【BS時代劇】善人長屋(7)「夜叉坊主」[解][字] …のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【BS時代劇】善人長屋(7)「夜叉坊主」[解][字]

加助はある日、死んだはずの妻・お多津に似た女を見かけ、翌日から毎日探し回り始める。お縫たち長屋の面々はやがて、お多津が悪党一味とつながっていることを知るが…。

詳細情報
番組内容
加助(溝端淳平)はある日、火事で死んだはずの妻・お多津(小林涼子)に似た女の姿を見かける。その翌日から加助は、ほとんど寝ないで来る日も来る日もお多津を探し始めた。一方、お縫(中田青渚)や儀右衛門(吉田鋼太郎)たち長屋の面々はやがて、お多津は坊主の姿をした残虐非道な悪党・夜叉坊主の代之吉(勝村政信)とつながっており、今は野州屋という大店に奉公していると知るが、加助にはそのことを伝えられずにいた。
出演者
【出演】中田青渚,溝端淳平,高島礼子,吉田鋼太郎,上地雄輔,徳井優,美保純,山田純大,山崎樹範,溝口琢矢,蕨野友也,小林涼子,勝村政信,陣内孝則,柳沢慎吾
原作・脚本
【原作】西條奈加,【脚本】森下直
音楽
【音楽】住友紀人

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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キーワード出現数ベスト20

  1. 加助
  2. 野州屋
  3. お多津さん
  4. お多津
  5. 夜叉坊主
  6. 江戸
  7. 多津
  8. 悪党
  9. 年前
  10. 文吉
  11. 七天
  12. 旦那
  13. 天龍
  14. 夜叉
  15. 八幡様
  16. 儀右衛門
  17. 師匠
  18. 祐念寺
  19. お縫
  20. 間違

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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(雷鳴)

(捕り方)七天の甚兵衛と その一味

神妙に縛につけ!

(喚声)

わあ~!
やあ~っ!

あっ! ああっ!
うっ!

やあっ!
お頭~!

はあ~っ!

うわ~っ!
(捕り方)ひっ捕らえろ!

♬~

いらっしゃい いらっしゃい!
さあ~ いらっしゃい~!

(文吉)結構な人出だな。
江戸は暇人ばかりかい。

与太 飛ばさないの 文さん。

あれ 加助さんは?
えっ?

加助さ~ん!
あっ。

おい おい お縫坊。

もう~ そんなとこに立ってたら
はた迷惑よ 加助さん。

3年前 お多津と めおとになって
初めて来た酉の市が

この八幡様だったんだ。

ここに?

お縫さんには 話したことがあったよな。

去年 赤坂の大火事で
俺ぁ お多津と おたまを亡くしちまった。

おたまって 娘さんの?
ああ。

後追いしようと さまよううち
また ここに…。

鳥居の向こうに めっぽう高い

真っ青な 突き抜けた空が見えてさ。

ヘ… ヘヘ…。

生きててよかった。

今年は お縫さん 文吉さんと一緒に
酉の市だ。

八幡様 ありがとうございやした!

♬~

お多津…。

お多津!

俺だ! お前の亭主の加助だよ~!

文さん!

お多津! お多津~!

<世間様から
善人長屋と呼ばれちゃいますが

うちの店子は そろいもそろって

裏稼業持ちの悪党ばかり>

<差配の一家は
盗品を売りさばく系図買い屋>

<そんな悪党どもが
一人の善人に
かき回されて

人助けを
するはめになる

不思議な物語でございます>

文さん?
あっ!

お多津は!?

悪い 見失っちまった。

文さん 大丈夫?
手当てするから 後で うちに来て。

加助さん。

錠前の注文が たまってるんで
明日 もう一度 八幡様に行ってみるよ。

♬~

もうちっとで追いつきそうで
「お多津さん」と呼んだらよ

その女は 足を速めた。

その足運びが どうにも
堅気じゃない気がしたんだ。

堅気じゃないって…?

人をまくのを心得てる感じだ。

そこで 俺も気配を消して
こっそりと つけてみた。

そしたら…

浅草まで来た時だ。

(文吉)ごめんよ。
痛えな にいさん。

おらっ!

(文吉)いきなりで避けようがなかった。

間違えねえ。
そいつらは女と関わりがある。

(文吉)俺は 女の方を諦めて
やつらの方を追ってみた。

(文吉)すると 浅草南の
祐念寺って小さな寺に入っていったよ。

祐念寺…。

私 その祐念寺って寺 探ってみる。

およし。
おっ母さん。

きっと 他人の空似だ。
お父っつぁん!?

お多津と呼ばれて 女は逃げた。

加助さんに会えない
会いたくない事情がある。

つけてただけの文吉さんを
いきなり殴る蹴るってのも

荒っぽすぎる。 手慣れ過ぎてる。
けど…。

この世には 知らなくていいことが
たくさんある。

もし 大火事よりも
もっと つらい何かが出てきたら

善人の加助さんを
今より もっと苦しめることになる。

およし。

じゃあ 俺は 殴られ損の蹴られ損かよ。

バカ野郎。
命があっただけ ありがてえと思え。

さてと。
畜生…。

♬~

<次の日から 加助さんは

朝早くから 毎日毎日
お多津さんを探し始めた>

<お多津さんの消息は
もちろんだろうけど

一人娘の おたまちゃんの生き死にが
どうしても知りたいんだと思う。

おたまちゃんは 生きていれば 今3つ>

(庄治)あの野郎…。
(安太郎)こりゃこりゃ ヘッ。

<毎日毎日 八幡様から赤坂へ
行方を尋ねて さまよい歩き

夜は夜なべで仕事を続けた>

<私は 何度か加助さんに言った。

こんなこと続けてちゃ 体を壊すと>

<生きてる望みが出てきたんだから
へっちゃらだと加助さんは答えた>

(菊松)加助さん また痩せちまったな。
はあ… どうしたもんかね…。

<毎日毎日 望みをつないで
毎日毎日 見つからなくて…>

おっさん…。

<でも やっぱり探すのが人の心だと
加助さんは言った>

(半造)今日も外れか…。

(鶏の鳴き声)

手がかりは祐念寺だ。

どうやって探る?
文さん…。

江戸っ子が
これ以上 見てられると思うかい?

文さん!
わ~! ちょ ちょ… やめろ! 離せ!

けど 文吉さんは
連中に顔を見られてるだろう。

何の話ですかい? おかみさん。

こんな手は どうかい?

なるほど! そいつぁ いい手だ!

ありがとう おっ母さん! やるわ。

儀右衛門の旦那には ないしょだよ。

お竹おばさん?
今の手は お竹さんの策なんだよ。

あっ… いいの!?

(お竹)子供が生きてんなら
会わせてやりたいじゃないか。

お竹おばさん!

大丈夫 私がついてるよ。

お竹さん お縫を頼むね。

なるほどねえ。
男は理屈で動くが 女は情で動く。

こいつぁ 儀右衛門の旦那も
あ お手上げだよお。

(笑い声)

そうですか。
そんな遠方から わざわざ

行方知れずの息子さんを訪ねて
この祐念寺に…?

んだんだ。 村のもんがよ

浅草の祐念寺たら お寺でよお
せがれを見だと

おらに教えてくれだもんで

娘っ子さ連れて やっとの思いで。

どうか せがれに会わせてくんつぇ。

顔さ見だら 兄ちゃかどうが分かっぺ。

会わせてくんつぇ。

はあ… 少々 お待ちを。

お縫坊 なかなかの なまりだっぺ。

お竹おばあに 仕込まれちゃからなあ。

こんで 中の連中の顔さ
まるっと確かめられっぺ。

文さんを殴っだやつらの人相はと…。

お待ち遠…。

こん人じゃね!
兄ちゃは もっど いい男だぁ!

は?
(お竹)んだんだ。

もっと 人がいんなら
連れてきてくんつぇ。

と おっしゃいましても
今 お勤めの最中でして。

駄目だってのか!?
せがれを どこさ隠した!

丑松~! おっ… おい!
ちょっと!

ちょっと…!
触んでねえ こら!

お寺のくせによ お慈悲はねえのか?

この寺は 妙な寺だ! 丑松~!
兄ちゃ~!

どうしました
そのような 大きなお声で。

おめえ 誰だ?

拙寺の住職 覚雲でございます。

拙寺には あと2人 寺男がおりますゆえ
今 お改めを。

ご住職のほかに 坊さんがいるなら
連れてきてくんつぇ。

もしかしたら
坊主になってるかもしれねえべ。

承知しました。

皆を連れてきなさい。
はい。

[ 心の声 ] 私の勘が働かない。

悪人のにおいが まるでしない。

[ 心の声 ]
文さんを殴った連中の人相と似てる。

拙寺におるのは これで全てでございます。

ほんじゃ。

おっ母!

おら はばかりに行きてえ。

何だ おめえ こんな大事な時に!

腹が痛えんだ。
きっど あの弁当が…。

(2人)はっ!
イテテテテ…。

御不浄は その庭を下りた先です。 どうぞ。

すまねえすぅ!

あ… ああ… イテテテテ… あっ あっ!

(嘲笑)

これ!

こんにちは。

こんにちは。 お名は 何て言うの?

おたま。
おたま!?

おたまって 娘さんの?
ああ。

おたまちゃん 今 いくつ?

みっちゅ。

おっ母さんは どこ?

やちゅやの くら。

やちゅ?

ハハハッ かわいい子だっぺな~!
坊さんの子け?

この子は お浜と申しましてな。

母親が奉公に出ている間
拙僧が預かっておりますのじゃ。

さあ おいで お浜。
おやつをあげよう。

お浜じゃないよ! おたまだよ!

[ 心の声 ]
私の勘が 一気に騒いだ。

ものすごく 血生臭いにおいだ。

一人で寂しかったな。

お浜。

ハハハハ…。

八幡様で見た女の人は
お多津さんで間違いないと思う。

おたまちゃんも 祐念寺にいた。

そうかい。
おたまちゃん 生きてたのかい。

だけど あれじゃ人質だわ。

お多津さんは
おたまちゃんを人質に取られて

よくないことを させられてるのかも。

坊主の2人は 文さんから聞いた
男たちの人相に そっくりでしたよ。

寺男らも 坊主らも
ありゃ 嘘つきの人相だ。

騙りの私が言うんだから 間違いない。

中でも 住職の覚雲よ。

最初は上手に隠してたけど

最後の最後に
ものすごい血のにおいが 体からしたの。

思い出しても… 震えが来る。

お竹さん その寺 しめて何人いた?

覚雲を筆頭に… 7人だね。

7人…。
で 覚雲は どんな面だった?

年は 儀右衛門の旦那より ちょっと下だ。

見た目は お釈迦様みたいな面で

目の近くに 2つ ほくろがあったね。

旦那… その坊主には
決して 手ぇ出しちゃならねえ。

そいつは 元は本当に坊主だ。

修行中に博打に狂って破門され
七天の頭に拾われて…。

もう30年ほど前の話でやすが。

七天の頭に。

お父っつぁん 知ってるの?

ああ。 いや 七天のお名だけはな。

七天の頭といや

そのころ 江戸の裏を意のままにする
大盗賊だった。

ああ 大勢の手下を束ね
狙うは あくどい大店ばかり。

そりゃ 見事な手際で
一滴の血も流さなかった。

そういえば 一度 七天一家の盗品を
さばかせてもらったことがあったが

その時 会った若衆も
気持ちのいい男だったが…。

それで その坊主崩れは?

そいつは 七天一家でも 博打のいざこざで
兄貴分の足を折りやがって

それで
頭から きつい仕置きを受けたんで。

それを逆恨みして 頭たちを…

火盗改に売りやがった。

七天の頭と手下たちは 一網打尽
さらし首だ。

やがて その野郎は街道筋に逃げた。

そこで 荒っぽい連中を引き入れて
自分の一家を構え

押し込み殺しのやり放題。

あまりに むごいやり口から
ついた通り名は

夜叉坊主の代之吉。

やあ~!

夜叉…。

その夜叉が 江戸に舞い戻ってきた…?

ただ ここ3年ほどは
噂が絶えておりやして。

まあ あっしは てっきり
野たれ死んだと思っていたんだが…。

旦那 その夜叉坊主だけは いけねえ。

下手に構えりゃ
長屋の連中 皆殺しだ。

だからって!
いくら相手が夜叉だからって

3つの子を人質に取られて
見て見ぬふりなんてできない。

お縫坊 聞き分けな。
嫌よ! ここで見捨てたら悪党よ!

お縫 そもそも 俺たちは悪党だ。

違うわ お父っつぁん。

ここで見捨てたら 悪党にもなれない。

卑怯者よ!

≪(足音)

旦那 俺たちゃ 確かに悪党だが

卑怯者じゃありやせんぜ。

子細は文吉から聞きやした。

あ~ 加助の野郎のおせっかいは
迷惑この上ねえが

そのおかげで あっしは恩人に

恩を少しだけ返すことができやした。
安太郎さん!

(新九郎)俺は 特に加助に借りはないがな。

俺は加助の人となりが好きだ。
新九郎様!

(菊松)その上に 3つの子が人質なら

相手が夜叉でも閻魔でも
お竹は やる女だ。

女房がやるのに 亭主の俺が
やらねえってわけにゃいきやせん。

菊松っつぁん!
(唐吉)旦那。

弟が 仕返しすると いきまいて
毎日うるせえの何の。

俺は こいつの兄貴でやす。

売られたけんかの片棒を
やっぱり担ぐことにいたしやした。

買っちゃしめえだ 唐吉!
唐さん!

俺ぁ 正直 どっちでもいいんだが。
よく言った 庄治さん!

けど みんなが一肌脱ぐってのに

一人だけ
厚着を決め込むわけにゃいかねえ。

江戸っ子だからね。
ありがとう 庄おじさん!

(儀右衛門)ハハハハハハハハ。
アハハハハハハハ。

お前さん 気をしっかり持って。
ハハハハハハハッ!

加助さんの おせっかい病が
悪党どもに うつっちまったか?

フッ 信じられねえな。

半造さん あんた どうする?

えっ… いや あの… だから…

だから あっしは 最初から

加助みたいな善人を
長屋に入れるのは不承知だったんだよ!

半造おじさん。

どうやら 俺の短え人生だったよ…。

あばよ…。

旦那 やらせていただきやす。

よし。 じゃあ まず

夜叉坊主が狙うお店を探るぜ。

(一同)へい!
承知。

♬~

(鳥の鳴き声)

(鐘の音)

安太郎さん。

気配 消しなよ 唐吉っつぁん。
へい。

♬~

畜生! まかれた!

♬~

なるほど。
玄人の手際だな。

こっちも玄人よ 新様。

赤坂…。

♬~

(お多津)ただいま戻りました。
遅くなっちまって すみません。

夜叉坊主の代之吉が狙いをつけた
お店にしちゃ

ちいと小さくねえかい? 庄さん。

ヘヘヘ そう思うかい? 菊松さん。

夜叉の野郎
とんでもねえ店に目ぇつけやがったなあ。

奉公先は日本橋大伝馬町の
太物問屋 野州屋。

お多津さんは そのお店で
お滝と名乗り

1年前から
住み込みで女中をしていやしたよ。

1年前っていうと 赤坂の?

大火事があった すぐあとだ。

野州屋の主は 名を喜八朗。

若い頃に おかみさんを亡くし
子はいねえが 欲もねえ

ひたすら まっとうな商いをしていると
評判の高え男でね。

これが 昨日 入りました

上質の伊勢木綿でございます。

(菊松)結構な繁盛ぶりだが

夜叉坊主が3年ぶりに
仕事をしようってお店にしちゃ

どうにも小さすぎる気が…。

会津縞がございます。

さあさあ いいかげんに話してくれな
庄さんよ。

騙りの菊松さんが知らねえのも
無理はねえ。

野州屋は… いや 野州屋の蔵は

俺たち 盗人にとっちゃ
お城の御金蔵より値打ちがある。

御金蔵とは また大きく出たな。

何十万両も小判があるってのかい?

ヘヘッ まさかだぜ 文吉。

じらすなよ 庄治さん。

5年ほど前だ。

腕自慢の錠前破りの盗人が
野州屋に忍び込んだと思いねえ。

(庄治)
ところがだ 蔵にかかっていたのはよ

見たこともねえ からくり錠だった。

どうやっても 歯が立たず
盗人は すごすご退散した。

からくり錠とは面白えと
盗人仲間で評判になった。

こいつを破りゃ 名があがる。

腕に覚えのある盗人が
我も我もと押しかけたが

結局 どいつもこいつも開けられず

ありゃ お城の御金蔵より難しいぜと
評判が評判を呼んだ。

そんな顔しなさんな。

何でも その からくり錠はよ
18ほども手順を踏まねえと開かねえ代物。

もし こいつを開けられたら

そいつこそが
江戸一番の大泥棒だってな! ヘヘヘッ!

野州屋さんも とんだ災難ね。

全くだ。

だが 1年もしねえうちに
俺たちの野州屋詣では収まった。

誰が開けたんだい? 庄治さんかい?

いやいや 俺なんぞは… ヘヘヘヘヘッ!

またまた 噂が広まったのよ。

野州屋の蔵を開けると

祟りがあるぞ。

ハッ 祟り?

神社や寺なら まだしもだ。

小せえ太物問屋の蔵で
祟りなんて バカみてえだろ?

けど この噂の出どころが

天龍の頭なら 従わねえわけにはいかねえ。

天龍の頭が?
誰? それ。

前に話したろう。 昔 江戸の裏を
意のままになさっていた七天の頭…。

その再来といわれる大盗賊が…。

(儀右衛門)天龍の頭よ。

今や その手下は
30とも50ともいわれてる。

七天の頭と同じ
血を流さねえ きれいな仕事が流儀だ。

天龍の頭が
裏渡世で頭角を現してから こっち

江戸じゃ 汚え押し込みや殺しが
すっかり減ったって

まあ 専らの噂だ。

へえ~ 天龍のお頭…。

けど お頭ほどのお方が
祟りに恐れるなんて 不思議だね。

まあ 祟りは 頭のシャレでやしょう。

けど 野州屋の蔵には決して手を出すなと
手下たちを戒めたのは本当の話で。

ふ~ん… シャレ好きなのね。

野州屋の蔵…。

やちゅやの くら。

あ~… 夜叉の腹が読めたぜ。

街道筋から江戸へ舞い戻った夜叉坊主が
3年も身を潜めていたのは

天龍の頭が にらみを利かせていたからだ。

押し込み殺しが専らの夜叉坊主が
江戸を荒らせば

天龍のお頭は黙っちゃいない。

その上 七天のお頭を売った裏切り者だ。

見つけりゃ 八つ裂きは間違いないね。

八方塞がりになった夜叉坊主が
目をつけたのが

天龍の頭が戒めなすった野州屋の蔵。

なるほど!
夜叉坊主が からくり錠を開けりゃ

天龍の頭の顔を潰せやす。

天龍一家の力が弱まれば

押し込み 殺しもし放題って魂胆か。
そのために野州屋の…。

野州屋のお多津さん

いや 今は お滝さんと名乗ってる
奉公人に目をつけた。

(安太郎)子供を人質に
からくり錠の鍵を探させる腹か。

汚え野郎だ。
からくり錠の鍵だけじゃない。

夜叉坊主は お多津さんに
押し込みの手引き役

引き込みも やらせる気だね。

押し込み一本のやつらだ。
一挙両得と ほくそ笑んでやがるだろうぜ。

そうなりゃ 野州屋は皆殺しだな。

旦那 こいつは何としても
阻まなきゃなりませんぜ。

そうだ!
汚えやつらだ!

お… お縫?

あ… ううん 何でもない。

お縫坊?

若い娘には 血生臭い話が過ぎたのかもな。

[ 心の声 ] 夜叉坊主の代之吉が
江戸に舞い戻ったのは3年前。

3年前 お多津と めおとになって
初めて来た酉の市が

この八幡様だったんだ。

足元 気ぃ付けてな。
大丈夫。

熊手 買えてよかったね。
いや~ こりゃ いいやつだよ…。

♬~

お多津! あっ すいやせん…。

加助さん。

あっ お縫さん。
どうしたんだい? こんな朝早くに。

あの 今更だけど…

加助さんと お多津さんが
めおとになったのは

3年前で間違いない?

ああ 3年前だ。 間違いねえ。

お多津さんと どうやって知り合ったの?

見合いだよ。
町内のご隠居が

いい人がいるからと言って
連れてきてくれたんだ。

俺ぁ お多津に 一目でほれて
お多津も 俺をよく思ってくれて

とんとん拍子で祝言に。

何でだい? そんなこと聞くなんて。

お多津さんに… 身内は?

親も きょうだいもいない。

だから 大火事のあと
捜すツテがなかったんだ。

でも… でもさ…
やっと手がかりが見つかった。

八幡様のおかげだよ。

ありがとうございました!

加助さんは…
日本橋の野州屋さんって知ってる?

やしゅうや?
太物問屋の。

そこの蔵の からくり錠が有名らしいの。

ああ 知ってるよ。

野州屋さんの蔵の錠は
うちの師匠が最後に作った からくり錠だ。

その からくり錠を 開けられるのは…。

師匠だけさ。

あ いや でも 4年前に
師匠が中風で倒れてからは いねえな。

兄弟子たちでも無理だろう。

何せ 18の手順を踏まなきゃ開かねえと
師匠に聞いたことがある。

でも お縫さん
何だって そんなことを聞く…。

あと一つだけ!

加助さんなら そのからくり錠…
開けられる?

俺かい? う~ん…。

無理よね。 そんなの きっと無理。

俺は師匠の最後の弟子だ。
師匠の癖は分かってる。

やってみなきゃ分からねえが

多分 開けられるよ。

[ 心の声 ] 全て つながってしまった…。

どうしたんだい? 顔が真っ青だ。

ごめん… また後で。

♬~

(3人)羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
菩提薩婆訶 般若心経。

≪お頭!
(鐘の音)

お頭!

お多津を見張るように おっしゃったのが
ドンピシャリだ。

あのアマ
赤坂の大火事で焼け死んだはずの亭主と

こっそり会っていやしたぜ。

はて。

錠前屋のご亭主と会っていたとな?

へい! ついさっきだ!

そうかい
錠前屋の加助は やっぱり生きてたかい。

夜叉坊主の代之吉をだますと
どうなるか

お多津には 思い知らせなきゃなるめえな。

(3人)へい。

野州屋のからくり錠は
加助さんの師匠が作った!?

じゃあ
加助さんなら開けられるってのか?

ええ 多分!

だから 夜叉坊主の代之吉が
加助さんに目をつけたの。

江戸に舞い戻ったのが3年前。

加助さんと お多津さんが
夫婦になったのも3年前。

夜叉坊主の代之吉が
2人を夫婦にしたのよ!

お多津さんを使って
加助さんを一味に引き入れようとしたの。

じゃあ お多津さんは
はなから夜叉の一味…?

まさか… そんなバカな…!

私だって そんなこと思いたくない。

でも そう考えると つじつまが合うの。

お多津さんは 加助さんを引き入れようと
頃合いを見てた。

でも 加助さんは
あのとおり善人でしょう?

なかなか 事が運ばないうちに
おたまちゃんが生まれて

赤坂が大火事になって ちりぢりになった。

多分 お多津さんは
自分から姿を消したの。

善人の加助さんを助けるために。

お多津さんは 加助さんが焼け死んだと
夜叉坊主をだました。

それで夜叉坊主は お多津さんを
今度は野州屋さんに送り込んだの。

おたまちゃんを人質に取って
名を お滝と変えさせて。

だから 八幡様の酉の市で
加助さんに会った時

お多津さんは逃げたの。

加助さんを巻き込みたくなかったから。

だから… いくら夜叉の一味でも

お多津さんには
加助さんを思う気持ちがある!

きっと ある! 今も!
慌てるな お縫。

思う気持ちがあるかどうか
そこまでは まだ分からねえ。

そうなの。

はあ~…。 だから… よかった。

お父っつぁんに話したら
私 気持ちが固まったわ。

固まった?

私 お多津さんが どうしたいのか

野州屋さんに会いに行って
真意を確かめて…。

バカ! 相手は夜叉の一味だぞ!

うかつに近づいちゃ危ねえ!

それに お前の言うように

お多津さんに 加助さんを思う気持ちが
残っていたところで

もう どうなるもんでもねえ。

いや もし 思いがなけりゃ
お前みたいな娘っ子の口を封じるのは

赤子の手をひねるよりも
簡単なことなんだぞ!

ひねるなら ひねれってのよ。
お縫!

加助さんと お多津さん おたまちゃんが
もう一度 一緒に暮らせるなら

これが最後の機会なら

もし それが かなうなら…

かなう方に 私 この命 張ってみる!

お縫!
お前… 度胸がいいのも大概にしろ!

いいきっぷだねえ。
我が子ながら ほれぼれするよ。

お俊! やばい 聞いてたのかよ
何とか言ってやってくれよ!

私も一緒に行くよ。
(儀右衛門)えっ!?

支度しな。
はい!

(儀右衛門)お俊! おい お俊! お俊!

お縫? お縫! お縫! お縫~!

(半鐘の音)

お多津! おたま!

お多津~! おたま~!

お多津~! おたま~!

他人の空似…。

あの~ 錠前屋の加助さんで
いらっしゃいますか?

へい 加助でやすが。

お多津さんから 言づてがございます。

お多津から!
やっぱり 生きていたんでやすね!

お多津は何て? 今どこに!? おたまは!?

うっ!

今 連れてってやるぜ。

♬~

からくり錠のために めおとになった。

野州屋さんから 悪党のにおいがしたの。

まだ 裏に 何枚かありそうだね。

親子3人 血祭りだ。

開けたら あんたは悪人になる。

俺は 錠前屋として開けなきゃならねえ。

皆の命 俺が預かった。

悪党の始末は 悪党がつける。