【土曜時代ドラマ】小吉の女房2 [新](1)「勝家、地主から追い立てをくらう」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜時代ドラマ】小吉の女房2 [新](1)「勝家、地主から追い立てをくらう」[解][字]

勝家の女房・お信(沢口靖子)と小吉(古田新太)は、自宅の地主である岡野家のトラブルに巻き込まれる。用人・丈助(マキタスポーツ)にだまされ金を使い込まれたのだ。

番組内容
貧乏旗本・勝家の女房・お信(沢口靖子)は、毎日お金の苦労をしながらも、無邪気な笑顔も絶やさない。夫は、勝小吉(古田新太)。生来の無鉄砲。ある日、お信と小吉は、自宅の地主である大身旗本・岡野家のトラブルに巻き込まれる。悪党の用人・丈助(マキタスポーツ)にだまされ金を使い込まれてしまい、当主の岡野孫一郎(中村靖日)と祖母・多賀(松原智恵子)は窮地に立たされる。小吉が丈助と対決するが一筋縄ではいかず…。
出演者
【出演】沢口靖子,古田新太,里見浩太朗,鈴木福,升毅,山本唯以,高橋和也,松原智恵子,マキタスポーツ,中村靖日,【語り】春風亭昇太
原作・脚本
【作】山本むつみ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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  17. 花井虎一
  18. 御番入
  19. 修行
  20. 小吉殿

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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<本所は 江戸の東の外れ。

小さな武家屋敷と町家が
こまこまと軒を連ねる町です>

家内円満 無病息災。

<勝家は 代々 徳川家に仕える
ご直参の家柄ですが…。

婿養子の小吉は
一度も お役目に就くことなく

既に隠居の身>

(おならの音)
よ~し。

今日もいい調子だ。 なあ 麟!

(麟太郎)はい 父上。

<家督を継いだ麟太郎も
今は無役の小普請組です。

勝 海舟と名乗り 国のかじ取りをするのは
まだ ず~っと先のお話>

≪(鈴の音)

何だ お順か。
へっ。

(鈴の音)
あれ?

(鈴の音)

わ おばば様…!

(鈴の音)

<勝家を取りしきってきた
おばば様が亡くなって

1年近くが過ぎましたが…>

あら ない。

これだけあれば まだまだ。

<小吉の女房 お信は
相変わらず 貧乏所帯をやりくり中>

♬~

うわっ 椀の底が透けて見える。

ごめんなさい。
ちょっと味噌が足りなくて。

ごちゃごちゃ言うな
味噌の香りがするだけ上等だよ。

はい。

(咀嚼音)

ん? この音…。

(咀嚼音)

似てる。

お信 俺ぁ 近頃 お順のやつが
おばば様に見える時があるんだが。

あら そんなに目が薄くなったのなら

めがねをあつらえた方が
よいのではありませんか?

いや そういう話じゃ…。
ん?

まあ いいや。

旦那様 今日は うちにいてくださいね。

おい 麟
その腕のあざは どうした?

昨日 稽古でやられました。

おめえは 剣術からっきしだな。

いえ 島田先生が強すぎるのです。

島田? ああ あの豊前中津の
虎之助とかいうやつかい。

虎? 強そうなお名前ですね。

虎のごとき剣豪です。

男谷道場に入門して 1年で師範免許皆伝。

今度 浅草・新堀に
道場を開かれるのですよ。

田舎の剣術使いだろ?

虎か猫か
立ち合ってみなきゃ分かんねえや。

そうだ 今日にでも道場行って…。
旦那様!

今日こそは 岡野のお多賀様の相談に
乗ってあげてください。

昨日も おとといも すっぽかして。

年寄りの愚痴は長えからなあ。

不出来な孫を
どうにかしてくれって言われても

俺は隠居だ。 力になれねえ。

麟 お前が当主だ なんとかしてやれ。

いえ 私のような若輩者には
とても務まりません。

いいから やれって。
いや 父上が…。

もう お願いだからさあ…。
いや 嫌です。

お前がや…。
2人とも!

地主のご隠居様がお困りだというのに

あんまり不人情じゃありませんか?

じゃあ お前に任せた。
では 母上にお任せします。

え… 私?

今朝は母上の負け。

もう~。

<勝家は 千五百石の旗本
岡野孫一郎の屋敷内に建っています。

大身の旗本屋敷は 無駄に敷地が広く

借地人を置いて
家賃を家計の足しにしていたのです>

≪行ってまいります。

(碩翁)やあ 行ってらっしゃい。

<一見 のんきなご隠居に見えるこの人物

実は ただ者ではないのですが…>

(銀次)いいんですかい?
やっかいごとを奥様に押しつけて。

相談に乗ったって
岡野の家は どうにもならねえよ。

先代の殿様が道楽者で
方々に借金をこしらえたと聞いてやすが

今の殿様もいけやせんか?

途方もねえボンクラよ。

親父譲りで酒に目がねえ。

とうとう勤めをしくじって
お役御免で小普請入りだ。

へえ~ 千五百石の御大身がねえ。

帳面づらの禄高はあっても
内証は火の車よ。

嫁の来手がねえと 隠居が嘆くから

知り合いの娘を世話したが
それでも 身性は改まらねえ。

おっと!

前向いて歩きなよ 虎一っつぁん。

(虎一)これは勝殿。 かたじけない。

はい。
かたじけない。

つい夢中になって粗相をいたしました。

よっぽど面白いことが書いてあるのかい?

ええ そりゃあもう。
ああ では お役目の途中ですので。

妙なもの読んでましたね。

文字が横にのたくって。

蘭書だよ。 オランダの書き物だ。

花井虎一といやあ
蘭学じゃ ちょっとしたもんらしいぜ。

蘭学ってえと お医者様ですかい?

いや あいつはお目付の使いっ走りだ。

学問だけが道楽の 途方もねえ堅物だ。

ふ~ん 旦那とは大違えだ…。

<この男 本所林町の住人で
名は 花井虎一。

幕臣ながら 僅か15俵一人扶持で
小吉に輪をかけた貧乏侍です>

勝様 いかがでございましょう?

どれもこれも 備前の数打ちもの。

二束三文だな。

これじゃ 商売になんねえな。

<刀剣の目利きと売り買いが
小吉の収入源です。

41俵二人扶持の勝家では
この副収入が頼みの綱でした>

ん~ ああ…。

そうだ 虎の面でも拝みに行くか。

(虎之助)うむ これでよし。

≪島田先生は うちかね?

島田は 私ですが。

やぼな看板だなあ 字が力み返ってら。

ご用件は?

俺は 勝の隠居だ。

せがれが世話になってんで挨拶に来た。

勝… では 麟太郎の?

親父の小吉だ。

今は隠居で 勝夢酔だ。

あなたが…
男谷先生から お話は伺っています。

そうかい。 何ぞ土産をと思ったが
好きなものが分からないんで

手ぶらで来たよ。
酒はいける口かい?

あ いえ… 修行の身ゆえ
酒は断っております。

へえ~ 精一郎の弟子にしては
器が小っせえな。

何を仰せです。

そういう狭え了見じゃ
江戸で修行は無理だってこった。

私を愚弄しに来たのですか?

そうカッカしなさんなって。

まあ ついておいで。
あっ ちょ…!

(多賀)小吉殿は遅いですねえ…。

すいません。

承って 私から伝えましょうか?

実は お金のことで…。

小普請組は 実入りもないのに
お金を納めなければならないでしょう。

小普請金
うちも工面するのに ひと苦労です。

30両なんていう大金
とても用意できません。

まあ 30両も!

100石につき
2両上納する決まりですから。

お信さんところは おいくら?

うちは 41俵ですから 年に2分で。

ご大家はご大家で
ご苦労がおありなのですね。

何か策はないか
お知恵をお借りしたいのです。

うちの人も お金のこととなると…。

≪(お順)まず お名乗りください。

何かご用でしょうか。

(丈助)これはこれは
お初にお目にかかります。

私は 岡野家の用人…。
≪(多賀)あら 丈助!

何しに来たのです?

お帰りが遅いので お迎えに上がりました。

でも 私は 小吉殿に相談が…。

何でございます?

小普請金のことなら ご案じなさいますな。

この丈助が ご本家に
掛け合ってまいりました。

まあ 岡野の本家が
都合してくれるというのですか?

孫一郎のことは とうに見限ったと
思ってましたが…。

そこは 私が この口でうまく申しました。

ご本家は三千石の御大身。
30両ばかり どうとでもなりましょう。

ようございましたねえ
これで ひと安心。

ええ… ありがとう
よくやってくれました。

どういたしまして。
さあ 参りましょう。

無礼な人。
えっ?

名乗りもせずに
家の中をのぞいていました。

まあ。
あれは きっと悪人です。

お順 人を悪く言うものでは
ありませんよ。

≪(笑い声)

≪(虎之助)いや ホント
勘弁してくださいよ。

あれ あの声…。

≪(虎之助)いや まいりましたな。
(笑い声)

ただいま戻りました。

お帰りなさい。
お帰り。

島田先生 どうしてうちに?

うっ 酒臭い。

父上 その格好は?

ああ 虎に挨拶に行くんでな
晴れ着をこしらえたんだ。

うそばっかり。 ウフフ。

島田先生を驚かせたくて
わざわざ古着屋から借りたそうです。

旦那様 いたずらが過ぎますよ。

いけねえ 女房殿に叱られた。

(笑い声)

夕飯の支度をしてきます。

何もありませんが
召し上がっていってくださいね。

父上 島田先生と
立ち合われたのですか?

おう 立ち合ったぞ。

浅草奥山の矢場でな。

矢場で?

フフフッ 旦那
焦らないで しっかりお願いしますよ。

(女性)しっかり!
(女性)落ち着いて!

(女性たち)当た~り~!
お見事!

勝負は引き分けだ。

それから 見世物小屋
水茶屋に大道芸とハシゴしてな…。

綱渡りの軽業は 見事なものでしたねえ。

島田先生が 奥山の盛り場に…!?

昼見世も冷やかしてきたぞ。

吉原知らなきゃ この江戸じゃ
いっぱしの男面はできねえ。

えっ 島田先生を吉原に!?

(虎之助)こういうところは
御免被りたいですな。

昼見世は静かなもんだよ。
ちょっと向こうで 寿司でも食うか?

(遊女)勝様!

吸い付けたばこ 一服お上がりなんし。
(遊女たち)お上がりなんし。

よせやい 助六じゃあるめえし。

(笑い声)

(虎之助)なんと まるで別世界…。

美しいものはいい!

これまで かたくなに遠ざけてきたことが
愚かに思えました。

おかげで 何だか
身も心も軽くなった気がします。

なっ いい修行になったろう。

吉原に行くのが 修行ですか?

道場で稽古するだけが修行じゃねえ。

世の中を知ることが
何より腹の鍛錬になるんだよ。

そうかなあ…。

驚いたことが もう一つ。

まあ 入ってくんな。
はあ。

お帰りなさいませ。

美しい奥方で 勝さんは 果報者ですね。

世辞言うな。 何だい あんなおたふく。

(笑い声)

楽しそうに 何のお話です?

(笑い声)
ん?

勝さんは 「夢物語」をご存じですか?

知らねえな。 絵草紙かい?

いえ 蘭学者が書いたもので

2年前 浦賀沖に来た異国船を

ご公儀が打ち払ったことを
批判しているのです。

異国の船…。

<天保8年
アメリカの商船 モリソン号が

遭難した日本人漁師7人を乗せ
浦賀沖にやって来ました。

異国船は全て打ち払う
という方針のもと

幕府は 大砲を撃って
モリソン号を撃退したのです>

その本の噂 私も聞きました。

漁師を連れ帰った船を砲撃するなんて

人として筋が通らぬように思います。

うむ とても御仁政とは言えぬな。

お気の毒ですね。
ん?

船に乗っていた漁師たち
故郷を目の前にして追い返されるなんて

どれほど がっかりしたか。

帰りを待つ親兄弟もいるでしょうに…。

早く戻って来られるといいですね。

(鳥居)して 小笠原
「夢物語」の作者は知れたのか?

(小笠原)まだ しかとは。

この者が 尚歯会と申す
蘭学者の集まりに加わり

内情を探っておりますので
間もなく判明するものと思われます。

(石川)フン…。

<この男は 石川太郎左衛門。

少年時代からの 小吉の天敵です>

(鳥居)花井虎一と申したな。
見当はついているのか。

はっ 尚歯会には田原藩士 渡辺崋山
蘭方医の高野長英

天文方蕃書和解御用の小関三英らが
出入りしております。

例の書物も その辺りが書いたものかと…。

やはり 崋山一味か。

そなた 密偵であることを
勘づかれてはいまいな。

ご懸念には及びませぬ。

この花井は ギヤマンの製法に通じ

蘭学者の間では 名が知られて…。
ギヤマン? ほう…。

異国を賞美し
ご政道をそしる書物が出回っては

天下騒乱のもととなる。

一日も早く ふらち者をあぶり出すのじゃ。

ははっ。

今日は お慰めに
このようなものを持ってまいりました。

ほお よい枝ぶりじゃ。

近う 持ってまいれ。

はっ。

<家斉は 将軍職を退いた後も
大御所として

絶大な力を振るってきました。

その懐刀と言われるのが
向島の隠居こと 中野碩翁です>

わしも年じゃ。 力が入らぬわ。

お気の弱いことを申されまするな。

頭の黒いねずみたちが
ご政道を我がものにせんと

お城の中を駆け回っておりまするぞ。

腹も黒いねずみたちか?

はい。

大御所様が
にらみを利かせてくださらねば

ねずみが増えて この世は醜い

窮屈なところになってしまいまする。

うむ…。

一日も早い ご快癒を…。

<ぜいたく三昧と批判される
家斉の治世は 反面

おおらかに 文化や学問が
花開いた時代でもあったのです。

ところが 天保10年5月…。

蘭学者の渡辺崋山が 北町奉行所において
取り調べを受け 後に蟄居。

翻訳家の小関三英は
追い詰められて自殺…>

何 永牢だと!? 馬鹿な…。

構わぬ 引っ立てい!
(役人たち)はっ。

<「夢物語」の作者 高野長英は
幕政批判の罪で

伝馬町の牢に投獄されたのです。

蛮社の獄と呼ばれる弾圧事件でした>

あ~ 暇だ暇だ。

≪(多賀)小吉殿!
おお いきなり!

私を 道具市にお連れください。

家伝来の茶道具を売って
30両工面しないと。

30両? 小普請金は
ご本家が用意してくださったのですよね。

そのお金を
孫一郎が使ってしまったのです。

ええっ!

必ず御番入りさせる
根回しの金が入り用だと言われて

30両そっくり 丈助に渡したというのです。

あの用人に…。

ご支配からは いまだ
何のご沙汰もなく…。

そりゃあ そうだよ。

30両ばかりで
御番入りがかなうはずがねえ。

その丈助ってやつに
一杯食わされたんじゃないんですかい?

だまされた?

ああ おかしいと思った…。

なぜ止めなかったんですか。

孫が勝手にしたことです。

近頃はもう すっかり丈助の言いなりで。

あの人 やっぱり…。

さあ 参りましょう。

あれは きっと悪人です。

お順が 悪い人だと嫌がっていたんですよ。

お順は 妙に鋭いからなあ。

悪いやつに引っかかりましたね。

下手にもめて たたられてもつまらねえ。

30両は諦めて
早く追い出してしまいなさい。

では 一緒に来て
出ていくよう言ってください。

え 俺が?

私の言うことなんか 聞きませんから。

いや あいにく今日は 御用繁多で…。

さっきまで 暇だ暇だと
鼻毛を抜いていたくせに。

余計なこと言ってんじゃねえよ。

孫一郎に関わると
ろくなことねえからな…。

拝みます 小吉殿。

大丈夫ですよ。

旦那様は 困っている人を
見捨てるようなことはなさいませんから。

ねえ 旦那様。

しょうがねえなあ…。

分かりました。 引き受けましょう。

♬~

ごめんよ!

おい嫁女 お殿さんどこだい?

勝様…。

この家は 無法者の住みかにございます…。

(泣き声)

さあ 入りやした。
はい どうぞ 振って…。

半だ 半!

丁!
丁!

昼間っから手慰みとは いいご身分だな。

勝殿… 何か用か。

うわあ…!
何しやがんでい!

賭場は お開きだ!

帰れ 帰れ!

何の騒ぎです?

お前が丈助か。

聞きてえことがある。

預かった30両の金 何に使ったんだ?

上の方への付け届けですよ。
御番入りの根回しにね。

どうだかなあ。

大事な金 何だってこんなやつに
渡したりしたんだ。

気の毒に ご隠居様は

たった一つ残った大事な茶道具まで
売ろうとなさってたんだぜ。

御番入りがかなえば
小普請金など払わずに済むわ。

甘い! 100両 200両積んだって
めったにお役目なんか就けるもんかい。

第一 御番入りしたけりゃ
ご支配の屋敷に日参くれえするもんだ。

昼間っから
丁半博打にうつつ抜かすなんて

どうしようもねえや。

お言葉ですが 当家は千五百石のお旗本。

勝様とは 事情が違います。 フン。

ご支配の屋敷の前に はいつくばるなど
微禄者のようなまねを

殿様にさせられません。
何…!?

ひどい! あんなこと言うなんて…。

そもそも 賭場を開いて何が悪いのです?

どこのお旗本も
こっそりおやりになっていますよ。

稼いだ てら銭どうしたよ?

30両も てら銭も
てめえが懐に入れたんじゃねえのかい!

めっそうもない。
びた一文使い込んじゃいませんよ。

むしろ私は 身銭を切って
殿様のお世話をしているのです。

ああ やだねえ。

ぬらりくらり言い抜けるやつが
俺は大嫌えだ!

暇やるから とっとと出てけ!

なぜ 他人のあなたが
そんな指図をするのです?

そうだそうだ。 差し出口はよしてくれ。

こいつが悪党だって まだ分からねえのか
このボンクラ!

ボ ボンクラ!? 丈助は身内同然だ。

気に入らぬなら そっちが出ていけ!

何だと?
借地人の分際で

地主のすることに文句があるなら
さっさと立ち退いてもらおう!

バカ野郎 目ぇ覚ませ!
きゃっ!

いけません 旦那様。
乱暴はおやめください。

堪忍してくだされ 小吉殿。

出てけ! 早く立ち退け!

悪党め
千五百石の殿様に手を上げるとは!

悪党はどっちだ!
あっ いけません!

この野郎!
あっ!

おばあ様! おばあ様…。

おばあ様…。
お多賀様 お気を確かに。

はあ… 失敗。

父上 道場で嫌な話を耳にしました。

「夢物語」の件 訴えたのは
花井虎一だそうです。

蘭学の集まりに潜り込んで
内輪の話を探り出し

お目付に訴状を出したとか。

密告など 武士のすることではないと
島田先生が憤っておいででした。

(床を殴る音)

虎一といい 孫一郎といい

本所の侍は
性根の腐ったやつばかりになった。

何かあったのですか?
ええ。

お信 引っ越すぞ!

えっ どこにです?

どこでもいい。
岡野の地面に これ以上いられるか。

そんな…。

<ところが 数日後
騒動は 思わぬ方向に急展開…>

酒屋の払い 吉原の揚げ代…。

大工の手間賃

上の方へのお心づけ…。

全て 私がお立て替えしております。

しめて 339両。

(2人)339両!?

おいとまを頂く前に
耳をそろえてお返し願いとう存じます。

ええ…っ!

は~ん 丈助のやつ
自分から出ていくとぬかしやがったか。

隣に旦那様がいては
これ以上好き放題はできないと

見切りをつけたのではないでしょうか。

しっかし 339両とは
また派手に使ったなあ。

それが そんな大金を立て替えてもらった
覚えはないと言うんです。

だったら 手元にある帳面と
付け合わせてみりゃいいんだよ。

勘定の帳面は
必ず控えを取ることになってんだから。

その肝心の帳面が
消えてしまったんです!

文箱の中に入れておいたはずが

今日になって捜してみたら
どこにも見当たらないと。

帳面が歩いて逃げるわけあるめえよ。
どこかに置き忘れたんだよ。

孫一郎様に限って マメに帳面を開いて
見るはずはありません。

ず~っと文箱に入れっぱなしですよ。

そうだな… となりゃあ
こりゃあ まんまとやられたか?

えっ?
付け掛けだ。

丈助のやつ てめえの帳面には

立て替えたよりも多めの額を
書いたんだろう。

3割増し いや 倍付けぐれえ
してるかもしれねえな。

では それを見抜かれないように…。

帳面の控えを 始末したのでしょうか?

まあ そんなとこだろう。

でしたら 悪いのは丈助なのですから
お金を払うことはありませんね。

そうもいくめえ。
丈助は証拠の帳面 持ってんだよ。

そんな… なんとかならないでしょうか。

ほっとけよ 性根の腐った孫一郎のこった
いい薬になる。

でも このままでは 岡野様の家が…。

そのうち 親戚連中が出てきて
なんとかするだろうよ。

<ところが そうこうするうちに
事態は更に急展開>

はあ~。

お願いの者にございます。
訴えの者にございます。

無礼者 去れ!

どうか ご老中にお取り次ぎを!

<あろうことか
岡野孫一郎が金を返さないと

老中 太田備後守に直訴したのです>

(彦四郎)丈助という用人
したたかな悪党だが

そもそもは 孫一郎の身持ちが悪いゆえに
起きたことだ。

はい。

岡野には関わるな。

妙な義侠心など出して肩を持てば
勝家も巻き添えを食うかもしれぬぞ。

心得ております。

近頃は お目付の取り締まりが
ことのほか厳しい。

蛮社のお裁きの折に密訴した
花井虎一は

鳥居甲斐守の密偵だと もっぱらの噂よ。

えっ。
それが証拠に

やつめ 学問所勤番衆に
お取り上げと決まったわ。

15俵から50俵に出世だ。

目付の犬か くそっ 汚えまねを…。

それ その短気が身を誤るもとなのです。

(彦四郎)くれぐれも身を慎め。

勝家を潰すことになっては
亡くなった おばば様に面目が立たぬぞ。

くれぐれも。

はい。

まったく ひどい話さ。

まあ 勝の殿様が ほっときゃしないよ。

おい 銀次来てねえか?

ああ ちょうど 今
お噂をしていたところですよ。

そろそろ勝様の出番ではないかと。

俺が何に出んだよ。

岡野様のもめごとですよ。

大川丈助とかいう悪い用人を
懲らしめてやっておくんなさいまし。

(男性)そうだ そうだ!
内輪のもめごとだ。

俺の出る幕はねえよ。

でも お家断絶なんてことになったら

ご隠居様がお気の毒じゃありませんか。

これも孫一郎の不心得から出たことだ。

是非に及ばずさ。

ああ 銀次が来たら
俺んち来るように言ってくれ。

いやいや…。
何だい。

勝の殿様 案外 不人情だな おい。

隠居して 腰抜けになっちまったかねえ。
けっ 情けねえ もう。

勝様は そんな薄情なお人じゃないよ…。

<数日後 吟味を終えて
岡野家に戻された丈助は

見張りをつけられ
ひと間に押し込められたのですが…>

≪(丈助)339両!

立て替えた金を請求して 何が悪い!

≪(丈助)私の金を 返せ!

あいつめ…。

≪(丈助)返せ! 戻せ! 339両!

はあ… 岡野の家も おしまいです。

まだ諦めてはなりません。

旦那様と私がついております。

あのような悪者に 好き放題はさせません。

まあ のんきに鼻毛なんか抜いて。

鼻毛が伸びてちゃ 締まらねえからな。

旦那様 岡野様の一大事を
黙って見ているおつもりですか?

この間 兄貴に呼び出されて
釘を刺されたよ。

岡野に手を貸して 勝の家を潰すなとさ。

勝の家を…。

兄上の言うとおりにするなんて
旦那様らしくもない。

ほかに どうすりゃいいんだよ。

俺に任せろと
引き受けたではありませんか。

一旦 引き受けたからには
やり通すのが旦那様です。

丈助を懲らしめて
岡野様を助けてください。

口が達者で 悪知恵の働くやつは
やっかいだ。

こっちが どんなとばっちり受けるか
知れねえ。

勝の家 潰してみろ。
おばば様が 化けて出るぞ。

そなたが ほれ込んだ小吉は

筋金入りの武士。

本物の男でした。

いいえ 丈助ごときに
手も足も出ない旦那様を見たら

おばば様は もっと怒ります。

だったら 見えねえように
仏壇の扉 閉めとけよ。

まあ はぐらかさないでください!

ガミガミうるせえなあ。

本当に腰を上げないつもりなのですね。

分かりました。
それでは おいとまを頂きます。

はあ? 何言ってんだ?

私 意気地のない旦那様の姿は
見たくありませんから。

お順を連れて 家を出ます。
ここを出ていって どこへ行くんだよ。

どこって…。
俺は婿養子だ。

出るだの引くだのっつったら
俺が出ていくのが筋だろう。

それはそうかもしれませんが
勝家といっても ここは借地だし

追い立ても食らったのですから…。

岡野の家が召し上げられたら
この家もどうなるか分かんねえな。

ええ…。

やっぱり
引っ越しておけばよかったかしら。

はあ?
≪(銀次)旦那!

おう 銀次。 何か分かったか?

へい 尻尾を捕まえやした。

丈助は以前 川越の武家屋敷で
用人をしてましてね。

よく突き止めたな。

(銀次)巾着切り仲間の網は
疎にして漏らさず。

悪いやつの噂なら
耳に入らねえことはありやせん。

前の屋敷でも悪さはしてたのかい?

家の恥だと言って
大っぴらにはしてやせんが

同じ付け掛けの手口で
200両ばかり せびり取られたそうです。

やっぱりな 慣れた手口だと思った。

これで ようやく勝ち目が出てきた。

お信 出かけるぜ。
丈助に掛け合ってくる。

どういうことです?
おや 奥様はご存じねえんで?

あっしは 旦那に頼まれて
やつの旧悪を探ってたんですよ。

丈助のやつは したたか者だ。

脅そうが すかそうが
付け掛けしたことは認めねえだろう。

だが 前にも同じことをしてたとなりゃあ
話が違ってくる。

では 丈助を放っておく気は
なかったのですね?

銀次の知らせを待っていたんだ。

薄汚え悪党に
この本所を好き勝手されてたまるかい!

ああ よかった。

私 てっきり旦那様が
勝家のために

できない我慢しているのかと
思ったんですよ。

だから さっき
出ていくなんて言ったんです。

家に縛られてほしくなくて…。

いいって 本気じゃねえって分かってたよ。

はい。

あら でも どうして
打ち明けてくれなかったんですか?

お前が うっかり口滑らせたら
ご隠居のことだ

こっちの動きを
丈助に漏らしちまうかもしれねえ。

あらあら あらあら。

私 それほど うっかりではありませんよ。

隠居に同情して
ついってこともあるだろう。

ありませんよ。
そんな大事なことを つい なんて…。

ひどい。
私のこと 信用してないんですか?

証拠をつかむまでは
誰にも言わねえって決めてたんだよ。

銀次さんには 話したくせに…。

銀次には 働いてもらうんだ
しかたないだろ。

今日の勝負は 引き分けです。

はい。
はい。

あら 死んだご隠居様に生き写し…。

<悪知恵の働く 大川丈助との勝負の行方

果たして どうなることやら…>

「義を見て」…。

「せざるは

勇無きなり」。

旦那様 しっかり。

丈助を斬るのですか?
いけません!

俺は摂津に行ってくるぜ。

馬鹿者!
ならず者が上がり込んできます。

お下がりなさい!
武士の家に勝手に上がり込むとは無礼な。

400両ばかり 都合してもらいたい。

そのような大金 とても調達できませぬ!

武士の腹の切りよう よくよく見ておけ!