【土曜時代ドラマ】小吉の女房2(4)「麟太郎、ナポレオンと出会う」[解][字]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

【土曜時代ドラマ】小吉の女房2(4)「麟太郎、ナポレオンと出会う」[解][字]

世は天保の改革、庶民に奢侈を禁じる厳しい政治に、お信(沢口靖子)の周りにも被害をもらたしていた。成長した麟太郎(稲葉友)は、風変わりな蘭学者に弟子入りする。

番組内容
天保十三年。世は天保の改革、庶民に奢侈(しゃし)を禁じる厳しい政治に江戸の街は疲弊、お信(沢口靖子)の周りにも被害をもらたしていた。成長した麟太郎(稲葉友)は芸者のお民(大西礼芳)や火消しの新門辰五郎(市川右團次)と知り合い見聞を広め改革を憂いていた。やがて麟太郎は小吉(古田新太)の友人・都甲斧太郎(風間杜夫)という風変わりな蘭学者に弟子入り庶民から出世したナポレオンの存在を知り蘭学に傾倒していく
出演者
【出演】沢口靖子,古田新太,高橋和也,稲葉友,稲垣来泉,大西礼芳,市川右團次,風間杜夫,福本莉子,【語り】春風亭昇太
原作・脚本
【作】山本むつみ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

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  1. ウグイス
  2. 男性
  3. 都甲先生
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  18. 新門
  19. 西洋
  20. 都甲

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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<天保13年 世は 天保の改革の真っ最中>

家内円満 無病息災。

<去年の暮れに 小吉が
押込めの処分を受けた勝家は

住み慣れた本所を離れ
旗本 保科栄次郎の屋敷内にある

武家長屋で暮らしています>

(鈴の音)

南無妙法蓮華経…。

<座敷と 茶の間に
小さな台所があるだけの

今で言う 2Kの手狭な住まい>

(2人)フン フン…。

(小吉)あ 痛っ。
一歩下がれ 一歩。

(麟太郎)はい。

<ここは 江戸城 虎の御門の程近く。

曲がりくねった道から 「サザエ尻」とも

また ウグイスが多いことから
「鶯谷」とも呼ばれていました>

フンッ…。
(おならの音)

≪(ウグイスの鳴き声)

おっ ウグイスか。 今日もいい声だ。
なあ 麟。

はい 父上。

<当初は 人の出入りも禁じられ
息を潜めるような暮らしでしたが

次第に 周りの目も緩み
勝家らしさが 戻りつつありました>

♬~

≪(ウグイスの鳴き声)

あっ 今朝は 味噌汁に具が入ってる。
久しぶりだなあ。

久しぶりなもんか。

4日前にも
豆腐が浮かんでたじゃねえか。

そんなに前じゃありませんよ
3日前です。

ああ…? いや 4日だろ。

3日前です。 今朝は母上の勝ち。

ほらね。
むむっ。

豆腐といえば またお触れが出ましたよ。

ああ? 奉行所が豆腐に何の用だよ。

寸法決めだそうです。

縦7寸 横1尺8寸 幅6寸を
きっちり9等分して一丁とし

52文で売れと。

ぜいたく品を売った商人が
今度は 26人も召し捕られたそうです。

げた屋から たばこ屋まで
皆 手鎖ですよ。

そういや この前
寿司屋が捕まったってな。

寿司屋に 何の罪が?

アナゴ寿司売ったのが いけなかった。
アナゴぐらいで?

役人ども
日頃は長いものに巻かれてるくせに

アナゴには めっぽう強気で来やがる。

アナゴ寿司というのは
おいしいのですか?

おお うめえぞ。
いつか お順にも食わせてやろうな。

はい…。

本所の道具市は大丈夫でしょうか。

また難癖をつけられていないと
よいのですが…。

そうよなあ…
よし ちいと様子を見てくるか。

なりません。
んん?

父上は押込めの身ですよ。
本所に行くことは 堅く慎まなければ。

むむ…。

今日も お順の勝ち。

いけねえ…。 こいつ
ますます おばば様に似てきやがった。

フフ…。
(咀嚼音)

(咀嚼音)

今日は つくだ煮を
ちょっぴり添えておきました。

ありがとうございます。

<この辺り 現在では 官公庁が立ち並ぶ
千代田区霞が関です。

当時は 大名や大身旗本の屋敷が
軒を連ねる 閑静な武家地でした>

お徳さ~ん!
(お徳)あっ お信様。

出来ましたよ ほら。
ああ!

もう少し 大きい方がよかったかしら?

いいえ こんな茶屋にはもったいない
立派な看板で。

ありがとう存じます。
あっ どうぞ。

≪(ウグイスの鳴き声)

いい声。
はあ ここは のどかでよいところですね。

去年までは 茶屋がずらっと並んでいて
そりゃあ にぎやかだったんですよ。

御改革で茶屋女を置いていた店が
取り払われちまって

すっかり さみしくなりました。

そう…。
お徳さんの店が残ってよかった。

ここに来ると ほっと一息つけますもの。

こんな ちっぽけな店でも
髪結いで蓄えた金で

ようやく開いたんでございますよ。

以前は 髪結いを?
3年前まで。

年を取ると お客様のところを
回って歩く商売が つらくなりましてね。

女の髪結いも ご法度になったのでしたね。

ええ もう 前の商売には戻れませんから
働けるうちは ここでなんとか。

あっ 看板のお礼は いかほど?

要りませんよ。
元手はかかっていないのですから。

でも それでは…。
駄目駄目。

お代を頂いたりしたら
気楽に来られなくなってしまいますもの。

≪(ウグイスの鳴き声)

あら 鳴き損ねた。

(ウグイスの鳴き声)

若いウグイスかしら。
まだ稽古が足らぬようですね。

はい。

(笑い声)
≪(ウグイスの鳴き声)

ああ いいお日和だこと…。

≪(稽古の掛け声)

<麟太郎は めきめきと腕を上げ

直心影流免許皆伝まで
あと一歩というところですが…>

(虎之助)待て!

来い。

や~っ!

ああっ! はっ!

ああっ!
う~っ! うっ あ~っ!

や~っ!

隙だらけだ!

心ここにあらずだな。
剣に気迫がこもっていない。

申し訳ありません…。

どうした? 何を迷っている?

その…

毎日 剣術に励むだけでよいのかと…。

御改革以来 次々と禁令が出され
多くの人が召し捕らえられました。

商売をするのも窮屈になり
町は すっかり活気をなくしています。

島田先生… 私は
こたびの改革は愚策だと思います。

しかし そう声を上げる力も そのすべも
私にはない。

それが 歯がゆくてならないのです。

そなた…
何のために剣の修行をしているのだ?

えっ…?

武芸を極めても
今の世では出世の役には立たぬぞ。

無論 人を斬る稽古でもない。

父には… 肚を作れと言われました。

人間 肝心なのは肚だ。

胆力さえあれば いざという時
めったなことで命を落としたりしねえ。

そうでしょうか?

俺なんざ
随分とむちゃな喧嘩してきたが

刀傷一つ負ってねえのは

若え頃に 剣術の稽古だけは
身を入れてやったおかげだ。

お前も 剣術の稽古だけは
しっかりやんねえとな。

アハハハハ…! 勝さんらしい。

はい。
ですが… 今は 父の頃とは違います。

なに 違うのは
世の中の上っ面だけさ。

何かをなさねばと はやる気持ちも分かる。

だが 肚ができてなけりゃ
世のために走り回ったところで

所詮 ろくな仕事はできやしないさ。

急くなよ 今は人間の土台を作る時だ。

(門弟たち)はい!

はい…。

おかしい… ついてくる。

やっぱり。

何か用ですか!

(都甲)いや 用というわけでは…。

なぜ つけてくるのです。

つける? いやいや…
そんなつもりは…。

≪お~い ご隠居 ここだよ。

ここだよ ここ。
勝殿 よいところに。

溜池の近くというから来てみたが
似たような屋敷ばっかりで

どこが保科なのか見当もつかん。

では うちを訪ねて…?

こちら 勝殿のご妻女か?

ああ うちのお信だ。

ふ~む 地道の常足はよし

早足も またよし。

う~ん この毛づやといい
澄んだ瞳といい

いやいやいや 名馬じゃ名馬。
ぬははは!

ぬは ぬははは!
馬?

うん あっ ほら。 酒を調達してまいった。

さあ ご隠居 こっちだ こっち。

<一癖も二癖もありそうな このご隠居
一体 何者なのでしょう…>

回想 急くなよ
今は人間の土台を作る時だ。

≪(男性)この あまっちょめ!
そこ どきやがれ!

≪(男性)おいおい 何だ何だ ええ!
≪(男性)何だ てめえはよ。

≪(男性)どけどけ こら! この野郎!

≪(男性)どけどけ! おい!
≪(男性)どけって言ってんだろうが。

(お民)大の男が 女相手に大声上げて
みっともないねえ。

なにをっ! ぬかしやがったな。

胸ぐら取って どうしようってのさ。

こうするんだよっ!
待て!

手荒なまねは よしなさい。

ああ? 二本差しの出る幕じゃねえ。
うっちゃっといてくれ。

何をもめているのだ。 訳を言え。

その小娘が
突き当たってきやがったんだ。

あ~ 寄席は どこも潰れちまったな。

東流斎の講釈が楽しみだったのによ。

娘義太夫がいけねえんだ。

ひいき連中と派手に遊ぶから
お上から にらまれちまった。

(男性)どうせ 芸だけじゃなく
色も売ってたんだろうよ。

違えねえ。
あいやっ おっ!

おい! 何しやがんだ この野郎!

謝りもしねえから
しかりつけてるところに

その女が出しゃばってきやがった。
さっ どいてくんな。

よしなさい。
ぶつかったぐらいで 大人気ない。

何だ?
どかねえなら てめえが相手だい。

≪(新門)往来で
でけえ声を出すんじゃねえ。

うるせえ 引っ込んでろ。
あっ 新門の頭…。

えっ?
おっ おい…。

この喧嘩 俺が買った。
(男性)いや その…。

<この男は 町火消し「を組」の頭
新門辰五郎。

江戸中に その名をとどろかせる
浅草の顔役です>

文吉。

張りと意気地の辰巳芸者だからといって

深川から出張ってきて
喧嘩するこたあねえじゃねえか。

あいすいません。
お客を送った帰りがけ

ちょいと
浅草寺さんに お参りに来たんですよ。

おかげで助かりました。

いや 助けたのは俺じゃねえ。
こちらのお武家様だよ。

はい。
堪忍しておくんなせえやし。

寄席が多く潰れて
遊ぶところがねえもんだから

連中 気が立ってやしてねえ。

寄席か…。

申し遅れやした 辰五郎と申しやす。

勝 麟太郎です。

えっ それじゃ あの
勝の殿様の坊ちゃんで?

父をご存じですか?

浅草で 本所の勝様を知らねえやつあ
潜りでさあ。

あっしなんざ 随分 喧嘩もした仲ですぜ
ハハハ…。

本所の 勝様…。

おや さっきの娘は どこ行った?

いつの間に…。

お前の知り合いかい?
いえ ただ どっかで見たような…。

では 私はこれで。

へい あっ 殿様に
よろしくお伝えくだせえやし。

随分 無沙汰をしておりやすが
いずれ ご挨拶に参りやす。

伝えます。

あの!

ありがとうござんした。

あっ… あっ うん。

(笑い声)

にぎやかだなあ。
外まで声が響いていますよ。

あら お帰りなさい。
せがれだよ。

麒麟の「麟」と書いて 麟太郎だ。

ほう これはまた よいご器量
駿馬じゃな 駿馬。

馬?

(2人)また馬。

どなたですか?
馬の大先生だ。

えっ?
平川天神横の馬場で

馬を見ていたんだがな
このご隠居が

手綱の持ち方が違うの
鞍上の姿勢が悪いのと

ケチばかりつけてる。
それが いちいちもっともでな。

話してみたら 妙に馬が合う。

それで
家まで押しかけてきたというわけさ。

はあ…。

あっ 公方様のお馬のお世話を
していたそうですよ。

公方様の?

なに 50俵三人扶持のただの馬乗り。

しかも 勤めをしくじって
今はしがない 隠居の身だ。

なぜ しくじったのですか?

これ お順。

いやいやいや 構わん。

小泉という名馬がおりましてな。

毛並みといい 顔つきといい
実に美しい馬だ。

なじみの花魁に よく似ておった。

花魁が 馬に?

さよう いささか顔の長~い女であった。

(笑い声)

似たもの同士を引き合わせようと
吉原へ引いていったんだが

廓者は 存外しゃれが分からんな。

駕籠でも馬でも 「乗り物は通さぬ!」と
騒ぎ立ておって。

それが上役に知れて ハハ…。
あえなく お役御免。

(笑い声)

無法なことにかけちゃ
都甲先生は 俺よりうわてだな。

都甲…? もしや 馬の難病を療治した

あの都甲先生ですか?

馬の病は いくらか治した。

何だ 麟 お前 ご隠居知ってんのか。
お名前だけは。

馬の腹に石が出来る病を
見事に治したと伺いました。

医者がさじを投げた馬でも
都甲先生ならば 助けられると。

ほ~お そりゃあ お見それいたしやした。

アラビアゴムを処方されたそうですが

そのようなやり方
どうやって考案されたのですか?

本に書いてあったのさ。
本?

しかし ならば 馬医者たちは
なぜ その処方を知らなかったのです?

訳を知りたいかい?
はい。

だったら うちに遊びにおいで。

書物もいくらかあるから 見せてあげるよ。

伺います。
是非とも 書物を拝見させてください。

ああ いつでもおいで。

学問好きは 誰に似たのかねえ。

俺なんざ 本を読むより
喧嘩の方が よほど面白かったが。

ああ そうだ。
浅草で を組の頭に会いましたよ。

おっ 新門の辰かい。
達者だったかい。

はい。 いずれ
無沙汰の挨拶に来ると言っていました。

新門の!? ほほう。
かの大親分が お仲間か。

さては勝殿 ご貴殿は 暴れ馬じゃな。

(いななき)

(笑い声)

<さて そのころ お城では…>

<小吉の天敵 石川太郎左衛門は

ごますりに励んだ甲斐あって
目付の上席の座についていました>

不届きである。

旗本の身で素行の悪い者は
皆 厳しく処断せよ。 手加減は無用じゃ。

(目付たち)ははっ。

勝のやつも
今頃 しょぼくれておるだろうて。

フヒヒヒヒヒ…。
バウッ!

<一方 南町奉行に出世した鳥居耀蔵は

天保の改革推進の陣頭指揮を執り
厳しい監視の目を光らせていたのです>

(与力)市中取締掛の者ども
役目に励んでいると見えて

裁ききれぬほどの訴状が
上がってまいりまする。

(鳥居)甘い…。

町回りの者は かねてより
町人どもと なれ合っておるのだ。

信用は置けぬ。

<鳥居耀蔵 官職名は甲斐守。

耀蔵と甲斐守を合わせて
「妖怪」と呼ばれた男が

本領を発揮するのは ここからでした>

ここかな…。

ごめんください。 勝です。

≪(都甲)おう 入りな。

土産に頂戴した 甘露煮には合うはずだ。
飲んでごらん。

頂きます。

苦いっ これは…?

ビイル。 オランダの酒さ。

製法どおりに作ってみたんだが…。

ん? ちと苦いが まあいける。

オランダの酒…。

(せきこみ)
お前さん 下戸か?

はあ 父譲りで。
お~ それは気の毒な。

「天地 既に酒を愛す。

酒を愛するも 天に愧じず」だ。
ぬははははは…!

オランダの酒の作り方も
本に書いてあるのですか?

うむ。 まあな…。

これを 見てごらん。

馬の病の本だ。
石の治し方も そこに書いてある。

(都甲)ご公儀の馬医者は
その本が読めなかった。

それで 療治ができなかったのさ。

よく こんなにたくさんの本を…。

麻布の十番馬場で 年に3度
仙台駒の市が立つ。

目利きをしたり 病を治したりした礼金が
ハハ… そっくり本に化けた。

まっ いくらかは 酒にも化けたがな。

拝見しても 構いませんか。
おう。

それは タクチーキ 兵学書だ。

兵学書?

何が書いてあるんだろう…。

日本人がまだ知らない 新しい戦術だ。

西洋の書物は 役に立つ知識の宝庫だ。

ところが ご公儀は蕃書を遠ざけ
新しい知識を広めようとしない。

今の改革とやらを見てごらんな。

むやみに人々を締め上げて
享保や寛政の世に戻そうとしている。

世界は前に進んでいるというのに
バカな話だ。

あいにく バカにつける薬はない。

今に この国は 西洋に食い潰されるか

そうでなけりゃ
大きな内乱が起こるだろうよ。

恐ろしいことを言うと思うか?

はい。 …しかし 私も

ご公儀のなさりようは
間違っていると思います。

私にできることはないのか…。

ずっと それを考えていました。

ならば まず 学ぶことだ。

書物の中には 億万人の
知恵や知識が詰まってる。

大公儀などと威張ったところで
たかの知れた石頭の集まり。

億万の知恵に勝てる道理がない。

でも… 私は無役で

その石頭の数のうちにさえ
入ることができません。

バカ者 志が低いわ!

見なさい。

かの ポナパルテは
一介の兵から身をおこし

フランスの王となったのだぞ。

ポナ パルテ?

フランス王 ナポレオン。

国の古い仕組みを改め

フレイヘイドの世を
打ち立てようとした男だ。

<ナポレオン・ボナパルト。

今では 誰もが知る
フランスの英雄ですが

江戸時代後期には もう
蘭学を学ぶ人々の間で

その名は 知られていました>

一人の兵が世を変えた…。

そんなことが できるのですか?

ナポレオンには 武器があったのだよ。

名も地位も金もない
若い者も持てる武器だ。

一つは 胆力。
そして もう一つが 知識だ。

胆力と知識…。

都甲先生! 私を弟子にしてください。

蘭書の読み方を ご教示ください。

≪月 マアン。 星 ステル…。

天 ヘーメル。 地 アールド。

日 ソン。 月 マアン。

星 ステル…。

異国の言葉…。
≪天 ヘーメル。 地 アールド…。

日 ソン。 月 マアン。

星 ステル…。

(銀次)えっ ここら辺じゃねえのかな…。

まあ 石原おこし!

懐かしい本所の味。
お順 まず おばば様に。

はい。

銀次さん ありがとう。

どういたしやして。

何かあったのか?

へい。 道具市で
恐ろしいものを見やしてね。

恐ろしいもの?

3日前のことです。

若え女が ふらりと市に現れたんでさ。

見ねえ顔だが
すこぶるつきのいい女でね。

髪に銀の簪を挿していて

歩くたんびに 銀びらが
ジャラジャラっと揺れるんです。

こいつは危ねえと思ったら 案の定…。

女 銀細工が ご法度ってことを
知らねえわけじゃあるめえ?

おい しょっぴけ!

旦那 見逃しておくんなさいまし。

あっ…。

拝みますよ。
ふむ。

よく見れば 針金細工か。

(銀次)袖の下を受け取って
女を見逃したってわけで。

恐ろしいのは そのあとですよ。

昨日になって
奉行所に引っ張られたんです。

召し捕られたのか その女。
いや しょっぴかれたのは

市中取締の旦那の方でさ。
えっ?

じゃあ その
びらびら簪の女ってのは…。

どうやら 南町奉行
鳥居様の手先のようなんで。

えっ?
てめえの配下を わなにはめたか。

わな? お奉行様が なぜ そんなことを?

取り締まりに 手心を加えてねえか
探ってんだろ。

えっ…。
探られてんのは 町の者も同様でさ。

ひょいと口を滑らせてお上の悪口でも
言おうもんなら

隣近所のやつに
訴え出られるかもしれやせん。

壁に耳ありってのは このこったい。

ひどい。 それじゃあ
人を信用できなくなるじゃありませんか。

鳥居ってなあ
目付の頃から陰険な野郎だった。

それで 坊ちゃんのことなんですがね。

麟太郎が 何か?

せんだって
平川天神でお見かけ申しました。

わしも この辺りの私塾で
蘭学を学んでおった。

身分の高下などなく
まあ 楽しいところじゃった。

あれ? お坊ちゃん?

お連れがいたんで
声はかけなかったんですが…。

髪をですね こう
馬の尻尾みてえに束ねた じいさんで。

だったら 都甲先生だ。
馬乗りの隠居だよ。

やっぱり…。

前に 馬市で見かけたことがありやす。

蘭学の術とやらで
馬の病を治すと評判でした。

あれ ひょっとして
坊ちゃん 蘭学を始めたんですかい?

あいつあ 学問好きだからな。

そいつは いけねえ。

鳥居は 大の蘭学嫌えだそうです。

にらまれたら ろくなことになりやせんぜ。

蘭学の何がいけないんだい。

馬の病がそれで治るなら
結構なことじゃねえかよ。

人の役に立つことを禁ずるなんざあ
バカのするこった。

けどね 旦那。
あいつも男一匹だ。

腹くくってやることに
はたから とやかく言うんじゃねえ!

地 アールド。 日 ソン。

月 マアン。 星 ステル…。

曲がって まっすぐ行ったところです。
ありがとうございます。

ここかな…。

お徳さん うちですか?

信です。 開けますよ。

よかった。
寝込んでるのかと心配したんですよ。

その手拭い どうしました?

奥様… こんな姿になりました。

この頭では とても表は歩けません…。

何があったんです?

お徳さん!

自身番に引っ張られて…。

お触れに背いたと叱られ
髪を切られちまったんです。

どうして…?

髪を結った咎で…。

髪結いは 3年前にやめたのですよね。

昔のお得意様に頼まれて

お嬢様の婚礼に どうしてもと…。

人目につかぬよう 御内証で
こっそり結わせていただいたんです。

なのに 誰かが告げ口を…。

私がいけなかったんです。

100文の結い賃を
つい 頂戴したばっかりに。

100文? たったそれだけで
こんなひどいことを…。

そうだ お土産があるんですよ。

おこし 甘くておいしいんですよ。

食べて 元気をつけましょう。 ねっ。

ごめんなさい
こんなものしかなくて…。

奥様…!

(泣き声)

ごめんなさいね
何もしてあげられなくて…。

ごめんなさい。

(泣き声)

≪母上!

麟太郎…。

何か あったのですか?

以前 この近くに
大観堂という私塾があって

都甲先生は
そこで蘭学を学ばれたそうです。

身分の高下なく
研さんを積む場所だったと伺いました。

その お塾 今は?
もうありません。

塾長の高野長英殿が 蛮社のお裁きで
牢に入れられましたから。

天文方で 蕃書の翻訳をされていた
小関三英という方も

その折に亡くなられました。

都甲先生の 無二の友だったそうです。

そう…。

小関殿が手がけた大半の翻訳は
失われましたが

一冊 都甲先生が
写しをとっていた本がありました。

ナポレオンの伝記です。

ナポレオン… 何者ですか?

低い身分に生まれながら
フランスの王になった男です。

王に? では 偉い方なのですね。

王になったことが
偉いのではありません。

世の中を もっと住みよいところに
作り変えようとしたのです。

フレイヘイドの国に。

ふれいへいど…
どういう意味?

そうだなあ…。

融通無碍。

心伸びやかに 思いのままに生きること。

母上が 今日のような悲しい思いをせず

笑って暮らせる毎日が
続くようにすることです。

母上は 以前おっしゃっていましたよね。

人情と かけ離れたことが
いつまでも続くはずはないと。

ええ…。

世の中は きっと変えられる。

もっと住みよい もっと豊かなところに。

そのためには
新しい知識が力になると

私は そう思っているんですよ。

そう…。

ええ そうですね。

あっ… 西洋の学問の成就を

日本の神様にお願いするのは
筋違いかなあ。

大丈夫。 神様は 融通無碍ですから。

天神様が 西洋の神様に
取り次いでくださいますよ。

そうですね。

フレイヘイド フレイヘイドです。

はい。

(鐘の音)

<フレイヘイド…

今の言葉では それを「自由」といいます>

娘義太夫を寄席に?

ちくられでもしたら
えれえことになりやす。

何すんだい!
これは 私の魂なんだよ!

そうだ。
江戸の町を

つまらねえところにしやがった連中に
ひと泡吹かせてやりてえのよ!

ご法度の娘義太夫が始まるよ。

一同 神妙にしろ!

粉川寺~!