【土曜時代ドラマ】小吉の女房2(3)「お信と白鬚様の庭」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜時代ドラマ】小吉の女房2(3)「お信と白鬚様の庭」[解][字]

お信(沢口靖子)と小吉(古田新太)を見守ってきた中野碩翁(里見浩太朗)だが、政争の果て旗色が悪くなっていく。そんな頃、小吉が体調を壊し、お信は心配していた…。

番組内容
お信(沢口靖子)と小吉(古田新太)を陰ながら見守ってきた幕府の実力者・中野碩翁(里見浩太朗)だが政争の果てに旗色が悪くなっていく。そんな頃、勝家では小吉が珍しく体調を壊し、お信は心配していた。碩翁は町中でお信とばったり出会い、小吉の平癒祈願のお参りや自宅の豪奢(しゃ)な庭の見物にお信を連れ回す。碩翁のことを「植木屋のご隠居」と思い込んでいる無邪気なお信の姿に、碩翁は政争を一瞬忘れ心癒やされていく。
出演者
【出演】沢口靖子,古田新太,里見浩太朗,鈴木福,升毅,高橋ひとみ,山本唯以,高橋和也,橋爪淳,モト冬樹,中村靖日,松原智恵子,【語り】春風亭昇太
原作・脚本
【作】山本むつみ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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♬「トントン 唐辛子
唐辛子は 辛いよ」

(お順)おじさ~ん!
へい。

1つ ください。
毎度。

3文 頂戴します。

はい どうぞ。
うわ~。

≪♬「トントン 唐辛子
ピリリと辛いは山椒の粉」

母上~!

はい 買ってきました。
ご苦労さま。

唐辛子を切らすと 父上は
召し上がってくれませんからね。

わがままな病人で 困ったものです。

まあ ウフフフフ。

<小吉は 昨年から体調を崩し
寝たり起きたりの日が続いていました。

医者の見立ては 江戸患い。

つまり 脚気です>

お昼の支度ができましたよ。

か~っ また そばが来たよ。

いいかげん飽きちまったぜ。

江戸患いには そばが効くと言いますから。

へっくしょん あ~。
あら いけない。

ったく お前… へっくしょん。
ああ~。

(笑い声)

♬~

(銀次)まだ 少し むくんでますね。
どうにも しびれちまっていけねえや。

長兵衛が 目利きの刀
持ってきてくれたぞ。

お世話かけます。
(長兵衛)あっ いえいえ。

いやあ 殿様の目利きのおかげで

損を出さずに済んでおりますよ。

まっ そのお礼と
言っちゃあなんですが

ウナギを 白焼きにして
持ってまいりました。

あら まあ。

ウナギは 江戸患いの薬って
言いやすからね~。

ありがてえや
毎日 そばばっか食わされて

総身から脂っ気が抜けちまったよ。

また そんなことを。

すいません 頂きます。
(長兵衛)はい。

早く よくなっておくんなさいまし。

殿様が おいででないと
市の者が みんな寂しがります。

旦那がいねえと つまらなくってねえ。

まあ じきに治るさ。
でねえと ウナギに悪いからな。

(笑い声)

<脚気は ビタミンB1の不足で起きる
疾患ですが 当時は原因不明。

悪化すれば 命を落とすこともある
恐ろしい病でした>

横になりますか?
布団 敷きましょうか。

なあ お信。

桜はもう 散っちまったな…。

(稽古の掛け声)

(麟太郎)とりゃ~!

(掛け声)

よし! ここまで。

まだまだ。 もう一本 お願いします。

うわあ~!

<天保12年
時代は 大きく動いていました。

長年 幕府の実権を握っていた大御所
徳川家斉が

閏1月に亡くなったのです>

父上は まだ伏せっておいでか。

寝たり起きたりです。

こんな時こそ 私がしっかりしなければ。

それで むきになって
打ちかかってきたのだな。

いえ それは…。

島田先生 清国が エゲレス相手に
苦戦しているというのは

まことでしょうか。

ああ そのようだな。

清ほどの大国が…。

エゲレスとは
どれほど強い国なのでしょうか。

<前年 中国清朝とイギリスの間で
アヘン戦争が勃発。

清の艦隊が撃破されたとの知らせは
日本にも大きな衝撃をもたらしました>

皆が噂しています。

大御所様の四十九日が明け
いよいよ 内輪もめが始まるだろうと…。

今朝は 橋のたもとに
落首が貼られていました。

「本荘の 石は墓所で むだになり」…。

本荘の石とは
本所の中野碩翁への当てこすりか。

大御所派の追い落としが
始まるかもしれぬな。

異国の船は 日本の近海にも
姿を見せているというのに…。

こんな時に 足の引っ張り合いなど
愚かなことです。

無役とはいえ 私も幕臣の端くれ。

なすべきことが 何かあるはずです。

(碩翁)
「本荘の 石は墓所で むだになり」…。

ハッ 役に立たぬ石か… フッ。

(忠篤)越前守は 油断のならぬ男。

我らの失脚を企てているに相違ござらぬ。

こちらも早々
策を練らねばなりませぬ。

(秋村)申し上げます。
うむ。

美濃守様から使いが参りました。

武蔵屋の離れ座敷に
お越し願いたいとのこと。

そうか すぐに伺うと伝えなさい。
はっ。

されば お駕籠の支度を。
あっ いや

隠居のブラブラ歩きじゃ
供も駕籠もいらん。

なれど…。
大御所様の 忌みが明けたばかりじゃ。

人目に立たぬよう 慎まねばならぬ。

では お着替えを…。
ああ~ 美濃守殿とは

長年 大御所様にお仕えした者同士じゃ。

気遣いはいらん。
うん フフッ よっ。

♬~

あやつら 何を仕掛けてくるか…。

おや あれは…。

どちらがよいか…。

こちらにお決めなせえやし。

ほら 花が大ぶりで ようございますよ。

そうですね。
でも 色はこちらが…。

(碩翁)枝が太くて
どっしりした方を選びなさい。

あっ 白鬚様。

座れば牡丹とは よく言ったものだ。

なるほど。
えっ… フッ。

いや まさに眼光鋭く
刀の目利きをするがごとくでしたな。

真剣勝負ですから 値の張る買い物で
しくじるわけにはいきません。

では 見事値切られたのは お手柄でした。

はい。

端数は まけて
200文かっきりになりませんか?

無茶言わねえでおくんなせえ。

そこをなんとか。

弱ったねえ どうも。

(笑い声)
なるほど ハッハッハ。

軍資金が少ないのですもの。

おかげさまで
病人のよい慰めになります。

家に ご病人が?

夫が 江戸患いに…。

じっとしているのが つらそうで
せめて 目を楽しませるものをと。

それは さぞ ご心配でしょう。

ああ ならば 病気平癒の
ご祈願をなされてはいかがかな。

ああ 私が ご案内しましょう。

でも… どこか
お出かけになるところだったのでは?

いや どうも気が進まぬ…。

えっ…?
あっ いやいや

ほんの野暮用で
遅れても構わぬのですよ。

さっ 参りましょう。

<三囲稲荷から 大川沿いを
少し行ったところにある牛の御前は

本所一帯の総鎮守として
古くから崇敬を集めていました>

まずは 体の悪いところをさすり

それから なで牛の同じ箇所をさする。

すると 病が治ると申しますぞ。

私がなでて 夫の病に効くのでしょうか?

念ずれば通ず です。
さあ どうぞ。

一日も早く 旦那様の病が
よくなりますように。

脚の痛みが 消えますように…。

≪モ~ッ。

おっ。
えっ!

今 鳴きましたね!
鳴きました。

モ~ッ。

な~んだ。
こら いたずら坊主。

お参りする人を からかってはいかん。

へへっ。

あ~ 驚いた。
てっきり なで牛が鳴いたのかと。

正体見たりですな。 ええ。
(笑い声)

お待たせしました。 どうぞ。

まあ よい香り。 おお。

いや もう少し早ければ

この辺りは 花の見頃なんですがな…。

まっ せめて桜餅で
春の名残を惜しむといたしましょうか。

はい。

これは
土産に持って帰ることにいたします。

桜餅は お嫌いですか?

いいえ。 主人が甘いものが好きなので。

今年は 花見もできなかったと
寂しがっていましたから。

では 土産の分は 別に買えば…。

フフッ とうとう軍資金が底をつきました。

すいません。 はい。
これ 包んでもらえますか?

はい。
ああ では これも一緒に。

いけません。
白鬚様は どうぞ召し上がってください。

あ~ いやいや 実は
私はな こっちの方で。

甘いものは とんと苦手じゃ。

まあ。
だから これは お子たちへのお土産に。

ありがとうございます。
では 遠慮なく。 はい。

これもお願いします。
はい。

ああ こりゃいかん。 とんだ粗相を。
いいえ ご心配なく。

いやいや あの 染みになるといけない。
奥で 手水を借りましょう。

でも…。
いやいや。 すまん ちょっとすまん。

もう~ 殿はどこに行かれたのだ。

あ~ う~っ。

フッ 許せよ…。

ああ。
おかげさまで よい土産も出来ました。

では これで 失礼します。

あの…。

に… 庭を…。
えっ?

いや 庭をご覧になりませぬか。

近くに よいところがあるんです。

庭… でも そろそろ戻らないと。

いやいや すぐ近くです。
ちょっと のぞいてごらんなさい。

♬~

プハハハハ ハハハハ!

また私の勝ちです。

くそっ これで10連敗だ。
お順は めっぽう強いなあ。

父上が弱いだけです。

こいつ ますます
おばば様に似てきやがった…。

よし もうひと勝負だ。

まあ なんて見事な楓なんでしょう。
はあ~。

でも よいのですか?

どなたのお屋敷か存じませんが
断りもなくお庭を拝見したりして。

あ~ 構いません。
ここはな 私が手がけた庭ですから。

あっ やっと分かった!

はっ?
白鬚様は 植木屋のご隠居様なのですね。

えっ?
どうりで 植木の見分け方を

よくご存じのはずです。
フフフフッ。

私ったら 勝手に白鬚様だなんて…。

あ いや 白鬚で結構です。

神様の名前で呼ばれるのは
悪い気はしませんからな。

ハハハハ…。 さあ さあ
奥の方を どうぞご覧なさい。

はい。

あっ あれは何でしょう?

珍しいお花ですね。

あれは あんじゃべる。

いや 麝香ナデシコとも申しましてな
オランダから来た花ですよ。

麝香ナデシコ…。
はい。

もうひと月ほどすると
よい香りのする花が咲きます。

この株 早咲きのようですね。
ほら つぼみが もう。

≪(秋村)殿!

ああ よかった
ここに おいででしたか。

いや お越しがないが いかがされたのかと
武蔵屋から使いの者が来て…。

こちらのお殿様が
どうかなさいましたか?

はっ?
あ~ 武蔵屋と申すと

あっ そうそう 小梅村の花作りでしたな。

な… 何を仰せです?

(小声で)いいから いいから いいから。

アハハハハ…。
お取り込みのようでしたら 私はこれで。

こちらは どなた様で?
あっ さる お旗本の奥方様でな

懇意にしていただいております。

信と申します。

今日はな この植木をお買い求めになった
その帰りに

こちらに お連れいたしました。

はあ… ああ 美濃守様のことは
どうなさるのです!

美濃紙… 美濃…
ああ 障子でも破けましたか。

いかん いかん いかん
陽気のせいで おかしくなられたか。

お約束をお忘れですか 殿…。

痛い~ 痛い…。
あっ お前様には

痛風の持病がございましたな。

(小声で)気は確かじゃ。
わしは今 植木屋の隠居 よいな。

はい?
あの…。

あ~ 何でもございませぬ。

痛風が ちょっと痛いそうで。
あ~ 痛風が痛い…。

あっ ちょっと これを
お預かり願えませんでしょうか。

(小声で)向こうには
すぐ行くと申しておけ。 よいな。

では 奥の方を見てまいりましょう。

ハッ ハハハ… ではな。
ハハハ…。

どうか お急ぎを…。

(小鳥の鳴き声)

(小鳥の鳴き声)
愛らしい声!

「花は根に 鳥は古巣に帰るなり

春のとまりを 知る人ぞなき」。

春が過ぎれば
花は根に 鳥は巣に帰っていく。

けれど 春がどこに帰るのかを
知る人はいない…。

崇徳院の御製ですね。
確か 「千載和歌集」。

ほう よくご存じで。

保元の乱に敗れて
流された讃岐で詠んだ歌ですね。

行く春に 帰るとこなどあるのかと…。

そろそろ おいとましなければ…
家の者が待っています。

あっ では
その辺りまで お送りしましょう。

一人で大丈夫です。

あっ すみません
長いこと預かっていただいて。

お屋敷の殿様に
よろしくお伝えくださいまし。

よいものを拝見させていただきました。

承知しました。
確かに 伝えましょう。

おお 気を付けてお帰りください。

はい。

使いの者が 催促に参っております。
どうか お急ぎを。

分かった。 駕籠の支度をせい。
はっ。

行く春を惜しんでも

もはや詮なきことか。

<大御所 家斉の忌み明けから
ひと月もたたない 4月16日のこと…>

越前殿。

それがしに 何か御用か?

上意である。 控えよ。

ははっ。

(忠邦)ご沙汰を申し聞かす。

その方儀 勤め方 尊慮にかなわず。

お役御免を仰せつけらる。

なんと…!

上意じゃ!
直ちに この場を立ち去りませい。

さっ…。
立つぞ。

バカな…!

<水野美濃守忠篤。

御側御用取次として 碩翁と共に
大御所の治世を支えてきた高官は

一日にして その座を追われました。
そして…>

何用かな。

中野碩翁。

不届きの儀あるにつき 登城を禁ずる。

直ちに屋敷へ戻り 沙汰を待たれよ。
さっ。

痛っ!

お城を下がるのに 人の手は借りぬ。

委細 承知つかまつった。

<この日を境に
老中首座 水野忠邦が権力を掌握。

亡き大御所に仕えた者たちは

ことごとく その地位を
追われることとなったのです。

それから ひと月の後…>

これより 御政事の儀は
享保 寛政の御改革を手本とし

質素倹約に励み 綱紀を粛正する。

皆の者 いずれも よくよく心得
相勤むべし。

(重臣たち)ははっ。

<天保の改革の始まりでした。

町方にも 改革の開始が告げられ

以後 芝居小屋の移転 寄席の削減
高価な品物の売買禁止など

178件にも及ぶ町触が
次々と出されたのです。

町奉行所には 市中取締掛が新設され
厳しい監視が行われました>

あっ お見回り
ご苦労さまにございます。

金銀の細工物 鼈甲 絹物
箔を使った品などは

扱っておらぬだろうな。

はい お触れに背く品は
一切置いておりません。

ぜいたく品を売り買いすれば
容赦なく しょっぴくぞ!

お前ら こそこそするな!

べ~だっ。

<碩翁には
過酷な処分が待っていました。

家屋敷を没収され
逼塞を言い渡されたのです>

殿。 人足どもが参りました。

そうか。

取りかかっても
よろしゅうございましょうか。

長年 丹精込めて作られたお庭を…。
言うな。

このまま人手に渡るより

己の手で さら地にした方がよい。

では 始めさせまする。

あれは何でしょう?

麝香ナデシコとも申しましてな
オランダから来た花ですよ。

麝香ナデシコ…。

(碩翁)もうひと月ほどすると
よい香りのする花が咲きます。

今度は 祭りの山車や 鳴り物を
禁ずるというお触れが出やした。

はあ… 三味線や太鼓も駄目なのですか?

それでは お祭りになりませんね。

(銀次)旦那の具合はどうです?

まだ… 町の様子が耳に入って
気が ふさぐようです。

道具市も 客足は さっぱりで。

せめて 旦那がいてくれたらなあ…。

≪(お順)母上~!

これを渡してほしいと頼まれました。

どなたから?
さあ… 知らない人。

うわあ~ きれい!

いい匂いですねえ!

これ あのお庭の…。

白鬚様…。

きれいだなあ 何て花だい?

麝香ナデシコです。
いい匂いがしますよ。

ほう。 どれ よいしょ。

旦那様 気を付けて。
おう。

よ~し お水やるか。
はい。

[ 心の声 ]
「花は根に 鳥は古巣に帰るなり

春のとまりを 知る人ぞなき」…。

白鬚様 どこに帰られたのかしら。

(お順)見て見て。

きれいな虹。

おお 久しぶりに見たな。

<碩翁からの贈り物が
勝家に明るさを届け

小吉の病も 少しずつ
快方に向かっていきました。

ところが その秋のこと>

鳥居様 これを。

岡野のことは
2年前に沙汰なしと決めたであろう。

片づいたのは 岡野の方だけ。

借地人の勝が
騒ぎに乗じて江戸を離れた件は

詮議が済んでおりませぬ。

無法に関所を破ったに相違なく
綱紀粛正の折

かかる不届き者こそ
取り締まるべきかと。

<2年前の摂津行きが蒸し返され

下された処分は 重いものでした…。

勝家は 本所を追われ
虎ノ門に押込と決まったのです>

随分 長いこと拝んでいましたね。

おばば様に 謝ってたんだ。

バカを尽くしたあげく

とうとう本所を追ん出されることに
なっちまった。

あの世で さぞ怒ってるだろうなあ。

「そなた やはり
勝家を潰しに来たのだな」って。

勝家は 潰れてなどいませんよ。

麟太郎がいるではありませんか。

命まで取られるわけじゃなし。

みんな そろって暮らせるのですから
きっと なんとかなりますよ。

こんなことで気落ちしていたら

それこそ おばば様が
あの世で角を出します。

ん?

婿殿!

チッ やっぱり おばば様の孫だな。

よく似てるよ。

ウフフッ。
お前は のんきだね。

はい。
≪(多賀)小吉殿!

ああっ どうしましょう。

岡野の家を助けてくださったばっかりに
こんなことに…。

(光江)おばあ様。

2年もたってから処分を下すとは…。

ご公儀は あんまり非道だ。

何もかも 岡野の不始末から
起きたこと…。

(泣き声)

お多賀様 もう その話は。

口出しするなと約束して
俺が勝手にやったことだ。

お前様たちのせいじゃ
ありませんよ。

≪(お順)お客さんですよ。

旦那!
おう 銀次。

どうしたい
市で何かあったのかい?

どうしたもねえもんだ。

旦那が 本所から
追ん出されるって聞いて

慌てて飛んできたんですぜ。

(長兵衛)大勢押しかけて
騒ぎになってもいけませんから

我々だけで来ましたが

市の者たちは 皆 案じておりますよ。

旦那が
どんな悪いことしたってんですよ。

何が御改革だい ちきしょう 本当に!

これ お清さん…。

やっぱり おととしの
摂津行きが たたったんですかい?

(泣き声)

お多賀様。
バカ! 余計なこと言ってんじゃねえや。

俺の身性が悪いんで
とうから目ぇつけられてただけだろうが。

旦那…。
しみったれた顔すんな。

なんてこたあねえ 川の向こうに
ちょいと引っ越しするだけさ。

殿様がいなけりゃ
道具市は おしまいでございます。

情けねえ。 市は みんなのものだろ。

みんなで守らなくて どうするんでえ。

けど 今でせえ
お取り締まりが厳しくて

息を殺すようにして
商売してるんですぜ。

銀次さん それも
しばらくの辛抱ですよ。

今にきっと
元のにぎやかな道具市に戻りますから。

奥様…。

やけに自信たっぷりじゃねえか。

はい。 ご公儀のなさることでも

人情とかけ離れていたのでは
長く続くはずがありませんもの。

フッ 聞いたかい。 いい卦が出たぜ。

うちのお信は 大した易者だ。

まあ 人をからかって。

お前が言ってるのが 道理だ。

みんな 口をつぐんでいるだけだ。

ご妻女は度胸がいいのだ。

2年前は すりこ木 一本で
ゴロツキに立ち向かっていたっけ。

よしてください そんな話。

お下がりなさい!

武士の家に
勝手に上がり込むとは 無礼な。

すりこ木 持たせりゃ
俺でも かなわねえや。

フッ ウフフ…。
光江様まで。

(笑い声)

もうっ。
(笑い声)

驚いたな。 励ますつもりで来たが
無用であったらしい。

はい…。

何をしているのです?
こんなところに集まって。

伯母上。

門の外まで笑い声が。

あれは ちょっとした勘違いで…。

ちょっとじゃねえよ とんでもねえ…。

さぞ 力を
落としているだろうと思ったら…。

お信さん
いつもと ちっとも変わらない。

(笑い声)
ひど~い!

慌てず 騒がず…。

勝家で一番落ち着いているのは
母のようです。

まことに…。

麟太郎 ふた親が のんき者なのですから
そなたが しっかりせねばなりませんよ。

勝家の命運は
そなたにかかっているのです。

はい。 心得ております。

(笑い声)

(せきこみ)

起きていなさると
お体に障りますよ。

いやいや 世話をかけるな。

ああ よいよい。 開けといてくれ。

けど 風に当たっては
体に毒ですから。

いや 今日はのう 日ざしが暖かい。

ハハ… しばらく そのままに。

さようですか それなら…。

おや 寒牡丹に つぼみが。

花が咲いたら
さぞ きれいでしょうねえ。

(碩翁)牡丹か…。

わしの一生も

そう悪いものではなかった。

おい お信 先行くぞ!

≪は~い。

<小吉一家が
住み慣れた本所の家を離れたのは

暮れも近い ある日のことです>

♬~

♬~

ああ 楽しかった…。

♬~

≪(麟太郎 お順)母上~!

≪おい お信 何やってんだ。 行くぞ!

は~い 今参ります。

よし 出立!

待て! 手荒なまねは よしなさい。
ありがとうござんした。

澄んだ瞳といい 名馬じゃ 名馬。
馬。

西洋の書物は 知識の宝庫だ。

鳥居は 大の蘭学嫌えだそうです。

人の役に立つことを禁ずるなんざ
バカのするこった。

ポナ パルテ?
フランス王 ナポレオン

フレイヘイドの世を
打ち立てようとした男だ。

フレイヘイド フレイヘイドです。