【土曜時代ドラマ】小吉の女房2(2)「小吉、腹を切る?」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜時代ドラマ】小吉の女房2(2)「小吉、腹を切る?」[解][字]

小吉(古田新太)とお信(沢口靖子)は、大身旗本・岡野家を助けるため、騒動に巻き込まれる。小吉は岡野の知行所である摂津の農村まで出向き、金策に奔走するのだが…。

番組内容
小吉(古田新太)とお信(沢口靖子)は、旗本・岡野孫一郎(中村靖日)と祖母の多賀(松原智恵子)を助けるため、騒動に巻き込まれる。用人・丈助(マキタスポーツ)に謀られ大金が必要になり、小吉は岡野家の知行所である摂津の農村まで出向き、金を作ろうと算段するが、したたかな百姓たちを相手に大苦戦。一方、江戸で留守を守るお信たちは、岡野家を襲うならず者たちと対決。そして小吉の兄・彦四郎(升毅)に死が迫る…。
出演者
【出演】沢口靖子,古田新太,里見浩太朗,鈴木福,升毅,山本唯以,高橋和也,松原智恵子,マキタスポーツ,中村靖日,【語り】春風亭昇太
原作・脚本
【作】山本むつみ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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  16. 勝家
  17. 勝様
  18. 他行留
  19. 都合
  20. 彦四郎

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ごめんください!

≪(多賀)は~い。

あっ お信さん。
旦那様は?

まだです。 どうぞ お上がりになって。

<勝家の地主 岡野孫一郎は
用人の大川丈助に帳簿を改ざんされ

家名断絶の危機に ひんしていました>

付け掛け働いたのは分かってんだ。

帳面よこしな!

嫌でございます。
金を返してもらえぬ上に

ぬれぎぬまで着せられては
武士の一分が立ちませぬ。

何が武士だ。 この悪党が!
帳面を渡せ!

首を取られても渡しませぬ!

♬~

(孫一郎)遅い! どうなっているのだ。

小吉殿でも 手に負えぬのでしょうか。

私… ちょっと様子を見てまいります。

あっ 旦那様 首尾は?

思いのほか 肝の太え野郎だ。

死んでも 金は取るとさ。

やはり…。
こうまで騒ぎ立てて

ご老中まで巻き込んだとあっちゃ
世間の手前

力ずくで黙らせるわけにも
いかねえや。

なんとかならないのですか?

やりようは なくもねえが…。

金をやらずに始末をつけるか
金をやってでも きっぱり縁を切るか

2つに1つなら どちらにします?

もちろん 金をやらずに片づけたい。

そっちは いささか物騒だが…
それでもいいかね?

物騒って?

うわっ!

丈助を斬るのですか?
いけません!

そんなことをしたら 旦那様も岡野様も
ただでは済みませんよ。

2人そろって
腹を切ることになるかねえ…。

よせ…! しかし やりたくとも
肝心の金がないのだ。

こうなっては しかたがありません。

潔く覚悟を決めましょう。

なぜ このようなことに…。

光江様…。

もし 339両
丈助にくれてやるつもりがあるのなら

俺に一つ思案がある。

金の工面がつくのか?
一か八か だがな。

ただし 一旦 引き受けたからには

今後一切 口出しは無用に願いたい。

何をする気だ?

まさか 斬り取りでもするのでは…。

口出し無用と言ったはずですが。

(孫一郎)しかし…。

(銀次)ええっ!
桶屋に行って すぐに作らせてくれ。

でも そんなもん 何に使うんです?

いいから言うとおりにしろ。

何だか 気味が悪いなあ…。
それと 道具市の古着屋に行って

供侍の衣装を2人分
そろえてもらってきな。

裄丈はどんなものを?
お前ぐれえのと 一回り大きいのだ。

へっ? 誰が着るんです?
詳しい話はあとだ。

いいから黙って行け!
へい。

何だか よく分かんねえなあ…。

あら 銀次さんは?

使いにやった。

お信 俺は摂津に行ってくるぜ。

えっ 摂津に?
岡野の知行地だ。

摂津の御願塚村は 100戸ある大きな村だ。

村高は 表向き500石だが
実際は もっとあるだろう。

そういうものですか。

昔 兄貴が
信州の代官をやっていた時に

一緒に 村を回って
検見したから大体の見当はつく。

俺は 岡野の家来と名乗って

「主家存亡の危機だ 金を都合してくれ」 と
村方に掛け合ってくるよ。

なんとかなるでしょうか?
なんとかするさ。

339両 耳をそろえて丈助の野郎に
たたっ返して

二度と本所の地は踏ませねえ。

留守中 岡野の家を頼んだぞ。

はい。

<2日後 小吉は 摂津・御願塚村

今の兵庫県伊丹市に向けて
出発することになりました。

お供は 銀次と信用師
今で言う 詐欺師の斎藤監物です>

麟 お前は勝家の当主だ。
しっかり守れ。

はい お任せください。

父上 順もおります。

うん
頼りにしてるぞ。

≪(虎之助)勝さん!

あれ 虎。 どうしたい?

(虎之助)麟太郎から話は聞きました。

難しい掛け合いになるかもしれません。
私もお供します。

難しいことがあるもんかい。
ほんの隠居の暇潰しよ。

しかし…。
俺の留守中

たまに様子見に来てやってくれ。

分かりました。

道中ご無事で お早いお戻りを。

心配いりやせんよ。
あっしらも お供いたしやすから。

ええ もうね ちょいちょいって
片づけてまいりやすよ。 へへへ…。

よろしくお願いします。

じゃあな。

あら? あれ 何かしら?

<この包みには 小吉が桶屋に作らせた
あるものが入っているのですが…。

小吉一行が旅に出て 数日が過ぎ…>

きらずは すって
火の引き際に入れるのがコツです。

どれくらい入れれば
よいのでしょう?

お米が足りない分を
足せばよいのですよ。

では うちのごはんは
じきに きらずだけになりそうね。

まあ。

≪(男性)殿様! うちかね?

≪(男性)出てきておくんなせえ!

何でしょう?
≪(男性)いるのは分かってんですよ。

≪(男性)出てきてくだせえよ。
≪(男性)何してるんですか?

≪(男性)聞こえてるんでしょ?

殿様 おられるんでしょ。

どちら様ですか?

こちらの奥様ですかい?

いいえ 隣の勝家の者ですが。

だったら
引っ込んどいてもらいやしょう。

殿様!
酒屋の勘定を頂きに参りやした。

吉原の使いの者です。

揚げ代を踏み倒されちゃ
困りますよ!

料理屋からも
取り立てを頼まれましてね。

払ってもらわねえと
あっしらも困るんでさあ。

ああ… どうしましょう~。

≪(男性)殿様 おられるんでしょ。

≪(男性)出てきてくださいよ!
まずい これはまずい…。

ならず者が上がり込んできます。

すぐに追い払ってください。

えっ いや… 我ら 見張りが役目。

持ち場を離れるわけにはまいりません。

ならず者の応対は どうぞそちらで。

そんな…。

腰抜け侍め 縮み上がってやがる。

ハハハハハ!

はあ…。

岡野の家は潰れるともっぱらの噂でえ。

その前に
取れるだけは取っていきやすよ。

掛け合いは
勝が戻ってからにしてください。

待ってられるかい。
おい!

畳でも 鍋釜でも
銭になるものは 残らず運び出せ!

(2人)おう!

お下がりなさい!

武士の家に勝手に上がり込むとは無礼な。

一歩でも進んだら 容赦はしません。

ハハハハ…!
そこをどいておくんねえ。

邪魔すると 痛い目に遭いますぜ。
ええ?

うお~ おお~!

(男性)おあっ 何しやがるんじゃい!

お前たちこそ 何をしている!

俺たちはなあ
頼まれてツケを取りに来てんだ。

誰だか知らねえが 引っ込んでろよ!

勝さんに用心棒を頼まれた島田だ。

話は 私が聞く。
乱暴はよしなさい。

何をっ! うら~っ!

ああっ! ああっ!

(男性)うわっ…。

ん? 島田って…

もしや 浅草・新堀の?

直心影流剣術師範 島田虎之助。

まずい… おい 帰るぞ。

何言ってんだい。
こんなサンピン1人くれえ。

バカ野郎 かなう相手じゃねえ。

おい おっとと…。
へへへっ おやかましゅうございました。

へへへへ…。

あ~…。

よかった…。

あれ? 母上 それ…。

えっ?

あら すりこ木。

これ 麟太郎。

すりこ木で応戦とは
お信さん お勇ましい。

(笑い声)
もう 光江様まで。

あっ… フフッ。

(笑い声)

何を笑ってるのです?

(笑い声)

<その頃 小吉たちは 岡野の家来
勝 左衛門太郎一行と名乗って

御願塚村の代官陣屋に
逗留していました>

ふあ~。
≪(山田)勝殿 よろしいか。

仰せのとおり 名主をはじめ
村役人一同 呼び寄せました。

分かりました。

では 早速 金策の件
掛け合うとしましょう。

監物 銀之丞 参るぞ。
(銀次 監物)ははっ。

では ご案内つかまつる。

今 申し聞かせたとおり
お家の一大事だ。

苦労をかけるが 400両ばかり
なんとか都合してもらいたい。

い~ あ~ あ~
お 恐れながら申し上げます。

そのような大金 とても調達できませぬ~。

お許しなされてくださりませ~。
ええ~。

作柄の悪い年が続いて

本百姓でさえ
食うや食わずのありさまなんです。

村方一同 娘を売り

三度の飯を一度に減らしても
金はできかねまする~。

分かってくだされ~
分かってくだされ~。

何とぞ 何とぞ~。

ふむ…。

(監物)どうも怪しい。

食うや食わずってのは
うそじゃねえか。

みんな 貧しい身なりしてたがな。

いや 村の者は したたかですよ。

だまされちゃいけませんぜ。

ボロ着てる子はいねえな。

う~む 昼日中っから遊べるってなぁ
村が豊かな証拠ですよ。

≪(銀次)旦那!

ちょいと
名主の家 のぞいてきたんですがね

村役人たちが集まって…
何してると思いやす?

何だよ。 もったいぶんな。

俳諧ですよ。

しかも 着物から こう
継ぎはぎが消えてるんで。

(2人)はあ?

♬~

それにしても 源右衛門さん
よう似合うてましたな ボロが。

(笑い声)
何や 貧乏神が寄ってきそうだす。

こら ええわ。
(笑い声)

≪(宇市)ほな 私から…。

「ボロを着て 風に吹かるる みの虫や」と。

ええ~。
ハハハハ…。

は はい。

「ボロを着て」 か… 出来ました。

(宇市)早っ!

「人には見せじ 錦の裏地」。

おっ 錦の裏地な。
こら なかなか面白い。

(笑い声)

代官まで混ざってやがるんですよ。

あいつもグルか。

しかも 聞き捨てならねえこと
言ってやしてね。

江戸からの金の無心
どないいたしましょう?

う~む ごねられても面倒や。

少しでも融通したらどないや?

いやいや
一文だってやることはありません。

放っておけば そのうち退屈して
江戸へ戻るでしょうよ。

この野郎… あいつ…。

くっそ… くっ。

けしからんやつらだ。
たたっくじいてやる。

まあ 待ちないって。

孫一郎がボンクラなのは
村方みんなに知れ渡ってんだ。

めったなことじゃ バカ殿のために
一肌脱ぐ気にゃならねえだろ。

けど 旦那…。
はるばる摂津まで来たんだ。

しばらく のんびりするさ。

<しかし のんびりしていられないのが
この方…>

(彦四郎)バカ者!

小吉が摂津に行ったと聞いた時

わしはな
首の後ろに冷たい汗をかいたぞ。

申し訳ありません。

昔 あいつが家出をした折

穏便に済ませるため
父上がどれほど苦労をされたか。

はい…。

今は あの頃のようにはいかぬ。

お目付の取り締まりが
ことのほか厳しいのだ。

このことを 小吉には
きつく言い聞かせたというのに…。

お信さんも 知っていて
なぜ止めなかったのです?

岡野様の家が
潰れるかどうかの瀬戸際ですから…。

よその心配などしている場合か!

小吉の行状が上に知れ渡れば
勝家のみならず

男谷の家にまで
火の粉が降りかかるやもしれぬのだぞ!

申し訳ございません。

小吉など どうなっても構わぬが

麟太郎のことを思うてみよ。

やはり わしが預かって
養育すべきであった。

男の子は 父親に似るというが

麟太郎が 小吉のような
ゴロツキになったら なんとするのだ。

お言葉ですが… 麟太郎には

旦那様のような男になってほしいと
願っております。

何?

旦那様は 困っている人を助けるために
知恵を絞り

全てを請け負って 摂津に行かれたのです。

麟太郎も いずれは
人を助ける立場になるでしょう。

その時は 旦那様と同じように
一身を賭して事に当たり いつか…。

(関川)このお子は よくいけば

天下を救う 大人物となりましょう。

いつかは 天下を救うかもしれません。

はあ?
えっ?

何を言っているのだ。

あの… 昔 易者に言われたのです。

ゆくゆくは 天下を救う
大人物になるかもしれないと。

お信さん… あなた 易者の言うことを
真に受けているのですか。

いえ そういうわけでは。

もうよい。

そなたでは話にならぬわ。

申し訳ありません。

はあ…。

<お信たちの知らないところで

彦四郎の懸念は
現実のものとなっていました>

(石川)岡野家用人が
ご老中に駕籠訴をした件

お聞き及びのことと存じまする。

うむ。

千五百石の旗本が
用人ごときに振り回されて

満天下に恥をさらすとは

不届き至極よ。

では 岡野の借地人 勝の隠居が
騒ぎに乗じて江戸を出奔し

摂津に向かったことも
ご存じでしょうか。

何? 届けも出さずにか。

はっ 勝は日頃から町民どもと交わり

ならず者のように
ふるまっておりまして…。

武士にあるまじき行い…。

その方 岡野の不行跡を洗い出せ。

次第によっては
早々に知行地を召し上げる。

ははっ。

小吉のやつ 岡野もろとも地獄行きだ。

フフフフフッ…。

(子供たち)えいっ!
おい もっと腹から声出せ!

(子供たち)はい!

えいっ!
そうだ その調子だ。

(子供たち)えいっ! えいっ!

よ~し 出来たぞ。
おっちゃん ありがとう。

あいよ。

(子供たち)えいっ!

えいっ!
ほら お前 手ぇ逆だよ こっちこっち。

はい。
そう。

えいっ!
そうそう そうそう。

勝様!
俺たちにも 稽古をつけてください。

ああ いいよ。
じゃあ 一緒に素振りやってみろ。

(2人)はいっ。

(子供たち)えいっ!

えいっ!

えいっ!

一体 いつまでいるつもりなのでしょう?

そんなん分かるかい!
見たやろ。

あないして 子供らまで手なずけて
もう~。

あ~ このまんま居座られたら
ごまかしきれんようになるぞ。

えらいことに…。

≪おい!

金は都合できたか?

いやいやいや そんな とてもとても。

そうか… しかたがない。

これ以上
時を無駄に過ごすわけにはいかない。

では 江戸にお帰りになりますか?

今まで世話になった礼に
皆に酒を振る舞いたい。

村人たちを集めてくれ。
酒代は俺が持つ。

酒も肴も よいものをたっぷりと用意しろ。

かしこまりました。
おお~。

≪(襖を閉める音)

しめた! とうとう諦めたぞ。

ほんまやな。
ええ~。

♬「ア コラコラ ヨ
オーオ~オイ ヨ~イヤマタ」

♬「チョイトカケタ」
(一同)ハ ヨ~イヨイ!

♬「ハ セーエ エー ツウウウウウ
イナア~エエ」

♬「ワカイ~ィ イ~シュ」
(一同)ハ ドシタエ!

♬「ハヤシ イ~オ~エ~エエ」
よっ。

♬「タノムー ヨオオオオオ」
(一同)コ~ラセ ヨーイセ!

引き延ばしの策 うまくはまりましたな。
ほんまや。

今夜の酒代 多めにもろたろ。
ハハハハ…。

(笑い声)

≪(鐘の音)
≪(笑い声)

(騒ぎ声)

≪(監物)一同 静まりませい!

(山田)そのお姿 どうなされた?

今日まで 皆をだましてきたが

俺は岡野の家来じゃねえ。

ご直参 勝家の隠居だ。

何っ!?

岡野の家が潰れたんじゃあ
気の毒だから

村方の力を借りようと
金策を請け負ってきたんだ。

ところが お前らは
どうあっても金は作れねえと言う。

俺も武士だ。

手ぶらで おめおめ
江戸に帰るわけにはいかねえ!

(どよめき)

お待たせいたしました。

金が出来なきゃ
首になって帰るつもりで

江戸で首桶を作らせてきたんだ。

おう 代官。
は はい! 介錯を頼む。

ええっ ええ~!
わ わ 私が!?

難しいことじゃねえ。

俺が腹を突いたら

後ろからバッサリ
ひと打ちでやってくれ。

いやいや いやいや しかし…。

無理に金を絞り取ろうってんじゃねえ。

主家の難儀を救ってくれって
頼んでるんだぜ。

それを聞けねえってんなら
是非もねえや。

俺は ここで腹を切る。

武士の腹の切りよう よくよく見ておけ!

では 頼む!

いやいやいや ちょっ あ… あかん
あかん あかん あかん そんな…。

勝様 死んだら嫌や!

死なんといて。
死なんといて。

切腹は おやめくださいまし!

(村人たち)おやめください!

静かにしろよ。
今 死ぬところだ。

おい 代官 早くやれ!

う~ へへへへ…。

駄目だな こりゃ。

おい 監物 俺の刀貸してやるから
お前やっつくんな。

えっ 無理ですよ。
いいからやれい!

はっ!

南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏…。

お待ちください!

金は 用意いたします。

腹を切るのは おやめください!

何言ってんだい。
今更遅えや!

そこを なんとか
おとどまりくださりませ!

金を出せば 食うや食わずで
娘を売っ払うことになるんだろ。

そいつは 気の毒だ。
監物 用意はいいかい。

…はっ!

うおお~!

できます! 金はすぐに調えます!

できねえつったろ!

それは…。

ご先代の頃から 殿様には
幾度も金を都合してまいりました。

その度に 放蕩のあげくに
使い果たしてしまわれるのでは

村は たまったものではありません!

なれど 勝様を死なせては
私ら村役人は

村の者たちから恨まれまする。

百姓同士 争い合うては
村の暮らしが立ち行きまへん。

何とぞ おとどまりくだされ。

(村人)お願いします。
(村人)お願いします。

そうか 言い分はよく分かった。

殿様の放蕩のせいで 苦労かけたな。

だが 今度こそ心を入れ替えさせる。

金の無心も これっきりだ。
俺が請け合う。

今度ばかりは 力を貸してくれ。

承知しました。 金は 明後日までに
きっとご用意いたします。

頼んだぜ。 そうと決まれば祝い酒だ。

銀次 ありったけの酒 持ってこい!
へい!

<小吉が江戸を出て ひと月半が過ぎて…>

あっ 父上。

お信 戻ったぜ。

旦那様 お帰りなさいませ!

おっ いい具合に
枯れ葉が集まってるじゃないか。

芋でも焼くか 銀次。
へい。

芋?
お芋?

(銀次)よいしょ。

わあ~ こんなにたくさん!

土産に持たされたんですよ。
あ~ 重かった!

留守中 変わったことは
なかったかい?

ええ 何にも。

(丈助)338 339…

確かにございます。

これで言い分はねえだろうな。
ええ。

金さえ返していただけたら
結構でございます。

へっ。
じゃあ これはそちらに。

勝様は大したお方です。

よくぞ339両 お作りになられましたね。

フン。
あなたも立派だが 奥様もえらいお方です。

勝様の留守を狙って

筋の悪い取り立て屋が
乗り込んできたんですがね

奥様は一歩も引かず
それは目覚ましいお働きで。

へ~え。 あのぼんやりがねえ。

あっ そうだ。

丈助 言っておきたいことがある。
何でございます?

この悪党め!

うっ うわっ!

俺の目の黒いうちは
二度と本所に足を踏み込むな!

ウロチョロしやがったら
たたっ斬るぞ!

ふう~…。

ざまあみやがれ。

これで丈助とは すっぱり縁が切れた。

でも 少ししゃくですね。

付け掛けだと分かっているのに
お金を取られるのは。

あんなウジ虫と関わってちゃ
こっちまで腐っちまう。

早く切れた方がいいのさ。

それもそうですね。
あっ そろそろ焼けたかな?

ほら。
わあ~!

あちっ。
おいしい~!

うん うめえな。 痛ててててて…。

足 痛むんですか?

長旅がこたえたかな。
俺も年だ。

≪(多賀)小吉殿!

この50両は 受け取れません。

50両…?

村方が都合してくれた金が400両

丈助にやった分と
村の者に渡した酒代を引いて

残りは ちょうど50両。

あちこちの借金を
それで返しておしまいなさい。

でも このお金は小吉殿が…。

百姓たちが汗水垂らして稼いだ金だ。
無駄にしちゃあいけませんぜ。

では 半分頂いて
残り半分をそちらに。

冗談言っちゃいけねえ。
俺がもらった金じゃねえや。

ご苦労をおかけして
お礼をしないわけにはまいりませぬ。

褒美の金が欲しくて 摂津くんだりまで
行ったわけじゃねえ。

第一 俺がもらったんじゃあ
村の者にうそをついたことになる。

でも それでは私の気が…。
ああ もう ごちゃごちゃうるせえな。

まあまあ。 でしたら
お礼は 別のもので頂きましょう。

麟太郎に 着物を作ってやりたいと
思っていたんです。

手間賃に 木綿一反頂くのは
どうでしょう?

木綿一反か…。
よし それで手を打ちましょう。

でも…。
いいじゃありませんか。

お芋 召し上がります?
甘くておいしいですよ。

ねえ。
はい。

<丈助騒動は これにて一件落着

…と 言いたいところですが>

(彦四郎)バカ者っ!

ひと月以上も江戸を離れたことは
既にご支配の耳にも届いておる。

間もなく 他行留めの沙汰が下る。

はい。

あれほど 岡野には関わるなと
言っておいたのに。

しかし 兄上…。
他行留め程度で済むと思うな。

いずれ もっと重い処分が下る。
覚悟しておれ!

ケッ お前のようなやつ やはりあの時
檻に閉じ込めるべきであった。

そんな…。

一歩も外に出るな。 また来る。

送らずともよい!

はあ~ ほっとけ。

他行留めはしかたがねえが
兄貴に ああガミガミ言われちゃあ

たまったもんじゃねえなあ。
ええ…。

あっ いけない。

ええい 小吉のやつめ
性根をたたき直してやる。

男谷様。
お多賀殿。

このたびは ありがとうございました。

おかげさまで 岡野の家は救われました。

ああ いや…。
でも 小吉殿には手を焼いているのです。

あれが 何か?

びた一文 受け取ってくださらないんです。

礼は 木綿一反で十分だと言って。

えっ?
それでは 私の気が済みませんから。

家伝来の茶道具
これをもらっていただこうかと…。

≪兄上!

あ~ よかった 間に合った。

これ お渡しするのを忘れてしまって。

摂津の村から頂いたお芋です。
お遊様に。

芋…?
お信さん。

これだけは
受け取っていただきますよ。

これは 大事な茶道具ではありませんか。

いけません。 頂けません。

では ず~っと
お貸しするということで…。

あっ そうだ。 お多賀様にも
お芋を差し上げましょう。

フッ 気になって見に来たが… ハハ

要らぬ心配であったか。

<翌天保11年の夏

小吉の外出禁止の処分が
解かれることになりました>

≪あっつ…!

我慢しないと いつまでも
足の痛みが治りませんよ。

チチチチ… お信
俺が死んでも 火葬にはするなよ。

何を言っているんですか。

でも どうしたんでしょうね。
痛みが こんなに続くなんて。

一度 お医者様に診ていただいた方が…。

な~に そのうち治るさ。

しかし よかったよな
兄貴が案ずるほどじゃなくて。

他行留めは半年で解けたし
重い処分もなかったし。

はい ようございましたね。

≪父上!

お帰りなさい。 早かったですね。

伯父上が 倒れました。

えっ?
倒れたって 具合はどうなんだよ?

今 医者が診ていますが…。

♬~

(お遊)今朝までは
いつもと何も変わりなかったのです。

昼ごはんを食べている時に
ふいに箸を取り落として…。

医者は 中風だと言うのですが。

小吉殿の他行留めが早々に解けて
喜んでいたやさきだというのに…。

えっ…?

これは 口止めをされているのですが…。

旦那様は 小吉殿の処分が軽く済むよう

あちこちに頭を下げて
回っていたのですよ。

俺のために?

まさか…。

私も 不思議な気がして…。

どういう風の吹き回しですか?

ん?
小吉殿のために 頭を下げるなんて。

うむ… あいつにも
よいところはあるな。

えっ?

岡野から 金を一切
受け取らなかったそうだ。

礼は 木綿一反だけ。

そうでしたか。

木綿一反は きっと
お信さんの思いつきですね。

(お遊)「月は白く 風は清し」…。

色紙を頼まれたのだが
これは 初秋の言葉。

季節が違ったわ。

「月は白く 風は清し」…。

欲のない
すがすがしい心を表す言葉…。

旦那様は 小吉殿のことを
書いたのかもしれませんね。

<この数日後 意識が戻ることなく
彦四郎は息を引き取りました。

小吉が 初めて兄から認められた時が

兄弟の別れとなってしまったのです>

<彦四郎の初七日が過ぎて…>

旦那様… これ 書いてみました。

「月は白く
風は清し」…。

お遊様は
旦那様のことだと仰せでしたけど

私は 兄上が
ご自身の澄んだお心持ちを

お書きになったような
気がするんです。

ガキの頃から
叱られてばかりで

一度も褒められたこと
なかったのに…。

旦那様…。

いい月だな…。

はい…。

あっ 白鬚様。

庭をご覧になりませぬか。

世の中は 今に大きく変わる。

お城を下がるのに 人の手は借りぬ。

綱紀粛正の折
不届き者こそ 取り締まるべきかと。

旦那が本所から追ん出されるって聞いて
慌てて飛んできたんですぜ。

しみったれた顔すんな。
婿殿!