…。

<いつか迎える臨終の時
いい人生だったと笑えるように

心豊かに生きたいと願う 忠相であった>

お店の者を一人も生かさぬ 残忍な手口。

かつて 江戸を騒がせた盗賊一味。

お前にとって 誰より大切な方たちが
眠ってらっしゃるって。

母親面しやがって 笑わせるぜ。

あの子にだけは 近づかないで!

力を貸してくれるのなら
そなたの身は守る。

娘の身に何かあったと思われます。

一人残らず 召し捕れい!