ノンレムの窓[字] 【原案・脚本】バカリズム 【主演】風間俊介・野間口徹・松岡茉優…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
ノンレムの窓[字] 【原案・脚本】バカリズム 【主演】風間俊介・野間口徹・松岡茉優
明日あなたの身にも起こるかもしれない不思議体験ショートショートドラマ…「私達の恋」「解約ゲーム」「カスタマイズ」…春の微睡みにノンレムを観て、おやすみなさい。
詳細情報
出演者
【窓先案内人】バカリズム
【マドカの声】??
【ドラマ主演】風間俊介(私達の恋)、野間口徹(解約ゲーム)、松岡茉優(カスタマイズ)
番組内容
深い眠りを意味する「ノンレム睡眠」…ちょっと不思議な3つの話は、夢なのか?現実なのか?その狭間を行き来するバカリズムワールド「ノンレムの窓」。数々のドラマ・映画の脚本で話題作を連発してきたバカリズムの真骨頂とも言える「超現実の世界」を描いた新感覚ショート・ショートドラマ。主演には風間俊介、野間口徹、松岡茉優と豪華俳優陣が集結!春の微睡みに、あなたの眠りが今夜ノンレムでありますように…
監督・演出
<総合演出>内田秀実
<監督>スミス、青木達也
<プロデューサー>吉無田 剛、櫻井雄一
<チーフプロデューサー>三上絵里子
原作・脚本
<原案>バカリズム
<脚本>バカリズム、安部裕之、左子光晴(ヨーロッパ企画)、上田誠(ヨーロッパ企画)
おしらせ
公式HP:https://www.ntv.co.jp/nonrem/ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他
バラエティ – その他
テキストマイニング結果
ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20
- 解約
- 彼女
- コーヒー
- カスタマイズ
- トール
- 大丈夫
- 金田
- 詩織
- 自分
- 齋藤
- エクストラショット
- ゲームクリア
- ノンレム
- ライフ
- 注文
- 番窓口
- アイス
- プレミアムシート
- 呪文
- 絶対
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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ようこそ 『ノンレムの窓』へ
窓先案内人の升野英知です。
皆さんは昨日 どんな夢を見て
そして今日
どんな現実を過ごしましたか?
これから ご案内するのは
明日 あなたの身に
起こるかもしれない
はたまた
一生 縁がないかもしれない
とある人の とある体験です。
夢か現か あなた自身の目で
確かめてみてください。
それでは最初の『ノンレムの窓』を
のぞいてみましょう。
《私の名前は中島宗介
31歳 独身》
(詩織) お待たせ~。
《私には愛する女性がいる》
《彼女の名前は 鈴木詩織》
(詩織) 乾杯。
《彼女とは 3年前に
同僚の結婚式で知り合った》
《彼女の包み込むような優しさと
笑顔にひかれた私は
猛アタックをし 1か月後
私たちは交際をスタートした》
《それから3年
私たちは大きなケンカもなく
順調に交際を続けている》
♬~
三宿の交差点まで。
《ちなみに…》
お待たせ。
(佳奈) ごめんね わざわざ。
《私には もう1人
愛する女性がいる》
《彼女の名は 佐藤佳奈》
《彼女とは1年前
行きつけのバーで知り合った》
《彼女の純粋な性格に
ひかれた私は
ある日 勇気を出して告白し
付き合うことになった》
《これは俗に言う
二股という状態で
一般的に
許されない行為とされている》
《もちろん 私自身
多少の罪悪感はある》
《だけど 私は決して
中途半端な気持ちで
二股はかけていない》
《どちらも本気で愛しているし
どちらも本命である》
《だからこそ 私は絶対
バレないよう細心の注意を払い
スケジュールも
うまく調整しながら
それぞれと
完璧に付き合っている》
《そんじょそこらの
一途な男よりも
よっぽど彼女たちを
大事にしているし
幸せにしている自信がある》
《だけど たまに ふと思う》
《「自分が2人いればなぁ」と》
(詩織) じゃあ 明日ね。
うん 明日。
《そのくらい
二股交際というのは大変だ》
《単純に2倍エネルギーを
使うのだから》
《そんなある日のことだった》
(アラーム)
ん~ ん~。
(アラーム)
え?
(中島B) え?
え?
(2人) え?
えっ 何?
えっ どういうこと?
え?
《全く状況が のみ込めないまま
数分が過ぎた》
え~…。
ん~?
お…れ だよね?
俺だね。
《原因は分からないが
どうやら私は増えたらしい》
《取りあえず私たちは
状況を整理した》
要は 1つのアカウントで
2つの端末を持ってる
みたいな状態なのかな。
あ~ そういうことかもね。
これ 絶対 周りに
バレないようにしなきゃだよね。
大ごとになっちゃうからね。
仕事は 俺が行くとして…。
じゃあ 俺 家のことやるよ。
でも 連絡どうしようか?
あ~…。
そういえばさ 前に使ってたスマホ
まだ あったよね?
あった。
俺 これ使うよ 同じアカウントで。
なるほど まさに
今の俺たちと同じ状態だ。
あとは定期的に同期して
情報を共有すれば…。
完璧だね。
《性格が同じなので
話は早かった》
2人で行ったら
おかしなこと なるから…。
ちなみに
俺たちは同期できないのかな?
同期? どうやって?
例えば こうやって?
《この非現実な状況を
私たちが割とすんなり
受け入れることができたのは
1つだけ確実にプラスに
なることがあるからだった》
《それは…》
《それぞれの彼女に
集中できること》
《「自分が2人いればいいのに」
という
いつかの思いが
現実になったのだ》
《これは もはや二股ではない》
《一途×2だ》
《自分が2人に増え
それまでギリギリだった
スケジュールに
余裕ができたことで
私は つい調子に乗ってしまい…》
《もう1人
彼女をつくってしまった》
《彼女の名前は 奥田美玲》
《彼女とはジムで知り合い
何度かデートを重ねた結果
付き合うことになった》
《もちろん 彼女のことも
本気で愛している》
いや もう
これ運命だなと思って…。
《私は新しい彼女ができたことを
もう1人の私に報告した》
《すると…》
いや 実は俺もさ…。
え?
《さすが私》
うわ 超タイプ。
でしょ?
やっぱ好み合うね。
《もちろん もう1人の私も
その子のことを
本気で愛していた》
《こうして私たちは
4人の女性を
2人で切り盛り
することになった》
《そんな二股×2の状態が
1週間ほど続いた
ある朝のことだった》
《また増えた》
引き続き会社は俺が行くとして…。
《もちろん驚きはしたが
一度経験していることなので
私たちは割と冷静だった》
《取りあえず 私たちは また
1人ずつと付き合うことにした》
《一途×4である》
《しかし 結局
4人とも同じ人間なので
私たちは また同じ過ちを繰り返し
数か月後には…》
《私だらけになっていた》
《さすがに
まずいと思った私たちは
緊急会議を開いた》
さすがに この人数はヤバいよね。
(中島B)
確かに隠すのにも限界あるかなぁ。
経済的にも厳しいしね。
あと やっぱ
単純に気持ち悪いよね。
何か 自分酔いする。
だから ここらで手を打たなきゃ
いけないと思うんだけどさ。
手を打つって?
いや 減らそうと思ってさ。
減らす? どうやって?
無理でしょ~。
何か方法あんの?
簡単だよ 別れればいいんだよ。
別れる?
彼女が増えるたびに
自分も増えてったってことは
別れれば消えるってことでしょ。
≪あ~≫
≪なるほど≫
仮に消えるとして誰が消えんの?
俺以外 全員。
(中島たち) はぁ?
そりゃそうでしょ
元々 俺一人なんだから。
いやいや 簡単に言うけど
消えるっていうのは
死ぬっていうのと
同じことでしょ? 絶対 嫌だよ。
俺もヤダ~。
≪言っておくと 俺も嫌かな≫
《初めて私たちは意見が割れた》
でも まぁ 元々いないわけだしさ。
そりゃそうだけど もう みんな
同じように自我があるんだから
今更 消えろっていうのは
キツいって。
消えるって考えるから
ダメなんじゃない?
だって消えるじゃん。
でも 俺は残るんだから
1つになるって考えれば
いいんじゃない?
1つになる?
そう! 口座を1つに
まとめるみたいなことじゃん。
そういうことなのかな?
そうだよ。
貯金額 変わらないんだから
問題ないでしょ。
≪うさんくさいな≫
≪ん~ 何か うさんくさい≫
っていうか
彼女のほうは どうすんの?
彼女って?
俺らは1つになるとして
彼女は誰を残すの?
それは 最初から付き合ってる
詩織ちゃんでしょ。
≪はぁ~?≫
≪え~?≫
そりゃそうでしょ!
(中島B)
それ いったら佳奈ちゃんでしょ。
それをいったら玲奈ちゃんだよ。
夏美ちゃんだっつってんの。
一番若い美緒ちゃんでしょ。
誰だよ。
誰だよじゃねえよ 彼女だぞ。
知らねえよ。
何でだよ。
確かに後半の子
俺ら会ってないからね。
いやいや
会ったら絶対に気に入るって。
好みは同じだからね。
待って待って
俺を残すっていうことは
詩織ちゃんを
残すっていうことだからね。
もめてるけど。
(中島たち) はぁ~?
《こうして私たちは
日が暮れるまで話し合い…》
(中島H) っていうか 何でお前が
残ること前提なんだよ。
当たり前だろ
俺が元祖なんだから。
(中島C) 全員同等だろ!
同等なわけねえだろ!
おめぇら コピーのくせに!
≪何だ それ!≫
《ののしり合い…》
(中島B) てめぇ
調子こいてんじゃねえぞ おら!
このパクリどもが!
≪パクリだぁ!?≫
≪ふざけんな おら!≫
(殴り合う音)
≪上等だ おらぁ!≫
(殴り合う音)
《殴り合った》
《そこから私は ひと晩かけて
私たちを説得し…》
《最終的には納得してもらった》
ごめん!
《そして後日 私以外の私たちは
それぞれの彼女とお別れをした》
もったいない。
《すると予想通り 別れた者から
順番に消えて行った》
《当たり前のことだけど
やっぱり1人の女性だけを
愛することが一番だし
今回の一件は そのことを
神様が教えてくれたんだ
…と自分に言い聞かせた》
(詩織) おいしかった~。
《そして今後は 彼女一人を
一生 愛し続ける証しとして…》
詩織ちゃん。
(詩織) ん?
結婚しよう。
え?
《私は彼女にプロポーズした》
あ… ごめんなさい。
え?
えっ ごめんなさいって…。
いや だから… 無理。
え… 何で?
いや 宗君と一緒にいると
楽しいんだけど
この先 ずっと
一緒に暮らすとなると
やっぱり不安なんだよね。
それは 収入面とか?
そういうのも含めて いろいろと。
じゃあさ
その不安がなくなった時に
またプロポーズしてもいいかな?
ううん 大丈夫。
大丈夫… 大丈夫って何?
ごめん もう別れよう。
ウソでしょ?
さようなら。
《こうして私は 最愛の女性に
別れを告げられてしまった》
《バチが当たったんだ》
《そりゃそうだ》
《今まで最大8股もかけておいて
他と別れたからって
今更 結婚しようだなんて
そんな都合の…》
マジで?
いかがでした? マドカさん。
(マドカさん)
ん~ 考えさせられますね。
そうですね。
升野さん 知ってます?
哺乳類の中で
一夫一妻制の動物って
わずか3%なんですって。
あっ そんなに少ないんですね。
仲良し夫婦の例えで使われる
オシドリも
実は毎年パートナーを
替えるといわれています。
あ~ じゃあ 浮気って むしろ
動物の本能としては
自然なことなんですかね。
その一方 クチキゴキブリ。
クチキゴキブリ。
厳格な一夫一妻制で 交尾の時
お互いの羽を食べ合って
一生 飛べなくなるんですよ。
それって お互い ちゃんと
全部食べるんですか?
ん? と いいますと?
いや 例えば ほら
自分は全部ちゃんと食べたのに
相手が半分くらい残してたら
何かヤダなと思って。
あ~ 確かに
何かモヤモヤしますね。
それで浮気しちゃうかも
しれないですね。
は?
それでは 続いての『ノンレムの窓』を
のぞいてみましょう。
(谷尻の妻) まだ寝てんの?
(谷尻 勇) ん?
もう11時だよ。
う~ん…。
ねぇ… これ。
何だか分かる?
ん?
一番下の。
毎月980円も取られてんだけど。
あっ…。
分かった?
うん。
海外のスポーツ中継が見られる
動画サイトだ。
使わないから
解約しようと思ってたんだけど。
解約しとく。
今 したら?
細かいな…。
「ランキング」…
「サービス」「ヘルプ」…。
ん?
「解約」 どこだ?
検索してみようか。
(マウスをクリックする音)
これか…。
プレミアムシートの解約方法…。
「『使い方』ページの中にある
『もっとプレミアムシートを楽しむには』
という項目の中に
『よくある質問』という
タブがあって
その中に『解約するには?』
という項目があり
そこをクリックすると
解約ページが開きます」。
こんな複雑な場所
たどり着けるわけないだろ。
ん~っと 「プレミアムシート」…
「よくある質問」。
え~…。
「解約」… あった。
『もっとプレミアムシートを楽しむには』の
奥に解約ページがあるって
どういうことだよ。
「本当に解約しますか?」。
するって言ってんだ。
「プレミアムシートを
解約した方の55%が
1か月以内に解約を後悔した
というデータがあります」。
する!
「プレミアムシートは
190ヵ国の…」
知ってます はい。
「ご利用いただいていないサービス…」
もういいです はい。
もういい はい。
解約… 解約する 解約します。
ホントにホントに 解約します!
「こちらから解約手続きに
お進みください」 よ~し。
進む。
「手続きフォーム」。
「私はロボットではありません」!
「信号機の画像を
全て選択してください。
選択し終わったら
『確認』をクリックしてください」。
何これ ムズっ!
ここ あります…。
あれ? 何これ。
おい シューティングゲームかよ。
これ これ…
ちょっと待って ちょっと待って。
ちょっと待って… よし!
で 「確認」っと。
何で 確認ボタンまで動くんだよ。
ちょっと待て待て… ちょ ちょ…。
え? ちょっと待って
待って待って。
あれ… よし!っと ハァ…。
パスワードなんて
覚えてないよ もう。
「パスワードを忘れた場合
メールアドレスを
入力してください。
一時パスワードを送信します」。
えっと…。
何だよ もう めんどくさいな…。
(キーを打つ音)
(受信音)
来た。
「一時パスワード…
解約用パスワード入力…」。
「パスワード有効時間
発行から15秒」?
ウソ! ちょ ちょ 待って待って。
何で… え? コピペできないの!?
入力するしかないってこと?
ちょ 待って ちょ 待って…。
wf6ej3ds…。
(キーを打つ音)
行ったか? 間に合ったよね?
え?
何でだよ!
くっそ!
あぁ?
「まだ解約をご希望の場合は
下記窓口まで直接お越し下さい」。
くっそ…。
絶対 今日中に解約してやる。
(係員A) いらっしゃいませ
ご来店 ありがとうございます。
あの~… 解約手続きに
来たんですけども。
(係員A) 解約…。
はい 解約です。
あちら お掛けになって
少々お待ちください。
はい…。
(リモコンの操作音)
心底 後悔してます。
解約したのは間違いでした。
過去に戻れるなら
解約はしないです。
(ナレーション) 解約した皆さんが
そろって口にするのは
後悔の言葉。
なんで あんな事したんだろう
って 今でも後悔しています。
解約してからっていうもの
妻には離婚を切り出されるし
仕事ではミスが増えるし
もう 僕の人生 めちゃくちゃ…。
(係員A) 解約のお客様
お待たせいたしました。
1番窓口へ どうぞ。
1番ですね 分かりました。
はい。
解約したいんですけど。
(係員B)
では こちらをお持ちになって
4番窓口へ どうぞ。
これは?
(係員B)
解約に必要なキットになります。
キット?
4番窓口へ どうぞ。
♬~
4番って どこ?
♬~
♬~
(ドアノブを回す音)
♬~
(ドアが閉まる音)
何? ここ…。
解約希望者の皆さん
こんにちは。
4番窓口は この先
鍵の掛かった扉を開けて
進んだ先にあります。
鍵は部屋の中にあるので
ヒントを手掛かりに
探し出してください。
鍵?
それでは 健闘を祈ります。
(ブザー)
これか…。
♬~
♬~ くっ…。
♬~
♬~ あっ。
♬~
♬~ あぁ…。
水を入れたら
♬~ 浮かんで来るってことか。
♬~
え? あっ…。
隙間あったの!?
思ってたのと だいぶ違うけど
取れたから いっか。
(ゲームクリアの音)
部屋の中にある
ヒントを手掛かりに
鍵を探し出してください。
「この図が表しているものは何か
答えは この部屋の中にある」。
ハァ… Bookshelf。
本棚か。
(爆竹の音)
うわ!
え? 本棚じゃなかったってこと?
じゃ 何だよ… ん?
h o o k…。
hook フックか!
♬~
(ゲームクリアの音)
よし。
貯金箱の中から
鍵を取り出してください。
(ゲームクリアの音)
指示に従い 粉の中から
鍵を取り出してください。
(ゲームクリアの音)
赤外線に触れないよう
出口を目指してください。
(ゲームクリアの音)
赤か青か どちらかの
導線を切って
時限爆弾を解除してください。
(ゲームクリアの音)
♬~
おぉ!
(齋藤大吉) あなたは?
解約に来た者です。
よかった… 我々もです。
あなた方も?
あなた ここにたどり着くのに
どのくらい かかりました?
あ~ 30分ぐらいですかね。
(大吉:齋藤良子) 30分!?
我々 ここまで来るのに
3日かかってます。
え?
あなた 優秀です。
あなたなら… あなたなら
解約できるかもしれない。
(良子) 恐らく ここは最後の部屋。
あのドアを開けた先が
4番窓口なんです。
そうなんですか。
(齋藤) はい。
そして この宝箱のどちらかに
4番窓口へ続く あの扉の
鍵が入っています。
そうなんですね
じゃあ 開けてみたら?
私たちは… もう ライフが
1つしか残ってません。
ライフ?
間違った宝箱を開けてしまうと
爆発するでしょ。
あ~ はい。
爆発は 死を意味します。
箱が爆発した時に
部屋にいた者は
ライフを1つ失う。
何度 爆発させましたか?
1度ですね。
(齋藤) い… 1度!?
あなたには
まだ 残り99ライフあります!
そんなに?
私たちは 100あったライフを
全て使い果たして…。
残りは 1。
え?
(齋藤) この宝箱のうち
間違ったほうを
開けてしまった瞬間に…
0です。
0になったら?
契約100年 延長です。
100年…。
(齋藤) だから 我々は もう
絶対に 間違うわけには
いかないんです。
じゃあ どっちが正解か
一緒に考えましょう。
暗号の紙は?
あれです。
燃やしました。
え~?
(齋藤) 自分たちで
考えられないように
暗号は 読む前に燃やしました。
(良子) でも…
いつまでも こうしてるわけには
いかないですよね。
あなた 開けましょう!
ああ。
♬~
ちなみに どっちだと思いますか?
どっちって聞かれても。
分かりました。
こっちだと思うほうを
「せ~の」で指さしましょう。
ん… はい。
行きますよ。
せ~の!
2対1なので こっちで。
いや あなたのほうで
行かせてください。
私たちは これまで
間違えて来たので。
はぁ… お2人が それでいいなら。
(齋藤) 開けるよ。
うん。
(爆竹の音)
(良子:齋藤) あ~あ!
齋藤さんご夫妻 全てのライフを
使い果たしたので
契約100年 延長決定です。
契約延長担当スタッフが
行くまで
その部屋でお待ちください。
あなたのせいじゃありませんから。
私たちのことは気にせず
解約なさってください。
ありがとうございます。
あ… 確かに。
(ゲームクリアの音)
ありがとうございます。
♬~
(谷尻の妻) ねぇ ちょっと。
ねぇ…。
ん?
980円 まだ取られてるよ。
うん…。
解約しに行ったんじゃ
なかったの?
うん…
行くことは行ったんだけど。
何で まだ取られてるの?
ライフを90以上残したまま
4番窓口に たどり着いた人は
料金そのままで スーパープレミアムコース に
入れるって言われて
加入しちゃった。
何言ってるのか 全く分かんない。
だろうね。
マドカさんは 無駄に払ってる
お金ってあります?
あ~ 年会費 払ってるのに
全然使ってないクレジットカード
ありますね。
あぁ やっぱ そうですか。
升野さんは?
やっぱり サブスク系は
結構 無駄に
払ってるかもしれないですね。
ちなみに 有料の会員サービスに
登録している人の3割が
サービスを使ってないけど
解約してないそうです。
そんなにいるんですね。
ねぇ。
人間って 日用品などの10円の
値上げには うるさいのに
何で そうやって 数千円を
ドブに捨てちゃうんですかね。
時代と共に お金と人間の距離感
変わって来てますよね。
逆に ドブって 最近
見なくなりましたよね。
は?
続いての『ノンレムの窓』を
見てみましょう。
♬~
(瀧野遥香) お待たせしました
ありがとうございます。
トール フラッペカプチーノ。
(金田) トール フラッペカプチーノ。
はい。
《さすが人気ナンバーワン》
《フラッペカプチーノは定番》
お待たせしました お気を付けて。
トゥーゴー ショート ドリップ。
トゥーゴー ショート ドリップ。
はい。
《「トゥーゴー」
つまり テイクアウト》
《ドリップコーヒーで
始業前の一杯って感じ?》
《何だ!
思ってたより全然余裕じゃん》
お待たせしました。
トール エクストラショット ノンファット カフェモカ。
トール エクストラショット ノンファット カフェモカ。
《トール エクストラ… 何だっけ?
後半 何て言った?》
トール エクストラショット ノンファット カフェモカ。
エクストラショットは エスプレッソ追加ね
あっ ボタン そこ。
すいません
研修で勉強したんですけど…。
初日は こんなもん
ちょっとずつ慣れればいいから。
ありがとうございます。
あと ノンファットミルクは…。
無脂肪牛乳。
大丈夫です。
(金田) ホット トール フォーミー
カフェラテ ウィズ キャラメルソース。
《はい はい》
(金田) グランデ ローファットミルク ノンホイップ
チョコチップ バニラクリームフラッペカプチーノ。
《ん?》
(金田)
ショート ソイオールミルク アドリストレットショット
ノンシロップ チョコレートソース アドホイップ
フルリーフ チャイティーラテ。
《待って 待って》
遅いよ。
すいません。
《…っていうか
カスタマイズ長くない?》
おかしくないです?
何が?
カスタマイズですよ
あんなの呪文じゃないですか!
呪文って。
この辺りってさ
ITオフィス街じゃん。
みんな意識 高っかいの。
ビジネスパーソンとか
クリエイターが
いちいち こだわりの呪文を
唱えてくんのよ。
確かに ハーピーズ・カフェは
カスタマイズが売りですけど…。
でも シンプルなコーヒーで
いいじゃないですか。
私 これが一番好きなんです!
…だし あの人たちは
「カスタマイズしてる私~」に
酔ってるだけです。
まともに対応してたら
持ちませんよ。
(ドアが開く音)
(アルバイト) 金田さん。
そろそろ上がりますね。
(金田) お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
あ~!
さて こっからがピークタイム!
ピークタイム。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
(早夜) とにかく
クライアントとコンセンサス取って
クロージングして来て。
(金田) あの人 常連の森崎さん。
大手ITのCSO。
CSO!?
(早夜)何かあったらエスカレして。
はい じゃあね。
いつもありがとうございます
ご注文は?
アイス エクストラショット トール ノンシロップ
ノンホイップ ノンシュガー ノンファットミルク
エスプレッソアフォガートフラッペカプチーノ で。
《何だ その呪文!
悪魔でも召喚するのか?》
《ビジネスサタンか!》
アイス エクストラショット トール ノンシロップ…
ノンホイップ ノンシュガー…
ノンファットミルク…
エスプレッソアフォガートフラ … フラ…。
先輩! 大丈夫ですか?
ああ ごめん… 大丈夫 大丈夫。
いやいや。
コーリングできてないですよ
すぐ休んでください。
だけど 君一人で
このカスタマイズは…。
でも 働き過ぎです
いったん休んでください。
ここは 私が守ります。
(せき払い)
大丈夫?
失礼しました。
えっと…
ドリンクが出来上がるまで
あちらでお待ちください。
フフフ…。
《ここからは 一人…
やるしかない!》
《確か クイーンの呪文は…》
《アイスは アイス》
《エクストラショットは
エスプレッソを追加》
《それをトールサイズで出す
ってことね》
《長い呪文で翻弄されるけど
文節で区切れば 行ける!》
《次は ノンカルテット》
《ノンは 入れなきゃいい
ってことだから
シロップなしで》
《ホイップクリームもなし
シュガーもなしで
ファットミルクもな…
って危ない!》
《ノンファットだから
無脂肪牛乳か》
《やるじゃない CSO》
《ノンの連打で
罠に掛けようなんて
だまされないわ》
《このカスタマイズで
エスプレッソアフォガート を作れば…》
お待たせしました。
ありがとう
これで昼から頑張れそう!
フフっ。
リソースショートしてそうだけど
頑張ってね。
サ… サンキュー!
《おっしゃ~! 達成感すっご!》
《脳内麻薬がドリップされてる》
《どんと来い カスタマイズ
さばくぞ~!》
《次は クリエイター系ね》
《デザイナー?
それともコピーライター?》
いらっしゃいませ。
店内か お持ち帰りか
どちらにされますか?
(黒紙) 春の芽吹きを楽しみたい。
えっと…。
お持ち帰りですかね?
あれ あれ… あっ ご注文は?
それは ひとときを楽しむのに
適したスケール。
上質な睡眠を約束し
芳醇に香るエスプレッソと
やわきミルクがマリアージュした
愛のカタチ。
かしこまりました。
《あ~ このパターンもあるのか》
《いや なくない?
常軌 逸してない?》
《マンションポエムかよ》
《スケールってことは
サイズだから
ひとときを楽しむのに適した…
ショートサイズ!》
《でいうと
上質な眠りを約束する…
眠りを妨げない》
《あっ! カフェインレス!?
はいはい 分かって来たぞ》
《で エスプレッソとミルクを
合わせるから
カフェオレ!と見せ掛けて
やわきミルクって 多分
泡立てたミルクのことだから
正解は…》
お待たせしました。
トゥーゴー
ノンカフェインカプチーノです。
おかげで いい謎が浮かんだよ
ありがとう。
《謎解き作家かよ
カスタマイズに持ち込むなよ》
ありがとうございました。
《いいじゃん!
カスタマイズ面白いじゃん!》
《どんどんカスタム
してらっしゃい》
《私が カスタマらせてあげる》
《ピークタイムは ひとときも
こだわりの注文が
やむことはなかった》
VR コーヒーレス…。
アイス トール アーモンドミルク…。
アイス グランデ オーツミルク …。
《双子のお客様が来たり…》
トゥーゴー…
《脳に直接
注文するお客様が来たり…》
《そして…》
ありがとうございました。
ワンオペ 疲れた~。
締め作業 始めますか。
いらっしゃいま…。
《ただ者ではない このオーラ》
《一見 普通の人に見えるけど
力の抜けきった動作》
《達人》
(山口) 注文いいですか?
注文いいですか?
はい。
コーヒー 下さい。
《コーヒー?》
《コーヒーって
あのコーヒーだよね?》
《何か 聞き逃した? 私?》
《だよね?》
《やっぱコーヒーなわけ
ないよね?》
《略語か? コールドとヒートだ》
《いやいや
温度しか言ってないし ぬるいし》
《化学呪文?》
《C O F F E E
コバルトと鉄が2つ!》
《…ってそれ
カフェの注文じゃないし》
《でも シンプルに
コーヒーなんてある?》
《だって 何もカスタマイズ
されてないんだよ?》
《丸腰よ? そんなんで戦える?》
《コーヒー? コーヒー…
コーヒーって何だっけ?》
《ヤバい
訳 分かんなくなって来た》
《ここ どこだっけ?》
(謎の声) 遥香 遥香。
誰?
(謎の声) こっちよ こっち。
(ハーピー) 私よ。
ハーピー!?
遥香…
あの日のことを思い出して。
あなたが就活で疲れていた
あの日のことを…。
♬~
♬~
(遥香の声) そうだった。
うちのコーヒーは
おいしいんだった。
ありがとう ハーピー。
《いいんだ これでいいんだ》
《カスタマイズされて
なかろうと
これが 私のコーヒーだ》
(遥香の声) お待たせしました。
コーヒーです。
ありがとうございます。
ありがとうございました!
ハァ…。
(ドアが開く音)
(金田) ごめんね 任せちゃって。
フフフ…。
倒れるなら コーリングしてから
倒れてください。
大丈夫だった?
だいじょばないですけど…。
でも 私 カスタマイズする人の
気持ちが
分かったような気がするんです。
みんな 会社や家庭で
別の人格を演じてる。
そんな人たちが
カスタマイズをすることによって
本来の自分を表現してるんじゃ
ないかな~ なんて。
なるほど。
私は でも シンプルなコーヒーが
一番好きです。
それで この会社 入りました。
フフフ…。
フフフ…。
じゃ 今日は 初日祝いってことで
出前でも取ろっか。
おごるよ。
いいんですか?
もちろん!
私
おいしいカレー屋さん
知ってるんですけど
電話してもいいですか?
いいね~!
じゃあ ちょっと失礼しま~す。
はい。
あっ すみません
テイクアウト お願いしたいんですけど。
あっ はい… スパイス半卵
あと チキンピクルス
ローストコリアンダーと
クミン
あと フライドオニオン追加で。
四種あいがけ キーマ チキン
マトン マッサマン…。
あと
ウィズ タンドリーチキン とダルで。
先輩は?
おぉ。
マドカさん
これも何かデータありますか?
普段 身の回りで使われる
カタカナ語を
実は 不快に思っている人が
多くいるそうで
「イラッとする
カタカナ語ランキング」
…という調査結果が
あるんですって。
へぇ~ 知りたいですね。
そうですか。
3位は エビデンス。
あ~ 聞くわ 最近。
2位は ユーザー。
あ~ なるほど!
1位は 何ですか?
升野さんは 何だと思います?
僕はね あれ…。
ガバナンス。
あ~ なるほどね。
1位は コミットメントですね。
あ~ コミットメントね!
コミットする。
よく 耳にしますよね?
耳にします します。
やっぱり 何か
そういう言葉を使うことで
自意識を保ってる人が
多いということかも
しれないですよね。
アイデンティティーの主張が
何よりもプライオリティーの高い人
いますよね?
うん。
やっぱり そういう人がいると
ハレーションが起きますし
いいシナジーは
生まれないですよね。
『ノンレムの窓』から のぞき見る
3つのストーリー いかがでしたか?
それでは あなたの今夜の眠りが
ノンレムであることを祈りつつ
また お会いしましょう
おやすみなさい。
『ノンレムの窓』は…。