ミステリと言う勿れ #05【元刑事からの挑戦状!奇妙な入院生活が始まる…】[字][解][デ]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
ミステリと言う勿れ #05【元刑事からの挑戦状!奇妙な入院生活が始まる…】[字][解][デ]
主演・菅田将暉!元刑事からの挑戦状!崖から落ちて入院した整と相部屋になったのは『自省録』を読む元刑事の老人。謎の女性も現れ、奇妙な入院生活が始まる…!
ご案内
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番組内容
爆弾魔事件で頭を打った久能整(菅田将暉)は念のため大隣総合病院で検査入院をすることに。事情を知った池本優人(尾上松也)は青砥成昭(筒井道隆)に整は警察に協力したためなので入院費ぐらいこちらで持っても良いのではないかと進言。青砥が許可すると、風呂光聖子(伊藤沙莉)が手続のため病院に向かう。
整が病室に戻ると宛名と依頼主が自分の名前という小荷物が届いていた。身に覚えのない箱を開けると、中には
番組内容2
ドライフラワーと手紙が入っている。手紙の文章から整は犬堂我路(永山瑛太)からのものだと気づき、また良からぬものが入っているのではと警戒しながら箱を改めると何かが落ちた。整が探していると、そこへ風呂光が来た。整が拾い上げた指輪に風呂光は動揺し、すぐに帰ってしまった。
その夜、整が寝ようとすると隣のベッドの老人から声をかけられる。老人は牛田悟郎(小日向文世)と名乗り、定年退職した刑事だと言う。そして、
番組内容3
牛田は相棒の刑事、霜鳥信次(相島一之)と担当した事件を話し出した。牛田は事件の解決までは話さず、整に問題として謎を解かせる。嫌々ながらも整は2問目までを見事に正解させた。3問目は、22年前に売春する女性が次々に殺害された未解決事件に関するもの。当時、容疑者は羽喰玄斗(はぐい・げんと)と特定されるが逮捕には至らない。そんな時、羽喰に狙われているという女性から保護を求める連絡が警察に入った。
出演者
菅田将暉
伊藤沙莉
尾上松也門脇麦
白石麻衣
・
鈴木浩介筒井道隆
・
永山瑛太他
スタッフ
【原作】
『ミステリと言う勿れ』
田村由美(小学館『月刊フラワーズ』連載中)
【脚本】
相沢友子
【プロデュース】
草ヶ谷大輔、熊谷理恵(大映テレビ)
【演出】
松山博昭、品田俊介、相沢秀幸
【制作著作】
フジテレビジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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- 牛田
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- 我路君
- 看護師
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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あの 僕 大丈夫です。
どこも何ともないし
痛くもありません。 全然元気です。
頭も打ってないと思う。
(医師)「思う」?
覚えてないということですか?
えっ? いやいやいや…。
あの それに
吐き気も めまいもありません。
頭より… あっ そうだ 何ていうか
胸から落ちたというか…。
(医師)じゃあ 頭部と胸も
検査しましょう。
えっ?
《ありがとうございました!》
《あっ! あ~! ああ~!》
(青砥)あのもじゃもじゃ頭は
大丈夫なのか?
(風呂光)
外傷は特になかったんですが
念のため入院して
精密検査を受けたそうです。
あれ?
青砥さん この前まで
パーマ頭って呼んでたのに。
それが何だ。
(池本)いや
もじゃもじゃ頭の方が 何か
距離感 縮まった感じしますよね。
全然しない。
いや でも あんなに
警察に貢献してくれてる市民は
いないっすよ。 入院費くらい
負担してやっても
いいんじゃないっすか?
手続きしてやれ。
(風呂光)あっ 私 行きます。
えっ?
あぁ…。
よいしょ。 あ~。
「整君へ 入院したと聞いたので
お見舞いです」
「また いつか会いたいな」
「下手の横好きレベルより」
《下手の横好きレベルで
悪かったね》
我路君!?
そしたら
また何か入ってるんじゃ…。
人の指とか。
ん?
≪(風呂光)失礼します。
えっ!?
大丈夫ですか? 久能さん。
何ですか? その動き。
僕 小さい物を落としたときは
慌てず騒がず
まず どこまで転がったか
どこで停止したか
しっかりと
見届けるようにしています。
(指輪の転がる音)
よし。
見失うと捜すの大変ですからね。
指輪?
石は ラピスラズリ。
射手座のマーク。
僕は射手座じゃないし。
う~ん…。
う~ん…。
あの 今日は どうされましたか?
あっ いや あの
これなんですけど
入院費は
こちらで お支払いしますので
ここに署名だけ頂けますか?
はい。 すいません。
はい。
色々とありがとうございます。
いえ こちらこそ
ご迷惑をお掛けしてしまって。
ありがとうございます。
じゃあ これで。
えっ?
(ドアの開く音)
≪(看護師)消灯の時間です。
何かあったら
枕元のナースコール押してくださいね。
あっ はい。 分かりました。
(照明のスイッチを押す音)
(ドアの閉まる音)
あ~ 他に人がいなくてよかった。
同じ部屋に人がいると
眠れなくなるもん。
≪(物音)
あっ! あっ… あの
すみません 誰もいないと思って。
あっ あの 隣に入りました
久能 整といいます。
面白え名前だな。
俺は 牛田 悟郎だ。
その本…。
『自省録』
マルクス・アウレーリウスですね。
16代ローマ皇帝で 軍事よりも
学問を好んだといわれてる。
今どきの若い人は
こういうの読むのかい?
実は これ 入院してる女の子から
もらったんだ。
自分は丸暗記してるからって。
丸暗記!?
あれだね ローマ時代の皇帝の悩みも
俺たちと大して変わらねえな。
死についての話が多くて面白い。
「死は自然」
う~ん… なかなか
この境地には達せられんが。
僕は 「あたかも一万年も
生きるかのように行動するな」
というくだりが ドキっとして
肝に銘じようと思ってます。
人生は短いからな。
この病院でも毎日誰かが死んでる。
なあ ここ 出るらしいぞ。
幽霊ですか?
僕は見ないので。
フッ。 あの世とか信じねえか。
僕は死んだら
何もなくなるんだと思ってます。
眠るのと同じ感じで
ただ夢も見ないし二度と起きない。
何もかもなくなる。
つらいのも苦しいのも
恨みもなくなる。
ちょっと悔しいけど
そうだったらいいなぁと思うし
そうあってほしいです。
悔しいか。
なあ あんたの所に
見舞いに来た若いの刑事だろ?
えっ?
俺も そうだったから分かるんだよ。
え~っ!?
まあ 定年退職して久しいけどな。
そうだ。 面白かった事件の話でも
してやろうか?
いえ 結構です。
老人の繰り言に付き合え。
結構です。
いろんな事件があったわ。
詐欺事件 洗脳騒ぎ 連続殺人…。
だから 結構です。
あれは春だったか。
立て続けに
3人が殺される事件があった。
(牛田)場所も手口もばらばらで
被害者たちに共通項はなし。
目撃者も物証も
何もなかったから
それぞれ 別の事件だと
思われてたんだ。
ところが
4人目の殺しがあったとき
初めての物証が出た。
(鑑識)《牛田さん》
(牛田)現場に落ちていた
数本の髪の毛は
前科のある
Aという男のものだった。
(霜鳥)《この男
これまでに殺された被害者3人
全員とつながりがありました》
《しかも 3人が死んだことで
どのケースも利益を得ています》
《間違いない。
そいつが本ボシだ》
《やってない!
やってない やってない やってない》
(牛田)しかし Aは
「やってない」の一点張りだ。
(牛田)《なかなか 口 割んねえな。
しぶてえ野郎だ》
(牛田)そんな中
俺の相棒だけが首をひねってた。
《どうした?》
《あ… 3人の被害者とは
接点があるのに
最後の被害者だけ 毛髪以外
何のつながりも出てこない》
《それって変じゃないですか?》
(牛田)さて そこで問題です。
問題!?
実際 Aは無実だった。
この事件 どんな真相が
考えられると思うかな。
え~。
えーっと…。
Bという人物がいたとします。
ん? どっから出た? B。
Bには殺したい人間がいました。
でも 疑われたくはない。
そこで前科のあるAを見つけて
罪を なすり付けようと考えた。
まず Aにとって邪魔な人間を
3人選んで殺す。
そして 4人目に
B本人が殺したかった人物を殺し
Aの髪の毛を置く。
結果 Aが捕まる。
4人の殺人で。
というケースが考えられます。
つまんねえ。 そのとおりだ。
え~。
(牛田)本ボシBは
Aが通ってる店の美容師だった。
そこで偽装に使えそうな髪の毛を
集めたんだ。
じゃ 2問目。
えっ 2問目!?
久能君 どうだった?
(風呂光)あっ 元気そうでしたよ。
そっか。 あしたも行くの?
えっ 何でですか?
(池本)だって
まだ手続きしてないんだろ?
(風呂光)あっ そうですね。
(池本)どうせなら
花でも持ってってやれば?
見舞いに来る友達も
彼女もいないなんて
さみしいだろうからさ。
(風呂光)間に合ってると思います。
えっ?
(風呂光)お花 届いてましたから。
誰から?
(風呂光)えっ たぶん
彼女じゃないですか?
(池本)ええっ! あの久能君に!?
ないない ないない ないない…。
(風呂光)でも指輪も入ってましたし
絶対そうですよ。
マジ? 嘘だろ? えっ!?
いや 気になるわ。
ちょっと確認してきてよ。
い… 嫌ですよ。
(池本)何でよ。
本当に彼女なのか
お前だって気になるだろ?
(牛田)確か あれは寒い日だった。
あの
眠くなってきちゃったんですけど。
通り魔殺人があったんだよ。
(牛田)路上で女が刺され
その女の血を踏んだ靴跡があった。
何人か容疑者は挙がったが
凶器をはじめ
物証がまったく出ねえ。
ただ そのころ 現場近くで
空き巣が何件かあった。
わずかな金を
取られただけだったんで
誰も通り魔とは関連付けず
こっちには挙がってこなかった。
さて この場合 どんなケースが…。
それ! 僕 常々考えてるアイデアが
それですよ。
な… 何を考えてるって?
罪を犯した人は
凶器とか返り血のついた服とか
手袋とか 血を踏んだ靴とか
その処分が厄介なわけです。
だから 僕 考えたんですよ。
知らない人の家に こっそり入って
納戸やクローゼットの奥に
置いてくればいいのではないかと。
つまり その空き巣は
通り魔殺人の犯人が
証拠を隠すために行ったんです。
あんた 常々 そんなこと
考えてんのか!?
考えてるだけです。
まあ
でも そういうことだったんだ。
掃除とか ろくすっぽしねえ家が
狙われた。
ごみ屋敷で 空き巣に
気付いてねえ人もいたし
そもそも自分たちの持ち物を
把握してねえ人間も
結構いるんだわ。
でも たまたま
急きょ引っ越しする家があって
そこの奥さんが気付いた。
納戸の奥から
見覚えのない靴が出てきたんだ。
ただ それだけじゃ
警察に届け出たりしないわな。
もちろん付着してたはずの血は
洗ってあった。
でもな たまたま 俺の相棒が
地域の住民と密接に
コミュニケーションを取っていた。
《旦那の靴の中にね
見たことのないような靴が
出てきたのよ》
(牛田)それで情報が入ったんだ。
靴を調べてみたら
被害者の血液反応が出た。
そして
他の家から凶器も見つかった。
犯人の指紋までな。
俺の相棒はな
俺より ずっと若いけど
優秀な刑事だったんだ。
「だった」?
あの 僕 もう寝てもいいですか?
じゃ 次 3問目。
3問目!?
3問目もあるんですか!?
(西島)ねぇ 知ってた?
(吉田)ん?
シャンプーのとき
地肌を意外とゴシゴシしちゃってるって。
してないよ。
あ… 泡立てるときは?
ホントだ。
ほら!
だから 泡の「メリット」
泡?
(娘)泡?
泡!
<最初から泡なら 地肌と髪を
こすらず やさしい>
<コンディショナーも
泡で すっとなじんで ヌルつかないから…>
さっぱり~!
(2人)パパ ナイス!
えっ?
これからは最初から泡で洗おう。「メリット ザ マイルド」
(牛田)あれは20年ほど前の
未解決の事件だ。
売春をなりわいとしてる女たちが
次々と殺された。
容疑者は すぐに特定された。
♬~
(牛田)羽喰 玄斗。
ムショを
出たり入ったり繰り返してる
化け物みたいな男でな。
平成の切り裂きジャックと
呼ばれてた。
やつは証拠を残しまくる。
指紋も体液も足跡も。
凶器も そのままだ。
目撃者がいても気にしない。
俺たちは必死で羽喰を追ったが
なかなか やつを
捕まえることができなかった。
ある日 羽喰に狙われてるという
売春婦の女から
警察に保護してほしいという
連絡が来た。
俺たちは指定された時間と場所に
言われたとおり向かった。
(牛田)はずだったが…。
俺は遅れた。
10分遅れた。
《霜鳥》
《いないのか?》
≪(悲鳴)
《霜鳥!》
《えっ… 霜…》
(牛田)女は すでに死んでいた。
そして 霜鳥は 腹を2度刺され
腕にナイフが突き立ってた。
《おい! 霜鳥!》
(霜鳥)《羽喰…》
《羽喰…》
《くそ~!》
(牛田)俺は必死で羽喰を追った。
非常線を張り巡らせたが
やつは それを すり抜けた。
(警察官)《凶器のナイフから
羽喰 玄斗の指紋が
検出されました》
《霜鳥さんの指の爪に残っていた
皮膚片も
羽喰のもので間違いありません》
《牛田さん 霜鳥さんは…》
《腸の損傷が ひどくて
助かるかどうか分からない》
《左腕も動かなくなるだろうって》
(牛田)翌日
現場近くの山道の入り口に
羽喰の車が
乗り捨てられているのが
見つかった。
だが それっきり 羽喰は
消えた。
消えた?
外国へでも飛んだか
野垂れ死んだか
どっかで今も殺しを続けてるか。
相棒の方は?
あいつは… 霜鳥は
何とか一命を取り留めた。
(霜鳥)《僕 刑事を
辞めることにしました》
(霜鳥)
《そんな顔しないでください》
《実は 妻の実家が
警備会社をやっていて
以前から そこを継いでほしい
って言われてたんです》
《そうか》
《牛田さんのことは
どこへ行っても
ずっと忘れません》
《本当に
ありがとうございました》
牛田さん これは問題ですか?
俺が あのとき
時間に遅れなければ…。
どうして遅れたんですか?
ちょっと着替えに戻ったんだ。
ハハッ… バカだろう?
《牛田さん 臭いですよ》
《えっ? そうか?》
《もう~
これから女性に会うのに》
(牛田)泊まり込みで 2日間
着替えてなかったからな。
そしたら 部屋が
空き巣にやられてたんだよ。
その連絡と処理に
時間がかかってな。
慌てて部屋を出たんだが
間に合わなかったんだ。
あの すごく単純に考えて
思い付く1つのケースが
あるんですけど
それは検証されたんでしょうか?
1つのケース?
はい。
相棒の霜鳥さんが
犯人だった場合です。
それまでの犯人は
その羽喰という人だったかも
しれませんけど
最後のだけ
霜鳥さんだった可能性は?
あいつは死にかけたんだぞ!
その後もリハビリが大変で
退職にまで追い込まれて
どれだけ苦労したと思う。
あいつを疑う余地なんか
これっぽっちもあるわけないだろ!
驚かないんですね。
つまり
あなたは霜鳥さんを疑っていた。
さっきの問題ですが
1つ目は
罪を他人になすり付ける話。
2つ目は
空き巣を犯罪に利用する話。
それ この3つ目のヒントに
なってるんですよね?
羽喰の車が見つかったとき
最初に駆け付けたのは俺だった。
(牛田)シートの隙間に
見覚えのあるボールペンが落ちてた。
(牛田)霜鳥の物だと思った。
(警察官)《牛田さん…》
(牛田)俺は とっさに
隠しちまったんだよ。
そして こっそり調べた。
(牛田)最後の被害者と霜鳥は
関係があったんだ。
あいつの奥さんの実家の
警備会社は
退職警官の再就職口だ。
天下り先で
問題を起こすわけにはいかない。
つまり 絶対に
奥さんにバレちゃいけなかった。
(牛田)だから どうやったのか
羽喰を捜して
指紋と車を手に入れ
命を懸けて
大ばくちを打ったんだろう。
(刺す音)
(羽喰)うっ!
(牛田)誰にも言えなかった。
俺はね もうすぐ死ぬんだよ。
その前に この証拠と調べたメモを
どうするのか ずっと悩んできた。
いや いまさらボールペンは
何の証拠にもならねえ。
ただ 誰にも言わず
死んでいいのか。
怖いのは
相棒の罪が暴かれることですか?
それとも
霜鳥さんの罪をかばった
あなたの罪がバレることですか?
なかなか厳しいな 久能君。
そうだな。 結局 俺は
自分を守ってるだけかもな。
墓まで持っていくかもしれんな。
情けねえ。
自分の弱さに がく然とするわ。
チクショー。
刑事として負け 長い闘病生活の末
病気にも負ける。
あの 僕 ずっと
疑問に思ってました。
どうして「闘病」って言うんだろう。
「闘う」と言うから勝ち負けがつく。
例えば 有名人が亡くなったときに
報道では こう言います。
「病には勝てず」「病気に負けて」
「闘病の末 力尽きて」
どうして亡くなった人を
むち打つ言葉を
無神経に使うんだろう。
負けたから死ぬんですか?
勝とうとしたら勝てたのに
努力が足りず
負けたから死ぬんですか?
そんなことない。
僕なら そう言われたくない。
勝ち負けがあるとしたら
お医者さんとか医療ですよ。
その時点の医療が負けるんです。
患者本人が
あなたが負けるんじゃない。
フフフ…。
負けるのは医療か。
そうでしょ。 闘いじゃない。
治療なんですから。
あんたは若くて当事者じゃないから
まだ分からんかな。
病と闘うぞと思う気持ちも
大事なんだよ。
その気持ちが必要なときもある。
それでも 人は病に負けたから
死ぬんじゃないです。
僕は そう思う。
♬~
実は 証拠をどうするか
決めてたんだ。
ところが…。
♬~
《お久しぶりです》
(牛田)《みーんな
いなくなっちまったよ》
《親も きょうだいも女房も
友達も》
《あとは俺だけだ》
《結局 人間
最後は1人ってことだな》
(霜鳥)《牛田さん 僕に
治療費を肩代わりさせて
いただけませんか?》
《牛田さんのために
できる限りのことを
したいんです》
《フフフ…》
《何言ってんだよ。
情けはいらねえよ》
《いや でも…》
(牛田)《いいんだよ》
《余計な心配はすんな》
《フフフ…》
昔と変わらず
優しいやつなんだよな。
それで気が変わったんだ。
どう決めてて
どう変わったんですか?
この本 あげるよ。
えっ? 僕 持ってます。
あげるよ。 版が違うと
使えねえかもしれねえからな。
版?
ほれ。
≪(ノック)
≪(看護師)おはようございます。
久能さん ご気分いかがですか?
≪(ドアの開閉音)
おはようございます。
(看護師)すいませんね。
体温計 お願いします。
あっ…。
(看護師)よく眠れたみたいですね。
何度か のぞいたんですけど
ぐっすりで。
(あくび)
う~ん 珍しいです。
部屋に人がいると
普通 眠れなくなるので。
えっ 誰もいなかったでしょ。
いや だって 隣の牛田さんが…。
牛田さんは
昨日の朝 亡くなられましたよ。
長い間
入院されてたんですけどね。
お知り合いでした?
昨日の朝?
(牛田)
《なあ ここ 出るらしいぞ》
まさか…。
≪(ドアの開く音)
すいません
面会時間 まだなんですけど。
許可 もらっています。
(看護師)あっ そうですか。
分かりました。
(体温計の検温終了音)
(ドアの閉まる音)
牛田さんの元相棒の
霜鳥さんですか?
牛田さんが亡くなって
悲しいですか?
それとも
ほっとしましたか?
≪(ドアの開く音)
≪(警察官)はい ちょっと
すみません 警察です。
霜鳥 信次さん
22年前の事件のことで お話が。
牛田先輩から証拠のボールペンと
捜査メモが送られてきました。
ボールペンには
証拠能力はありませんが
調べてみたところ
あなたが お持ちの
箱根の別荘の花壇から
人骨が出てきたんです。
鑑定の結果 指名手配されていた
羽喰 玄斗のものだと
判明しました。
20年以上は埋まってたようです。
署の方で お話を。
ハァー…。
ハァ… ハァハァ…。
牛田さん…。
やっぱり知ってたんですね。
でも 今まで黙っててくれたのに
どうして?
あなたが見舞いに来てくれて
気が変わったそうですよ。
ということは それまでは
秘密を墓まで持っていこうと
決めてたってことです。
僕が裕福になっていて
腹を立てたか。
金を出すとか
面倒見るとか言って
プライドを傷つけたか。
怒らせたんですね。
違いますよ。
そういう申し出をされるのが
嫌な人間だということを
あなたが知らないか
忘れてるということが
悲しかったんじゃないでしょうか。
♬~
牛田さんは あなたのことを
今でも優しい人だと言ってました。
《優しいやつなんだよな》
(霜鳥)《牛田さんのことは
どこへ行っても
ずっと忘れません》
(霜鳥)《僕に
治療費を肩代わりさせて
いただけませんか?》
♬~
♬~
(警察官)さあ 行こう。
じっくり話を聞くんで。
♬~
(ドアの閉まる音)
「正気に返って自己を取りもどせ」
(牛田)《「自己を取りもどせ」》
そうしたんですね。
「暖かい」 漢字 間違ってる。
≪(風呂光)久能さん。
あっ 風呂光さん。
あっ…。
どうされたんですか?
(風呂光)あっ あの
昨日 受付 閉まってて
手続きできなかったので
今 終わりました。
ああ わざわざ すみません。
あっ いえ。
(池本)《ホントに彼女なのか
お前だって気になるだろ?》
クリスマス もうすぐですね。
はい。
久能さん 誰と過ごすんですか?
別に誰とも過ごしませんけど。
またまた
そんなことないでしょう。
あの花 誰からですか?
えっ?
《我路君!?》
(青砥)《犬堂 我路
もし連絡があったら知らせろ》
あっ あれは… そ… その…
し… 知らない人。
知らない人。
はい。 そう。 そうなんです。
差出人不明で届いて。
誰かの
いたずらじゃないかな。
いたずら。
僕も訳が分からなくて…。
ん!? こっちも?
(風呂光)でも…。
(風呂光)えっ?
字が間違ってるんです。
(風呂光)「しつがいき」の「しつ」
こっちも。
(風呂光)あっ 時間の「さんじ」
すごい間違え。
あっ…。
違う。
糸へんじゃなくて 手へん。
あっ こっちもだ。
「たいき」の「たい」は
この「対」じゃなくて「待」つ。
はっ 確か さっきも。
飲み物の「あたたかい」は
こっちじゃなくて…。
(風呂光)温室の「温」ですよね。
温室?
「暖かい」じゃなくて「温かい」
「質外機」じゃなくて
「室外機」が正しい。
「賛辞」じゃなくて「三時」
「紹かれ」じゃなくて「招かれ」
「対機」じゃなくて「待機」
えっ?
何かのメッセージですかね?
いや まさか 誰が…。
《「整君へ
また いつか会いたいな」》
温室なんてあるんですか?
あっ はい。
小さいのが中庭にありました。
(風呂光)
ちょうど3時になりますよ。
気になりますよね。
取りあえず 温室 行ってみましょう。
えっ!?
あっ 久能さん 早くしないと
3時になっちゃいますよ。
は… はい。
失礼しまーす。
失礼します。
あっ!
えっ!?
久能さん あれ!
(風呂光)何の数字だろう。
「51-7-16」 「102-1-38・39」
そうだ。
(シャッター音)
(風呂光)それって やっぱり
暗号ですよね?
たぶんそうだと思います。
う~ん…。
「51-7-16」
あのお花の人…。
えっ?
張り紙も数字も 同じ人の
いたずらなんじゃないですか?
久能さん 心当たりないですか?
例えば…。
久能さんに
片思いしてる女の子とか。
えっ?
大学の同級生とか
近所に住んでる人とか。
久能さんが入院したの聞き付けて
いい機会だと思って
アピールしてるのかも。
それはないと思います。
そうですか。
あれ…。
あっ… その本。
あっ これ?
はい。
あっ…。
これ 色々と
痛いところ突いてくるんですよ。
例えば…。
51。
51?
「51-7-16」
どうしたんですか?
51ページ…。
1 2 3 4 5 6 7。
7行目。
16文字目。
「夜」
夜?
(牛田)《版が違うと
使えねえかもしれねえからな》
「使う」って まさか…。
手伝いましょうか?
貸してください。 読み上げます。
「102-1-38・39」
「三時」
「49-10-32~35」
「もどって」
「15-7-22」
7-22。
「来」
「53-13-3~6」
「るがよい」
「夜」「三時」
「もどって」「来」「るがよい」
これ 久能さんに送ってますよね?
やっぱり…。
違います。 絶対に違います。
ただのいたずらです。
僕に送ってるわけじゃありません。
行くんですか?
行きません。
ですよね。
夜中に行くのは
危ないかもしれませんよ。
ですよね。 やめておきます。
はい…。
行くんですか?
行きません。
誰なの?
♬~
♬~
《「夜」「三時」
「もどって」「来」「るがよい」》
♬~
(風呂光)
すいません お願いします。
あれ? 誰もいない。
あの 僕
いつもはこんなことしません。
勝手に入ったりしませんので。
でも もしかしたら
我路君かもしれない。
♬~
♬~
≪(物音)
我路君?
我路君!?
あの あなたですか?
僕に間違い探しさせて
ここへ来させるようにしたのは…。
(女性)54-4-34。
34-2-23。 34-2-1。
54-8-5。 113-14-29~38。
えっと…。
「お」
「つ」
「か」
「れ」…。
「君は その目的を達した」
元刑事の牛田さんに
この本をあげたのは
あなたですか?
牛田さんは入院してる女の子から
もらったって。
その子は
自分は丸暗記してるからって。
あなたですか?
私は ライカ。
(ライカ)67-10-15・16。
63-12-18。
えっ ちょっ… ちょっと待って。
(ライカ)102-1-38・39。
3-12-37・38。
58-1-3・4。 58-1-6。
あっ! えっ あっ…。
「明日」「昼」「三時」
「この」「場所」「で」
ライカ?