スペシャルドラマ「津田梅子~お札になった留学生~」[解][字] …のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
スペシャルドラマ「津田梅子~お札になった留学生~」[解][字]
広瀬すずが新5000円札の顔になる!?6歳でアメリカに留学し、女子教育の道を切り拓いた津田梅子の青春を描くスペシャルドラマ!知られざるその生涯を豪華俳優陣と共に描く!
◇番組内容
明治15年、津田梅(広瀬すず)はアメリカ留学を終え帰国する。共に留学していた捨松(池田エライザ)や繁(佐久間由衣)と「身分や地位に関係なく、誰でも学べる英語学校を作ろう」と語り合う。しかし、働く場所すら見つからず、葛藤する日々。そんな中、梅に後の内閣総理大臣・伊藤博文(田中圭)の家で家庭教師として働くチャンスが来る!また、留学中に梅たちをサポートしていた森有礼(ディーン・フジオカ)が帰国し、再会を果たすが…?
◇出演者
広瀬すず、池田エライザ、佐久間由衣、ディーン・フジオカ、田中圭、内田有紀、伊藤英明、原田美枝子
◇脚本
橋部敦子
◇監督
藤田明二(テレビ朝日)
◇音楽
葉加瀬太郎
◇スタッフ
【エグゼクティブプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
◇おしらせ
☆番組HP
https://www.tv-asahi.co.jp/tsudaumeko/
☆Twitter
https://twitter.com/umeko2022
☆Instagram
https://www.instagram.com/umeko2022/ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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(一同)ぜひ ご覧ください。
(嵐の音)
(雷鳴)
(嵐の音)
〈嵐…〉
〈思えば 私の人生は
嵐のようでした〉
♬~
♬~
♬~
(津田 仙)梅ーっ!
(仙)おーい! 梅ーっ!
(仙)梅!
喜べ!
アメリカに行けるんだぞ。
アメリカ?
ああ!
女子で留学第一号だ!
第一号?
おう!
初! 初!
(津田 初)はい…! はい!
(仙)梅がアメリカに行くぞ。
えっ!?
ハハハハ…!
第一号だ! 第一号だ!
ハハハッ!
(息を吹き込む音)
(初)梅は まだ6歳です。
6歳の娘を 10年も
アメリカに行かせるなんて…。
しょうがねえだろ。
琴が行きたくねえって
言ってんだから。
(初)そりゃあ 琴は8歳ですから
嫌だって言えます。
でも 梅は まだ…。
(仙)お前は黙ってろ!
アメリカから帰ってきたら
開拓使女学校の教師の仕事が
約束されてる。
女でも大きな仕事ができるんだ!
梅のためになる。
(仙)初! ぬるい!
〈日本には 女性が質の高い教育を
受けられる学校が
まだ ありませんでした〉
〈優秀な男性を育てるには
母親たる女性にも
教養が必要だという
北海道開拓使の考えによって
明治政府は 女子留学生の派遣を
決めたのです〉
これはな お父さんが使ってた
英語の辞書だ。
これ 持っていきなさい。
はい。
(仙)梅。
お前がアメリカに留学するお金は
国が出してくれる。
10年で1万円だ。
一つの家族が
一生 暮らしていける大金だ。
この国の大きな期待を
背負っている事を忘れるな。
わかるな?
はい!
たくさん お勉強して
お国の役に立ちます!
(仙)立派だぞ 梅。
おいで。
よいしょ…!
カエルは
英語で なんていうのかな?
♬~
〈この5人の少女が
日本で最初の女子留学生でした〉
〈14歳の吉益亮と上田悌〉
〈11歳の山川捨松〉
〈9歳の永井繁〉
〈そして 一番幼かったのが
6歳の私 津田梅でした〉
(女性)ちょっと…
あんな小さな子までいるよ。
かわいそうに。
女の子を外国に出すなんて
まともな親のする事じゃないね。
(女性)血も涙もない…。
♬~
繁。
皇后陛下からのお言葉を
忘れたの?
私たちは
日本の女性の代表として勉強して
お国のために尽くすという
大きな役目があるの。
わかってるけど…。
♬~
お父さん…。
梅!!
♬~
〈23日間の船旅で
私たちは 船酔いや
アメリカ生活への不安で
食欲もなく
気分が沈みがちでした〉
(繁)味噌漬け?
(伊藤博文)みんなで 召し上がれ。
貴重な日本食を
よろしいんですか?
(一同)あっ…!
(かむ音)
おいしい!
みんなもどうぞ。
♬~
味噌漬けのおじさん
もう一つ 食べていいですか?
フフッ… 梅 伊藤様でしょ。
伊藤様
もう一つ 食べていいですか?
召し上がれ。
はい!
〈これが のちの内閣総理大臣
伊藤博文様との出会いでした〉
〈アメリカに到着した時
私は7歳になっていました〉
〈シカゴで洋服を買ってもらった
私たちが
ワシントンに向かうと
森有礼様が
出迎えてくださいました〉
あれ? もう一人は?
(森)ああ…。
えっ…。
君は いくつ?
7歳です。
7歳か…。
(教師の英語)
〈私たちは 最初
一緒に学びました〉
(英語)
(英語)
(英語)
(一同の英語)
♬~(ピアノ)
〈ピアノのレッスンでは
繁の上達が ずば抜けていました〉
♬~
森様って素敵よね。
えっ…!?
へえ~。 亮 森様の事…。
違うわよ!
なんの話?
亮 好きなんですって。
違うわ!
見つけた!
(亮・梅・繁)キャーッ!
♬~
(教師の英語)
(一同の英語)
亮 どうかしたの?
亮と悌が日本へ帰る事になった。
どうして…?
悌は みんなも知ってのとおり
塞ぎ込んで
部屋に閉じこもったままだ。
亮は 目の病気をしてしまって
日本で治療を受ける事になった。
亮がいなくなるなんて 嫌!
日本の女性の代表として来たのに
たった1年で帰る事になって…。
自分が情けなくて 嫌になる…。
本当に ごめんなさい…。
嫌だ!
帰る! 私も帰りたい!
(繁)みんなで帰ろう…。
(捨松)私は帰らない!
一人になっても
私は ここに残る!
私 本当は「咲」っていうの。
どういう事?
親は 私を捨てたつもりで
留学させた。
でも 帰りを待つって。
「捨てて待つ」…。
その時から
私の名前は「捨松」になった。
私には もう 帰る場所はない!
でも 必ず立派になって帰る。
その覚悟で ここに来たの!
♬~
(仙の声)女子で留学第一号だ!
この国の大きな期待を
背負っている事を忘れるな。
♬~
〈私と捨松と繁は
それぞれ
アメリカ人家庭に預けられ
私は ランマン夫妻に
育てられました〉
♬~
♬~
〈私と捨松は
11年間の留学を終えて
帰国しました〉
(汽笛)
〈繁は 1年前に
すでに帰国していました〉
うわあ~! マウントフジ!
〈この時 私は信じていました〉
〈開かれた人生の新しいページが
素晴らしいものであると〉
♬~
♬~
(繁)梅! 捨松!
繁!
アイ ホープ ソー!
(繁)ミー トゥー。
〈誰でも学べる
女子のための英語学校を作る〉
〈それが
私たちの夢となりました〉
(缶を開ける音)
プシュッ! プシュッ! プシュッ!
♬~
(ビールを注ぐ音)
<金麦ザ・ラガーーー!
ラガーー-!
ラガーー-!の 新>
(香川)おっ!
「パーフェクトサントリービール」?
(堺)です
パーフェクト!!!
糖質ゼロがホントにうまいか
想定内か さて
んー!!!
断然うまい!!
<新「パーフェクトサントリービール」誕生>
圧倒 的
(仙)梅…。
梅!!
(仙)おい 初! 初ーっ!
ああ…。
お父さん…?
こんなに大きくなって…。
見違えたよ。
洋服も よく似合ってる。
ああ…。
なんだ? あっ?
日本語 忘れちまったのか?
ハハハハ…。
♬~
すぐ慣れるよ。
おいで。
わあ…!
〈6歳から11年間
離れてしまっていた日本語は
すぐには戻ってきませんでした〉
♬~
梅…。
お母さん…?
おかえり。
♬~
お姉ちゃん…?
(初)そうよ。
♬~
(仙)梅。
(仙)ハハハハ…!
ハハハ…! お姉ちゃん
帰ってきたぞ ほら~!
お姉ちゃん 帰ってきたぞ!
うわっ お赤飯!
(津田ふき子)何? これ。
どうして お姉ちゃんだけ?
西洋式なのよ。
梅。
お前は 国のお金で
勉強… 留学 行った。
だから しっかりと
お役に立てるように頑張れ。
ドゥ ユア ジョブ
ドゥ ユア ベスト。
オーケー。 はい。
ただな
北海道開拓使が
解散してしまったんだ。
明日 文部省に あいさつ 行くぞ。
よし…。
はい…。
♬~
主に感謝します。 アーメン。
(一同)アーメン。
♬~
フフフ…。
フフッ…。
箸の使い方は覚えてるんだな。
(仙)無事に11年間の留学を終えて
帰国致しました。
(捨松)長い間 留学をさせて頂き
ありがとうございました。
ありがとうございました。
(福岡孝弟)ご苦労さん。
どうぞ。
ついに この2人が
日本の女子教育の
お役に立てる時が
やって参りました。
う~ん そうなんだけどね…。
女子留学を行った北海道開拓使は
解散してしまったしね。
ええ… ですから
こちらに伺ったんです。
そうは言っても
君たちを教師として
受け入れる予定だった女学校も
閉めてしまったしね。
彼女たちは どうなるんですか?
(福岡)
うちに押しつけられてもね…。
男子留学生は 帰国すれば
エリートの道が保証されています。
随分 はっきり ものを言うのは
アメリカ式なのかな?
でもね
女子にできる事はないから。
彼女たちが第一号になるために
留学したんです。
女子留学生の派遣が
話題作りのための
思いつきの政策じゃなければね。
(仙)思いつき…?
11年間 必死に勉強したんです。
その経験を生かせる仕事が
あったら 連絡しますから。
あ… 次の約束があるんで。
〈帰国早々
日本の女性の地位の低さに
驚きました〉
〈父が 西洋式の部屋を
用意してくれました〉
〈父は 英語を話せ
外国にも行った事があり
西洋の文化への
理解がありました〉
「朝夕は だいぶん涼しく」…。
(仙)梅。
ちょっといいか?
はい。
(仙)お待たせしました!
(男性)おお~ 待っておりました!
梅 こっち おいで。
娘の梅です。
おお~ あの噂の。 じゃあ…。
ああ いえいえ いえいえ…!
娘は西洋式なので
お酌はさせられません。
どうぞ。
ああ すみません。
ああ どうも どうも…。
おい 初!
(初)はい!
(仙)もらい物の軍鶏があったろう。
つゆにしてくれ。
少々 手間取りますが
お待ち頂けますか?
段取りが悪い!
私も手伝います…。
いや いいんだ いいんだ…。
梅は そんな事しなくていい。
急いで準備しますから…。
〈父の 母への態度は
全く西洋式ではなく
アメリカで見てきた
対等な夫婦関係との落差に
私は戸惑いました〉
(繁)日本は アメリカみたいに
洗練されてない。
そういう日本に慣れないと。
日本語も… 大変だし…。
(繁)私と捨松は大学が同じで
2人だけの時は 忘れないように
日本語で話すようにしてたからね。
(捨松)うん…。
でも 漢字は 私も難しい。
(ため息)
私たち 働ける場所
あるかどうか…。
う~ん…
私は 大学 行ってないし…。
それは関係ないわ。
そうよ。
梅も捨松も
男性と同じぐらい活躍できる
英語力があるんだから。
あっ あっ…。
ん?
繁に見せたかったの。
捨松の大学の… あの…
卒業スピーチ!
本当 素晴らしかった…!
新聞に載るなんて
なかなかないわよ!
(英語)
イギリスの 日本に対する
外交政策について語れるなんて
男性より優秀なくらいよ!
そう!
もう… 感動した!
(繁)あっ…。 森様は?
いらしてくださったの?
ううん。 森様はロンドンだから。
もし 森様が日本にいらしたら
力になってくださってたかも
しれない。
本当に 文部省には腹が立つわ。
国への恩返しになるような仕事に
一生を懸けるつもりで
帰国したのに。
結婚もしない覚悟よ。
えっ 結婚しないの?
えっ…? するつもりなの?
私 結婚が決まったわ。
結婚…?
ええ。
日本の結婚は…
男女が… 対等ではないわ。
女性は
男性の言いなりになるしかない。
だから 女子教育が必要。
そのために 国のお金で
留学させて頂いたんじゃないの?
わかってる。
じゃあ どうして結婚するの?
私たちは 学んできた事を
この国に広める使命があるのよ。
そう。
わかってるって。
わかってない!
私は 帰国して
地位のある方との縁談が
いくつかあったけど
全部 断った。
縁談…。
最後まで 私の話を聞いて。
結婚する相手は 瓜生外吉さんよ。
アメリカで会った…?
(繁)ええ。
彼も 国のお金で留学した。
だから
この国に尽くす使命感があるし
西洋の文化や考え方も共有できる。
それに 日本では ほとんどの人が
親の決めた相手と結婚するけど
私たちは
西洋じゃ当たり前の恋愛結婚よ。
それに… 結婚しても
音楽教師の仕事は続ける。
そうやって
新しい女性像を見せていくから。
わかった。
おめでとう。
♬~
〈私と捨松は
繁を心から祝福できたわけでは
ありませんでした〉
〈一緒に学校を作る夢が
少し遠くなったような
気がしました〉
♬~
(バズーカ発射音)ドン……バシャ!
(炭酸の音)シュワー
<「ジムビーム」ハイボール!>
(3人)あぃ!
ノンアルチューハイあるある!
(寺島)どっこい このノンアルレモンサワー
(光石・田口)うぃ
まさに!
(3人)レモンサワー!
<絶好調!!
サントリー「のんある晩酌レモンサワー」>
(3人)あるある~
(捨松)ふ~ん…。
フフ… フフッ…。
やっぱり
まだ 文部省から連絡がない。
あてにできないから
英語の家庭教師を始めたわ。
えっ 誰に教えてるの?
政府高官のご夫人方。
(繁)英語の家庭教師を雇うのは
上流階級ばかりよね。
誰でも学べる女子の学校は
まだ 日本じゃ
考えられない事なのかな…。
なんでもいいから
今できる事をやりましょう。
足を止めちゃ駄目よ。
そうね。
他にも考えてる事があるの。
みんなでやらない?
何?
英語演劇クラブ。
演劇!?
演劇を通して
西洋の考え方や文化を広めるの。
いい考えね。
でしょ?
私 日本とアメリカの落差に
我慢ならないって思ってたの。
それに 楽しそう!
ええ! ウフフ…。
とっても楽しそうだね。
(梅・繁)あっ…!
こんにちは。
お邪魔してます。
私たち
西洋の文化を広めるために
英語演劇クラブを作ろうって
話してたの。
それは意義のある事だね。
あなたも なさるわよね?
えっ?
男役も必要ですもの。
フフッ…。 喜んで。
(繁)わあ…!
(捨松・梅)ありがとうございます。
ほら。
(琴)はい。
はあ…。 まったく…。
梅の仕事 見つからないんですか?
(ため息)
仕事よりも
結婚相手を探したほうが
いいんじゃないですか?
今なら いいお話も
それなりにあるでしょうし。
(仙のため息)
梅は留学したんだ。
立派な仕事ができる。
初! 風呂だ 風呂!
はい!
♬~
ごきげんよう。
(神田乃武)ご無沙汰でございます。
ごきげんよう。
(繁)あっ 神田さんがいらしたわ。
ありがとう。
神田さん ご紹介します。
私の留学仲間の
山川捨松さんと津田梅さんよ。
こちらは
帝国大学英語教授の神田乃武さん。
神田さんの英語は日本一だって
評判なのよ。
はじめまして。
はじめまして。
神田さんの次に英語がうまいのは
きっと 梅ね。
はじめまして。
はじめまして。
皆さん
英語演劇クラブにご参加頂き
ありがとうございます。
この活動を通して
ささやかであっても
日本に 西洋の風を
吹き込みたいと思っています。
(繁)ねえ 神田さん どうだった?
(捨松)どうって?
(繁)捨松とお似合いだと思って。
(捨松)何を言ってるの?
(繁)梅も そう思ったでしょ?
えっ…? ええ。
神田さんも 捨松の事
お気に召してたみたいだし。
言ったでしょ?
私たちにとって重要なのは
結婚じゃなくて
女子のための学校を作る事だって。
ねえ? 梅。
もちろん。
神田さんは 女性が仕事をする事に
理解があると思うし
それに…。
繁!
〈結局 文部省から
仕事の話がくる事はなく
父のつてで
宣教師が作った学校で
教師として
働ける事になりました〉
(英語)
〈自分で働いて お金を得る
初めての体験です〉
〈一つのクラスの中で
生徒たちの学力の違いに合わせて
教える事は 大変でした〉
「どこから」は「from」。
「どのくらいの時間」は
「How long」。
(英語)
(英語)
(神田)ご苦労さん。
(瓜生)ここのカステラ
なかなか手に入りづらいですよね。
(神田)そうなんです。
知り合いに頼んでおいたんです。
皆さん おいしいカステラが
手に入ったので
召し上がってください。
(繁)あっ…!
ありがとうございます。
どうぞ。 どうぞ。
ありがとうございます。
どうぞ。
(捨松)ありがとうございます。
(神田の声)「親愛なる山川捨松様」
「初めてお会いしたその日から
心惹かれていました」
「あなたの美しさ 強さに」
「お会いするたびに
私はその強さの奥に
何があるのかを知りたくて
触れたくてたまらなくなりました」
「でも あなたは それを
誰にも触れさせないでしょう」
「だからこそ 美しいのです」
♬~
ただ今 戻りました。
(初)おかえり。
(琴)おかえり。
どうかした?
お給料 頂いた。
15円よね?
そんなに頂けるなんて すごいわ。
外国人教師は50円以上もらってる。
私は
お給料から人力車代を引いたら
10円しか残らない。
(初)10円だって
十分 贅沢じゃないの。
そういう事じゃないの。
同じ仕事をしているのに
差があるなんておかしいって
言ってるの。
元々 仕事の内容に比べて
低いお給料だと思ってたけど
まあ 宣教師の学校だから
仕方がないし
仕事ができるだけで
ありがたかった。
でも 外国人教師が
50円ももらえるほど
生徒の面倒を見てるとは
思えないし…。
明日 学長と話すわ。
それは やめなさい。
えっ?
(琴)そんな事して
相手が気を悪くしたら
どうするの?
おかしい…。
自分の思ってる事を伝えるのが
いけない事みたいじゃない。
仕事を頂いてきてくださった
お父さんの顔を
潰す事になるかもしれないのよ。
わかった?
わからない。
(初)梅…。
私は どんな相手でも
自分の考えをしっかり言うように
育てられたのよ。
ありがとう。
そもそも 教育は慈善事業ですから
報酬の事をおっしゃられても…。
私は
どうして同じ仕事をしているのに
お給料に大きな差があるのかが
疑問なんです。
それに 生徒たちの寄宿舎や食事は
貧しいのに
外国人教師の家や生活が
贅沢な事も 疑問に思います。
♬~
私 もう一度 文部省に行って
仕事をさせてもらえないか
話しに行こうと思ってる。
文部省から 仕事の話 あったわ。
東京女子師範学校で
生物と生理学を教えないかって。
でも 断った。
えっ!?
どうして?
私には 話すら来てないのに!
やっぱり 大学には行ってないし…
日本語の事もあるけど…。
そういう事じゃないの。
えっ?
採用は2週間後。
それまでに
日本語の教科書を完璧に扱えて
黒板に
日本語で字が書けないといけない。
たったの2週間じゃ…。
私 何度も
文部省に話をしに行ってたの。
でも 私に仕事をさせる気はない。
これで 留学前の約束を
果たした事にするつもりよ。
どうして
仕事をさせてもらえないの?
なんの役にも立たないまま
時間だけが過ぎていく…。
ねえ 捨松。
神田さん いいと思う。
えっ?
(繁)神田さん見てると 本当に
捨松の事が好きなんだなって思う。
捨松も
神田さんの事が好きなんでしょ?
何が言いたいの?
(繁)この国は 結婚してない女性を
一人前として扱おうとしない。
捨松だって わかってるでしょ?
(捨松)だから
それを変えたいんじゃない!
(繁)だから 結婚してない女は
何もできないの!
どうして 繁まで決めつけるの!?
ここは日本だからよ!
♬~
なんのために留学したの?
どうして
国は 私たちを留学させたの?
どうして… 11年も勉強したの?
♬~
おかえりなさい。
♬~
あっ 梅。 客人だ。
梅… わかる?
亮…?
(亮)日本の女性の代表として
来たのに
たった1年で帰る事になって…。
嫌だ!
亮…!
(仙)それじゃあ ごゆっくり。
ありがとうございます。
元気だった?
えっ…?
たった…
たった1年で帰国した私は
梅に会っちゃいけないって
ずっと思ってた。
♬~
今は 英語の家庭教師をしながら
女子向けの英語塾の
準備をしてるの。
英語塾!? すごいわね…!
私一人でやるから
本当に小さな塾よ。
生徒も5~6人だし。
でも 自分の塾なんでしょう?
資金は どうやって集めたの?
父の援助よ。
私は結婚してないし…。
女性一人じゃ何もできないもの。
結婚の事 考える?
フフ… もう 誰も
結婚相手として見てくれないわ。
留学が決まった14歳の時
10年の留学期間を終えたら
もう 結婚できる年じゃ
なくなってるって わかってた。
だから いいのよ 結婚は。
亮が元気でよかった。
亮と一緒に帰国した悌は
元気なの?
結婚したけど
国の期待に応えられなかった
負い目があって
家に ずっと こもってるわ。
梅は?
仕事がなかなか見つからなくて
やっと見つけた教師の仕事は
考え方が合わなくて辞めた。
そう…。
繁は結婚して 音楽を教えてる。
捨松は 私と一緒。
結婚をしないで
国のために仕事をしたいのに
仕事がないの。
繁と捨松にも会いたいなあ…。
みんな 喜ぶわ。
(繁)亮 よかったわね…!
楽しみだわ。
ありがとう。
ねえ 私たちも
最初から 大きな学校じゃなくて
小さな塾から始めてみる
っていうのは?
実はね
私たち3人にも夢があるの。
誰でも学べる
女子のための英語学校よ。
そうなのね!
(繁)うん。
英語を教えるだけじゃなくて
身分や性別 関係なく
みんなが 自分の考えを
はっきりと言う事の
大切さを教えるの。
塾の評判が良くて
全国から女性が集まってくるわ!
山川女子英語学校に。
ピアノのレベルも高くて
全国から才能が集まってくる。
山川校長 一言 お願いします。
山川校長! どうぞ。
私 結婚する事になった。
ああ…!
えっ?
結婚って?
神田さんでしょ?
あっ 神田さんっていうのはね…。
(捨松)違うわ。 神田さんじゃない。
じゃあ 誰と結婚するの?
大山巌さん。
(繁)陸軍卿の大山様?
(捨松)そう。
(繁)立派な方だけど…。
えっ?
あの方 おいくつ?
父親みたいよね?
17上よ。
半年以上前に奥様を亡くされて
3人の娘さんがいらっしゃる。
奥様が亡くなって
1年も経ってないのに再婚か…。
やめて 捨松。
あの方は
子供たちの母親が欲しいだけよ。
(繁)ちょっと…。
捨松は教養があるから
いい教育係になる。
美しくてダンスもできる。
鹿鳴館に連れていけば
華やかで目立つ。
もう 決めたの。
学校を作るんじゃなかったの?
お金がなければ
何もできないじゃない。
だから お金のある人と結婚?
好きでもない…
おなかの出てる中年と?
あっ 本当は 学校なんて
作る気なかったんでしょ。
それだけ地位のある人の
妻になったら
教師なんて
やらせてもらえないじゃない。
校長がいなかったら
学校なんて できないわ。
梅がやればいい。
えっ?
梅が校長になればいい。
私は 捨松みたいに
大学を出てない。
関係ない。
無責任な事 言わないで!
捨松が結婚するなんて
思いもしなかった。
捨松だって 繁の結婚の事
良く思ってなかったじゃないの。
(繁)えっ…。
私たちの夢じゃなかったの?
私一人に押しつけるの?
帰る。
梅!
私が結婚しても
私たちの夢は変わらないから。
♬~
♬~
お待たせしました。
おしるこです。
♬~
(すすり泣き)
♬~
(テントウムシの羽音)
郵便です。
あっ はい。
ご苦労さまです。
森様?
(森の声)「津田梅様」
「いかがお過ごしですか?」
「帰国後に約束されていた
開拓使の仕事がなくなったこと
文部省の状況などは
私の耳にも入っており
憤りを感じています」
「ここロンドンでは
女性の地位向上について
女性達が
活発に声を上げています」
「日本も必ず
変化していくと思います」
「今 私は文部省へ移ることを
考えています」
「一緒に日本の女子教育を
変えていかないか?」
「いつも
梅の活躍と幸せを祈っています」
「近いうちに必ず会おう。
森有礼」
森様…。
♬~
津田梅と申します。
アメリカに
11年間 留学していました。
もしかして 開拓使の女子留学生?
はい。 何かお役に立てる事は
ないでしょうか?
うーん… 男性なら
いい話があるんだがね…。
そうですか。
♬~
失礼致します。 津田梅と申します。
♬~
(ため息)
元気でしたか?
あっ… 神田さん。
梅さんに会えるような気がして。
実は
梅さんに話したい事があって。
私に話?
はい。 結婚の話です。
結婚なさるんですか?
梅さん 私と結婚しませんか?
ハハッ…!
神田さん そういう冗談を
おっしゃる方だったんですね。
結婚の事 考えてみてください。
神田さん
捨松の事がお好きだったんじゃ
ないんですか?
交際を断られました。
捨松さん 言ってました。
国費留学生として
どんな形であっても 国の役に
立たなければいけないって。
本当は 仕事で
恩返しができたらいいけど
現実的に できる状況じゃない。
結婚をするなら
国のためになる結婚じゃないと
いけないって。
(神田)大義名分は わかりますが
やはり 女性にできる事は
限られています。
それよりも 私たちは
お互いを思い合っていたので
その気持ちを大切にするべきだと
言ったんです。
でも 捨松さんは 全く
考えを曲げようとしませんでした。
まさか あんなに
頑なな女性だったとは…。
残念です。
(神田)でも 梅さんなら…。
論外です。
(神田)えっ…?
女性に従順を求める日本の男性に
興味はありません。
結局 ただの西洋かぶれの
日本男性だったんですね。
(神田)西洋かぶれは
あなたなんじゃないですか?
ここは日本です!
女性らしくあるべきです。
残念です。
私 やっぱり
結婚なんてしてられない…。
私 日本の女性のための学校を
作ってみせます!
(拍手)
久しぶりですね 津田梅さん。
見違えましたよ。
えっ?
伊藤博文です。
召し上がれ。
あっ! 味噌漬けのおじさん?
〈伊藤様は 女子教育に
力を入れようとされていました〉
(伊藤)お呼び立てして
申し訳ありません。
(仙)とんでもない事でございます。
こちら 桃夭女塾を創立なさった
下田歌子先生。
下田でございます。
上流階級のご婦人が
教養を身につけるための
素晴らしい塾だと
お伺いしております。
私は いずれ
皇族や華族の方々のための
しっかりした華族女学校を
作るつもりです。
そこに
下田先生を教授として迎えます。
もし 華族女学校ができたら
梅さんにも
英語を教えてもらいたいのです。
(仙)大変 光栄に思っております。
しっかりとお役に立てるように
努めます。
期待しております。
ありがとうございます!
それで その…
華族女学校ができるのは
いつ頃でございますか?
それが… まだ先の話なんです。
そうですか…。
それまでの繋ぎといっては
なんですが
梅さんに頼みたい仕事があります。
お父さん
伊藤様 なんのお話でした?
(仙)んっ?
私 仕事がしたいんです。
いや… 別の話だ。 うん。
(仙)梅なら
必ず いい仕事が見つかる。
おい 初! 初!
風呂だ 風呂! 初!
♬~(オルガン)
テンポ保って。
♬~(オルガン)
ワン ツー スリー。
♬~(オルガン)
丁寧に。
♬~(オルガン)
左手 滑らかに。
♬~(オルガン)
そう 丁寧に。
♬~(オルガン)
うっ…!
先生!?
生まれる…!
生まれる…!
(車夫)はい どいた!
(男性)おおっ…!
繁!
うっ… 安産だったわ。
よかったあ…。
ああ…!
うわあ~!
(捨松)繁!
(繁)捨松も来てくれたなんて。
(繁)フフッ…。 何? その格好。
あっ…。
ドレスの仮縫いしてたから…。
(繁)ハハハ…。
すごくかわいい女の子よ。
うわあ…!
ああ~ かわいい…!
(繁)私と外吉さんの子ですもの。
(繁)あっ 素敵! 婚約指輪?
ええ。
捨松。
ご結婚 おめでとう。
ありがとう。
結婚式の準備は順調なの?
毎日 目まぐるしくて…。
そりゃあ
陸軍卿夫人になるんだもの。
話してなかったんだけど
私 結婚する前
大山と何回かデートしてたのよ。
(繁・梅)デート!?
フフフッ…。
表では堂々としてるけど
案外 不器用なところがある。
ひゃあ~…。
フフフッ…。
巌って呼ぶと
呼ぶ度 照れるの。
(繁・梅)巌~!
巌は もう 捨松の事が
かわいくて仕方ないのね。
梅は どうしてるの?
伊藤様のお宅に通ってる?
(繁)お父様から聞いてないの?
本当は なんのお話でした?
お父さん。
(ため息)
もうすぐ
鹿鳴館がオープンするだろう。
それに向けて
伊藤様の奥様とご令嬢に
西洋の作法と英語を
教えてほしいと頼まれた。
報酬は?
うん… 25円。
やります。 報酬に見合った…
いえ それ以上に
精いっぱいやります。
なんだ…。
前の仕事 お前…
俺になんの相談もなしに
辞めたじゃねえか すぐに。
理由があっての事ですし
私が決める事です。
今回は駄目だ! 住み込みだから。
何がいけないの?
そんなもん決まってんだろ。
伊藤様と男女の間違いがあっては
ならない!
間違い?
あのな…。
お前は知らないだけなんだよ!
ああ?
いいか?
家のあるじが 住み込みの者に
手を付けるなんて話
いくらでもあるんだよ!
なあ 初!
(初)そうよ 梅。
私は 教育のために
伊藤家に行くんです。
あり得ません。
(仙)お前が そのつもりでも
伊藤様は男なんだよ!
もし仮に
そのような事があったとしても
拒否すればいいだけの事です。
伊藤様は
とても地位のある お方なのよ。
関係ないわ。
そういうわけにはいかないでしょ。
そんなの おかしい。
あのね 住み込みっていうだけで
伊藤様との仲を勘繰られるの。
縁談に差し障るわ。
だから おかしい。
アメリカでは
住み込みの家庭教師に
そんな目で見る人はいなかった。
(仙)お前は 俺の言う事を
聞いていればいい!
(仙)たまには 俺の言う事を聞け!
私 一生 結婚しないから。
初! なんとかしろ!
結婚しないって どういう事?
結婚はするものでしょう?
結婚しないで
どうやって生きていくの?
留学なんかしなければよかった!
(梅の声)そうすれば
日本の考え方に いちいち
おかしいって思う事もなかった。
理解できない日本の風習に
いら立つ事もなかった。
友達の結婚に傷つく事もなかった。
男性が女性を雑に扱っても
当たり前って思えたし
夫の言いなりになってる妻を見て
かわいそうだって思う事も
なかった。
国のために役に立てない自分を
責める事もなかった…。
これが…
どれだけつらい事か わかる?
わからないわよね
お父さんとお母さんには。
♬~
♬~
いつでも… 帰っておいで。
♬~
〈私は 住み込みで
伊藤家の家庭教師をすると
決めたのです〉
歩く時は 草履を履いた時みたいに
つま先からは歩きません。
背筋を伸ばして かかとから静かに
足をスッと前に出します。
そう! きれいです。
(梅子)フフッ…。
ああっ…! ハハハ…。
今日は もう
終わりにしましょうか。
(梅子)ええ。
(伊藤生子)おやすみなさい。
おやすみなさい。
おやすみなさい。
伊藤様
いつも お帰りが遅いんですね。
ええ。
帰ってこない時もあるのよ。
やはり 国を背負って立つお方は
お忙しいんですね。
ええ いろいろとね。
(ドアの開く音)
ただいま。
おかえりなさいませ。
(梅子)今日はお早いこと。
お食事は?
済ませた。
(梅子)そう。
梅さん 家内と娘の英語の様子は
どうですか?
はい。 奥様もお嬢様も 熱心に
取り組んでいらっしゃいます。
そうですか。
ああ そうだ…。
梅さん あとで
私の書斎に来てください。
はい。
♬~
(仙)いいか?
家のあるじが 住み込みの者に
手を付けるなんて話
いくらでもあるんだよ!
♬~
(ノック)
梅です。
(伊藤)どうぞ。
♬~
気になる本があったら
読んでください。
ありがとうございます。
梅さんに意見を伺いたくてね。
意見?
日本を良くするためには
どうしたらいいと思いますか?
日本の男性と女性は
対等ではありません。
本当は女性にも 学ぶ力
自分の手でお金を稼ぐ力が
あるはずだと思います。
ほう。
女性も仕事を持って自立すれば
男性と同じ立場で
意見を言う事ができます。
それは本当の意味で
男性の協力者になる
という事だと思います。
女性たちは
自分たちの可能性に目覚め
行動できるようになる教育が
必要だと思います。
私は そういう教育で
国へ恩返ししていきたいのです。
(芸者)もう 伊藤様~。
(伊藤)飲んだね~。 ハハハ…。
(芸者)とても楽しかったです。
(伊藤)本当?
(芸者)また来てくださいね。
(伊藤)行くよ~。
(梅子)主人がお世話になりました。
お車代でございます。
(伊藤)ハハ… アハハ…。
(芸者)またね。
(伊藤)
えっ 帰っちゃうの? 嫌だ~!
なんで帰るの~…。
〈明治16年
国際的な社交場として建てられた
鹿鳴館が開館しました〉
♬~(演奏)
♬~
♬~
(繁)梅。
繁!
(繁)はあ… 見てられない。
これじゃあ 猿まねね。
サルマネ?
うわべだけをまねる事。
猿まね。
(繁)猿まね。
あっ 捨松!
さすがね。
私たちも踊りましょう。
♬~
〈私は
下田歌子先生の桃夭女塾でも
教える事になりました〉
お茶は 西洋では
すすって飲んではいけません。
茶器の扱いも同様に
音を立てずに飲む事が
美しいとされています。
皆さんも練習してみましょう。
下田歌子先生は 旦那様を亡くして
自分で塾を創立した
自立した女性よ。 尊敬してる。
でも 先生の塾は 女性が
自分の考えをしっかり話す事を
教えたりしないの。
どうして?
求められてないから。
お稽古事として
西洋の表面的なマナーや
化粧や髪形を習えばいいって。
よく やってられるわね。
辞めたら
いずれ開校する華族女学校に
呼ばれなくなるかもしれない。
せっかくのチャンスだからね。
実はね 捨松にも
大きなチャンスがきたのよ。
えっ どんな?
まだ 公にはできないけど
大山様のヨーロッパ視察が
決まって
捨松も同行する話が
内々で進んでる。
えっ ヨーロッパ?
捨松は 1年間 ヨーロッパで
いろんな事を学んできて
それを日本の皇室に生かすそうよ。
(梅の声)すごい!
やっぱり 捨松はすごいわ。
(繁の声)ねえ。
〈しかし 捨松は
ヨーロッパ視察に
同行しませんでした〉
(夫人)大山様が外遊されて
時間を持て余されてるのでは?
いいえ。 留守の間も
いろいろなお役目を頂き
時間が足りないくらいです。
(英語)
(英語)
(英語)
捨松? どうかした?
(繁)顔色 悪いわよ。
(捨松)なんでもない。
ちょっと疲れただけ。
(繁)大山様がいらっしゃらなくて
大変ね。
てっきり 同行するものと
思ってたから。
(捨松)その話は断ったの。
どうして?
(捨松)私は 今ここでやるべき事を
やるだけよ。
ヨーロッパに行けば
捨松のやりたい事
できたんじゃないの?
国に役立つ仕事が
できたんじゃないの?
行かないって決めたのは
私だから。
こんな所で
西洋の猿まねしてる日本人や
それを見てる外国人の相手を
するために?
大山様に
家を守れって言われたから
ヨーロッパ 行かなかったの?
前の奥様との子供の教育を
頼まれたから?
こんな大きなチャンス
私の知ってる捨松なら
断るはずがない。
何やってるの!?
妊娠したの。
愛する人の子よ。
♬~
(捨松)戻るわ。
(繁)無理しないでね。
(捨松)
生まれるまで仕事してた人に
言われたくないわ。
♬~
森様よ!
日本に戻られたのね。
♬~(演奏)
(拍手)
(森)やあ。
(森 常)
もしかして 留学生の皆さん?
(森)ああ。 妻の常だ。
(常)はじめまして。
(3人)はじめまして。
開拓使解散の件は
すまなかった。
それは
森様の責任ではないですから。
私は文部省に移る事になった。
大切なのは 女性の意識改革です。
女性を低く見ているのは
男性だけではありません。
女性自身が
男性よりも劣っていると
思い込んでいるんです。
西洋式のマナーや化粧を
教えたところで
意識は何も変わりません。
いずれ開校する華族女学校に
期待しています。
これからは 必ず 梅の力になる。
フフッ… ありがとうございます。
お話しできて 心強いです。
留学中も 森様がいてくださって
どれだけ心強かったか。
そばにいた日本人は
私だけだったからな。
森様だからです。
森様がいてくださった事で
みんな
安心感に包まれていました。
初めて梅と会った時の事を
今でも はっきり覚えている。
(森)君は いくつ?
7歳です。
まだ 自分の意思などないのに
留学というレールに
のせてしまった。
留学は
本当に素晴らしい体験でした。
だからこそ 私は
国のお金で留学させて頂いたのに
なんのお役にも立ててない事が
とてもつらいのです。
早く恩返しがしたいです。
恩返しか…。
一体 誰に?
えっ…?
〈国に決まっている〉
〈その時は そう思いました〉
いよいよ 華族女学校開校に向けて
動き出しますよ。
そうなんですね。
(伊藤)設立の準備委員には
下田歌子先生の他に
大山夫人に
引き受けてもらいました。
捨松が?
(伊藤)資金については
皇族 華族の女子に
ふさわしい教育が受けられるよう
十分な準備があります。
(捨松)すでに塾を創立なさった
経験者である
下田先生がいらっしゃって
心強いです。
(歌子)私だって心強いわ。
捨松さんは
アメリカの大学卒業の学位を持つ
日本で唯一の女性だから。
それに 大山陸軍卿の夫人として
知名度も影響力も大きい。
社交界の華といわれる
華やかさもあります。
私は地味だから。
(伊藤)いやいや… そんな。
皆さん 素晴らしいわね。
私には そんな能力がないから。
(捨松)実は
お誘いしたい事があるんです。
私に?
(捨松)はい。
今 バザーの準備をしてるんです。
バザー?
日本では
慈善バザーが開かれた事は
まだ ありません。
誰もやってない事をやるのね。
売り上げは 看護婦養成所を
作るための資金として
病院に寄付をします。
看護婦養成所ですか。
日本の病院の看護人に
男性が多い事には驚きました。
外国では 女性の病人には
女性の看護人がついていました。
なるほど。
それで バザーって何かしら?
〈その頃 日本では
人のために働いて お金を集めて
寄付をするという考え方は
ありませんでした〉
そろそろ お茶にしましょうか。
♬~
〈そして 商人ではない
上流階級の夫人や令嬢が
物を売るという事は
あり得ない事でした〉
〈話題性もあり
大盛況となりました〉
(梅子)疲れましたね。
でも 楽しかったです。
はい。
皆さん ありがとうございます。
売り上げは7865円となりました。
な… 7865!?
はい。
これは
看護婦養成のための資金として
病院に全額寄付致します。
(梅子)この活動が
女性たちの活躍に
繋がるかもしれないって事ね?
はい。
(拍手)
捨松 前 言ってた。
捨松が結婚しても
私たちの夢は変わらないって。
私が結婚しても
私たちの夢は変わらないから。
その意味が
少し わかった気がする。
何よ 急に。
♬~
びっくりするかしら。
すごく喜ぶと思う。
(捨松)あっ! ここ?
〈ついに 亮が夢を叶えました〉
(生徒たちの英語)
(亮の英語)
(生徒たちの英語)
(亮の英語)
(生徒たちの英語)
これが何冊か増えると…。
(英語)
(生徒たちの英語)
亮 おめでとう。
(捨松・梅)おめでとう。
(亮)ありがとう。
みんなに祝ってもらえるなんて
本当に嬉しい。
亮が夢を叶えてくれて
私たちも嬉しい。
私も みんなの活躍が嬉しい。
私は 西洋の考え方は
教えられないから。
女子のための教育をしたい
っていう思いは同じよ。
そうよ。
立派な授業だった。
やっと…
やっと スタートできた。
(亮の笑い声)
〈母の具合が急に悪くなり
私は 伊藤家を辞し
すぐに家に戻りました〉
お母さん。
悪いわね…。
おう。 おかえり。
ただいま。
娘が大変お世話になり
ありがとうございました。
梅さんが6歳の時に
初めてお会いしました。
立派な女性に成長されました。
そう おっしゃって頂けると
救われます。
6歳で留学させたのが
よかったのかどうか
ずっと
心に引っかかっておりました。
(伊藤)津田さんは
誰もやった事がない事を
実践されてきたんですよね。
日本で西洋野菜を作った。
日本に並木を植えた。
娘さんを6歳で留学させた。
自分のために…
いや 自分の見えのために
留学させたのです。
(仙の声)妻だって
手元に置いて育てたかったに
違いないんです。
♬~
親の思いはさておき
梅さんは どんな体験も
自分の未来に繋げていく力のある
お嬢さん。
私には そう見えますがね。
♬~
〈それから まもなくして
内閣制度が発足し
伊藤様は初代内閣総理大臣に
森様は
初代文部大臣になられました〉
〈そして ついに
華族女学校が開校しました〉
〈アメリカで学んだ事を
日本の女子教育に
ようやく生かせる時がきた〉
〈そう思いました〉
(英語)
(山下絹の英語)
(たたく音)
もっと大きな声で!
(絹の英語)
(たたく音)
(絹の英語)
何を
恥ずかしがっているんですか?
(英語)
(大沼鶴の英語)
(英語)
できるまで何度も繰り返すと
言ったでしょう?
(英語)
あなたたちは なんのために
学びに来てるんですか?
なんの考えもなく
ぼんやりと
ここに来てるのですか?
野田さん。
正解などありません。
自分の頭で考えた事を
言葉にするのです。
坂口さん。
(教壇をたたく音)
森山さん。
みんな のんびりしすぎで
これじゃ いつまで経っても
進歩しません。
それでいいのよ。
ここで厳しさは必要ない。
えっ?
今のまま
のんびり暮らしていけばいいと
思ってる お嬢様たちなの。
じゃあ なんのために
ここに来てるんですか?
縁談を有利にするため。
この学校を卒業すれば
箔が付くから。
フッ そんな…。
私は
自分の手で稼げる事ができる
自立した女性を育てたいのです。
それが私の考える女子教育です。
ここでいう女子教育とは
良妻賢母を育成する事。
それが大前提の教育なのよ。
〈根本は何も変わらない〉
〈結婚していない女性が
生きていくのは
難しいままだと感じました〉
〈私たち3人の夢は
さらに遠くなったのです〉
♬~
お父さん 亮の家に行ってくる。
場所を教えて。
亮の塾が閉じてしまっていて
心配なの。
なんか知ってるの?
1週間前に
コレラで亡くなったそうだ。
えっ…?
俺も つい最近 知らされた。
コレラだから
家族だけで ひっそりと。
♬~
(英語)
(生徒たちの英語)
(亮の英語)
(生徒たちの英語)
(亮)これが何冊か増えると…。
(英語)
(亮の声)
たった1年で帰国した私は
梅に会っちゃいけないって
ずっと思ってた。
(亮の声)
私も みんなの活躍が嬉しい。
やっと…
やっと スタートできた。
♬~
(鶴の英語)
(英語)
♬~
(たたく音)
(英語)
〈私は 自分が望む教育から
ますます
遠ざかっていきました〉
(英語)
(産婦)ヒッ ヒッ フー
≪(赤ちゃんの産声)おぎゃ~!
(息子)うぅ…
(父)悔しいか?
(息子)うん 次 絶対勝つ。
(友人)あっ あれ 広井君じゃない?
(女子高生)ふぅ~
(就活生)ふぅー
(ナレーター)くらしの大事な 瞬間 瞬間に
呼吸は心と体に 前へと進む力を与えてくれる。
(娘)…
(父)ふぅ…
その空気を守るために。
「ナノイーX」の技術も進化し続ける。
水に包まれた小さなイオンで
家に 街に 清潔な空気を。
♬~ くらし 清潔 「ナノイーX」
人が生きる
さまざまな空間を
守っていく。
日本の女性の意識を
教育で変えようなんて
甘かったという事でしょうか。
日本の女性は
男性よりも劣るという大前提は
なかなか変わらない。
女性の地位向上を果たすには
思った以上に
時間と知恵が必要なのだと思う。
日本の女性を見ていると
息苦しくなります。
女性たちは恐れています。
控えめで
しとやかに振る舞わないと
男性に選ばれないのではないかと。
女性は もっと
自由にならないといけないのに。
(森)自由…。
亮だって 本当は
結婚したかったんじゃないかって。
留学を1年で帰国して
使命を果たせなかった自分に
結婚をしないという罰を
与えているように
思えてなりませんでした。
梅は自由なのか?
えっ?
華族女学校の教育方針が
合わないのなら 辞めればいい。
そういうわけにはいきません。
なぜ?
華族女学校は国と関わっています。
私は 国への恩返しを
しないといけないのです。
恩返しね…。
はい。
考え方に縛られているのは
梅のほうなんじゃないのか?
〈私は 森様の言葉を
すぐには
認めたくありませんでした〉
〈明治22年
伊藤様が長年取り組んできた
大日本帝国憲法が発布される日が
やってきました〉
♬~
♬~
(書生)大臣!
(森)なんだ!? 貴様!
(刺す音)
♬~
(初)梅。
開けますよ。
あったまったら?
(初)ごめんね。
なんにもわかってやれなくて…
ごめんね。
あったかい。
(梅の声)早く恩返しがしたいです。
(森の声)恩返しか…。
一体 誰に?
(森の声)梅は自由なのか?
考え方に縛られているのは
梅のほうなんじゃないのか?
♬~
熱っ!
♬~
森様に言われた事を
ずっと考えてた。
華族女学校の方針に
賛同できないのに
辞めない本当の理由は
お給料が高くて
品位のある学校の教師っていう
地位でいられるからよ。
それが なくなると思うと
不安になる。
この国は 結婚してない女性が
自活するのは
とても難しいから。
だから 辞められなかった。
私も一緒。
全然 自由じゃなかった。
それから どう女子教育に
関わっていけばよいのか
わからなくなった。
えっ?
ただ 国に恩返しをしないと
いけないっていう考えに
縛られてただけかもしれない。
それで?
私 一度 教師の仕事から
離れてみようと思う。
離れて どうするの?
もう一度 学びたい。
すいません。
(仙)なんだ? 話っていうのは。
私 留学する事にしました。
留学って お前…
何を言い出すかと思ったら。
本気なのか?
はい。
私 ずっと アメリカの大学に
行きたいと思っていました。
金 どうするんだ? お前。
今回は 国が
出してくれるわけじゃねえし
向こうの大学だって
受け入れてくれるかどうか
わかんねえだろ。
心配ないです。
今まで出会った
みんなのおかげで
受け入れてくれる大学が
見つかりました。
(歌子)津田先生が
ここに在籍したまま
留学できるよう
取り計らって頂けませんか?
(学長)えっ?
留学中のお給料を
保証して頂きたいのです。
(英語)
みんなに出会えたのは
一度目の留学のおかげです。
お父さん お母さん
私を留学させてくださって
ありがとうございました。
♬~
今回は 国のために
留学するわけではありません。
お父さんのために
留学するわけでもありません。
私自身のために留学します。
学びたいと
思っている事があって…。
日本の女性が
誰もやった事ない事です。
♬~
さすが俺の娘だ。
♬~
〈私は 女子教育に熱心な環境で
学ぶ事の楽しさを思い出し
3年間 生物学の研究に
没頭したのでした〉
(英語)
♬~
今日から この場所で
授業をする事になりました。
〈36歳になった私は 塾長として
日本で初めての
女子のための専門学校
女子英学塾を開校しました〉
私は6歳の時にアメリカに渡り
11年間
教育を受けて帰国しました。
帰国した時に
留学で得た知識 経験を生かし
必ず恩返しをすると誓いました。
あれから18年が経ち
ようやく恩返しができる日が
やってきました。
未来の女性たちへの恩返しです。
性別や立場が何であっても
いくつであっても
意志さえあれば
いつでも学べるのです。
自分の頭で考え
自分自身で選択する力をつけ
行動しましょう。
当たり前とか常識に
とらわれないでください。
自分の人生は 自分自身でしか
決められないのです。
仲間とともに
人生を作り上げていくのです。
(英語)
♬~
♬~
〈これが 私の
生涯最後の言葉となりました〉
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~