土曜プレミアム・世にも奇妙な物語’22夏の特別編【ストーリーテラー:タモリ】[字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

土曜プレミアム・世にも奇妙な物語’22夏の特別編【ストーリーテラー:タモリ】[字]

今宵奇妙な世界の扉が開く―①「オトドケモノ」北山宏光②「何だかんだ銀座」有田哲平③「メロディに乗せて」生田絵梨花④「電話をしてるふり」山本美月

番組内容
おなじみのストーリーテラー・タモリと豪華キャストが視聴者を“奇妙な世界”へといざなう人気シリーズの最新版『世にも奇妙な物語’22夏の特別編』。1990年4月にレギュラードラマとして放送を開始し、その後は特別編という形で年に2度放送を続けるスタイルで、これまで各時代を代表するような作家や脚本家と豪華俳優を掛け合わせることによって奇妙な物語の世界観を作り出してきた本シリーズ。
番組内容2
今作では、各ドラマの主演に有田哲平、生田絵梨花、北山宏光(Kis-My-Ft2)、山本美月が出演!豪華俳優陣でお送りする珠玉の短編ドラマをぜひお見逃しなく!
出演者
【ストーリーテラー】
タモリ 

【『何だかんだ銀座』】
有田哲平(くりぃむしちゅー)、東根作寿英、紺野まひる、岩田琉聖 他 

【『メロディに乗せて』】
生田絵梨花、稲葉友、金剛地武志 他 

【『オトドケモノ』】
北山宏光(Kis-My-Ft2)、小島藤子、樋口日奈(乃木坂46)、綾田俊樹 他 

【『電話をしてるふり』】
山本美月、森口瑤子、神尾佑、土佐和成 他
スタッフ
【編成企画】
渡辺恒也、狩野雄太 
【プロデュース】
中村亮太 
【制作】
フジテレビ 
【制作著作】
共同テレビ 

【『何だかんだ銀座』】
〈原作〉
村崎羯諦「何だかんだ銀座」(小学館文庫「余命3000文字」収載) 
〈脚本〉
相馬光 
〈演出〉
植田泰史 

【『メロディに乗せて』】
〈脚本〉
天本絵美 
〈演出〉
城宝秀則
スタッフ2
【『オトドケモノ』】
〈原作〉
「オトドケモノ」オクスツネハル(集英社「少年ジャンプ+」掲載) 
〈脚本〉
荒木哉仁 
〈演出〉
淵上正人 

【『電話をしてるふり』】
〈原作〉
「電話をしてるふり」バイク川崎バイク(ヨシモトブックス「BKBショートショート小説集 電話をしてるふり」所収) 
〈脚本〉
天本絵美 
〈演出〉
吉村慶介

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 祐介
  2. タクヤ
  3. お金持ち
  4. 叶海
  5. パパ
  6. 進藤
  7. 音楽
  8. 電話
  9. メロディー
  10. 昭夫
  11. 銀座
  12. 明美
  13. ホント
  14. 大丈夫
  15. 塚本
  16. 美津子
  17. 金持
  18. 行動
  19. 自分
  20. お待たせ

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

全て無料!民放各局の動画視聴ができるTVer(ティーバー)!まずはココから → 民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

他にも、無料お試し期間のある配信サービスがありますので、以下バナーなどからラインナップを調べてみるのもいいかもしれませんね。



created by Rinker
ポニーキャニオン

(タクヤ)「オトドケモノ」?
あの女 いったい 何者なんだ?

ニホンオオカネモチだ!

(美津子)銀座で買った物しか
食べないってこと?

(叶海)
脳内メロディ症候群ですか?

何で止まらないの?

パパ?
ホントに パパとつながってた?

♬~

♬(音楽)

(女性)映画 すごく面白かったね。

(男性)
いや くそつまんなかったけど。

(女性)えっ 感動しなかった?
ぼろぼろ泣いたよ。

はっ?
どう見ても ホラーだっただろ?

えっ そう?

普段
われわれが目にしている現実。

果たして 人は 本当に

同じ世界を見ていると
言えるのでしょうか?

くるくる回転している
こちらのシルエット。

あなたには どちらの方向に
回転しているように

見えるのでしょうか?

私には 右回りに見えるのですが

左回りだと言われると

不思議なことに
左回りに見えてきます。

このように
ほんの少し 見方を変えるだけで

人によって まったく別の現実が
見えてしまうこともあるのです。

(ブザー)

さて こよい
奇妙な世界に迷い込んでしまった

4人の主人公。

果たして 彼らには

世界は どのように
見えているのでしょうか?

(タクヤ)
[俺の名前は 山辺タクヤ]

[仕事はウェブデザイナー]

[稼ぎは少ないけど

在宅ワークなので
仕事は気に入っている]

(タクヤ)あっ もしもし ヤス?

デザインできたから
アップよろしく。

はい。

うわ!

(ゆかり)おなか減った。

びっくりさせんなよ。

[彼女は 妻のゆかり]

(ゆかり)塚本さん。

[仕事は看護師。
ゆかりは 毎日 出勤して

日中 家にいない]

[俺とは真逆の生活を
送っている]

(ゆかり)
ご飯 頼んでおいてくれた?

ヤベッ。 忘れてた。

もう!
残業と満員電車のダメージで

残りHP0なんじゃ。

何でもいいから 飯をくれ~。
(タクヤ)分かった 分かった。

もう すぐ 出前 頼むから。
(ゆかり)ホント?

(タクヤ)
うん。 先にシャワー浴びておいで。

は~い。
(タクヤ)うん。

[結婚して もうすぐ3年]

[何だかんだ 夫婦仲は いい]

(ドアの閉まる音)

(タクヤ)マジか。 夕飯時だもんな。

「オトドケモノ」?

2秒とか盛り過ぎだろ。

てか 送料 高っ。

けど
待たせたら ゆかり怒るしな~。

♬~

♬~

≪(チャイム)

えっ?

(お姉さん)
お待たせしました。 お届け物です。

えっ? あっ あの
配達先 間違ってません?

今 頼んだばっかですけど。

料金は アプリで頂いております。
(タクヤ)話 聞かない人?

またのご利用
お待ちしております。

(ドアの閉まる音)

(タクヤ)注文は間違ってない。

けど 早過ぎだろ。
(ドアの開く音)

(ゆかり)
おっ もう届いたの? 早いね。

ホントに 2秒で届いたんだけど。

大丈夫かな?
このチーズバーガー。

いただきま~す。
(タクヤ)おい ちょっと!

(ゆかり)んっ?
(タクヤ)ゆかり?

うま~い!

仕事終わりのハンバーガー 最高!
(タクヤ)何だよ。

(タクヤ)ゆかり 知ってる?
(ゆかり)んっ?

(タクヤ)オトドケモノってアプリ。

知らない。
また 新しい宅配アプリ?

(タクヤ)これ使って注文したら
ぴったり2秒で届いたんだよ。

タクヤさ 家にい過ぎて
時間の流れ おかしくなってない?

ホントなんだって。

あっ 乳液ないじゃん!

この前 買っておいてって
頼んだやつ。

えっ そんなの頼まれてた?

信じらんない。 家にいるくせに。

分かったよ。 すぐ頼んでやるよ。

どうやって?

≪(チャイム)

お待たせしました。 お届け物です。

どうも。

(ゆかり)
何? そのアプリ。 すごっ。

(タクヤ)
なっ? ホントだって言ったろ?

さっきも
同じお姉さんが 2秒で来てさ。

(ゆかり)というか タクヤ
配達のお姉さんのこと

変な目で見てなかった?

はっ… はっ? 見てないし。

(ゆかり)ふ~ん。

浮気とかしたら 即 離婚だからね。

経済力がないタクヤを選んだのは
そこなんだから。

「経済力ない」は 余計だっつうの。

ねえ そのアプリ
もうちょっと使ってみない?

[それから 俺たちは
何度も オトドケモノを試した]

[いつも 同じお姉さんが
2秒ちょうどで届けてくれた]

(お姉さん)
お待たせしました。 お届け物…。

(ゆかり)う~ん。

おいし~!
(タクヤ)このステーキ

まだ 日本に出店してない
アメリカの人気チェーンのだろ?

マジで 何でも届くじゃん。

そういえば ゆかり 気付いてた?
(ゆかり)えっ?

(ゆかり)
何? お肉 冷めちゃうよ?

廊下の照明 ついてるよな。
(ゆかり)当たり前じゃん。

(タクヤ)オトドケモノの
お姉さんが 来るときってさ…。

あっ。

(タクヤ)気付いたか?
まるで 宅配のときだけ

どこか別の場所に
つながってるみたいじゃないか?

いつも同じ人が配達に来るのも
変だし

2秒で配達って
人間業じゃないだろ?

仕組みは分からないけど
便利なんだし

神様からのギフトだと思えば
いいんじゃない?

ギフトね…。

そうだ。 いいこと思い付いた。

(タクヤ)何? これ。
(ゆかり)早いのは分かったから

今度は どこまで
お届けしてもらえるのか 試すの。

例えば… あっ 現金100万円とか。

お前 ホント 前向きだな。

よし 試そう。
(ゆかり)ラジャー。

100万 届けてもらうのに
100万800円 かかる。

まあ そりゃ そうか。
宅配サービスだもんな。

これなら どうだ。

ルフィか お前は。

あ~…。

じゃ これは?

21世紀には存在しないだろ。

あっ 分かった!
(タクヤ)んっ?

根に持ってんな~。

そんなプライベートな物…。
(ゆかり)届けてくれるって!

えっ?
(ゆかり)ほら。

ホントかよ…。

てか
何で 送料しかかかんないんだ?

数十万したよな?

よく分かんないけど 注文!

お届け物です。

(ゆかり)本物だ これ。 ほら。

(タクヤ)マジか。

あっ これ タダだった理由
分かったかも。

この指輪
私たちの物だからじゃない?

(タクヤ)自分たちの物だから
送料しかかからない。

確かに 理屈は通ってるな。
(ゆかり)うん。

そしたら 次は…

ミャオ。

ミャオ?
(ゆかり)昔 飼ってた 犬。

捨て犬 拾って 飼ったっていう?

そう。 結局 逃げ出して
そのまま帰ってこなかったけど。

いけた。 注文!

お届け物です。

骨…。

そりゃ そうか。
10年以上前の話だろ?

(ゆかり)ん~…。

いやいや いくら何でも

過去からのお届け物とか
できるわけ…。

お待たせしました。 お届け物です。

ミャオ。

ミャオ。

(ゆかり)おかえり ミャオ。

[あり得ない…
過去からも お届けできるなんて]

[あの女
いったい 何者なんだ?]

(ノック)

(ゆかり)失礼しま~す。
(塚本)ない。

(塚本)何で ないんだよ。
(ゆかり)塚本さん?

(塚本)
んっ? ないんだよ 私の腕時計が。

何 言ってるんですか。

塚本さん 腕時計なんて 初めから
してなかったじゃないですか。

えっ?

あっ そうか…。
燃えてしまったんだ 火事で。

退院したら 新しい時計
買わないといけませんね。

駄目だよ!
あれは 妻の形見なんだから。

形見?

(塚本)お金が いくら あっても
思い出は 買い戻せないよ。

(さおり)《これ 私の形見にして》

《やめてよ お母さん。
縁起でもない》

《そうね》

《ゆかりのウエディングドレス
見るまで 生きなくちゃね》

♬~

ゆかり?

やめろ!
それは さすがに まずいだろ!

離してよ!
もう一回 お母さんに会いたいの。

ウエディングドレス姿
見せたいの!

(ゆかり)
一 十 百… 1億6, 000万!?

何で こんなに高いの!?

たぶん 生涯年収が
人間の価値ってことなんだと思う。

ゆかりのお母さん

一人親で ばりばり働いてたって
言ってたじゃん。

とても
俺たちに払える額じゃない。

お母さんに もう一回 会えるなら
お金なんて いくらでも払う!

(タクヤ)バカ!

ねえ 何で?

何でよ!

ねえ 何で!?
(タクヤ)ゆかり。

ねえ…!
(タクヤ)ゆかり。

何でよ…。

ゆかり!?

(ゆかり)何で…。

(タクヤ)諦めろ。

♬~

♬~

(タクヤ)37億?

[生きている人を配送するには

平均年収の40倍というのが
相場らしい]

≪(ドアの開閉音)

ゆかり。

もう オトドケモノ使うの やめる。

そうだな。

(タクヤ)もしもし ゆかり?
今 どこ? もう 始まるぞ。

ごめん。 今 向かってる。

自分が見たいって言ったんだろ?

(ゆかり)しょうがないじゃん
残業だったんだから。

(通話の切れる音)

んだよ。 ハァ…。

どこでもドアでも あればな。

♬~

♬~

≪(ドアの開く音)

お待たせしました。 お届け物です。

えっ? えっ… タクヤ?

(黒島)今日 ひといき つきましたか?
(井浦)…はい はい。 わっかりました。

<オンとオフが曖昧になった この時代
休む時間って すごく大切>

<だから毎日の中で ひといき習慣を>

<それだけでリズムを取り戻し
気持ちが前を向く>

さあ あなたも。

ね 井浦さん。
わっ 黒島さん。

何ニヤニヤしてたんですか?
えっ いや…

<いい毎日は、いいひといきから。
ひとのときを、想う。 JT>

(タクヤ)怒るなよ。
間に合って よかったじゃん。

そういう問題じゃない。
(タクヤ)悪かったって。

オトドケモノで取り寄せて。
(ゆかり)だから そうじゃなくて

何で 800円なの?
私 タダってことじゃん。

私 こう見えて
結構 稼いでるんですけど。

タクヤより。
(タクヤ)一言 多いな。

てか たぶん それは
俺たちが夫婦だからじゃないか?

ほら 離婚すると 夫婦って
財産を半分に分けるっていうだろ?

つまり お互いが お互いの
持ち物ってこと。

だから お互い 送料だけで
取り寄せられるんだよ。

なるほど。

てことはさ
超お得ってことじゃない?

ゆかりも気付いた?
(ゆかり)うん。

[俺たちは オトドケモノの
一番 便利な使い道に

気が付いた]

≪(チャイム)

お待たせしました。 お届け物です。
(ゆかり)ただいま。

[ゆかりは 満員電車に乗らず
一瞬で帰宅できるようになり

逆に 外で待ち合わせのときは
俺を呼んでもらった]

お待たせしました。 お届け物です。

[旅行代も 俺が前乗りすれば

ゆかりの交通費は
800円で済んだ]

≪(ゆかり)お待たせ~。
[少し不便な

どこでもドアのような感じだ]
(ゆかり)気持ちいいね。

(ゆかり)
休みのときだけじゃなく

こうやって 2人で ずっと
一緒にいられたらいいのにね。

そうだな。

[俺たち夫婦だけの秘密]

[オトドケモノのおかげで

夫婦の絆も
さらに深まった気がした]

[そのはずだった]

(塚本)確かに 妻の時計だ…。

何と お礼を言っていいのか。

(ゆかり)元気 出してくださいね。

ありがとう ゆかりちゃん。

いいえ。

遅いな…。

(呼び出し音)

もしもし ゆかり?

今日 7時までに帰るって
約束だろ?

ごめん。 今から帰る。

結婚記念日なんだから
今日ぐらい 調整しろよ。

(ゆかり)忙しいんだから
仕方ないでしょ。

あっ タクヤが こっち来てよ。
フレンチでも食べて帰ろ?

ことしは 家で お祝いしようって
話だったろ?

事前に
有給申請だって できたろうし

ゆかりは 楽観的で
計画性がなさ過ぎるんだよ。

はっ?
タクヤが もっと稼ぎが多ければ

私が働かなくて済むんですけど。

かい性なしで悪かったな。

とにかく こっち来てね。
(タクヤ)誰が行くか バカ!

チッ。 腹 立つな~。

ムカつく。
こっちは 毎日 出勤してんのに…。

もういいや。 待ってらんない。

そうだ。
オトドケモノで呼び出してやろう。

♬~

えっ?

えっ?

(お姉さん)お待たせしました。
お届け物です。

タクヤ!

ゆかり お前も
俺を注文しようとしたのか?

したけど… ここ どこなの?

知るかよ…。

あっ タクヤ!

やめろ! 離せ!
(ゆかり)離し… 離して!

(タクヤ)どこ連れてくんだ!
(ゆかり)キャッ!

(タクヤ)うわ!

タクヤ!

お待たせしました。 お届け物です。

えっ?

何 これ。
どうなってるの? タクヤ。

同時に お互い注文したせいで
バグが起きたのかもしれない。

(ドアノブを回す音)

もしかして 私たち
ここから出られないの?

落ち着け。 何か方法を考えよう。

(タクヤ)よし。 ネットは使える。

(呼び出し音)

(ヤス)もしもし?
(タクヤ)もしもし ヤス

頼みがある。

何も聞かずに 今 送ったアプリで
俺の名前を検索して

注文ボタンを押してくれないか?

何 これ。 宅配アプリ?

代金2億円とか表示されてるけど
新手の詐欺じゃないのか?

2億…。

[生きた人間を取り寄せるには

生涯年収がかかる]

ねえ ここから出る方法が
書かれた紙を

取り寄せるのは どう?

ここって… どこだ?

[俺の名前は 山辺タクヤ]

[仕事はウェブデザイナー]

[稼ぎは少ないけど
毎月の収入はある]

[彼女は 妻のゆかり]

[病院を首になり 今は無職]

(タクヤ)
ゆかり 今日 何 食べたい?

チーズバーガー。

(お姉さん)
お待たせしました。 お届け物です。

[自分たち以外で
顔を合わせるのは 彼女だけだ]

(ミャオの鳴き声)

やめろ。
(ミャオの鳴き声)

仕事中なんだよ!

ゆかり。

ゆかり!

犬 こっちに来させんなって
言ったろ?

私のスペースに
入ってこないでよ!

顔 見たくないって 言ったでしょ。

誰の稼ぎのおかげで
生きてられると思ってんだよ。

また それ? しつこい。

今日 ゆかりの飯 抜きな
反抗的だから。

はっ? あり得ないんだけど!

文句があるんだったら
自分の力で 何とかしてみろよ。

タクヤと結婚なんて
しなきゃよかった!

あっ ごめん。 痛かった?

こんな人だと思わなかった!

出てって。

出てけ!

♬~

(ゆかり)《こうやって 2人で

ずっと
一緒にいられたらいいのにね》

[俺たちの夫婦関係は
確実に 破綻に向かっている]

夫婦…。

(タクヤ)《お互いが お互いの
持ち物ってこと》

《お互い 送料だけで
取り寄せられるんだよ》

ゆかり

よく聞け。
脱出する方法を思い付いたんだ。

(ゆかり)えっ?

何のつもり?

夫婦なら お互い
タダで取り寄せられるルールだろ。

俺が 一回 ゆかりと別れて

他の女に
俺との婚姻届を出させれば

俺は オトドケモノで
タダで取り寄せてもらえる。

外に出たら その女と離婚して
ゆかりと再婚すれば

今度は ゆかりを
タダで取り寄せてやれる。

2人とも出れるんだよ ここを。

見え透いたまね やめてよ。
(タクヤ)えっ?

私を裏切って 外の女と
よろしくやるつもりなんでしょ?

離婚届 書かせて
自分だけ外に出て…。

(タクヤ)違う! 俺を信じろ!

必ず ゆかりを取り戻すから。

他に方法があるか?

ここで 一生 暮らしたいのかよ!

(タクヤ)ほら
プレゼント用意したんだ。

君に似合うと思って。

だから 頼むよ。 ねっ?

ごめんなさい。

何で?
俺は 本気で 君と結婚したいのに。

リアルに会ったことないのに
必死過ぎ。

何か 気持ち悪くて。

ごめんなさい。

(通話の切れる音)

くそ!

あ~ もう…。

ゆかり 飯 何がいい?

ゆかり。

ゆかり。

(呼び出し音)

もしもし ゆかり? どこだ?

(ゆかり)タクヤ 私 外に出られた。

(ゆかり)私のために
2億円 出してくれた人がいるの。

あっ そうか。 なら 早く 俺も
オトドケモノで出してくれよ。

なっ?
(ゆかり)嫌よ。

えっ?

(ゆかり)やっぱり 結婚相手は
経済力で選ぶべきだった。

(タクヤ)ゆかり?

(ゆかり)
私は 塚本さんと結婚する。

誰にも邪魔はさせない。

ちょっと待って お前
何 言ってんだ! おい!

さよなら。

(通話の切れる音)

(不通音)

(呼び出し音)

(アナウンス)ただ今
電話に出ることができません。

ふざけんな。
ピーという音の…。

自分だけ 抜け駆けか!

♬~

♬~

ゆかり~!

(タクヤ)
俺の名前は 山辺タクヤ。

仕事はウェブデザイナー。

稼ぎは少ないが

収入は… ある。

(ドアの開く音)

お待たせしました。 お届け物です。

お願いします… お願いします!

ここから出してくれ。
何でもしますから!

(お姉さん)何でもする…。

1つだけありますよ
ここから出る方法。

♬~

♬~

(男性)受け持ち担当を発表する。

(ゆかり)はい どうぞ。

これからは 私が何でもやるから
任せてね。

ありがとう ゆかりちゃん。

(ゆかり)ううん。

ねえ ここの家 もうちょっと
模様替えしたいんだけど…。

(塚本)うん。
(ゆかり)そこの壁に

絵を飾るのは どう?
(塚本)いいね。

いいの?
(塚本)うん。

大好き。
(塚本)フフ。

(ゆかり)
じゃあ ここを ぽちっとして。

ここ?
(ゆかり)うん。

≪(チャイム)

(塚本)んっ?
(ゆかり)は~い。

お待たせしました。 お届け物です。

一つ屋根の下に暮らす
夫婦といえど

同じ現実を見ているわけでは
ないのかもしれませんね。

人間は 相手の心を想像し
共感できる生き物といわれてます。

しかし 人は
自分のフィルターを通してしか

世界をのぞくことはできません。

それは 果たして

本当に 相手の心が分かっていると
言えるのでしょうか。

まして 相手が 自分と
まったく異なる存在だったら。

(チャイム)

(昭夫)これにしよう。
(祐介)うわ。

(昭夫)ここ 気を付けろよ。
(祐介)うん。

いいか? 祐介。

この銀座で買った蜂蜜を

夜のうちに
この木に塗っておくんだ。

(祐介)父さん

何で 銀座で買った蜂蜜じゃなきゃ
いけないの?

(昭夫)
この銀座ブランドに釣られて

野生の銀座のお金持ちが
集まってくるんだ。

へ~。

♬~

♬~

(祐介)うわ~ たくさん いる!
(昭夫)シッ シッ シ~。

今の時期のお金持ちたちは

株主総会が近いから

警戒心が強くて
自意識過剰になっているんだ。

慎重に近づくんだぞ。

♬~

♬~

本物のニホンオオカネモチだ!

(昭夫)よ~し。

捕まえるぞ。
(祐介)えっ いいの?

今日は 観察だけって…。

♬~

♬~

つ~かまえた!

よし。

もう 10歳なんだから ちゃんと
責任 持って 世話するんだぞ。

(祐介)うん。

今日から お前は 家族の一員だぞ。

ただいま。
(美津子)おかえり。

母さん 見て。
本物のニホンオオカネモチだよ。

ちょっと 何なの!

観察するだけじゃないの!?

(昭夫)まあ いいじゃないか。
祐介も もう 10歳なんだからさ。

誕生日プレゼント
みたいなもんだよ。

何で 私に 言わないかなあ。

ちゃんと 責任 持つって
言ったよね? 祐介。

ほら。
お金持ちのご飯 用意しなさい。

は~い。

私が食べたいくらい。

さあ じゃあ…。
(祐介・美津子・昭夫)いただきます。

♬~

♬~

(美津子)ちょっと 何なの?

(祐介)どうしたの? お金持ち。

(昭夫)いったい
何が気に入らないんだ?

(祐介)あっ…。
銀座で買った和牛しか

与えちゃ駄目なんだって!

(昭夫)あっ。

これ 戸越銀座の牛肉だ…。

(美津子)
ちゃんと 銀座で買った物しか

食べないってこと?

(祐介)えっ? じゃあ…。

(祐介)
銀座で買ったフォアグラだよ。

(嗅ぐ音)

やった! 食べてくれた!

こうして見ると
何か ちょっと カワイイね。

(昭夫)ずっと反対してたのに
すぐ これだ。

(美津子)だって 目の前にいると

何か こう
かわいく見えてくるでしょ?

それに 祐介が もし 飽きたら

私が
お世話することになるんだから。

それは大丈夫だよ。 ほら。

(祐介)《お金持ちには
大変な食へのこだわりがあり

肉の産地や等級
料理に合うワインを 間違えると

病気になってしまうことが
あります》

《お金持ちは
自分の縄張りを大事にします》

《ベッドや家具にも
強いこだわりがあり

受け付けない物は
縄張りから投げ出します》

(祐介)《逆に気に入ると
誰にも触らせないくらいに

自分のテリトリーから
出そうとしません》

(祐介)ハァ~。

(祐介)うわ…。

(祐介)
《僕が捕まえたお金持ちは

最低 週に3日
銀座に散歩に連れていかないと

ノイローゼになってしまいます》

(美津子)
あれ? お散歩の日だっけ?

(祐介)そうだよ。

もう 1カ月も たつんだから
いいかげん覚えてよ。

ごめん ごめん。

(祐介)
《僕が捕まえたお金持ちは

一流企業の社長でもあるので

お金持ちが経営する会社まで

散歩に連れていかなくては
いけないのです》

(明美)あっ 祐介君 おはよう。

明美ちゃん おはよう。

わ~ カワイイ!
ニホンオオカネモチじゃん!

あ~
よ~し よしよし よしよし…。

カワイイ~。

(祐介)銀座にいてさ。
僕が捕まえたんだ。

(明美)よく捕まえられたね。
捕獲も飼育も大変って 聞くよ?

お父さんとお母さんは?

(祐介)自分で
ちゃんと世話するならって

OKしてくれて。

(明美)そっか~ すごいな~。

明美ちゃんのお金持ちは?

うちは ニホンコガネモチ。
成城で見つけたの。

明美…。

すごい!
明美ちゃんの名前 呼べるんだね!

(明美)うん。 最近 やっと
呼んでくれるようになったの。

祐介君も 大事に育てれば
きっと 呼んでもらえるよ。

そうなの?
(明美)うん。

お金持ちと飼い主の間で
強い絆が深まれば

名前を呼んでくれるんだよ。
(祐介)へ~。

明美?

あっ ごめん。
ピラティスに連れていかなきゃ。

またね。
(祐介)またね。

よし。 じゃあ 僕たちも行こうか。

(祐介)《ニホンオオカネモチには
高い知能がある一方

プライドが高い
生き物でもあるため

一般的に しつけをするのが
難しいといわれています》

(祐介)駄目 駄目 駄目。
駄目 駄目 駄目。

じゃあ 用事が終わったら
戻ってくるんだよ。 いいね?

♬~

(祐介)《散歩の他にも

ジムや サウナ
ゴルフ パーティーなどを

定期的にしないと
すぐに弱ってしまいます》

お金持ち ナイスショット!

待ってよ お金持ち!

よし。 じゃあ 競走だ!
負けないぞ!

(祐介)た~まや~!
すごいね お金持ち。

♬~

♬~

(美津子)何!?

お金持ち 今月 2回も
パーティーやってるの!? も~。

ちょっと 今月だけで
50万円 超えてるじゃない…。

シッ シッ。

お金がかかるとは聞いてたけど
まさか ここまでかかるとはな。

もう少し どうにかならないの?

食事も みんな 銀座で揃えないと
食べてもらえないからな…。

あっ…。

(祐介)お金持ち?
大好きな乗馬だよ?

ねえ。

えっ!?
予約 取るの 大変だったんだよ。

金だって高いし。

何で そんな目 するの?
ゴルフもサウナも

他のお金持ちよりも
連れていってるんだから

文句 言わないでよ。

も~ わがままなんだから…。

(祐介)お金持ち!
お金持ち 待ってよ!

お金持ち!

(神谷)スクワット。 スクワット。
(祐介)あっ…。

(神谷)おっ 祐介じゃん。
何してんの?

あっ 神谷君。 いや 別に…。
(神谷)最近 お前

ニホンオオカネモチ
飼い始めたんだってな?

お前んち そんな金あんだ。

うちですら
ニホンアブクゼニなのに。

(祐介)いや
うちにお金があるわけじゃ…。

何? そのノート。 見してみ?

(祐介)返してよ!

(神谷)うっせえな。
(祐介)ねえ 返してよ!

勉強熱心じゃん。
何か 腹立つわ!

(祐介)そんな…。

(神谷)生意気なんだよ。

お前に銀座のお金持ちなんて
100年 早えんだよ!

行くぞ。

♬~

大丈夫だよ。 帰ろ?

(祐介)どうしたの? お金持ち。
銀座のフカヒレだよ?

えっ? これ 食べたいの?

食べた…。

おっ…。
(美津子)銀座じゃなくていいの?

だったら
これからは 近所のコロッケで…。

あれ? お金持ち!?

あっ! あっ…。
(昭夫)おっ お金持ち!?

うわ~! あっ!

(美津子)やっぱり 駄目…。
(昭夫)お金持ち!

じんましんが出てる。

祐介 銀座の水を!
(祐介)うん。

(昭夫)お金持ち 銀座の水だ。

ほら。
(祐介)お金持ち。

(美津子)あっ… ごめんね~。

(昭夫)お金持ち。

(祐介)どうしちゃったんだよ…。

(祐介)あれ?

どうしよう…。

(祐介)お金持ち!

(祐介)お金持ち!

お金持ち!

≪(明美)祐介君 お金持ちは?

いなくなっちゃったんだ。

(明美)心配だね。

お金持ち!

野良のお金持ちに
襲われたりしてたら

どうしよう?
(明美)祐介君…。

僕が 乱暴なこと
言っちゃったからかな?

お金持ちは 繊細な生き物なのに。

もし もう 死んじゃってたら…。

祐介君は 飼い主なんでしょ?

祐介君が諦めて どうするの?

(明美)大丈夫だから。

諦めないで捜そう。
(祐介)うん。

(明美)お金持ち! お金持ち!

≪(神谷)
サーフィンは 先週 行ったろ!

ニホンアブクゼニのくせに
生意気 言うなよ!

チッ。 ったくよう!

あれ? 祐介じゃん。

あっ… 神谷君。
(神谷)ちょっと 今さ

すげえ 機嫌 悪いんだ。

ごめん。 僕 もう 行かなきゃ。

はっ? ちょっと待てよ。

祐介 小遣いちょうだいよ。

銀座のお金持ち飼えるってことは
金 持ってんだろ?

ちょっと やめてよ!

お金持ち…。

(神谷)なっ 何だよ!

痛ててて…。

ちょっと 何してんの お金持ち!
(神谷)痛えって!

(神谷)おい お前んちの金持ち
しつけがなってねえぞ!

ごめん!

(祐介)
お金持ち どこ行ってたんだよ!

心配したんだぞ。

えっ… これって…。

拾ってくれてたんだね。

お金持ち ありがとう。

♬~

≪(男性)よし よ~し。
お金持ち 取ってこい!

(男性)ゲット~!

よ~し。

(お金持ち)マサシ!
(男性)お~ よく呼べたね~。

よし。 お金持ち。

ゆ う す け。

祐介。

やっぱ まだ駄目か…。

ううん。 何でもないよ。 帰ろ?

(祐介)《いいんだ》

《お金持ちが いてくれれば
それだけで楽しいし

お金持ちには お金持ちのままで
いてもらえれば

僕は
これからも ずっと 幸せなんだ》

えっ? 飼えないって?

実はな 半導体不足の影響で

父さんも 会社のリストラの対象に
なってるんだ。

えっ… じゃあ
父さん 会社 辞めちゃうの?

すぐに
どうこうなるってわけじゃないの。

でも 今までの暮らしを続けるのは
ちょっと 難しいみたい。

例えば…。
(祐介)待って。 それって…。

祐介 聞いて。 大事な話なの。

嫌だよ。 僕 絶対 嫌だよ!

(美津子)わがまま言わないの。

お金持ちの飼育代 毎月
幾らかかってると思ってるの?

ちゃんと しつければ
コロッケだって

食べられるようになるよ。

うちの暮らしにだって
きっと 慣れてくれるよ。

(昭夫)祐介。

それは お金持ちにとって
幸せなことだと 本気で思えるか?

えっ… それは…。

なあ 祐介 分かってくれ。

お父さんとお母さんだって
つらいんだ。

お金持ちは 家族じゃないの?

(昭夫)もう うちでは
お金持ちは飼えない。

お金持ちを
野生に返してあげよう。

そんなの嫌だ!

お金持ち…。

(あくび)

寝ぼけてたのかな?

(昭夫)祐介。

まだ 気付いてないみたいだから
余計なこと 言うなよ。

♬~

あっ…。

ごめんね こんな駄目な飼い主で。

責任 持って 飼うって言ったのに
こんな身勝手なことをして…。

(昭夫)祐介 行くぞ。

ちゃんと 毎日 運動するんだよ!

働き過ぎは良くないからね!

好き嫌いしないで たまには
銀座の野菜も食べるんだよ!

祐介。

(祐介)お金持ちの好きな物
ここに書いてあるから。

お金持ちは ちょっと わがままで
ぜいたくだけど

すごく すごく正直だって
書いてあるからね。

もし 次に飼ってくれる人が
見つかったら これを渡すんだよ。

ゆう… すけ…。

えっ? 今…。

(昭夫)早く行くんだ。
(祐介)ちょっと待って!

今 僕の名前を!

(昭夫)祐介!

お金持ち!

お金持ち!

ゆう… すけ…。

お父さん 聞いた?
今 呼んだよね?

行くぞ!

ゆう… すけ…。

お金持ち!
(昭夫)祐介!

祐介~!
(祐介)お金持ち!

祐介…。

(昭夫)祐介。
(祐介)お金持ち!

(明美)そっか。
お金持ちと お別れしたんだね。

(祐介)うん。
これまでの暮らしはできないし

好きな物を食べさせて
あげられなかっただろうから…。

きっと 今頃 僕なんかよりも

もっと 責任感も お金もある
いい飼い主さんに

出会えてるはずだよ。

≪(男性)お金持ち~!

お金持ち…。

大丈夫。

祐介君が ちゃんと
真面目に 誠実に 生きてれば

きっと また
お金持ちと会える日が

来るはずだから。

そうだよね。

ここで めそめそしてたら
お金持ちに笑われちゃうよね。

(祐介)ただいま。

祐介 もう ご飯できてるからね。
(祐介)うん。

いってらっしゃ~い。
(祐介)は~い。

祐介 面接?
(祐介)あっ いや。

この間のが
最終面接のはずなんだけど

なぜか 1人だけ 呼び出し。
(美津子)ふ~ん…。

(祐介)いってきます。
(美津子)うん。 気を付けてね。

(石井)羽鳥君に わざわざ
銀座本社に来てもらったのには

理由があるんだ。
(祐介)はい…。

(石井)実は

会長が ぜひ 君に会いたいと
おっしゃってるんだよ。

えっ? かっ 会長が 僕に?

そう。

社員でも めったに会えない
伝説の経営者だ。

(ノック)

(石井)失礼します。
羽鳥さんが おみえになりました。

(祐介)失礼いたします。

数寄屋橋大学の 羽鳥 祐介と
申します!

≪そんなに
固くならなくてもいいよ 祐介。

《つ~かまえた!》

(祐介)《今日から お前は
家族の一員だぞ》

お金持ち?

♬~

♬~

つ~かま~えた。

えっ?

ここまで
立派に育ってくれるとはなあ。

会いたかったよ 祐介。

これから よろしくね。

ハハハハ…。

おや あなたの後ろに
虫取り網を持った人が…。

知らぬ間に捕まらぬよう
くれぐれも…。

♬(音楽)

♬~

人間の脳は

日々 様々な音の刺激に
さらされており

音がつながった音楽は

その旋律によって 人の心や行動に
影響を及ぼすことがあります。

力強い音楽で

気持ちを奮い立たせる
アスリートもいれば

扇情的な音楽で
涙を誘われる人もいます。

♬(音楽)

見方を変えると それは

音楽が 人を操って動かしてると
言えるのかもしれませんね。

♬~

♬(不穏な曲)

♬~

♬(ヘヴィメタル系の曲)

(♬『おもちゃの兵隊のマーチ』)

♬~

(叶海)ストップ!

山田君 さっきから何してるの?
(山田)えっ?

店内用のBGMを
選んでるんだよね?

せっかくの新店舗オープンだし
音楽も遊ばせてみようかなって。

遊ばせないで 仕事だから。

TPOに合った曲にしないと。

先輩 頭 固いっすね~。

♬『Rё∀L』

(叶海)
うん。 この曲 いいじゃない。

ポップで明るい感じで。

えっ?
(叶海)これでいこう。

じゃあ 私は 先に 会社 戻るね。

♬~

♬~

♬~

≪ふざけんなよ! おら!

(三上)なっ…。

はっ 離してください。
ホントに急いでるんですから。

そっちから ぶつかっといて
おわびも なしか!

やめてください!

♬~

警察を呼びますよ。

てめえには関係ねえだろ!

痛っ。

俺は 何もしてねえぞ。

♬~

大丈夫ですか?

♬~

大丈夫ですか?

♬~

(佐久間)聞こえますか?

いいですか?
落ち着いて聞いてください。

村野さん あなたは
倒れて 運ばれてきたんですよ。

ここ… 病院?

(佐久間)はい。 起きれますか?

すいません。

私 急に 頭が痛くなって…。

私は 医師の佐久間です。

症状は落ち着いたようですが

あなたの命は
非常に危険な状態だったんですよ。


何か 悪い病気なんでしょうか?

非常に残念ですが

あなたは 脳内メロディ症候群を
発症したようです。

脳内… 何ですって?

脳内メロディ症候群。

現在 発症しているのは
あなたを含め3人の難病です。

難病…。 えっ…。
いったい どんな病気なんですか?

脳内に流れる音楽の曲調に
合わせた行動をとらないと

脳が異常反応を起こして
最悪の場合

死に至ります。

倒れたとき 何か 頭の中で

メロディーが
流れてませんでしたか?

メロディー?

♬『Rё∀L』

鳴ってました
明るくて軽快な曲が。

でも てっきり
街のどこかからか鳴ってるのかと。

もし 脳内で 明るくて
軽快な音楽が 流れていたのなら

そのトラブルはスルーして
会社に出勤。

オーガニックなコーヒーを片手に
メール 打ち合わせを

スタイリッシュにこなす。

これが 正解の行動になります。

つまり 私が
メロディーに合わせた行動を

とらなかったから倒れた
ということですか?

そうです。
(叶海)そんな…。

そんな冗談みたいな病気
あります?

♬『ザナルカンドにて』

何か 聞こえるんですけど!?

♬~

(佐久間)ちょっと 失礼します。

♬~

(♬『ザナルカンドにて』)
(叶海)その曲です!

(佐久間)落ち着いてください。
今 流れてる メロディーの曲調に

合わせた行動を とってください。

えっ?
(佐久間)生まれながらに

この星の運命を
背負ってしまった

悲劇のヒロインのような感じです。

(アラーム)

痛っ…。
(佐久間)早く。

命が懸かってるんですよ!

♬~

先生~!

いったい
どうして こんなことに~!

(佐久間)そうです。 その調子!

私が何をしたっていうの!?

こんなのって ないわ~!

え~ん。 え~ん。 え~…。

あっ… 痛みが消えた。

現状 これが
唯一の対処方法になります。

毎回 こんなことを?

いや あの 私
演技とかは ちょっと…。

できてましたよ。

この世は舞台。 人は 皆 役者です。

何とか治す方法はないんですか?

症例数が少な過ぎて

文献も ほとんどない
未知の病なんです。

おつらいでしょうが

メロディーが流れてる間
先ほどのように対処さえすれば

死に至ることはありませんので。

ただ…。
(叶海)ただ?

唯一 聞いてはいけないメロディー
というものが存在するそうです。

それを聞いたら 最後…

全てが終わるとか。

終わる?

(ナレーター)世界が どんなに変わっても

幸せを求める気持ちを
止めてはいけないと思う。

「くらす」と 「はたらく」を
幸せで あふれるものにするために。

パナソニックは7つの事業のチカラを合わせ

あなたの幸せを 作り続けていきたい。

パナソニックグループです。

私が やるんですか!?
(課長)俺 腹 下して

それどころじゃないんだよ。
(叶海)私も それどころじゃ

ないです。 今日のプレゼンは中止に…。
(課長)社長も来てるのに

できるわけないだろ!

あっ。
(叶海)えっ? えっ? ちょっ…。

(課長)え~ 本日のプレゼンは
村野が担当いたします。

えっ?
(課長)あとは頼んだ。

えっ? えっ?

課長!

あっ…。

♬『笑点のテーマ』

(叶海)
《嘘! こんな場所で無理!》

《無理 無理! 耐えろ。 耐え…》

山田君!

社長に 座布団1枚 持ってきて!

はい?

♬~

ハァ。

あっ いや あの
椅子が硬いかな~と思いまして…。

(叶海の せきばらい)

それでは 新プロジェクトの提案を
させていただきます。

(部長)その前に

「新しいコンセプトの店舗を
展開する」とあるが

この資料からは
具体的なプランが見えてこない。

ただでさえ
新規事業には 予算がかかる。

新店舗も これまでの実績がある
商品メニューのままで

いいんじゃないか?
(叶海)部長のおっしゃるとおりで…。

♬『WE WILL ROCK YOU』

また!?
(部長)「また」とは

どういう意味だ?
(叶海)あっ いや あの

部長に言ったわけでは…。
申し訳ありま…。

(部長)
だいたい はやりに乗ればいい

ってもんじゃないんだよ。

若い連中は すぐ 小手先で
どうにかしようとする。

信念ってものが…。

今の凡庸なメニューでは
客を引き留められません!

努力なき現状維持は
ただの衰退です!

(部長)君! 今のメニューは
社長が考えたものだぞ。

大口をたたくからには
何か 案があるんだろうね?

案は…。

♬~

1杯 1, 000円の
高級コーヒーのみを売る 専門店。

メニュー1つだけの
一本勝負です!

♬~

(ざわめき)

(部長)フフフ… アハハ…。
何をバカな。

そんなもの 成功するはず…。
(社長)面白い。

(社長)君のような熱い社員が
まだ いるとはね。

気に入ったよ。 検討してみよう。

はい!

ハァ。

私でも あんなこと言えるんだ。

(叶海)《いやいや でも

いつ 何が鳴りだすか
分からないのは 怖過ぎる》

《こんな奇病
誰も理解してくれないし

どうしたら…》
≪(指を鳴らす音)

≪(進藤)ああ…。
≪(指を鳴らす音)

どうして 僕は
こんなに愚かな存在なのか。

♬「銀座線で帰るか
丸ノ内線で帰るか」

♬「それが問題だ~」

(社員)経理部の進藤だよ。
変わってるって噂。

(進藤)♬「問題だ 問題だ」

まさか。
(進藤)♬「問題だ~」

あの! もしかして あなたも
脳内メロディ症候群ですか?

えっ?
♬(『SINGIN’ IN THE RAIN』)

私もなんです。

♬~

この世界に
3人しか存在しないという同士。

(進藤)♬「もしや 君が運命の人~」

今 僕の世界に光が差した。

♬「奇跡の出会いに乾杯~」

(進藤)あっ。 あっ…。

やっと終わった。

あっ! すいません。 あの

急に ミュージカル調のメロディーが
鳴り始めちゃって。

ミュージカルは
ハードル高いですよね。

お気持ち 痛いほど分かります。

(進藤)乾杯。
(叶海)乾杯。

でも 不思議。

今まで 進藤さんのこと
全然 知らなかったのに

同じ病気になった途端
こうして出会うなんて。

メロしょ同士は
引かれ合うのかもしれないね。

メロしょ?

脳内メロディ症候群の略。

ああ…。

(進藤)ず~っと孤独だったけど

この苦しみを分かってくれる人が
現れるなんて。

もう… 一人じゃないんですね。

(進藤)うん。

♬『365日』

♬~

(叶海・進藤)あっ。

もしかして 鳴ってます?

(進藤)うん。

♬~

(進藤)
♬「耳を塞いでも鳴り響いてる」

(叶海・進藤)♬「君が好き
分かっている 馬鹿げている」

同じメロディー。

やっぱり
運命なのかもしれないね。

♬~

(叶海)うん。

♬~

♬~

(バイブレーターの音)

(進藤)「お疲れ様。
週末は泊まりに行くね」

(叶海)「うん! 楽しみにしてる」

♬(ホラー調の音楽)

ホラー? 怖がれってこと?

いや 普通に怖いんだけど。

♬~

≪(物音)

♬~

ハァ…。

♬(『サイレン』の音楽)

これは幻聴みたいなもの。
ホントに襲われるわけじゃない。

♬~

♬~

何で止まらないの?

♬~

≪(物音)
(叶海の悲鳴)

♬~

♬(音楽)

大丈夫。 動画だよ。 本物の音楽。

♬(音楽)

あっ… ごめん。

最近 ちょっと神経過敏で。

メロディーに沿った行動を
しても

音楽が鳴りやまないことが
多くなってる気がして。

だんだん
現実なのか そうじゃないのか

境界線が
分かんなくなってくるよね。

(店員)お待たせしました。

(進藤)この病気になって
時々 思うんだ。

例えば 流れる音楽が
明るいメロディーなら

これも ただのスープだけど

サスペンス調なら

毒が入ってるようにも
見えてくる。

出来事に いい悪いはなく
意味付けしてるのは人間で

それは メロディー一つに
たやすく引きずられる。

人間は思い込みの中で生きてて
そう考えると

確かな現実なんて
ないのかもしれないって。

佐久間先生から
聞いちゃいけないメロディーの話

聞いた?
(進藤)うん。

聞いたら 全てが終わるって
どういう意味だろう?

フッ。 分かんない。
叶海も食べなよ。

充は怖くないの?

やることは一つで
変わらないから。

メロディーが流れたら
それに合った行動をする。

♬『おジャ魔女カーニバル!!』

もう!

ゆっくり 落ち込むことも
許されないの?

何か 鳴ってるの?

すっごい元気で
前向きな感じのやつ。

じゃあ 合わせてあげる。

♬~

君に 暗い顔は似合わな~いよ~!

えっ?
(進藤)俺たちだって

この病気が なかったら
出会えなかったわけだしさ!

フフ。

充って前向きね!
(進藤)だって 俺

こんな変な病気なんかで
死にたくないし

生きる努力を諦めたくないんだ!

私も
幸せになること 諦めたくない!

♬~

あっ 終わった。

今から落ち込む?

もう いい。

前向きなふりしてたら
ホントに元気になった。

(叶海・進藤の笑い声)

(叶海)あっ…。

(叶海・進藤の笑い声)

(女性)
私たち どうすればいい?

ユウトは どうしたい?

(男性)そうじゃなくて…。
(女性)そうじゃないなら

何なの?
(進藤)フゥ~…。

♬(スリラー系の音楽)
(叶海)どうしたの? 鳴ってる?

ああ。 スリラー系なんだ。

ここで騒ぐわけにはいかないし…。

一回 出よう。

(進藤)うん。

♬~

(進藤)えっ! えっ?

♬~

(進藤)逃げろ! あっ…。 いっ…。

(覆面男)
こいつと その その女以外

全員 外に出ろ!
(悲鳴)

(悲鳴)

うっ…。

♬~

(覆面男)こいつと その
その女以外 全員 外に出ろ!

(悲鳴)

♬(『スネ夫のテーマ』)
(叶海)《嘘でしょ?》

《やめて。
どうして こんなときに…》

♬~

えっ?

シャ… シャープペンシル~。

(覆面男)動くな!

ちょっとでも動いたら
こいつ 殺す!

(叶海)《こんなことしてる
場合じゃない》

♬~

叶海!
(覆面男)叶海さん?

大丈夫?
(叶海)えっ?

♬~

僕だよ。 叶海さん。

あのときの…。

《大丈夫ですか?》

どうして こんなことを?
(三上)君と出会った あの日

僕の脳内では 壮大で

崇高なメロディーが 流れていた。
♬(『トッカータとフーガ』)

そして 今も鳴り響いている。

(三上)このメロディーが
始まった あの日

どんな行動をとればいいか
焦っているときに

あいつに ぶつかって…。

死が迫り
絶望した そのとき…。

≪(叶海)《やめてください!》

♬~

《警察を呼びますよ》

♬~

(三上)
痛みが消えた瞬間 分かった。

この女神を崇拝することが

メロディーが示している
行動なんだと。

(佐久間)《非常に残念ですが

あなたは 脳内メロディ症候群を
発症したようです》

♬~

まさに運命だ。

叶海さんも
僕と同じ病気だったなんて。

♬『スネ夫のテーマ』

♬(スリラー系の音楽)
(進藤)じゃあ あなたが…。

♬(『スネ夫のテーマ』)
(叶海)3人目。

♬『トッカータとフーガ』

(三上)
君を思って行動しているとき

僕は痛みから解放される。

♬~

邪魔者を消して
女神を手に入れれば

この音楽も鳴りやむに違いない。

♬(スリラー系の音楽)

♬(『スネ夫のテーマ』)
(叶海)待って!

メロディーに引きずられて
犯罪まで犯すなんて バカげてる!

♬(『トッカータとフーガ』)
(三上)僕も 最初は

ただ 音楽を止めたくて

メロディーに沿った行動を
してるだけだった。

でも いつからか 感情まで
同調するようになって…。

(笑い声)

もう 自分の意志かどうかも
分からない。

♬(『スネ夫のテーマ』)
(三上)フフフ…。

♬(『トッカータとフーガ』)
(三上)フフフ…。

♬(『スネ夫のテーマ』)
(叶海)《どうしよう》

《いまいち 深刻さが…》

《いやいやいや
これは冗談じゃないのよ》

♬(スリラー系の音楽)
(進藤)ひっ…。 やっ やめてくれ!

♬(『トッカータとフーガ』)
(三上)女神にふさわしいのは僕だ。

♬(『スネ夫のテーマ』)
(叶海)充を離して!

(叶海)《気が散る!》

あっ…。

♬~

(叶海)《充を助けなきゃ》

《でも
メロディーに従わないと 私も…》

♬~

♬(スリラー系の音楽)
(進藤)許して。 死にたくない。

♬(『スネ夫のテーマ』)
(叶海)こんな雑音に

支配されるのは もう嫌。

♬~

私の行動は 私が決める!

うっ!

(進藤)叶海… 叶海!

何か 鳴ってたんじゃ?

いいの。 充を失うくらいなら…。

♬『アメージング・グレース』

あれ?

メロディーが変わってる。

助かったんだ…。

♬~

♬~

(進藤)ごめん 叶海。

俺の頭の中で まだ メロディーがさ…。
♬(スリラー系の音楽)

♬(『アメージング・グレース』)
(叶海)どうして?

♬(スリラー系の音楽)
(進藤の笑い声)

だって 俺

こんな変な病気なんかで
死にたくないし…。

♬『アメージング・グレース』

♬(スリラー系の音楽)
(進藤)生きる努力を

諦めたくないんだよ!

♬『アメージング・グレース』

♬~

嘘…。

♬~

(救急隊員)息を吹き返しました。
(救急隊員)はい。

(叶海)《生きてる。 何で?》

(叶海)《もしかして

刺されて死にゆく状況が
曲調に合ってたから

むしろ 助かった?》
(進藤)俺は悪くない!

メロディーのせいだ!
(警察官)何 意味不明なこと

言ってんだ! 刺したの お前だろ!
(進藤)だから…。

大丈夫。 もう安心ですよ。

♬『ガラモン・ソング』

この曲って… どう行動すれば?

(救急隊員)
あっ 動かないでください。

(警察官)こら! おとなしくしろ!

(進藤)この曲…。

♬~

同じメロディーか?

まさか 佐久間先生が言ってた…。

《それを聞いたら 最後…》

全てが終わる…?

♬~

やだ やだ やだ…!

嫌~!

♬~

19世紀 情報伝達手段に

大きな変革がありました。
☎(呼び出し音)

(男)あっ ばあちゃん? 俺 俺。

ああ マサシかい?
どうしたの? 急に。

声を電気信号に変換する電話の
登場によって

離れた相手と 初めて

音声による会話が
できるようになったのです。

しかし 電話でのやりとりは

見えない相手の姿を
想像するしかありません。

(男)だから
すぐに 300万 用意しないと

大変なことになっちゃうんだ。

電話の向こうに

想像と まったく違った現実が
待ち受けていたとしても…。

分かった。 いいよ。
すぐ おいで。

直面するまでは
分からないのです。

(望)《私は よくナンパされる》

お姉さん お姉さん。
うわ カワイイ。 世界一カワイイ。

今 仕事終わり? 俺も俺も。
(望)《私に隙があるのか?》

《あるいは
最寄り駅から繁華街を抜け

自宅まで徒歩15分という
道のりが

声を掛けやすい環境を
つくっているのかもしれない》

(ナンパ男)広告系? 俺も広告系。
うわ~! 俺ら 気 合う~!

てことで 飲みに行かねえ?
ウェ~イ!

(望)《「ウェ~イ!」とか言う男に
誰が ついていくか》

(ナンパ男)ウェ~イ!

(望)
《今日のナンパ しつこっ!》

《道を真っすぐ歩けないのも
ストレスなのに

たとえ ナンパ野郎でも
断るという行為は

さらにストレスなわけで》

《そんなときに編み出した方法が
これだ》

あっ 電話? OK。

あっ パパ? どうしたの?
もうすぐ帰るよ。

(望)《必殺 電話してるふり》

《いつも
相手はパパに設定している》

えっ 迎え?

あ~ どうしよっかな~。

(望)《男は パパとかに
あまり関わりたくない

生き物でしょ?》

《さっ いいかげん これで諦め…》
(ナンパ男)それ

ホントに電話してる?

(望)《何? こいつ》

《今まで このパパテレホンで
撃退できない ナンパは

いなかったのに》

《てか 普通
そんな確認してくる?》

でも まあ 駅前なんだよね。

ねえ 電話してないっしょ?

うるさいな。
どっか 行ってください。

ほらね。 思ったとおりだ。
わっ カワイイ。

取りあえずさ
その電話するふり やめな。

何なんですか?
電話してますって。

えっ? じゃあ 代わってよ。

何で
知らない人に代わらなきゃ…。

(ナンパ男)あっ。
(望)えっ?

(ナンパ男)
もしも~し パパさんですか?

(望)《バレた…。 もう最悪》

(ナンパ男)えっ? あっ… はい。

ごめんなさい。

あ~… そうなんですか。

あっ はい。 分かりました。

まだ 何もしてないです。

しないです。

(望)《えっ? どういうこと?》

《あんた 誰と電話してるの?》

(ナンパ男)じゃあ 代わります。

申し訳ありませんでした。

(望)《やっぱ
つながってないじゃん》

《えっ 何なの?
新しいナンパの手口?》

(望)ちょっと待って!

(ナンパ男)何?
もう諦めたから大丈夫だって。

(望)そうじゃなくて。
今 誰と話してたの?

(ナンパ男)えっ? パパさんだろ?

「娘に 何か あったら
ただじゃおかん」って

すげえ怒られたわ。

あとさ… 警察官なんだって?

そういうこと 早く言ってよ。

じゃ。

(望)《何で?》

《だって
電話してなかったんだから》

《だって
電話したふりだったんだから》

《だって…》

《パパは
この世に いないんだから》

(呼び出し音)

≪(ドアの開く音)
(望の母)おかえり。

おかえり。

ただいま。

何か あった?
(望)何でもない。

(望の母)お父さんのコーヒー
下げちゃってくれる?

は~い。

(望)《確かに 私のパパは警察官…
だった》

《私が11歳のときに
殉職してしまったけど》

《でも さっき会ったばかりの
ナンパ男が

そんなこと 知るはずないし》

まさか
ホントに パパとつながってた?

(望)《普通は怖いのかな?
こういうことが起こると》

《でも 私は うれしい》

《パパは 今も
私を見守ってくれてるのだと

実感できたから》

《反抗期の前に この世から
いなくなっちゃった パパは

私にとって 今でも
優しくて 頼りがいのある

最高のパパのままだったから》

《ずっと パパは
大好きなパパだったから》

次は 私とも話してよね。

なんて こんな奇跡
二度と起きるわけないか。

(望)《しかし その日以降 奇跡は
めちゃくちゃ安易に頻発する》

友達と飲んでんだけど
ちょっと代わるね。

(女性)えっ?

あっ 初めまして。

アハ…。 いえ ご心配なく。

娘さんは送り届けますんで。
(望の せき)

貸して!
(女性)えっ?

パパ? もしもし パパ?

(女性)何よ~?
自分が話せって言ったくせに。

(望)ちょっと 電話するね。
(女性)うん。

(望)《数人に試した結果

私は
パパが現れる法則を発見した》

もしもし パパ?

(望)《1 私が
パパに電話をしてるふりをする》

(望)んっ。
(女性)えっ?

(望)んっ。
(男性)はっ?

父なんですけど。
(望)《2

私が
私以外の誰かに 電話を代わる》

《これだけだ》
(女性)望さんとは

いろんな お店に…。
(男性)おにぎり 食べてました。

(男性)競馬を ちょっと…。
(女性)はい。 元気です。

(望)《これで いつでも
パパと話せるようになった》

(男性)とっても
お世話になっておりまして…。

あそこのカレーは絶品です。

(望)《私以外は》

勝っても うまい。
負けても うまい。

何で 私とだけ話せないの?

全然 知らない おじさんとは
話すくせに。

ちょっと 電話するね。

(望)《だから 何か
パパに伝えたいことがあると

電話をしてるふりをして…》

もしもし パパ?

(望)《パパが死んだことを
知らない 友達なんかに

代わって
少し 話をしてもらう》

(望)もしもし…。

あっ…。 パパ ありがとね。

じゃあ
また 何かあったら 電話するね。

(望)《お決まりのせりふを言って
電話を切るふりをするまでが

定例行事になっていた》

(望)《パパと
間接的に つながってから

3年の月日が たった》

(望)はい どうぞ~。
(望の母)ありがと。

あ~ もう9時だ~。

ホントに
あした 結婚しちゃうのね。

フッ。 何? いまさら しみじみ。

パパが 今 ここにいたら
何て言ったかしらね。

ママさ…

パパと話したい… よね?

えっ?
(望)実は 私

3年前から
パパと 電話でつながってるの。

どういうこと?

もしもし パパ? 今 大丈夫?

あっ…。
(望)ちょっとさ

久しぶりに ママに代わるよ。

いい?

(望の母)あっ…。

もしもし?

あっ…。

もしもし…?

あなたなの?

ホントに… パパなの?

あっ…。

当たり前じゃない。

あなたの声
忘れるわけないでしょ。

うん。

(望の母)うん。

(望の母)
うん。 じゃあ もうそろそろ…。

(望)《いいよ ママ。
そのまま切っていい》

ちょっと待ってて。

(望)《もしかしたら今回こそはと
期待し続けた 3年間》

《私だけ》

《私だけ いつも
電話を切るふりをするのは

正直 つらかったから》

《もう大丈夫。 そのまま切って》

望に代わるね。

パパ ありがとね。

じゃあ
また 何かあったら 電話するね。

(望の父)結婚 おめでとう。

今まで さみしい思いさせて
ホントに ごめんな。

ママには言ったんだけど

今日で
最後の電話になると思う。

パパも そろそろ
行かなきゃならなくてな。

でもな
お前が幸せに過ごせるよう

パパは ずっと見てるから。

しかし 立派になったな。

本当に立派になった。

フッ…。

泣き虫は
まだ 健在みたいだけどな。

♬~

でも
パパは もう 安心して行ける。

結婚 おめでとう。

あっ これ さっき言ったか。
ハハハ…。

幸せになるんだぞ。

愛してる。

お前は パパの誇りだ。

じゃあな。
(望)パパ!

♬~

♬~

いかがでしたか?

あなたには
どんな世界が見えたでしょうか?

もしかすると
あなたが 今夜 見たものは

他の人が見たものと
まったく異なる

物語だったかもしれません。

それでは 私は これで。

♬~

♬~

現実だと思っていた世界が
実は 現実ではなかったら

あなたは どうしますか?

安心しました。

私こそが
正真正銘 私自身のようです。

≪(ドアの開く音)
んっ?

誰か来たようですね。
(ドアの閉まる音)

もしかして あなたも?

おや?
助けようと思ったんですが。

あなたには どう見えました?

それでは また お会いしましょう。